JP2015091227A - 有用物質の生産方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、界面活性剤の存在下での培養中に急激な泡立ちが生じず、高収率で有用物質を生産できる有用物質の生産方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は培養液中に含まれる細菌を用いて有用物質を培養液中に分泌生産する有用物質の生産方法であって、培養液中に界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)を含む有用物質の生産方法である。
有機極性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
AOとしては、エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンオキシド等が挙げられる。
AOの重合は、単重合でもよく、共重合でもよい。共重合の場合は、ブロック共重合、ランダム共重合、ブロックとランダムの併用等いずれでもよい。突発的な泡立ちを抑え、細菌の培養能力が低下しにくい及び大量に有用物質を得られる観点から、重合度は、1〜1000が好ましく、さらに好ましくは1〜250であり、
(B4)としては、エチレンオキサイド及び1,2−プロピレンオキサイドの共重合物が好ましく、更に好ましくはエチレンオキサイド及び1,2−プロピレンオキサイドのブロック重合物である。
アミノアルコールとしては、炭素数1〜10のものが挙げられ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミン等が好ましい。
脂肪酸としては、上述の脂肪酸(B3)が挙げられる。
(B5)として、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
エステルは、モノエステルでもよく、ジエステルでもよく、トリエステルでもそれ以上でもよい。
HLB=20×{親水基の分子量/界面活性剤の分子量} (1)
界面活性剤の親水性及び疎水性を示す尺度としてHLBが知られている。HLBの値が高いほど親水性が高いことを意味する。
脂肪酸としては、上述の脂肪酸(B3)等が挙げられる。
(B6)としては、例えば、ソルビタンモノパルミチン酸エステル(HLB=6.7)、ソルビタンモノステアリン酸エステル(HLB=4.7)、ソルビタントリオレイン酸エステル(HLB=1.8)、ポリオキシエチレン(重合度=10)ポリオキシプロピレン(重合度=30)グリコールオレイン酸モノエステル(HLB=3.6)、ポリオキシエチレン(重合度=10)ポリオキシプロピレン(重合度=10)グリコールオレイン酸モノエステル(HLB=6.7)、ポリオキシエチレン(重合度=5)ポリオキシプロピレン(重合度=10)グリコールオレイン酸モノエステル(HLB=4.0)、ポリエチレングリコール(重合度=200)モノラウリン酸エステル(HLB=9.8)、ポリエチレングリコール(重合度=200)ジラウリン酸エステル(HLB=6.6)、ポリエチレングリコール(重合度=400)ジラウリン酸エステル(HLB=9.8)、ポリエチレングリコール(重合度=200)モノステアリン酸エステル(HLB=8.5)、ポリエチレングリコール(重合度=200)ジステアリン酸エステル(HLB=5.4)、ポリエチレングリコール(重合度=400)ジステアリン酸エステル(HLB=5.4)、ポリエチレングリコール(重合度=200)オレイン酸エステル(HLB=8.4)、ポリエチレングリコール(重合度=200)ジオレイン酸エステル(HLB=5.3)、ポリエチレングリコール(重合度=400)ジオレイン酸エステル(HLB=8.4)等が挙げられる。
1価のアルコールとしては、前記の炭素数1〜4の低級アルコール(B1)、前記の炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)、炭素数19〜24の1価の脂肪族アルコール(ノナデシルアルコール、1−テトラコサノール等)及び炭素数6〜24の1価の芳香脂肪族アルコール(ベンジルアルコール、t−ブチルベンジルアルコール等)等が挙げられ、3価以上のアルコールとしては3〜8価のアルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビット及びソルビタン等)等が挙げられる。
1価以上のフェノール化合物としては、フェノール及び1−又は2−ナフトール並びにこれらの芳香環上の水素原子を炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物(オクチルフェノール、ノニルフェノール等)等が挙げられる。
(B7)としては、前記(B2)で例示したものの内の炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物、炭素数19〜24の1価の脂肪族アルコールのAO付加物、3価以上のアルコールのAO付加物及び炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物が好ましく、更に好ましくは前記(B2)で例示したものの内の炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLBが7.0未満のもの、炭素数19〜24の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLBが7.0未満のもの、3〜8価のアルコールのAO付加物であってHLBが8.0未満のもの及び炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物であってHLBが8.0未満のものである。
特に好ましくは炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLBが7.0未満のもの{オレイルアルコールEO2モル付加物(HLB=4.9)等}、炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物であってHLBが8.0未満のもの{ノニルフェノールEO2モル付加物(HLB=5.7)等}及び3〜8価のアルコールのAO付加物であってHLBが8.0未満{グリセリンのPO50モル付加物(HLB=0)等}のものである。
ペリプラズムとは、細菌の細胞質膜より外側で細菌の最表面までの空間の事である。
ペリプラズムへの移行に必要なシグナル配列としては、Sec分泌シグナル配列やTAT分泌シグナル等が挙げられる。
[R−NH−(CH2)n−COO-]mM (1)
一般式(1)中、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。nは1以上の整数である。mは1以上の整数である。Mはプロトン;又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム(アミン及びアルカノールアミン等由来のカチオンを含む)及び第4級アンモニウム等の1価又は2価のカチオンである。
また、(A1−1−1)として具体的には、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(コカミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム及びラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等);アルキルアミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウム等)及びN−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。
R−N+(CH3)2−CH2COO- (2)
一般式(2)中、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
界面活性剤(A)としては、消泡剤(B)に含まれる前記の有機極性化合物と同じものを用いることもできる。
水性希釈液における、界面活性剤(A)の合計濃度は、対象となる微生物、生理活性物質の種類及び抽出方法の種類によって適宜選択されるが、有用物質の分泌性及びハンドリング性の観点から、水性希釈液の重量を基準として、0.1〜99重量%が好ましく、好ましくは1〜50重量%である。
なお、本発明においては、下記式によって定義される。
分泌効率(%)=100×{(X/Y)−Z}
X:遠心分離による菌体除去後に残る培養液中の有用物質
Y:培養液中の全有用物質
Z:溶菌した細菌の割合を示し、下記の式によって定義される。
Z=Z1/Z2
Z1:遠心分離による菌体除去後に残る培養液中の細胞質内局在物質
Z2:培養液中の全細胞質内局在物質
なお細胞質内局在物質とは、細胞質内に存在している物質であり、溶菌によって培養液中に溶出される物質をさす。
低級アルコール系消泡剤としては、炭素数1〜4の脂肪族アルコールが含まれ、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、sec−ブタノール及びn−ブタノール等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、動粘度10〜10000(mm2/s、25℃)のポリジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等も含まれる。
変性シリコーンオイルとしては、上記のポリジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたもの等が含まれる。
その他の消泡剤(C)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
乾燥菌体密度は、次の手順(1)〜(5)により求める。
手順(1):あらかじめ容器(遠心チューブ)の重量を測定しておく。
手順(2):培養液100mlを手順(1)で重量を測定した容器に入れ、遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、細菌を集菌する。手順(3):容器中の集菌した細菌を、0.9重量%NaCl水溶液[手順(2)で使用した培養液と同じ体積]で洗い、再度遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、細菌を集菌する。
手順(4):手順(3)で得られた細菌を容器にいれたままの状態で、105℃で10時間乾燥させた後、容器と細菌の合計の重量を測定する。
手順(5):手順(4)の後さらに105℃で2時間乾燥させた後、容器と細菌の合計の重量を測定して重量変化が無いことを確認する。さらに重量が減少するなら重量変化が無くなるまで105℃で乾燥を持続する。
手順(5)と手順(1)の測定値と手順(2)で使用した培養液の体積(L)を下記式に当てはめることにより、乾燥菌体密度を求める。
乾燥菌体密度(g/L)=([手順(5)の測定値]−[手順(1)の測定値])/0.1
細菌が大腸菌である場合の乾燥菌体密度は、培養液の体積を基準として、有用物質の生産が実施可能な観点から、1.5〜500g/Lが好ましく、更に好ましくは3〜100g/Lであり、特に好ましくは10〜50g/Lであり、最も好ましくは12〜27g/Lである。
本発明の有用物質の生産方法において、上記範囲内であれば、乾燥菌体密度が大きければ大きいほど有用物質の生産量は増加する。
工程(a):有用物質を生産する細菌(グラム陰性細菌等)を培養する培養液と界面活性剤(A)及び消泡剤(B)とを同時に存在させて有用物質を細胞外(培養液中)に分泌させる工程。
工程(b):工程(a)の後、培養液から有用物質を分離する工程。
(i)遺伝子組み換え
(i−1)目的タンパク質を発現している細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、該mRNAから単鎖のcDNAを、次に二重鎖DNAを合成し、該二本鎖DNAをファージDNA又はプラスミドに組み込む。得られた組み換えファージ又はプラスミドを宿主大腸菌に形質転換しcDNAライブラリーを作成する。
(i−2)目的とするDNAを含有するファージDNA又はプラスミドをスクリーニングする方法としては、ファージDNA又はプラスミドと目的タンパク質遺伝子又は相補配列の一部をコードするDNAプローブとのハイブリダイゼーション法が挙げられる。
(i−3)スクリーニング後のファージ又はプラスミドから目的とするクローン化DNA又はその一部を切りだし、該クローン化DNA又はその一部を発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することによって、目的遺伝子の発現ベクターを作成することができる。内膜を移行させるシグナル配列(ペリプラズムに目的物質を発現させるシグナル配列)をコードするDNAを同時に連結することもできる。
(ii)培養
(ii−1)宿主細菌を発現ベクターで形質転換して組み換え細菌を作成し、組み換え細菌を前培養する。前培養は寒天培地上で通常15〜43℃で3〜72時間行う。
(ii−2)有用物質の生産に用いる培養液を121℃、20分間オートクレーブ滅菌を行い、ここに寒天培地で前培養した組み換え細菌を培養する。培養は、通常15〜43℃で12〜72時間行う。なお、培養開始と同時に界面活性剤(A)及び消泡剤(B)を使用する場合は、界面活性剤(A)及び消泡剤(B)と培養液とを混合し均一化したものを、培養液として用いて同様の操作を行う。また、培養後6時間から72時間後に界面活性剤(A)及び消泡剤(B)を加える場合は、界面活性剤及び消泡剤を加えてから1〜1000時間培養を継続する。
(iii)精製
(iii−1)培養液中に分泌されたタンパク質は、遠心分離、中空糸分離、ろ過等で微生物及び微生物残さと分離される。
(iii−2)タンパク質を含む培養液は、イオン交換カラム、ゲルろ過カラム、疎水カラム、アフィニティカラム及び限外カラム等のカラム処理を繰り返し、エタノール沈殿、硫酸アンモニウム沈殿及びポリエチレングリコール沈殿等の沈殿処理を必要に応じ適宜行うことによって分離精製される。
また、本発明の有用物質の生産方法を使用することにより、培養液が逆流することなく、泡切り羽根や、泡面センサーなどを搭載した、抑泡装備のある培養槽においても、突発的な逆流を抑える効果を発揮する。さらに、培養槽が泡で満たされることがないので、細菌の培養能力が低下せず、有用物質を大量に得ることができる。
本発明の有用物質生産方法は、細菌内で作成した有用物質が細菌のペリプラズムに移行している場合に特に有効である。有用物質がペリプラズムに移行していることによって、有用物質が培養液中に分泌されやすくなる。
プライマー1(配列番号1)と2(配列番号2)を用いてPCR法により大腸菌株W3110のアルカリホスファターゼ(phoA)遺伝子を増幅した。PCR断片を制限酵素NdeIとBamHIで処理後、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNdeI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合した。その後λDE3 Lysogenization Kit(Novagen社)を用いて、大腸菌株AG1(ToYoBo社)を改変して作成したAG1(DE3)大腸菌株にこのプラスミドを形質転換してアルカリホスファターゼ発現株(α)を作成した。発現したアルカリホスファターゼがペリプラズム画分に局在することをMETHODS IN ENZYMOLOGY 353巻 2002年 121頁の方法に基づいて解析し確認した。
発現株(α)をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)50mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い前々培養液を作成した。前々培養液をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)500mlに植菌して30℃12時間振とう培養を行い前培養液を作成した。
前培養液を2.5Lの培養液[水2.5L中のそれぞれの成分の含有量は、酵母エキス(日本製薬社製)60g、ポリペプトン(日本製薬社製)30g、リン酸2カリウム23.5g、リン酸1カリウム5.5g、硫酸アンモニウム17.5g、リン酸2ナトリウム12水和物33g、クエン酸ナトリウム2水和物1g、グリセロール10g、ラクトアルブミン水解物75g、界面活性剤(A)(ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム)25g、消泡剤(B)(ペンチルアルコール)2.5g、1mM硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム945μg、塩化鉄(III)25mg、硫酸亜鉛7水和物450μg、硫酸銅255μg、塩化マンガン4水和物335μg、塩化コバルト245μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム10mg)、100mg/Lアンピシリン]に植菌し、アンモニア水及び乳酸水溶液をそれぞれ滴下するための滴下ライン並びにpHセンサを備えた微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BMS−P」)中で、アンモニア水又は乳酸水溶液を必要により滴下することでpHを6.8に維持しながら、30℃で培養を行った。
培養開始後1M IPTG溶液を7.5mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50重量% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、消泡剤(ペンチルアルコール、0.1重量%)、100mg/L アンピシリン)2Lの滴下(60ml/h)を開始した。
48時間培養を行い、培養中の突発的な逆流の有無及び培養液の泡の高さを下記の方法で測定し、表1に記載した。また、下記の方法で濁度を測定して表1に記載した。
また、48時間目に培養を終了し、培養液を回収して培養液中の総タンパク質をSDS−PAGEで解析をして、タンパク質バンドの定量から生産した組み換えタンパク質量の定量を行った。
実施例1において、界面活性剤(A)として、表1〜4に記載のものを使用し、消泡剤(B)として、「ペンチルアルコール」に代えて表1〜4に記載のもの及び濃度で用いる以外は実施例1と同様にして、大腸菌の培養を行い、突発的な逆流の有無、培養槽中の泡の高さ及び培養液の濁度を実施例1と同様に測定し、表1〜4に記載した。培養終了後の培養液について実施例1と同様にして生産した組み換えタンパク質量を定量し、表1〜4に記載した。
実施例1において、界面活性剤(A)として表4〜5のものを使用し、消泡剤として「ペンチルアルコール」に代えて表4〜5のもの及び濃度で用いる又は消泡剤を用いない以外は実施例1と同様にして、大腸菌の培養を行い、突発的な逆流の有無、培養槽中の泡の高さ及び培養液の濁度を実施例1と同様に測定し、表5及び6に記載した。培養終了後の培養液について実施例1と同様にして生産した組み換えタンパク質量を定量し、表5及び6に記載した。
なお、泡立ちによって突発的な逆流を生じたものは逆流を生じた時点で培養を中止し、濁度の測定と生産した組み換えタンパク質の定量は行わなかった。
大腸菌の培養時間を通して、装置の通気ラインからの、突発的な逆流の有無を観察した。培養開始から48時間目に、培養液を攪拌したままの状態で、培養液の上部に堆積した泡の高さを計測した。
濁度計(島津社製、UV−1700)を用いて、1mlの石英セルを用いて濁度の測定を行った。
培養液は、適切な吸光度になるように生理食塩水で希釈して測定を行った。細菌を含まないこと以外は同じ培養液を、上記と同じ希釈率で希釈して吸光度を測定してブランクとした。培養液の濁度は下記式によって算出した。
培養液の濁度=[(希釈した培養液の濁度測定値)−(ブランクの濁度測定値)]×希釈倍率
シリコーン系消泡剤:信越化学工業(株)製、「KM−70」
鉱物油系消泡剤:サンノプコ(株)製、「ダッポーH−106」
このことから、本発明の製造方法においては、界面活性剤(A)と消泡剤(B)とを用いることにより、培養液を突発的に逆流させることなく、有用物質を生産することができ、さらに、有用物質を大量に得ることができることが分かる。
2:攪拌羽根
3:温度計
4:通気ノズル
5:排気口
6:培養液
7:泡切り羽根
8:泡面センサ
9:pHセンサ
Claims (8)
- 培養液中に含まれる細菌を用いて有用物質を培養液中に分泌生産する有用物質の生産方法であって、培養液中に界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)を含む有用物質の生産方法。
- 有用物質がタンパク質である請求項1に記載の有用物質の生産方法。
- タンパク質がペリプラズムへ移行する性質を有するタンパク質である請求項2に記載の有用物質の生産方法。
- 細菌が外膜保有菌である請求項1〜3のいずれかに記載の有用物質の生産方法。
- 消泡剤(B)の使用量が、培養液の重量を基準として、0.00001〜20重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
- 有機極性化合物系消泡剤(B)が、炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B1)、脂肪酸(B2)、ポリアルキレングリコール(B3)、脂肪酸アルカノールアミド(B4)、多価アルコールと脂肪酸のエステル(B5)及びアルコールのアルキレンオキサイド付加物(B6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機極性化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
- 界面活性剤(A)が、両性界面活性剤(A1)、アニオン系界面活性剤(A2)及びノニオン性界面活性剤(A3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
- 細菌が大腸菌である請求項1〜7のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
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