JP2015091227A - 有用物質の生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】培養液が逆流しない有用物質の生産方法の提供。【解決手段】培養液中に含まれる細菌を用いて有用物質を培養液中に分泌生産する有用物質の生産方法であって、培養液中に界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)を含む有用物質の生産方法。好ましくは有用物質がタンパク質であり、細菌内で発現したタンパク質がペリプラズムへ移行する性質を有するタンパク質、細菌が外膜保有菌である、消泡剤(B)の使用量が、培養液の重量を基準として、0.00001〜20重量%である有用物質の生産方法。【選択図】図1

Description

本発明は、有用物質の生産方法に関する。
細菌は、アミノ酸やタンパク質等の有用物質を生産するために広く利用されている。特に近年は、医薬上・産業上有用なタンパク質の遺伝子を、遺伝子工学技術を活用して細菌に導入した形質転換された細菌を使用し、有用タンパク質を効率的に生産する技術が知られるようになっている。
タンパク質の生産に用いる細菌として、グラム陰性菌の一種である大腸菌が汎用されている。大腸菌をタンパク質の生産に利用する技術の開発が進んでおり、この技術は工業用タンパク質、食品加工用タンパク質及び医薬品用タンパク質の生産にまで幅広く用いられている。
大腸菌が生産したタンパク質を抽出する方法としては、超音波、高圧ホモジナイザー及びフレンチプレス等の物理的破砕法が挙げられ、これらが広く実用化されている。これらの物理的破砕法は、タンパク質を取り出す際に同時に大腸菌の細胞を死滅させる。
しかしながら、大腸菌を破壊して大腸菌中からタンパク質を抽出する物理的破砕法は、大腸菌内にタンパク質が蓄積するため、大腸菌1細胞が生産する量が限られるなどの課題がある。
一方、近年、大腸菌の菌体外にタンパク質を分泌させ、大腸菌にタンパク質を連続的に生産させ、培養液中にタンパク質を高濃度で蓄積させる技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、さらに、消泡剤として、一般的に細菌の培養時に用いられるシリコーン系消泡剤を用いることが記載されている。
国際公開第2010/137624号
しかしながら、シリコーン系消泡剤を用いた特許文献1の製造方法では、界面活性剤の存在下での細菌培養中に消泡剤が消泡性能を突然失って急激な泡立ちが生じ、各種ラインへの培養液の逆流による培養の中断、泡立ち処理の為の培養の中断及び培養液の調整不良によって収率が低下するという問題がある。
本発明は、界面活性剤の存在下での培養中に急激な泡立ちが生じず、高収率で有用物質を生産できる有用物質の生産方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は培養液中に含まれる細菌を用いて有用物質を培養液中に分泌生産する有用物質の生産方法であって、培養液中に界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)を含む有用物質の生産方法である。
本発明の有用物質の生産方法は、界面活性剤の存在下での培養中に急激な泡立ちが生じず、高収率で有用物質を生産できる。
実施例1の培養装置を示す図である。
本発明の有用物質の生産方法は、培養液中に含まれる細菌を用いて有用物質を培養液中に分泌生産する有用物質の生産方法であって、培養液中に界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)を含む有用物質の生産方法である。
消泡剤としては、従来、低級アルコール系消泡剤、有機極性化合物系消泡剤、鉱物油系消泡剤及びシリコーン樹脂系消泡剤が知られている(藤本武彦、界面活性剤入門、三洋化成工業株式会社、2007年、p199)。本発明においては、消泡剤として、有機極性化合物系消泡剤を用いることにより、界面活性剤の存在下での培養中に急激な泡立ちが生じないことを見出した。
有機極性化合物系消泡剤(B)は、有機極性化合物を消泡成分として含有する消泡剤である。有機極性化合物としては、炭素数1〜4の低級アルコール(B1)、炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)、脂肪酸(B3)、ポリアルキレングリコール(B4)、脂肪酸アルカノールアミド(B5)、多価アルコール又は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と脂肪酸のエステル(B6)並びに1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のアルキレンオキサイド付加物(B7)が挙げられる。
有機極性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
炭素数1〜4の低級アルコール(B1)としては、メタノール、エタノール、プロパノール又はブタノールが挙げられる。
炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)としては、炭素数5〜18の1価の脂肪族アルコール、具体的には、ペンチルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール及び2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
脂肪酸(B3)としては、炭素数12〜30の高級脂肪酸が含まれ、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リシノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、モンタン酸及びメリシン酸等}並びにこれらの金属{アルカリ金属(Li、Na、K等)、アルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Zn、Cu、Ni、Co及びAl等}塩等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール(B4)としては、炭素数2〜4のアルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール等)へのアルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンオキサイド(以下、AOと記載)の付加重合物が含まれる。
AOとしては、エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンオキシド等が挙げられる。
AOの重合は、単重合でもよく、共重合でもよい。共重合の場合は、ブロック共重合、ランダム共重合、ブロックとランダムの併用等いずれでもよい。突発的な泡立ちを抑え、細菌の培養能力が低下しにくい及び大量に有用物質を得られる観点から、重合度は、1〜1000が好ましく、さらに好ましくは1〜250であり、
(B4)としては、エチレンオキサイド及び1,2−プロピレンオキサイドの共重合物が好ましく、更に好ましくはエチレンオキサイド及び1,2−プロピレンオキサイドのブロック重合物である。
脂肪酸アルカノールアミド(B5)としては、アミノアルコールと脂肪酸とのアミド化物が挙げられる。
アミノアルコールとしては、炭素数1〜10のものが挙げられ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミン等が好ましい。
脂肪酸としては、上述の脂肪酸(B3)が挙げられる。
(B5)として、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
多価アルコール又は多価アルコールのAO付加物と脂肪酸のエステル(B6)としては、多価アルコール又は多価アルコールのAO付加物と脂肪酸とのエステル化物であってHLBが10.0未満のもの及び脂肪酸のAO付加物であってHLBが10.0未満のものが挙げられる。
エステルは、モノエステルでもよく、ジエステルでもよく、トリエステルでもそれ以上でもよい。
本発明におけるHLBとは下記式(1)で計算される数値である(藤本武彦著、界面活性剤入門、142頁、三洋化成工業株式会社発行)。
HLB=20×{親水基の分子量/界面活性剤の分子量} (1)
界面活性剤の親水性及び疎水性を示す尺度としてHLBが知られている。HLBの値が高いほど親水性が高いことを意味する。
多価アルコールとしては、炭素数2〜4のアルキレングリコール、3〜8価のアルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ショ糖、ソルビット及びソルビタン等)が挙げられる。
脂肪酸としては、上述の脂肪酸(B3)等が挙げられる。
(B6)としては、例えば、ソルビタンモノパルミチン酸エステル(HLB=6.7)、ソルビタンモノステアリン酸エステル(HLB=4.7)、ソルビタントリオレイン酸エステル(HLB=1.8)、ポリオキシエチレン(重合度=10)ポリオキシプロピレン(重合度=30)グリコールオレイン酸モノエステル(HLB=3.6)、ポリオキシエチレン(重合度=10)ポリオキシプロピレン(重合度=10)グリコールオレイン酸モノエステル(HLB=6.7)、ポリオキシエチレン(重合度=5)ポリオキシプロピレン(重合度=10)グリコールオレイン酸モノエステル(HLB=4.0)、ポリエチレングリコール(重合度=200)モノラウリン酸エステル(HLB=9.8)、ポリエチレングリコール(重合度=200)ジラウリン酸エステル(HLB=6.6)、ポリエチレングリコール(重合度=400)ジラウリン酸エステル(HLB=9.8)、ポリエチレングリコール(重合度=200)モノステアリン酸エステル(HLB=8.5)、ポリエチレングリコール(重合度=200)ジステアリン酸エステル(HLB=5.4)、ポリエチレングリコール(重合度=400)ジステアリン酸エステル(HLB=5.4)、ポリエチレングリコール(重合度=200)オレイン酸エステル(HLB=8.4)、ポリエチレングリコール(重合度=200)ジオレイン酸エステル(HLB=5.3)、ポリエチレングリコール(重合度=400)ジオレイン酸エステル(HLB=8.4)等が挙げられる。
1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B7)としては、1価のアルコールのAO付加物、3価以上のアルコールのAO付加物及び1価以上のフェノール化合物のAO付加物等が挙げられる。
1価のアルコールとしては、前記の炭素数1〜4の低級アルコール(B1)、前記の炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)、炭素数19〜24の1価の脂肪族アルコール(ノナデシルアルコール、1−テトラコサノール等)及び炭素数6〜24の1価の芳香脂肪族アルコール(ベンジルアルコール、t−ブチルベンジルアルコール等)等が挙げられ、3価以上のアルコールとしては3〜8価のアルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビット及びソルビタン等)等が挙げられる。
1価以上のフェノール化合物としては、フェノール及び1−又は2−ナフトール並びにこれらの芳香環上の水素原子を炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物(オクチルフェノール、ノニルフェノール等)等が挙げられる。
(B7)としては、前記(B2)で例示したものの内の炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物、炭素数19〜24の1価の脂肪族アルコールのAO付加物、3価以上のアルコールのAO付加物及び炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物が好ましく、更に好ましくは前記(B2)で例示したものの内の炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLBが7.0未満のもの、炭素数19〜24の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLBが7.0未満のもの、3〜8価のアルコールのAO付加物であってHLBが8.0未満のもの及び炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物であってHLBが8.0未満のものである。
特に好ましくは炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLBが7.0未満のもの{オレイルアルコールEO2モル付加物(HLB=4.9)等}、炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物であってHLBが8.0未満のもの{ノニルフェノールEO2モル付加物(HLB=5.7)等}及び3〜8価のアルコールのAO付加物であってHLBが8.0未満{グリセリンのPO50モル付加物(HLB=0)等}のものである。
消泡剤(B)としては、細菌の培養能力が低下しにくく大量に有用物質を得られるという観点から、炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)、脂肪酸(B3)、ポリアルキレングリコール(B4)、脂肪酸アルカノールアミド(B5)、多価アルコールと脂肪酸のエステル(B6)及び1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、更に好ましくは炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)、ポリアルキレングリコール(B4)、多価アルコールと脂肪酸のエステル(B6)及び1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましくはポリアルキレングリコール(B4)、多価アルコールと脂肪酸のエステル(B6)及び1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、最も好ましくは、ポリアルキレングリコール(B4)及び/又は多価アルコールと脂肪酸のエステル(B6)である。
有機極性化合物系消泡剤(B)は前記の有機極性化合物以外に、他の成分(脂肪酸、アミド、動植物油、炭化水素油、疎水性シリカ、親水性シリカ及び水溶性高分子等:たとえば、特開2004−305882号公報に記載されたもの)並びに水及び/又は公知の溶剤(溶剤ハンドブック、講談社 昭和51年発行、143−881頁に記載された等)を含んでもよい。
有機極性化合物系消泡剤(B)に含まれる有機極性化合物の含有量は、消泡性の観点から、5〜100重量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%である。
消泡剤(B)の使用量は、有用物質の分泌効率の観点から、培養液の重量を基準として、0.00001〜20重量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005〜10重量%である。
消泡剤(B)はあらかじめ培養液と混合して使用する以外に、微生物を懸濁させた培養液に後から添加しても良い。培養液との混合は、4℃〜99℃で培養液に消泡剤(B)を添加し、撹拌羽根又はスターラー等で撹拌することで行うことができる。後から混合する際は、撹拌羽根等で撹拌しながら添加することで行うことができる。
本発明における細菌として、以下に例を挙げるがこれに限定されるものではない。細菌は、真正細菌及び古細菌が含まれる。真正細菌は、外膜保有菌(外膜を有する細菌)と外膜を有しない細菌に分けられる。外膜保有菌としてはグラム陰性菌と少数のグラム陽性菌が挙げられる。グラム陰性細菌としては、エシェリチア属菌(Escherichia)、サーマス属菌(Thermus)、リゾビウム属菌(Rhizobium)、シュードモナス属菌(Pseudomonas)、シュワネラ属菌(Shewanella)、ビブリオ属菌(Vibrio)、サルモネラ属菌(Salmonella)、アセトバクター属(Acetobacter)、シネコシスティス属(Synechocystis属)等が挙げられる。グラム陽性菌としては、バチルス属(Bacillus)、ストレプトマイセス属(Streptmyces)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、ブレビバチルス属(Brevibacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、エンテロコッカス属 (Enterococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、リューコノストック属(Leuconostoc)及びストレプトマイセス属(Streptomyces)等が挙げられる。外膜保有菌であるグラム陽性菌としては、ディノコッカス属菌Deinococcus(Deinococcus radiodurans)及びコリネバクテリウム属菌(Corynebacterium)等が挙げられる。
これらのうち、有用物質を大量に得る観点から、外膜保有菌が好ましく、更に好ましくはグラム陰性菌であり、特に好ましくはエシェリチア属であり、最も好ましくは大腸菌である。
本発明における有用物質としては、特に限定されないが、タンパク質(酵素、ホルモンタンパク質、抗体及びペプチド等)、オリゴ糖及び核酸等が挙げられる。
タンパク質としては、酵素{酸化還元酵素(コレステロールオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ及びペルオキシダーゼ等)、加水分解酵素(リゾチーム、プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ及びグルコアミラーゼ等)、異性化酵素(グルコースイソメラーゼ等)、転移酵素(アシルトランスフェラーゼ及びスルホトランスフェラーゼ等)、合成酵素(脂肪酸シンターゼ、リン酸シンターゼ及びクエン酸シンターゼ等)及び脱離酵素(ペクチンリアーゼ等)等}、ホルモンタンパク質{骨形成因子(BMP)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン1〜12、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ナトリウム利尿ペプチド、血液凝固第VIII因子、ソマトメジン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、血清アルブミン及びカルシトニン等}、抗体{1本鎖抗体、IgGラージサブユニット、IgGスモールサブユニット等}、抗原タンパク質{B型肝炎表面抗原等}、機能性タンパク質{プロネクチン(登録商標)、不凍ペプチド、抗菌ペプチド等}、蛍光タンパク質(GFP等)、発光タンパク質(ルシェラーゼ等)及びペプチド(特にアミノ酸組成を限定するものではなく、オリゴペプチド、ジペプチド及びトリペプチド等)等が挙げられる。
オリゴ糖としては、スクロース、ラクトース、トレハロース、マルトース、ラフィノース、パノース、シクロデキストリン、ガラクトオリゴ糖及びフラクトオリゴ糖等が挙げられる。
核酸としては、イノシン一リン酸、アデノシン一リン酸及びグアノシン一リン酸等が挙げられる。
これらの有用物質のうち、細菌の有用物質の作成の容易さの観点から、タンパク質が好ましく、さらに好ましくは酵素及びホルモンタンパク質である。
有用物質がタンパク質である場合、タンパク質が細菌内で発現した後、一部又は全てがペリプラズムへ移行する性質をタンパク質が有している事が好ましい。さらに好ましくはペリプラズムへの移行に必要なシグナル配列をORF中にコードしているタンパク質である。
ペリプラズムとは、細菌の細胞質膜より外側で細菌の最表面までの空間の事である。
ペリプラズムへの移行に必要なシグナル配列としては、Sec分泌シグナル配列やTAT分泌シグナル等が挙げられる。
本発明の有用物質の生産方法で使用される界面活性剤(A)は、両性界面活性剤(A1)、アニオン性界面活性剤(A2)、ノニオン性界面活性剤(A3)及びカチオン界面活性剤(A4)からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤である。
両性界面活性剤(A1)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤(A1−1)、硫酸エステル塩型両性界面活性剤(A1−2)、スルホン酸塩型両性界面活性剤(A1−3)及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤(A1−4)等が挙げられる。
カルボン酸塩型両性界面活性剤(A1−1)としては、アミノ酸型両性界面活性剤(A1−1−1)、ベタイン型両性界面活性剤(A1−1−2)及びイミダゾリン型両性界面活性剤(A1−1−3)等が挙げられる。
アミノ酸型両性界面活性剤(A1−1−1)としては、分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する両性界面活性剤であり、下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
[R−NH−(CH−COO-M (1)
一般式(1)中、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。nは1以上の整数である。mは1以上の整数である。Mはプロトン;又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム(アミン及びアルカノールアミン等由来のカチオンを含む)及び第4級アンモニウム等の1価又は2価のカチオンである。
また、(A1−1−1)として具体的には、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(コカミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム及びラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等);アルキルアミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウム等)及びN−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤(A1−1−2)は、分子内に第4級アンモニウム塩型のカチオン部分とカルボン酸型のアニオン部分を持っている両性界面活性剤である。(A1−1−2)は下記一般式(2)で示される化合物が挙げられる。(A1−1−2)として具体的には、アルキルジメチルベタイン(ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)、アミドベタイン(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等(ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等)及びラウリン酸アミドプロピルベタイン等)及びアルキルジヒドロキシアルキルベタイン(ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等)、硬化ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
R−N+(CH−CHCOO- (2)
一般式(2)中、Rは炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
イミダゾリン型両性界面活性剤(A1−1−3)としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
その他の両性界面活性剤としては、ナトリウムラウロイルグリシン、ナトリウムラウリルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン塩酸塩及びジオクチルジアミノエチルグリシン塩酸塩等のグリシン型両性界面活性剤;ペンタデシルスルホタウリン等のスルホベタイン型両性界面活性剤;コールアミドプロピルジメチルアンモニオプロパンスルホン酸(CHAPS)、コールアミドプロピルジメチルアンモニオ2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CHAPSO);ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルアミンオキサイド型両性界面活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(A2)としては、エーテルカルボン酸(A2−1)及びその塩、硫酸エステル(A2−2)又はその塩、エーテル硫酸エステル(A2−3)及びその塩、スルホン酸塩(A2−4)、スルホコハク酸塩(A2−5)、リン酸エステル(A2−6)及びその塩、エーテルリン酸エステル(A2−7)及びその塩、アシル化アミノ酸塩並びに天然由来のカルボン酸及びその塩(ケノデオキシコール酸、コール酸及びデオキシコール酸等)等が挙げられる。
エーテルカルボン酸(A2−1)又はその塩としては炭化水素基(炭素数8〜24)を有するエーテルカルボン酸及びその塩が含まれる。(A2−1)又はその塩として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルエーテル酢酸ナトリウム塩及びラウリルグリコール酢酸ナトリウム塩等が挙げられる。
硫酸エステル(A2−2)及びその塩としては、炭化水素基(炭素数8〜24)を有する硫酸エステル及びその塩が含まれる。(A2−2)及びその塩として具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム塩及びラウリル硫酸トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
エーテル硫酸エステル(A2−3)及びその塩としては、炭化水素基(炭素数8〜24)を有するエーテル硫酸エステル及びその塩が含まれる。(A2−3)及びその塩として具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
スルホン酸塩(A2−4)としては、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩及びナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸塩(A2−5)としては、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸二ナトリウム塩、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム塩及びスルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド二ナトリウム塩等が挙げられる。
リン酸エステル(A2−6)としては、オクチルリン酸二ナトリウム塩及びラウリルリン酸二ナトリウム塩等が挙げられる。
エーテルリン酸エステル(A2−7)としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸二ナトリウム塩及びポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸二ナトリウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(A3)としては、前記の1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B6)、脂肪酸のAO付加物(A3−3)及び前記の多価アルコールの脂肪酸エステル(B5)等が挙げられる。
界面活性剤(A)としては、消泡剤(B)に含まれる前記の有機極性化合物と同じものを用いることもできる。
ノニオン性界面活性剤(A3)としては、前記の1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B6)として例示したものの内の炭素数8〜18の1価の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLB=7.0以上のもの(A3−1−1)、炭素数19〜24の脂肪族アルコールのAO付加物であってHLB=7.0以上のもの(A3−1−2)及び炭素数1〜24の直鎖又は分岐アルキル基で置換したアルキル置換フェノール化合物のAO付加物であってHLB=8.0以上のもの(A3−2)、脂肪酸のAO付加物(A3−3)であってHLB=10.0以上のもの(A3−3−1)、多価アルコールの脂肪酸エステル(B5)から選ばれる多価アルコールの脂肪酸エステルであってHLB=10.0以上のもの(A3−4−1)が好ましい。
前記(A3−1−1)及び(A3−1−2)のうち更に好ましいものとしては、デシルアルコールEO10モル付加物(HLB=14.7)、ラウリルアルコールEO7モル付加物(HLB=12.4)、オレイルアルコールEO5モル付加物(HLB=9.0)、オレイルアルコールEO6モル付加物(HLB=10.2)、オレイルアルコールEO7モル付加物(HLB=11.0)及びオレイルアルコールEO10モル付加物(HLB=12.4)、1,2−ドデカンジオールモノオキシエチレン付加物等が挙げられる。
前記(A3−2)のうち更に好ましいものしては、オクチルフェノールのEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物並びにノニルフェノールのEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物等が挙げられ、TRITONTMX−114(HLB=12.4)、igepalTMCA−520(HLB=10.0)及びigepalTMCA−630(HLB=13.0)等が市場から容易に入手できる。
前記(A3−3−1)のうち更に好ましいものとしては、炭素数8〜24の脂肪酸(デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びヤシ油脂肪酸等)のEO1〜20モル及び/又はPO1〜20モル付加物[オレイン酸EO9モル付加物(HLB=11.8)、ジオレイン酸EO12モル付加物(HLB=10.4)、ジオレイン酸EO20モル付加物(HLB=12.9)及びステアリン酸EO9モル付加物(HLB=11.9)等]が挙げられる。
前記(A3−4−1)のうち更に好ましいものとしては、ソルビタンモノオレイン酸エステルEO5モル付加物(HLB=10.0)等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(A3)としては、有用物質を大量に得る及び分泌効率の観点から、前記(A3−1―1)のうちHLBが7.0〜13.0のもの(A3−1―1A)、前記(A3−1―2)のうちHLBが7.0〜13.0のもの(A3−1―2A)、前記(A3−2)のうちHLBが8.0〜13.0のもの(A3−2A)、前記(A3−3−1)のうちHLBが10.0〜13.0のもの(A3−3−1A)及び前記(A3−4−1)のうちHLBが10.0〜13.0のもの(A3−4−1A)が好ましく、更に好ましくは、前記(A3−1―1A)、前記(A3−1―2A)、前記(A3−2A)、前記(A3−3−1A)のうちHLBが12.0〜13.0のもの(A3−3−1B)及び前記(A3−4−1A)である。
カチオン界面活性剤(A4)としては、アミン塩型カチオン界面活性剤(A4−1)及び第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(A4−2)等が挙げられる。
アミン塩型カチオン界面活性剤(A4−1)としては、1〜3級アミンを無機酸(塩酸、硝酸、硫酸、ヨウ化水素酸など)または有機酸(酢酸、ギ酸、蓚酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸、アルキル燐酸など)で中和したものが含まれる。例えば、第1級アミン塩型のものとしては、脂肪族高級アミン(ラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミンなどの高級アミン)の無機酸塩または有機酸塩;低級アミン類の高級脂肪酸(ステアリン酸、オレイン酸など)塩などが挙げられる。第2級アミン塩型のものとしては、例えば脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物などの無機酸塩または有機酸塩が挙げられる。また、第3級アミン塩型のものとしては、例えば、脂肪族アミン(トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)、脂肪族アミンのエチレンオキサイド(2モル以上)付加物、脂環式アミン(N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルヘキサメチレンイミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなど)、含窒素ヘテロ環芳香族アミン(4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、4,4’−ジピリジルなど)の無機酸塩または有機酸塩;トリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなどの3級アミン類の無機酸塩または有機酸塩などが挙げられる。
第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(A4−2)としては、3級アミン類と4級化剤(メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸などのアルキル化剤;エチレンオキサイドなど)との反応で得られるものが含まれる。例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、セチルピリジニウムクロライド、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド、ステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
界面活性剤(A)としては、有用物質の生産量及び分泌効率の観点から、両性界面活性剤(A1)、アニオン系界面活性剤(A2)及びノニオン性界面活性剤(A3)が好ましく、更に好ましくは前記(A1)、前記(A2)、前記(A3−1−1)、(A3−1−2)及び前記(A3−2)であり、特に好ましくは前記(A1)、前記(A2)、前記(A3−1−1)及び(A3−1−2)であり、とりわけ好ましくはカルボン酸塩型両性界面活性剤(A1−1)、エーテルカルボン酸(A2−1)、前記(A3−1−1)及び(A3−1−2)であり、最も好ましくは前記(A1−1)である。
界面活性剤(A)と有機極性化合物系消泡剤(B)の組合せとしては、細菌の培養能力が低下せず、培養途中で消泡能が低下しないという観点から、界面活性剤(A)として好ましいものと有機極性化合物として炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B2)、ポリアルキレングリコール(B4)、多価アルコールと脂肪酸のエステル(B6)及び1価若しくは3価以上のアルコール又はフェノール化合物のAO付加物(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む有機極性化合物系消泡剤との組合せが好ましく、前記(A1)、(A2)及び(A3)から選ばれる1種の界面活性剤(A)と前記(B2)、(B4)、(B6)及び(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機極性化合物を含む有機極性化合物系消泡剤との組み合わせが更に好ましく、前記(A1−1)、(A2−1)、(A3―1)及び(A3−3)から選ばれる1種の界面活性剤(A)と前記(B2)、(B4)、(B6)及び(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機極性化合物を含む有機極性化合物系消泡剤との組み合わせが特に好ましく、前記(A1―1)、(A3―1)及び(A3−3)から選ばれる1種の界面活性剤(A)と前記(B2)、(B4)、(B6)及び(B7)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機極性化合物を含む有機極性化合物系消泡剤との組み合わせが最も好ましい。
培養液中の界面活性剤(A)有機極性化合物系消泡剤(B)に対する重量比率((A)/(B))は、細菌の培養能力が低下しない、培養液が逆流しない及び大量に有用物質を得る観点から、0.005〜990000が好ましく、更に好ましくは0.1〜100000であり、特に好ましくは0.1〜100である。
本発明において界面活性剤(A)は、界面活性剤(A)をそのまま使用してもよいし、必要により水と混合して、水性希釈液(水溶液状又は水分散液状)として用いてもよい。
水性希釈液における、界面活性剤(A)の合計濃度は、対象となる微生物、生理活性物質の種類及び抽出方法の種類によって適宜選択されるが、有用物質の分泌性及びハンドリング性の観点から、水性希釈液の重量を基準として、0.1〜99重量%が好ましく、好ましくは1〜50重量%である。
本発明の界面活性剤を用いて有用物質の生産を行った場合の分泌効率(%)は、生産性の観点から、1〜100が好ましく、更に好ましくは5〜100、特に好ましくは10〜100、最も好ましくは50〜100である。
界面活性剤の分泌効率とは、界面活性剤により細菌内の有用物質が細菌外(培養液中)へ分泌されること示している。
なお、本発明においては、下記式によって定義される。
分泌効率(%)=100×{(X/Y)−Z}
X:遠心分離による菌体除去後に残る培養液中の有用物質
Y:培養液中の全有用物質
Z:溶菌した細菌の割合を示し、下記の式によって定義される。
Z=Z1/Z2
Z1:遠心分離による菌体除去後に残る培養液中の細胞質内局在物質
Z2:培養液中の全細胞質内局在物質
なお細胞質内局在物質とは、細胞質内に存在している物質であり、溶菌によって培養液中に溶出される物質をさす。
分泌効率は、例えば細菌内で生産されたタンパク質がよりペリプラズム移行するようにすれば分泌効率は上がり、よりペリプラズム移行しないようにすれば分泌効率は下がる。また、スクリーニングによって分泌効率の高い界面活性剤を選定することにより分泌効率を上げることができる。
本発明の有用物質の生産方法で使用される界面活性剤(A)の使用量(重量%)は、対象となる微生物、生産される有用物質の種類及び抽出方法の種類によって適宜選択されるが、培養液の重量を基準として、分泌効率及び有用物質(特にタンパク質)の変性のさせにくさの観点から、0.0001〜10が好ましく、更に好ましくは0.005〜10、特に好ましくは0.1〜5である。
界面活性剤(A)はあらかじめ培養液と混合して使用する以外に、微生物を懸濁させた培養液に後から添加しても良い。培養液との混合は、4℃〜99℃で培養液に界面活性剤(A)を添加し、撹拌羽根又はスターラー等で撹拌することで行うことができる。後から混合する際は、撹拌羽根等で撹拌しながら添加することで行うことができる。
界面活性剤(A)の使用にあたっては、上記界面活性剤を単独で用いる以外に、数種類を混合して用いても良い。
本発明の製造方法においては、培養液中に、界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)以外に、(B)以外のその他の消泡剤(C)を含んでもよい。
その他の消泡剤(C)としては、低級アルコール系消泡剤、鉱物油系消泡剤及びシリコーン系消泡剤が含まれる。
低級アルコール系消泡剤としては、炭素数1〜4の脂肪族アルコールが含まれ、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、sec−ブタノール及びn−ブタノール等が挙げられる。
鉱物油系消泡剤としては、25℃で液状の鉱物油を消泡成分とする消泡剤が含まれ、鉱物油としては減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製及び水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油(株)、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、MCオイル P−22、S−10S(以上、出光興産(株))、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
シリコーン系消泡剤としては、ジメチルシリコーンオイル及び変性シリコーンオイルを消泡成分とする消泡剤が含まれる。
シリコーンオイルとしては、動粘度10〜10000(mm2/s、25℃)のポリジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等も含まれる。
変性シリコーンオイルとしては、上記のポリジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたもの等が含まれる。
培養液中のその他の消泡剤(C)の含有量は、消泡性及び抑泡性の観点から、培養液の重量を基準として、0.00001〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00001〜10重量%である。
その他の消泡剤(C)は、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において乾燥菌体密度とは、有用物質の分泌生産において、培養開始時から培養終了時までのいずれかの時点における培養液1L中に含まれる細菌の重量を表す。なお、この細菌の重量は、乾燥させた状態の細菌の重量である。
乾燥菌体密度は、次の手順(1)〜(5)により求める。
手順(1):あらかじめ容器(遠心チューブ)の重量を測定しておく。
手順(2):培養液100mlを手順(1)で重量を測定した容器に入れ、遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、細菌を集菌する。手順(3):容器中の集菌した細菌を、0.9重量%NaCl水溶液[手順(2)で使用した培養液と同じ体積]で洗い、再度遠心分離(4,000G、15分、4℃)して、上澄みを抜き取り、細菌を集菌する。
手順(4):手順(3)で得られた細菌を容器にいれたままの状態で、105℃で10時間乾燥させた後、容器と細菌の合計の重量を測定する。
手順(5):手順(4)の後さらに105℃で2時間乾燥させた後、容器と細菌の合計の重量を測定して重量変化が無いことを確認する。さらに重量が減少するなら重量変化が無くなるまで105℃で乾燥を持続する。
手順(5)と手順(1)の測定値と手順(2)で使用した培養液の体積(L)を下記式に当てはめることにより、乾燥菌体密度を求める。
乾燥菌体密度(g/L)=([手順(5)の測定値]−[手順(1)の測定値])/0.1
本発明の有用物質の生産方法における乾燥菌体密度は、培養液の体積を基準として、1.5〜500g/Lが好ましく、更に好ましくは3g/L〜200g/Lであり、特に好ましくは4〜100g/Lである。乾燥菌体密度が1.5g/L以上であることで、有用物質の生産量が多くなるので好ましい。また、500g/L以下であることで、細菌が効率よく有用物質を生産できるので好ましい。
細菌が大腸菌である場合の乾燥菌体密度は、培養液の体積を基準として、有用物質の生産が実施可能な観点から、1.5〜500g/Lが好ましく、更に好ましくは3〜100g/Lであり、特に好ましくは10〜50g/Lであり、最も好ましくは12〜27g/Lである。
本発明の有用物質の生産方法において、上記範囲内であれば、乾燥菌体密度が大きければ大きいほど有用物質の生産量は増加する。
本発明の有用物質の生産方法において、有用物質の生産量の観点から、乾燥菌体密度が上記範囲内である時間が、有用物質を分泌させる工程に要する時間の10%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50%以上である。
乾燥菌体密度は、例えば十分な通気条件下で半回分培養法を用いて適切な速度で流加を行うことによって増加させることができ、制限した通気条件下で回分培養を行うことによって減らすことができる。また、培養開始から界面活性剤を入れるまでの時間を長くすることによって増加し、培養開始から界面活性剤を入れるまでの時間を短くすることによって減らすことができる。
本発明の有用物質の生産方法において、有用物質の分泌生産をする生産方法には、下記工程(a)及び(b)を含む細胞外分泌生産方法が含まれる。下記工程において、有用物質を分泌生産する工程は工程(a)である。
工程(a):有用物質を生産する細菌(グラム陰性細菌等)を培養する培養液と界面活性剤(A)及び消泡剤(B)とを同時に存在させて有用物質を細胞外(培養液中)に分泌させる工程。
工程(b):工程(a)の後、培養液から有用物質を分離する工程。
以下に本発明の界面活性剤を使用する有用物質の生産方法の一例を示す。
(i)遺伝子組み換え
(i−1)目的タンパク質を発現している細胞からメッセンジャーRNA(mRNA)を分離し、該mRNAから単鎖のcDNAを、次に二重鎖DNAを合成し、該二本鎖DNAをファージDNA又はプラスミドに組み込む。得られた組み換えファージ又はプラスミドを宿主大腸菌に形質転換しcDNAライブラリーを作成する。
(i−2)目的とするDNAを含有するファージDNA又はプラスミドをスクリーニングする方法としては、ファージDNA又はプラスミドと目的タンパク質遺伝子又は相補配列の一部をコードするDNAプローブとのハイブリダイゼーション法が挙げられる。
(i−3)スクリーニング後のファージ又はプラスミドから目的とするクローン化DNA又はその一部を切りだし、該クローン化DNA又はその一部を発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することによって、目的遺伝子の発現ベクターを作成することができる。内膜を移行させるシグナル配列(ペリプラズムに目的物質を発現させるシグナル配列)をコードするDNAを同時に連結することもできる。
(ii)培養
(ii−1)宿主細菌を発現ベクターで形質転換して組み換え細菌を作成し、組み換え細菌を前培養する。前培養は寒天培地上で通常15〜43℃で3〜72時間行う。
(ii−2)有用物質の生産に用いる培養液を121℃、20分間オートクレーブ滅菌を行い、ここに寒天培地で前培養した組み換え細菌を培養する。培養は、通常15〜43℃で12〜72時間行う。なお、培養開始と同時に界面活性剤(A)及び消泡剤(B)を使用する場合は、界面活性剤(A)及び消泡剤(B)と培養液とを混合し均一化したものを、培養液として用いて同様の操作を行う。また、培養後6時間から72時間後に界面活性剤(A)及び消泡剤(B)を加える場合は、界面活性剤及び消泡剤を加えてから1〜1000時間培養を継続する。
(iii)精製
(iii−1)培養液中に分泌されたタンパク質は、遠心分離、中空糸分離、ろ過等で微生物及び微生物残さと分離される。
(iii−2)タンパク質を含む培養液は、イオン交換カラム、ゲルろ過カラム、疎水カラム、アフィニティカラム及び限外カラム等のカラム処理を繰り返し、エタノール沈殿、硫酸アンモニウム沈殿及びポリエチレングリコール沈殿等の沈殿処理を必要に応じ適宜行うことによって分離精製される。
(iii−1)で分離された宿主細胞は、その後、新たに培養液を供給することにより、さらに培養することができる。その培養液等をさらに(iii)の工程に供し精製、培養を繰り返すことにより、有用物質の連続生産を行うことができる。
上記の(iii)のタンパク質の分離・取り出し工程におけるカラムクロマトグラフィーに使用される充填剤としては、シリカ、デキストラン、アガロース、セルロース、アクリルアミド及びビニルポリマー等が挙げられ、市販品ではSephadexシリーズ、Sephacrylシリーズ、Sepharoseシリーズ(以上、Pharmacia社)、Bio−Gelシリーズ(Bio−Rad社)等がある。
本発明の有用物質の生産方法は、有用物質が培養液中に分泌されるため、有用物質の精製が容易である。また、短時間で高い収量を得ることができるため、高生産量を達成することができる。
また、本発明の有用物質の生産方法を使用することにより、培養液が逆流することなく、泡切り羽根や、泡面センサーなどを搭載した、抑泡装備のある培養槽においても、突発的な逆流を抑える効果を発揮する。さらに、培養槽が泡で満たされることがないので、細菌の培養能力が低下せず、有用物質を大量に得ることができる。
本発明の生産方法で得られる有用物質は、上記の方法で得られるため、従来よりも比活性が高い。
本発明の有用物質の生産方法は、界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)と細菌とを同時に存在させて、有用物質を培養液中に分泌させる工程を含む。この工程において、細菌が生存している限り、細菌が有用物質を作成し培養液中に分泌することができる。さらに、細菌が有用物質を作成する能力を有していれば、作成する有用物質の種類は問わず本発明の生産方法が使用できる。
本発明の有用物質生産方法は、細菌内で作成した有用物質が細菌のペリプラズムに移行している場合に特に有効である。有用物質がペリプラズムに移行していることによって、有用物質が培養液中に分泌されやすくなる。
以下の実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を意味する。
<製造例1>
プライマー1(配列番号1)と2(配列番号2)を用いてPCR法により大腸菌株W3110のアルカリホスファターゼ(phoA)遺伝子を増幅した。PCR断片を制限酵素NdeIとBamHIで処理後、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNdeI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合した。その後λDE3 Lysogenization Kit(Novagen社)を用いて、大腸菌株AG1(ToYoBo社)を改変して作成したAG1(DE3)大腸菌株にこのプラスミドを形質転換してアルカリホスファターゼ発現株(α)を作成した。発現したアルカリホスファターゼがペリプラズム画分に局在することをMETHODS IN ENZYMOLOGY 353巻 2002年 121頁の方法に基づいて解析し確認した。
<実施例1>
発現株(α)をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)50mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い前々培養液を作成した。前々培養液をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)500mlに植菌して30℃12時間振とう培養を行い前培養液を作成した。
前培養液を2.5Lの培養液[水2.5L中のそれぞれの成分の含有量は、酵母エキス(日本製薬社製)60g、ポリペプトン(日本製薬社製)30g、リン酸2カリウム23.5g、リン酸1カリウム5.5g、硫酸アンモニウム17.5g、リン酸2ナトリウム12水和物33g、クエン酸ナトリウム2水和物1g、グリセロール10g、ラクトアルブミン水解物75g、界面活性剤(A)(ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム)25g、消泡剤(B)(ペンチルアルコール)2.5g、1mM硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム945μg、塩化鉄(III)25mg、硫酸亜鉛7水和物450μg、硫酸銅255μg、塩化マンガン4水和物335μg、塩化コバルト245μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム10mg)、100mg/Lアンピシリン]に植菌し、アンモニア水及び乳酸水溶液をそれぞれ滴下するための滴下ライン並びにpHセンサを備えた微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BMS−P」)中で、アンモニア水又は乳酸水溶液を必要により滴下することでpHを6.8に維持しながら、30℃で培養を行った。
培養開始後1M IPTG溶液を7.5mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50重量% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、消泡剤(ペンチルアルコール、0.1重量%)、100mg/L アンピシリン)2Lの滴下(60ml/h)を開始した。
48時間培養を行い、培養中の突発的な逆流の有無及び培養液の泡の高さを下記の方法で測定し、表1に記載した。また、下記の方法で濁度を測定して表1に記載した。
また、48時間目に培養を終了し、培養液を回収して培養液中の総タンパク質をSDS−PAGEで解析をして、タンパク質バンドの定量から生産した組み換えタンパク質量の定量を行った。
<実施例2〜71>
実施例1において、界面活性剤(A)として、表1〜4に記載のものを使用し、消泡剤(B)として、「ペンチルアルコール」に代えて表1〜4に記載のもの及び濃度で用いる以外は実施例1と同様にして、大腸菌の培養を行い、突発的な逆流の有無、培養槽中の泡の高さ及び培養液の濁度を実施例1と同様に測定し、表1〜4に記載した。培養終了後の培養液について実施例1と同様にして生産した組み換えタンパク質量を定量し、表1〜4に記載した。
<比較例1〜39>
実施例1において、界面活性剤(A)として表4〜5のものを使用し、消泡剤として「ペンチルアルコール」に代えて表4〜5のもの及び濃度で用いる又は消泡剤を用いない以外は実施例1と同様にして、大腸菌の培養を行い、突発的な逆流の有無、培養槽中の泡の高さ及び培養液の濁度を実施例1と同様に測定し、表5及び6に記載した。培養終了後の培養液について実施例1と同様にして生産した組み換えタンパク質量を定量し、表5及び6に記載した。
なお、泡立ちによって突発的な逆流を生じたものは逆流を生じた時点で培養を中止し、濁度の測定と生産した組み換えタンパク質の定量は行わなかった。
Figure 2015091227
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<突発的な逆流の有無と培養液の泡の高さの評価方法>
大腸菌の培養時間を通して、装置の通気ラインからの、突発的な逆流の有無を観察した。培養開始から48時間目に、培養液を攪拌したままの状態で、培養液の上部に堆積した泡の高さを計測した。
<培養液の濁度の測定>
濁度計(島津社製、UV−1700)を用いて、1mlの石英セルを用いて濁度の測定を行った。
培養液は、適切な吸光度になるように生理食塩水で希釈して測定を行った。細菌を含まないこと以外は同じ培養液を、上記と同じ希釈率で希釈して吸光度を測定してブランクとした。培養液の濁度は下記式によって算出した。
培養液の濁度=[(希釈した培養液の濁度測定値)−(ブランクの濁度測定値)]×希釈倍率
表1〜5中、各成分は下記を用いた。
シリコーン系消泡剤:信越化学工業(株)製、「KM−70」
鉱物油系消泡剤:サンノプコ(株)製、「ダッポーH−106」
表1〜6の結果から、有機極性化合物系消泡剤を用いた本発明の生産方法である実施例1〜71は、その他の消泡剤(C)のみを用いた従来の生産方法である比較例1〜39と比較して、培養液の泡立ちが抑制され、培養液の突発的な逆流が起こらないことが分かる。また、比較例は、突発的な逆流の発生によって培養を中止する結果又は泡立ちが原因となってpHの調整が出来ずにタンパク質の生産が少なくなる結果となったが、本発明の実施例はいずれも有用物質であるタンパク質を大量に得ることができたことがわかる。
このことから、本発明の製造方法においては、界面活性剤(A)と消泡剤(B)とを用いることにより、培養液を突発的に逆流させることなく、有用物質を生産することができ、さらに、有用物質を大量に得ることができることが分かる。
本発明の有用物質の製造方法は、タンパク質などの有用物質を細菌を用いて分泌生産する際に使用できる。製造されるタンパク質が、酵素(プロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ及びアミラーゼ等)の場合には、食品加工用、洗浄剤用、繊維処理用、製紙用途、酵素変換用途などとして好適に使用できる。
1:培養槽
2:攪拌羽根
3:温度計
4:通気ノズル
5:排気口
6:培養液
7:泡切り羽根
8:泡面センサ
9:pHセンサ

Claims (8)

  1. 培養液中に含まれる細菌を用いて有用物質を培養液中に分泌生産する有用物質の生産方法であって、培養液中に界面活性剤(A)及び有機極性化合物系消泡剤(B)を含む有用物質の生産方法。
  2. 有用物質がタンパク質である請求項1に記載の有用物質の生産方法。
  3. タンパク質がペリプラズムへ移行する性質を有するタンパク質である請求項2に記載の有用物質の生産方法。
  4. 細菌が外膜保有菌である請求項1〜3のいずれかに記載の有用物質の生産方法。
  5. 消泡剤(B)の使用量が、培養液の重量を基準として、0.00001〜20重量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
  6. 有機極性化合物系消泡剤(B)が、炭素数5〜18の脂肪族アルコール(B1)、脂肪酸(B2)、ポリアルキレングリコール(B3)、脂肪酸アルカノールアミド(B4)、多価アルコールと脂肪酸のエステル(B5)及びアルコールのアルキレンオキサイド付加物(B6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機極性化合物を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
  7. 界面活性剤(A)が、両性界面活性剤(A1)、アニオン系界面活性剤(A2)及びノニオン性界面活性剤(A3)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
  8. 細菌が大腸菌である請求項1〜7のいずれか1項に記載の有用物質の生産方法。
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