JP2015091196A - 電動モータ - Google Patents

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Tatsuya Morimoto
達也 森本
浅原 康之
Yasuyuki Asahara
康之 浅原
鈴木 健太
Kenta Suzuki
健太 鈴木
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Abstract

【課題】複数の振動モードを同時に抑制することにより、電動モータに発生する振動を抑制できる構造を有する電動モータを提供する。
【解決手段】モータコア2を備えると共に、軸方向に磁極がスキューされた電動モータ1であって、モータコア2の軸方向の中央部10aは、モータコア2の軸方向の端部よりもモータコア周方向の曲げ剛性が高く、モータコアの軸方向の端部は、モータコア2の軸方向の中央部10aよりもモータコア半径方向の減衰力が大きい。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータに関し、複数の振動モードを抑制できる電動モータに関する。
電動モータは、その構造により、回転に伴う加振力が発生する。この加振力によりモータに振動や騒音が発生するため、電動モータの振動レベルを下げるような構造とすることが求められている。
電動モータの振動を抑える構造として、固定子鉄心の内周面を除く全ての表面に、電気絶縁性の弾性体層を施すことにより、固定子鉄心に発生する振動を減衰させるものが開示されている(特許文献1参照)。
特開平10−271719号公報
電動モータにはさまざまな振動モードがある。そのため、従来技術のように、弾性体の減衰力により抑制可能な振動モードだけでなく、弾性体を施すことにより却って振動レベルが増加してしまう振動モードがある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされてものであり、複数の振動モードを同時に抑制することにより、電動モータに発生する振動を抑制できる構造を有する電動モータを提供することを目的とする。
本発明は、モータコアを備えると共に、軸方向に磁極がスキューされた電動モータに適用されるものである。この電動モータにおいて、モータコアの軸方向の中央部は、モータコアの軸方向の端部よりもモータコア周方向の曲げ剛性が高く、モータコアの軸方向の端部は、モータコアの軸方向の中央部よりもモータコア半径方向の減衰力が大きいことを特徴とする。
本発明によれば、モータコアの中央部の曲げ剛性が高くなることにより、円環4次軸0次モードの振動を抑制することができる。また、モータコアの端部の減衰力が大きいことにより、円環0次軸1次モードの振動を抑制することができる。従って、異なる振動モードを同時に抑制することができる。
本発明の第1実施形態の電動モータの説明図である。 本発明の第1実施形態における電動モータの振動モードの説明図である。 本発明の第1実施形態のステータの説明図である。 本発明の第2実施形態のステータの説明図である。 本発明の第3実施形態のステータの説明図である。 本発明の第4実施形態のステータの説明図である。 本発明の第5実施形態のステータの説明図である。 本発明の第5実施形態のワニスを滴下含浸させる様子を示す説明図である。 本発明の第6実施形態のステータの説明図である。 本発明の第6実施形態のステータコアとコイルによりステータを組立てる様子を示す説明図である。 本発明の第7実施形態のステータの説明図である。 本発明の実施形態における効果を表す実験例の説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態の電動モータ1の説明図である。図1(A)は電動モータ1の横断面図を、図1(B)は電動モータ1の縦断面図を、それぞれ示す。
電動モータ1は、モータコア2を構成するステータ10を備える。ステータ10は、内部が空洞の円筒形状を有し、内周側に向かって突設する複数のティース11が周方向に所定の間隔で形成されるステータコア3とコイル30とから構成される。ステータコア3は、ティース11とティース11との間にスロット12が形成される。スロット12には、巻線を巻回して構成されるコイル30が挿装される。コイル30は予め所定の形状に巻回された状態で、スロット12に挿入される。すなわち、本実施形態におけるコイル30は分布巻である。
ステータ10にはロータ20が内装される。ロータ20には永久磁石が備えられ、コイル30に電流を流すことでステータ10に磁力が発生して、ロータ20を回転させる。なお、図示しないが、電動モータ1のステータ10又はロータ20の永久磁石は、スキュー構造となっており、軸方向に向かうにつれて段階的又は連続的に磁界が周方向に変化するように構成されている。
ステータ10の外周側には略円筒状のバックヨーク6が備えられる。バックヨーク6の軸方向端部には、それぞれエンドプレート4が固定される。エンドプレート4は、ロータ20を貫通する回転軸5を支持する。
電動モータ1は、ロータ20が回転することにより発生する加振力により振動が発生する。加振力には、電動モータ1の構造に起因して、複数の加振モードが含まれる。これら複数の加振モードにより、電動モータ1に振動が発生する。
図2は、本発明の実施形態のモータコア2における振動モードの説明図である。
図2(A)は、円環0次軸1次モードの加振の方向を示し。図2(B)は、円環4次軸0次モードの加振の方向を示す。
円環0次軸1次モードは、モータコア2の軸方向の中央部の所定の領域(「節」とも呼ぶ)を除く軸方向の両端部側において、一方の端部側で径が拡大する方向に、他方の端部側で径が縮小する方向に、それぞれ発生する振動モードである。円環方向(径方向)の次数は0であり軸方向の次数は1となる。円環0次軸1次モードは、ステータ10及びロータ20の少なくとも一方をスキュー構造とすることにより発生する振動モードである。
円環4次軸0次モードは、モータコア2の軸方向に渡って、径が4方向へと拡大する方向に発生する振動モードである。すなわち円環方向(径方向)の次数は4であり軸方向の次数は0となる。円環4次軸0次モードは、ステータコア3のスロット12の構成やロータ20の永久磁石の構成により発生する振動モードである。
一般的に、電動モータ1をスキュー構造とすることで、より大きな振動を発生する円環0次軸0次モード(軸方向に渡って径方向に拡大する方向に発生する振動モード)を抑制することができる。一方で、スキュー構造とすることによって、円環0次軸1次モードの振動が発生する。また、ステータコア3のスロット12の構成やロータ20の永久磁石の構成により、円環4次軸0次モードの振動が発生する。
このような振動モードの対策として、従来、コイル30とステータコア3との間に減衰要素を設け、減衰効果により振動レベルを抑制するものが知られている。しかしながら、円環4次軸0次などの高次の振動モードは、減衰要素が介在することにより、却って振動レベルが悪化してしまうという問題があった。
本実施形態は、このような問題に対して、振動を抑制するために、次のように構成した。
図3は、本発明の第1実施形態のステータ10の説明図である。
図3(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図3(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。
ステータコア3のスロット12には、コイル30が挿装されている。コイル30の外周には、箔状の絶縁部材40が巻き付けられる。絶縁部材40は、絶縁性の不織布や樹脂等から構成される。
コイル30をスロット12に挿装するに当たり、予め、絶縁部材40とコイル30との間には、常温で液体状であり、時硬化性又は熱硬化性の樹脂(ワニス)60が滴下含浸される。ワニス60が硬化することにより、絶縁部材40とコイル30とが互いに固定される。絶縁部材40により、コイル30とステータコア3との間が絶縁される。なお、絶縁部材40の余剰の端部は、ステータコア3の端部へと折り返される。
ステータコア3の軸方向の中央部10aにおいては、スロット12の内壁に接着部材65が塗布される。接着部材65は、スロット12にコイル30が挿入されるときに、絶縁部材40とスロット12の内壁12aとを固定する。なお、この中央部10aは、前述の円環0次軸1次モードの節に対応する領域である。節は、電動モータ1の形状や構造にも依るが、ステータコア3の軸方向中心から10〜20%の領域となる。従って、中央部10aも概ねこの領域に設定する。
このようにして、ステータコア3の中央部10aで、コイル30とステータコア3とが、ワニス60、絶縁部材40及び接着部材65を介して固定される。ステータコア3の端部側は、接着部材65は存在せず、絶縁部材40とステータコア3との間は固定されない。
このような構成により、ステータコア3の中央部10aにおいて、コイル30がステータコア3に固定されるので、ステータコア3の中央部10aではステータコア周方向の曲げ剛性が高くなる。ステータコア3の中央部10aの曲げ剛性が高くなることにより、円環4次軸0次モードの振動を抑制することができる。
また、ステータコア3の端部側においては、コイル30とステータコア3との間には接着部材65等は存在せず、コイル30とステータコア3との間は固定されない。この構成により、電動モータ1の回転に伴いコイル30がステータコア3に対して振動するが、コイル30とステータコア3とが接触することで摩擦が発生して、ステータコア30における半径方向の振動が減衰する。これにより、円環0次軸1次モードの振動を抑制することができる。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態では、ステータコア3の中央部10aにおいて、ステータコア3とコイル30とを互いに固定することでステータコア3の剛性を高くした。また、ステータコア3の端部側において、ステータコア3とコイル30とを固定しないことで、これらの間で減衰力が高くなるように構成した。このような構成により、円環0次軸1モードの振動と、円環4次軸0次モードの振動とを同時に抑制することができる。
本発明の実施形態は、さらに、次に説明する他の実施形態においても同様に、ステータ10の中央部10aの剛性を高くし、端部側の剛性を低く構成する。これにより、円環0次軸1モードの振動と、円環4次軸0次モードの振動とを同時に抑制することができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態のステータ10の説明図である。なお、第2実施形態の基本構成(図1)は第1実施形態と同一である。
図4(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図4(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。図4(C)は、図4(B)の領域Yの拡大図である。
第2実施形態では、第1実施例と比較して、コイル30とステータコア3とを結合させる構造が異なる。
コイル30の外周には絶縁部材40が備えられる。コイル30と絶縁部材40との間にはワニス60が滴下含浸される。ワニス60が硬化することにより、絶縁部材40とコイル30とが固定される。
絶縁部材40の外周には、突起部70a、70bが備えられる。突起部70a、70bは、ステータコア3の中央部10aの領域に対応する位置の両側に、絶縁部材40を取り囲むように連続して備えられる。突起部70は例えばゴム等の弾力性のある部材で構成される。以降は特に区別する場合を除き突起部70とのみ表記する。
スロット12にコイル30を挿入したとき、突起部70が絶縁部材40とスロット12の内壁12aとの間に介在することにより、絶縁部材40とスロット12の内壁12aの間に所定の間隙が形成される。この所定の間隙の間に、ワニス60を滴下含浸させる。ワニス60は、硬化するまでにある程度の時間が必要となる。所定の間隙を形成することにより、突起部70によってワニス60が中央部10a以外へと流出することを妨げるので、ワニス60が硬化するまでの間、この所定の間隙に留まり、他に流出することがない。
このような構成により、ステータコア3の中央部10aで、コイル30とステータコア3とが、突起部70aと突起部70bとの間に留まったワニス60により固定される。ステータコア3の端部側は、ワニス60は存在せず固定されない。
以上のように、本発明の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ステータコア3の中央部10aの剛性を高くし、端部側において減衰力を高くするように構成することによって、円環0次軸1モードの振動と、円環4次軸0次モードの振動とを抑制するように構成した。
特に、第2実施形態においては、ステータコア3と絶縁部材40との間をワニス60により固定するように構成した。絶縁部材40とスロット12との間に突起部70を介在させることで所定の間隙を形成し、ワニス60が固化するまでの間に他の部位にワニス60が流出することを防止できる。
従って、第2実施形態では、第1実施形態のように、別部材として接着部材65を用意する必要がなく、接着部材65を塗布する製造工程が増加しないため、電動モータ1の製造コストを低減することができる。
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態のステータ10の説明図である。第3実施形態の基本構成(図1)についても、第1実施形態と同一である。
図5(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図5(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。図5(C)は、図5(B)の領域Yの拡大図である。
第3実施形態は、第2の実施形態と比較して、スロット12の構造が異なる。
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、コイル30に突起部70a、70bが備えられる。突起部70a、70bは、ステータコア3の中央部10aの領域に対応する位置の両側に、絶縁部材40を取り囲むように連続して備えられる。
そしてさらに、スロット12の内壁12aに、周状に溝部74a、74bが形成される。溝部74a、74bは、突起部70a、70bに対応した位置に形成される。より具体的には、突起部70aよりも軸方向の中心側に、溝部74aが形成され、突起部70bよりも軸方向の中心側に、溝部74bが形成される。
このような構成により、本発明の第3実施形態では、第2実施形態と同様に、突起部70を絶縁部材40とスロット12との間に介在させて所定の間隙を形成し、ワニス60が固化するまでの間に他の部位にワニス60が流出することを防止する。
特に、第3実施形態においては、スロット12の内壁12aに、溝部74a、74bを形成したので、毛細管現象により溝部74a、74bにワニス60を保持することができる。このような構成により、ワニス60が固化するまでの間に他の部位にワニス60が流出することを防止できる。
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態のステータ10の説明図である。第4実施形態の基本構成(図1)についても、第1実施形態と同一である。
図6(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図6(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。図6(C)は、図6(B)の領域Yの拡大図である。
第4実施形態は、第2実施形態と比較して、絶縁部材40の構造が異なる。
第4実施形態では、第2実施形態と同様に、コイル30に突起部70a、70bが備えられる。突起部70a、70bは、ステータコア3の中央部10aの領域に対応する位置の両側に、絶縁部材40を取り囲むように連続して備えられる。
そしてさらに、絶縁部材40の外周であってスロット12の内壁12aに対向する側に、周状に溝部34a、34bが形成される。溝部34a、34bは、突起部70a、70bに対応した位置に形成される。より具体的には、突起部70aよりも軸方向の中心側に、溝部34aが形成され、突起部70bよりも軸方向の中心側に、溝部34bが形成される。
このような構成により、本発明の第4実施形態では、第2実施形態と同様に、突起部70を絶縁部材40とスロット12との間に介在させて所定の間隙を形成し、ワニス60が固化するまでの間に他の部位にワニス60が流出することを防止する。
第4実施形態においては、絶縁部材40の外周において、突起部70a、70bに対応する位置に溝部34a、34bを形成したので、毛細管現象により溝部34a、34bにワニス60を保持することができる。このような構成により、第3実施形態と同様に、ワニス60が固化するまでの間に他の部位にワニス60が流出することを防止できる。
<第5実施形態>
図7及び8は、本発明の第5実施形態のステータ10の説明図である。第5実施形態の基本構成(図1)についても、第1実施形態と同一である。
図7(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図7(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。図8は、ワニス60を滴下含浸させる様子を示す説明図である。
第5実施形態は、第2実施形態と比較して、絶縁部材40の構造が異なる。
第5実施形態では、第2実施形態と同様に、コイル30に突起部70a、70bが備えられる。突起部70a、70bは、ステータコア3の中央部10aの領域に対応する位置の両側に、絶縁部材40を取り囲むように連続して備えられる。
さらに、第5実施形態では、絶縁部材40に、ステータコア3の中央部10aの領域の両端部に対応する位置に切込部41a、41bがそれぞれ形成される。切込部41a、41bは、スロット12の深さ方向に、ステータコア3の中央部10aに対応する領域の両端部付近にそれぞれに形成される。絶縁部材40は、切込部41a、41bによって、中央部42、端部43a、43b及び端部43c、43dの三つの領域に分かれる。
絶縁部材40をこのように構成することにより、絶縁部材40とコイル30との間、及び、中央部10aにワニス60を滴下含浸させる作業が容易となる。
図8に、ワニス60を滴下含浸させる様子を示す。コイル30の外周側に絶縁部材40を巻き付けた状態で、予めコイル30と絶縁部材40との間にワニスを充填して固定しておく。その後、コイル30をスロット12に挿入する。
この状態で、絶縁部材40の中央部42を、コイル30側へと傾ける。このようにして絶縁部材40と中央部42とスロット12の内壁12aとの間に隙間が形成され、この隙間に、ワニス60を滴下する。中央部42において、絶縁部材40とスロット12の内壁12aとの間には、突起部70a、70bが備えられているで、ワニス60は、突起部70a、70bとの間で、絶縁部材40とスロット12との間に充填される。
このような方法により、ステータコア3の中央部10aで、コイル30とステータコア3とが、突起部70aと突起部70bとの間に留まったワニス60により固定される。ステータコア3の端部側は、ワニス60は存在せず固定されない。
以上のように、本発明の第5実施形態では、第2実施形態と同様に、ステータコア3の中央部10aの剛性を高くし、端部側の剛性を低く構成することによって、円環0次軸1モードの振動と、円環4次軸0次モードの振動とを抑制するように構成した。
特に第5実施形態では、絶縁部材40の構造を工夫することにより、コイル30とステータコア3との所望の位置で、ワニス60を滴下含浸させることができる。なお、第5実施形態では、突起部70a、70bのみを備える構成を示したが、第3実施形態と同様に、スロット12の内壁12aに溝部74a、74bを形成してもよい。また、第4実施形態と同様に、絶縁部材40の表面に、溝部34a、34bを形成してもよい。
<第6実施形態>
図9及び10は、本発明の第6実施形態のステータ10の説明図である。第6実施形態の基本構成(図1)についても、第1実施形態と同一である。
図9(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図9(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。図10は、ステータコア3とコイル30とによりステータ10を組立てる様子を示す説明図である。
第6実施形態は、第1から第5実施形態と比較して、ステータコア3が分割構造である点が異なる。
ステータコア3は、軸方向において、中央部80、第1端部81、第2端部82の三つに分割可能に構成される。さらに、ステータコア3の中央部80、第1端部81、第2端部82は、それぞれ、周方向において、各ティース11を含んで10個に分割された分割部85から構成される。
分割部85は、それぞれティース11が形成されると共に、隣り合う分割部85との間でスロット12が形成される。10個の分割部85により円筒状の中央部80、第1端部81又は第2端部82が形成され、これらを軸方向に積層することにより、ステータコア3が構成される。
このように構成されたステータコア3とコイル30との組立て方法を、図10を参照して説明する。
まず、コイル30の周囲に絶縁部材40を巻き付け、コイル30と絶縁部材40との間にワニス60を滴下含浸させて、コイル30と絶縁部材40との間を固定する。
次に、複数のコイル30をステータコア3における配置に並べ、これらコイル30の周方向外側から、中央部80を構成する分割部85を嵌装する。分割部85を周方向に一周分嵌装することで、円筒状の中央部80が、各コイル30へと嵌装される。
その後、コイル30に備えられる絶縁部材40と中央部80の各スロット12との間にワニス60を滴下含浸させて、絶縁部材40と中央部80のスロット12との間を固定する。
その後、第1端部81を構成する分割部85、及び、第2端部82を構成する分割部85を、それぞれ周方向外側からコイル30へと嵌装する。
全ての分割部85がコイル30に対して嵌装されることで、ステータ10が構成される。ステータ10においては、中央部80のみがコイル30に対して固定され、軸方向の端部側である第1端部81及び第2端部82は、コイル30には固定されない構成となる。従って、前述の第1から第5実施形態と同様に、ステータコア3の中央部10aの剛性を高くし、端部側において減衰力を高くするように構成することができる。
なお、ステータコア3を構成する分割部85は、それぞれ隣り合う分割部に対して接着剤等により適切に固定してもよい。または、ステータコア3を構成する全ての分割部85をコイル30に対して嵌装した後に、ステータコア3の外周にヨーク等を嵌装することにより、各分割部85が固定される構成であってもよい。
<第7実施形態>
図11は、本発明の第7実施形態のステータ10の説明図である。第7実施形態の基本構成(図1)についても、第1実施形態と同一である。
図11(A)はステータ10の端部から観察したスロット12の説明図である。図11(B)は、ステータ10の内周側からコイル30付近を観察したスロット12の説明図である。
第7実施形態では、第1から第6の実施例と比較して、コイル30と絶縁部材40との構造が異なる。
第1実施形態と同様に、コイル30の外周には、絶縁部材40が備えられる。コイル30と絶縁部材40との間にはワニス60を滴下含浸させることにより、絶縁部材40とコイル30とが互いに固定される。
第7実施形態では、コイル30の端部側、すなわちステータコア3の両端部に対応する位置であって、コイル30と絶縁部材40との間に、粘弾性体90を配置した。両端部側のコイル30の外周側に、粘弾性体90を塗布又は巻き付け、粘弾性体90の外側から絶縁部材40を巻き付ける。
その後、コイル30を絶縁部材40との間にワニス60を滴下含浸させて、コイル30と絶縁部材40とを固定する。なお、粘弾性体90は、ゴム、ウレタン、不織布等で構成され、コイル30がステータコア3に対して固定されないような材質で構成される。
このように構成したコイル30をステータコア3のスロット12に嵌装し、コイル30とスロット12との間にワニス60を滴下含浸させる。
これにより、ステータコア3の中央部10aでは、コイル30とステータコア3とがワニスを介して結合される。一方、ステータコア3の軸方向の端部側は、コイル30と、スロットに固定される絶縁部材40との間に粘弾性体90が介装される。
このような構成により、ステータコア3の中央部10aにおいて、コイル30がワニス60、絶縁部材40を介してステータコア3と結合するので、ステータコア3の中央部10aの曲げ剛性が高くなる。ステータコア3の端部側においては、コイル30とステータコア3との間には粘弾性体90が存在するので、電動モータ1の回転に伴い発生する振動を減衰することができる。
以上説明したように、本発明の第7の実施形態では、ステータコア3の中央部10aの剛性を高くし、端部側の減衰力が高くなるように構成することによって、円環0次軸1モードの振動と、円環4次軸0次モードの振動とを抑制するように構成した。
次に、本発明の実施形態の効果について説明する。
図12は、本発明の実施形態における効果を表す実験例の説明図である。
図12は、縦軸に振動を、横軸に電動モータ1の回転速度をそれぞれ設定したとき、円環4次軸0次モードの振動レベルを実線で、円環0次軸1次モードの振動レベルを点線で、それぞれ示したものである。
図12において、従来の構成、すなわちコイル30とステータコア3とをワニス60によりスロット12の内周に渡って固定した構造としたものにおいて、電動モータ1の回転速度に対する振動レベルの変化を細線で示す。
本実施形態の構成、すなわち、中央部10aのみコイル30とステータコア3とを固定する構造としたものにおいて、電動モータ1の回転速度に対する振動レベルの変化を太線で示す。なお、中央部10aの範囲は、ステータコア3の軸方向の全体の長さの16%に設定した。
円環4次軸0次モードにおいては、従来の構成に対して、ステータコア3の中央部10aにおいて、コイル30がステータコア3に固定されるので、ステータコア3の中央部10aの曲げ剛性が高くなり、振動が抑制される。これにより、振動の大きさのピーク値と、ピーク値に対応する回転速度とが変化し、電動モータ1の運転領域における振動レベルが低下していることが分かる。
また、ステータコア3の端部側においては、従来の構成に対して、コイル30とステータコア3との間は固定されず、振動によってコイル30とステータコア3とが接触することによって摩擦力が発生し、振動を減衰する。これにより、円環0次軸1次モードの振動が減衰され、電動モータ1の運転領域における振動のピーク値が低下していることが分かる。
従って、本実施形態における振動の抑制が実験により明らかとなった。
以上のように、本発明の実施形態では、モータコア2を備えると共に、軸方向に磁極がスキューされた電動モータ1として構成される。モータコア2の軸方向の中央部10aはモータコア10aの軸方向の端部よりもモータコア周方向の曲げ剛性が高く、モータコア2の軸方向の端部は、モータコア2の軸方向の中央部10aよりもモータコア半径方向の減衰力が大きく構成した。
このような構成により、モータコア2の中央部10aの曲げ剛性が高くなることにより、円環4次軸0次モードの振動を抑制することができる。また、モータコア2の端部の減衰力が大きいことにより、円環0次軸1次モードの振動を抑制することができる。従って、異なる振動モードを同時に抑制することができる。
また、モータコア2はステータコア3であり、ステータコア3には、巻回されたコイル30が備えられ、ステータコア3の軸方向の中央部10aで、ステータコア3とコイル30とが固定される。このような構成により、中央部10aにおいて剛性を高くでき、端部においては、コイル30とステータコア3とが振動するときに対外に接触することにより、摩擦によって減衰力を高くできる。
また、ステータコア3とコイル30との間に絶縁部材40が備えられ、コイル30と絶縁部材40とは、軸方向の一の端部から他の端部までが固定され、絶縁部材40とステータコア3とは、中央部10aにおいて固定される。このような構成により、中央部10aにおいて剛性を高くでき、端部においては、コイル30とステータコア3とが振動するときに接触することにより、摩擦によって減衰力を高くできる。
また、絶縁部材40には、ステータコア3と絶縁部材40との間に所定の間隙を形成する突起部70が備えられ、突起部70によって形成された所定の間隙にワニス60を含浸させて、ステータコア3と絶縁部材40を固定する。このような構成により、従来から用いられているワニス60による固定方法を用いて、中央部10aの剛性を高くし、端部の減衰力を高くできる。さらに、突起部70によりワニス60を所定の間隙以外の箇所に流出させることなく、ワニス60を硬化することができる。
また、ステータコア3のスロット12の内壁12aには、突起部70に対応する位置に第1の溝部(溝部74a、74b)が形成され、所定の間隙及び第1の溝部にワニス60を含浸させて、ステータコア3と絶縁部材40を固定する。このような構成により、従来から用いられているワニス60による固定方法を用いて、中央部10aの剛性を高くし、端部の減衰力を高くできる。さらに、突起部70と第1の溝部による毛細管現象によりワニス60を所定の間隙以外の箇所に流出させることなく、ワニス60を硬化することができる。
同様に、絶縁部材40の突起部70に対応する位置に第2の溝部(溝部34a、34b)が形成され、所定の間隙及び第1の溝部にワニス60を含浸させて、ステータコア3と絶縁部材40を固定する。このような構成により、従来から用いられているワニス60による固定方法を用いて、中央部10aの剛性を高くし、端部の減衰力を高くできる。さらに、突起部70と第2の溝部による毛細管現象によりワニス60を所定の間隙以外の箇所に流出させることなく、ワニス60を硬化することができる。
また、ステータコア3は、軸方向に、第1端部81、中央部80及び第2端部82に三分割され、コイル30は、ステータコア3の中央部80に固定され、第1端部81及び第2端部82には固定されない。このような構成により、中央部10aにおいて剛性を高くでき、端部においては、コイル30とステータコア3とが振動するときに接触することにより、摩擦によって減衰力を高くできる。
また、ステータコア3の端部において、ステータコア3とコイル30との間に粘弾性部材90が介在し、ステータコア3の中央部10aにおいて、ステータコア3とコイル30とが固定される。このような構成により、中央部10aにおいて剛性を高くでき、端部においては、コイル30とステータコア3とが振動するときに接触することにより、摩擦によって減衰力を高くできる。
以上は、モータコア2の中央部10aの曲げ剛性に関して、円環4次軸0次モードの振動について説明したが、モータコアのスロット数やロータの極数の組み合わせにより、他の円環n次(n=2,3、・・・)軸0次の振動モードに対しても効果がある。
1 電動モータ
2 モータコア
3 ステータコア
10 ステータ
10a 中央部
11 ティース
12 スロット
12a 内壁
20 ロータ
30 コイル
34a、34b 溝部
40 絶縁部材
42 中央部
60 ワニス
65 接着部材
70a、70b 突起部
74a、74b 溝部
80 中央部
81 第1端部
82 第2端部
85 分割部
90 粘弾性体

Claims (8)

  1. モータコアを備えると共に、軸方向に磁極がスキューされた電動モータであって、
    前記モータコアの軸方向の中央部は、前記モータコアの軸方向の端部よりもモータコア周方向の曲げ剛性が高く、
    前記モータコアの軸方向の前記端部は、前記モータコアの軸方向の前記中央部よりもモータコア半径方向の減衰力が大きいことを特徴とする電動モータ。
  2. 請求項1に記載の電動モータであって、
    前記モータコアはステータコアであり、
    前記ステータコアには、巻回されたコイルが備えられ、
    前記ステータコアの軸方向の中央部で、前記ステータコアと前記コイルとが固定されることを特徴とする電動モータ。
  3. 請求項2に記載の電動モータであって、
    前記ステータコアと前記コイルとの間には、絶縁部材が備えられ、
    前記コイルと前記絶縁部材とは、前記ステータコアにおける軸方向の一の端部から他の端部までが固定され、
    前記絶縁部材と前記ステータコアとは、前記中央部において固定されることを特徴とする電動モータ。
  4. 請求項3に記載の電動モータであって、
    前記絶縁部材には、前記ステータコアと前記絶縁部材との間に所定の間隙を形成する突起部が備えられ、
    前記突起部によって形成された所定の間隙にワニスを含浸させて、前記ステータコアと前記絶縁部材を固定することを特徴とする電動モータ。
  5. 請求項3又は4に記載の電動モータであって、
    前記絶縁部材には、前記ステータコアと前記絶縁部材との間に所定の間隙を形成する突起部が備えられ、
    前記ステータコアには、前記突起部に対応する位置に第1の溝部が形成され、
    前記突起部によって形成された所定の間隙及び前記第1の溝部にワニスを含浸させて、前記ステータコアと前記絶縁部材を固定することを特徴とする電動モータ。
  6. 請求項3から5のいずれか一つに記載の電動モータであって、
    前記絶縁部材は、前記ステータコアと前記絶縁部材との間に所定の間隙を形成する突起部が備えられ、
    前記絶縁部材には、前記突起部に対応する位置に第2の溝部が形成され、
    前記突起部によって形成された所定の間隙及び前記第2の溝部にワニスを含浸させて、前記ステータコアと前記絶縁部材を固定することを特徴とする電動モータ。
  7. 請求項2から6のいずれか一つに記載の電動モータであって、
    前記ステータコアは、軸方向に、第1端部、中央部及び第2端部に三分割され、
    前記コイルは、前記ステータコアの前記中央部に固定され、前記第1端部及び前記第2端部には固定されないことを特徴とする電動モータ。
  8. 請求項2から7のいずれか一つに記載の電動モータであって、
    前記ステータコアの端部において、ステータコアとコイルとの間に粘弾性部材が介在し、
    前記ステータコアの中央部において、ステータコアとコイルとが固定されることを特徴とする電動モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018125924A (ja) * 2017-01-30 2018-08-09 本田技研工業株式会社 スロットコイル、回転電機のステータ、及び回転電機のステータの製造方法

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