JP2015090909A - 光増幅部品及びファイバレーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図りながらも増幅用光ファイバの寿命を向上させ得る光増幅部品及びファイバレーザ装置を提供する。【解決手段】光増幅部品1は、放熱板10と、放熱板10に一部が配置される増幅用光ファイバ20とを備える。増幅用光ファイバ20は、増幅用光ファイバの一端E1から、当該増幅用光ファイバ20における一端E1及び他端E2間における途中の位置RPまでのファイバ部分20Aが放熱板10上に配置される。ファイバ部分20Aは、位置RPから外側に向かって増幅用光ファイバ20の直径未満の隙間IL1を有する状態で1周以上にわたって巻かれる内側区間SC1と、内側区間SC1よりも外側において内側区間SC1から増幅用光ファイバ20の直径以上離される外側区間SC2とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は光増幅部品及びファイバレーザ装置に関し、増幅用光ファイバを放熱させる場合に好適なものである。
増幅用光ファイバを伝搬する励起光の一部は、当該増幅用光ファイバにおける伝送損失により熱に変わる。また、増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素が励起光によって励起され、当該活性元素から光が放出される場合にも熱が発生する。これらの熱に基づいて増幅用光ファイバが短命となる傾向がある。この傾向は、近年におけるファイバレーザ装置の高出力化の要請に伴って高まっている。
下記特許文献1では、増幅用光ファイバを渦巻き状に巻いた状態で放熱板に配置する技術が開示されている。
特開2010−177553
ところが、上記特許文献1の増幅用光ファイバにおいては、励起光を入射するための光ファイバと接続される端部を放熱板に配置していないため、当該端部では発熱に起因する劣化が起こり易いという課題があった。また、増幅用光ファイバの端部が放熱板に配置されると大型化する傾向がある。
そこで本発明は、小型化を図りながらも増幅用光ファイバの寿命を向上させ得る光増幅部品及びファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明者が鋭意検討した結果、増幅用光ファイバの一端のみから励起光が入射された場合には、その一端部分における発熱量が最も大きく増幅用光ファイバの他端に近づくほど発熱量が小さい発熱量分布となることが見出された。
したがって、このような発熱量分布となる増幅用光ファイバを放熱板にどのようにして配置するのかといったことが新たに課題となり、当該課題に対してさらに本発明者が鋭意検討して本発明に至った。
本発明の光増幅部品は、放熱板と、前記放熱板に一部が配置される増幅用光ファイバとを備え、前記増幅用光ファイバの一端から、前記増幅用光ファイバの一端及び他端間における途中の位置までのファイバ部分が前記放熱板上に配置され、前記ファイバ部分は、前記位置から外側に向かって前記増幅用光ファイバの直径未満の隙間を有する状態で1周以上にわたって巻かれる内側区間と、前記内側区間よりも外側において前記内側区間から前記増幅用光ファイバの直径以上離される外側区間とを有することを特徴とする。
このようにした場合、放熱板上に配置されるファイバ部分のうち、当該増幅用光ファイバにおいて最も発熱量が高くなる一端部分を、その一端部分の内側で1周以上にわたって巻かれる内側区間から遠ざけることができる。したがって、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することを格段に低減することができる。
また、内側区間の増幅用光ファイバは、当該増幅用光ファイバの直径未満の隙間を有する状態で1周以上にわたって巻かれた状態にあるため、当該状態で巻かない場合に比べて小型化を図ることができる。
こうして、小型化を図りながらも増幅用光ファイバの寿命を向上させ得る光増幅部品が実現される。
また、前記外側区間における前記増幅用光ファイバは、前記増幅用光ファイバの直径以上の隙間を有する状態で前記内側区間の周囲を1周以上にわたって巻かれることが好ましい。
このようにした場合、外側区間において隣り合う増幅用光ファイバを、内側区間において隣り合う増幅用光ファイバよりも離した状態で、当該増幅用光ファイバにおいて最も発熱量が高くなる一端部分を最も外側に位置させることができる。したがって、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することをより一段と低減することができる。
また、外側区間における増幅用光ファイバが巻かれていない場合に比べてより一段と小型化を図ることができる。
さらに、外側区間の増幅用光ファイバは、増幅用光ファイバの直径以上の隙間を有する状態で巻かれるため、当該隙間を有していない場合に比べて放熱板上に配置すべき位置の調整がし易い。したがって、内側区間の増幅用光ファイバの巻く間隔を増幅用光ファイバの直径未満に維持しながら、当該増幅用光ファイバを比較的簡易に放熱板上に配置することができる。
また、前記外側区間における前記増幅用光ファイバは、先端に向かうほど前記内側区間から離されることが好ましい。
このようにした場合、増幅用光ファイバにおいて最も発熱量が高くなる一端部分を、内側区間のみならず、当該一端部分近傍にある増幅用光ファイバからも遠ざけることができる。したがって、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することをより一段と低減することができる。
また、前記放熱板は、前記内側区間が配置される放熱部位の熱放散量よりも、前記外側区間における前記増幅用光ファイバの一端部分が配置される放熱部位の熱放散量のほうが大きい構造とされることが好ましい。
このようにした場合、増幅用光ファイバにおいて最も発熱量が高くなる一端部分を重点的に冷却させることができる。したがって、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することをより一段と低減することができる。
また、前記放熱板の放熱面には凹部が形成され、隣り合うファイバ間が仕切られることなく前記凹部内に前記ファイバ部分が配置される。
このようにした場合、ファイバ部分が凹部内に配置されていない場合に比べて外部からファイバ部分に応力が加わることを抑制できる。また、隣り合うファイバ間が仕切られる場合に比べて増幅用光ファイバを配置するスペースの制約が緩和されるため、当該凹部内に配置すべきファイバ部分の位置の調整がし易くなる。
また、本発明のファイバレーザ装置は、上記に記載の光増幅部品と、種光源及び励起光源と、前記種光源から出射される種光を前記増幅用光ファイバの一端におけるコアに入射するとともに、前記励起光源から出射される励起光を前記増幅用光ファイバの一端におけるクラッドに入射する光カプラとを備えることを特徴とする。
あるいは、上記に記載の光増幅部品と、励起光源と、前記励起光源から出射される励起光を前記増幅用光ファイバの一端におけるクラッドに入射する光カプラと、前記増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素が放出する光の少なくとも一部を反射する第1ミラーと、前記第1ミラーが反射する光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーとを備えることを特徴とする。
このようなファイバレーザ装置は、その構成要素の一部として上記光増幅部品が備えられているため、当該光増幅部品を備えていない場合に比べて増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することを格段に低減することができる。また、上記光増幅部品を備えていない場合に比べて小型化を図ることができる。こうして、小型化を図りながらも増幅用光ファイバの寿命を向上させ得るファイバレーザ装置が実現される。
以上のように本発明によれば、小型化を図りながらも増幅用光ファイバの寿命を向上させ得る光増幅部品及びファイバレーザ装置を提供することができる。
第1実施形態における光増幅部品を示す図である。 増幅用光ファイバの長さ方向に直交するファイバ断面の様子を示す図である。 図1のX−Xを通る断面を示す図である。 増幅用光ファイバの一端から励起光が入射された場合における増幅用光ファイバの発熱量分布を示す図である。 第2実施形態における光増幅部品を示す図である。 第3実施形態における光増幅部品を示す図である。 放熱板の他の構造例(1)を示す図である。 放熱板の他の構造例(2)を示す図である。 第4実施形態におけるファイバレーザ装置を示す図である。 第5実施形態におけるファイバレーザ装置を示す図である。
以下、発明を実施するための形態について図面を用いながら詳細に説明する。
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態における光増幅部品1を示す図である。図1に示すように、本実施形態の光増幅部品1は、放熱板10と、当該放熱板10の放熱面に固定される増幅用光ファイバ20とを主な構成要素として備える。
放熱板10は、熱を放散して温度を下げるための板材である。この放熱板10の材料は銀、銅、金、アルミニウムなどの金属もしくは合金とされ、放熱板10の形状は例えば直方体形状とされる。
図2は、増幅用光ファイバ20の長さ方向に直交するファイバ断面の様子を示す図である。図2に示すように、増幅用光ファイバ20は、1種類以上の活性元素が添加されるコア21と、コア21の外周面を被覆する第1クラッド22と、第1クラッド22の外周面を被覆する第2クラッド23と、当該第2クラッド23を囲む被覆層24とを有する構造でなる。
コア21の屈折率は第1クラッド22の屈折率よりも高くされ、第1クラッド22の屈折率は第2クラッド23の屈折率よりも高くされ、第2クラッド23の屈折率は被覆層24の屈折率よりも低くされる。
なお、活性元素としては、例えば、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)あるいはネオジウム(Nd)等の希土類元素があり、希土類元素以外の活性元素としては、例えば、ビスマス(Bi)がある。
このような構造でなる増幅用光ファイバ20の一部は放熱板10上に配置される。すなわち、図1に示したように、増幅用光ファイバ20の一端E1から、当該増幅用光ファイバ20の一端E1及び他端E2間における途中の位置(以下、途中位置という)RPまでのファイバ部分20Aが放熱板10上に配置される。
途中位置RPは、放熱板10から離し始めるべき位置であり、任意に決められる。例えば、増幅用光ファイバ20における長さ方向の中心が途中位置RPとして決められても良く、当該中心から一端E1又は他端E2側へずれた位置が途中位置RPとして決められても良い。
ファイバ部分20Aは、内側区間SC1と外側区間SC2とを有している。内側区間SC1は、途中位置RPから外側に向かって増幅用光ファイバ20の直径D未満の隙間IL1を有する状態で1周以上にわたって巻かれる。隙間IL1は、図1に示すように、内側区間SC1において隣り合う増幅用光ファイバ20の相対向する内側外周面から外側外周面までの最短距離である。
なお、内側区間SC1において隣り合う増幅用光ファイバの隙間IL1が図1では同程度となっているが、当該隙間IL1は増幅用光ファイバ20の直径D未満であれば異なっていても良い。また、内側区間SC1において隣り合う増幅用光ファイバ20の一部又は全部が接していても良く、交差する箇所があっても良い。
外側区間SC2は、内側区間SC1よりも外側において内側区間SC1から増幅用光ファイバ20の直径D以上離される。本実施形態の場合、外側区間SC2は、増幅用光ファイバ20の直径D以上の隙間SL2を有する状態で内側区間SC1の周囲を1周以上にわたって巻かれている。隙間IL2は、図1に示すように、外側区間SC2において隣り合う増幅用光ファイバ20の相対向する内側外周面から外側外周面までの最短距離である。
なお、外側区間SC2において隣り合う増幅用光ファイバの隙間IL2が図1では同程度となっているが、当該隙間IL2は増幅用光ファイバ20の直径D以上であれば異なっていても良い。
また、外側区間SC2において増幅用光ファイバ20の一端E1を含む近傍部分が図1では巻かれておらず直線状に配置されているが、当該近傍部分が巻かれていても良い。さらに、外側区間SC2の増幅用光ファイバ20が内側区間SC1よりも外側において増幅用光ファイバ20の直径D以上離されていれば、当該外側区間SC2の増幅用光ファイバ20全体が巻かれていなくても良い。
一方、途中位置RPから増幅用光ファイバの他端E2に至るまでのファイバ部分20Bにおいては、放熱板10の放熱面上に配置されず、当該増幅用光ファイバの他端E2は放熱板10の外部に配置される。例えば、内側区間SC1及び外側区間SC2の上方を経由した後に外部の光学部品に延在するようにファイバ部分20Bが配置される。
図3は、図1のX−Xを通る断面を示す図である。なお、図3では、便宜上、増幅用光ファイバ20の断面は簡略して示している。図3に示すように、放熱板10の放熱面における中央部位及び周縁部位以外の部位には、凹部CPが形成される。
ファイバ部分20Aは、この凹部CP内に、隣り合うファイバ間が仕切られることなく配置される。すなわち、凹部CPの底面は平坦とされ、この底面上に、ファイバ部分20Aが内側区間SC1及び外側区間SC2を有する状態で載置される。
このような光増幅部品1では、増幅用光ファイバ20の一端E1における第1クラッド22の端面が、励起光を入射すべき端面とされる。
第1クラッド22の端面から励起光が入射された場合、当該励起光は増幅用光ファイバ20における第1クラッド22及びコア21を伝搬する。このとき、励起光によってコア21に添加される活性元素が励起され、当該活性元素から特定の波長の光が放出される。
図4は、増幅用光ファイバ20の一端E1から励起光が入射された場合における増幅用光ファイバ20の発熱量分布を示す図である。図4に示すように、増幅用光ファイバ20の一端E1から励起光が入射された場合、その一端部分における発熱量が最も大きく増幅用光ファイバ20の他端に近づくほど発熱量が小さい発熱量分布となることが分かる。
このような発熱量分布となる理由は、通常、増幅用光ファイバ20の各場所での発熱はその部分を通過する励起光のエネルギー量に比例するからである。
すなわち、増幅用光ファイバ20の発熱は増幅用光ファイバ20のぞれぞれの場所で励起光の一部が増幅用光ファイバ20の伝送損失により熱に変わるために発生する。したがって発熱量はその位置での伝送損失と励起光のエネルギー量の積におおむね比例する。増幅用光ファイバ20の伝送損失はどの場所でもほぼ一定であるので、励起光のエネルギー量が多い場所ほど増幅用光ファイバ20の発熱量が多い。
本実施形態の場合、増幅用光ファイバ20の一端E1における第1クラッド22の端面が、励起光を入射すべき端面とされるので、その一端部分における励起光のエネルギー量が最も多くなる。その後、励起光は増幅用光ファイバ20を他端E2に向かって伝搬していくが、その際に増幅用光ファイバ20の伝送損失により励起光のエネルギーの一部が熱に変わるためにエネルギー量が徐々に低下していく。増幅用光ファイバ20の伝送損失は通常の通信用光ファイバに比べて格段に大きいために励起光の伝搬によるエネルギー量の低下も格段に大きい。そのため増幅用光ファイバ20の一端部分と他端部分とでの発熱量の差は大きいものとなる。
上述したように、本実施形態の光増幅部品1では、増幅用光ファイバ20において励起光を入射すべき一端E1を含むファイバ部分20Aが放熱板10に配置される。このファイバ部分20Aの内側区間SC1は、途中位置RPから外側に向かって増幅用光ファイバ20の直径D未満の隙間IL1を有する状態で1周以上にわたって巻かれる。一方、ファイバ部分20Aの外側区間SC2は、内側区間SC1よりも外側において内側区間SC1から増幅用光ファイバ20の直径D以上離される。
このため、本実施形態における光増幅部品1は、放熱板10上に配置されるファイバ部分20Aのうち最も発熱量が高くなる一端部分を、その一端部分の内側で1周以上にわたって巻かれる内側区間SC1から遠ざけることができる。したがって、増幅用光ファイバ20の一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバ20が劣化することを格段に低減することができる。
また、内側区間SC1の増幅用光ファイバ20は、増幅用光ファイバ20の直径D未満の隙間IL1を有する状態で1周以上にわたって巻かれた状態にあるため、当該状態で巻かない場合に比べて小型化を図ることができる。
ところで、本実施形態における外側区間SC2は、増幅用光ファイバ20の直径D以上の隙間SL2を有する状態で内側区間SC1の周囲を1周以上にわたって巻かれている。
このため、外側区間SC2において隣り合う増幅用光ファイバを、内側区間SC1において隣り合う増幅用光ファイバよりも離した状態で、当該増幅用光ファイバ20において最も発熱量が高くなる一端部分を最も外側に位置させることができる。したがって、増幅用光ファイバ20の一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバ20が劣化することをより一段と低減することができる。また、外側区間SC2における増幅用光ファイバ20が巻かれていない場合に比べてより一段と小型化を図ることができる。
これに加えて、外側区間SC2の増幅用光ファイバ20は、増幅用光ファイバ20の直径D以上の隙間SL2を有する状態で巻かれるため、当該隙間SL2を有していない場合に比べて放熱板10上に配置すべき位置の調整がし易い。したがって、内側区間SC1の増幅用光ファイバ20の巻く間隔を増幅用光ファイバの直径D未満に維持しながら、当該増幅用光ファイバ20を比較的簡易に放熱板10上に配置することができる。
また、本実施形態における放熱板10の放熱面には凹部CPが形成され、隣り合うファイバ間が仕切られることなく凹部CP内にファイバ部分20Aが配置される。
このため、ファイバ部分20Aが凹部CP内に配置されていない場合に比べて外部からファイバ部分20Aに応力が加わることを抑制できる。また、隣り合うファイバ間が仕切られる場合に比べてファイバ部分20Aを配置するスペースの制約が緩和されるため、凹部CP内に配置すべきファイバ部分20Aの位置の調整がし易くなる。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図5は、第2実施形態における光増幅部品2を示す図である。図5に示すように、本実施形態における光増幅部品2では、増幅用光ファイバ20における外側区間SC2の配置態様のみが第1実施形態と相違している。
具体的に本実施形態における外側区間SC2の増幅用光ファイバ20は、先端に向かうほど内側区間SC1から離されている。すなわち、外側区間SC2において隣り合う増幅用光ファイバの隙間IL2は、先端に向かうほど徐々に広がっている。
このような光増幅部品2によれば、増幅用光ファイバ20において最も発熱量が高くなる一端部分を、内側区間SC1のみならず、当該一端部分近傍にある増幅用光ファイバ20からも遠ざけることができる。したがって、増幅用光ファイバ20の一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバ20が劣化することをより一段と低減することができる。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図6は、第3実施形態における光増幅部品3を示す図である。図6に示すように、本実施形態における光増幅部品3は、第1実施形態における放熱板10に代えて、当該放熱板10とは異なる構造の放熱板11を備えている。
具体的に本実施形態における放熱板30は、内側区間SC1が配置される第1部位の熱放散量よりも、外側区間SC2における増幅用光ファイバ20の一端E1部分が配置される第2部位PA熱放散量のほうが大きい構造とされる。
例えば、第1部位がアルミニウムを用いて形成され、第2部位PAがアルミニウムよりも熱抵抗が小さい銅を用いて形成された場合、第1部位の熱放散量よりも第2部位PAの熱放散量が大きくなる。
また例えば、第1部位及び第2部位PAの放熱面とは逆側の表面部分にフィンと呼ばれる凸部が形成され、当該第2部位PAの凸部の長さが第1部位の凸部の長さよりも大きくされた場合、第1部位の熱放散量よりも第2部位PAの熱放散量が大きくなる。
また例えば、第2部位PAに対してのみ、空冷式、水冷式又は電子冷却式の冷却機構が設けられた場合、第1部位の熱放散量よりも第2部位PAの熱放散量が大きくなる。
このような光増幅部品3によれば、増幅用光ファイバ20において最も発熱量が高くなる一端部分を重点的に冷却させることができる。したがって、増幅用光ファイバ20の一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバ20が劣化することをより一段と低減することができる。
なお、第1部位の熱放散量よりも第2部位PAの熱放散量が大きい構造であれば、例えば図7示す放熱板12あるいは図8に示す放熱板13のように、当該放熱部位PA2の範囲は問わない。また、図6〜図8に示した放熱板11〜13は、上記第2実施形態における放熱板10に代えて適用可能である。
(4)第4実施形態
次に、第4実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図9は、第4実施形態におけるファイバレーザ装置を示す図である。図9に示すように、本実施形態におけるファイバレーザ装置100は、MO−PA(Master Oscillator Power
Amplifier)型のファイバレーザ装置である。
このファイバレーザ装置100は、第1実施形態における光増幅部品1と、種光源31と、複数の励起光源32と、光カプラ33とを主な構成として備える。なお、図9に示す光増幅部品1は、図1に示した場合と異なり、簡略的に示している。
種光源31は、種光を出射するものであり、例えば、レーザダイオードから成るレーザ光源や、ファブリペロー型やファイバリング型のレーザ光源などとされる。
複数の励起光源32は、励起光を出射するものであり、例えばレーザダイオード(Laser Diode)などとされる。
光カプラ33は、種光源31から出射される種光を増幅用光ファイバ20の一端E1におけるコア端面から入射させるとともに、励起光源32から出射される励起光を増幅用光ファイバ20の一端E1における第1クラッド端面から入射させるものである。
なお、本実施形態の場合、種光源31から出射される種光は、入射用光ファイバ40を介して光カプラ33に入射される。この入射用光ファイバ40は、例えばシングルモードファイバとされ、当該入射用光ファイバ40の一端側のコアと種光源31とは光学的に結合されるとともに、入射用光ファイバ40の他端側のコアと増幅用光ファイバ20の一端E1側のコア21とは光カプラ33を介して光学的に結合される。
また、励起光源32から出射される励起光は、励起光入射用ファイバ50を介して光カプラ33に入射される。この励起光入射用ファイバ50は、例えばマルチモードファイバとされ、当該励起光入射用ファイバ50の本数は、励起光源32の数と同じとされる。各励起光入射用ファイバ50の一端側のコアにつき1つの励起光源32が光学的に結合されるとともに、当該励起光入射用ファイバ50の他端側のコアと増幅用光ファイバ20の一端E1側の第1クラッド22とは光カプラ33を介して光学的に結合される。
また、増幅用光ファイバ20の他端E2には出力用光ファイバ70が接続される。この出力用光ファイバ70は、例えばシングルモードファイバとされ、当該出力用光ファイバ70の一端側のコア端面と増幅用光ファイバ20の他端E2側のコア端面とが融着される。
本実施形態におけるファイバレーザ装置100では、増幅用光ファイバ20の一端E1側のコア端面から種光が入射された場合、当該種光は増幅用光ファイバ20の一端E1から他端E2に向けてコア21を伝搬する。
一方、増幅用光ファイバ20の一端E1側の第1クラッド端面から励起光が入射された場合、当該励起光は増幅用光ファイバ20の一端E1から他端E2に向けて第1クラッド22及びコア21を伝搬する。
第1クラッド22及びコア21を伝搬する励起光によってコア21に添加される活性元素が励起され、当該励起状態にある活性元素は、コア21を伝搬する種光によって誘導放出を引き起こす。この誘導放出に起因して種光が増幅され、当該増幅された種光は増幅用光ファイバ20の他端E2から出力用光ファイバ70に出力される。
このようなファイバレーザ装置100は、その構成要素の一部として上記第1実施形態の光増幅部品1を備えている。このため、本実施形態のファイバレーザ装置100は、光増幅部品1を備えていない場合に比べて増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することを格段に低減することができる。また、本実施形態のファイバレーザ装置100は、光増幅部品1を備えていない場合に比べて小型化を図ることができる。
なお、本実施形態におけるファイバレーザ装置100では、光増幅部品1に代えて、第2実施形態の光増幅部品2又は第3実施形態の光増幅部品3が適用されても良い。光増幅部品2又は光増幅部品3が適用されて場合であっても、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することを低減でき、また小型化を図ることができる。
(5)第5実施形態
次に、第5実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成要素については、特に説明する場合を除き、同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。
図10は、第5実施形態におけるファイバレーザ装置を示す図である。図10に示すように、本実施形態におけるファイバレーザ装置110は、共振型のファイバレーザ装置である。
このファイバレーザ装置110は、第1実施形態における光増幅部品1と、複数の励起光源32と、光カプラ33と、第1ミラーとしての第1FBG(Fiber Bragg Grating)36及び第2ミラーとしての第2FBG37とを主な構成として備える。なお、図10に示す光増幅部品1は、図1に示した場合と異なり、簡略的に示している。
第1FBG36は、入射用光ファイバ40に設けられており、増幅用光ファイバ20の長手方向に沿って一定の周期で高屈折率の部分を繰り返す構造でなる。この第1FBG36は、励起状態とされた増幅用光ファイバ20の活性元素が放出する光の少なくとも一部の波長の光を反射するよう調整される。
第2FBG37は、出力用光ファイバ70に設けられており、増幅用光ファイバ20の長手方向に沿って一定の周期で高屈折率の部分を繰り返す構造でなる。この第2FBG37は、第1FBG36が反射する光と同じ波長の光を第1FBG36よりも低い反射率で反射するよう調整される。
本実施形態におけるファイバレーザ装置110では、増幅用光ファイバ20における第1クラッド22に入射した励起光は、当該増幅用光ファイバ20における第1クラッド22及びコア21を伝搬し、当該励起光によってコア21に添加される活性元素が励起され、当該活性元素から特定の波長の光が放出される。
この光は、増幅用光ファイバ20のコア21を伝搬し、特定波長の光が第1FBG36と第2FBG37との間を往来するとともに増幅され、増幅された光の一部が第2FBG37を透過して増幅用光ファイバ20の出力端から出力用光ファイバ70に出射される。
このようなファイバレーザ装置110は、その構成要素の一部として第1実施形態の光増幅部品1を備えている。このため、本実施形態のファイバレーザ装置110は、ファイバレーザ装置100と同様に、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することを格段に低減することができる。また、本実施形態のファイバレーザ装置110は、光増幅部品1のいずれかを備えていない場合に比べて小型化を図ることができる。
なお、本実施形態におけるファイバレーザ装置110では、光増幅部品1に代えて、第2実施形態の光増幅部品2又は第3実施形態の光増幅部品3が適用されても良い。光増幅部品2又は光増幅部品3が適用されて場合であっても、増幅用光ファイバの一端部分で発生する熱に起因して増幅用光ファイバが劣化することを低減でき、また小型化を図ることができる。
以上、第1実施形態〜第5記実施形態が一例として説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述の光増幅部品1〜3、ファイバレーザ装置100あるいはファイバレーザ装置110における各構成要素は、上記実施形態に示された内容以外に、適宜、本願目的を逸脱しない範囲で組み合わせ、省略、変更、周知技術の付加などをすることができる。
本発明に係る光増幅部品及びファイバレーザ装置は、増幅用光ファイバを取り扱う産業上分野において利用可能性がある。
1〜3・・・光増幅部品
10〜13・・・放熱板
20・・・増幅用光ファイバ
21・・・コア
22・・・第1クラッド
23・・・第2クラッド
24・・・被覆層
31・・・種光源
32・・・第1励起光源
33・・・第2励起光源
34・・・入射側光カプラ
35・・・出力側光カプラ
40・・・入射用光ファイバ
50・・・励起光入射用ファイバ
60・・・励起光入射用ファイバ
70・・・出力用光ファイバ
100,110・・・ファイバレーザ装置
SC1・・・内側区間
SC2・・・外側区間

Claims (7)

  1. 放熱板と、前記放熱板に一部が配置される増幅用光ファイバとを備え、
    前記増幅用光ファイバの一端から、前記増幅用光ファイバの一端及び他端間における途中の位置までのファイバ部分が前記放熱板上に配置され、
    前記ファイバ部分は、前記位置から外側に向かって前記増幅用光ファイバの直径未満の隙間を有する状態で1周以上にわたって巻かれる内側区間と、前記内側区間よりも外側において前記内側区間から前記増幅用光ファイバの直径以上離される外側区間とを有する
    ことを特徴とする光増幅部品。
  2. 前記外側区間における前記増幅用光ファイバは、前記増幅用光ファイバの直径以上の隙間を有する状態で前記内側区間の周囲を1周以上にわたって巻かれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光増幅部品。
  3. 前記外側区間における前記増幅用光ファイバは、先端に向かうほど前記内側区間から離される
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光増幅部品。
  4. 前記放熱板は、前記内側区間が配置される放熱部位の熱放散量よりも、前記外側区間における前記増幅用光ファイバの一端部分が配置される放熱部位の熱放散量のほうが大きい構造とされる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光増幅部品。
  5. 前記放熱板の放熱面には凹部が形成され、隣り合うファイバ間が仕切られることなく前記凹部内に前記ファイバ部分が配置される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光増幅部品。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光増幅部品と、
    種光源及び励起光源と、
    前記種光源から出射される種光を前記増幅用光ファイバの一端におけるコアに入射するとともに、前記励起光源から出射される励起光を前記増幅用光ファイバの一端におけるクラッドに入射する光カプラと
    を備えることを特徴とするファイバレーザ装置。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光増幅部品と、
    励起光源と、
    前記励起光源から出射される励起光を前記増幅用光ファイバの一端におけるクラッドに入射する光カプラと、
    前記増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素が放出する光の少なくとも一部を反射する第1ミラーと、
    前記第1ミラーが反射する光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと
    を備えることを特徴とするファイバレーザ装置。
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