JP2015090477A - 表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示特性を向上させることが可能な表示装置および電子機器を提供する。【解決手段】本技術の表示装置は、第1基板と、第1基板に対向配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられ、光透過または反射制御可能な表示層と、添加剤を含み、第1基板と表示層との間に設けられたシール層とを備える。【選択図】図1

Description

本技術は、光透過または反射制御可能な表示層を備えた表示装置、およびその表示装置を備えた電子機器に関する。
近年、携帯電話機または携帯情報端末等のモバイル機器の普及に伴い、低消費電力で高品位画質の表示装置(ディスプレイ)に関する需要が高まっている。特に最近では、電子書籍の配信事業が始まり、読書用途に適した表示品位のディスプレイが望まれている。
このようなディスプレイとして、コレステリック液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,電気酸化還元型ディスプレイおよびツイストボール型ディスプレイ等の様々なディスプレイが提案されているが、読書用途には、反射型のディスプレイが有利である。反射型のディスプレイでは、紙と同様に、外光の反射(散乱)を利用して明表示を行うため、より紙に近い表示品位が得られる。
反射型ディスプレイの中でも、例えば電気泳動現象を利用した電気泳動型ディスプレイは、低消費電力であると共に応答速度が速く、有力候補として期待されている。電気泳動型ディスプレイは、絶縁性液体中に2種類の荷電粒子を分散させ、電界に応じて荷電粒子を移動させるものである。この2種類の荷電粒子は互いに反射特性が異なり、また、その極性も反対である。
このような電気泳動型ディスプレイは、表示体および駆動トランジスタ等が形成されたTFT(Thin Film Transistor)基板を別々に作製したのち、これらを貼り合わせることによって形成される。このような製造方法を用いる場合には、表示体のシート化が必須である。表示体のシート化には表示体の裏面側(貼り合わせ面)にシール層を設ける必要があり、このシール層を介して表示体とTFT基板とが張り合わされる(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−22296号公報
シール層は、例えば熱可塑性樹脂によって形成されている。熱可塑性樹脂は耐熱性、密着性プロセス適応性および電気的特性等の観点では優れているが、電気泳動分散液と化学的な相性が悪く、電気泳動型ディスプレイの表示特性が低下するという問題があった。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表示特性を向上させることが可能な表示装置および電子機器を提供することにある。
本技術の表示装置は、第1基板と、第1基板に対向配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間に設けられ、光透過または反射制御可能な表示層と、添加剤を含み、第1基板と表示層との間に設けられたシール層と
を備えたものである。
本技術の電子機器は、上記本技術の表示装置を備えたものである。
本技術の表示装置では、表示層と第1基板との間に設けられたシール層に添加剤を用いることにより、シール層の表面性が改善される。
本技術の表示装置および電子機器では、表示層と第1基板との間に設けられたシールに添加剤を用いるようにしたので、シール層の表面性が改善され、表示特性を向上させることが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
本技術の一実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。 図1に示した電気泳動素子の構成を表す平面図である。 図1に示した表示装置の動作を説明するための断面図である。 本技術の変形例に係る表示装置の構成を表す断面図である。 適用例1の外観を表す斜視図である。 図6Aに示した電子ブックの他の例を表す斜視図である。 適用例2の外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の表側から見た外観を表す斜視図である。 適用例4の裏側から見た外観を表す斜視図である。 適用例5の外観を表す斜視図である。 適用例6の外観を表す斜視図である。 適用例7の閉じた状態の正面図、左側面図、右側面図および上面図である。 適用例7の開いた状態の正面図および側面図である。 本技術の実施例2における添加剤の添加量と応答速度との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤の添加量と反射率との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤の添加量と応答速度との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤の添加量と反射率との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤の添加量と応答速度との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤の添加量と反射率との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤(アニオン性)とシール層の体積抵抗率との関係を表す特性図である。 実施例2における添加剤(ノニオン性)とシール層の体積抵抗率との関係を表す特性図である。
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(電気泳動型表示装置:シール層に添加剤を加えた例)
2.変形例(シール層を着色した例)
3.適用例
4.実施例
<1.実施の形態>
図1は本開示の一実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の断面構成を表したものである。この表示装置1は電気泳動現象を利用して画像を表示する電気泳動型の表示装置であり、駆動基板10と対向基板20との間に表示体として電気泳動素子30を有している。駆動基板10と対向基板20との間隙はスペーサ40により形成されており、対向基板20側に画像が表示される。なお、図1は表示装置1の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法および形状とは異なる場合がある。
電気泳動素子30は、絶縁性液体31中に泳動粒子32および多孔質層33を含んでおり、対向基板20上に形成されると共に、シール層41によって封止されている。本実施の形態では、シール層41には添加剤が含まれている。電気泳動素子30はこのシール層41および接着層(後述する接着層42)を介して駆動基板10上に積層されている。電気泳動素子30は様々な用途に適用可能である。ここでは、電気泳動素子30を表示装置1に適用する場合について説明するが、表示装置1の構成の一例であり、適宜変更可能である。また、電気泳動素子30を表示装置以外のものに用いてもよく、その用途は特に限定されない。
シール層41は、電気泳動素子30内の絶縁性液体(後述する絶縁性液体31)を封止して電気泳動素子30を備えた対向基板20をシート化すると共に、電気泳動素子30への水分の浸入を防ぐためのものである。本実施の形態のシール層41は、例えば熱可塑性樹脂等を母材として、これに添加剤が添加された構成を有する。母材の具体的な材料としては、例えばウレタン系樹脂またはアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が挙げられる。より具体的には、平均分子量が1000以上100000以下のポリウレタンを用いることが好ましい。添加剤は、シール層41の表面性を改善するためのものである。具体的には、電気泳動素子30を構成する泳動粒子32のシール層41表面への吸着を抑制するものであり、例えば分子内に酸構造を有するものが好ましい。添加剤の平均分子量は、例えば100以上100000以下であることが好ましく、添加量は0.01重量%以上10重量%以下である。具体的な添加剤としては、例えば界面活性剤や分散剤が挙げられる。
界面活性剤は、例えば分子内に酸構造を有するアニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤が挙げられる。具体的には、例えば分子内にカルボン酸構造,スルホン酸構造あるいはリン酸構造を有するアニオン系界面活性剤や、例えば分子内にエステル構造あるいはエーテル構造を有するノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。また、親水性であることが好ましく、例えばHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)値が10以上であることが好ましい。なお、「HLB値が10以上であることが好ましい」とは、必ずしもHBL値が10未満のものを排除するものではない。
添加剤として用いる界面活性剤は、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤をそれぞれ単独で用いてもよいが、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤とを組み合わせて用いてもよい。また、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤は、それぞれ1種類または2種類以上を組み合わせて用いてもよい。これら界面活性剤の添加量は、上記のように0.01重量%以上10重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01重量%以上5重量%以下である。なお、アニオン系界面活性剤はシール層41の表面性の改善効果が高いため、2重量%以下の添加量で十分な効果が得られる。
駆動基板10は、支持部材11の一方の面に例えば、TFT12,保護層13および画素電極14をこの順に有するものである。TFT12および画素電極14は、例えば画素配置に応じてマトリクス状またはセグメント状に配置されている。
支持部材11は、例えば板状の無機材料,金属材料またはプラスチック材料等により構成されている。無機材料としては、例えばケイ素(Si),酸化ケイ素(SiOx),窒化ケイ素(SiNx)または酸化アルミニウム(AlOx)等が挙げられる。酸化ケイ素には、ガラスまたはスピンオングラス(SOG)等が含まれる。金属材料としては、例えばアルミニウム(Al),ニッケル(Ni)またはステンレス等が挙げられる。プラスチック材料としては、例えばポリカーボネート(PC),ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。
表示装置1では、対向基板20側に画像が表示されるため、支持部材11は非光透過性であってもよい。支持部材11を、ウェハ等の剛性を有する基板により構成してもよく、あるいは可撓性を有する薄層ガラスまたはフィルム等により構成してもよい。支持部材11に可撓性材料を用いることにより、フレキシブル(折り曲げ可能)な表示装置1を実現できる。
TFT12は、画素を選択するためのスイッチング用素子である。TFT12は、チャネル層として無機半導体層を用いた無機TFTでもよいし、有機半導体層を用いた有機TFTでもよい。保護層13は、例えばポリイミド等の絶縁性樹脂材料からなり、TFT12が設けられた支持部材11の表面を平坦化するものである。画素電極14は、例えば金(Au),銀(Ag),銅(Cu),Al,Al合金または酸化インジウム−酸化スズ(ITO)等の導電材料により形成されている。複数の種類の導電材料を用いて画素電極14を構成するようにしてもよい。画素電極14は、保護層13に設けられたコンタクトホール(図示せず)を通じてTFT12に接続されている。
対向基板20は、例えば支持部材21および対向電極22を有しており、支持部材21の全面(駆動基板10との対向面)に対向電極22が設けられている。対向電極22を、画素電極14と同様に、マトリクス状またはセグメント状に配置するようにしてもよい。
支持部材21には、光透過性であれば支持部材11と同様の材料を用いることができる。対向電極22には、ITO,酸化アンチモン−酸化スズ(ATO),フッ素ドープ酸化スズ(FTO)またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の光透過性導電性材料(透明電極材料)を用いることができる。
表示装置1では、対向電極22を介して電気泳動素子30を見ることになるため、対向電極22の光透過性(透過率)はできるだけ高いことが好ましく、例えば80%以上である。また、対向電極22の電気抵抗はできるだけ低いことが好ましく、例えば100Ω/□以下である。
電気泳動素子30は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせるものであり、絶縁性液体31中に、泳動粒子32,多孔質層33および隔壁34を含んでいる。
絶縁性液体31は、駆動基板10(具体的には、シール層41)、対向基板20およびスペーサ40により囲まれた空間に充填されており、例えばパラフィンまたはイソパラフィン等の有機溶媒により構成されている。絶縁性液体31には、1種類の有機溶媒を用いてもよく、あるいは複数種類の有機溶媒を混合して用いるようにしてもよい。絶縁性液体31の粘度および屈折率はできるだけ低いことが好ましい。絶縁性液体31の粘度を低くすると、泳動粒子32の移動性(応答速度)が向上する。また、これに応じて泳動粒子32の移動に必要なエネルギー(消費電力)が低くなる。絶縁性液体の屈折率を低くすると、絶縁性液体31と多孔質層33との屈折率の差が大きくなり、多孔質層33の光反射率が高くなる。絶縁性液体31の屈折率は例えば1.48である。
絶縁性液体31は、例えば着色剤,電荷調整剤(電荷制御剤),分散安定剤,粘度調整剤,界面活性剤または樹脂等を添加するようにしてもよい。
泳動粒子32は、絶縁性液体31中に分散された1または2以上の荷電粒子(電気泳動粒子)であり、電界に応じて多孔質層33を経由して移動可能になっている。泳動粒子32は任意の光学的反射特性(光反射率)を有しており、泳動素子32の光反射率と多孔質層33の光反射率との違いによりコントラストが生じるようになっている。表示装置1では、泳動粒子32の光反射率が多孔質層33の光反射率よりも低くなっており、泳動粒子32により暗表示、多孔質層33により明表示がなされる。
従って、外部から電気泳動素子30を見ると、泳動素子32は、例えば黒色または黒色に近い色に視認される。このような泳動粒子32の色はコントラストを生じさせることができれば特に限定されない。
泳動粒子32は、例えば有機顔料,無機顔料,染料,炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスまたは高分子材料(樹脂)等の粒子(粉末)により構成されている。泳動粒子32に、これらのうちの1種類を用いてもよく、または2種類以上を用いてもよい。泳動粒子32を、上記粒子を含む樹脂固形分の粉砕粒子またはカプセル粒子等により構成することも可能である。なお、炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスまたは高分子材料に該当する材料は、有機顔料,無機顔料または染料に該当する材料から除く。
上記の有機顔料は、例えばアゾ系顔料,メタルコンプレックスアゾ系顔料,ポリ縮合アゾ系顔料,フラバンスロン系顔料,ベンズイミダゾロン系顔料,フタロシアニン系顔料,キナクリドン系顔料,アントラキノン系顔料,ペリレン系顔料,ペリノン系顔料,アントラピリジン系顔料,ピランスロン系顔料,ジオキサジン系顔料,チオインジゴ系顔料,イソインドリノン系顔料,キノフタロン系顔料またはインダンスレン系顔料等である。無機顔料は、例えば亜鉛華,アンチモン白,鉄黒,硼化チタン,ベンガラ,マピコエロー,鉛丹,カドミウムイエロー,硫化亜鉛,リトポン,硫化バリウム,セレン化カドミウム,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,クロム酸鉛,硫酸鉛,炭酸バリウム,鉛白またはアルミナホワイト等である。染料は、例えばニグロシン系染料,アゾ系染料,フタロシアニン系染料,キノフタロン系染料,アントラキノン系染料またはメチン系染料等である。炭素材料は、例えばカーボンブラック等である。金属材料は、例えば金,銀または銅等である。金属酸化物は、例えば酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ジルコニウム,チタン酸バリウム,チタン酸カリウム,銅−クロム酸化物,銅−マンガン酸化物,銅−鉄−マンガン酸化物,銅−クロム−マンガン酸化物または銅−鉄−クロム酸化物等である。高分子材料は、例えば可視光領域に光吸収域を有する官能基が導入された高分子化合物等である。可視光領域に光吸収域を有する高分子化合物であれば、その種類は特に限定されない。
具体的に、暗表示を行う泳動粒子32には、例えばカーボンブラック等の炭素材料または銅−クロム酸化物,銅−マンガン酸化物,銅−鉄−マンガン酸化物,銅−クロム−マンガン酸化物および銅−鉄−クロム酸化物等の金属酸化物等が用いられる。中でも泳動粒子32には炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料からなる泳動粒子32は、優れた化学的安定性、移動性および光吸収性を示す。
絶縁性液体31中における泳動粒子32の含有量(濃度)は特に限定されないが、例えば0.1重量%〜10重量%である。この濃度範囲では、泳動粒子32の遮蔽性および移動性が確保される。詳細には、泳動粒子32の含有量が0.1重量%よりも少ないと泳動粒子32が多孔質層33を遮蔽(隠蔽)し難くなり、十分にコントラストを生じさせることができない虞がある。一方、泳動粒子32の含有量が10重量%よりも多いと、泳動粒子32の分散性が低下して泳動粒子32が泳動し難くなり、凝集する虞がある。
泳動粒子32は、絶縁性液体31中で長期間に亘って分散および帯電しやすく、また、多孔質層33に吸着し難いことが好ましい。このため、例えば絶縁性液体31中に分散剤または電荷調整剤を添加してもよい。また、分散剤と電荷調整剤とを併用してもよい。
この分散剤または電荷調整剤は、例えば正(+)または負(−)のどちらか一方、あるいは両方の電荷を有しており、絶縁性液体31中の帯電量を増加させると共に、静電反発により泳動粒子32を分散させるためのものである。このような分散剤としては、例えばLubrizol社製のSolsperseシリーズ,BYK−Chemic社製のBYKシリーズ、シェブロンケミカル社製のOASシリーズまたはAnti−TerraシリーズあるいはICI Americas社製Spanシリーズ等が挙げられる。
泳動粒子32の分散性を向上させるため、泳動粒子32はその表面に処理(表面処理)を施すようにしてもよい。この表面処理は、例えばロジン処理,界面活性剤処理,顔料誘導体処理,カップリング剤処理,グラフト重合処理またはマイクロカプセル化処理等である。特に、グラフト重合処理,マイクロカプセル化処理またはこれらを組み合わせて処理を行うことにより、泳動粒子32の長期間の分散安定性が維持される。
このような表面処理には、例えば泳動粒子32の表面に吸着可能な官能基と重合性官能基とを有する材料(吸着性材料)等が用いられる。吸着可能な官能基は、泳動粒子32の形成材料に応じて決定する。例えば、泳動粒子32がカーボンブラック等の炭素材料により構成されている場合には4−ビニルアニリン等のアニリン誘導体、泳動粒子32が金属缶化物により構成されている場合にはメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル等のオルガノシラン誘導体をそれぞれ吸着することができる。重合性官能基は、例えばビニル基,アクリル基またはメタクリル基等である。
泳動粒子32の表面に重合性官能基を導入し、これにグラフトさせて表面処理を行うようにしてもよい(グラフト性材料)。グラフト性材料は、例えば重合性官能基と分散用官能基とを有している。分散用官能基は、絶縁性液体31中に泳動粒子32を分散させ、その立体障害により分散性を保持するものである。絶縁性液体31が例えばパラフィンである場合には、分散用官能基として分枝状のアルキル基等を用いることができる。重合性官能基は、例えばビニル基,アクリル基およびメタクリル基等である。グラフト性材料を重合およびグラフトさせるためには、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の重合開始剤を用いればよい。
上記泳動粒子32を絶縁性液体31中に分散させる方法の詳細については、「超微粒子の分散技術とその評価〜表面処理・微粉砕と気中/液中/高分子中の分散安定化〜(サイエンス&テクノロジー社)」等の書籍に掲載されている。
多孔質層33は泳動粒子32を遮蔽可能なものである。この多孔質層33は、図2に示したように、繊維状構造体33Aおよびこの繊維状構造体33Aに保持された非泳動粒子33Bを有している。
この多孔質層33は、繊維状構造体33Aにより形成された3次元立体構造物(不織布のような不規則なネットワーク構造物)であり、複数の隙間(細孔35)が設けられている。繊維状構造体33Aにより、多孔質層33の3次元立体構造を構成することで泳動粒子32を移動させるための細孔35の十分な大きさを確保すると共に、厚みの小さな多孔質層33であってもコントラストを高く維持することが可能となる。詳細には、多孔質層33の3次元立体構造により光(外光)が乱反射(多重散乱)し、多孔質層33の光反射率が高くなる。従って、多孔質層33の厚みが小さい場合であっても高い光反射率を得ることができる。また、繊維状構造体33Aを用いることにより、細孔35の平均孔径が大きくなり、且つ多くの細孔35が多孔質層33に設けられる。これにより、泳動粒子32が細孔35を経由して移動しやすくなり、応答速度が向上する。また、泳動粒子32を移動させるために必要なエネルギーがより小さくなる。このような多孔質層33の厚み(Z方向)は、例えば5μm〜100μmである。
繊維状構造体33Aは、繊維径(直径)に対して十分な長さを有する繊維状物質である。例えば、複数の繊維状構造体33Aが集合し、ランダムに重なって多孔質層33を構成する。1つの繊維状構造体33Aがランダムに絡み合って多孔質層33を構成していてもよい。あるいは、1つの繊維状構造体33Aによる多孔質層33と複数の繊維状構造体33Aによる多孔質層33とが混在していてもよい。図2は、複数の繊維状構造体33Aにより多孔質層33が構成されたものを示している。
繊維状構造体33Aは、例えば高分子材料または無機材料等により構成されている。高分子材料としては、例えばナイロン,ポリ乳酸,ポリアミド,ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ポリアクリロニトリル,ポリエチレンオキシド,ポリビニルカルバゾール,ポリビニルクロライド,ポリウレタン,ポリスチレン,ポリビニルアルコール,ポリサルフォン,ポリビニルピロリドン,ポリビニリデンフロリド,ポリヘキサフルオロプロピレン,セルロースアセテート,コラーゲン,ゼラチン,キトサンまたはそれらのコポリマー等が挙げられる。無機材料は、例えば酸化チタン等である。繊維状構造体33Aには高分子材料を用いることが好ましい。高分子材料は、例えば光等に対する反応性が低く、化学的に安定であるためである。即ち、高分子材料を用いることにより、意図しない繊維状構造体33Aの分解反応を防ぐことができる。繊維状構造体33Aが高反応性の材料により構成される場合には、表面を任意の保護層で被覆しておくことが好ましい。
繊維状構造体33Aは、例えば直線状に延在している。繊維状構造体33Aの形状はどのようなものであってもよく、例えば縮れていたり、途中で折れ曲がったりしていてもよい。あるいは、繊維状構造体33Aは途中で分岐していてもよく、うねっていてもよい。うねった形状の繊維状構造体33A同士が絡み合うと、多孔質層33の構造が複雑になり、光学特性を向上させることができる。
繊維状構造体33Aの平均繊維径は、例えば1nm以上10000nm以下であり、特に1nm以上100nm以下であることが好ましい。セルロールやビロード等により多孔質層を形成する方法も提案されているが(特公昭50−15120号参照)、これらの屈折率は絶縁性液体と近く、コントラストが低下する虞がある。またセルロールやビロードの繊維径は、10〜100μmと大きい。これに対し、上記のように平均繊維径を小さくすることにより、光が乱反射し易くなり、また、細孔35の孔径が大きくなる。繊維状構造体33Aが非泳動粒子33Bを保持できるよう、その繊維径を決定する。平均繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡等を用いた顕微鏡観察により測定することができる。繊維状構造体33Aの平均長さは任意である。繊維状構造体33Aは、例えば相分離法,相反転法,静電(電界)紡糸法,溶融紡糸法,湿式紡糸法,乾式紡糸法,ゲル紡糸法,ゾルゲル法またはスプレー塗布法等により形成される。このような方法を用いることにより、繊維径に対して十分な長さを有する繊維状構造体33Aを容易に、且つ安定して形成することができる。
繊維状構造体33Aは、ナノファイバーにより構成することが好ましい。ここでナノファイバーとは、繊維径が1nm〜100nmであり、長さが繊維径の100倍以上であることにより、光が乱反射しやすくなり多孔質層33の光反射率をより向上させることができる。即ち、電気泳動素子30のコントラストを向上させることが可能となる。また、ナノファイバーからなる繊維状構造体33Aでは、単位体積中に占める細孔35の割合が大きくなり、細孔35を経由して泳動粒子32が移動しやすくなる。従って、泳動粒子32の移動に必要なエネルギーを小さくすることができる。ナノファイバーからなる繊維状構造体33Aは、静電紡糸法により形成することが好ましい。静電紡糸法を用いることにより繊維径が小さい繊維状構造体33Aを容易に、且つ安定して形成することができる。
繊維状構造体33Aには、その光反射率が泳動粒子32の光反射率よりも高いものを用いることが好ましい。これにより、多孔質層33と泳動粒子32との光反射率の差によるコントラストが形成されやすくなる。繊維状構造体33Aが実質的に多孔質層33の光反射率に影響を及ぼすことがない場合、即ち、非泳動粒子33Bにより多孔質層33の光反射率が決定される場合には、絶縁性液体31中で光透過性(無色透明)を示す繊維状構造体33Aを用いるようにしてもよい。
細孔35は、複数の繊維状構造体33Aが重なり合い、または1つの繊維状構造体33Aが絡まり合うことにより構成されている。この細孔35は、泳動粒子32が細孔35を経て移動しやすいよう、できるだけ大きな平均孔径を有していることが好ましい。細孔35の平均孔径は、例えば0.1μm以上10μm以下である。
非泳動粒子33Bは、繊維状構造体33Aに固定されており、電気泳動を行わない1または2以上の粒子である。非泳動粒子33Bは、保持されている繊維状構造体22Aの内部に埋設されてもよく、あるいは繊維状構造体33Aから部分的に露出されていてもよい。
非泳動粒子33Bには、泳動粒子32とは異なる光反射率、具体的には、より高い光反射率を有する者が用いられる。非泳動粒子33Bは、上記泳動粒子32で説明したものと同様の材料により構成することが可能である。具体的に、明表示を行うための非泳動粒子33Bには、酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ジルコニウム,チタン酸バリウムまたはチタン酸カリウム等の金属酸化物等を用いることが好ましい。これにより、優れた化学的安定性、定着性および光反射性を得ることができる。非泳動粒子33Bおよび泳動粒子32それぞれの構成材料は同じであってもよく、異なっていてもよい。非泳動粒子33は、外部から例えば白色または白色に近い色に視認される。
隔壁34は、絶縁性液体31中における泳動粒子32の存在空間を仕切るためのものである(セル36)。隔壁34は、駆動基板10および対向基板20の積層方向(Z方向)に多孔質層33を貫通するように延在しており、一方がシール層41、他方が対向電極22にそれぞれ接している。このような隔壁34により、セル36間の泳動粒子32の移動を防ぐことができる。従って、泳動粒子32の拡散、あるいは凝集等による表示ムラの発生を抑えて画質を向上させることが可能となる。隔壁34の高さ(Z方向)は、互いに揃っていることが好ましい。同じ高さの隔壁34を設けることにより、シール層16と対向電極22との間の距離(ギャップ)が面全体で均一に保たれ、電界強度を一定に維持することができる。これにより、応答速度のムラが解消される。隔壁34の高さは例えば1μm以上100μm以下である。
隔壁34は、例えば正六角形(ハニカム構造)のセル36を構成するように設けられている。セル36はどのような形状であってもよく、例えば矩形状でもよい。複数のセル36は、マトリクス状(複数行×複数列)に配置されていることが好ましい。一方向に沿って隣り合う隔壁34の距離(隔壁34のピッチ)は、例えば50μm以上500μm以下である。
隔壁34は上記のように多孔質層33中に延在するが、この隔壁34が多孔質層33を支持することが好ましい。これにより、表示装置1を横向きまたは逆さにした状態で長時間放置しても、絶縁性液体31中における多孔質層33の位置が変動し難くなり、コントラスト特性を安定化させることができる。ここで、多孔質層33の位置とは、多孔質層33と画素電極14および対向電極22との位置関係(距離等)を示す。
隔壁34は、光透過性材料を含むと共に、多孔質層33の一部を包含していることが好ましい。ここで、「多孔質層33の一部を包含している」とは、非泳動粒子33Bが繊維状構造体33Aにより保持されている状態(多孔質層33の構成そのもの)を維持しつつ、その多孔質層33の一部がそのまま隔壁34の内部に収容されていることを示す。
隔壁34は光透過性材料として、例えば感光性樹脂材料を含んでいる。感光性樹脂材料を用いることにより、多孔質層33の一部を包含する隔壁34を容易に、且つ安定して形成することができる。感光性樹脂材料としては、光パターニングが可能な樹脂、例えば光架橋反応型,光変性型,光重合反応型または光分解反応型の光硬化性樹脂等が挙げられる。隔壁34は、1種類の感光性樹脂材料により構成されていてもよく、あるいは複数種類の感光性樹脂材料を含んでいてもよい。感光性樹脂材料として、例えば化学的に安定なフォトレジストを用いることにより、隔壁34が泳動粒子32の泳動現象へ影響を及ぼすのを防ぐことができる。フォトレジストはネガ型またはポジ型のどちらであってもよい。感光性樹脂をパターニングするための光源はどのようなものであってもよいが、例えば半導体レーザ,エキシマレーザ,電子線,紫外線,メタルハライドランプあるいは高圧水銀灯等を用いることができる。
スペーサ40は、例えば高分子材料等の絶縁性材料により構成され、駆動基板10と対向基板20との間に、例えば格子状に設けられている。スペーサ40には、例えば微粒子を含むシール剤を用いることも可能である。スペーサ40の配置形状は特に限定されないが、泳動粒子32の移動を妨げず、且つ泳動粒子32を均一分布させるように設けることが好ましい。スペーサ40の厚みは、例えば10μm以上100μm以下であり、できるだけ薄くすることが好ましい。これにより、消費電力を抑えることができる。
駆動基板10と電気泳動素子30との間には、上述したシール層41および接着層42が設けられている。接着層42は駆動基板10と電気泳動素子30(具体的には、シール層41)とを接着させるためのものであり、例えばアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂により構成されている。接着層42には、ゴム系の粘着シート等を用いるようにしてもよい。
このような表示装置1は、例えば以下の手順により製造される。
まず、支持部材21の一面に対向電極22を有する対向基板20を形成したのち、対向電極22上に多孔質層33を形成する。対向電極22は、各種成膜法等の既存の方法を用いて形成すればよい。多孔質層33は、紡糸溶液を調製したのち、非泳動粒子33Bとして、例えば酸化チタンを加えて十分に攪拌し、これを用いて静電紡糸法を行うことにより形成する。静電紡糸法に代えて、相分離法,相反転法,溶融紡糸法,湿式紡糸法,乾式紡糸法,ゲル紡糸法,ゾルゲル法およびスプレー塗布法等を用いるようにしてもよい。紡糸溶液は、例えばN,N’−ジメチルホルムアミドに繊維状構造体33Aとしてポリアクリロニトリルを分散または溶解させて調整する。
なお、繊維状構造体33Aの形成には紡糸法を用いることが好ましい。高分子フィルムにレーザ加工を用いて孔開けを行い、多孔質層を形成する方法も提案されているが(特開2005−107146号公報参照)、この方法では孔径50μm程度の大きな孔しか形成できず、多孔質層により泳動粒子を完全に遮蔽することができない虞がある。
続いて、隔壁34の構成材料を必要に応じて有機溶剤等に溶解させた溶液(例えば、紫外線硬化樹脂)を準備し、これを、多孔質層33を埋めるようにして対向電極22の表面に塗布する。次いで、紫外線硬化樹脂上に板状の補助部材を配置する。この補助部材は、紫外線硬化樹脂の塗布厚さを制御するものであり、これを用いることによって隔壁34の高さを調整することが可能となる。補助部材は、例えば支持部材21と同様の材料により構成されており、光透過性を有している。補助部材は、光反射性あるいは光吸収性を有していてもよい。紫外線硬化樹脂は、例えばネガティブ型のフォトレジスト(UVレジン)である。隔壁34の構成材料に紫外線硬化樹脂以外の感光性樹脂材料を用いることも可能である。
紫外線硬化樹脂上に補助部材を設けたのち、紫外線硬化樹脂に局所的に光Lを照射してパターニングし、隔壁34を形成する。詳細には、隔壁34の形成領域毎に光Lを照射して各領域における紫外線硬化樹脂を露光する。このとき光Lは、光透過性の支持部材21または補助部材を通過して紫外線硬化樹脂に到達する。光Lは、例えば紫外線波長域のレーザ光等である。光Lとしてレーザ光を用いることによりマスクが不要となり、所望の領域を簡単に、且つ精確に露光することができる。マスクを使用して紫外線波長域のランプ光を照射することも可能である。レーザ光とランプ光とを併用するようにしてもよい。
光Lは補助部材側から、および補助部材と対向する支持部材21側からの2方向から照射することが好ましい。このように紫外線硬化樹脂に対して2方向から光Lを照射することにより、隔壁34の強度を維持すると共に、コントラストを向上させることが可能となる。
光Lを照射したのち、補助部材を取り外し、露光後の紫外線硬化樹脂を現像する。必要に応じて現像後の紫外線硬化樹脂を加熱してもよい。これにより、紫外線硬化樹脂のうちの未露光部分が除去され、且つ紫外線硬化樹脂の残存部分(露光部分)が膜化して多孔質層33の一部を包含する隔壁34が形成される。
続いて、剥離部材上にシール層41を形成する。シール層41は、例えば熱可塑性ポリウレタン,メチルエチルケトン(MEK)およびシクロヘキサノンを所定の割合で混合したのち、完全に溶解させる。この溶液を剥離部材上に塗布したのち、加熱および乾燥することによりシール層41が形成される。次いで、対向基板20上の対向質層33状に泳動粒子32を分散させた絶縁性液体31を塗布したのち、対向基板20とシール層41を有する剥離部材とを対向配置して圧着する。こののち、剥離部材からシール層41を剥がし、接着層42により駆動基板10に固定する。駆動基板10には、例えば既存の方法を用いて、支持部材11の一面にTFT12,保護層13および画素電極14をこの順に形成しておく。以上の工程により、表示装置1が完成する。表示装置1をRoll to Roll法を用いて製造することも可能である。
この表示装置1は、初期状態では全ての絶縁性液体31中に分散された泳動粒子32が画素電極14に近い側に配置される(図1)。このとき、対向基板20側から電気泳動素子30を見ると、泳動粒子32が多孔質層33に遮蔽され、画像が表示されない状態となっている。
TFT12により画素が選択されて画素電極14と対向電極22との間に電界が印加されると、図3に示したように、選択された画素では泳動粒子32が多孔質層33の細孔35を通り、対向電極22に向かって移動する。このとき、対向基板20側から電気泳動素子30を見ると、多孔質層33が泳動粒子32により遮蔽された暗表示の画素と遮蔽されていない明表示の画素の両方が存在する状態となっている。この暗表示の画素および明表示の画素によりコントラストが生じ、対向基板20側に画像が表示される。
ここでは、表示装置1を構成する電気泳動素子30を封止するシール層41に添加剤を加えることにより、シール層41の表面性が改善される。具体的には、母材となる、例えば熱可塑性ウレタン樹脂に、添加剤として、例えば分子内に酸構造(例えば、カルボン酸塩やエステル結合)を有する、例えばアニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤をそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いる。これにより、例えばシール層41の表面に酸構造が配置されることとなり、泳動粒子32のシール層41への親和性が低減される。
以上のように本実施の形態の表示装置1では、電気泳動素子30に接するシール層41に添加剤を加えるようにしたので、シール層41の表面性が改善される。具体的には、例えば添加剤として、分子内に酸構造を有する界面活性剤を用いることにより、シール層41の表面に酸構造が配置され、泳動粒子32のシール層41への親和性が低減され、表示特性(例えば、応答速度や反射率)が向上する。
また、シール層41への添加剤の添加はシール層41の体積抵抗を低減させる。これにより、応答速度が更に向上すると共に、消費電力が低減される。
更に、シール層41への添加剤の添加量を0.01重量%以上10重量%以下とすることにより、応答速度とトレードオフの関係にあるメモリ性を維持しつつ、応答速度を向上させることが可能となる。
<2.変形例>
図4は上記実施の形態の変形例に係る表示装置(表示装置2)の断面構成を表したものである。表示装置2は駆動基板10と対向基板20との間に電気泳動素子30を有しており、この電気泳動素子30は対向基板20側に配設され、シール層51によって封止された構成を有する。本変形例では、このシール層51を着色した点が上記実施の形態とは異なる。
シール層51は、上記シール層41と同様に、母材として、例えば熱可塑性樹脂が用いられており、これにシール層51表面への泳動粒子32の吸着を抑制する添加剤が添加されている。この添加剤は、第1の実施の形態において説明したものであり、例えば分子内に酸構造を有するものを用いることが好ましい。具体的には、平均分子量が、例えば100以上100000以下の界面活性剤や分散剤が挙げられる。界面活性剤は、上述したように、例えば分子内に酸構造を有するアニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤が挙げられ、これらを単独あるいは組み合わせて用いることによりシール層51の表面性が改善される。
本変形例では、シール層51には、母材および添加剤のほかに着色材が添加されている。シール層51の着色例としては、例えば白色または白色に近い色、あるいは黒色または黒色に近い色が挙げられる。なお、本変形例のような表示装置2では、シール層51の反射率が高ければ高いほど表示体の反射率が高くなるものの、シール層51自体が反射するため電気泳動素子30のコントラストが低下する虞がある。一方、シール層51の吸収率が高ければ高いほど表示体の黒反射率は向上し、電気泳動素子30のコントラストが向上する。よって、シール層51は、黒色または黒色に近い色に着色することが好ましい。着色材としては、上記第1の実施の形態において説明した泳動粒子を構成する有機顔料,無機顔料,染料,炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスまたは高分子材料(樹脂)等の粒子(粉末)等を用いることができる。例えば、シール層51を黒色に着色する場合にはカーボンブラック等の炭素材料を用いることが好ましい。
このように本変形例では、添加材を加えて形成されたシール層51に、さらに着色材を添加して着色することにより、上記実施の形態における効果に加えて表示体(電気泳動素子30)の反射率を制御することが可能となり、コントラストを向上させることができるという効果を奏する。よって、表示装置2の表示特性をより向上させることが可能となる。
また、本変形例ではシール層51に着色材を添加したが、例えば接着層52に着色材を添加して接着層52を着色しても、本変形例と同様の効果が得られる。
なお、着色材はシール層51(あるいは接着層52)だけでなく、隔壁34に添加してもかまわない。隔壁34に着色材を添加する場合も、上記シール層51の場合と同様に、隔壁34は黒色または黒色に近い色に着色することが好ましい。これにより、表示体のコントラストが向上し、表示装置2の表示特性をさらに向上させることが可能となる。
<3.適用例>
次に上記表示装置1,2の適用例について説明する。表示装置1,2は、例えば、以下の電子機器に搭載可能であるが、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
(適用例1)
図5A,5Bは、電子ブックの外観構成を表している。この電子ブックは、例えば、表示部110および非表示部120と、操作部130とを備えている。なお、操作部130は、図5Aに示したように非表示部120の前面に設けられていてもよいし、図5Bに示したように上面に設けられていてもよい。表示部110が表示装置1により構成される。なお、表示装置1は、図5A,5Bに示した電子ブックと同様の構成を有するPDA(Personal Digital Assistants)等に搭載されてもよい。
(適用例2)
図6は、テレビジョン装置の外観構成を表している。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル210およびフィルターガラス220を含む映像表示画面部200を備えている。映像表示画面部200が表示装置1(あるいは表示装置2)により構成される。
(適用例3)
図7は、タブレットパーソナルコンピュータの外観を表したものである。このタブレットパーソナルコンピュータは、例えば、タッチパネル部310および筐体320を有しており、タッチパネル部310が上記表示装置1(あるいは表示装置2)により構成されている。
(適用例4)
図8A,8Bは、デジタルスチルカメラの外観構成を表しており、図8Aが前面、図8Bが後面を示している。このデジタルスチルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410と、表示部420と、メニュースイッチ430と、シャッターボタン440とを備えている。表示部420が表示装置1(あるいは表示装置2)により構成される。
(適用例5)
図9は、ノート型パーソナルコンピュータの外観構成を表している。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510と、文字等の入力操作用のキーボード520と、画像を表示する表示部530とを備えている。表示部530が表示装置1(あるいは表示装置2)により構成される。
(適用例6)
図10は、ビデオカメラの外観構成を表している。このビデオカメラは、例えば、本体部610と、その本体部610の前面に設けられた被写体撮影用のレンズ620と、撮影時のスタート/ストップスイッチ630と、表示部640とを備えている。表示部640が表示装置1(あるいは表示装置2)により構成される。
<適用例7>
図11A,11Bは、携帯電話機の外観構成を表している。図11Aは携帯電話機を閉じた状態の正面、左側面、右側面、上面および下面を示し、図11Bは携帯電話機を開いた状態の正面および側面を示している。この携帯電話機は、例えば、上部筐体710と下部筐体720とが連結部(ヒンジ部)730を介して連結されたものであり、ディスプレイ740と、サブディスプレイ750と、ピクチャーライト760と、カメラ770とを備えている。
<4.実施例>
次に、本技術の実施例について説明する。
(実施例1)
以下の手順により表示装置1(実験例1−1〜1−7)を作製し、その応答速度を測定した。
(泳動粒子の準備)
まず、カーボンブラック(三菱化学株式会社製#40)10gを水1lに加えて攪拌したのち、塩酸(37重量%)1mlおよび4−ビニルアニリン0.2gを加えて溶液Aを調製した。次に、亜硝酸ナトリウム0.3gを水10mlに溶解させたのち、40℃まで加熱して溶液Bを調製した。続いて、溶液Aに溶液Bをゆっくり加えて10時間攪拌しながら反応させたのち、遠心分離して生成物の固形物を得た。この生成物を水で洗浄し、アセトンを加えて遠心分離しながら洗浄したのち、真空乾燥機(50℃)にて乾燥させた。
続いて、生成物5gを窒素パージ装置、電磁攪拌棒および還流カラムを備えた反応フラスコ中にトルエン100ml,メタクリル酸2−エチルヘキシル15mlおよびAIBN0.2gを加え、攪拌しながら反応フラスコ中を窒素で30分間パージした。次に、この反応フラスコを湯浴にて攪拌しながら80℃,10時間攪拌した。続いて、生成物を遠心分離し、更にテトラヒドロフラン(THF)および酢酸エチルを加えて3回遠心分離して洗浄したのち、真空乾燥機(50℃)にて乾燥させた。これにより、黒色の泳動粒子32である重合体被覆カーボンブラック4.7gが得られた。
(絶縁性液体の調製)
次に、絶縁性液体としてN,N−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、12−ヒドロキシオクタデカン酸およびメトキシスルホニルオキシメタン(Lubrizol社製Solsperse17000)を10重量%、ソルビタントリオレート(Span85)を5.0%、第1成分であるイソパラフィン(エクソンモービル社製IsoparG)を94%混合して調製した。ここでは、必要に応じて絶縁性液体9.9gに泳動粒子0.1gを加えて、ビーズミルで5分間攪拌したのちビーズを取り除き、泳動粒子32が分散された絶縁性液体を調製した。なお、絶縁性液体は上記材料の他にコハク酸イミド(シェブロンケミカル製OAS1200)を加えて調整してもよい。
(多孔質層の調製)
続いて、繊維状構造体の形成材料としてポリアクリロニトリル(Aldrich社製:分子量=150000)12gをN,N’−ジメチルホルムアミド88gに溶解させて紡糸溶液(溶液C)を調製した。次に、溶液C70gに非泳動粒子32として、例えば酸化チタン(堺化学工業株式会社製TITONE R-42)30gを加えたのちビーズミルで混合し、紡糸溶液(溶液D)とした。続いて、溶液Dをシリンジに入れ、所定のパターン形状の画素電極(ITO)が形成されたPET基板上に電界紡糸装置(株式会社メック製NANON)を用いて8往復分の紡糸を行った(繊維状構造体33A)。ここで、紡糸条件は、電界強度=28kV、吐出速度=0.5cm3/分、紡糸距離=15cm、スキャンレート=20mm/秒とした。次に、PET基板を真空オーブン(75℃)中で12時間、非泳動粒子33Bを含む繊維状構造体33Aを乾燥して多孔質層33を形成した。なお、繊維状構造体33Aは、形成材料としてポリメチルメタクリレート(Aldrich社製:分子量=996000)を用いて形成してもよい。
(表示装置の組み立て)
続いて、前述の方法を用いて隔壁34を形成したのち、剥離基板上にシール層41を形成した。まず、熱可塑性ポリウレタン(日本ミラクトラン社製E780M128)のペレット1gに対してMEKおよびシクロヘキサノンを1:4:2の割合で混合したのち、ノニオン系添加剤(日油社製マリアリムAKM-0531)を0.01g(ポリウレタン母剤に対して1重量%)を加えてロールミルにて8時間攪拌して完全に溶解させ溶液Eを調製した。この溶液Eをスリット幅120μmのアプリケータを用いてPETセパレータ上に塗布したのち、ホットプレート上にて90℃,5分間乾燥させ、シート形状(厚さ10μm)のシール層41を得た。
次に、PET基板上の多孔質層33上に絶縁性液体31を塗布したのち、多孔質層33が配設されたPET基板の前面とシール層41とを対向配置し、110℃に加熱したラミネータを用いて加熱圧着した。なお、ここではPET基板(具体的には、電気泳動素子30)のシール層41による封止をラミネータによる加熱圧着によって行ったが、これに限定されるものではなく、例えばUV照射によって硬化させる方法等を用いてもよい。続いて、シール層41から剥離基板を剥がしたのち、TFT12等を備えた駆動基板10を、接着層42を介して貼り合わせることにより表示装置1(実験例1−1)を作製した。
この他、添加剤の種類および添加量等を変えた実験例1−2〜1−7を作製し、それぞれの応答速度を測定した。表1は実験例1−1〜1−7の構成および応答速度の測定結果をまとめたものである。応答速度は、白色状態の輝度を1、黒色状態の輝度を0とし、電界印加後、輝度が0.9から0.1まで変化(Fall)するために要した時間である。なお、応答時間の測定には、ファンクションジェネレータ(東洋テクニカ株式会社製)を使用した。また、実験例1−4はシール層を設けずに構成したものであり、実験例1−5は一般的なシール層(母材(熱可塑性ポリウレタン;E780M128)のみ)を用いて構成したものである。
Figure 2015090477
表1からわかるように、添加剤を加えてシール層41を形成した表示装置(実験例1−1〜1−3)は、一般的なシール層を用いた表示装置(実験例1−5)よりも応答速度が著しく向上した。また、シール層41を構成する母材(熱可塑性ウレタン)への添加剤は、親水且つ酸構造を有することが好ましいことがわかった。なお、シール層を形成せずに作製した表示装置(実験例1−4)は、応答速度は高いものの、すぐに駆動基板と対向基板との剥がれが生じた。
(実施例2)
同様の方法を用い、添加剤としてノニオン系界面活性剤(日油社製マリアリムAKM-0531)を添加量0.1重量%〜30重量%の間で変化させた表示装置1(実験例2−1)を作製し、各添加量における応答速度、および15Vの電圧印加で明(暗)表示させ、印加を停止してから1分後の反射率(簡易的なメモリ特性)を測定した。また、アニオン系界面活性剤(第1工業製薬製ハイテノールNF-13)を用いた表示装置1(実験例2−2)および上記ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤とを組み合わせて用いた表示装置1(実験例2−3)をそれぞれ作製し、各添加量における応答速度および1分後の反射率を測定した。
図12A,12Bは、それぞれ実験例2−1における応答速度(図12A)および明表示および暗表示の1分後の反射率(図12B)を表したものである。図13A,13Bは、それぞれ実験例2−2における応答速度(図14A)および明表示および暗表示の1分後の反射率(図13B)を表したものである。図14A,14Bは、実験例2−3における応答速度(図14A)および明表示および暗表示の1分後の反射率(図14B)を表したものである。ここでいう応答速度とは電界印加した際の0.9から0.1への輝度変化である。
図12Aおよび図13Aからアニオン系界面活性剤はノニオン系界面活性剤よりも少ない添加量で応答速度の改善が見られた。このことから、添加剤は0.01重量%以上10重量%以下の範囲で添加することにより表示装置1の応答速度が向上することがわかる。なお、添加量5重量%で十分な応答速度の向上が見られる。但し、図12Bおよび図13Bからわかるように、添加剤としてノニオン系界面活性剤を用いた実験例2−1では添加量の増加によるメモリ性の変化はほぼ見られなかったのに対し、アニオン系界面活性剤を用いた実験例2−2では添加量の増加に比例して反射率が徐々に低下した。このことから、特に、アニオン系界面活性剤を用いる場合には、添加量を0.01重量%以上2重量%以下とすることにより、メモリ性を維持しつつ応答速度を向上させることが可能であることがわかる。また、図14A,図14Bから、添加剤としてノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤を組み合わせて用いた実験例2−3では、ノニオン系界面活性剤およびアニオン系界面活性剤をそれぞれ単独で用いるよりも、より少量の添加量で反射率の維持(メモリ率)および応答速度の向上の両立が可能であることがわかった。
また、図15A,15Bは、それぞれ実験例2−1,2−2における添加剤の添加量とシール層41の体積抵抗率との関係を表したものである。図15A,図15Bから、シール層41に添加材を加えることによって体積抵抗率は低下がみられたものの、今回の添加量の範囲(例えば図13Bにおける10重量%以下)では、その変化率は大きくないことがわかった。即ち、本開示における作用および効果は、シール層41を構成する母材の体積抵抗率の低下によってシール層41の電圧降下が低減されたことによるものではないことがわかった。
(実施例3)
本実施例は、隔壁幅を16μm、隔壁のピッチを160μmとし、シール層51および隔壁34に着色材を添加して着色した表示装置2を想定し、その反射率およびコントラストの変化をシミュレーションしたものである。シール層51および隔壁34は、その特性を+90〜−90の範囲で変化させた。表2は、シール層41および隔壁34の特性を+90〜−95の範囲で変化させた際の、表示装置2の白反射率の値を、表3は黒反射率の値を、表4はコントラストの値をまとめたものである。なお、特性「+」は反射を、「−」は吸収を示し、各特性が0の欄がシール層51および隔壁34に着色材を添加せずに表示装置2を構成したものである。
Figure 2015090477
Figure 2015090477
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表2からわかるように、シール層51および隔壁34の反射特性を高める、即ち、白色に着色することによって白反射率が向上した。また、表3からわかるように、シール層51および隔壁34の吸収特性を高める、即ち、黒色に着色することによって黒反射率が向上した。これらの結果から、シール層51および隔壁34に適当な着色剤を添加することによって、任意の反射率を向上させることができることがわかった。更に、表4から、表示装置2のコントラストは、特にシール層51の吸収特性を高める、即ち黒色に着色することによって著しく向上することがわかった。
以上、実施の形態,変形例および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、泳動粒子により暗表示、多孔質層により明表示を行う場合について説明したが、多孔質層により暗表示、泳動粒子により明表示を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、駆動基板10とシール層41とを接着層42を介して固定する場合について説明したが、シール層41を直接、駆動基板10に固定することも可能である。
更に、上記実施の形態等では、多孔質層33が形成された対向基板20に絶縁性液体31を塗布した後、シール層16と対向させる方法について説明したが、他の方法により表示装置1を製造するようにしてもよい。例えば、駆動基板10とシール層41とを対向配置した後、絶縁性液体31を充填するようにしてもよい。
更にまた、上記実施の形態等では、表示体として電気泳動素子を用いたがこれに限らず、例えば液体光学素子を用いた表示装置に本技術を適用してもよい。液体光学素子は、例えば無極性液体および極性液体を有する、所謂エレクトロウェッティング素子である。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)第1基板と、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、光透過または反射制御可能な表示層と、添加剤を含み、前記第1基板と前記表示層との間に設けられたシール層とを備えた電気泳動素子。
(2)前記添加剤は少なくも1種類以上の酸構造を有する、前記(1)に記載の表示装置。
(3)前記添加剤の平均分子量は100以上100000以下である、前記(1)または(2)に記載の表示装置。
(4)前記添加剤はアニオン系界面活性剤である、前記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(5)前記添加剤はノニオン系界面活性剤である、前記(1)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(6)前記添加剤はアニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤の混合物である、前記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(7)前記添加剤のHLB値が10以上である、前記(1)乃至(6)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(8)前記添加剤の添加量は10重量%以下である、前記(1)乃至(7)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(9)前記シール層はポリウレタンを含む、前記(1)乃至(8)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(10)前記ポリウレタンの分子量は1000以上100000以下である、前記(9)に記載の表示装置。
(11)前記シール層は着色材を含む、前記(1)乃至(10)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(12)前記表示層は繊維状構造体中を泳動粒子が移動可能な多孔質層を含む、前記(1)乃至(11)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(13)表示装置を備え、前記表示装置は、第1基板と、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、光透過または反射制御可能な表示層と、添加剤を含み、前記第1基板と前記表示層との間に設けられたシール層とを備えた電子機器。
1〜3…表示装置、10…駆動基板、11…支持部材、12…TFT、13…保護層、14…画素電極、20…対向基板、21…支持部材、22…対向電極、30…電気泳動素子、31…絶縁性液体、32…泳動粒子、33…多孔質層、33A…繊維状構造体、33B…非泳動粒子、34…隔壁、35…細孔、36…セル、40…スペーサ、41,51…シール層、42,52…接着層。

Claims (13)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板に対向配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、光透過または反射制御可能な表示層と、
    添加剤を含み、前記第1基板と前記表示層との間に設けられたシール層と
    を備えた表示装置。
  2. 前記添加剤は少なくも1種類以上の酸構造を有する、請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記添加剤の平均分子量は100以上100000以下である、請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記添加剤はアニオン系界面活性剤である、請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記添加剤はノニオン系界面活性剤である、請求項1に記載の表示装置。
  6. 前記添加剤はアニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤の混合物である、請求項1に記載の表示装置。
  7. 前記添加剤のHLB値が10以上である、請求項1に記載の表示装置。
  8. 前記添加剤の添加量は10重量%以下である、請求項1に記載の表示装置。
  9. 前記シール層はポリウレタンを含む、請求項1に記載の表示装置。
  10. 前記ポリウレタンの分子量は1000以上100000以下である、請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記シール層は着色材を含む、請求項1に記載の表示装置。
  12. 前記表示層は繊維状構造体中を泳動粒子が移動可能な多孔質層を含む、請求項1に記載の表示装置。
  13. 表示装置を備え、
    前記表示装置は、
    第1基板と、
    前記第1基板に対向配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、光透過または反射制御可能な表示層と、
    添加剤を含み、前記第1基板と前記表示層との間に設けられたシール層と
    を備えた電子機器。
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