JP2016148814A - 電気泳動素子およびその製造方法ならびに表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】繊維状構造体を補強しつつ、応答性を向上させることが可能な電気泳動素子⇒OKおよびその製造方法ならびに表示装置を提供する。
【解決手段】本技術の電気泳動素子は、絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備えたものであり、繊維状構造体は、繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本技術の電気泳動素子は、絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備えたものであり、繊維状構造体は、繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する。
【選択図】図1
Description
本技術は、絶縁性液体中に複数の電気泳動粒子を含む電気泳動素子およびその製造方法ならびに、これを用いた表示装置に関する。
近年、携帯電話機または携帯情報端末等のモバイル機器の普及に伴い、低消費電力で高品位画質の表示装置(ディスプレイ)の需要が高まっている。特に最近では、電子書籍の配信事業が始まり、読書用途に適した表示品位のディスプレイが望まれている。
このようなディスプレイとして、コレステリック液晶ディスプレイ,電気泳動型ディスプレイ,電気酸化還元型ディスプレイおよびツイストボール型ディスプレイ等の様々なディスプレイが提案されているが、読書用途には、反射型のディスプレイが有利である。反射型のディスプレイでは、紙と同様に、外光の反射(散乱)を利用して明表示を行うため、より紙に近い表示品位が得られる。
反射型ディスプレイの中でも、電気泳動現象を利用した電気泳動型ディスプレイは低消費電力であると共に応答速度が速く、有力候補として期待されている。その表示方法としては、主に以下の2つの方法が提案されている。
第1の方法は、絶縁性液体中に2種類の荷電粒子を分散させ、電界に応じて荷電粒子を移動させるものである。この2種類の荷電粒子は、互いに光学的反射特性が異なり、また、その極性も反対である。この方法では、電界に応じて荷電粒子の分布状態が変化して画像が表示される。
第2の方法は、絶縁性液体中に荷電粒子を分散させると共に、多孔質層を配置するものである(例えば、特許文献1)。この方法では、電界に応じて、荷電粒子が多孔質層の細孔を経て移動する。多孔質層は、例えば、高分子材料からなる繊維状構造体と、この繊維状構造体に保持されると共に、荷電粒子とは光学的反射特性が異なる非泳動粒子とを含んでいる。このような多孔質層が配置された電気泳動型ディスプレイでは、電界に応じて荷電粒子が空隙(細孔)を経て移動することによって表示の切り替えがなされている。例えば、特許文献2では、多孔質層を構成する繊維状構造体に、例えば、アミド基,イミド基,カルボキシル基,シアノ基,クロライド基,スルホニル基およびアミノ基あるいはウレタン結合等の極性の高い官能基や反応性の高い官能基を修飾することで、構造体の形成を容易にすると共に、表面電位の絶対値が大きくして表示特性を向上させた電気泳動素子が開示されている。
しかしながら、このような電気泳動型ディスプレイは、折り曲げたり、表示画面を押したりすることで繊維状構造体が変形し、細孔の孔径が小さくなる。これにより、電気泳動粒子の移動が困難になり、電気泳動型ディスプレイの応答性が悪化するという問題があった。この問題を改善する方法として、分子量の大きな分子(高分子)を用いて繊維状構造体を形成し、剛性を高めることが考えられるが、この場合、繊維径が太くなり、散乱効率が低下してコントラストが低下するという問題があった。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、繊維状構造体を補強し信頼性を向上させることが可能な電気泳動素子およびその製造方法ならびに表示装置を提供することにある。
本技術の電気泳動素子は、絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、繊維状構造体は、繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有するものである。
本技術の電気泳動素子の製造方法は、泳動粒子を形成する工程と、非泳動粒子を混合し、多孔質層を構成する繊維状構造体を形成する工程と、繊維状構造体に補強部を形成する工程とを含むものである。
本技術の表示装置は、上記本技術の電気泳動素子を複数備えたものである。
本技術の電気泳動素子およびその製造方法ならびに表示装置では、多孔質層を構成する繊維状構造体の、繊維同士が近接した近接部の少なくとも一部に補強部を設けることにより、繊維状構造体が補強され、多孔質層の剛性が向上する。
本技術の電気泳動素子およびその製造方法ならびに表示装置によれば、多孔質層を構成する繊維状構造体の、繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を設け、繊維状構造体を補強するようにした。これにより、多孔質層の剛性が向上し、繊維状構造体によって形成される細孔の孔径が維持される。即ち、高い信頼性を有する表示装置を提供することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(多孔質層を形成する繊維状構造体に補強部を形成した例)
1−1.電気泳動素子の構成
1−2.表示装置の構成
1−3.製造方法
1−4.作用・効果
2.適用例
3.実施例
1.実施の形態(多孔質層を形成する繊維状構造体に補強部を形成した例)
1−1.電気泳動素子の構成
1−2.表示装置の構成
1−3.製造方法
1−4.作用・効果
2.適用例
3.実施例
<1.実施の形態>
(1−1.電気泳動素子の構成)
図1は、本技術の一実施の形態に係る電気泳動素子(電気泳動素子30)の平面構成を表したものであり、図2は、図1に示した電気泳動素子30を備えた表示装置(表示装置1)の断面構成を表したものである。この電気泳動素子30は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせるものであり、例えば、タブレット等の多様な電子機器の表示体として用いられる。電気泳動素子30は、絶縁性液体31中に、泳動粒子32と細孔36を有する多孔質層33とを含んでいる。この多孔質層33は、繊維状構造体34およびこの繊維状構造体34に保持された非泳動粒子35によって構成されている。本実施の形態では、多孔質層33は、3次元立体構造物として形成された繊維状構造体34の繊維同士の近接部分において、繊維同士が架橋された補強部Aを有する。なお、図1および図2は電気泳動素子30およびこれを備えた表示装置1の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる場合がある。
(1−1.電気泳動素子の構成)
図1は、本技術の一実施の形態に係る電気泳動素子(電気泳動素子30)の平面構成を表したものであり、図2は、図1に示した電気泳動素子30を備えた表示装置(表示装置1)の断面構成を表したものである。この電気泳動素子30は、電気泳動現象を利用してコントラストを生じさせるものであり、例えば、タブレット等の多様な電子機器の表示体として用いられる。電気泳動素子30は、絶縁性液体31中に、泳動粒子32と細孔36を有する多孔質層33とを含んでいる。この多孔質層33は、繊維状構造体34およびこの繊維状構造体34に保持された非泳動粒子35によって構成されている。本実施の形態では、多孔質層33は、3次元立体構造物として形成された繊維状構造体34の繊維同士の近接部分において、繊維同士が架橋された補強部Aを有する。なお、図1および図2は電気泳動素子30およびこれを備えた表示装置1の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる場合がある。
絶縁性液体31は、例えば、パラフィンまたはイソパラフィン等の有機溶媒により構成されている。絶縁性液体31には、1種類の有機溶媒を用いてもよく、あるいは複数種類の有機溶媒を用いるようにしてもよい。絶縁性液体31の粘度および屈折率は、できるだけ低くすることが好ましい。絶縁性液体31の粘度を低くすると泳動粒子32の移動性(応答速度)が向上する。また、これに応じて泳動粒子32の移動に必要なエネルギー(消費電力)は低くなる。絶縁性液体31の屈折率を低くすると、絶縁性液体31と多孔質層33との屈折率の差が大きくなり、多孔質層33の反射率が高くなる。
絶縁性液体31には、例えば、着色剤,電荷調整剤,分散安定剤,粘度調整剤,界面活性剤または樹脂等を添加するようにしてもよい。
絶縁性液体31中に分散された泳動粒子32は、1または2以上の荷電粒子であり、このような帯電した泳動粒子32が電界に応じ細孔36を介して移動する。泳動粒子32は、任意の光学的反射特性(光反射率)を有しており、泳動粒子32の光反射率と多孔質層33の光反射率との違いによりコントラスト(CR)が生じるようになっている。例えば、泳動粒子32が明表示し、多孔質層33が暗表示するようにしてもよく、泳動粒子32が暗表示し、多孔質層33が明表示するようにしてもよい。
外部から電気泳動素子30を見ると、泳動粒子32が明表示する場合には、泳動粒子32は、例えば、白色または白色に近い色に視認され、暗表示する場合には、例えば、黒色または黒色に近い色に視認される。このような泳動粒子32の色は、コントラストを生じさせることができれば特に限定されない。
泳動粒子32は、例えば、有機顔料,無機顔料,染料,炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスまたは高分子材料(樹脂)等の粒子(粉末)により構成されている。泳動粒子32に、これらのうちの1種類を用いてもよく、または2種類以上を用いてもよい。泳動粒子32を、上記粒子を含む樹脂固形分の粉砕粒子またはカプセル粒子等により構成することも可能である。なお、上記炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスまたは高分子材料に該当する材料は、有機顔料,無機顔料または染料に該当する材料から除く。泳動粒子32の粒径は例えば、30nm〜300nmである。
上記の有機顔料は、例えば、アゾ系顔料、メタルコンプレックスアゾ系顔料、ポリ縮合アゾ系顔料、フラバンスロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントラピリジン系顔料、ピランスロン系顔料、ジオキサジン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料またはインダンスレン系顔料等である。無機顔料は、例えば、亜鉛華、アンチモン白、鉄黒、硼化チタン、ベンガラ、マピコエロー、鉛丹、カドミウムエロー、硫化亜鉛、リトポン、硫化バリウム、セレン化カドミウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クロム酸鉛、硫酸鉛、炭酸バリウム、鉛白またはアルミナホワイト等である。染料は、例えば、ニグロシン系染料、アゾ系染料、フタロシアニン系染料、キノフタロン系染料、アントラキノン系染料またはメチン系染料等である。炭素材料は、例えば、カーボンブラック等である。金属材料は、例えば、金、銀または銅等である。金属酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、銅−クロム酸化物、銅−マンガン酸化物、銅−鉄−マンガン酸化物、銅−クロム−マンガン酸化物または銅−鉄−クロム酸化物等である。高分子材料は、例えば、可視光領域に光吸収域を有する官能基が導入された高分子化合物等である。可視光領域に光吸収域を有する高分子化合物であれば、その種類は特に限定されない。
泳動粒子32の具体的な材料は、例えば、泳動粒子32がコントラストを生じさせるために担う役割に応じて選択される。泳動粒子32が明表示する場合、泳動粒子32には例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウムまたはチタン酸カリウム等の金属酸化物等が用いられる。泳動粒子32が暗表示する場合、泳動粒子32には例えば、カーボンブラック等の炭素材料または銅−クロム酸化物、銅−マンガン酸化物、銅−鉄−マンガン酸化物、銅−クロム−マンガン酸化物および銅−鉄−クロム酸化物等の金属酸化物等が用いられる。中でも、泳動粒子32には炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料からなる泳動粒子32は、優れた化学的安定性、移動性および光吸収性を示す。
絶縁性液体31中における泳動粒子32の含有量(濃度)は、特に限定されないが、例えば、0.1重量%〜10重量%である。この濃度範囲では、泳動粒子32の遮蔽性および移動性が確保される。詳細には、泳動粒子32の含有量が0.1重量%よりも少ないと、泳動粒子32が多孔質層33を遮蔽(隠蔽)しにくくなり、十分にコントラストを生じさせることができない可能性がある。一方、泳動粒子32の含有量が10重量%よりも多いと、泳動粒子32の分散性が低下するため、その泳動粒子32が泳動しにくくなり、凝集する虞がある。
泳動粒子32は、絶縁性液体31中で長期間に渡って分散および帯電しやすく、また、多孔質層33に吸着しにくいことが好ましい。このため、例えば、絶縁性液体31中に分散剤が添加される。分散剤と電荷調整剤とを併用するようにしてもよい。
この分散剤または電荷調整剤は、例えば、正、負のどちらか一方、または両方の電荷を有しており、絶縁性液体31中の帯電量を増加させると共に、静電反発により泳動粒子32を分散させるためのものである。このような分散剤として、例えば、Lubrizol社製のSolsperceシリーズ、BYK−Chemie社製のBYKシリーズまたはAnti−Terraシリーズ、あるいはTCI America社製Spanシリーズ等が挙げられる。
泳動粒子32の分散性を向上させるため、泳動粒子32に表面処理を施すようにしてもよい。この表面処理は、例えば、ロジン処理、界面活性剤処理、顔料誘導体処理、カップリング剤処理、グラフト重合処理またはマイクロカプセル化処理等である。特に、グラフト重合処理、マイクロカプセル化処理またはこれらを組み合わせて処理を行うことにより、泳動粒子32の長期間の分散安定性を維持することができる。
このような表面処理には、例えば、泳動粒子32の表面に吸着可能な官能基と重合性官能基とを有する材料(吸着性材料)等が用いられる。吸着可能な官能基は、泳動粒子32の形成材料に応じて決定する。例えば、泳動粒子32がカーボンブラック等の炭素材料により構成されている場合には、4−ビニルアニリン等のアニリン誘導体、泳動粒子32が金属酸化物により構成されている場合には、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル等のオルガノシラン誘導体をそれぞれ吸着することができる。重合性官能基は、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基等である。
泳動粒子32の表面に重合性官能基を導入し、これにグラフトさせて表面処理を行うようにしてもよい(グラフト性材料)。グラフト性材料は、例えば、重合性官能基と分散用官能基とを有している。分散用官能基は、絶縁性液体31中に泳動粒子32を分散させ、その立体障害により分散性を保持するものである。絶縁性液体31が例えば、パラフィンである場合、分散用官能基として分岐状のアルキル基等を用いることができる。重合性官能基は、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基等である。グラフト性材料を重合およびグラフトさせるためには、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の重合開始剤を用いればよい。この他、泳動粒子32の表面に吸着可能な官能基と分散性を付与するためのアルキル鎖を有する材料を用いることができる。このような材料としては、例えば、チタネート系カップリング剤(例えば、味の素ファインテクノ株式会社製KR-TTS)およびアルミネート系カップリング剤が挙げられる。
上記泳動粒子32を絶縁性液体31中に分散させる方法の詳細については、「超微粒子の分散技術とその評価〜表面処理・微粉砕と気中/液中/高分子中の分散安定化〜(サイエンス&テクノロジー社)」等の書籍に掲載されている。
多孔質層33は泳動粒子32を遮蔽可能なものであり、繊維状構造体34と、界面活性剤によって修飾されると共に、繊維状構造体34に保持された非泳動粒子35とを有している。多孔質層33は、繊維状構造体34により形成された3次元立体構造物(不織布のような不規則なネットワーク構造物)であり、複数の隙間(細孔36)が設けられている。繊維状構造体34によって多孔質層33の3次元立体構造が構成されることで、光(外光)が乱反射(多重散乱)し、多孔質層33の反射率が高くなる。従って、多孔質層33の厚みが小さい場合であっても高反射率を得ることができ、電気泳動素子30のコントラストを向上させると共に、泳動粒子32の移動に必要なエネルギーを小さくすることができる。多孔質層33の全体のZ軸方向の膜厚(以下、単に厚みという)は、電気泳動素子30の素子構成にもよるが、例えば、1μm以上300μm以下である。
更に、本実施の形態の多孔質層33は、繊維状構造体34が重畳された繊維間、換言すると、繊維同士が互いに近接する近接部に補強部Aが形成されている。この補強部Aは、繊維状構造体34の3次元立体構造を補強し、多孔質層33の剛性を向上させるものである。補強部Aは、例えば、後述する繊維状構造体34を構成する高分子材料に、結合剤および硬化剤等を含む補強用ポリマーを混合し、例えば、静電紡糸法を用いて紡糸したのち、加熱して補強用ポリマーの架橋を促進させることによって形成される。また、補強用ポリマー溶液を調整し、これを静電塗布法を用いて繊維状構造体34の表面に塗布したのち、加熱して補強用ポリマーの架橋を促進させることでも形成することができる。
補強用ポリマーを混合した場合には、補強用ポリマーを混合していない状態の繊維状構造体よりも繊維径が太くなる(例えば、図5A,5Bおよび図6A,6B参照)。これにより、多孔質層33全体の剛性が向上する。補強用ポリマーを繊維状構造体34の表面に塗布した場合には、補強用ポリマーによって繊維状構造体34が被覆されることによって表面の平滑性が向上し、細孔36を通過する際の泳動粒子32の移動が容易になる。これにより、混合した場合よりも全体の強度は低いものの、応答速度を向上させることができる。
補強部Aを形成する補強用ポリマー(結合剤および硬化剤)には、繊維状構造体の弾力性を維持しつつ、繊維状構造体34の強度を向上させることが可能な材料を用いることが好ましい。具体的には、結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アルリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂等が挙げられる。硬化剤としては、例えばポリイソシアネートとして、トルエンジイソシアネート、およびこれらの付加体、アルキレンジイソシアネート、およびこれらの付加体等が挙げられる。
なお、補強部Aを形成するための補強用ポリマーの材料に低温且つ短時間(例えば、60℃,2時間)に架橋が可能な材料を選択することにより製造工程における多孔質層33への負荷が低減される。
繊維状構造体34は、繊維径(直径)に対して十分な長さを有する繊維状物質である。例えば、複数の繊維状構造体34が集合し、ランダムに重なって多孔質層33を構成する。1つの繊維状構造体34がランダムに絡みあって多孔質層33を構成していてもよい。あるいは、1つの繊維状構造体34による多孔質層33と複数の繊維状構造体34による多孔質層33とが混在していてもよい。
繊維状構造体34は、例えば、直線状に延在している。繊維状構造体34の形状は、どのようなものであってもよく、例えば、縮れていたり、途中で折れ曲がったりしていてもよい。あるいは、繊維状構造体34は途中で分岐していてもよい。
繊維状構造体34の繊維径は、例えば、50nm以上2000nm以下であることが好ましいが、上記範囲外であってもよい。平均繊維径を小さくすることにより、光が乱反射し易くなり、また、細孔36の孔径が大きくなる。繊維状構造体34が非泳動粒子35を保持できるよう、その繊維径を決定する。平均繊維径は、例えば、走査型電子顕微鏡等を用いた顕微鏡観察により測定することができる。繊維状構造体34の平均長さは任意である。繊維状構造体34は、例えば、相分離法,相反転法,静電(電界)紡糸法,溶融紡糸法,湿式紡糸法,乾式紡糸法,ゲル紡糸法,ゾルゲル法またはスプレー塗布法等により形成される。このような方法を用いることにより、繊維径に対して十分な長さを有する繊維状構造体34を容易に、かつ安定して形成することができる。
繊維状構造体34は、高分子材料あるいは、無機材料により構成することができる。中でも、ナノファイバーにより構成することが好ましい。ここでナノファイバーとは、繊維径が1nm〜1000nmであり、長さが繊維径の100倍以上である繊維状物質である。このようなナノファイバーを繊維状構造体34として用いることにより、光が乱反射し易くなり、多孔質層33の反射率をより向上させることができる。即ち、電気泳動素子30のコントラストを向上させることが可能となる。また、ナノファイバーからなる繊維状構造体34では、単位体積中に占める細孔36の割合が大きくなり、細孔36を経由して泳動粒子32が移動し易くなる。従って、泳動粒子32の移動に必要なエネルギーを小さくすることができる。ナノファイバーからなる繊維状構造体34は、静電紡糸法により形成することが好ましい。静電紡糸法を用いることにより繊維径が小さい繊維状構造体34を容易に、かつ安定して形成することができる。
繊維状構造体34には、その光反射率が泳動粒子32の光反射率と異なるものを用いることが好ましい。これにより、多孔質層33と泳動粒子32との光反射率の差によるコントラストが形成され易くなる。絶縁性液体31中で光透過性(無色透明)を示す繊維状構造体34を用いるようにしてもよい。
細孔36は、複数の繊維状構造体34が重なり合い、または1つの繊維状構造体34が絡まりあうことにより構成されている。この細孔36は、泳動粒子32が細孔36を経て移動し易いよう、できるだけ大きな平均孔径を有していることが好ましい。細孔36の平均孔径は、例えば、0.1μm以上10μm以下である。
非泳動粒子35は、繊維状構造体34に固定されており、電気泳動を行わない1または2以上の粒子である。非泳動粒子35は、保持されている繊維状構造体34の内部に埋設されていてもよく、あるいは、繊維状構造体34から部分的に突出していてもよい(図5B,図6B参照)。
非泳動粒子35には、その光反射率が泳動粒子32の光反射率と異なるものを用いる。非泳動粒子35の平均粒径は、例えば、50nm以上1000nm以下であることが好ましい。非泳動粒子35は、上記泳動粒子32と同様の材料により構成することが可能である。詳細には、非泳動粒子35(多孔質層33)が明表示する場合には上記泳動粒子32が明表示する場合の材料、非泳動粒子35が暗表示する場合には上記泳動粒子32が暗表示する場合の材料をそれぞれ用いることができる。多孔質層33により明表示を行うとき、非泳動粒子35を金属酸化物により構成することが好ましい。これにより、優れた化学的安定性、定着性および光反射性を得ることができる。非泳動粒子35、泳動粒子32それぞれの構成材料は同じであってもよく、異なっていてもよい。非泳動粒子35が明表示または暗表示を行うときに外部から視認される色は、上記泳動粒子32について説明したものと同様である。
また、非泳動粒子35はその表面が界面活性剤によって修飾されていてもよい。界面活性剤は、親水基として例えば、カルボン酸、スルホン酸あるいはリン酸構造を有する陰イオン(アニオン)性界面活性剤および親水基として例えば、テトラアルキルアンモニウムあるいはアルキルアミンを有する陽イオン(カチオン)性界面活性剤が挙げられる。この他、親水部が非電解質、即ちイオン化しない親水性部分を有する非イオン(ノニオン)性界面活性剤および分子内にアニオン性部位およびカチオン性部位の両方を有する両性界面活性剤を用いてもよい。両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシドあるいはアルキルカルボキシベタインが挙げられる。なお、非泳動粒子35として酸化チタン等の金属材料を用いる場合にはアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。特に、カルボン酸のような分子の嵩の小さな親水基を有する界面活性剤は非泳動粒子35の表面全体を被覆しやすく好ましい。また、界面活性剤は、表示特性を長期的に劣化させることのないように、絶縁性液体31中に染み出してこないものが望ましい。
多孔質層33は、例えば、以下の方法により形成することができる。図3Aは、多孔質層33の形成手順の流れを表したものである。まず、非泳動粒子35として、例えば、2種類の一次粒径(例えば、250nm(小粒子)および例えば、450nm(大粒子))を有する酸化チタンを用意し、これらを例えば、カルボン酸系陰イオン性界面活性剤が溶解した有機溶剤に添加して攪拌する。これにより表面がカルボン酸系陰イオン界面活性剤によって被覆された酸化チタン(非泳動粒子35)が得られる(ステップS101)。次に、例えば、有機溶剤に、例えば、高分子材料(ポリマー)等の繊維状構造体34の構成材料を溶解させ、溶液を調製したのち、この溶液に上記非泳動粒子35を加えて十分に攪拌し、非泳動粒子35を分散させる紡糸溶液を調製する(ステップS102)。続いて、この紡糸溶液を、例えば、静電紡糸法により紡糸を行うことにより非泳動粒子35が固定された繊維状構造体34を形成する(ステップS103)。なお、ここで一次粒径とは、最小限の粒径であり、例えば、粒子同士が凝集あるいは結合している場合には個々の粒子の粒径を表す。
次に、繊維状構造体34に補強部Aを形成する。まず、結合剤として、例えば、塩化ビニル系共重合樹脂および硬化剤として、例えば、イソシアネート系硬化剤を、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、補強用ポリマー溶液を調整したのち、この補強用ポリマー溶液をシリンジに入れ、繊維状構造体34に、例えば、静電塗布する(ステップS104)。こののち、このフィルム基板を加熱して結合剤および硬化剤の架橋反応を促進させて補強部Aを有する多孔質層33を形成する(ステップS105)。補強用ポリマー溶液は、塗布液滴の径および秤量を所定の範囲とすることで、繊維状構造体34の空隙を埋めることなく、即ち、細孔36の孔径を狭めることなく、繊維状構造体34を被覆することができる。
このように、あらかじめ界面活性剤で修飾された非泳動粒子35を用いることによって紡糸溶液中の非泳動粒子35の分散性が向上する。これにより、紡糸時において非泳動粒子35に電界が印加されやすくなり、繊維径が抑えられた、即ち細繊維化された繊維状構造体34が得られる。
なお、ここでは、多孔質層33の表示面側に補強部Aを形成する例を示したが、この他、補強部Aは多孔質層33全体に万遍なく設けるようにしてもよい。その場合には、例えば、多孔質層33を多層構造(例えば、図2に示したように3層構構造(第1層33A,第2層33Bおよび第3層33C))とし、各層の繊維状構造体34を紡糸する毎に、補強用ポリマー溶液を静電塗布したのち加熱し、補強部Aを形成するようにしてもよい。あるいは、図3Bに示した多孔質層33の形成手順の流れのように補強部Aを形成するようにしてもよい。具体的には、上記ステップS101と同様の方法を用いて非泳動粒子35を調整(ステップ201)したのち、有機溶剤に、例えば、高分子材料(ポリマー)等の繊維状構造体34の構成材料を溶解させ溶液を調製する。続いて、この溶液に上記非泳動粒子35と共に、補強用ポリマー(結合剤および硬化剤)を加えて十分に攪拌し、非泳動粒子35および補強用ポリマーを分散させた混合紡糸溶液を調製する(ステップS202)。次いで、この紡糸溶液を、例えば、静電紡糸法により紡糸を行うことにより、非泳動粒子35が固定されると共に、補強用ポリマーが混合された繊維状構造体34を形成する(ステップS103)。続いて、この繊維状構造体34を加熱して補強用ポリマーである結合剤および硬化剤の架橋反応を促進させて補強部Aを有する多孔質層33を形成する(ステップS204)。
また、多孔質層33は、高分子フィルムに、レーザを使用して穴開け加工を施して細孔23を形成するようにしてもよく、多孔質層33に合成繊維等により編まれた布、または連泡多孔性高分子等を用いるようにしてもよい。
なお、繊維状構造体は、例えば、炭素原子、酸素原子および水素原子で構成されている主骨格(分子の主部)を有する分子によって構成されることが好ましい。換言すれば、この分子の主骨格は炭素原子、酸素原子および水素原子以外の原子を含まず、これらの原子のみからなっている。繊維状構造体34を形成するこのような分子は、水酸基およびカルボン酸基等の極性の高い官能基を含んでいないことが好ましい。これにより、繊維状構造体34の表面電位の絶対値が小さくなり、電気泳動素子30の応答速度を向上させることができる。ここで、主骨格とは分子の両末端を除いた部分を指す。繊維状構造体34を形成する分子は、両末端まで炭素原子、酸素原子および水素原子で構成されていることが好ましいが、末端にこれら炭素原子、酸素原子および水素原子以外の原子が含まれていてもよい。例えば、高分子をラジカル重合により合成する場合には、触媒にアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の重合開始剤が用いられる。このように合成された高分子の両末端には窒素原子等が含まれることになるが、この末端の原子は分子量で換算して分子全体の1000分の1にも満たない。従って、この末端の原子は分子の特性にはほとんど寄与しない。AIBN以外の重合開始剤についても同様である。このように、炭素原子、酸素原子および水素原子のみで構成された繊維状構造体34の反応性は低いので、繊維状構造体34が絶縁性液体31中に安定して存在する。従って、電気泳動素子30では高い信頼性が得られる。
繊維状構造体34を形成する分子は鎖状の高分子である。ここで、鎖状の分子(鎖状分子)とは環状の原子配列の構造を含まない分子をいう。環状の原子配列の例として、例えば、単素環式化合物および複素環式化合物が挙げられる。単素環式化合物は、単一元素によって構成されており、具体的には、芳香族化合物,シクロアルケン,シクロアルカンおよびシクロアルキン等である。複素環式化合物は2種類以上の元素によって構成されており、具体的には、ピロール,カルバゾール,環状アセタール,ピラン,フランおよびチオフェン等である。鎖状分子は直鎖状であってもよく、あるいは分岐していてもよい。繊維状構造体34は鎖状分子により構成することにより、環状構造を含む分子に比べて、立体障害が小さいため、泳動粒子32が移動し易くなり、電気泳動素子30のコントラストおよび応答速度が向上する。
この繊維状構造体34を構成する鎖状分子には、エステル基が含まれている。例えば、アクリル樹脂により繊維状構造体34を形成することが好ましい。具体的な鎖状分子として、例えば、ポリアルキルメタクリレート、ポリアルキルアクリレート、ポリアルケニルメタクリレート、ポリアルケニルアクリレート、ポリアルキニルメタクリレートおよびポリアルキニルアクリレート等が挙げられる。この鎖状分子は、エステル基よりも高い極性の官能基を有しておらず、繊維状構造体34の表面電位の絶対値は、例えば、20mV以下となる。繊維状構造体34の表面電位の絶対値が10mV以下となるように、鎖状分子を選択することがより好ましい。即ち、上記のシアノ基等に比べてエステル基がもつ極性は小さいが、これは、電界紡糸法を用いた紡糸に十分な大きさであり、電界紡糸法により繊維状構造体34を容易に形成することができる。
繊維状構造体34を構成する鎖状分子には、微生物により分解されにくい材料を用いることが好ましい。即ち、鎖状分子は生分解に対して耐性を有することが好ましい。生分解性を有する高分子として、例えば、ポリ乳酸,ポリビニルアルコール,セルロースアセテート,コラーゲン,ゼラチンおよびキトサン等が挙げられる。このような高分子は分解され易いので、外部から電気泳動素子に何らかの刺激が加わった際に繊維状構造体の特性を維持できない虞がある。また、このような高分子は水溶性のものが多く、電気泳動素子内の水分により溶解して、繊維状構造体の形状を維持できない虞がある。これに対し、生分解に対して耐性を有する鎖状分子により繊維状構造体34を形成すると、繊維状構造体34の安定性が増す。従って、電気泳動素子30の信頼性を向上させることが可能となる。繊維状構造体34の表面を任意の保護層で被覆するようにしてもよい。
(1−2.表示装置の構成)
次に、表示装置1の全体構成および動作原理について説明する。
次に、表示装置1の全体構成および動作原理について説明する。
図2,図4Aおよび図4Bは、電気泳動素子30を用いた表示装置1の断面構成の一例を表したものである。表示装置1は、電気泳動現象を利用して画像(例えば、文字情報等)を表示する電気泳動型ディスプレイ(いわゆる電子ペーパーディスプレイ)であり、駆動基板10と対向基板20との間に電気泳動素子30が設けられている。駆動基板10と対向基板20との間は、スペーサ40により所定の間隔に調整されている。
駆動基板10は、支持部材11の一方の面に例えば、TFT(Thin Film Transistor)12、保護層13、画素電極14および接着層15をこの順に有している。TFT12および画素電極14は、例えば、画素配置に応じてマトリクス状またはセグメント状に配置されている。
支持部材11は、例えば、無機材料,金属材料またはプラスチック材料等により構成されている。無機材料としては、例えば、ケイ素(Si),酸化ケイ素(SiOX),窒
化ケイ素(SiNX)または酸化アルミニウム(AlOx)等が挙げられる。酸化ケイ素には、ガラスまたはスピンオングラス(SOG)等が含まれる。金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはステンレス等が挙げられ、プラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。
化ケイ素(SiNX)または酸化アルミニウム(AlOx)等が挙げられる。酸化ケイ素には、ガラスまたはスピンオングラス(SOG)等が含まれる。金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)またはステンレス等が挙げられ、プラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリエチルエーテルケトン(PEEK)等が挙げられる。
表示装置1では、対向基板20側に画像が表示されるため、支持部材11は非光透過性であってもよい。支持部材11を、ウェハ等の剛性を有する基板により構成してもよく、あるいは可撓性を有する薄層ガラスまたはフィルム等により構成してもよい。支持部材11に可撓性材料を用いることにより、フレキシブル(折り曲げ可能)な表示装置1を実現できる。
TFT12は、画素を選択するためのスイッチング用素子である。TFT12は、チャネル層として無機半導体層を用いた無機TFTでもよいし、有機半導体層を用いた有機TFTでもよい。保護層13および接着層15は、例えば、ポリイミド等の絶縁性樹脂材料により構成されている。保護層13の表面が十分に平坦であれば、接着層15を省略することも可能である。画素電極14は、例えば、金(Au)、銀(Ag)または銅(Cu)等の金属材料により形成されている。画素電極14は、保護層13および接着層15に設けられたコンタクトホール(図示せず)を通じてTFT12に接続されている。
対向基板20は、例えば、支持部材21および対向電極22を有しており、支持部材21の全面(駆動基板10との対向面)に対向電極22が設けられている。対向電極22を、画素電極14と同様に、マトリクス状またはセグメント状に配置するようにしてもよい。
支持部材21は、光透過性であることを除き、支持部材11と同様の材料により構成されている。対向電極22には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、酸化アンチモン−酸化スズ(ATO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)またはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)等の光透光性導電性材料(透明電極材料)を用いることができる。
対向基板20側に画像を表示する場合には、対向電極22を介して電気泳動素子30を見ることになるため、対向電極22の光透過性(透過率)は、できるだけ高いことが好ましく、例えば、80%以上である。また、対向電極22の電気抵抗は、できるだけ低いことが好ましく、例えば、100Ω/□以下である。
電気泳動素子30は、絶縁性液体31中に、泳動粒子32と、複数の細孔36を有する多孔質層33とを含んでいる。絶縁性液体31は、駆動基板10と対向基板20との間の空間に充填されており、多孔質層33は、例えば、スペーサ40により支持されている。絶縁性液体31が充填されている空間は、例えば、多孔質層33を境界として、画素電極14に近い側の待避領域R1と、対向電極22に近い側の表示領域R2とに区分けされている。絶縁性液体31、泳動粒子32および多孔質層33の構成は、上記実施の形態等で説明したものと同様である。なお、図4Aおよび後述の図4Bでは、図示内容を簡略化するために、細孔36は省略している。
多孔質層33は、画素電極14および対向電極22のうちのどちらか一方に隣接していてもよく、待避領域R1と表示領域R2とが明確に区切られていなくてもよい。泳動粒子32は、電界に応じて画素電極14または対向電極22に向かって移動する。
スペーサ40の厚みは、例えば、10μm〜100μmであり、できるだけ薄くすることが好ましい。これにより、消費電力を抑えることができる。スペーサ40は、例えば、高分子材料等の絶縁性材料により構成され、駆動基板10と対向基板20との間に例えば、格子状に設けられている。スペーサ40の配置形状は、特に限定されないが、泳動粒子32の移動を妨げず、かつ、泳動粒子32を均一分布させるように設けることが好ましい。
初期状態の表示装置1では、泳動粒子32が待避領域R1に配置されている(図4A)。この場合には、全ての画素で泳動粒子32が多孔質層33により遮蔽されているため、対向基板20側から電気泳動素子30を見ると、コントラストが生じていない(画像が表示されていない)状態にある。
一方、TFT12により画素が選択され、画素電極14と対向電極22との間に電界が印加されると、図4Bに示したように、画素毎に泳動粒子32が待避領域R1から多孔質層33(細孔36)を経由して表示領域R2に移動する。この場合には、泳動粒子32が多孔質層33により遮蔽されている画素と遮蔽されていない画素とが併存するため、対向基板20側から電気泳動素子30を見ると、コントラストが生じている状態になる。これにより、画像が表示される。
なお、この表示装置1によれば、高い応答速度を有する電気泳動素子30により、例えば、カラー化や動画表示にも適した高品位な画像を表示できる。
一般的な電気泳動型ディスプレイは、上記のように、泳動粒子の光反射率と多孔質層の光反射率との差によりコントラストを生じさせるものである。具体的には、泳動粒子および多孔質層のうち、明表示する方の光反射率が暗表示する方の光反射率よりも高くなっている。非泳動粒子の光反射率を、泳動粒子よりも高くして、多孔質層で明表示し、泳動粒子で暗表示することが好ましい。このような表示を行うことにより、明表示がなされる際の光反射率が、多孔質層(3次元立体構造物)による光の乱反射を利用して著しく高くなる。従って、これに応じ、コントラストも著しく向上する。
電気泳動素子では、電界が印加された範囲内で泳動粒子が多孔質層の細孔を経て移動する。泳動粒子の移動した領域、移動しない領域に応じて、明表示および暗表示のうちのどちらか一方がなされ、画像が表示される。
しかしながら、一対の電極(例えば、図2における画素電極14と対向電極22)との間に多孔質層を備えた電気泳動型ティスプレイでは、前述したように、折り曲げたり、表示画面を押すことによって多孔質層が変形し、特に、多孔質層が繊維状構造体で構成されている場合には、繊維構造体が変形し、細孔の孔径が小さくなって応答性が悪化するという問題があった。このため、高分子材料を用いて剛性の高い繊維状構造体を形成することが考えられるが、その場合には、繊維径が太くなり、散乱効率が低下してコントラストが悪化する虞がある
これに対して、本実施の形態の電気泳動素子30およびその製造方法、ならびにこれを備えた表示装置1では、多孔質層33を構成する繊維状構造体34に、多孔質層33の剛性を向上させる補強部Aを形成するようにした。具体的には、繊維状構造体34に補強用ポリマー溶液を塗布、あるいは、繊維状構造体を形成する際に、紡糸溶液に補強用ポリマーを添加して補強部Aを形成するようにした。この補強部Aは、紡糸後、加熱することで補強用ポリマー(結合剤および硬化剤)の架橋反応が促進されて形成される。
図5Aおよび図5Bは、一般的な繊維状構造体(図5A)および本実施の形態の繊維状構造体34(図5B)の実際の形状を模式的に表したものである。図6Aは図5Aに示した繊維状構造体の拡大模式図、図6Bは、図5Bに示した繊維状構造体34の拡大模式図である。補強用ポリマーを繊維状構造体34に混合、あるいは、塗布することによって、図5Bおよび図6Bに示したように、繊維状構造体34の繊維径を太くなり繊維自体の強度を向上する。また、補強用ポリマーの架橋によって近接する繊維間に補強部Aが形成され繊維状構造体34の剛性、即ち、多孔質層33の剛性が向上する。更に、補強用ポリマーを塗布した場合には、繊維状構造体34だけでなく、繊維状構造体34に保持された非泳動粒子35も被覆されることによって表面の平滑性が向上し、細孔36内を移動する泳動粒子32の移動速度がより改善される。
以上のように、本実施の形態の電気泳動素子30およびその製造方法ならびに、これを備えた表示装置1では、多孔質層33を構成する繊維状構造体34に補強用ポリマーを塗布あるいは、繊維状構造体34を形成する紡糸溶液に補強用ポリマーを添加して紡糸し、繊維状構造体34を構成する繊維の近接部に補強部Aを設けるようにした。これにより、多孔質層33の剛性が向上し、折り曲げや、表示画面の押圧に対して繊維状構造体34の3次元立体構造によって形成される細孔36の孔径の維持が可能となる。即ち、多孔質層33の耐久性が向上する。よって、信頼性の向上した表示装置を提供することが可能となる。
更に、補強用ポリマーを繊維状構造体34に塗布することにより、繊維状構造体34の表面の平滑性が向上する。これにより、多孔質層33の強度を向上させつつ、応答性を向上させることが可能となる。即ち、信頼性および表示特性の向上した表示装置を提供することが可能となる。
<2.適用例>
次に、上記表示装置1の適用例について説明する。
次に、上記表示装置1の適用例について説明する。
本技術の表示装置1は、各種用途の電子機器に適用可能であり、その電子機器の種類は特に限定されない。この表示装置1は、例えば、以下の電子機器に搭載可能である。ただし、以下で説明する電子機器の構成はあくまで一例であるため、その構成は適宜変更可能である。
(適用例1)
図7A,7Bは、電子ブックの外観構成を表している。この電子ブックは、例えば、表示部110および非表示部120と、操作部130とを備えている。なお、操作部130は、図7Aに示したように非表示部120の前面に設けられていてもよいし、図7Bに示したように上面に設けられていてもよい。表示部110が表示装置1により構成される。なお、表示装置1は、図7A,7Bに示した電子ブックと同様の構成を有するPDA(Personal Digital Assistants)等に搭載されてもよい。
図7A,7Bは、電子ブックの外観構成を表している。この電子ブックは、例えば、表示部110および非表示部120と、操作部130とを備えている。なお、操作部130は、図7Aに示したように非表示部120の前面に設けられていてもよいし、図7Bに示したように上面に設けられていてもよい。表示部110が表示装置1により構成される。なお、表示装置1は、図7A,7Bに示した電子ブックと同様の構成を有するPDA(Personal Digital Assistants)等に搭載されてもよい。
(適用例2)
図8は、タブレットパーソナルコンピュータの外観を表したものである。このタブレットパーソナルコンピュータは、例えば、タッチパネル部310および筐体320を有しており、タッチパネル部310が上記表示装置1により構成されている。
図8は、タブレットパーソナルコンピュータの外観を表したものである。このタブレットパーソナルコンピュータは、例えば、タッチパネル部310および筐体320を有しており、タッチパネル部310が上記表示装置1により構成されている。
<3.実施例>
次に、本技術の実施例について詳細に説明する。
次に、本技術の実施例について詳細に説明する。
以下の手順により、黒色(暗表示)の泳動粒子および白色(明表示)の多孔質層(粒子含有繊維状構造体)を用いて、表示装置(実験例1〜10)を作製した。
(実験例1)
(泳動粒子の準備)
まず、テトラヒドロフラン400mlとメタノール400mlとの混合溶液を調製した後、この溶液に複合酸化物微粒子(銅−鉄−マンガンの酸化物:大日精化工業株式会社製ダイピロキサイドカラーTM9550)50gを加え、超音波浴槽にて超音波攪拌(25℃〜35℃で30分間)を行った。次いで、この複合酸化物微粒子の分散液に28%アンモニア水40mlを30分間かけて滴下したのち、テトラヒドロフラン80mlにプレンアクト KR−TTS(味の素ファインテクノ株式会社製)10gを溶解させた溶液を30分間かけて滴下した。続いて、超音波浴槽を60℃まで昇温させ3時間保持したのちこれを室温まで冷却して遠心分離(6000rpmで10分間)およびデカンテーションを行った。次いで、このデカンテーション後の沈殿物をテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶媒(体積比1:1)に再分散させ、再度、遠心分離(6000rpmで10分間)およびデカンテーションを行った。この洗浄作業を3回繰り返して得られた沈殿物を70℃の真空オーブンで一晩乾燥させた。これにより、分散基で被覆された黒色の泳動粒子が得られた。
(泳動粒子の準備)
まず、テトラヒドロフラン400mlとメタノール400mlとの混合溶液を調製した後、この溶液に複合酸化物微粒子(銅−鉄−マンガンの酸化物:大日精化工業株式会社製ダイピロキサイドカラーTM9550)50gを加え、超音波浴槽にて超音波攪拌(25℃〜35℃で30分間)を行った。次いで、この複合酸化物微粒子の分散液に28%アンモニア水40mlを30分間かけて滴下したのち、テトラヒドロフラン80mlにプレンアクト KR−TTS(味の素ファインテクノ株式会社製)10gを溶解させた溶液を30分間かけて滴下した。続いて、超音波浴槽を60℃まで昇温させ3時間保持したのちこれを室温まで冷却して遠心分離(6000rpmで10分間)およびデカンテーションを行った。次いで、このデカンテーション後の沈殿物をテトラヒドロフランとメタノールとの混合溶媒(体積比1:1)に再分散させ、再度、遠心分離(6000rpmで10分間)およびデカンテーションを行った。この洗浄作業を3回繰り返して得られた沈殿物を70℃の真空オーブンで一晩乾燥させた。これにより、分散基で被覆された黒色の泳動粒子が得られた。
(絶縁性液体の準備)
泳動粒子を調製した後、絶縁性液体83.3gにOLOA1200(Chevron Chemicals社製)を16.7g溶解させOLOA1200溶液を調製した。このOLOA1200溶液9gに上記泳動粒子1gを加え、超音波分散を行った。この分散液を遠心分離(6000rpmで90分間)およびデカンテーションを行ったのち、絶縁性液体に再分散させた。この作業を3回繰り返し、得られた分散液中の泳動粒子成分が10重量%となるように調製した。次いで、絶縁性液体69gにOLOA1200 1gとADDOCONATE S(Lubrizol社製)10gおよび上記分散液20gを加えて攪拌し、添加剤および泳動粒子を含有する絶縁性液体を得た。
泳動粒子を調製した後、絶縁性液体83.3gにOLOA1200(Chevron Chemicals社製)を16.7g溶解させOLOA1200溶液を調製した。このOLOA1200溶液9gに上記泳動粒子1gを加え、超音波分散を行った。この分散液を遠心分離(6000rpmで90分間)およびデカンテーションを行ったのち、絶縁性液体に再分散させた。この作業を3回繰り返し、得られた分散液中の泳動粒子成分が10重量%となるように調製した。次いで、絶縁性液体69gにOLOA1200 1gとADDOCONATE S(Lubrizol社製)10gおよび上記分散液20gを加えて攪拌し、添加剤および泳動粒子を含有する絶縁性液体を得た。
(繊維状構造体の準備)
繊維状構造体の形成材料であるポリメチルメタクリレート14gをN,N’−ジメチルホルムアミド86gに溶解させて溶液Dを準備した。続いて、非泳動粒子である酸化チタン(一次粒径250nm)30gを溶液D70gに加えたのち、ビーズミルで混合して紡糸溶液Eを準備した。次に、この紡糸溶液Eをシリンジに入れ、対向電極(ITO)が全面形成されたPETフィルムの上にUVレジンで高さ30μm、幅10μm、ピッチ200μmのピッチを格子状に設けたものの上に、電界紡糸装置(株式会社メック製NANON)を用いて坪量1.2mg/cm2の紡糸を行った。
繊維状構造体の形成材料であるポリメチルメタクリレート14gをN,N’−ジメチルホルムアミド86gに溶解させて溶液Dを準備した。続いて、非泳動粒子である酸化チタン(一次粒径250nm)30gを溶液D70gに加えたのち、ビーズミルで混合して紡糸溶液Eを準備した。次に、この紡糸溶液Eをシリンジに入れ、対向電極(ITO)が全面形成されたPETフィルムの上にUVレジンで高さ30μm、幅10μm、ピッチ200μmのピッチを格子状に設けたものの上に、電界紡糸装置(株式会社メック製NANON)を用いて坪量1.2mg/cm2の紡糸を行った。
(補強用ポリマーの準備)
補強用結合剤の形成材料である塩化ビニル系共重合樹脂(日本ゼオン社製MR−110 シクロヘキサノン30wt%溶液)30gとイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製 コロネートL−50 50wt%)0.9g(5重量部)およびN,N’−ジメチルホルムアミド50gを混合して繊維補強用ポリマー溶液Fを作製した。続いて、繊維補強用ポリマー溶液Fをシリンジに入れ、例えば、ITO PETフィルム(フィルム基板)上に戴置した繊維状構造体に電界紡糸装置を用いて坪量0.1mg/cm2で静電塗布を行った。更に、このフィルム基板を70℃2時間オーブンに入れて架橋反応を促進させた。
補強用結合剤の形成材料である塩化ビニル系共重合樹脂(日本ゼオン社製MR−110 シクロヘキサノン30wt%溶液)30gとイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製 コロネートL−50 50wt%)0.9g(5重量部)およびN,N’−ジメチルホルムアミド50gを混合して繊維補強用ポリマー溶液Fを作製した。続いて、繊維補強用ポリマー溶液Fをシリンジに入れ、例えば、ITO PETフィルム(フィルム基板)上に戴置した繊維状構造体に電界紡糸装置を用いて坪量0.1mg/cm2で静電塗布を行った。更に、このフィルム基板を70℃2時間オーブンに入れて架橋反応を促進させた。
(表示装置の組み立て)
格子状のリブの上に繊維状構造体ならびに補強用ポリマーが塗布されたフィルム基板を、線圧16kgf/cm、処理速度6m/minで金属ロールでニップ処理を8回行い、繊維状構造体をリブ格子間に充填した。これに対抗電極となるITO PETフィルムを重ねた。この重ねあわせたフィルムの外周に沿って、ビーズ(外径=30μm)を含む光硬化性樹脂(積水化学工業株式会社製感光性樹脂フォトレックA−400)を描画した。続いて、2枚のITO PET フィルム基板の間に、電気泳動粒子が分散された絶縁性液体を注入した。最後に、紫外線光を照射して光硬化性樹脂を硬化させた。この重ね合わせたフィルム間のギャップは、リブおよび光硬化性樹脂に混合されたビーズにて30μmに保たれた。
格子状のリブの上に繊維状構造体ならびに補強用ポリマーが塗布されたフィルム基板を、線圧16kgf/cm、処理速度6m/minで金属ロールでニップ処理を8回行い、繊維状構造体をリブ格子間に充填した。これに対抗電極となるITO PETフィルムを重ねた。この重ねあわせたフィルムの外周に沿って、ビーズ(外径=30μm)を含む光硬化性樹脂(積水化学工業株式会社製感光性樹脂フォトレックA−400)を描画した。続いて、2枚のITO PET フィルム基板の間に、電気泳動粒子が分散された絶縁性液体を注入した。最後に、紫外線光を照射して光硬化性樹脂を硬化させた。この重ね合わせたフィルム間のギャップは、リブおよび光硬化性樹脂に混合されたビーズにて30μmに保たれた。
(実験例2)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を1.8g(10重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を1.8g(10重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例3)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例4)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を5.4g(30重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を5.4g(30重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例5)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を0.54g(3重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を0.54g(3重量部)としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例6)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)とし、補強用ポリマーの静電塗布量を0.05mg/cm2としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)とし、補強用ポリマーの静電塗布量を0.05mg/cm2としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例7)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)とし、補強用ポリマーの静電塗布量を0.30mg/cm2としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)とし、補強用ポリマーの静電塗布量を0.30mg/cm2としたこと以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例8)
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)とし、繊維状構造体を0.6mg/cm2で紡糸した時点で補強用ポリマーを0.1mg/cm2静電塗布を行い、この上から繊維状構造体を0.6mg/cm2紡糸して繊維状構造体の中間層に補強用ポリマーを静電塗布した以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーとしてイソシアネート系硬化剤の量を3.6g(20重量部)とし、繊維状構造体を0.6mg/cm2で紡糸した時点で補強用ポリマーを0.1mg/cm2静電塗布を行い、この上から繊維状構造体を0.6mg/cm2紡糸して繊維状構造体の中間層に補強用ポリマーを静電塗布した以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例9)
補強用ポリマーによる補強部の形成を行わない以外は、実験例1と同様に作製した。
補強用ポリマーによる補強部の形成を行わない以外は、実験例1と同様に作製した。
(実験例10)
繊維状構造体の形成材料であるポリメチルメタクリレートと、塩化ビニル系共重合樹脂およびイソシアネート系硬化剤(20重量部)とを70:30の割合で混合して合わせて14gとしたものをN,N’−ジメチルホルムアミド86gに溶解させて溶液Gを準備した。この溶液G70gに、非泳動粒子(酸化チタン(一次粒径250nm))30gを加えたのち、ビーズミルで混合して紡糸溶液Hを準備した。続いて、紡糸溶液Hを、実験例1と同様に紡糸して繊維状構造体を形成したのち、この繊維状構造体が形成されたフィルム基板を70℃2時間オーブンに入れて架橋反応を促進させた。上記以外は、実験例1と同様に作製した。なお、本実験例における繊維状構造体を構成するポリマーに対する補強用ポリマーの配合比率は30重量部である。
繊維状構造体の形成材料であるポリメチルメタクリレートと、塩化ビニル系共重合樹脂およびイソシアネート系硬化剤(20重量部)とを70:30の割合で混合して合わせて14gとしたものをN,N’−ジメチルホルムアミド86gに溶解させて溶液Gを準備した。この溶液G70gに、非泳動粒子(酸化チタン(一次粒径250nm))30gを加えたのち、ビーズミルで混合して紡糸溶液Hを準備した。続いて、紡糸溶液Hを、実験例1と同様に紡糸して繊維状構造体を形成したのち、この繊維状構造体が形成されたフィルム基板を70℃2時間オーブンに入れて架橋反応を促進させた。上記以外は、実験例1と同様に作製した。なお、本実験例における繊維状構造体を構成するポリマーに対する補強用ポリマーの配合比率は30重量部である。
これら実験例1〜10の表示装置の性能として、繊維状構造体の繊維径を測定すると共に、白反射率(%)、黒反射率(%)、コントラスト(CR)、平均移動度(μm2/V・ms)および不良セル数を測定した。表1は、実験例1〜10の各構成をまとめたものであり、表2は、上記測定結果をまとめたものである。各測定項目は、以下のように測定した。
(反射率測定)
まず、交流電圧(0.1Hzおよび15V)を1時間印加したのちに白反射率(%)および黒反射率(%)を測定すると共に、コントラスト=白反射率/黒反射率を算出した。ここでは、分光光度計(エックスライト株式会社製eye-one pro )を用いて、45°−0°リング照明で標準拡散板に対する基板法線方向の白反射率および黒反射率を測定した。
まず、交流電圧(0.1Hzおよび15V)を1時間印加したのちに白反射率(%)および黒反射率(%)を測定すると共に、コントラスト=白反射率/黒反射率を算出した。ここでは、分光光度計(エックスライト株式会社製eye-one pro )を用いて、45°−0°リング照明で標準拡散板に対する基板法線方向の白反射率および黒反射率を測定した。
(平均移動度測定)
まず、ファンクションジェネレータ(東洋テクニカ株式会社製)を用いて、矩形波電界(15V)を印加しながら輝度を測定した。ここでは、白色状態の輝度=1、黒色状態の輝度=0とし、電界を印加して輝度が0.1から0.9まで変化するために要する時間と電界印加を中止して輝度が0.9から0.1まで変化するために要する時間との平均値(応答時間(ms))を算出した。更に、作製したセルの実ギャップを測定し、平均応答時間(ms/μm)を算出し、印加電圧である15Vを単位電界強度(V/μm)に換算後、平均応答時間を割ることによって、泳動粒子の平均移動度(μm2/V・ms)を算出した。
まず、ファンクションジェネレータ(東洋テクニカ株式会社製)を用いて、矩形波電界(15V)を印加しながら輝度を測定した。ここでは、白色状態の輝度=1、黒色状態の輝度=0とし、電界を印加して輝度が0.1から0.9まで変化するために要する時間と電界印加を中止して輝度が0.9から0.1まで変化するために要する時間との平均値(応答時間(ms))を算出した。更に、作製したセルの実ギャップを測定し、平均応答時間(ms/μm)を算出し、印加電圧である15Vを単位電界強度(V/μm)に換算後、平均応答時間を割ることによって、泳動粒子の平均移動度(μm2/V・ms)を算出した。
(不良セル数測定)
不良セル数の測定として、引っ張り試験機(イマダ社製MX2-500N-FA)を用いてスタイラスプッシング試験を行った。先端はスタイラスペン(ソニー社製R=0.7mm)とし、荷重は10N、プッシングスピードは30回/分で表示素子を10回タッピングした後に白表示および黒表示を行い、タッピング部で正常に白黒反転表示をしないセル(格子サイズ200μm)を不良セルとして、その不良セル数を計測した。
不良セル数の測定として、引っ張り試験機(イマダ社製MX2-500N-FA)を用いてスタイラスプッシング試験を行った。先端はスタイラスペン(ソニー社製R=0.7mm)とし、荷重は10N、プッシングスピードは30回/分で表示素子を10回タッピングした後に白表示および黒表示を行い、タッピング部で正常に白黒反転表示をしないセル(格子サイズ200μm)を不良セルとして、その不良セル数を計測した。
(繊維径測定)
繊維状構造体の平均繊維径、最大繊維径および最小繊維径は、測定点数は80とし、電界放出型走査電子顕微鏡FFE-SEM(日立ハイテクノロジー社製 S4800)5000倍で繊維状構造体の繊維径を測定した。
繊維状構造体の平均繊維径、最大繊維径および最小繊維径は、測定点数は80とし、電界放出型走査電子顕微鏡FFE-SEM(日立ハイテクノロジー社製 S4800)5000倍で繊維状構造体の繊維径を測定した。
表2からわかるように、補強部を設けなかった実験例9と比較して実験例1〜3では、不良セル数が1〜2個と非常に少なかった。これは、補強用ポリマーの架橋により、繊維状構造体の剛性が向上したことが要因と考えられる。また、実験例9と比較して平均移動度も高かった。これは、補強用ポリマーの塗布により、繊維径の凹凸差が小さくなり、泳動粒子の移動が滑らかになったためと推定される。
これに対し、実験例4は、不良セル数は1個と少なく、補強用ポリマーの架橋の効果がみられたが、黒反射率が高く、コントラストが低下した。また、平均移動度も低かった。これは、補強用ポリマーに含まれる硬化剤の量が多く、塗料粘度が高くなったため静電塗布工程において微細に塗布することができず、その結果、補強用ポリマーが塗布された箇所の繊維径が太くなったことで泳動粒子の移動が妨げられたためと考えられる。実験例5,6は、不良セル数が比較的多かった。これは、実験例5では、硬化剤の添加量が少なかったため、溶液中や雰囲気中の水分で硬化剤のイソシアネート基が反応してウレタン化反応が十分に行われず、補強効果が不十分であったためと考えられる。実験例6では補強用ポリマーの塗布量が少なかったため、十分に繊維状構造体の補強ができなかったことが原因と考えられる。また、実験例7は、不良セル数は少ないものの、白反射率や黒反射率、コントラストや平均移動度が低下した。これは、補強用ポリマーの塗布量が多かったことにより、補強用ポリマーが塗布された繊維部分の繊維径が太くなりすぎたためと考えられる。
多孔質層の内部、中間層に補強用ポリマーを塗布した実験例8では、不良セル数は2個と非常に少なかった。このことから、補強用ポリマーを繊維状構造体の内部に設けた場合にも、繊維状構造体の剛性が向上し、耐久性が向上することがわかる。
実験例10は、繊維状構造体中に補強用ポリマーを混合したものであるが、繊維状構造体の表面に補強用ポリマーを塗布した実験例1〜4および実験例7,8と同様に不良セル数が2個と非常に少なかった。一方、平均移動度は低かった。これは、補強用ポリマーを混合したことにより紡糸溶液の粘度が高くなり、繊維状構造体の繊維径が太くなったためと考えられる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および前記繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、前記繊維状構造体は、前記繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する電気泳動素子。
(2)前記補強部は、補強用ポリマーによって形成されている、前記(1)に記載の電気泳動素子。
(3)前記補強用ポリマーは、結合剤および硬化剤である、前記(2)に記載の電気泳動素子。
(4)前記繊維状構造体の前記近接部の繊維は、前記補強用ポリマーによって被覆されると共に、互いに連結している、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(5)前記繊維は、前記補強用ポリマーが混合されている、前記(1)乃至(4)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(6)前記繊維状構造体の平均孔径は0.1μm以上10μm以下である、前記(1)乃至(5)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(7)前記繊維状構造体の繊維径は50nm以上2000nm以下である、前記(1乃至(6)のうちのいずれか1つ)に記載の電気泳動素子。
(8)前記繊維状構造体は、高分子材料または無機材料により形成されている、前記(1)乃至(7)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(9)前記繊維状構造体はナノファイバーによって構成されている、前記(1)乃至(8)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(10)前記繊維状構造体は静電防止法により形成された、前記(1)乃至(9)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(11)前記非泳動粒子は、前記泳動粒子とは異なる光学的反射特性を有する、前記(1)乃至(10)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(12)前記泳動粒子および前記非泳動粒子は、有機顔料,無機顔料,染料,炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスおよび高分子材料のうちの少なくともいずれか1つにより構成されている、前記(1)乃至(11)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(13)前記非泳動粒子は、酸化チタンを含む、前記(1)乃至(12)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(14)前記非泳動粒子の光反射率は前記泳動粒子の光反射率よりも高く、前記泳動粒子が暗表示、前記非泳動粒子および前記多孔質層が明表示を行う、前記(1)乃至(13)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(15)泳動粒子を形成する工程と、非泳動粒子を混合し、多孔質層を構成する繊維状構造体を形成する工程と、前記繊維状構造体に補強部を形成する工程とを含む電気泳動素子の製造方法。
(16)前記補強部は、前記繊維状構造体に補強用ポリマーを静電塗布したのち加熱して形成する、前記(15)に記載の電気泳動素子の製造方法。
(17)前記補強部は、前記非泳動粒子と共に補強用ポリマーを混合して前記繊維状構造体を形成したのち加熱して形成する、前記(15)または前記(16)に記載の電気泳動素子の製造方法。
(18)複数の電気泳動素子を有し、前記電気泳動素子は、絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および前記繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、前記繊維状構造体は、前記繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する表示装置。
(1)絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および前記繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、前記繊維状構造体は、前記繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する電気泳動素子。
(2)前記補強部は、補強用ポリマーによって形成されている、前記(1)に記載の電気泳動素子。
(3)前記補強用ポリマーは、結合剤および硬化剤である、前記(2)に記載の電気泳動素子。
(4)前記繊維状構造体の前記近接部の繊維は、前記補強用ポリマーによって被覆されると共に、互いに連結している、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(5)前記繊維は、前記補強用ポリマーが混合されている、前記(1)乃至(4)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(6)前記繊維状構造体の平均孔径は0.1μm以上10μm以下である、前記(1)乃至(5)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(7)前記繊維状構造体の繊維径は50nm以上2000nm以下である、前記(1乃至(6)のうちのいずれか1つ)に記載の電気泳動素子。
(8)前記繊維状構造体は、高分子材料または無機材料により形成されている、前記(1)乃至(7)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(9)前記繊維状構造体はナノファイバーによって構成されている、前記(1)乃至(8)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(10)前記繊維状構造体は静電防止法により形成された、前記(1)乃至(9)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(11)前記非泳動粒子は、前記泳動粒子とは異なる光学的反射特性を有する、前記(1)乃至(10)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(12)前記泳動粒子および前記非泳動粒子は、有機顔料,無機顔料,染料,炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスおよび高分子材料のうちの少なくともいずれか1つにより構成されている、前記(1)乃至(11)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(13)前記非泳動粒子は、酸化チタンを含む、前記(1)乃至(12)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(14)前記非泳動粒子の光反射率は前記泳動粒子の光反射率よりも高く、前記泳動粒子が暗表示、前記非泳動粒子および前記多孔質層が明表示を行う、前記(1)乃至(13)のうちのいずれか1つに記載の電気泳動素子。
(15)泳動粒子を形成する工程と、非泳動粒子を混合し、多孔質層を構成する繊維状構造体を形成する工程と、前記繊維状構造体に補強部を形成する工程とを含む電気泳動素子の製造方法。
(16)前記補強部は、前記繊維状構造体に補強用ポリマーを静電塗布したのち加熱して形成する、前記(15)に記載の電気泳動素子の製造方法。
(17)前記補強部は、前記非泳動粒子と共に補強用ポリマーを混合して前記繊維状構造体を形成したのち加熱して形成する、前記(15)または前記(16)に記載の電気泳動素子の製造方法。
(18)複数の電気泳動素子を有し、前記電気泳動素子は、絶縁性液体中に、泳動粒子と、1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および前記繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、前記繊維状構造体は、前記繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する表示装置。
1…表示装置、10…駆動基板、11,21…支持部材、12…TFT、13…保護層、14…画素電極、15…接着層、16…シール層、20…対向基板、22…対向電極、30…電気泳動素子、31…絶縁性液体、32…泳動粒子、33…多孔質層、33A…第1層、33B…第2層、34…繊維状構造体、35…非泳動粒子、36…細孔、40…スペーサ、A…補強部。
Claims (18)
- 絶縁性液体中に、
泳動粒子と、
1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および前記繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、
前記繊維状構造体は、前記繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する
電気泳動素子。 - 前記補強部は、補強用ポリマーによって形成されている、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記補強用ポリマーは、結合剤および硬化剤である、請求項2に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維状構造体の前記近接部の繊維は、前記補強用ポリマーによって被覆されると共に、互いに連結している、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維は、前記補強用ポリマーが混合されている、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維状構造体の平均孔径は0.1μm以上10μm以下である、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維状構造体の繊維径は50nm以上2000nm以下である、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維状構造体は、高分子材料または無機材料により形成されている、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維状構造体はナノファイバーによって構成されている、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記繊維状構造体は静電防止法により形成された、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記非泳動粒子は、前記泳動粒子とは異なる光学的反射特性を有する、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記泳動粒子および前記非泳動粒子は、有機顔料,無機顔料,染料,炭素材料,金属材料,金属酸化物,ガラスおよび高分子材料のうちの少なくともいずれか1つにより構成されている、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記非泳動粒子は、酸化チタンを含む、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 前記非泳動粒子の光反射率は前記泳動粒子の光反射率よりも高く、前記泳動粒子が暗表示、前記非泳動粒子および前記多孔質層が明表示を行う、請求項1に記載の電気泳動素子。
- 泳動粒子を形成する工程と、
非泳動粒子を混合し、多孔質層を構成する繊維状構造体を形成する工程と、
前記繊維状構造体に補強部を形成する工程と
を含む電気泳動素子の製造方法。 - 前記補強部は、前記繊維状構造体に補強用ポリマーを静電塗布したのち加熱して形成する、請求項15に記載の電気泳動素子の製造方法。
- 前記補強部は、前記非泳動粒子と共に補強用ポリマーを混合して前記繊維状構造体を形成したのち加熱して形成する、請求項15に記載の電気泳動素子の製造方法。
- 複数の電気泳動素子を有し、
前記電気泳動素子は、
絶縁性液体中に、
泳動粒子と、
1または2以上の繊維を重畳してなる繊維状構造体および前記繊維状構造体によって保持された非泳動粒子によって形成された多孔質層とを備え、
前記繊維状構造体は、前記繊維同士の近接部の少なくとも一部に補強部を有する
表示装置。
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