JP2015088178A - 防災体制構築システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 防災体制を即座に構築することが可能な防災体制構築システムを提供する。【解決手段】 防災体制構築システム1は、施設内に居る在場者の情報を示す在場者データを記録するデータベース12と、防災体制を構成する複数の職務のそれぞれに対して所定の人材を割り当てる基準である構築ルールを示す構築ルールデータを記録する構築ルールデータ記録部21と、データベース12から在場者データを取得するとともに構築ルールデータ記録部21から構築ルールデータを取得して、これらのデータを処理することで防災体制を構築し当該防災体制を示す防災体制データを生成して出力する防災体制構築部22と、を備える。防災体制構築部22は、構築ルールデータが示す構築ルールに従って、在場者データが示す在場者の中に含まれている人材を職務に割り当てることで、防災体制を構築する。【選択図】 図1

Description

本発明は、地震や火災などの災害が発生するおそれがある場合または災害が発生した場合(以下、これらの双方の場合を「非常事態」という)に対処するための組織(以下、「防災体制」という)を構築する防災体制構築システムに関する。
プラントや営業所などの施設において、非常事態に対処するための防災体制を迅速に構築するべく、誰がどのような職務(例えば、対策本部長、現地本部長、消防、総務など)に就くかを事前に決めておくという構築方法が採用されることがある。
しかし、いつどのような状況で非常事態になるのかについては、予測することができない。そのため、上記のような構築方法を採用するのみでは、防災体制を構築することが不可能になることがある。
例えば、非常事態となった時に、特定の職務(特に、対策本部長などの重要な職務)に就く予定の者が、たまたま休暇や出張等で不在になっていると、それだけで防災体制の構築が不可能となってしまう。
この点について、特定の職務に就く者が不在であったとしても、人材を融通すれば、防災体制を再構築することは可能である。ただし、防災体制を再構築するためには、防災体制に参加可能な人材を把握するべく関係各所に連絡する作業や、把握した人材に職務を割り当てる作業などが必要になる。そのため、防災体制を再構築するまでに多大な時間を要することで、非常事態への対処が遅れるという問題がある。
そこで、特許文献1では、災害発生時に、ユーザ(従業員等)の端末に災害発生の情報を通知し、その後にユーザから応答があったことを確認することによって、防災体制に参加可能な人材を把握するシステムが提案されている。また、特許文献2では、災害発生時に、入力装置を介してユーザに自己の所在等を入力させることによって、防災体制に参加可能な人材を把握するシステムが提案されている。
特開2003−187064号公報 特開2000−155778号公報
特許文献1及び2で提案されているシステムでは、防災体制に参加可能な人材を把握する作業を省略することができる。しかし、ユーザからの連絡や入力を待つ必要があり、防災体制の構築に時間を要するために初動が遅れるという問題がある。
そこで、本発明は、防災体制を即座に構築することが可能な防災体制構築システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、施設内に居る在場者の情報を示す在場者データを記録するデータベースと、防災体制を構成する複数の職務のそれぞれに対して所定の人材を割り当てる基準である構築ルールを示す構築ルールデータを記録する構築ルールデータ記録部と、前記データベースから前記在場者データを取得するとともに、前記構築ルールデータ記録部から前記構築ルールデータを取得して、これらのデータを処理することで前記防災体制を構築し、当該防災体制を示す防災体制データを生成して出力する防災体制構築部と、を備え、前記防災体制構築部は、前記構築ルールデータが示す前記構築ルールに従って、前記在場者データが示す前記在場者の中に含まれている前記人材を前記職務に割り当てることで、前記防災体制を構築することを特徴とする防災体制構築システムを提供する。
この防災体制構築システムによれば、在場者の中に含まれる人材が、職務に割り当てられる。そのため、現に施設に居る者(在場者)によって、防災体制を即座に構築することが可能になる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記構築ルールは、複数の前記職務のそれぞれに対して職務優先順位を規定しており、前記防災体制構築部は、前記職務優先順位が高い前記職務から順番に、前記在場者データが示す前記在場者の中に含まれている前記人材を割り当てると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、職務優先順位が高い職務から順に、人材を割り当てることができる。そのため、重要な職務に対して、優先的に人材を割り当てることが可能となる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記構築ルールは、前記職務毎に、割り当てる前記人材のそれぞれに対して人材優先順位を規定しており、前記防災体制構築部は、前記在場者データが示す前記在場者の中に含まれており前記人材優先順位が高い前記人材から順番に、前記職務に割り当てると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、人材優先順位が高い人材から順に、職務に割り当てることができる。そのため、職務に適した人材を、優先的に当該職務に対して割り当てることが可能となる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記防災体制構築部は、前記職務に対して割り当てる前記人材が不足する場合、当該職務については空位を含む状態とすると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、割当に適した人材が不足している職務に対して、無理に人材が割り当てられることを防止することができる。そのため、人材のバランスが崩れた防災体制が構築されることを、抑制することが可能となる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記在場者データが、前記施設の入場者及び退場者の情報を示す入退場者データであると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、施設の入場者及び退場者を管理する既存のシステムを利用して、施設の在場者の情報を示す入退場者データ(在場者データ)を得ることができる。そのため、施設の在場者を管理するためのシステムを新たに構築することを、不要とすることができる。
特に、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記施設に前記入場者が入場するタイミングで当該入場者の情報を示す前記入退場者データを生成して前記データベースに記録するとともに、前記施設から前記退場者が退場するタイミングで当該退場者の情報を示す前記入退場者データを生成して前記データベースに記録する入退場者データ生成部を、さらに備えてもよい。
この防災体制構築システムによれば、施設の入場者及び退場者を入場及び退場の都度記録する入退場者データ生成部を備えた構成にすることで、在場者データとして使用可能な入退場者データを得ることができる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記防災体制構築部は、前記入退場者データに基づいて、前記施設に入場しているが未だ退場していない者を前記在場者として検出すると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、防災体制構築部が、職務に割り当てるべき人材が在場者であるか否かを、入退場者データ(在場者データ)から直接的に検出することが可能となる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記防災体制データが示す前記防災体制を報知する出力部を、さらに備え、前記出力部は、前記防災体制とともに、少なくとも前記防災体制を構成する前記在場者の安否状況を併せて報知すると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、ユーザが、構築された防災体制を確認すると同時に、安否が不明で防災体制への参加が危ぶまれる在場者の存在を確認することができる。そのため、人材の不足等の問題が生じ得ることを事前に察知して、柔軟かつ円滑に活動することが可能になる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記防災体制構築部が構築した前記防災体制の修正を指示する修正指示データを、前記防災体制構築部に対して与える修正指示入力部を、さらに備えると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、空位の職務を任意の人材で埋めるなど、構築された防災体制を状況に応じて柔軟に修正することが可能になる。この場合、さらに、出力部が防災体制とともに安否状況を併せて報知すると、安否が不明で防災体制への参加が危ぶまれる在場者を確認した上で、現実の状況に即応した防災体制に修正することができる。したがって、柔軟かつ円滑に活動することが可能になる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記在場者データと、前記在場者の安否状況を示す安否状況データと、が1つのタッチモニタシステムに対して異なる操作をすることによって生成されるように構成されていてもよい。
この防災体制構築システムによれば、平常時にユーザが出退勤の記録等(即ち、在場者データの生成)のために頻繁に操作するタッチモニタシステムを用いて、安否状況の入力が行われることになる。そのため、非常事態時に、安否状況の入力漏れが生じることや、安否状況を入力するための装置自体や当該装置の操作方法が分からないことで混乱が生じることを、抑制することが可能になる。
さらに、上記特徴の防災体制構築システムにおいて、前記タッチモニタシステムは、所定の画像を表示している時に、当該画像中の第1領域に対する操作を検出することで前記在場者データを生成し、当該画像中の前記第1領域とは異なる第2領域に対する操作を検出することで前記安否状況データを生成するように構成されていると、好ましい。
この防災体制構築システムによれば、ユーザが、平常時に出退勤の記録等(即ち、在場者データの生成)のためにタッチモニタシステムを操作する際に、安否状況を入力するための領域を目にすることになる。そのため、ユーザに対して、平常時から安否状況の入力を意識させることが可能になる。
上記特徴の防災体制構築システムによれば、在場者の中に含まれる人材が職務に割り当てられる。そのため、現に施設に居る者(在場者)によって、防災体制を即座に構築することができる。
本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの構成の一例を示すブロック図。 入退場者データの一例を示す図。 本発明の実施形態に係る防災体制構築システムにおける防災体制構築部の動作の一例を示すフローチャート。 構築ルールデータの一例を示す図。 本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの変形例の構成を示すブロック図。 本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの具体的な実施例の全体構成を示すブロック図。 平常時に各部署用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図。 非常事態時に各部署用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図。 平常時に各部署用モニタシステム及び対策本部用モニタシステムに表示される画像の一例を示す図。 非常事態時に各部署用モニタシステム及び対策本部用モニタシステムに表示される画像の一例を示す図。 平常時にCCR用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図。 非常事態時にCCR用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図。 図12の画像を表示しているCCR用タッチモニタシステムに対して所定の操作を行うことで表示される画像の一例を示す図。 図12の画像を表示しているCCR用タッチモニタシステムに対して所定の操作を行うことで表示される画像の一例を示す図。
<全体構成例>
最初に、本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る防災体制構築システム1は、入退場者管理部10と、防災体制管理部20と、を備える。入退場者管理部10は、1または複数の入退場者データ生成部11と、データベース12と、バス13と、を備える。また、防災体制管理部20は、構築ルールデータ記録部21と、防災体制構築部22と、出力部23と、を備える。
入退場者データ生成部11は、例えばカードリーダを備えるものであり、施設に入場者が入場するタイミングや、施設から退場者が退場するタイミングで、それぞれの入退場者データを生成する。また、入退場者データ生成部11は、生成した入退場者データを、バス13を介してデータベース12に記録する。
入退場者データ生成部11がカードリーダを備えるものである場合、入場者が施設に入場する際や退場者が施設から退場する際に、入場者や退場者が自己のID(identification)カードをカードリーダに読み取らせて情報を入力することによって、当該カードリーダが入退場者データを生成する。
このとき、入退場者データ生成部11が備えるカードリーダは、必要に応じて、内蔵するタイマなどから時間情報(即ち、入場及び退場が生じた日時を示す情報)を取得したり、事前に設定されているカードリーダの設置場所に関する情報(即ち、入場及び退場が生じた場所を示す情報)を取得したりすることで、これらの情報を含む入退場者データを生成する。
入退場者データ生成部11が生成する入退場者データの一例について、図面を参照して説明する。図2は、入退場者データの一例を示す図である。なお、図2(a)は、施設に入場者が入場する際に生成される入退場者データの一例を示す図であり、図2(b)は、施設から退場者が退場する際に生成される入退場者データの一例を示す図である。
図2(a)及び(b)に示すように、入退場者データには、入場者及び退場者を特定するための「ID番号」及び「氏名」、入場及び退場のいずれが生じたのかを示す「イベント内容」、入場及び退場が生じた日時を示す「イベント日時」、入場及び退場が生じた場所を示す「イベント場所」などの各種情報が含まれている。なお、図2(a)及び(b)に示した入退場者データは一例に過ぎず、これ以外の情報(例えば、「勤務場所」や「所属部署」、「役職」などの通常業務に関する情報)を含むものであってもよいし、これらの中の情報の一部(例えば、「氏名」や「イベント場所」)を含まないものであってもよい。
データベース12は、バス13を介して入退場者データ生成部11から入力される入退場者データを取得して記録する。例えば、データベース12は、データを記録可能なハードディスクや半導体メモリ等の記録装置を備えた構成となる。
構築ルールデータ記録部21は、防災体制の構築ルールを示す構築ルールデータを記録する。構築ルールとは、防災体制を構成する複数の職務のそれぞれに対して所定の人材を割り当てる基準である。例えば、構築ルールデータ記録部21は、データを記録可能なハードディスクや半導体メモリ等の記録装置を備えた構成となる。
防災体制構築部22は、データベース12から入退場者データを取得するとともに、構築ルールデータ記録部21から構築ルールデータを取得して、これらのデータを処理することで防災体制を構築し、当該防災体制を示す防災体制データを生成して出力する。
データベース12が記録している入退場者データは、施設の入場者及び退場者の情報を示すものである。さらに、この入退場者データが示す、施設に入場しているが未だ退場していない者(例えば、直近に作成された入退場者データのイベント内容が「入場」である者)が、施設内に居る在場者である。このように、入退場者データは、施設の入場者及び退場者の情報を示すデータとして利用されるだけでなく、施設内に居る在場者の情報を示すデータ(在場者データ)としても利用され得る。
防災体制構築部22は、取得した入退場者データに基づいて在場者を検出するとともに、構築ルールデータが示す構築ルールに従って、在場者の中に含まれている人材を職務に割り当てることで、防災体制を構築する。なお、防災体制構築部22による防災体制の具体的な構築方法については、後述する。
出力部23は、防災体制構築部22から防災体制データを取得し、当該防災体制データが示す防災体制をユーザに対して報知する。例えば、出力部23は、防災体制データが示す防災体制を、文字や表などの画像で表示する表示装置を備える。また例えば、出力部23は、防災体制データを所定のサーバにアップロードするとともに、関係者(例えば、構築ルールに規定されている人材)に対して当該防災体制データをアップロードしたサーバのアドレスを送信したり、役職が割り当てられた関係者に対して当該役職への割当を通知するメールを送信したりする通信装置を備える。
上記構成の防災体制構築システム1は、所定の事象の発生をトリガとして、防災体制を構築する。例えば、防災体制構築部22は、非常事態となったことを報知する信号(例えば、緊急地震速報などの災害発生を予報する信号や、施設内において火災等の災害が現に発生したことを報知する信号)の発令や、防災体制を管理する責任者等による防災体制を構築する旨の指示を示す信号の発令をトリガとして、防災体制の構築を開始する。
このとき、現に非常事態になっており、構築された防災体制に従って非常事態に対処する必要がある場合は、施設内の全域に向けた構内放送などによって、在場者に対して防災体制を確認するように促すと、好ましい。
また、防災体制構築システム1(特に、防災体制構築部22)の各処理は、コンピュータのハードウェア資源(CPU:Central Processing Unitやメモリ等)及びソフトウェア資源(OS:Operating System、各種ドライバ等)を使用した演算処理によって行われる。具体的に、かかる演算処理は、上記各処理を実行するためのプログラムをCPU等が実行することによって、ソフトウェア的に実現される。
例えば、防災体制構築部22における処理は、入退場者データ及び構築ルールデータをメモリに一時的に格納するとともに、当該メモリに格納したデータに対してCPUが所定のプログラムに従った演算処理を行うことによって、実現される。
なお、図1では、データベース12及び構築ルールデータ記録部21が、別々の記録装置によって構成されているかのように図示しているが、これらは1つの記録装置によって構成されるものであってもよい。
<防災体制の構築動作例>
次に、防災体制構築システム1による防災体制の構築動作の一例について、図面を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る防災体制構築システムにおける防災体制構築部の動作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、構築ルールデータの一例を示す図である。
図4に示す構築ルールデータは、防災体制を構成する複数の職務のそれぞれに対して所定の人材を割り当てる基準である構築ルールを示すものである。特に、この構築ルールは、複数の職務のそれぞれに対して職務優先順位Kを規定し、さらに、職務に割り当てる人材のそれぞれに対して人材優先順位Nを規定するとともに定員数MMAXを規定したものである。
職務優先順位K及び人材優先順位Nは、数字が小さいほど優先順位が高くなり、数字が大きいほど優先順位が低くなるものである。また、職務優先順位Kの最小値は1であり、最大値はKMAXである。同様に、人材優先順位Nの最小値は1であり、最大値はNMAX(値は職務に応じて異なる)である。また、この構築ルールは、全ての職務について人材の兼任を認めないものである。
図3に示すように、防災体制構築部22は、最初に、データベース12から入退場者データを取得するとともに、構築ルールデータ記録部21から構築ルールデータを取得する(ステップ#1)。これにより、防災体制構築部22は、在場者(例えば、直近に作成された入退場者データのイベント内容が「入場」である者)の情報と、構築ルールと、のそれぞれを認識する。なお、以下では、ステップ#1において防災体制構築部22が図4に示す構築ルールデータを取得した場合について、適宜具体例として挙げて説明する。
次に、防災体制構築部22は、職務優先順位Kを1に設定する(ステップ#2)。即ち、職務優先順位Kを初期化する。そして、防災体制構築部22は、職務優先順位Kの職務(以下、「K位の職務」という)を対象として、人材の割当を行う。
まず、防災体制構築部22は、人材優先順位Nを1に設定するとともに、K位の職務に割り当てた人数(以下、「割当済人数」という)Mを0に設定する(ステップ#3)。即ち、人材優先順位N及び割当済人数Mを初期化する。次に、防災体制構築部22は、K位の職務に対して人材優先順位Nの人材(以下、「N位の人材」という)が割当可能か否かを判定する(ステップ#4)。
ここで、K位の職務について、在場者の中に他の職務に割り当てられていないN位の人材が含まれている場合、防災体制構築部22は、K位の職務に対してN位の人材が割当可能と判定する(ステップ#4、YES)。
例えば、職務優先順位K=1かつ人材優先順位N=1であり、在場者の中に「所長」が含まれている場合、防災体制構築部22は、「対策本部長」に対して「所長」を割当可能と判定する。また例えば、職務優先順位K=2かつ人材優先順位N=1であり、在場者の中に「対策本部長」(1位の職務)に割り当てられていない「第1工場長」が含まれている場合、防災体制構築部22は、「対策本部員」に対して「第1工場長」を割当可能と判定する。
一方、K位の職務について、在場者の中にN位の人材が含まれていない、または、N位の人材が他の職務に割り当てられている場合、防災体制構築部22は、K位の職務に対してN位の人材を割当不可能と判定する(ステップ#4、NO)。この場合、防災体制構築部22は、K位の職務に対する人材の割当は継続するが、K位の職務に対するN位の人材の割当については終了する。
例えば、職務優先順位K=1かつ人材優先順位N=1であり、在場者の中に「所長」が含まれていない場合、防災体制構築部22は、「対策本部長」に対して「所長」を割当不可能と判定する。また例えば、職務優先順位K=2かつ人材優先順位N=1であり、在場者の中に「第1工場長」が含まれているが、「第1工場長」は既に「対策本部長」(1位の職務)に割り当てられている場合、防災体制構築部22は、「対策本部員」に対して「第1工場長」を割当不可能と判定する。
ところで、図4に示す構築ルールデータでは、人材が「役職」で表現されている。このように、人材を「役職」で表現すると、例えば会社等の組織内で人事異動があったとしても、構築ルールをそのまま維持することができるため、好ましい。ただし、この場合、防災体制構築部22は、ステップ#4において、K位の職務に対してN位の在場者が割当可能か否かを判定する際に、当該在場者の「役職」を認識している必要がある。
例えば、防災体制構築部22は、「ID番号」または「氏名」と「役職」との対応関係を示す人事データを、当該人事データを記録する外部のデータベース等から取得して参照することで、在場者の「ID番号」または「氏名」に基づいて、当該在場者の「役職」を認識することができる。
また例えば、構築ルールデータに、それぞれの「役職」に対応する「ID番号」または「氏名」の情報が含まれている場合、防災体制構築部22は、構築ルールデータに含まれている「ID番号」または「氏名」の情報に基づいて、在場者の「役職」を認識することができる。ただし、この場合、人事異動等があれば、構築ルールデータに含まれる「ID番号」または「氏名」の情報を更新する必要がある。
また例えば、入退場者データに「役職」の情報が含まれている場合や、「ID番号」の一部が「役職」を示しているなどの場合、防災体制構築部22は、入退場者データに含まれているこれらの情報に基づいて、在場者の「役職」を認識することができる。
防災体制構築部22は、K位の職務に対してN位の人材を割当可能と判定する場合(ステップ#4、YES)、K位の職務に対してN位の人材を割り当て(ステップ#5)、割当済人数Mを1増加させる(ステップ#6)。そして、防災体制構築部22は、割当済人数Mが定員数MMAXに達しているか否かを判定する(ステップ#7)。
防災体制構築部22は、割当済人数Mが定員数MMAXに達している場合(ステップ#7、YES)、K位の職務に対する人材の割当を終了する。
一方、防災体制構築部22は、割当済人数Mが定員数MMAXに達していない場合(ステップ#7、NO)、K位の職務に対する人材の割当は継続するがN位の人材の割当については終了する。
防災体制構築部22は、K位の職務に対する人材の割当は継続するがN位の人材の割当については終了する場合、即ち、K位の職務に対してN位の人材を割当不可能と判定する場合(ステップ#4、NO)及び割当済人数Mが定員数MMAXに達していないと判定する場合(ステップ#7、NO)、人材優先順位Nが最大値NMAXに達しているか否かを判定する(ステップ#8)。
防災体制構築部22は、人材優先順位Nが最大値NMAXに達していない場合(ステップ#8、NO)、人材優先順位Nを1増加させた上で(ステップ#9)、ステップ#4の処理を再度行う。即ち、防災体制構築部22は、K位の職務に対して、人材優先順位Nが1つ低位の人材の割当を行う。
一方、防災体制構築部22は、人材優先順位Nが最大値NMAXに達している場合、K位の職務について未割当の部分は空位として保留し(ステップ#10)、K位の職務に対する人材の割当を終了する。即ち、防災体制構築部22は、K位の職務に対して割り当てる人材が不足する場合、当該職務については空位を含む状態として保留する。
例えば、K=2、N=4かつM=2の状態でステップ#10を行う場合、防災体制構築部22は、「対策本部員」の残り1枠を空位として保留する。また例えば、K=KMAX、N=2かつM=0の状態でステップ#10を行う場合、防災体制構築部22は、「総務隊庶務」の全1枠を空位として保留する。
このように、職務に対して割り当てる人材が不足する場合において、防災体制構築部22が、当該職務については空位を含む状態とすると、割当に適した人材が不足している職務に対して、無理に人材が割り当てられることを防止することができる。そのため、人材のバランスが崩れた防災体制が構築されることを、抑制することが可能となる。なお、空位として保留とした職務については、現場の判断に任せて、適宜人材を当てたり空位のまま放置したりするなど、柔軟に対応すればよい。保留した職務について現場の判断に任せたとしても、防災体制構築システム1によって防災体制の根幹は構築されている(重要な職務については人材が割り当てられている)ため、非常事態に対して十分に対処することが可能である。
防災体制構築部22は、K位の職務に対する人材の割当を終了する場合、即ち、割当済人数Mが定員数MMAXに達している場合(ステップ#7、NO)及びK位の職務について未割当の部分を空位として保留する場合(ステップ#10)、職務優先順位Kが最大値KMAXに達しているか否かを判定する(ステップ#11)。
防災体制構築部22は、職務優先順位Kが最大値KMAXに達している場合(ステップ#11、YES)、全ての職務(1位からKMAX位までの職務)について人材の割当が終了したことになるため、防災体制の構築を終了する。
一方、防災体制構築部22は、職務優先順位Kが最大値KMAXに達していない場合(ステップ#11、NO)、職務優先順位Kを1増加させた上で(ステップ#12)、ステップ#3の処理を再度行う。即ち、防災体制構築部22は、職務優先順位Kが1つ低位の職務に対して、人材の割当を行う。
以上のように、本発明の実施形態における防災体制構築システム1によれば、在場者の中に含まれる人材が、職務に割り当てられる。そのため、現に施設に居る者(在場者)によって、防災体制を即座に構築することができる。
また、この防災体制構築システム1では、職務優先順位Kが高い職務から順に、人材を割り当てることができる。そのため、重要な職務に対して、優先的に人材を割り当てることが可能となる。また、この防災体制構築システム1では、人材優先順位Nが高い人材から順に、職務に割り当てることができる。そのため、職務に適した人材を、優先的に当該職務に対して割り当てることが可能となる。
また、この防災体制構築システム1では、施設の入場者及び退場者を管理する既存のシステム(入退場者管理部10)を利用して、施設の在場者の情報を示す入退場者データを得ることができる。そのため、施設の在場者を管理するためのシステムを新たに構築することを、不要とすることができる。
なお、上述した防災体制の構築動作例は、全ての職務について人材の兼任を認めない構築ルールに基づいて防災体制を構築したものであるが、一部または全部の職務について人材の兼任を認める構築ルールに基づいて防災体制を構築することも可能である。ただし、この場合、構築ルールデータが示す構築ルールにおいて、職務毎に兼任の可否が規定されていると、好ましい。
このとき、図3のステップ#4において、在場者の中に他の職務に割り当てられていないN位の人材が含まれている場合と、K位の職務が兼任可能であり、かつ、在場者の中に兼任可能な職務に割り当てられているN位の人材が含まれている場合と、のそれぞれの場合について、防災体制構築部22が、K位の職務に対してN位の人材が割当可能と判定する。
またこのとき、図3のステップ#4において、在場者の中にN位の人材が含まれていない場合と、在場者の中にN位の人材が含まれているが、K位の職務及びN位の人材が既に割り当てられている職務の少なくとも一方が兼任不可能な場合と、のそれぞれの場合について、防災体制構築部22が、K位の職務に対してN位の人材が割当不可能と判定する。
<変形等>
[1] 上述の防災体制構築システム1を使用して防災体制を構築する際に、主要な職務に割り当てる人材が揃っていると、好ましい。そのため、防災体制の構築に最低限必要な人材が施設内に居るように、会社等の従業員の勤務スケジュールを予め構成しておくと、好ましい。
例えば、勤務スケジュールを示す勤務スケジュールデータと、構築ルールデータと(必要であれば人事データも)、を取得して処理することで、主要な職務に割り当てる人材が少なくとも1人は施設内に居るような勤務スケジュールになっているか否かを確認して、勤務スケジュールに問題があれば勤務スケジュールの管理者に対してエラーを報知する勤務スケジュール確認システムを設けてもよい。
[2] 施設の規模が大きくなると、施設内には居るが集合場所に到達するまでに多大な時間を要する人材が存在することで、初動が遅れる可能性がある。そこで、このような時間的な問題を考慮した構築ルールを採用してもよい。
具体的には、ある職務(例えば、「対策本部長」)に割り当てられたある人材(例えば、「所長」)が、防災体制始動時の集合場所から離れた場所で通常の業務を行っているなどの理由で、当該集合場所に到達するまでに多大な時間を要する場合、他の職務(例えば、「対策本部員」)に割り当てられた他の人材(例えば、「第1工場長」)が、当該ある人材が集合場所に到着するまで、代わりに当該ある職務に就く(代務する)ようにしてもよい。
この場合、例えば、代務が必要な職務と集合が遅れる人材とのそれぞれを規定するとともに、この代務が必要な職務の代務者を選出するための職務を規定した構築ルールを採用する。そして、防災体制構築部22は、代務が必要な職務に対して集合が遅れる人材を割り当てる場合には、この代務が必要な職務の代務者を選出するための職務に割り当てられた人材の中で、集合が遅れる人材ではない者(複数存在する場合は人材優先順位がより高い者)を、代務者として選出する。そして、防災体制構築部22は、代務者が誰かを示すデータを含む防災体制データを生成する。
このような構築ルールを採用すると、防災体制が始動するまでの時間的な問題をも考慮した防災体制を構築することができるため、初動が遅れることを防止して迅速に非常事態に対処することが可能となる。
[3] 構築ルールデータが示す構築ルールが、1つの職務を職務優先順位Kが異なる複数の職務に分割するものであってもよい。例えば、特定の職務について、最低限必要な人数を定員数MMAXとして職務優先順位Kを高くしたものと、残りの必要な人数を定員数MMAXとして職務優先順位Kを低くしたものと、に分割してもよい。
このような構築ルールを採用すると、人材のバランスが崩れることを抑制しながら、特定の職務については最低限必要な人数を確保した防災体制を、構築することが可能となる。
[4] 構築ルールデータ記録部21が、非常事態の規模区分(例えば、災害による被害又は被害予想が、「大規模」、「中規模」、「小規模または局所的」など)に応じた複数種類の構築ルールデータを記録していてもよい。
例えば、防災体制構築部22が、非常事態の規模区分を示す信号(例えば、緊急地震速報などの災害発生を予報する信号や、施設内において火災等の災害が現に発生したことを報知する信号、防災体制を管理する責任者等による防災体制を構築する旨の指示を示す信号など)を取得して非常事態の規模区分を把握し、その非常事態の規模区分に応じた構築ルールを示す構築ルールデータを構築ルールデータ記録部21から読み出して、防災体制を構築してもよい。
このような構成とすると、非常事態の規模に対応した防災体制を構築することが可能になる。そのため、多様な非常事態に適した防災体制を構築することが可能になる。
[5] 入退場者管理部10または防災体制管理部20が、データベース12に記録されている入退場者データに基づいて、在場者の情報を直接的に示すデータ(入退場者データとは異なる在場者データ)を別途生成する在場者データ生成部を、さらに備える構成であってもよい。また、この場合、在場者データ生成部が生成する在場者データが、データベース12に記録される構成であってもよいし、防災体制管理部20に別途設けられるデータベースに記録される構成であってもよい。
このように構成すると、防災体制構築部22が、在場者の情報を直接的に示す在場者データに基づいて、在場者を迅速に把握することが可能となるため、防災体制を迅速に構築することが可能となる。
[6] 上述の実施形態では、防災体制構築部22が、不定期的な信号の発令をトリガとして防災体制を構築する場合について例示したが、防災体制構築部22は、定期的な事象(例えば、所定の時刻の到来)の発生をトリガとして防災体制を定期的に構築してもよいし、在場者に変更があった(例えば、データベース12に新たな入退場者データが入力された)ことをトリガとして防災体制を構築することによって、常に最新の防災体制となるように更新を繰り返してもよい。
このようにして構築される防災体制は、万が一非常事態になった場合に備えたものである。そのため、このようにして構築された防災体制は、ミーティングなどの機会において複数の在場者によって同時に確認したり、必要に応じて在場者が各自で端末等を用いて個別的に確認したりすると、好ましい。
[7] 上述の実施形態では、入退場者データ生成部11が、入退場者データの全ての情報を自動的に生成するカードリーダを備える場合について例示したが、入退場者データの一部または全部の情報を手入力によって生成する装置(例えば、パソコン)を備えてもよい。
[8] 図3に示した動作例では、防災体制構築部22が、ステップ#1においてデータベース12から入退場者データを取得するものとしたが、ステップ#1において入退場者データを取得せず、ステップ#4を実行する都度、データベース12を参照してN位の人材が在場者であるか否かを確認するようにしてもよい。
[9] 上述の実施形態に係る防災体制構築システム1において、より柔軟かつ円滑に災害時の活動ができるような変形を加えて構成すると、好ましい。このように構成した防災体制構築システムの一例について、図面を参照して説明する。図5は、本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの変形例の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、本変形例の防災体制構築システム1Aは、防災体制管理部20Aが、安否状況入力部24Aと、修正指示入力部25Aと、をさらに備えている点で、上述の図1に示した防災体制構築システム1と異なる。また、本変形例の防災体制構築システム1Aは、防災体制管理部20Aが備える防災体制構築部22Aが、修正指示データを取得して、構築した防災体制を修正し得る点で、図1に示した防災体制構築システム1と異なる。また、本変形例の防災体制構築システム1Aは、防災体制管理部20Aが備える出力部23Aが、防災体制データ及び安否状況データを取得して、防災体制とともに在場者の安否状況を併せて報知する点で、図1に示した防災体制構築システム1と異なる。なお、修正指示データとは、防災体制の修正指示を示すデータであり、安否状況データとは、少なくとも防災体制を構成する在場者の安否状況を示すデータである。
安否状況入力部24Aは、例えば、ユーザによって操作される入力装置(具体的に例えば、タッチパネルやカードリーダ、マウス、キーボード、スイッチなど)を備え、ユーザの操作内容に応じた安否状況データを生成する。この安否状況入力部24Aは、主に非常事態時(特に、実際に災害が発生した時)におけるユーザの安否を確認するために使用される。例えば、非常事態時にユーザが安否状況入力部24Aを操作するような規則を定めておけば、非常事態時に安否状況入力部24Aを操作したユーザについては安全が確認されたと判断することができるとともに、非常事態時に安否状況入力部24Aを操作していないユーザについては安全が未確認であると判断することができる。
修正指示入力部25Aは、例えば、権限のある特定のユーザによって操作される入力装置(具体的に例えば、タッチパネルやマウス、キーボードなど)を備え、当該特定のユーザの操作内容に応じた修正指示データを生成する。この修正指示入力部25Aは、例えば、非常事態時になり、構築された防災体制に従って活動が開始された後、人材の不足等の問題が生じて(または、当該問題が生じる蓋然性が高くなって)防災体制の修正が必要になった場合に、上記の特定のユーザによって使用される。
そして、本変形例の防災体制構築システム1Aでは、出力部23Aが、防災体制構築部22Aから与えられる防災体制データが示す防災体制だけでなく、安否状況入力部24Aから与えられる安否状況データが示す安否状況をも報知する。これにより、ユーザが、構築された防災体制を確認すると同時に、安否が不明で防災体制への参加が危ぶまれる在場者の存在を確認することができる。そのため、人材の不足等の問題が生じ得ることを事前に察知して、柔軟かつ円滑に活動することが可能になる。
また、本変形例の防災体制構築システム1Aは、修正指示入力部25Aを備える。これにより、空位の職務を任意の人材で埋めるなど、構築された防災体制を状況に応じて柔軟に修正することが可能になる。さらに、出力部23Aが防災体制とともに安否状況を併せて報知すると、安否が不明で防災体制への参加が危ぶまれる在場者を確認した上で、現実の状況に即応した防災体制に修正することができる。したがって、柔軟かつ円滑に活動することが可能になる。
<防災体制構築システムの具体的な実施例>
次に、上述した本発明の実施形態に係る防災体制構築システムを、所定の工場に導入した場合における具体的な実施例について、図面を参照して説明する。なお、ここで説明する防災体制構築システムの具体的な実施例とは、図5に示した防災体制構築システム1Aを具体化したものである。また、本実施例では、当該工場に勤務する各従業員が、防災体制構築システムのユーザに該当する。
また、ここで説明する防災体制構築システムの具体的な実施例が導入されている工場では、全体の運転制御が中央制御室(CCR:Central Control Room)において行われるとともに、当該中央制御室には所定の従業員がシフト勤務で常駐しているものとする。そして、詳細については後述するが、この中央制御室で勤務する従業員(以下、「CCRメンバー」という)は、防災体制の構築や非常事態時の活動において、他の通常の従業員とは異なる役割を担うものとする。
[全体構成]
最初に、本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの具体的な実施例の全体構成について、図面を参照して説明する。図6は、本発明の実施形態に係る防災体制構築システムの具体的な実施例の全体構成を示すブロック図である。
図6に示すように、本実施例の防災体制構築システム100は、サーバ101と、各部署用タッチモニタシステム102と、各部署用モニタシステム103と、対策本部用モニタシステム104と、CCR用タッチモニタシステム105と、LAN(Local Area Network)106と、を備える。
サーバ101は、例えば、記録装置及び演算処理装置を備えたコンピュータを備える。また、サーバ101は、図5に示した防災体制構築システム1Aにおけるデータベース12、構築ルールデータ記録部21及び防災体制構築部22Aに相当する。
各部署用タッチモニタシステム102は、例えば、タッチパネルを備えた液晶表示装置と、記録装置及び演算処理装置を備えたコンピュータと、を備える。また、各部署用タッチモニタシステム102は、図5に示した防災体制構築システム1Aにおける入退場者データ生成部11及び安否状況入力部24Aに相当するとともに、出力部23Aの一部に相当する。
各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれは、例えば、液晶表示装置と、記録装置及び演算処理装置を備えたコンピュータと、を備える。また、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれは、図5に示した防災体制構築システム1Aにおける出力部23Aに相当する。
CCR用タッチモニタシステム105は、例えば、タッチパネルを備えた液晶表示装置と、記録装置及び演算処理装置を備えたコンピュータと、を備える。また、CCR用タッチモニタシステム105は、図5に示した防災体制構築システム1Aにおける出力部23A及び修正指示入力部25Aに相当する。
なお、図6では、図示の簡略化のために、1つの防災体制構築システム100が、サーバ101と、各部署用タッチモニタシステム102と、各部署用モニタシステム103と、対策本部用モニタシステム104と、CCR用タッチモニタシステム105と、を1つずつ備える構成であるように図示しているが、これらのうち少なくとも1種類(特に、多数の従業員によって利用され得る各部署用タッチモニタシステム102及び各部署用モニタシステム103)を、複数備える構成としてもよい。
また、サーバ101が、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104の少なくとも一方に対して画像データを生成して与えるように構成して、サーバ101側で各種データの処理を集中的に行ってもよい。即ち、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104の少なくとも一方を、与えられた画像データをそのまま表示する単純な表示装置として構成してもよい。この場合、単純な表示装置として構成した各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104については、各種データを処理するためのコンピュータを備えなくてもよい。
また、サーバ101が、各部署用タッチモニタシステム102及びCCR用タッチモニタシステム105の少なくとも一方に対して、表示すべき画像データを生成して与えるとともに、操作内容を示す情報(例えば、タップされた位置の座標を示す情報)を取得するように構成して、サーバ101側で各種データの処理を集中的に行ってもよい。即ち、各部署用タッチモニタシステム102及びCCR用タッチモニタシステム105の少なくとも一方を、与えられた画像データをそのまま表示する単純な表示装置と、操作内容を検出してその情報を出力する単純なポインティングデバイスと、が結合した単純なタッチモニタとして構成してもよい。この場合、単純なタッチモニタとして構成した各部署用タッチモニタシステム102及びCCR用タッチモニタシステム105については、各種データを処理するためのコンピュータを備えなくてもよい。
[各部で表示される画像及び動作の具体例]
次に、図6に示した防災体制構築システム100における具体的な動作について、各部署用タッチモニタシステム102、各部署用モニタシステム103、対策本部用モニタシステム104及びCCR用タッチモニタシステム105のそれぞれが表示する画像について例示しながら説明する。
(各部署用タッチモニタシステム)
まず、各部署用タッチモニタシステム102の動作について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、平常時に各部署用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図である。また、図8は、非常事態時に各部署用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図である。
図7及び図8に示すように、各部署用タッチモニタシステム102が表示する画像には、出退勤状況表示領域P10(「第1領域」に相当)と、防災体制職務表示領域P11と、連絡先表示領域P12と、スケジュール表示領域P13と、安否状況表示領域P14(「第2領域」に相当)と、が含まれている。
出退勤状況表示領域P10には、従業員の出退勤状況(工場内に居るか否か)が表示される。具体的に、図7及び図8に示す例では、出勤して工場内に居る従業員については、その氏名(図示の例は姓のみを表示する場合、以下、本実施例について示す図において同じ)の背景が白色で表示されている。一方、休みまたは退勤して工場内に居ない従業員については、その氏名の背景が灰色で表示されている。なお、図7及び図8では、従業員を氏名で識別する場合について例示しているが、従業員をID番号や役職などで識別することも可能である(以下、本実施例の説明において同じ)。
各部署用タッチモニタシステム102は、出退勤状況表示領域P10内において、工場内に居ない従業員を表す状態(氏名の背景が灰色)の領域に対するタップを検出すると、当該領域を、工場内に当該従業員が居ることを表す状態(氏名の背景が白色)へと切り替える。反対に、各部署用タッチモニタシステム102は、出退勤状況表示領域P10内において、工場内に居る従業員を表す状態(氏名の背景が白色)の領域に対するタップを検出すると、当該領域を、工場内に当該従業員が居ないことを表す状態(氏名の背景が灰色)へと切り替える。
さらに、各部署用タッチモニタシステム102は、上記のような出退勤状況表示領域P10内におけるタップの検出結果に基づいて、入退場データを生成する(即ち、図5の入退場者データ生成部11の動作を行う)。具体的に、各部署用タッチモニタシステム102は、出退勤状況表示領域P10内において、工場内に居ない従業員を表す状態(氏名の背景が灰色)の領域に対するタップを検出すると、当該従業員が工場に入場した旨の入退場者データを生成する。また、各部署用タッチモニタシステム102は、出退勤状況表示領域P10内において、工場内に居る従業員を表す状態(氏名の背景が白色)の領域に対するタップを検出すると、当該従業員が工場から退場した旨の入退場者データを生成する。
各部署用タッチモニタシステム102は、上記のようにして生成した入退場者データを、LAN106を介してサーバ101に与える。そして、サーバ101は、与えられた入退場データを記録する(即ち、図5のデータベース12の動作を行う)。
さらに、サーバ101は、記録した入退場データに基づいて防災体制を構築する(即ち、図5の構築ルールデータ記録部21及び防災体制構築部22Aの動作を行う)。
ただし、本実施例では、サーバ101が、CCRメンバーを除外して防災体制を構築する。これは、CCRメンバーという特殊な従業員については、非常事態時において、消火装置等の防災設備の作動や防災体制の管理(詳細については後述)という特殊な職務を行うことが、予め決まっているためである。また、サーバ101は、CCRメンバーに限らず、防災体制に組み込むべきではない特定の従業員については、在場者であっても防災体制の構築時に除外する。
防災体制職務表示領域P11には、在場者である従業員に対して割り当てられた防災体制の職務が表示される。このとき、各部署用タッチモニタシステム102は、LAN106を介してサーバ101から与えられる防災体制データに基づいて、防災体制の職務の表示を行う(即ち、図5の出力部23Aの動作の一部を行う)。
連絡先表示領域P12には、従業員の連絡先(例えば、従業員に貸与されている携帯電話やPHSなどの電話番号やメールアドレスなど、図示の例は電話番号)が表示される。また、スケジュール表示領域P13には、所定期間(図示の例は1周間)における従業員のスケジュールが表示される。従業員は、連絡先表示領域P12及びスケジュール表示領域P13に対して、タップやフリック等の操作を行うことによって、各部署用タッチモニタシステム102に対して連絡先やスケジュールなどの情報を入力することができる。
各部署用タッチモニタシステム102は、連絡先表示領域P12やスケジュール表示領域P13に対するタップやフリック等の操作内容に基づいて、入力された連絡先やスケジュールなどの従業員の個々的な情報を示すデータ(以下、「従業員データ」という)を生成し、LAN106を介してサーバ101に与える。サーバ101は、与えられた従業員データを記録する。このとき、サーバ101は、既に記録されている古い従業員データがあれば、新しく与えられた従業員データに更新する。
また、サーバ101は、記録している従業員データを、必要に応じてLAN106を介して各部署用タッチモニタシステム102に与える。各部署用タッチモニタシステム102は、サーバ101から与えられる従業員データ(または、自らが作成及び記録した従業員データ)に基づいて、従業員の連絡先を連絡先表示領域P12に表示するとともに、従業員のスケジュールをスケジュール表示領域P13に表示する。
安否状況表示領域P14には、従業員の安否状況が表示される。具体的に、図8に示す例では、安全が確認された従業員については黒い太文字の『安全』が表示され、安全が未確認の従業員については黒い輪郭線であって内側が白い中抜き文字の『安全』が表示されている。なお、安否状況表示領域P14は、非常事態時に使用される(効果を発揮する)領域である。そのため、図7に例示するように、原則として、平常時には全ての従業員について安全が未確認の状態で表示されているものとする。この場合、平常時から非常事態時となった直後において、従業員の全員について安全が未確認の状態として表示されることになる。
図8に示す非常事態時の場合、各部署用タッチモニタシステム102は、安否状況表示領域P14内において、安全が未確認である従業員を表す状態(中抜き文字の『安全』)の領域に対するタップを検出すると、当該領域を、安全が確認された従業員を表す状態(太文字の『安全』)へと切り替える。なお、従業員に対して誤操作を是正する機会を与えるべく、各部署用タッチモニタシステム102が、安否状況表示領域P14内において、安全が確認された従業員を表す状態(太文字の『安全』)の領域に対するタップを検出すると、当該領域を、安全が未確認である従業員を表す状態(中抜き文字の『安全』)へと切り替えを行うこととしてもよい。
さらに、各部署用タッチモニタシステム102は、上記のような安否状況表示領域P14内におけるタップの検出結果に基づいて、安否状況データを生成する(即ち、図5の安否状況入力部24Aの動作を行う)。具体的に、各部署用タッチモニタシステム102は、安否状況表示領域P14内において、安全が未確認である従業員を表す状態(中抜き文字の『安全』)の領域に対するタップを検出すると、当該従業員の安全が確認された旨の安否状況データを生成する。なお、従業員に対して誤操作を是正する機会を与えるべく、各部署用タッチモニタシステム102が、安否状況表示領域P14内において、安全が確認された従業員を表す状態(太文字の『安全』)の領域に対するタップを検出すると、当該従業員の安全が未確認である旨の安否状況データを生成するようにしてもよい。
各部署用タッチモニタシステム102は、上記のようにして生成した安否状況データを、LAN106を介してサーバ101に与える。そして、サーバ101は、与えられた安否状況データを記録する。
そして、サーバ101に記録された安否状況データは、各部署用モニタシステム103や対策本部用モニタシステム104、CCR用タッチモニタシステム105において、報知される(詳細については後述)。
本実施例の防災体制構築システム100では、平常時に各従業員が出退勤の記録等(即ち、在場者データである入退場者データの生成)のために頻繁に操作する各部署用タッチモニタシステム102を用いて、安否状況の入力が行われることになる。そのため、非常事態時に、安否状況の入力漏れが生じることや、安否状況を入力するための装置自体や当該装置の操作方法が分からないことで混乱が生じることを、抑制することが可能になる。
さらに、本実施例の防災体制構築システム100では、各部署用タッチモニタシステム102が、出退勤の記録等のために操作される領域である出退勤状況表示領域P10と、安否状況の入力のために操作される領域である安否状況表示領域P14と、を同時に表示する。すると、各従業員は、平常時に出退勤の記録等のために各部署用タッチモニタシステム102を操作する際に、安否状況を入力するための領域である安否状況表示領域P14を目にすることになる。そのため、各従業員に対して、平常時から安否状況の入力を意識させることが可能になる。
なお、平常時において、各部署用タッチモニタシステム102が図7に示す画像を表示している時に、安否状況表示領域P14内に対するタップを検出しない(即ち、当該領域内でタップがあったとしても、表示を切り替えたり安否状況データを生成したりしない)ようにしてもよい。例えばこの場合、各部署用タッチモニタシステム102は、従業員による所定の操作(非常事態時の動作を開始させるための操作)や、サーバ101等からLAN106を介して上述のような非常事態となったことを報知する信号が入力されたことをトリガとして、安否状況表示領域P14内に対するタップの検出を開始する。さらにこの場合、各部署用タッチモニタシステム102が、従業員に向けて音声を発するなどして、安否状況の入力を促してもよい。
(各部署用モニタシステム及び対策本部用モニタシステム)
次に、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104の動作について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、平常時に各部署用モニタシステム及び対策本部用モニタシステムに表示される画像の一例を示す図である。また、図10は、非常事態時に各部署用モニタシステム及び対策本部用モニタシステムに表示される画像の一例を示す図である。
図9及び図10に示すように、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれは、サーバ101からLAN106を介して与えられる防災体制データ及び安否状況データに基づいて、防災体制と安否状況とを組み合わせた防災体制を示す体制表表示領域P20を表示する(即ち、図5の出力部23Aの動作を行う)。
具体的に、図9及び図10に示すように、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれが表示する画像には、体制表表示領域P20が含まれている。
体制表表示領域P20には、指揮命令系統に沿って樹状に配置される職務と、当該職務に割り当てられている従業員の氏名と、が併記された体制表が表示される。
図10に示すように、この体制表表示領域P20では、安全が確認された従業員についてはその氏名の背景が灰色で表示され、安全が未確認の従業員についてはその氏名の背景が白色で表示される。そのため、平常時から非常事態時になった直後は、図9に示すように全ての従業員の氏名の背景が白色で表示される。しかし、しばらくして従業員の安全が確認され始めると、次第に、図10に示すように安全が確認された従業員の氏名の背景が灰色へと切り替えられていくことになる。
このように、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれが、防災体制と安否状況とを組み合わせた画像を表示すると、従業員が、構築された防災体制を確認すると同時に、安否が不明で防災体制への参加が危ぶまれる在場者の存在を確認することができる。そのため、人材の不足等の問題が生じ得ることを事前に察知して、柔軟かつ円滑に活動することが可能になる。
なお、非常事態時において、構築された防災体制に従って活動を行う場合、安全が未確認である従業員の防災体制への参加をいつまでも待つことは、初動が遅れる原因になるため、好ましくない。そこで、防災体制を構築するサーバ101(または、防災体制を修正するCCR用タッチモニタシステム105、詳細は後述)が、非常事態時になってから所定の時間(例えば、10分)が経過した時に、依然として安全が未確認である従業員を、防災体制から除外してもよい。
また、サーバ101が、LAN106を介して各部署用タッチモニタシステム102から新たな安否状況データが与えられてこれを記録する都度、LAN106を介して各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれに対して安否状況データを与えてもよい。また、各部署用タッチモニタシステム102が、LAN106を介してサーバ101に対して安否状況データを与えるとともに、これと並行して、LAN106を介して各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104に対しても安否状況データを与えてもよい。このようにすると、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104のそれぞれにおいて、従業員の最新の安否状況を表示することが可能になる。
また、以下において説明するCCR用タッチモニタシステム105も、ここで説明した各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104と同様に、防災体制データ及び安否状況データを取得して、防災体制とともに在場者の安否状況を報知する。そのため、各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104に関する上記の説明は、以下において説明するCCR用タッチモニタシステム105にも妥当するものとする。
(CCR用タッチモニタシステム)
次に、CCR用タッチモニタシステム105の動作について、図11〜図14を参照して説明する。図11は、平常時にCCR用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図である。図12は、非常事態時にCCR用タッチモニタシステムに表示される画像の一例を示す図である。また、図13及び図14は、図12の画像を表示しているCCR用タッチモニタシステムに対して所定の操作を行うことで表示される画像の一例を示す図である。
図11及び図12に示すように、CCR用タッチモニタシステム105が表示する画像にも、上述した各部署用モニタシステム103及び対策本部用モニタシステム104が表示する画像と同様の、体制表表示領域P30が含まれている。ただし、CCR用タッチモニタシステム105が表示する画像には、体制表表示領域P30の他に、出勤者表示領域P31と、待機者表示領域P32と、シフト待機者表示領域P33と、体制確定ボタン領域P34と、更新停止ボタン領域P35と、元に戻すボタン領域P36と、安否状況ボタン領域P37と、連絡先ボタン領域P38と、が含まれている。
更新停止ボタン領域P35は、サーバ101における防災体制の自動構築(図3参照)の停止を指示するためのボタンである。具体的に、CCR用タッチモニタシステム105が、更新停止ボタン領域P35に対するタップを検出すると、防災体制の自動構築の停止を指示するデータを生成し、LAN106を介してサーバ101に与える。そして、このデータが入力されたサーバ101は、防災体制の自動構築を停止する。さらに、この状態である時に、CCR用タッチモニタシステム105が、更新停止ボタン領域P35に対するタップを検出すると、防災体制の自動構築の停止の解除を指示するデータを生成し、LAN106を介してサーバ101に与える。そして、このデータが入力されたサーバ101は、防災体制の自動構築を再開する。
平常時において、CCR用タッチモニタシステム105が図11に例示する画像を表示する時、サーバ101では防災体制の自動構築が実行されている。また、非常事態時において、CCR用タッチモニタシステム105が図12に例示する画像を表示する時、サーバ101では防災体制の自動構築が停止している。
サーバ101における防災体制の自動構築の停止は、主にCCRメンバーが防災体制を手動で修正するために行われる。そのため、サーバ101が防災体制の自動構築を停止すると、CCR用タッチモニタシステム105は、CCRメンバーによる防災体制を修正するための操作を受け付ける画像を表示する(図12参照、詳細は後述)。
また、防災体制を手動で修正する必要がある時とは、防災体制を状況に応じて柔軟に修正することが求められる時であって、典型的には非常事態時である。したがって、非常事態時になった直後に、CCRメンバーが、CCR用タッチモニタシステム105が表示する更新停止ボタン領域P35をタップするという規則を定めておくと、好ましい。また、CCRメンバーによる所定の操作(非常事態時の動作を開始させるための操作)や、サーバ101等からLAN106を介して上述のような非常事態となったことを報知する信号が入力されたことをトリガとして、CCR用タッチモニタシステム105が、自動的に、更新停止ボタン領域P35のタップを検出した状態と同じ状態になるように構成すると、好ましい。
出勤者表示領域P31は、防災体制の自動構築が停止している時に、新たに在場者となった従業員の氏名が列挙して表示される領域である。そのため、例えば平常時において、防災体制の自動構築が実行されている間は、原則として出勤者表示領域P31に従業員の氏名が列挙されない(図11参照)。一方、例えば非常事態時において、防災体制の自動構築が停止している間は、出勤者表示領域P31に従業員の氏名が列挙され得る(図12参照)。
待機者表示領域P32は、非常事態時において、安全が未確認の従業員の氏名が列挙して表示される領域である。例えば、非常事態時になってから所定の時間(例えば、10分)が経過しても依然として安全が未確認である従業員については、自動的に(または、CCRメンバーの操作によって手動で)、体制表表示領域P30に示されている体制表から除外され、待機者表示領域P32に列挙される。そのため、平常時において安全の確認を行わない場合は、原則として待機者表示領域P32に従業員の氏名が列挙されない(図11参照)。一方、安全の確認が行われる非常事態時には、待機者表示領域P32に従業員の氏名が列挙され得る(図12参照)。
シフト待機者表示領域P33は、シフト勤務が終了したCCRメンバーの中で退勤していない者(例えば、シフト勤務の交替時間が到来しているが、各部署用タッチモニタシステム102に対する退場時の操作が行われていない者)の氏名が列挙して表示される領域である。この者は、CCRメンバーであるために自動構築される防災体制からは除外されているが、非常事態時には現在勤務中のCCRメンバーが上述した特殊な職務を担当するため、防災体制の職務が現時点で割り当てられていない。しかし、非常事態時では、一人でも多くの従業員が防災体制に参加することが望まれる。そこで、可能な限り多くの従業員を防災体制に組み入れるべく、シフト勤務の終了後かつ退勤前のCCRメンバーを、シフト待機者表示領域P33に列挙している。なお、平常時(図11参照)でも非常事態時(図12参照)でも、シフト待機者表示領域P33には、シフト勤務の終了後かつ退勤前のCCRメンバーの氏名が列挙され得る。
また、上述のように、CCR用タッチモニタシステム105は、図12に示す画像を表示して、CCRメンバーによる防災体制を手動で修正する操作を受け付ける。具体的に例えば、CCR用タッチモニタシステム105は、出勤者表示領域P31、待機者表示領域P32及びシフト待機者表示領域P33に列挙されている従業員(特に、安全が確認されている従業員)の氏名を体制表表示領域P30における空白領域(即ち、空位の職務)へ移動させる操作(タップ及びドラッグ)や、体制表表示領域P30内の従業員の氏名を当該体制表表示領域P30内の空白領域へ移動させる操作(タップ及びドラッグ)、体制表表示領域P30内の従業員の氏名を待機者表示領域P32へ移動させる操作(タップ及びドラッグ、またはロングタップやダブルタップ)などを検出する。
そして、CCR用タッチモニタシステム105は、上記の操作を検出すると、上記の操作を視覚的に表現した画像を表示する。例えば、CCR用タッチモニタシステム105は、タップされた従業員の氏名がドラッグされる操作を検出すると、当該従業員の氏名がドラッグの操作に追随して移動しているかのように表現した画像を表示する。
また、CCR用タッチモニタシステム105は、上記の操作を受け付けているときに、元に戻すボタン領域P36に対するタップを検出すると、直前に行われた操作が行われる前の画像を表示する。具体的に例えば、出勤者表示領域P31の『太田』をタップして、体制表表示領域P30内の「製造防災隊」の空白領域までドラッグする操作が行われた場合、CCR用タッチモニタシステム105は、『太田』が当該空白領域に置かれた画像を表示する。この状態で、CCR用タッチモニタシステム105が、元に戻すボタン領域P36に対するタップを検出すると、出勤者表示領域P31に『太田』が列挙された状態の画像を表示する。
このように、図12の画像を表示するCCR用タッチモニタシステム105に対して、CCRメンバーが所定の操作をすることによって、体制表表示領域P30に表示される防災体制の体制表が修正される。
そして、CCR用タッチモニタシステム105が、体制確定ボタン領域P34に対するタップを検出すると、CCR用タッチモニタシステム105は、体制表表示領域P30に表示している体制表の通りに防災体制を修正すべき旨を示す修正指示データを生成し、LAN106を介してサーバ101に与える(即ち、図5の修正指示入力部25Aの動作を行う)。このように、CCR用タッチモニタシステム105では、視覚的な操作によって、防災体制を修正することができる。
サーバ101は、与えられた修正指示データに従って、防災体制を修正する。そして、サーバ101は、LAN106を介して、各部署用タッチモニタシステム102、各部署用モニタシステム103、対策本部用モニタシステム104及びCCR用タッチモニタシステム105のそれぞれに対して、修正後の防災体制を示す防災体制データを与える。
このとき、サーバ101、各部署用タッチモニタシステム102、各部署用モニタシステム103、対策本部用モニタシステム104及びCCR用タッチモニタシステム105の少なくとも1つが、防災体制の職務が新たに割り当てられた従業員や、防災体制の職務が変更された従業員に対して、その旨を報知する(例えば、当該従業員に対してメールを送信したり、音声を発して注意喚起しながら表示を行ったりする)と、好ましい。
また、CCR用タッチモニタシステム105は、図12に示す画像を表示している時に、安否状況ボタン領域P37に対するタップを検出すると、図13に示す画像を表示する。図13に示す画像は、サーバ101からLAN106を介して与えられる安否状況データを表す画像であり、従業員の安否状況をまとめて表示する画像である。例えば、CCRメンバーは、防災体制を修正する際の参考にする等の目的で、この画像を確認する。
図13に示す画像には、各部署名表示領域P40と、各部署安否表示領域P41と、各部署安否内訳表示領域P42と、各部署各従業員安否表示領域P43と、体制表ボタン領域P44と、が含まれている。
各部署名表示領域P40には、それぞれの部署の名称が表示される。各部署安否表示領域P41には、全ての従業員の安全が確認されている部署については『○』が表示され、安全が未確認の従業員が存在する部署については『×』が表示される。各部署安否内訳表示領域P42には、出勤している従業員の人数(在場者の人数)と、安全が確認された従業員の人数と、が部署毎に表示される。各部署各従業員安否表示領域P43には、安全確認された従業員の氏名と、安全が未確認である従業員の氏名と、が部署毎に表示される。
また、CCR用タッチモニタシステム105は、体制表ボタン領域P44に対するタップを検出すると、図12に示す画像を表示する。
また、CCR用タッチモニタシステム105は、図12に示す画像を表示している時に、連絡先ボタン領域P38に対するタップを検出すると、図14に示す画像を表示する。図14に示す画像は、サーバ101からLAN106を介して与えられる従業員データを表す画像であり、従業員の連絡先(図示の例は電話番号)をまとめて表示する画像である。例えば、CCRメンバーは、従業員に対して状況を確認したり指示をしたりする等の目的で、この画像を確認する。
図14に示す画像には、連絡先一覧表表示領域P50と、体制表ボタン領域P51と、が含まれている。
連絡先一覧表表示領域P50には、それぞれの部署の名称と、部署毎の従業員の氏名及び連絡先(電話番号)と、をまとめた一覧表が表示される。なお、CCR用タッチモニタシステム105が、サーバ101からLAN106を介して与えられる安否状況データを参照して、連絡先一覧表表示領域P50中の一覧表において、在場者とそれ以外の者を異なる表示方法(例えば、背景色や文字色。以下同じ。)で表示したり、安全が確認された者と未確認の者とを異なる表示方法で表示したりして、一覧表中で区別して表示してもよい。
また、CCR用タッチモニタシステム105は、体制表ボタン領域P51に対するタップを検出すると、図12に示す画像を表示する。
なお、CCR用タッチモニタシステム105は、上述のように、非常事態時に表示する図12に示す画像中の安否状況ボタン領域P37及び連絡先ボタン領域P38に対するタップを検出すると、図13及び図14に示す画像を表示するが、これと同様に、平常時に表示する図11の画像中の安否状況ボタン領域P37及び連絡先ボタン領域P38に対するタップを検出した場合にも、図13及び図14に相当する画像を表示してもよい。
[変形等]
上述の防災体制構築システム100において、各部署用モニタシステム103を備えず、各部署用モニタシステム103が表示すべき画像(図9及び図10参照)を各部署用タッチモニタシステム102で表示するように構成してもよい。ただし、個別の従業員によって頻繁に操作される各部署用タッチモニタシステム102と、不特定多数の従業員によって同時に視認され得る各部署用モニタシステム103と、を分けて構成すると、平常時の業務や非常事態時の活動を円滑に行うことができるため、好ましい。
また、上記の防災体制構築システム100において、各部署用モニタシステム103や対策本部用モニタシステム104をタッチモニタシステムとして構成するとともに、これらのシステムを操作することによって、サーバ101が記録している情報がこれらのシステムで表示されるように構成してもよい。
また、中央制御室(CCR)も部署の1つであるため、中央制御室に対しても各部署用タッチモニタシステム102及び各部署用モニタシステム103が設置され得るが、中央制御室にはCCR用タッチモニタシステム105が設置される。そのため、CCR用タッチモニタシステム105が、各部署用タッチモニタシステム102及び各部署用モニタシステム103の少なくとも一方の機能を実現するように構成してもよい。また、CCR用タッチモニタシステム105で、各部署用モニタシステム103を代替してもよい。
本発明は、非常事態に対処するための防災体制を構築する防災体制構築システムに、利用することができる。
1,1A : 防災体制構築システム
10 : 入退場者管理部
11 : 入退場者データ生成部
12 : データベース
13 : バス
20 : 防災体制管理部
21 : 構築ルールデータ記録部
22,22A : 防災体制構築部
23,23A : 出力部
24A : 安否状況入力部
25A : 修正指示入力部
100 : 防災体制構築システム
101 : サーバ
102 : 各部署用タッチモニタシステム
103 : 各部署用モニタシステム
104 : 対策本部用モニタシステム
105 : CCR用タッチモニタシステム
106 : LAN
K : 職務優先順位
MAX : 最大値
N : 人材優先順位
MAX : 最小値
M : 割当済人数
MAX : 定員数

Claims (11)

  1. 施設内に居る在場者の情報を示す在場者データを記録するデータベースと、
    防災体制を構成する複数の職務のそれぞれに対して所定の人材を割り当てる基準である構築ルールを示す構築ルールデータを記録する構築ルールデータ記録部と、
    前記データベースから前記在場者データを取得するとともに、前記構築ルールデータ記録部から前記構築ルールデータを取得して、これらのデータを処理することで前記防災体制を構築し、当該防災体制を示す防災体制データを生成して出力する防災体制構築部と、を備え、
    前記防災体制構築部は、前記構築ルールデータが示す前記構築ルールに従って、前記在場者データが示す前記在場者の中に含まれている前記人材を前記職務に割り当てることで、前記防災体制を構築することを特徴とする防災体制構築システム。
  2. 前記構築ルールは、複数の前記職務のそれぞれに対して職務優先順位を規定しており、
    前記防災体制構築部は、前記職務優先順位が高い前記職務から順番に、前記在場者データが示す前記在場者の中に含まれている前記人材を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の防災体制構築システム。
  3. 前記構築ルールは、前記職務毎に、割り当てる前記人材のそれぞれに対して人材優先順位を規定しており、
    前記防災体制構築部は、前記在場者データが示す前記在場者の中に含まれており前記人材優先順位が高い前記人材から順番に、前記職務に割り当てることを特徴とする請求項1または2に記載の防災体制構築システム。
  4. 前記防災体制構築部は、前記職務に対して割り当てる前記人材が不足する場合、当該職務については空位を含む状態とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防災体制構築システム。
  5. 前記在場者データが、前記施設の入場者及び退場者の情報を示す入退場者データであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防災体制構築システム。
  6. 前記施設に前記入場者が入場するタイミングで当該入場者の情報を示す前記入退場者データを生成して前記データベースに記録するとともに、前記施設から前記退場者が退場するタイミングで当該退場者の情報を示す前記入退場者データを生成して前記データベースに記録する入退場者データ生成部を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の防災体制構築システム。
  7. 前記防災体制構築部は、前記入退場者データに基づいて、前記施設に入場しているが未だ退場していない者を前記在場者として検出することを特徴とする請求項5または6に記載の防災体制構築システム。
  8. 前記防災体制データが示す前記防災体制を報知する出力部を、さらに備え、
    前記出力部は、前記防災体制とともに、少なくとも前記防災体制を構成する前記在場者の安否状況を併せて報知することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の防災体制構築システム。
  9. 前記防災体制構築部が構築した前記防災体制の修正を指示する修正指示データを、前記防災体制構築部に対して与える修正指示入力部を、さらに備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の防災体制構築システム。
  10. 前記在場者データと、前記在場者の安否状況を示す安否状況データと、が1つのタッチモニタシステムに対して異なる操作をすることによって生成されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の防災体制構築システム。
  11. 前記タッチモニタシステムは、所定の画像を表示している時に、当該画像中の第1領域に対する操作を検出することで前記在場者データを生成し、当該画像中の前記第1領域とは異なる第2領域に対する操作を検出することで前記安否状況データを生成するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の防災体制構築システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018022203A (ja) * 2016-08-01 2018-02-08 応用地質株式会社 安否確認システム

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