JP2015087283A - 力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置 - Google Patents
力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の力検出装置は、第1の基部と、第2の基部と、前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、前記素子から出力される前記電荷を電圧に変換する変換回路と、前記変換回路を温度補償する補償用変換回路と、前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、前記温度センサーの検出結果と前記変換回路から出力される電圧と前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて前記外力を演算する外力演算回路とを備える。
【選択図】図1
Description
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、逆バイアス電流回路の挙動と積分回路の挙動とは完全に一致するわけではないので、積分回路の急激な変動には、逆バイアス電流回路が追従することができず、力検出の精度が低下するという問題がある。
本発明の目的は、力検出の精度を向上させることができる力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置を提供することにある。
(適用例1)
本発明に係わる力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力される前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路を温度補償する補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と前記変換回路から出力される電圧と前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする。
すなわち、変換回路から出力される電圧と補償用変換回路から出力される電圧とを減算することにより、変換回路から出力される電圧に含まれるリーク電流等に起因するノイズ成分を除去または減少させることができる。また、変換回路と補償用変換回路とは、いずれも電荷を電圧に変換する回路であるので、変換回路の挙動と補償用変換回路の挙動とは一致または近似し、これにより、変換回路に急激な変動が生じても補償用変換回路はその変動に追従することができる。また、温度センサーにより検出される変換回路の温度に基づいて、変換回路から出力される電圧を補正することで、温度変化に起因するリーク電流の変動に対応することができる。これにより、力検出装置の測定精度を向上させることができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記温度センサーにより検出される前記変換回路の温度をt、前記変換回路から出力される電圧をVo、前記補償用変換回路から出力される電圧をVt、係数をAとしたとき、前記外力演算回路は、前記温度tに基づき前記係数Aを補正し、下記(1)式により、前記外力Vcを演算することが好ましい。
Vc=Vo−A・Vt ・・・(1)
これにより、温度tに基づき係数Aを補正することで、温度変化に起因するリーク電流の変動に対応することができ、温度によらず、力検出の精度を向上させることができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記係数Aと前記温度tとの関係を示す情報を記憶する記憶部を有し、
前記外力演算回路は、前記情報に基づき前記温度tから前記係数Aを導くことが好ましい。
これにより、容易に温度tに応じて係数Aを補正することができ、温度変化に起因するリーク電流の変動に対応することができ、温度によらず、力検出の精度を向上させることができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記変換回路と、補償用変換回路とは、同じ部材で構成されていることが好ましい。
これにより、変換回路から出力される電圧と補償用変換回路から出力される電圧とを減算することにより、変換回路から出力される電圧に含まれるリーク電流等に起因するノイズ成分を除去またはさらに減少させることができる。また、変換回路の挙動と補償用変換回路の挙動とを一致またはさらに近似させることができ、これにより、変換回路に急激な変動が生じても補償用変換回路はその変動に追従することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、前記変換回路および前記補償用変換回路が実装された回路基板を有し、
前記温度センサーは、前記回路基板に実装されていることが好ましい。
これにより、変換回路の温度をより正確に検出することができる。
本発明に係わる力検出装置では、前記素子は、積層された3つの外力センサーを有しており、
前記外力センサーの積層方向をγ軸方向とし、前記γ軸方向に直交し且つ互いに直交する方向をそれぞれα軸方向、β軸方向とした場合、
前記外力センサーの1つは、前記α軸方向に沿った前記外力に応じて前記電荷を出力し、
前記外力センサーの1つは、前記β軸方向に沿った前記外力に応じて前記電荷を出力し、
前記外力センサーの1つは、前記γ軸方向に沿った前記外力に応じて前記電荷を出力することが好ましい。
これにより、素子は3軸力(x、y、z軸方向の並進力成分)に応じて電荷を出力することができる。
本発明に係わる力検出装置では、少なくとも3つの前記素子を有し、
前記外力演算回路は、前記温度センサーの検出結果と、前記各素子から出力される前記電荷を前記変換回路により変換してなる電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、6軸力を検出することが好ましい。
これにより、偏りなく外力を検出することができ、より精度の高い力検出を行うことができる。そして、6軸力、すなわち、x、y、z軸方向の並進力成分(せん断力および圧縮/引張力))およびx、y、z軸周りの回転力成分(モーメント)を検出することができる。
本発明に係わる力検出装置では、複数の前記素子を有し、
前記各素子は、前記第1の基部または前記第2の基部の周方向に沿って、等角度間隔に配置されていることが好ましい。
これにより、偏りなく外力を検出することができ、より精度の高い力検出を行うことができる。そして、3つ以上の素子を有することにより、6軸力、すなわち、x、y、z軸方向の並進力成分(せん断力および圧縮/引張力))およびx、y、z軸周りの回転力成分(モーメント)を検出することができる。
本発明に係わるロボットは、アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクタと、
前記アームと前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係わる電子部品搬送装置は、電子部品を把持する把持部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係わる電子部品検査装置は、電子部品を把持する把持部と、
前記電子部品を検査する検査部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする。
本発明に係わる部品加工装置は、工具を装着し、前記工具を変位させる工具変位部と、
前記工具に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする。
<第1実施形態>
図1は、本発明の力検出装置の第1実施形態を示す断面図である。図2は、図1に示す力検出装置の平面図である。図3は、図1に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。図4は、図1に示す力検出装置の電荷出力素子を概略的に示す断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。なお、図1は、図2に示すA−A線断面図である。
図1、図2および図3に示す力検出装置1は、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿って加えられた外力(せん断力および圧縮/引張力)を検出する機能を有する。
図1および図2に示すように、第1の基板2は、第1の基板2の第2の基板3と対向する面上に設けられた第1の凸部21を有している。第1の基板2は、第1の凸部21を介して、第2の基板3に対して所定の間隔を隔てて対向するよう配置されている。なお、第1の凸部21の第2の基板3と対向する面は、平面である。また、デジタル回路基板5は、アナログ回路基板4よりも第1の基板2側、すなわち、アナログ回路基板4と第1の基板2との間に配置されている。そして、図2および図3に示すように、アナログ回路基板4には、センサーデバイス6と、電荷出力素子10から出力された電荷Qxを電圧Vxに変換する変換回路90aと、電荷出力素子10から出力された電荷Qzを電圧Vzに変換する変換回路90bと、電荷出力素子10から出力された電荷Qyを電圧Vyに変換する変換回路90cと、電荷を電圧Vtに変換する補償用変換回路(補償用変換回路)90dと、温度センサー7とが実装されている(設けられている)。なお、補償用変換回路90dは、変換回路90a、90b、90cを温度補償するもものである。また、デジタル回路基板5には、加えられた外力を検出する外力検出回路40が実装されている。なお、第1の基板2と、第2の基板3とのいずれを外力が加わる基板としてもよいが、本実施形態では、第2の基板3を外力が加わる基板として説明する。
センサーデバイス6は、電荷出力素子10と、電荷出力素子10を収納するパッケージ60とを有している。図1に示すように、センサーデバイス6は、アナログ回路基板4の第2の基板3側に配置され、第1の基板2に設けられた第1の凸部21と第2の基板3との間で挟持されている。すなわち、電荷出力素子10は、パッケージ60を介して第1の凸部21と第2の基板3との間で挟持され、与圧されている。
また、パッケージ60の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視で、四角形をなしている。なお、パッケージ60の平面視での前記の他の形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。また、パッケージ60の形状が多角形の場合、例えば、その角部が、丸みを帯びていてもよく、また、斜めに切り欠かれていてもよい。
センサーデバイス6の電荷出力素子10は、互いに直交する3軸(α(X)軸、β(Y)軸、γ(Z)軸)に沿って加えられた(受けた)外力のそれぞれに応じて3つの電荷Qα、Qβ、Qγを出力する機能を有する。
電荷出力素子10の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、第1の基板2の平面視、すなわち、第1の基板2に対して垂直な方向から見て、四角形をなしている。なお、電荷出力素子10の平面視での前記の他の外形形状としては、例えば、五角形等の他の多角形、円形、楕円形等が挙げられる。
図示の構成では、図4中の下側から、β軸用外力センサー12、γ軸用外力センサー13、α軸用外力センサー14の順で積層されているが、本発明はこれに限られない。各外力センサー12、13、14の積層順は任意である。
β軸用外力センサー12は、第1の結晶軸CA1を有する第1の圧電体層121と、第1の圧電体層121と対向して設けられ、第2の結晶軸CA2を有する第2の圧電体層123と、第1の圧電体層121と第2の圧電体層123との間に設けられ、電荷Qを出力する出力電極層122を有する。
γ軸用外力センサー13は、第3の結晶軸CA3を有する第3の圧電体層131と、第3の圧電体層131と対向して設けられ、第4の結晶軸CA4を有する第4の圧電体層133と、第3の圧電体層131と第4の圧電体層133との間に設けられ、電荷Qγを出力する出力電極層132を有する。
α軸用外力センサー14は、第5の結晶軸CA5を有する第5の圧電体層141と、第5の圧電体層141と対向して設けられ、第6の結晶軸CA6を有する第6の圧電体層143と、第5の圧電体層141と第6の圧電体層143との間に設けられ、電荷Qαを出力する出力電極層142を有する。
図3に示すように、電荷出力素子10には、アナログ回路基板4に実装された変換回路(変換回路)90a、90b、90cが接続されている。変換回路90aは、電荷出力素子10から出力された電荷Qαを電圧Vαに変換する機能を有する。変換回路90bは、電荷出力素子10から出力された電荷Qγを電圧Vγに変換する機能を有する。変換回路90cは、電荷出力素子10から出力された電荷Qβを電圧Vβに変換する機能を有する。変換回路90a、90b、90cからそれぞれ出力される電圧Vα、Vγ、Vβは、信号として、デジタル回路基板5に実装された外力検出回路40のADコンバーター401に入力される。変換回路90a、90b、90cは、同様であるので、以下では、代表的に、変換回路90cについて説明する。
出力ドリフトDは、測定結果に対する誤差となるので、力検出装置1の検出精度および検出分解能が低下してしまうという問題があった。また、リーク電流は、測定(駆動)時間に比例して累積されるので、力検出装置1の測定時間を長くすることができないという問題があった。
補償用の変換回路(補償用変換回路)90dは、コンデンサー92に蓄えられた電荷Qtを電圧Vtに変換する機能を有する。すなわち、変換回路90dの変換回路90a、90b、90cから出力される電圧Vα、Vβ、Vγを補償するための電圧Vtを出力する機能を有する。
温度センサー7は、アナログ回路基板4に実装されており、変換回路(変換回路)90a、90b、90cの温度tを検出し、外力検出回路40に変換回路90a、90b、90cの温度tを、信号として伝達する機能を有する。
図3に示すように、温度センサー7から出力される変換回路90a、90b、90cの温度tは、デジタル回路基板5に実装された外力検出回路40のADコンバーター401に入力される。
温度センサー7は、変換回路90a、90b、90cの温度を検出可能なセンサーであれば特に限定されない。例えば、温度センサー7として、熱電対、測温抵抗体やサーミスタ等を用いることができる。
外力検出回路40は、変換回路90aから出力される電圧Vαと、変換回路90bから出力される電圧Vγと、変換回路90cから出力される電圧Vβと、変換回路90dから出力される電圧Vtと、温度センサー7の検出結果、すなわち温度センサー7から出力される温度tとに基づいて、加えられた外力を検出(演算)する機能を有する。外力検出回路40は、変換回路90a、90b、90c、90dと、温度センサー7とに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部(外力演算回路)402と、演算部402に接続された記憶部403とを有する。
但し、ここでは、外力検出回路40に、変換回路90a、90b、90cから出力された3軸力(せん断力および圧縮/引張力)に対応する3つの電圧Vα、Vβ、Vγが入力されるので、演算部402は、3軸力、すなわち、x軸方向の並進力成分Fx、y軸方向の並進力成分Fy、z軸方向の並進力成分Fzを以下の式により算出する。
Fx=Vα−A・Vt
Fy=Vβ−A・Vt
Fz=Vγ−A・Vt
また、演算部402の構成は、特に限定されず、例えば、演算部402をロジック回路で構成する場合や、前記演算を行うためのプログラムとそのプログラムを実行するCPUとで構成する場合等が挙げられる。なお、前記プログラムは、記憶部403に記憶される。
Fx=Vα−Aα・Vt
Fy=Vβ−Aβ・Vt
Fz=Vγ−Aγ・Vt
図5は、本発明の力検出装置の第2実施形態を示す断面図である。図6(a)は、図5に示す力検出装置の平面図である。図6(b)は、各センサーデバイス6の電圧Vα、Vβ、Vγの検出方向を示す概念図である。図7は、図5に示す力検出装置を概略的に示す回路図である。なお、以下では、説明の都合上、図5、6中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」、左側を「左」または「左方」と言う。なお、図5は、図6(a)に示すA−A線断面図である。また、図6(a)では、説明のため、第2の基板3が省略されている。図6(b)では、説明のため、第1の基板2の角筒状部22およびセンサーデバイス6を除く構成要素が省略されている。
図5、図6および図7に示す、本実施形態の力検出装置1は、6軸力(x、y、z軸方向の並進力成分およびx、y、z軸周りの回転力成分)を検出する機能を有する。本実施形態の力検出装置1は、第1の基板2と、第2の基板3との間に、第1の基板2に対して垂直な状態(第1の基板2の第2の基板3に対向する面に対して垂直な状態)で設けられた4つのセンサーデバイス6と、4つのセンサーデバイス6に接続された変換回路90a、90b、90c(4組)の温度を検出する4つの温度センサー7とを有している。
図6(a)に示すように、第1の基板2は、平面視において、角が切欠けされた(R付された)略四角形の形状を有している。また、図6では省略されているが、第2の基板3も同様の形状を有している。第1の基板2は、第1の基板2の第2の基板3と対向する面上に設けられた角筒状部22と、角筒状部22の外周面上に設けられた4つの第1の凸部21とを有している。
外力検出回路40は、各変換回路90aから出力される電圧Vα1、Vα2、Vα3、Vα4と、各変換回路90bから出力される電圧Vγ1、Vγ2、Vγ3、Vγ4と、各変換回路90cから出力される電圧Vβ1、Vβ2、Vβ3、Vβ4と、各変換回路90dから出力される電圧Vt1、Vt2、Vt3、Vt4と、各温度センサー7のそれぞれから出力された各変換回路90a、90b、90cの温度t1、t2、t3、t4とに基づいて、6軸力(x、y、z軸方向の並進力成分およびx、y、z軸周りの回転力成分)を検出する機能を有する。図7に示すように、外力検出回路40は、各変換回路90a、90b、90c、90dと、各温度センサー7とに接続されたADコンバーター401と、ADコンバーター401に接続された演算部402と、演算部402に接続された記憶部403とを有する。
演算部402は、まず、電圧Vα1、Vβ1、Vγ1、Vα2、Vβ2、Vγ2、Vα3、Vβ3、Vγ3、Vα4、Vβ4、Vγ4を補正した値を以下の式により算出する。なお、下記式のA1、A2、A3、A4は、係数であり、第1実施形態の係数Aに相当する。
Vβt1=Vβ1−A1・Vt1
Vγt1=Vγ1−A1・Vt1
Vαt2=Vα2−A2・Vt2
Vβt2=Vβ2−A2・Vt2
Vγt2=Vγ2−A2・Vt2
Vαt3=Vα3−A3・Vt3
Vβt3=Vβ3−A3・Vt3
Vγt3=Vγ3−A3・Vt3
Vαt4=Vα4−A4・Vt4
Vβt4=Vβ4−A4・Vt4
Vγt4=Vγ4−A4・Vt4
このように、補正された電圧Vαt1、Vβt1、Vγt1、Vα2、Vβ2、Vγ2、Vαt3、Vβt3、Vγt3、Vαt4、Vβt4、Vγt4を得ることにより、力検出装置1のリーク電流等に起因するノイズ成分を除去または減少させることができる。
Fy=Vβt1+Vγt2−Vβt3−Vγt4
Fz=Vαt1+Vαt2+Vαt3+Vαt4
Mx=a×(Vαt4−Vαt2)
My=b×(Vαt3−Vαt1)
Mz=a×(Vβt4+Vβt2)+b×(Vβt3+Vβt1)
ここで、a、bは定数である。
また、本実施形態では、各センサーデバイス6に対応させ、センサーデバイス6と同数の温度センサー7が設けられているが、本発明では、これに限らず、例えば、1つの温度センサー7を設けてもよい。
図8は、本発明の力検出装置の第3実施形態を示す平面図である。図9は、図8中のA−A線での断面図である。以下、第3実施形態について、前述した第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8および図9に示す、本実施形態の力検出装置1は、6軸力(x、y、z軸方向の並進力成分およびx、y、z軸周りの回転力成分)を検出する機能を有する。本実施形態の力検出装置1は、第1の基板2と、第2の基板3との間に、第1の基板2に対して平行な状態(第1の基板2の第2の基板3に対向する面に対して平行な状態)で設けられた4つのセンサーデバイス6と、4つのセンサーデバイス6に接続された変換回路90a、90b、90c(4組)の温度を検出する4つの温度センサー7とを有している。各センサーデバイス6の電圧Vα、Vβ、Vγの検出方向は、図8に示すような配置になっている。
Fy=Vβt1−Vαt2−Vβt3+Vαt4
Fz=Vγt1+Vγt2+Vγt3+Vγt4
Mx=b×(Vγt4−Vγt2)
My=a×(Vγt3−Vγt1)
Mz=b×(Vβt2+Vβt4)+a×(Vβt1+Vβt3)
ここで、a、bは定数である。
次に、図10に基づき、本発明のロボットの実施形態である単腕ロボットを説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図10は、本発明の力検出装置を用いた単腕ロボットの1例を示す図である。図10の単腕ロボット500は、基台510と、アーム520と、アーム520の先端側に設けられたエンドエフェクタ530と、アーム520とエンドエフェクタ530との間に設けられた力検出装置100とを有する。なお、力検出装置100としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
アーム520は、第1のアーム要素521、第2のアーム要素522、第3のアーム要素523、第4のアーム要素524および第5のアーム要素525を有しており、隣り合うアーム同士を回動自在に連結することにより構成されている。アーム520は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、エンドエフェクタ530は、ここでは、ハンドであるが、本発明では、これに限定されるものではない。エンドエフェクタの他の例としては、例えば、部品検査用器具、部品搬送用器具、部品加工用器具、部品組立用器具、測定器等が挙げられる。これは、他の実施形態におけるエンドエフェクタについても同様である。
なお、図示の構成では、アーム520は、合計5本のアーム要素によって構成されているが、本発明はこれに限られない。アーム520が、1本のアーム要素に構成されている場合、2〜4本のアーム要素によって構成されている場合、6本以上のアーム要素によって構成されている場合も本発明の範囲内である。
次に、図11に基づき、本発明のロボットの実施形態である複腕ロボットを説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図11は、本発明の力検出装置を用いた複腕ロボットの1例を示す図である。図11の複腕ロボット600は、基台610と、第1のアーム620と、第2のアーム630と、第1のアーム620の先端側に設けられた第1のエンドエフェクタ640aと、第2のアーム630の先端側に設けられた第2のエンドエフェクタ640bと、第1のアーム620と第1のエンドエフェクタ640a間および第2のアーム630と第2のエンドエフェクタ640bとの間に設けられた力検出装置100を有する。なお、力検出装置100としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
第1のアーム620は、第1のアーム要素621および第2のアーム要素622を回動自在に連結することにより構成されている。第2のアーム630は、第1のアーム要素631および第2のアーム要素632を回動自在に連結することにより構成されている。第1のアーム620および第2のアーム630は、制御部の制御によって、各アーム要素の連結部を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、図示の構成では、アームは合計2本であるが、本発明はこれに限られない。複腕ロボット600が3本以上のアームを有している場合も、本発明の範囲内である。
次に、図12、図13に基づき、本発明の実施形態である電子部品検査装置および電子部品搬送装置を説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図12は、本発明の力検出装置を用いた電子部品検査装置および部品搬送装置の1例を示す図である。図13は、本発明の力検出装置を用いた電子部品搬送装置の1例を示す図である。
次に、図14に基づき、本発明の部品加工装置の実施形態を説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図14は、本発明の力検出装置を用いた部品加工装置の1例を示す図である。図14の部品加工装置800は、基台810と、基台810の上面に起立形成された支柱820と、支柱820の側面に設けられた送り機構830と、送り機構830に昇降可能に取り付けられた工具変位部840と、工具変位部840に接続された力検出装置100と、力検出装置1を介して工具変位部840に装着された工具850を有する。なお、力検出装置100としては、前述した各実施形態と同様のものを用いる。
次に、図15に基づき、本発明の移動体の実施形態を説明する。以下、本実施形態について、前述した各実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図15は、本発明の力検出装置を用いた移動体の1例を示す図である。図15の移動体900は、与えられた動力により移動することができる。移動体900は、特に限定されないが、例えば、自動車、バイク、飛行機、船、電車等の乗り物、2足歩行ロボット、車輪移動ロボット等のロボット等である。
動力部920から供給された動力によって本体910が移動すると、移動に伴い振動や加速度等が生じる。力検出装置100は、移動に伴い生じた振動や加速度等による外力を検出する。力検出装置100によって検出された外力は、制御部930に伝達される。制御部930は、力検出装置100から伝達された外力に応じて動力部920等を制御することにより、姿勢制御、振動制御および加速制御等の制御を実行することができる。
以上、本発明の力検出装置、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置および部品加工装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明では、パッケージが省略されていてもよい。
また、前記実施形態では、外力に応じて信号を出力する素子として、圧電体を用いたものを使用しているが、本発明では、加えられる外力に応じて出力が変化するものであればこれに限定されず、その他、例えば、感圧導電体等を用いたものが挙げられる。
また、本発明のロボットは、アームを有していれば、アーム型ロボット(ロボットアーム)に限定されず、他の形式のロボット、例えば、スカラーロボット、脚式歩行(走行)ロボット等であってもよい。
また、本発明の力検出装置は、ロボット、電子部品搬送装置、電子部品検査装置、部品加工装置および移動体に限らず、他の装置、例えば、他の搬送装置、他の検査装置、振動計、加速度計、重力計、動力計、地震計、傾斜計等の測定装置、入力装置等にも適用することができる。
Claims (12)
- 第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力される前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路を温度補償する補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と前記変換回路から出力される電圧と前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて前記外力を演算する外力演算回路と、
を備えることを特徴とする力検出装置。 - 前記温度センサーにより検出される前記変換回路の温度をt、前記変換回路から出力される電圧をVo、前記補償用変換回路から出力される電圧をVt、係数をAとしたとき、前記外力演算回路は、前記温度tに基づき前記係数Aを補正し、下記(1)式により、前記外力Vcを演算する請求項1に記載の力検出装置。
Vc=Vo−A・Vt ・・・(1) - 前記係数Aと前記温度tとの関係を示す情報を記憶する記憶部を有し、
前記外力演算回路は、前記情報に基づき前記温度tから前記係数Aを導く請求項2に記載の力検出装置。 - 前記変換回路と補償用変換回路とは、同じ部材で構成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の力検出装置。
- 前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、前記変換回路および前記補償用変換回路が実装された回路基板を有し、
前記温度センサーは、前記回路基板に実装されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の力検出装置。 - 前記素子は、積層された3つの外力センサーを有しており、
前記外力センサーの積層方向をγ軸方向とし、前記γ軸方向に直交し且つ互いに直交する方向をそれぞれα軸方向、β軸方向とした場合、
前記外力センサーの1つは、前記α軸方向に沿った前記外力に応じて前記電荷を出力し、
前記外力センサーの1つは、前記β軸方向に沿った前記外力に応じて前記電荷を出力し、
前記外力センサーの1つは、前記γ軸方向に沿った前記外力に応じて前記電荷を出力する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の力検出装置。 - 少なくとも3つの前記素子を有し、
前記外力演算回路は、前記温度センサーの検出結果と、前記各素子から出力される前記電荷を前記変換回路により変換してなる電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、6軸力を検出する請求項6に記載の力検出装置。 - 複数の前記素子を有し、
前記各素子は、前記第1の基部または前記第2の基部の周方向に沿って、等角度間隔に配置されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の力検出装置。 - アームと、
前記アームに設けられたエンドエフェクタと、
前記アームと前記エンドエフェクタの間に設けられ、前記エンドエフェクタに加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
電荷を電圧に変換する補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とするロボット。 - 電子部品を把持する把持部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする電子部品搬送装置。 - 電子部品を把持する把持部と、
前記電子部品を検査する検査部と、
前記把持部に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする電子部品検査装置。 - 工具を装着し、前記工具を変位させる工具変位部と、
前記工具に加えられる外力を検出する力検出装置と、を備え、
前記力検出装置は、第1の基部と、
第2の基部と、
前記第1の基部と前記第2の基部との間に設けられ、外力に応じて電荷を出力する素子と、
前記素子から出力された前記電荷を電圧に変換する変換回路と、
前記変換回路と同じ部材で構成されている補償用変換回路と、
前記変換回路の温度を検出する温度センサーと、
前記温度センサーの検出結果と、前記変換回路から出力される電圧と、前記補償用変換回路から出力される電圧とに基づいて、前記外力を演算する外力演算回路と、を備えることを特徴とする部品加工装置。
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-
2013
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