JP2015087014A - 免震装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原点への復帰を図るための弾性体の固有振動数での共振による振動の増幅を防止でき、可動域を十分確保して装置の小型化をはかることができる免震装置を提供する。【解決手段】免震装置は、ベースプレート部材11上に載荷プレート部材12が少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、ベースプレート部材11と載荷プレート部材12との間に複数の弾性部材13が連結された免震装置であって、弾性部材13のベースプレート部材11への一端連結点13aと載荷プレート部材12の中心点Oとを結ぶ直線方向Aに対し、弾性部材13の載荷プレート部材12への他端連結点13bをずらして弾性部材13の伸縮方向Bと直線方向Aとを一致させずに連結配置してある。【選択図】図2

Description

本発明は免震装置に関し、小型・軽量の機器などの地震の発生による転倒、破損を防止できるようにしたものである。
地震対策のひとつとして免震装置が用いられており、建築物などの大型構造物だけでなく、陶芸品や美術品、小型・軽量の機器などを対象とした免震装置も用いられている。
建築物などの大型構造物を対象とした免震装置では、上部構造物である建屋と、下部構造物であり地盤と接合されている基礎部分との間に、免震支承やダンパー、復元手段を備えて構成され、地震動によるエネルギーを遮断する仕組みとされている。
小型・軽量のものを対象とした免震装置では、転がり免震や滑り免震といった原理を応用した装置とされ、例えば上下2層以上の構造とし、この間にローラやボールなどを配した構造として、転がり摩擦を利用して地震動のエネルギーを吸収するようにしている。
例えば美術工芸品などの小型・軽量のものを対象とした免震装置が、特許文献1に開示されており、図8に示すように、下部基板1と、この基板1の上に位置する上部台板3を有し、複数の球状回転体7を下部に位置する基板1と上部に位置する台板3に当接させて回転可能に支持した中板2を、基板1と台板3の間に摺動自在に非固定的に配設し、基板1と台板3が複数のコイルばねやゴム製ばねなどの弾性体4により基板1直上に台板3が復帰するように付勢されて構成されている。なお、図中の5、6は弾性体取付用のロッド、7は球状回転体、8は支持台、9は固定具である。
特開2007−239907号公報
このような特許文献1の免震装置では、基板1直上に台板3を復帰させるため複数本の弾性体4、例えば4本のコイルばねが台板3の中心に対し90度の等間隔で基板1と台板3との間に連結されており、これらのコイルばねは台板3の中心に対して放射方向に配置され、コイルばねの伸縮方向がコイルばねの取付方向である放射方向と一致するようになっている。
このため、地震動によって台板3が移動すると、台板3の中心はいずれかの放射方向に移動することになり、地震動の方向によってはコイルばねの固有振動数での共振が起こり、伸縮方向が一致したコイルばねによって振動が増幅されるという問題がある。
また、この免震装置では、台板3の可動域を確保しようとすると、コイルばねが押し縮められるスペースを確保する必要があり、その分だけ装置が大型化してしまうという問題がある(図5(c)参照)。
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、原点への復帰を図るための弾性体の固有振動数での共振による振動の増幅を防止でき、可動域を十分確保して装置の小型化をはかることができる免震装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、免震装置の地震動のエネルギーを減衰させる効果を担い、載荷物が載荷される載荷プレート部材を原点に復帰させるよう付勢する弾性体について鋭意検討を重ねたところ、載荷プレート部材はその中心が放射方向に移動されるのに対し、従来の弾性体は、その伸縮方向を移動方向である放射方向に一致させて設置しているため、弾性体の固有振動数での共振が起こると、伸縮方向が一致する弾性体によって振動を増幅させる現象が生じることを見い出し、載荷プレート部材の中心の移動方向と弾性体の伸縮方向をずらすことが振動の増幅を防止することに有効であることが分かり、本願発明を完成したものである。
また、載荷プレート部材の中心の移動方向と弾性体の伸縮方向をずらし、弾性体が押し縮められるスペースをごく小さくすることが、可動域の確保に有効であり、免震装置を小型化することに有効であることが分かった(図5(a),(b)参照)。
かかる知見に基づく本願発明の具体的な構成は以下の通りである。
すなわち、本発明の請求項1に記載の免震装置は、ベースプレート部材上に載荷プレート部材が少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材との間に複数の弾性部材が連結された免震装置であって、
前記弾性部材の前記ベースプレート部材への一端連結点と前記載荷プレート部材の中心点とを結ぶ直線方向に対し、前記弾性部材の前記載荷プレート部材への他端連結点をずらして前記弾性部材の伸縮方向と前記直線方向とを一致させずに連結配置してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項2に記載の免震装置は、請求項1に記載の構成に加え、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点と前記載荷プレート部材への前記他端連結点とを結ぶ方向と、前記載荷プレート部材の前記中心点と前記載荷プレート部材への前記他端連結点とを結ぶ方向とのなす角度を、10度以上90度以下としてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に記載の免震装置は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点を、前記ベースプレート部材の中心点を中心とする同心円上に120度間隔の3カ所に設ける一方、前記載荷プレート部材の前記中心点を中心とする同心円上に前記一端連結点と60度ずらした120度間隔の3カ所に前記載荷プレート部材への前記他端連結点を設け、これらそれぞれ3カ所の前記一端連結点と前記他端連結点との間に6本の前記弾性部材を連結してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に記載の免震装置は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点を、前記ベースプレート部材の前記同心円上に90度間隔の4カ所に設ける一方、前記載荷プレート部材の前記同心円上に前記一端連結点と45度ずらした90度間隔の4カ所に前記載荷プレート部材への前記他端連結点を設け、これらそれぞれ4カ所の前記一端連結点と前記他端連結点との間に8本の前記弾性部材を連結してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に記載の免震装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを、それぞれ円形状に構成してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に記載の免震装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の構成に加え、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを、それぞれ四角形状に構成してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項7に記載の免震装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の構成に加え、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点と、前記載荷プレート部材への前記他端連結点との少なくともいずれかを間隔をあけて設けてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項8に記載の免震装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記載荷プレート部材への載荷重量を10kg未満とし、前記弾性部材をコイルばねで構成しそのばね定数を0.0015以上0.0040N/mm以下とするとともに、前記載荷プレート部材への前記弾性部材の前記他端連結点を前記ベースプレート部材上で16cm以上移動可能に構成してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項9に記載の免震装置は、請求項1〜7のいずれかに記載の構成に加え、前記載荷プレート部材への載荷重量を10kg以上50kg以下とし、前記弾性部材をコイルばねで構成しそのばね定数を0.0020以上0.0060N/mm以下とするとともに、前記載荷プレート部材への前記弾性部材の前記他端連結点を前記ベースプレート部材上で20cm以上移動可能に構成してなることを特徴とするものである。
本発明の請求項10に記載の免震装置は、請求項1〜9のいずれかに記載の構成に加え、前記ベースプレート部材を、下部プレートおよび、前記下部プレートの周囲に設けられる外枠で構成し、前記載荷プレート部材を、前記下部プレート上を移動可能とされた上部プレートおよび、前記上部プレート上に設けられて前記外枠と対向する載荷プレートで構成し、前記下部プレート上で前記上部プレートが少なくとも前記滑り部材と前記転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、前記外枠と、前記外枠と対向する前記載荷プレートとの間に、地震動で移動する前記載荷プレートを支持可能とする少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを設けて移動可能に構成したことを特徴とするものである。
本発明の請求項11に記載の免震装置は、前記請求項1〜10に記載の免震装置を1つのユニットとして備え、複数個の前記ユニットの前記載荷プレート部材上に、1つの載荷物を載置可能に構成したことを特徴とするものである。
本発明の請求項1に記載の免震装置によれば、ベースプレート部材上に載荷プレート部材が少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材との間に複数の弾性部材が連結された免震装置であって、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への一端連結点と前記載荷プレート部材の中心点とを結ぶ直線方向に対し、前記弾性部材の前記載荷プレート部材への他端連結点をずらして前記弾性部材の伸縮方向と前記直線方向とを一致させずに連結配置してなるので、弾性部材のベースプレートへの連結点である一端連結点と載荷プレート部材の中心点とを結ぶ直線方向(中心点での放射方向)に対し、弾性部材の載荷プレート部材への連結点となる他端連結点を直線方向からずらすことで、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の地震時の移動方向とが一致しなくなり、弾性部材の固有振動での共振が生じても弾性部材によって振動が増幅されることを防止でき、載荷プレート部材を原点に復帰させることができるとともに、地震によるエネルギーを減衰させることもできる。
また、弾性部材のベースプレートへの連結点である一端連結点と載荷プレート部材の中心点とを結ぶ直線方向(中心点での放射方向)に対し、弾性部材の載荷プレート部材への連結点となる他端連結点を直線方向からずらすことで、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の地震時の移動方向とが一致しなくなり、弾性体が押し縮められるスペースをごく小さくして十分な可動域を確保することができ、免震装置を小型化することができる(図5(a),(b)参照)。
本発明の請求項2に記載の免震装置によれば、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点と前記載荷プレート部材への前記他端連結点とを結ぶ方向と、前記載荷プレート部材の前記中心点と前記載荷プレート部材への前記他端連結点とを結ぶ方向とのなす角度を、10度以上90度以下としてなるので、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の地震時の移動方向とを一致させずに弾性部材を一端連結点と他端連結点との間に取り付けることができ、地震動が弾性部材の固有振動数と共振した場合でも互いの振動を打ち消すようにして共振した弾性体の振動が増幅されることを防止することができる。
また、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の地震時の移動方向とを一致させずに弾性部材を一端連結点と他端連結点との間に取り付けることができ、地震動により弾性体が押し縮められるスペースをごく小さくして十分な可動域を確保することができ、免震装置を小型化することができる。
本発明の請求項3に記載の免震装置によれば、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点を、前記ベースプレート部材の中心点を中心とする同心円上に120度間隔の3カ所に設ける一方、前記載荷プレート部材の前記中心点を中心とする同心円上に前記一端連結点と60度ずらした120度間隔の3カ所に前記載荷プレート部材への前記他端連結点を設け、これらそれぞれ3カ所の前記一端連結点と前記他端連結点との間に6本の前記弾性部材を連結してなるので、このような6本の弾性部材の配置により各弾性部材の伸縮方向が重ならないようにすることができ、これにより、地震動が弾性部材の固有振動数と共振した場合でも振動の増幅を防止することができる。
また、弾性部材の伸縮方向とベースプレート部材の一端連結点と載荷プレート部材の中心点を結ぶ直線方向をずらすことによって、共振を抑制することが可能となるが、弾性部材の配置と本数によっては、図5(a)に示すように、弾性部材の伸縮方向とベースプレート部材の一端連結点と載荷プレート部材の中心点を結ぶ直線方向が一致しないことによって、地震動を受けた際に載荷プレート部材が進行方向に一直線的でなくねじれるように動くことになり、載荷プレート部材が回転しようとする。しかし、3カ所ずつの一端連結点と他端連結点との間に6本の弾性部材を左右均等に配置することで、同図(b)に示すように、相対する弾性部材によってねじれることなく載荷プレート部材が進行方向に一直線に移動し、載荷プレート部材および載荷プレート部材上の載荷物の回転を抑えることができる。さらに、弾性部材を左右均等に配置することで、各々の弾性部材の負担が軽減でき、破損が抑制される効果もある。
本発明の請求項4に記載の免震装置によれば、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点を、前記ベースプレート部材の中心点を中心とする同心円上に90度間隔の4カ所に設ける一方、前記載荷プレート部材の前記中心点を中心とする同心円上に前記一端連結点と45度ずらした90度間隔の4カ所に前記載荷プレート部材への前記他端連結点を設け、これらそれぞれ4カ所の前記一端連結点と前記他端連結点との間に8本の前記弾性部材を連結してなるので、このような8本の弾性部材の配置により各弾性部材の伸縮方向が重ならないようにすることができ、これにより、地震動が弾性部材の固有振動数と共振した場合でも振動の増幅を防止することができる。
また、4カ所ずつの一端連結点と他端連結点との間に8本の弾性部材を左右均等に配置すると、相対する弾性部材によってねじれることなく載荷プレート部材が進行方向に一直線に移動し、載荷プレート部材および載荷プレート部材上の載荷物の回転を抑えることができる。さらに、弾性部材を左右均等に配置することで、各々の弾性部材の負担が軽減でき、破損が抑制される効果もある。
本発明の請求項5に記載の免震装置によれば、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを、それぞれ円形状に構成してなるので、外形が円板状の免震装置とすることができ、特に請求項3との組合わせにより、各弾性部材の伸縮方向が重ならないようにすることができ、これにより、地震動が弾性部材の固有振動数と共振した場合でも振動の増幅を防止することができる。
また、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の地震時の移動方向とを一致させずに弾性部材を一端連結点と他端連結点との間に取り付けることで、地震動により弾性体が押し縮められるスペースをごく小さくして十分な可動域を確保することができ、免震装置を小型化することができる。
本発明の請求項6に記載の免震装置によれば、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを、それぞれ四角形状に構成してなるので、外形が四角形状の免震装置とすることができ、特に請求項4との組み合わせにより、一端連結点を四つの角部とし、他端連結点を各片の中点とすることで各弾性部材の伸縮方向が重ならないようにすることができ、これにより、地震動が弾性部材の固有振動数と共振した場合でも振動の増幅を防止することができる。
また、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の地震時の移動方向とを一致させずに弾性部材を一端連結点と他端連結点との間に取り付けることで、地震動により弾性体が押し縮められるスペースをごく小さくして十分な可動域を確保することができ、免震装置を小型化することができる。
本発明の請求項7に記載の免震装置によれば、前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点と、前記載荷プレート部材への前記他端連結点との少なくともいずれかを間隔をあけて設けてなるので、各一端連結点や他端連結点に少なくとも二本の弾性部材が連結される場合に、二本それぞれの弾性部材の連結点が間隔をあけて設置されることで、弾性部材の伸縮方向と載荷プレート部材の移動方向とが一致しないようにすることができ、弾性部材の設置方向の自由度を向上することができる。
本発明の請求項8に記載の免震装置によれば、前記載荷プレート部材への載荷重量を10kg未満とし、前記弾性部材をコイルばねで構成しそのばね定数を0.0015以上0.0040N/mm以下とするとともに、前記載荷プレート部材への前記弾性部材の前記他端連結点を前記ベースプレート部材上で16cm以上移動可能に構成してなるので、載荷重量が10kg未満であれば、弾性部材としてのコイルばねのばね定数をこの範囲とし、移動可能な距離を16cm以上とすることで、より有効かつ確実に免震することができる。
また、必要な移動距離を確保して免震装置の小型化を図ることができる。
本発明の請求項9に記載の免震装置によれば、前記載荷プレート部材への載荷重量を10kg以上50kg以下とし、前記弾性部材をコイルばねで構成しそのばね定数を0.0020以上0.0060N/mm以下とするとともに、前記載荷プレート部材への前記弾性部材の前記他端連結点を前記ベースプレート部材上で20cm以上移動可能に構成してなるので、載荷重量が10kg以上50kg以下であれば、弾性部材としてのコイルばねのばね定数をこの範囲とし、移動可能な距離を20cm以上とすることで、より有効かつ確実に免震することができる。
また、必要な移動距離を確保して免震装置の小型化を図ることができる。
本発明の請求項10に記載の免震装置によれば、前記ベースプレート部材を、下部プレートおよび、前記下部プレートの周囲に設けられる外枠で構成し、前記載荷プレート部材を、前記下部プレート上を移動可能とされた上部プレートおよび、前記上部プレート上に設けられて前記外枠と対向する載荷プレートで構成し、前記下部プレート上で前記上部プレートが少なくとも前記滑り部材と前記転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、前記外枠と、前記外枠と対向する前記載荷プレートとの間に、地震動で移動する前記載荷プレートを支持可能とする少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを設けて移動可能に構成したので、地震動の方向によっては、地震動を受けて、載荷プレート部材が相対的に移動すると、載荷プレート部材の下面がベースプレート部材の外枠と接する可能性があり、このような場合でも、外枠と載荷プレートとの間の滑り部材や転がり部材によって摩擦が軽減され、スムーズな変位によって所望の免震効果を得ることができる。
本発明の請求項11に記載の免震装置によれば、前記請求項1〜10に記載の免震装置を1つのユニットとして備え、複数個の前記ユニットの前記載荷プレート部材上に、1つの載荷物を載置可能に構成したので、載荷物が大きい場合でも安定して支持できることができる。また、ユニットの個数を変えることで、載荷物の大きさに対する自由度を増大することができる。
本発明の免震装置の一実施形態に係る断面図である。 本発明の免震装置の一実施形態に係る一部を省略した概略平面図である。 本発明の免震装置の他の一実施形態に係る一部を省略した概略平面図である。 本発明の免震装置の一実施形態に係る加速度試験結果にかかり、(a)はX軸方向のグラフ、(b)はY軸方向のグラフである。 本発明の免震装置の一実施形態に係る概略平面図および比較する従来例の概略平面図である。 本発明の免震装置の他の一実施形態に係る断面図である。 従来の免震装置の加速度試験結果にかかり、(a)はX軸方向のグラフ、(b)はY軸方向のグラフである。 従来の免震装置の断面図および概略平面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の免震装置10は、小型・軽量の機器などの載荷物の免震に用いられる装置であり、重量が10kg以下、重いものであっても50kg以下のものを対象として免震するのに好適なものである。なお、本発明の免震装置は原理的には、載荷重量については何ら限定するものではない。
この免震装置10は、床面などに設置されたり、台などの上に置かれるベースプレート部材11と、このベースプレート部材11上に少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる載荷プレート部材12と、ベースプレート部材11と載荷プレート部材12との間に連結される複数の弾性部材13とを備えて構成されており、弾性部材13のベースプレート部材11への一端連結点13aと載荷プレート部材12の中心点Oとを結ぶ直線方向Aに対し、弾性部材13の載荷プレート部材12への他端連結点13bをずらして連結してある。すなわち、弾性部材13の連結点13a,13bを結ぶ弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の中心点Oと弾性部材13のベースプレート部材11側の一端連結点13aを結ぶ直線方向(載荷プレート部材12の中心点Oからの放射方向に相当)Aとが一致しないように連結して構成してある。
免震装置10のベースプレート部材11は、床面などに固定設置されたり、台などの上に置かれ、例えば円板形状の下部プレート11aと、その外周部の外枠11bとを備えて底付き円筒状に構成されている。
このベースプレート部材11の下部プレート11a上には、その中心点Oを中心とする同心状に載荷プレート部材12が配置されている。この載荷プレート部材12は、中心部下方に突き出した上部プレート12aと、この上部プレート12aと一体の載荷プレート12bとを備えて構成されている。上部プレート12aは、下部プレート11aより小径に形成されている。載荷プレート12bは、下部プレート11aとほぼ同一径に形成されている。載荷プレート12b上には、機器などの載荷物が載置される。また、免震装置10では、上部プレート12aの下面に転がり部材14として球状回転体14aが複数、例えば3個あるいは4個、支持枠14bを介して取り付けてある。
これにより、載荷プレート部材12は、ベースプレート部材11の下部プレート11a上で外枠11bに上部プレート12aが当たるまでの範囲を、球状回転体14aを介して任意の方向に転がり摩擦状態で移動可能になっており、いわゆる転がり免震を構成している。
なお、この実施の形態では、ベースプレート部材11自体を摩擦の低い部材で構成する、あるいはベースプレート部材11の下部プレート11a上に摩擦を低減するため円盤状の摩擦低減部材15が取り付けてあり、球状回転体14aが一層スムーズに転動できるようにしてある。
この場合の摩擦低減部材15は、球状回転体14aが滑らずに転動できるように表面粗さが選定される。
このようなベースプレート部材11と、ベースプレート部材11上を転がり部材14を介して移動可能とされた載荷プレート部材12との間には、弾性部材13として、例えば6本の引張りコイルばねが連結されている。このため、ベースプレート部材11の外枠11bに、円周方向等間隔にばね連結部16として3カ所の一端連結部16aが設けられ、120度間隔の3カ所の一端連結部16aのそれぞれに2本の弾性部材13の一端が連結されて一端連結点13aを構成している。一方、載荷プレート部材12の上部プレート12aの外周には、ばね連結部16として一端連結部16aと60度ずらした120間隔の3カ所の他端連結部16bが設けられ、それぞれの他端連結部16bに2本の弾性部材13の他端が連結されて他端連結点13bを構成している。
したがって、この免震装置10では、べースプレート部材11の一端連結点13aと、載荷プレート部材12の他端連結点13bとの間に6本の弾性部材13が連結してあり、ベースプレート部材11を免震装置10の中心に保持(原点復帰)するとともに、地震による加震時のエネルギーを吸収し、応答加速度を低下させる。
また、この免震装置10では、弾性部材13が120度の間隔をとった一端連結点13aと、一端連結点13aと60度ずらした120間隔の3カ所の他端連結点13bとの間に連結されている。これにより、弾性部材13の伸縮方向Bが一端連結点13aと、他端連結点13bとを結ぶ方向であって、載荷プレート部材12の中心点Oと一端連結点13aとを結ぶ直線方向Aである中心点Oに対する放射方向とはずらしてある。したがって、各弾性部材13の伸縮方向Bが直線方向Aと重なることがなく、地震動が弾性部材13のばねの固有振動数と共振した場合も、互いの弾性部材13による振動の増幅を防ぐことができる。
また、弾性部材13の伸縮方向Bと、ベースプレート部材11の一端連結点13aと載荷プレート部材12の中心点Oとを結ぶ直線方向Aとがずれていることで、例えば図5(b)に示すように、地震動の方向Dが載荷プレート部材12の中心点Oの放射方向と一致しても弾性部材13が載荷プレート部材12の可動域を制限することが防止され、十分な可動域(載荷プレート部材12の移動範囲)を確保することができる。これにより、図5(c)に示した従来の弾性体4の配置により弾性体4自体で台板3の可動範囲が制限される場合とは異なり、同一の可動範囲を確保して免震装置10を小型化することができる。
また、弾性部材13の伸縮方向とベースプレート部材11の一端連結点13aと載荷プレート部材12の中心点Oを結ぶ直線方向Aをずらすことによって、共振を抑制することが可能となるが、弾性部材13の配置と本数によっては、図5(a)に示すように、弾性部材13の伸縮方向Bとベースプレート部材11の一端連結点13aと載荷プレート部材12の中心点Oを結ぶ直線方向Aが一致しないことによって、地震動を受けた際に載荷プレート部材12が進行方向に一直線的でなくねじれるように動くことになり、載荷プレート部材12が回転しようとする。しかし、3カ所ずつの一端連結点13aと他端連結点13bとの間に6本の弾性部材13を左右均等に配置することで、同図(b)に示すように、相対する弾性部材13によってねじれることなく載荷プレート部材12が進行方向に一直線に移動し、載荷プレート部材12および載荷プレート部材12上の載荷物の回転を抑えることができる。さらに、弾性部材13を左右均等に配置することで、各々の弾性部材13の負担が軽減でき、破損が抑制される効果もある。
なお、このような弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の中心点Oから弾性部材13の外側の連結点である一端連結点13aとを結ぶ放射方向Aとをずらすことにより、地震動が弾性部材13のばねの固有振動数と共振した場合も、互いの弾性部材13による振動の増幅を防ぐことができるという効果は、伸縮方向Bと放射方向Aとのずれ量が大きい方が望ましく、載荷プレート部材12の中心点Oと弾性部材13の載荷プレート部材12との連結点である他端連結点13bとを結ぶ方向と、弾性部材13の伸縮方向Bとのなす角度が大きい方が望ましく、10度以上90度以下が望ましい。このような角度範囲であっても弾性部材13同士の伸縮方向Bが重ならないようにする必要がある。
このように構成した免震装置10では、載荷プレート部材12は入力された地震動によって自由に移動でき、主に弾性部材13によって載荷プレート部材12の上部プレート12aの側面に付勢力が加わって押したり引いたりする方向に移動するが、弾性部材13の伸縮方向Bと重なる確率がごく小さい。
仮に、載荷プレート部材12の移動方向(地震時には、相対的にベースプレート部材11が移動することになる)が1本の弾性部材13の伸縮方向Bに移動する場合があっても他の弾性部材13の伸縮方向Bとは重ならないため、ばねの固有振動と共振した場合に、互いの振動数が打ち消されて振動を増幅するのを抑えることができる。
なお、このような弾性部材13の伸縮方向Bを載荷プレート部材12の中心点Oに対する放射方向Aとずらしてベースプレート部材11と載荷プレート部材12との間に弾性部材13を連結することによる効果は、免震装置10のベースプレート部材11と載荷プレート部材12とを同心状の円形状に構成し、弾性部材13の一端連結点13aと他端連結点13bとを120度間隔に3カ所ずつ設ける場合に限らず、同様の弾性部材13の構成によって効果を奏するものである。
この場合、免震装置10のベースプレート部材11と載荷プレート部材12の外形には何ら限定されるものではなく、弾性部材13の伸縮方向Bと載荷プレート部材12の中心点Oからの放射方向Aとが一致していないものであれば良く、地震動などが加わらない状態で、弾性部材13によってベースプレート部材11に対し載荷プレート部材12が原点に静止するように構成されていれば良い。
例えば、図5(a)に示すように、3本の弾性部材13を用い、弾性部材13による弾性力が作用しない状態(静止状態)で、弾性部材13の伸縮方向Bを載荷プレート部材12の中心点Oに対する放射方向Aとずらしてベースプレート部材11の3カ所の一端連結部13aと載荷プレート部材12の3カ所の他端連結部13bとの間を連結することで免震装置10を構成することができる。
このような免震装置10によっても既に説明したように、地震動のエネルギーの減衰、共振の抑制に加え、載荷プレート部材12の可動域の十分な確保などの効果を奏するものとなる。また、同一の可動域を確保する場合に、免震装置10の小型化を図ることもできる。
さらに、免震装置10Aは、図3に示すように、ベースプレート部材11Aと載荷プレート部材12Aとを四角形状に形成し、ベースプレート部材11Aの角部を弾性部材13の一端連結点13aとして90度間隔の4カ所に設け、他端連結点13bを相似状に配置した四角形状の載荷プレート部材12の中心点Oからの放射方向Aに対し45度ずらした90度間隔の4カ所に設けて構成したものである。図示例の免震装置10Aでは、弾性部材13の他端連結点13bを四角形状の載荷プレート部材12Aの各辺の中点からずらした2カ所ずつの合計8カ所に設けるようにしてある。
そして、ベースプレート部材11Aの4カ所の一端連結点13aと載荷プレート部材12Aの各辺の2カ所の他端連結点13bとの間に8本の弾性部材13が連結してある。
このように構成した免震装置10Aでは、載荷プレート部材12Aは入力された地震動によって自由に移動でき、主に弾性部材13によって載荷プレート部材12Aの上部プレート12Aaの側面に付勢力が加わって押したり引いたりする方向に移動するが、弾性部材13の伸縮方向Bと重なる確率がごく小さい。
仮に、載荷プレート部材12A(地震時には、相対的にベースプレート部材11Aが移動することになる)が1本の弾性部材13の伸縮方向Bに移動する場合があっても他の弾性部材13の伸縮方向Bとは重ならないため、ばねの固有振動と共振した場合に、互いの振動数が打ち消されて振動を増幅するのを抑えることができる。
この場合、免震装置10Aのベースプレート部材11Aと載荷プレート部材12Aの外形には何ら限定されるものではなく、弾性部材13の伸縮方向Bと載荷プレート部材12の中心点Oからの放射方向Aとが一致していないものであれば良く、地震動などが加わらない状態で、弾性部材13によってベースプレート部材11Aに対し載荷プレート部材12Aが原点に静止するように構成されていれば良く、ベースプレート部材11と載荷プレート部材12とを円形状に形成した場合であっても良い。
また、弾性部材13の伸縮方向Bと、ベースプレート部材11Aの一端連結点13aと載荷プレート部材12Aの中心点Oとを結ぶ直線方向Aとがずれていることで、既に説明したように、地震動の方向Dが載荷プレート部材12Aの中心Oの放射方向と一致しても弾性部材13が載荷プレート部材12Aの可動域を制限することが防止され、十分な可動域(載荷プレート部材12Aの移動範囲)を確保することができる。これにより、図5(c)に示した従来の弾性体4の配置により弾性体4自体で台板3の可動範囲が制限される場合とは異なり、同一の可動範囲を確保して免震装置10Aを小型化することができる。
また、4カ所ずつの一端連結点13aと他端連結点13bとの間に8本の弾性部材13を左右均等に配置すると、相対する弾性部材13によってねじれることなく載荷プレート部材12Aが進行方向に一直線に移動し、載荷プレート部材12Aおよび載荷プレート部材12A上の載荷物の回転を抑えることができる。さらに、弾性部材13を左右均等に配置することで、各々の弾性部材13の負担が軽減でき、破損が抑制される効果もある。
このような免震装置10,10Aでは、弾性部材13の配置による免震効果をより有効にするためには、載荷プレート部材12、12Aに加わる荷重に対して適切なばね定数kの弾性部材13を選ぶ必要がある。
例えば免震装置10の場合の弾性部材13を6本設けて構成する場合で、載荷プレート部材12の載荷重量を10kg未満とする場合には、ばね定数kを0.0015以上0.0040N/mm以下とするのが好ましい。
また、載荷プレート部材12への載荷重量を10kg以上50kg以下とする場合には、弾性部材13のばね定数kを0.0020以上0.0060N/mm以下とするのが好ましい。
また、弾性部材13で連結された載荷プレート部材12(載荷プレート部材12の上部プレート12a)は、ベースプレート部材11上で、載荷プレート部材12側の他端連結点13bが外枠11bに接触するまでの範囲を移動することになるが、その移動距離は、載荷荷重が10kg未満の場合には、ベースプレート部材11上で16cm(左右に移動するので、左右それぞれに8cm)以上移動可能に構成するのが望ましく、載荷重量が10kg以上50kg以下の場合には、弾性部材13の他端連結点13bをベースプレート部材上で20cm(左右に移動するので、左右それぞれに10cm)以上移動可能に構成するのが望ましい。
このような載荷プレート部材12の移動距離を確保する場合には、移動に伴って押し縮められる弾性部材13のスペースを確保する必要があるが、免震装置10(10A)では、弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の移動方向Aがずらしてあるので、弾性部材13の伸縮スペースの確保の必要がなく、免震装置10(10A)の小型化をはかることができる。
さらに、免震装置10(10A)では、ベースプレート部材11の下部プレート11a上を転がり部材14が任意の方向に転がることで免震しており、免震効果を確実にするため、ベースプレート部材11自体を摩擦の低い部材で構成する、あるいは転がり摩擦を低減してスムーズに転動できるように下部プレート11a上に摩擦低減部材15が取り付けられることが好ましい。
この摩擦低減部材15としては、アクリル系樹脂材料やPTFE(polytetrafluoroethylene)などのフッ素系樹脂材料が、摩擦係数が低く最も好ましいが、ポリエチレンやその他の低摩擦係数材料を用いることもできる。また、摩擦低減部材15は、フラットな平面形状であっても凹凸を設けて下部プレート11aの全面積に対し、下部プレート11a等との接触面積を減らすようにすることがより好ましい。
なお、摩擦低減部材15は、シート状のものを下部プレート11a上に取り付ける場合に限らず、上記の材料の塗布材を下部プレート11a上に塗布することで摩擦低減部材15とすることもできる。
下部プレート11a上に摩擦低減部材15を設けて転がり部材14を任意の方向に転動させる場合には、摩擦低減部材15との間の摩擦が小さすぎると、転がり部材14が転動せずに滑ることになり、転がりの効果が得られなくなる。
転がり部材14を採用する転がり免震の場合には、適切な摩擦の範囲があり、例えば表面粗さ(Ra)が0.01〜0.1μmであることが好ましい。
さらに、摩擦低減部材15を含むベースプレート部材11には、荷重が加わった場合でも転がり部材14などがスムーズに転動できる硬さが必要である。摩擦低減部材15を含むベースプレート部材11の表面の硬さは、転がり部材14の球体の大きさによっても異なるが、例えば、アスカーA硬度が50以上であることが好ましい。
なお、上記実施の形態では、ベースプレート部材11の下部プレート11a上を載荷プレート部材12の上部プレート12aに取り付けた転がり部材14を構成する球状回転体14aによる転がりにより免震するようにしているが、転がり部材14に代えて低摩擦面を備えた滑り部材で構成し、下部プレート11aの摩擦低減部材15上を滑らせて滑り面同士を摺動させる構成とし、滑りにより免震する構成することもできる。そして、弾性部材13の連結は、弾性部材13の伸縮方向Bと、載荷プレート部材12の中心点Oに対する放射方向Aとをずらして一端連結点13aと他端連結点13bとの間に弾性部材13を連結する構成とする。
このような滑り部材による滑り面同士を摺動させて面接触する場合であっても、ばねの固有振動と共振した場合に、互いの振動数が打ち消されて振動を増幅するのを抑えることができる。さらに、このような免震装置10によっても既に説明したように、地震動のエネルギーの減衰に加え、載荷プレート部材12の可動域の十分な確保などの効果を奏するものとなる。また、同一の可動域を確保する場合に、免震装置10の小型化を図ることもできる。
次に、この発明の免震装置の他の実施の形態について、図6により説明する。なお、既に説明した免震装置10,10Aと同一部分には、同一符号を記し、重複する説明は、省略する。
免震装置10Bでは、地震動は、べースプレート部材11や載荷プレート部材12の表裏面と平行に加わる場合だけではなく、相対的にベースプレート部材11と載荷プレート部材12とが傾く場合も想定される。このような場合でもスムーズにベースプレート部材11と載荷プレート部材12とが転がりや滑りで移動できるように、ベースプレート部材11の外枠11bの上面に滑り部材17を設け、載荷プレート部材12の上部プレート12a上に取り付けられて載荷物が載せられる載荷プレート12bと面接触するように構成してある。
なお、他の構成は、既に説明した免震装置10,10Aと同一である。
このように構成した免震装置10Bによれば、既に説明した免震装置10、10Aと同様な地震動のエネルギーの減衰、共振の抑制に加え、載荷プレート部材12の可動域の十分な確保などの効果を奏するものとなる。また、同一の可動域を確保する場合に、免震装置10の小型化を図ることもできる。
さらに、これらの効果を奏するほか、地震動によって載荷プレート部材12とベースプレート部材11とが相対移動する場合に、例え載荷プレート部材12がベースプレート部材11に接触する場合があっても、外枠11bに設けた滑り部材17によって載荷プレート12bがスムーズに移動することができる。
これにより、地震動の方向によらず、所望の免震効果を得ることができる。
なお、滑り部材17に代えて球状回転体 (転がり部材)を設けるようにしても良い。また、外枠11bの素材を摩擦係数の低い材料で形成して外枠11bを滑り部材と兼用して構成したり、摩擦係数の低い材料を外枠11bの上面に塗布するようにして構成しても良い。
本願発明の免震装置は、ベースプレート部材11と、載荷プレート部材12と、これらの間に配置される弾性部材13とで構成される免震装置10(10A)を1つのユニットとし、複数個のユニットを備えた免震装置として構成することができる。この免震装置では、複数個のユニットの載荷プレート部材12上に、1つの載荷物を載置して使用する。
例えば、載荷物が大型の方形状である場合には、4つのユニット(免震装置10,10A)を載荷物の四隅に配置することで、安定して載荷物を支えることができるとともに十分な免震効果が得られる。
なお、免震装置として用いるユニットの個数は、4つのユニットで構成する場合に限らず、2つ以上で構成すれば良く、載荷物の平面への投影面積や重量に応じて定めれば良い。
以下に、本願発明の免震装置の実施例について、比較例とともに説明する。
[実施例1]
ベースプレート部材11として直径350mmの木材の下部プレート11aを用意し、外枠11bとして外径が350mm、内径が320mmのリング状に加工した木材を接合して下部プレート11aに取り付けた。このベースプレート部材11の外枠11bの内側に120度間隔で弾性部材13の一端連結点13aを設けた。
載荷プレート部材12として直径350mmの円形のステンレス板の載荷プレート12bを用意し、上面には、ゴムシートを取り付けて載荷物が滑らないようにした。載荷プレート12bの下面に直径が100mmの上部プレート12aをビスで取り付けた。この上部プレート12aの下面に転がり部材14としてボールの直径が15mmのフリーボールベアリングを3個取り付けた。また、上部プレート12aの側面に120度間隔で3カ所の弾性部材13の他端連結点13bを設けた。
弾性部材13として長さが75mm、ばね定数kが0.031N/mmの引張りコイルばねを6本用意した。実施例では、長さ150mmのものを3本用意して用いた。長さ150mmの3本の引張りコイルばねをベースプレート部材11の外枠11bの内側3カ所の一端連結点13aの間に連結することで、正三角形状に配置して取り付けた後、中間部を載荷プレート部材12の上部プレート12aの3カ所の他端連結点13bに連結した。
これにより、3本の引張りコイルばねは、6本の引張りコイルばねを、ベースプレート部材11の外枠11bの内側の120度間隔の一端連結点13aと載荷プレート部材12の上部プレート12aの60度ずらした120度間隔の他端連結点13bとの間に連結した状態と同一の機能となり、引張りコイルばねの伸縮方向Bと載荷プレート部材12の中心点Oに対する放射方向Aとがずれた状態で、ベースプレート部材11と載荷プレート部材12とが原点に静止された状態となっている。
なお、この場合のベースプレート部材11の外枠11bの内側での載荷プレート部材12の上部プレート12aの可動範囲は、左右ぞれぞれに11cmとなり、20cm以上の総可動範囲を確保している。
免震試験
二軸振動試験機の台上に上記免震装置を固定し、載荷プレート部材12上に20kg(載荷重量)のおもりを載せた。
載荷プレート部材12上に加速度センサを直交する2方向、X,Yに取り付けた。
振動台を兵庫南部地震に相当する入力加速度で加振し、加速度センサで応答加速度を測定し、測定結果を表1および図4に示した。
この実施例1による振動試験結果は、表1に示したように、X軸、Y軸方向とも最大応答加速度は最大入力加速度の11%に抑えられており、ばねの共振による入力加速度の増幅がないことを示している。
これにより、この免震装置では、地震による震動でばねが共振し、振動が増幅することなく免震周期の長周期化が可能となる。
また、大規模な地震による震動から小規模な地震などによる震動に対しても入力加速度の低減を図ることができ、載荷物を確実に保護することができる。
[比較例1]
実施例1と同一のベースプレート部材および載荷プレート部材を用意し、弾性部材として同一仕様(長さ75mm、ばね定数kが0.031N/mmの引張りコイルばね)の4本の引張りコイルばねを用意した。
4本の引張りコイルばねを90度間隔の4カ所のベースプレート部材11の外枠11bの内側の一端連結点13aと、これと対向する載荷プレート部材12の上部プレート12の90度間隔の4カ所の他端連結点13bとの間に連結した。
この状態では、引張りコイルばねの伸縮方向Bと載荷プレート部材12の中心点Oに対する放射方向Aとが一致した状態であり、ベースプレート部材11と載荷プレート部材12とが原点に静止された状態となっている。
この免震装置を用い、実施例と同一の条件で免震試験を行い、その結果を表2および図7に示した。
この比較例1による振動試験結果は、表2に示したように、最大応答加速度が最大入力加速度の28%から42%程度と実施例1の構成による免震装置と比較して振動吸収効果が劣り、部分的にばねの共振による増幅の可能性を示唆している。
10 免震装置
11 ベースプレート部材
11a 下部プレート
11b 外枠
12 載荷プレート部材
12a 上部プレート
12b 載荷プレート
13 弾性部材(引張りコイルばね)
13a 一端連結点
13b 他端連結点
14 転がり部材
14a 球状回転体
14b 支持枠
15 摩擦低減部材(フッ素シート)
16 ばね連結部
16a 一端連結部
16b 他端連結部
11A ベースプレート部材
12A 載荷プレート部材
12Aa 上部プレート
12Ab 載荷プレート
10A 免震装置
10B 免震装置
17 滑り部材
A 直線方向(放射方向)
B 伸縮方向
C 角度
D 地震動の方向
O 中心点(復帰原点)

Claims (11)

  1. ベースプレート部材上に載荷プレート部材が少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材との間に複数の弾性部材が連結された免震装置であって、
    前記弾性部材の前記ベースプレート部材への一端連結点と前記載荷プレート部材の中心点とを結ぶ直線方向に対し、前記弾性部材の前記載荷プレート部材への他端連結点をずらして前記弾性部材の伸縮方向と前記直線方向とを一致させずに連結配置してなることを特徴とする免震装置。
  2. 前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点と前記載荷プレート部材への前記他端連結点とを結ぶ方向と、前記載荷プレート部材の前記中心点と前記載荷プレート部材への前記他端連結点とを結ぶ方向とのなす角度を、10度以上90度以下としてなることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  3. 前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点を、前記ベースプレート部材の中心点を中心とする同心円上に120度間隔の3カ所に設ける一方、前記載荷プレート部材の前記中心点を中心とする同心円上に前記一端連結点と60度ずらした120度間隔の3カ所に前記載荷プレート部材への前記他端連結点を設け、これらそれぞれ3カ所の前記一端連結点と前記他端連結点との間に6本の前記弾性部材を連結してなることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置。
  4. 前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点を、前記ベースプレート部材の前記同心円上に90度間隔の4カ所に設ける一方、前記載荷プレート部材の前記同心円上に前記一端連結点と45度ずらした90度間隔の4カ所に前記載荷プレート部材への前記他端連結点を設け、これらそれぞれ4カ所の前記一端連結点と前記他端連結点との間に8本の前記弾性部材を連結してなることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置。
  5. 前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを、それぞれ円形状に構成してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の免震装置。
  6. 前記ベースプレート部材と前記載荷プレート部材とを、それぞれ四角形状に構成してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の免震装置。
  7. 前記弾性部材の前記ベースプレート部材への前記一端連結点と、前記載荷プレート部材への前記他端連結点との少なくともいずれかを間隔をあけて設けてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の免震装置。
  8. 前記載荷プレート部材への載荷重量を10kg未満とし、前記弾性部材をコイルばねで構成しそのばね定数を0.0015以上0.0040N/mm以下とするとともに、前記載荷プレート部材への前記弾性部材の前記他端連結点を前記ベースプレート部材上で16cm以上移動可能に構成してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の免震装置。
  9. 前記載荷プレート部材への載荷重量を10kg以上50kg以下とし、前記弾性部材をコイルばねで構成しそのばね定数を0.0020以上0.0060N/mm以下とするとともに、前記載荷プレート部材への前記弾性部材の前記他端連結点を前記ベースプレート部材上で20cm以上移動可能に構成してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の免震装置。
  10. 前記ベースプレート部材を、下部プレートおよび、前記下部プレートの周囲に設けられる外枠で構成し、
    前記載荷プレート部材を、前記下部プレート上を移動可能とされた上部プレートおよび、前記上部プレート上に設けられて前記外枠と対向する載荷プレートで構成し、
    前記下部プレート上で前記上部プレートが少なくとも前記滑り部材と前記転がり部材とのいずれかを介して移動可能とされる一方、
    前記外枠と、前記外枠と対向する前記載荷プレートとの間に、地震動で移動する前記載荷プレートを支持可能とする少なくとも滑り部材と転がり部材とのいずれかを設けて移動可能に構成したことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の免震装置。
  11. 前記請求項1〜10に記載の免震装置を1つのユニットとして備え、複数個の前記ユニットの前記載荷プレート部材上に、1つの載荷物を載置可能に構成したことを特徴とする免震装置。
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