JP2015086945A - シールリング及びステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】捩れ変形を抑制することのできるシールリングを提供する。【解決手段】このシールリング20は円環状に形成されている。シールリング20は、第1断面S1において軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第1軸線m1とするとき、第1断面S1において第1軸線m1から外周側端部までの長さL1よりも第1軸線m1から内周側端部までの長さL2の方が長くなるように内周部分に突出形成された第1捩れ抑制部21を備えている。またシールリング20は、第2断面S2において軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第2軸線m2とするとき、第2断面S2において第2軸線m2から外周側端部までの長さL3よりも第2軸線m2から内周側端部までの長さL4の方が長くなるように外周部分に突出形成された第2捩れ抑制部22を備えている。【選択図】図5
Description
本発明は、シールリング、及びシールリングを用いたステアリング装置に関する。
従来、ステアリング装置の一つとして、モータトルクを減速機及びボールねじ機構を介して転舵軸の軸方向の力に変換することにより操舵機構にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置が知られている。この種の電動パワーステアリング装置には、例えば特許文献1に見られるように、転舵軸に対してモータの出力軸が平行に配置された、いわゆるラックパラレル型の電動パワーステアリング装置がある。この電動パワーステアリング装置は、モータの出力軸及びボールねじ機構にそれぞれ取り付けられた一対のプーリ、及び各プーリに巻き掛けられたベルトからなる減速機を備えており、モータの出力軸の回転が一対のプーリ及びベルトを介してボールねじ機構に伝達される。また、モータハウジングは減速機ハウジングに対してボルトによって締結固定されている。減速機ハウジングとモータハウジングとの間にはシールリングが介在されており、このシールリングにより各ハウジング間のシール性が確保されている。
このような電動パワーステアリング装置では、モータトルクの伝達効率を確保するためにベルトの張力を適切に設定することが重要である。そこで従来は、例えば減速機ハウジングにモータハウジングを組み付ける際、減速機ハウジングにモータハウジングを当接させてボルトを仮止めした後、減速機ハウジングに対してモータハウジングをずらすことでベルトの張力を調整するといった方法が用いられている。このベルト張力調整方法では、ベルト張力の調整が完了した後にボルトを本締めすることにより減速機ハウジングに対してモータハウジングが固定される。
ところで、ベルト張力調整時に減速機ハウジングに対してモータハウジングをずらすと、減速機ハウジングとモータハウジングとの間に介在されたシールリングに摩擦力が作用する。この摩擦力によりシールリングが捩れると、各ハウジング間のシール性が低下するおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、捩れ変形を抑制することのできるシールリング、及び同シールリングを用いたステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、円環状のシールリングにおいて、前記円環の中心軸に略直交する同一平面内の2つの断面を第1断面及び第2断面とし、前記第1断面において前記円環の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第1軸線とし、前記第2断面において前記円環の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第2軸線とするとき、前記第1断面において前記第1軸線から外周側端部までの長さよりも前記第1軸線から内周側端部までの長さの方が長くなるように前記円環の内周部分に突出形成された第1捩れ抑制部と、前記第2断面において前記第2軸線から内周側端部までの長さよりも前記第2軸線から外周側端部までの長さが長くなるように前記円環の外周部分に突出形成された第2捩れ抑制部と、を備えることとした。
この構成によれば、第1部材と第2部材との間にシールリングが介在された場合、シールリングが捩れようとするとき、第1捩れ抑制部及び第2捩れ抑制部が第1部材及び第2部材のいずれか一方に接触するため、シールリングの捩れ変形を抑制することができる。
上記シールリングについて、前記第1断面は、前記円環の内周側に突出する涙滴形の形状からなり、前記第2断面は、前記円環の外周側に突出する涙滴形の形状からなることが好ましい。
この構成によれば、上記のような第1捩れ抑制部及び第2捩れ抑制部を有するシールリングを容易に実現することができる。
また上記シールリングについて、前記円環の軸方向における前記第1断面及び前記第2断面のそれぞれの一端部が平面状に形成され、前記円環の軸方向における前記第1断面及び前記第2断面のそれぞれの他端部が曲面状に形成されることが好ましい。
また上記シールリングについて、前記円環の軸方向における前記第1断面及び前記第2断面のそれぞれの一端部が平面状に形成され、前記円環の軸方向における前記第1断面及び前記第2断面のそれぞれの他端部が曲面状に形成されることが好ましい。
互いに接触する第1部材及び第2部材のいずれか一方に形成された溝内にシールリングが配置される場合、シールリングの軸方向両端部が第1部材及び第2部材にそれぞれ接触する。したがって、上記構成によれば、例えば第1断面及び第2断面の平面状に形成された一端部が第1部材に接触し、第1断面及び第2断面の曲面状に形成された他端部が第2部材に接触する。このとき、平面状の一端部と第1部材との接触面積の方が、曲面状の他端部と第2部材との接触面積よりも大きい。そのため、第1部材に対して第2部材がずらされたとき、曲面状の他端部に生じる摩擦抵抗よりも平面状の一端部に生じる摩擦抵抗の方が大きくなる。これにより平面状の一端部が第1部材に対して滑らずに、曲面状の他端部が第2部材に対して滑るため、結果的にシールリングに捩れ変形が生じ難くなる。
そして、モータハウジングにより周囲を覆われたモータと、前記モータの出力軸に取り付けられた駆動プーリ、車両の操舵機構に取り付けられた従動プーリ、並びに前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられた無端状のベルトを有し、前記モータの出力軸の回転を前記駆動プーリ、前記ベルト、及び前記従動プーリを介して前記操舵機構に伝達する減速機と、前記減速機を収容する減速機ハウジングと、を備え、前記モータハウジング及び前記減速機ハウジングのそれぞれの当接面のいずれか一方に形成された円環状の溝内に配置されるシールリングにより前記モータハウジング及び前記減速機ハウジングの間のシール性が確保されるステアリング装置において、前記シールリングとして、上記のようなシールリングが用いられ、前記シールリングは、前記第1断面に対応する部位及び前記第2断面に対応する部位が前記ベルトの張力増加方向に並んで、且つ、前記第1捩れ抑制部及び前記第2捩れ抑制部のそれぞれの突出方向が前記ベルトの張力増加方向と一致するように前記溝内に配置されることが好ましい。
この構成によれば、ベルトの張力を調整する際にモータハウジングが減速機ハウジングに対してベルトの張力増加方向にずらされたとき、シールリングにおける捩れ抑制部が設けられる部位と反対側の部位が溝の内壁に接触して押圧されることとなる。これにより、ベルト張力調整時に各捩れ抑制部に押圧力が加わるのを抑制することができるため、各捩れ抑制部が変形し難くなる。そのため、各捩れ抑制部による捩れ抑制効果をより的確に得ることが可能となる。
これらのシールリング及びステアリング装置によれば、シールリングの捩れ変形を抑制することができる。
<第1実施形態>
以下、シールリング及び電動パワーステアリング装置の第1実施形態について説明する。図1に示すように、この電動パワーステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール2の操作に基づき転舵輪3を転舵させる操舵機構4、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構5を備えている。
以下、シールリング及び電動パワーステアリング装置の第1実施形態について説明する。図1に示すように、この電動パワーステアリング装置1は、運転者のステアリングホイール2の操作に基づき転舵輪3を転舵させる操舵機構4、及び運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構5を備えている。
操舵機構4は、ステアリングホイール2の回転軸となるステアリングシャフト40を備えている。ステアリングシャフト40は、ステアリングホイール2に連結されたコラムシャフト41、コラムシャフト41の下端部に連結されたインターミディエイトシャフト42、及びインターミディエイトシャフト42の下端部に連結されたピニオンシャフト43からなる。ピニオンシャフト43の下端部はラックアンドピニオン機構44を介して転舵軸としてのラックシャフト45に連結されている。操舵機構4では、運転者のステアリングホイール2の操作に伴いコラムシャフト41、インターミディエイトシャフト42、及びピニオンシャフト43が一体的に回転する。ピニオンシャフト43の回転運動がラックアンドピニオン機構44を介してラックシャフト45の軸方向の往復直線運動に変換される。ラックシャフト45の軸方向の往復直線運動がその両端に連結されたボールジョイント46を介してタイロッド47に伝達され、タイロッド47が駆動する。このタイロッド47の駆動に基づいて転舵輪3の転舵角が変化する。
アシスト機構5はラックシャフト45に設けられている。アシスト機構5はモータ6及び動力伝達機構7からなる。モータ6の出力軸60はラックシャフト45の中心軸に平行に配置されている。すなわち本実施形態の電動パワーステアリング装置1はラックパラレル型の電動パワーステアリング装置である。動力伝達機構7は、ラックシャフト45の周囲に一体的に取り付けられたボールねじ機構8、及びモータ6の出力軸60の回転をボールねじ機構8に伝達する減速機9からなる。動力伝達機構7は、モータ6の出力軸60の回転力を減速機9及びボールねじ機構8を介してラックシャフト45の軸方向の力に変換しラックシャフト45に付与する。このモータ6から動力伝達機構7を介してラックシャフト45に付与される力により運転者のステアリング操作が補助される。
ピニオンシャフト43、ラックシャフト45、及び動力伝達機構7の外周はラックハウジング10により覆われている。ラックハウジング10は、動力伝達機構7の付近でラックシャフト45の軸方向に分割された第1ハウジング11及び第2ハウジング12からなり、それらが互いに連結されることで構成されている。ラックハウジング10における動力伝達機構7を収容する部分の底部には、減速機9の一部を収容する減速機ハウジング13が鉛直方向下側に突出するように形成されている。減速機ハウジング13の側壁14には貫通孔15が形成されており、この貫通孔15を通じてモータ6の出力軸60が減速機ハウジング13の内部まで延びて減速機9に連結されている。
次にボールねじ機構8及び減速機9のそれぞれの構造について詳述する。
図2に示すように、ボールねじ機構8は、ラックシャフト45の外周面に形成されたねじ溝48に複数のボール80を介して螺合された円筒状のナット81を有している。ナット81は、ボールベアリング82によりラックハウジング10に対して回転可能に支持されている。ナット81の内周面にはねじ溝83が形成されている。このナット81のねじ溝83とラックシャフト45のねじ溝48とにより囲まれる空間により螺旋状の転動路Rが形成される。またナット81の内部には、転動路Rの二箇所間を短絡する図示しない循環路が形成されている。
図2に示すように、ボールねじ機構8は、ラックシャフト45の外周面に形成されたねじ溝48に複数のボール80を介して螺合された円筒状のナット81を有している。ナット81は、ボールベアリング82によりラックハウジング10に対して回転可能に支持されている。ナット81の内周面にはねじ溝83が形成されている。このナット81のねじ溝83とラックシャフト45のねじ溝48とにより囲まれる空間により螺旋状の転動路Rが形成される。またナット81の内部には、転動路Rの二箇所間を短絡する図示しない循環路が形成されている。
このような構造からなるボールねじ機構8では、ナット81がラックシャフト45に対して相対回転すると、ボール80がナット81及びラックシャフト45から負荷(摩擦力)を受けて転動路R内を転動する。このとき、ボール80は、ナット81の内部に形成された循環路を通じて転動路R内を無限循環する。こうしたボール80の転動により、ナット81に付与されるトルクがラックシャフト45に伝達され、ラックシャフト45がナット81に対して軸方向に移動する。すなわちボールねじ機構8は、ナット81の回転に基づいてラックシャフト45に軸方向の力を付与する。
減速機9は、モータ6の出力軸60に一体的に取り付けられた駆動プーリ90、ナット81の外周面に一体的に取り付けられた従動プーリ91、及び各プーリ90,91に巻き掛けられた無端状のベルト92を有している。減速機9は、駆動プーリ90の回転をベルト92及び従動プーリ91を介してナット81に伝達する。
これらボールねじ機構8及び減速機9、並びにモータ6により構成されるアシスト機構5では、モータ6への通電に基づきモータ6の出力軸60が回転すると、モータ6の出力軸60と一体となって駆動プーリ90が回転する。これにより駆動プーリ90は、ベルト92を介して従動プーリ91及びナット81を一体回転させる。このナット81の回転に基づいてラックシャフト45に軸方向の力が付与される。
次に、減速機ハウジング13に対するモータ6の取り付け構造について説明する。
図2に示すように、モータ6の周囲はモータハウジング61により覆われている。モータハウジング61における出力軸60側の端部には円筒状のフランジ部62が形成されており、このフランジ部62の軸方向の端面63が減速機ハウジング13の側壁14に当接している。図3に示すように、フランジ部62には、その軸方向に貫通する複数のボルト孔64が形成されている。図2に示すように、このボルト孔64に挿通されたボルト65が減速機ハウジング13に締結されることにより、モータハウジング61が減速機ハウジング13に固定されている。
図2に示すように、モータ6の周囲はモータハウジング61により覆われている。モータハウジング61における出力軸60側の端部には円筒状のフランジ部62が形成されており、このフランジ部62の軸方向の端面63が減速機ハウジング13の側壁14に当接している。図3に示すように、フランジ部62には、その軸方向に貫通する複数のボルト孔64が形成されている。図2に示すように、このボルト孔64に挿通されたボルト65が減速機ハウジング13に締結されることにより、モータハウジング61が減速機ハウジング13に固定されている。
図3に示すように、フランジ部62の端面63には、円環状の溝66が形成されている。図2に示すように、溝66には、円環状のシールリング20が配置されている。本実施形態のシールリング20はOリングからなる。このシールリング20により各ハウジング13,61間のシール性が確保されている。
次に、シールリング20の構造について説明する。図4は、シールリング20の平面構造を示したものである。また図5は、図4のA−A線に沿った断面構造を示したものであり、シールリング20の中心軸mに略直交する同一平面内の2つの断面S1,S2の形状をそれぞれ示している。なお図4では、シールリング20の軸方向端部の稜線を二点鎖線nで示している。
図5に示すように、シールリング20の第1断面S1は涙滴形をなしており、第1断面S1においてシールリング20の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第1軸線m1とするとき、第1軸線m1から外周側端部までの長さL1よりも第1軸線m1から内周側端部までの長さL2の方が長くなっている。また、図4に二点鎖線nで示すように、シールリング20の軸方向端部の位置は、第1断面S1に対応する部位P1で最も外周側に位置し、第2断面S2に対応する部位P2に近づくほど内周側に移動する。そしてシールリング20の軸方向端部の位置は、第2断面S2に対応する部位P2で最も内周側に位置する。これにより、図5に示すように、シールリング20の第2断面S2は、そのシールリング20の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第2軸線m2とするとき、第2軸線m2から内周側端部までの長さL3よりも第2軸線m2から外周側端部までの長さL4の方が長い涙滴形をなしている。なお長さL1〜L4の間には、「L1=L3」及び「L2=L4」なる関係がある。シールリング20では、第1断面S1において内周部分に突出形成された部位により第1捩れ抑制部21が構成され、第2断面S2において外周部分に突出形成された部位により第2捩れ抑制部22が構成される。
図2に領域A1,A2で図示された部分の拡大構造を示すように、シールリング20は、第1断面S1に対応する部位P1及び第2断面S2に対応する部位P2がベルト92の張力増加方向(図中の矢印aで示す方向)に並んで、且つ、各捩れ抑制部21,22の突出方向がベルト張力増加方向とほぼ一致するように溝66内に配置される。
次に、本実施形態のシールリング20の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態の電動パワーステアリング装置1では、減速機ハウジング13にモータ6を組み付ける際に、まず、減速機ハウジング13の側壁14にモータハウジング61を当接させてボルト65を仮止めする。その後、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61を図中の矢印aで示す方向、すなわちベルト張力増加方向にずらすことによりベルト92の張力を調整する。このとき、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61が矢印aで示す方向にずらされることにより、シールリング20における減速機ハウジング13との接触部に矢印aで示す方向と逆方向の摩擦力Fが作用する。この摩擦力Fにより、図6(a),(b)に示すようにシールリング20が捩れてしまう。しかしながら、シールリング20の各捩れ抑制部21,22が減速機ハウジング13に接触するため、シールリング20の捩れ変形を抑制することができる。
(1)本実施形態の電動パワーステアリング装置1では、減速機ハウジング13にモータ6を組み付ける際に、まず、減速機ハウジング13の側壁14にモータハウジング61を当接させてボルト65を仮止めする。その後、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61を図中の矢印aで示す方向、すなわちベルト張力増加方向にずらすことによりベルト92の張力を調整する。このとき、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61が矢印aで示す方向にずらされることにより、シールリング20における減速機ハウジング13との接触部に矢印aで示す方向と逆方向の摩擦力Fが作用する。この摩擦力Fにより、図6(a),(b)に示すようにシールリング20が捩れてしまう。しかしながら、シールリング20の各捩れ抑制部21,22が減速機ハウジング13に接触するため、シールリング20の捩れ変形を抑制することができる。
(2)図2に示すように、各捩れ抑制部21,22の突出方向がベルト張力増加方向とほぼ一致するようにシールリング20を溝66内に配置すれば、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61がベルト張力増加方向にずらされるとき、シールリング20における捩れ抑制部21,22が設けられる部位と反対側の部位23,24が溝66の内壁により押圧されることとなる。これにより、ベルト張力調整時に各捩れ抑制部21,22に押圧力が加わるのを抑制することができるため、各捩れ抑制部21,22が変形し難くなる。そのため、各捩れ抑制部21,22による捩れ抑制効果をより的確に得ることが可能となる。
<第2実施形態>
次に、シールリング及び電動パワーステアリング装置の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
次に、シールリング及び電動パワーステアリング装置の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図7に示すように、本実施形態のシールリング20は、その軸方向の一端部25が平面状に形成され、その軸方向の他端部26が曲面状に形成されている。なお本実施形態のシールリング20も、第1断面S1においてシールリング20の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第1軸線m1とするとき、第1断面S1において第1軸線m1から外周側端部までの長さL1よりも第1軸線m1から内周側端部までの長さL2の方が長くなっている。またシールリング20は、第2断面S2においてシールリング20の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第2軸線m2とするとき、第2断面S2において第2軸線m2から内周側端部までの長さL3よりも第2軸線m2から外周側端部までの長さL4の方が長くなっている。なお長さL1〜L4の間には、「L1=L3」及び「L2=L4」なる関係がある。シールリング20では、第1断面S1において内周部分に突出形成された部位により第1捩れ抑制部21が構成され、第2断面S2において外周部分に突出形成された部位により第2捩れ抑制部22が構成される。
こうした形状からなるシールリング20は、図8(a),(b)に示すように、平面状の一端部25がモータハウジング61の溝66の底面に当接して、且つ、曲面状の他端部26が減速機ハウジング13の側壁14に当接するようにして溝66内に配置される。
次に本実施形態のシールリング20の作用及び効果について説明する。
(3)本実施形態のシールリング20でも、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61がベルト張力増加方向にずらされる際に、各捩れ抑制部21,22が減速機ハウジング13に接触することによりシールリング20の捩れ変形が抑制される。したがって第1実施形態による(1)に準じた効果を得ることができる。また、各捩れ抑制部21,22の突出方向がベルト張力増加方向とほぼ一致するようにシールリング20が溝66内に配置されているため、第1実施形態による(2)に準じた効果を得ることもできる。
(3)本実施形態のシールリング20でも、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61がベルト張力増加方向にずらされる際に、各捩れ抑制部21,22が減速機ハウジング13に接触することによりシールリング20の捩れ変形が抑制される。したがって第1実施形態による(1)に準じた効果を得ることができる。また、各捩れ抑制部21,22の突出方向がベルト張力増加方向とほぼ一致するようにシールリング20が溝66内に配置されているため、第1実施形態による(2)に準じた効果を得ることもできる。
(4)シールリング20の平面状の一端部25とモータハウジング61との接触面積の方が、シールリング20の曲面状の他端部26と減速機ハウジング13との接触面積よりも大きいため、ベルト張力調整時に曲面状の他端部26に生じる摩擦抵抗よりも、平面状の一端部25に生じる摩擦抵抗の方が大きくなる。そのため、減速機ハウジング13に対してモータハウジング61がベルト張力増加方向にずらされたとき、シールリング20の平面状の一端部25がモータハウジング61に対して滑らずに、シールリング20の曲面状の他端部26が減速機ハウジング13に対して滑るため、結果的にシールリング20に捩れ変形が生じ難くなる。
<他の実施形態>
なお、上記各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・シールリング20の形状、及び各捩れ抑制部21,22の形状は適宜変更可能である。例えば図9及び図10に示すように、シールリング20の第1断面S1を、内周に凸状の第1捩れ抑制部21が形成された円形断面とし、シールリング20の第2断面S2を、外周に凸状の第2捩れ抑制部22が形成された円形断面としてもよい。なお、図9及び図10に例示したシールリング20について、第2実施形態のように、軸方向の一端部を平面状に形成し、他端部を曲面状に形成してもよい。
なお、上記各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・シールリング20の形状、及び各捩れ抑制部21,22の形状は適宜変更可能である。例えば図9及び図10に示すように、シールリング20の第1断面S1を、内周に凸状の第1捩れ抑制部21が形成された円形断面とし、シールリング20の第2断面S2を、外周に凸状の第2捩れ抑制部22が形成された円形断面としてもよい。なお、図9及び図10に例示したシールリング20について、第2実施形態のように、軸方向の一端部を平面状に形成し、他端部を曲面状に形成してもよい。
・各実施形態では、シールリング20を配置するための溝66をモータハウジング61に形成したが、これに代えて、溝66を減速機ハウジング13に形成してもよい。
・各実施形態では、シールリング20の適用対象としてラックパラレル型の電動パワーステアリング装置1を例示したが、シールリング20の適用対象はこれに限定されない。各実施形態のシールリング20は、例えばコラムシャフト41にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置や、ステアバイワイヤ式のステアリング装置等、モータから減速機を介して操舵機構にアシスト力を付与する各種ステアリング装置に適用可能である。また各実施形態のシールリング20は、ステアリング装置に限らず、第1部材と第2部材との間にシールリングが介在される装置にも適用可能である。このような装置に各実施形態のシールリング20を用いれば、第1部材及び第2部材が摺動する際のシールリング20の捩れ変形を抑制することが可能である。
・各実施形態では、シールリング20の適用対象としてラックパラレル型の電動パワーステアリング装置1を例示したが、シールリング20の適用対象はこれに限定されない。各実施形態のシールリング20は、例えばコラムシャフト41にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置や、ステアバイワイヤ式のステアリング装置等、モータから減速機を介して操舵機構にアシスト力を付与する各種ステアリング装置に適用可能である。また各実施形態のシールリング20は、ステアリング装置に限らず、第1部材と第2部材との間にシールリングが介在される装置にも適用可能である。このような装置に各実施形態のシールリング20を用いれば、第1部材及び第2部材が摺動する際のシールリング20の捩れ変形を抑制することが可能である。
m…中心軸、m1…第1軸線、m2…第2軸線、S1…第1断面、S2…第2断面、4…操舵機構、6…モータ、9…減速機、13…減速機ハウジング、20…シールリング、21…第1捩れ抑制部、22…第2捩れ抑制部、60…出力軸、61…モータハウジング、66…溝、90…駆動プーリ、91…従動プーリ、92…ベルト。
Claims (4)
- 円環状のシールリングにおいて、
前記円環の中心軸に直交する同一平面内の2つの断面を第1断面及び第2断面とし、
前記第1断面において前記円環の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第1軸線とし、
前記第2断面において前記円環の軸方向に最も幅の広い部位を通る軸線を第2軸線とするとき、
前記第1断面において前記第1軸線から外周側端部までの長さよりも前記第1軸線から内周側端部までの長さの方が長くなるように前記円環の内周部分に突出形成された第1捩れ抑制部と、
前記第2断面において前記第2軸線から内周側端部までの長さよりも前記第2軸線から外周側端部までの長さが長くなるように前記円環の外周部分に突出形成された第2捩れ抑制部と、を備えることを特徴とするシールリング。 - 請求項1に記載のシールリングにおいて、
前記第1断面は、前記円環の内周側に突出する涙滴形の形状からなり、
前記第2断面は、前記円環の外周側に突出する涙滴形の形状からなることを特徴とするシールリング。 - 請求項1に記載のシールリングにおいて、
前記円環の軸方向における前記第1断面及び前記第2断面のそれぞれの一端部が平面状に形成され、
前記円環の軸方向における前記第1断面及び前記第2断面のそれぞれの他端部が曲面状に形成されることを特徴とするシールリング。 - モータハウジングにより周囲を覆われたモータと、
前記モータの出力軸に取り付けられた駆動プーリ、車両の操舵機構に取り付けられた従動プーリ、並びに前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻き掛けられた無端状のベルトを有し、前記モータの出力軸の回転を前記駆動プーリ、前記ベルト、及び前記従動プーリを介して前記操舵機構に伝達する減速機と、
前記減速機を収容する減速機ハウジングと、を備え、
前記モータハウジング及び前記減速機ハウジングのそれぞれの当接面のいずれか一方に形成された円環状の溝内に配置されるシールリングにより前記モータハウジング及び前記減速機ハウジングの間のシール性が確保されるステアリング装置において、
前記シールリングとして、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールリングが用いられ、
前記シールリングは、前記第1断面に対応する部位及び前記第2断面に対応する部位が前記ベルトの張力増加方向に並んで、且つ、前記第1捩れ抑制部及び前記第2捩れ抑制部のそれぞれの突出方向が前記ベルトの張力増加方向と一致するように前記溝内に配置されることを特徴とするステアリング装置。
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Cited By (1)
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WO2021090696A1 (ja) * | 2019-11-07 | 2021-05-14 | 日本精工株式会社 | 動力伝達装置 |
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2013
- 2013-10-30 JP JP2013226019A patent/JP2015086945A/ja active Pending
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WO2021090696A1 (ja) * | 2019-11-07 | 2021-05-14 | 日本精工株式会社 | 動力伝達装置 |
CN114641632A (zh) * | 2019-11-07 | 2022-06-17 | 日本精工株式会社 | 动力传递装置 |
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