JP2015086257A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴム組成物への無機充填剤の分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と、加硫ゴムの低発熱性を維持することができるゴム組成物及びそれを用いたタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法を提供する。【解決手段】 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合してなることを特徴とするゴム組成物。【化1】〔上記式(I)中において、R1とR2は、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、R3とR4は、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関し、更に詳しくは、ゴム組成物へのシリカ等の無機充填剤の分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減を実現しつつ、加硫ゴムの発熱性悪化を防止するゴム組成物及びそれを用いたタイヤに関する。
近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴム組成物の低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、シリカ等の無機充填剤の配合が多用されている。
無機充填剤は、その表面が親水的であるため、ゴム組成物中で粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中への無機充填剤の分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中への無機充填剤の分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ等の粒子表面が酸性の無機充填剤を用いた場合は、一般的に塩基性を有することが多い加硫促進剤をその表面に吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないことが多いという欠点を有していた。以上の背景により、従来から無機充填剤配合ゴム組成物における加工性等の改良が求められている。
従来において、無機充填剤配合ゴム組成物における諸物性等を改良する技術として、例えば、シリカのゴム中への分散性の改良と、発熱性及び耐摩耗性が改良されたゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤを提供するために、(A)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなるゴム成分100重量部に対し、シリカ15〜85重量部と、ジメチルアルキルアミン等の特定の3級アミン化合物を前記シリカの量に対して1〜15重量%配合してなる組成物、並びにそれをタイヤトレッドに用いた空気入りタイヤ(例えば、本願出願人の特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1のゴム組成物は、従来にないシリカのゴム中への分散性の改良と、発熱性及び耐摩耗性の改良がもたらされるものであるが、無機充填剤が配合されたゴム組成物において、更なる加硫ゴムの低発熱性を犠牲としない未加硫ゴムの粘度低減の実現が切望されている。
WO97/035461号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等について、これを解消しようとするものであり、未加硫ゴムの粘度低減と、加硫ゴムの低発熱性を維持することができるゴム組成物及びそれを用いたタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、無機充填剤を含有するゴム成分に対して、特定の化合物の少なくとも一種を配合することにより、上記目的のゴム組成物及びこれを用いたタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするゴム組成物。
Figure 2015086257
〔上記式(I)中において、RとRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、RとRは、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕
(2) 前記ゴム成分100質量部に対し、無機充填剤を5〜200質量部、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を0.5〜15質量部配合してなることを特徴とする上記(1)記載のゴム組成物。
(3) 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
(5)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合する、未加硫ゴムの粘度低減方法。
Figure 2015086257
〔上記式(I)中において、RとRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、RとRは、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕
本発明によれば、ゴム組成物への無機充填剤の分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減と、加硫ゴムの低発熱性を維持できるゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ、並びに、未加硫ゴムの粘度低減方法が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合してなることを特徴とするものである。
Figure 2015086257
〔上記式(I)中において、RとRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、RとRは、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明のゴム組成物に用いる無機充填剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらの中でも、補強性の観点から、シリカ及び水酸化アルミニウムが好ましく、シリカが特に好ましい。
用いることができるシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
これらの無機充填剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して5〜200質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、5〜150質量部の範囲とすることが望ましく、より更に好ましくは、50〜120質量部の範囲とすることが望ましい。
この無機充填剤の配合量が上記ゴム成分100質量部に対してウェットグリップ向上とヒステリシス低下を両立させる効果の観点から、5質量部以上が好ましく、一方、粘度を低下させる観点から200質量部以下が好ましい。
本発明のゴム組成物には、補強性の観点から、シランカップリング剤を用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらのシランカップリング剤の配合量は、無機充填剤100質量部に対し、補強性の観点から、1質量部以上が好ましく、一方、補強性、発熱性を維持する観点から、20質量部以下、更に好ましくは、発熱性の観点から、6〜12質量部の範囲が望ましい。
本発明では、上記無機充填剤と共に、補強性充填剤として、カーボンブラックなどを併用できる。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量も、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜60質量部、更に好ましくは、10〜50質量部であることが望ましい。なお、発熱性を維持する観点から、60質量部以下が好ましい。
本発明に用いる下記式(I)で表される化合物は、無機充填剤配合ゴムの未加硫ゴム粘度低減と、加硫ゴムの発熱性を改良して本発明の効果を発揮させるために配合するものである。
Figure 2015086257
〔上記式(I)中において、RとRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、RとRは、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕
上記式(I)において、R及びRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基を表すものである。上記炭素数1〜24のアルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、イソウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、イソテトラデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、オクタデシル基、イソオクタデシル基、ノナデシル基、アイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基、テトラコシリレン基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、炭素数6〜18、さらに好ましくは炭素数11〜18、より好ましくは炭素数14〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基である。Rの由来となる脂肪酸としては、好ましくは、オクタン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
更に、上記式(I)中のR及びRは、炭素数2〜5のアルキレン基を表すものである。上記炭素数2〜5のアルキレン基は、直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基などが挙げられ、好ましくは、炭素数2〜3のアルキレン基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよい。また、n、mはそれぞれ1〜5の数であり、好ましくは、n、mはそれぞれ1〜3の数である。
本発明において、上記式(I)で表される化合物として、特に好ましいものとしては、上記RおよびRが炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基であり、RおよびRが炭素数2〜4のアルキレン基となる化合物の少なくとも1種が望ましい。
具体的に用いることができる上記式(I)で表される化合物としては、例えば、カプリルジエタノールアミンモノカプリレート、ラウリルジエタノールアミンモノラウレート、ミリスチルジエタノールアミンモノミリステート、パルミチルジエタノールアミンモノパルミテート、ステアリルジエタノールアミンモノステアレートなどのアルキルジエタノールアミンモノエステル;ポリオキシエチレン(5)ラウリルアミンモノラウレート、ポリオキシエチレン(8)ステアリルアミンモノステアレートなどのポリオキシエチレンアルキルアミンモノエステル;の少なくとも1種を挙げることができ、中でも、ステアリルジエタノールアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(8)ステアリルアミンモノステアレートの使用が望ましい。
上記式(I)で表される化合物の分子量としては、未加硫ゴム粘度低減の観点から、161〜5000のものが好ましく、200〜3000のものがさらに好ましく、300〜1500のものが特に好ましい。
なお、上記式(I)で表される化合物の合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
これらの化合物の少なくとも一種の配合量は、好ましくは、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜15質量部、更に好ましくは、本発明の更なる効果を発揮せしめる観点から、1〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。また、これらの化合物の少なくとも一種の配合量は、無機充填剤100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、2〜12質量部がより更に好ましく、3〜10質量部がより好ましく、3〜8質量部がより更に好ましい。
この化合物の少なくとも一種の配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、未加硫ゴム粘度低減効果が高く、一方、15質量部を越えると、加硫速度への影響が大きくなる。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分、無機充填剤、上記式(I)で表される化合物の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
また、本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、無機充填剤と、上記化合物の少なくとも一種と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とをロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤのタイヤ部材の用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業製品等の用途にも用いることができる。
このように構成されるゴム組成物が、何故、ゴム組成物への無機充填剤の分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度低減を実現しつつ、加硫ゴムの発熱性悪化を防止するものとなるかは以下のように推察される。
すなわち、本発明のゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、シリカ等の無機充填剤を配合した配合系に、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種が配合されると、該化合物の分子構造に含まれるアミノ基、場合によってはさらにエステル基、エーテル基等の効果により無機充填剤の表面に吸着し、無機充填剤表面を疎水化することにより、無機充填剤同士の凝集を抑制し、未加硫ゴムの粘度を低減し、また、無機充填剤表面での促進剤の吸着を抑制するため、発熱性も改良できて、加工性も良好となるものと推察される。
次に、本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種配合剤を配合させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階でタイヤ部材として、例えば、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。このようにして得られた本発明のタイヤは、低発熱性が維持できるので、低燃費性が良好であると共に、しかも該ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れたものとなる。
更に、本発明の未加硫ゴムの粘度低減方法は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合することを特徴とするものである。
本発明の未加硫ゴムの粘度低減方法で用いられる各成分の好ましい成分、好ましい範囲等は、前述のゴム組成物と同じである。
この未加硫ゴムの粘度低減方法によれば、無機充填剤表面の疎水化により、無機充填剤同士の凝集を抑制し、未加硫ゴムの粘度が低減されるものとなる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<製造例1〜2>
用いる化合物1、2は、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例1)
ステアリルジエタノールアミン(花王株式会社製アミート302)500g(1.40モル)にステアリン酸;398g(1.40モル)を4つ口フラスコに入れ、窒素気流下190℃で約3時間脱水を行い、エステル化を完結させ、化合物1となるステアリルジエタノールアミンモノステアレートを821g得た。
(製造例2)
上記製造例1において、ステアリルジエタノールアミンをポリオキシエチレン(8)ステアリルアミン(花王株式会社製アミート308)870g(1.40モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、化合物2となるポリオキシエチレン(8)ステアリルアミンモノステアレートを1185g得た。
〔実施例1〜4及び比較例1〕
下記表1に示す配合処方で常法により、ゴム組成物を調製した。表中の数値は質量部である。
得られた各ゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫した。得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
〔未加硫ゴム粘度の測定方法〕
未加硫ゴム粘度の測定は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。ローターサイズは一般的なLサイズで行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど良好であることを示す。
〔粘弾性(tanδ)の測定方法〕
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
Figure 2015086257
上記表1の*1〜*12は下記のとおりである。
*1)タフデン2830〔旭化成ケミカルズ社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*3)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*4)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*5)マイクロクリスタリンワックス、オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*6)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*7)ノンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*8)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*9)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*10)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*11)製造例1〔ステアリルジエタノールアミンモノステアレート〕
*12)製造例2〔POE(8)ステアリルアミンモノステアレート〕
上記表1から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜4のゴム組成物は、本発明の範囲外となる比較例1に較べて、未加硫ゴム粘度、粘弾性(tanδ)の評価結果から、加硫ゴムの低発熱性を損なうことなく未加硫ゴムの粘度低減効果が良好となるゴム組成物となることが判明した。
タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤのタイヤ部材の用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースなどのゴム製品に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
    Figure 2015086257
    〔上記式(I)中において、RとRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、RとRは、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕
  2. 前記ゴム成分100質量部に対し、無機充填剤を5〜200質量部、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を0.5〜15質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
  5. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合する、未加硫ゴムの粘度低減方法。
    Figure 2015086257
    〔上記式(I)中において、RとRは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、RとRは、炭素数2〜5のアルキレン基であり、n、mは1〜5の数である。〕
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