JP2015086257A - ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents
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(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするゴム組成物。
(2) 前記ゴム成分100質量部に対し、無機充填剤を5〜200質量部、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を0.5〜15質量部配合してなることを特徴とする上記(1)記載のゴム組成物。
(3) 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のゴム組成物。
(4) 上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
(5)天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合する、未加硫ゴムの粘度低減方法。
本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、下記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合してなることを特徴とするものである。
用いることができるシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
この無機充填剤の配合量が上記ゴム成分100質量部に対してウェットグリップ向上とヒステリシス低下を両立させる効果の観点から、5質量部以上が好ましく、一方、粘度を低下させる観点から200質量部以下が好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量も、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜60質量部、更に好ましくは、10〜50質量部であることが望ましい。なお、発熱性を維持する観点から、60質量部以下が好ましい。
具体的に用いることができる上記式(I)で表される化合物としては、例えば、カプリルジエタノールアミンモノカプリレート、ラウリルジエタノールアミンモノラウレート、ミリスチルジエタノールアミンモノミリステート、パルミチルジエタノールアミンモノパルミテート、ステアリルジエタノールアミンモノステアレートなどのアルキルジエタノールアミンモノエステル;ポリオキシエチレン(5)ラウリルアミンモノラウレート、ポリオキシエチレン(8)ステアリルアミンモノステアレートなどのポリオキシエチレンアルキルアミンモノエステル;の少なくとも1種を挙げることができ、中でも、ステアリルジエタノールアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(8)ステアリルアミンモノステアレートの使用が望ましい。
上記式(I)で表される化合物の分子量としては、未加硫ゴム粘度低減の観点から、161〜5000のものが好ましく、200〜3000のものがさらに好ましく、300〜1500のものが特に好ましい。
なお、上記式(I)で表される化合物の合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
この化合物の少なくとも一種の配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、未加硫ゴム粘度低減効果が高く、一方、15質量部を越えると、加硫速度への影響が大きくなる。
また、本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、無機充填剤と、上記化合物の少なくとも一種と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とをロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤのタイヤ部材の用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業製品等の用途にも用いることができる。
すなわち、本発明のゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、シリカ等の無機充填剤を配合した配合系に、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種が配合されると、該化合物の分子構造に含まれるアミノ基、場合によってはさらにエステル基、エーテル基等の効果により無機充填剤の表面に吸着し、無機充填剤表面を疎水化することにより、無機充填剤同士の凝集を抑制し、未加硫ゴムの粘度を低減し、また、無機充填剤表面での促進剤の吸着を抑制するため、発熱性も改良できて、加工性も良好となるものと推察される。
更に、本発明の未加硫ゴムの粘度低減方法は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、無機充填剤と、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を配合することを特徴とするものである。
本発明の未加硫ゴムの粘度低減方法で用いられる各成分の好ましい成分、好ましい範囲等は、前述のゴム組成物と同じである。
この未加硫ゴムの粘度低減方法によれば、無機充填剤表面の疎水化により、無機充填剤同士の凝集を抑制し、未加硫ゴムの粘度が低減されるものとなる。
用いる化合物1、2は、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例1)
ステアリルジエタノールアミン(花王株式会社製アミート302)500g(1.40モル)にステアリン酸;398g(1.40モル)を4つ口フラスコに入れ、窒素気流下190℃で約3時間脱水を行い、エステル化を完結させ、化合物1となるステアリルジエタノールアミンモノステアレートを821g得た。
上記製造例1において、ステアリルジエタノールアミンをポリオキシエチレン(8)ステアリルアミン(花王株式会社製アミート308)870g(1.40モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、化合物2となるポリオキシエチレン(8)ステアリルアミンモノステアレートを1185g得た。
下記表1に示す配合処方で常法により、ゴム組成物を調製した。表中の数値は質量部である。
得られた各ゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫した。得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
未加硫ゴム粘度の測定は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。ローターサイズは一般的なLサイズで行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど良好であることを示す。
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
*1)タフデン2830〔旭化成ケミカルズ社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*3)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*4)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*5)マイクロクリスタリンワックス、オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*6)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*7)ノンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*8)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*9)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*10)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*11)製造例1〔ステアリルジエタノールアミンモノステアレート〕
*12)製造例2〔POE(8)ステアリルアミンモノステアレート〕
Claims (5)
- 前記ゴム成分100質量部に対し、無機充填剤を5〜200質量部、上記式(I)で表される化合物の少なくとも一種を0.5〜15質量部配合してなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3の何れか一つに記載のゴム組成物をタイヤ部材に用いてなることを特徴とするタイヤ。
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