JP2015085782A - 車両のサイドドア装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の前突時の衝撃力により、車体からドアが離脱することをより確実に防止して、車体が大きくは変形しないようにすることである。
【解決手段】車両のサイドドア装置において、車体2の側壁6に形成されたドア開口17を閉じるドア18がインナパネル25を有する。インナパネル25は、車体2の前後方向に延びるインナパネル本体28と、インナパネル本体28の後端縁部から車体2の外側方に向かって延出する後部パネル29とを有する。ドア18内の内部空間31で車体2の前後方向に延びる補強パネル32を設けると共に、補強パネル32の後端部から車体2の外側方に向かって延出し、延出端部33aが後部パネル29に結合されて補強パネル32を支持する支持バー33を設ける。支持バー33の基部33bがわが後部パネル29から前方に離れて位置するよう支持バー33の長手方向の中途部に屈曲部33cを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両が、前進走行中に、その前方に位置する何らかの物体に衝突(前突)したとき、その衝撃力により車体からドアが離脱することを防止して車体が大きくは変形しないようにするための車両のサイドドア装置に関するものである。
上記車両のサイドドア装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車両のサイドドア装置には、車体の側壁にドア開口が形成され、このドア開口に対し車体の外側方から嵌脱可能に内嵌されて、このドア開口を閉じるドアが設けられる。このドアは、車体の幅方向で互いに対面して互いに結合されるアウタ、インナパネルを有して車体の平面断面視で中空閉断面形状とされる。上記インナパネルは、車体の前後方向に延びるインナパネル本体と、このインナパネル本体の後端縁部から車体の外側方に向かって延出する後部パネルとを有している。上記ドア内の内部空間で車体の前後方向に延びる補強パネルが設けられると共に、この補強パネルの後端部から車体の外側方に向かって延出し、その延出端部が上記後部パネルに結合されて上記補強パネルを支持する支持バーが設けられる。
そして、車両の前突時に、その衝撃力により、上記ドア開口の後部開口縁部に対し上記ドアが大きく後方移動したときには、上記補強パネルの後端部が上記ドアの後部パネルを介し上記後部開口縁部の一部分に圧接することとなり、この一部分には、後方に向かって凹む凹部が形成される。
すると、上記凹部内に上記補強パネルの後端部が係合した状態となり、これにより、ドアがドア開口から車体の外側方に向かって離脱することが防止される。この結果、上記ドアは上記ドア開口に内嵌された状態が維持されて上記衝撃力に対抗し、もって、この衝撃力により車体が大きく変形することが防止されることとされる。
特開2003−118373号公報
ところで、上記した補強パネルを支持するための支持バーは、車体の前後方向で上記補強パネルの後端縁部と同じところに位置している。
このため、車両の前突時の衝撃力により、上記ドア開口の後部開口縁部に対し上記ドアが大きく後方移動して、上記補強パネルの後端部が上記後部パネルを介し上記後部開口縁部の一部分に圧接するとき、これと同時に、上記支持バーも上記後部パネルを介し上記後部開口縁部の他部分に圧接する。よって、上記衝撃力は上記後部開口縁部の一部分と他部分とに分散されることから、これら両部分のうち、上記一部分に対する補強パネルの後端部の圧接力は弱められがちとなる。
この結果、上記衝撃力による補強パネルの後端部の圧接によって上記一部分に形成される凹部の深さが不十分となるおそれがある。そして、この場合には、上記凹部内に対する補強パネルの後端部の係合が弱められて、上記衝撃力によりドアはドア開口から車体の外側方に向かって離脱させられるおそれが生じ、これは、車体の変形を、より確実に防止する上で、好ましくない。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両の前突時の衝撃力により、車体からドアが離脱することをより確実に防止して、車体が大きくは変形しないようにすることであり、また、このような車体の変形の防止が簡単な構成で達成できるようにすることである。
請求項1の発明は、車体2の側壁6に形成されたドア開口17に対し車体2の外側方から嵌脱可能に内嵌されて、このドア開口17を閉じるドア18を設け、このドア18が、車体2の幅方向で互いに対面して互いに結合されるアウタ、インナパネル24,25を有して車体2の平面断面視で中空閉断面形状とされ、上記インナパネル25が、車体2の前後方向に延びるインナパネル本体28と、このインナパネル本体28の後端縁部から車体2の外側方に向かって延出する後部パネル29とを有し、上記ドア18内の内部空間31で車体2の前後方向に延びる補強パネル32を設けると共に、この補強パネル32の後端部から車体2の外側方に向かって延出し、その延出端部33aが上記後部パネル29に結合されて上記補強パネル32を支持する支持バー33を設けた車両のサイドドア装置において、
上記支持バー33の基部33bがわが上記後部パネル29から前方に離れて位置するよう上記支持バー33の長手方向の中途部に屈曲部33cを形成したことを特徴とする車両のサイドドア装置である。
請求項2の発明は、上記補強パネル32の後端部における一部分を後方に向かって突出させて第1突起32aを形成し、この第1突起32aの突出端部から車体2の外側方に向かって上記支持バー33が延出するようにし、
上記補強パネル32の後端部における上記第1突起32aの上方および/もしくは下方近傍の他部分から後方に向かって突出する第2突起38を設け、上記後部開口縁部17bに対し上記ドア18が後方移動した状態(図4)から上記第1突起32aと第2突起38とのうち、少なくともいずれか一方の突起が車体2の外側方に向かうことを規制する規制材40を上記後部開口縁部17bに設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア装置である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、車体の側壁に形成されたドア開口に対し車体の外側方から嵌脱可能に内嵌されて、このドア開口を閉じるドアを設け、このドアが、車体の幅方向で互いに対面して互いに結合されるアウタ、インナパネルを有して車体の平面断面視で中空閉断面形状とされ、上記インナパネルが、車体の前後方向に延びるインナパネル本体と、このインナパネル本体の後端縁部から車体の外側方に向かって延出する後部パネルとを有し、上記ドア内の内部空間で車体の前後方向に延びる補強パネルを設けると共に、この補強パネルの後端部から車体の外側方に向かって延出し、その延出端部が上記後部パネルに結合されて上記補強パネルを支持する支持バーを設けた車両のサイドドア装置において、
上記支持バーの基部がわが上記後部パネルから前方に離れて位置するよう上記支持バーの長手方向の中途部に屈曲部を形成している。
このため、上記後部パネルと支持バーの基部との間には隙間が形成される。
ここで、車両の前突時の衝撃力により、上記ドア開口の後部開口縁部に対しドアが大きく後方移動したときには、上記補強パネルの後端部、および支持バーの基部がわはそれぞれ上記ドアの後部パネルを介し上記後部開口縁部に圧接し始めるが、この際、その圧接力に基づき上記支持バーの基部がわに生じる内部応力により、上記した隙間を利用して上記支持バーの屈曲部が円滑に伸延するよう変形する。これにより、上記補強パネルの後端部、および上記支持バーの基部がわからそれぞれ上記後部開口縁部に与えられる各圧接力のうち、上記のように伸延変形する上記支持バーの基部がわから上記後部開口縁部に与えられる圧接力は小さく抑制される。
よって、その分、上記補強パネルの後端部が上記ドアの後部パネルを介し上記後部開口縁部の一部分に圧接するときの圧接力は大きくなることから、この後部開口縁部の一部分には、後方に向かって所望深さに凹む凹部が形成される。そして、これによれば、上記凹部内に上記補強パネルの後端部が強固に係合した状態となって、ドアがドア開口から車体の外側方に向かって離脱することは、より確実に防止される。この結果、ドアはドア開口に内嵌された状態が強固に維持されて上記衝撃力に対抗し、もって、この衝撃力により車体が大きく変形することは、より確実に防止される。
また、上記した前突時の衝撃力による車体の変形の確実な防止という効果は、主に上記補強パネルを支持するための支持バーの形状を工夫することにより達成できることから、上記した前突時の車体の変形の防止という効果は簡単な構成によって達成できる。
請求項2の発明は、上記補強パネルの後端部における一部分を後方に向かって突出させて第1突起を形成し、この第1突起の突出端部から車体の外側方に向かって上記支持バーが延出するようにしている。
このため、前記したように、車両の前突時の衝撃力により、上記ドア開口の後部開口縁部に対しドアが大きく後方移動して、上記補強パネルの後端部、および上記支持バーの基部がわが上記ドアの後部パネルを介し上記後部開口縁部に圧接するときには、上記補強パネルの後端部の一部分から突出した上記第1突起の突出端部と、この突出端部から延出した上記支持バーの基部とが上記後部開口縁部における小さい面積の一部分に対し集中的に大きい圧接力を与えることとなる。よって、この後部開口縁部の上記一部分には、後方に向かって所望深さに凹む凹部が、より確実に形成される。この結果、前記したように、ドアはドア開口に内嵌された状態が更に強固に維持されて上記衝撃力に対抗する。
また、上記補強パネルの後端部における上記第1突起の上方および/もしくは下方近傍の他部分から後方に向かって突出する第2突起を設け、上記後部開口縁部に対し上記ドアが後方移動した状態から上記第1突起と第2突起とのうち、少なくともいずれか一方の突起が車体の外側方に向かうことを規制する規制材を上記後部開口縁部に設けている。
このため、第1に、上記第2突起によれば、上記補強パネルの後端部に形成された上記第1突起と同様の作用を生じる。
また、第2に、上記したように第1突起と第2突起とは、上下方向で互いに近傍に位置すると共に互いに並設されている。
このため、前突時の衝撃力により、上記ドア開口の後部開口縁部に対しドアが後方移動したとき、このドアが通常予想位置よりも上下方向に多少変位したとしても、この状態からドアが車体の外側方に向かって移動しようとするときには、これと共に移動する上記第1突起および/もしくは第2突起は、上記規制材によって、より確実にその移動が規制される。よって、ドアがドア開口から車体の外側方に向かって離脱することは更に確実に防止される。この結果、前記したように、ドアはドア開口に内嵌された状態が更に強固に維持されて上記衝撃力に対抗する。
また、上記したように、第1突起および/もしくは第2突起の移動の規制が上記規制材によって、より確実になされる分、この規制材の上下寸法を、ある程度短くして構成を簡単にすることができると共に、上記ドア開口の後部開口縁部に対する規制材の取り付けの上下方向の寸法精度は高精度でなくて足りる。よって、上記サイドドア装置は、前記したように前突時の車体の変形を、より確実に防止するものでありながら、その生産性を向上させることができる。
図2のI-I線矢視拡大断面図である。 車両の全体側面図である。 図1で示したものの部分斜視図である。 図1に相当する図で、作用を説明する図である。
本発明の車両のサイドドア装置に関し、車両の前突時の衝撃力により、車体からドアが離脱することをより確実に防止して、車体が大きくは変形しないようにすることであり、また、このような車体の変形の防止が簡単な構成で達成できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための形態は、次の如くである。
即ち、車両のサイドドア装置において、車体の側壁に形成されたドア開口に対し車体の外側方から嵌脱可能に内嵌されて、このドア開口を閉じるドアが設けられる。このドアは、車体の幅方向で互いに対面して互いに結合されるアウタ、インナパネルを有して車体の平面断面視で中空閉断面形状とされる。上記インナパネルは、車体の前後方向に延びるインナパネル本体と、このインナパネル本体の後端縁部から車体の外側方に向かって延出する後部パネルとを有している。上記ドア内の内部空間で車体の前後方向に延びる補強パネルが設けられると共に、この補強パネルの後端部から車体の外側方に向かって延出し、その延出端部が上記後部パネルに結合されて上記補強パネルを支持する支持バーが設けられる。上記支持バーの基部がわが上記後部パネルから前方に離れて位置するよう上記支持バーの長手方向の中途部に屈曲部が形成される。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1〜3において、符号1は、コンバーチブルカ―で例示される車両であり、矢印Frは、この車両1の進行方向の前方を示している。
車両1は、車体2と、この車体2に懸架され、この車体2を走行面3上に支持する前、後車輪4,5と、車体2の側壁6に設けられ、車体2内部の車室7の内外を連通可能とさせるサイドドア装置8とを備えている。
上記側壁6の下部(本体部)は板金製とされ、車体2の幅方向で互いに対面し、スポット溶接S1により互いに結合されるアウタ、インナパネル11,12を有し、中空閉断面形状とされる。また、上記側壁6の下部は、上記アウタ、インナパネル11,12で囲まれた内部空間13に設けられ、上記各パネル11,12を補強する補強材14を有している。
上記サイドドア装置8は、上記側壁6に形成されるドア開口17と、このドア開口17に対し車体2の外側方から嵌脱可能に内嵌されて、このドア開口17を開閉可能に閉じるサイドドア18と、このドア18の後部がわが車体2の外側方に向かって往、復回動可能となるよう上記ドア18の前端部をドア開口17の前部開口縁部17aに枢支させる上、下枢支具19,19と、上記ドア開口17にドア18が内嵌されてこのドア18により上記ドア開口17が閉じられたとき、上記ドア18の後端部を上記ドア開口17の後部開口縁部17bに解除可能に係止する係止具20とを有している。
上記ドア18は、その下部を構成する板金製のドア本体23を有している。このドア本体23は、車体2の幅方向で互いに対面し、かつ、互いに結合されるアウタ、インナパネル24,25を有し、車体2の少なくとも平面断面視で、中空閉断面形状とされる。
上記インナパネル25は、車体2の前後方向に延びるインナパネル本体28と、このインナパネル本体28の前端縁部から車体2の外側方に向かって一体的に延出し、その延出端縁部が上記アウタパネル24の前端縁部に結合される不図示の前部パネルと、上記インナパネル本体28の後端縁部から車体2の外側方に向かって一体的に延出し、その延出端縁部が上記アウタパネル24の後端縁部に結合される後部パネル29とを有している。
上記ドア本体23のアウタ、インナパネル24,25で囲まれた内部空間31内で、上記インナパネル本体28の内面に沿って車体2の前後方向に延びる板金製の補強パネル32が設けられる。この補強パネル32の後端部における一部分は後方に向かって一体的に突出させられ、これにより第1突起32aが形成される。また、上記補強パネル32を上記インナパネル25の後部パネル29に支持させる板金製の支持バー33が設けられる。この支持バー33は、上記補強パネル32の後端部における上記第1突起32aの突出端部から車体2の外側方に向かって一体的に延出し、その延出端部33aは上記インナパネル25の後部パネル29にスポット溶接S2により結合される。
上記支持バー33の基部33bがわが上記後部パネル29から前方に離れて位置するよう上記支持バー33の長手方向の中途部にクランク形状の屈曲部33cが形成される。これにより、上記後部パネル29と、上記補強パネル32の後端部および支持バー33の基部33bがわとの間に隙間34が形成される。なお、上記支持バー33は上記補強パネル32とは別体に設けてもよい。
上記支持バー33の上方近傍における上記インナパネル25の後部パネル29の部分には開口35が形成される。この開口35は、上記側壁6に形成されたドア開口17の後部開口縁部17bとドア18の後端面との間をシールするようこのドア18に取り付けられる不図示のシール材の端部を係止するためや、上記ドア本体23の外部から内部空間31内に対する何らかの作業をするために形成されたものである。そして、上記支持バー33は、上記開口35の下部開口縁部を補強する補強材に兼用される。
上記補強パネル32の後端部における上記第1突起32aの下方近傍の他部分から後方に向かって突出する板金製の第2突起38が設けられる。具体的には、この第2突起38は、上記補強パネル32よりも厚肉で、上記補強パネル32の後端部における上記他部分に溶接により結合され、後方に向かっての先細形状とされる。また、上記第2突起38の突出端部(後端部)は、車体2の前後方向で、上記隙間34の中途部に配置される。
なお、上記第2突起38の突出端部は、上記後部パネル29に当接させてもよい。また、上記第2突起38は上記補強パネル32の後端部に一体的に形成してもよい。また、上記第2突起38は、上記補強パネル32の後端部における上記第1突起32aの上方近傍の他部分から後方に向かって突出するようにしてもよく、上記第1突起32aの上方および下方近傍のそれぞれ他部分から後方に向かって突出するようにしてもよい。
上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対し上記ドア18が後方移動した状態(後述する図4)から、上記第1突起32aと第2突起38とのうち、少なくともいずれか一方の突起が車体2の外側方に向かうことを規制する規制材40が上記後部開口縁部17bに設けられる。上記規制材40は板金製で、この規制材40の基板40aは、車体2の幅方向に延びて上記側壁6の内部空間13における上記補強材14の前面板に溶接により結合される。また、上記規制材40の規制材本体40bは、上記規制材40の基板40aの車体2の外側方の端部に一体的に形成され、平面視(図1)で、前方に向かって突出する円弧凸形状板とされる。この規制材本体40bの円弧突出面は、上記ドア開口17の後部開口縁部17bにおけるアウタパネル11の内面の後方近傍に配置される。
そして、上記規制材40は全体的に上記第2突起38の突出端部と同じ高さに配置される。また、上記規制材40の基板40aは上記第2突起38の突出端部の後方に配置され、上記規制材40の規制材本体40bは、上記第1突起32aを含む補強パネル32の後端部、支持バー33の基部33b、および上記第2突起38よりも車体2の外側方に配置される。
上記構成によれば、上記支持バー33の基部33bがわが上記後部パネル29から前方に離れて位置するよう上記支持バー33の長手方向の中途部に屈曲部33cを形成している。
このため、上記後部パネル29と支持バー33の基部33bとの間には隙間34が形成される。
ここで、図4を参照して、車両1の前突時の作用につき説明する。
即ち、車両1の前突時の衝撃力Fにより、上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対しドア18が大きく後方移動したときには、上記第1突起32aを含む補強パネル32の後端部、支持バー33の基部33bがわ、および第2突起38の突出端部はそれぞれ上記ドア18の後部パネル29や上記規制材40の基板40aを介し上記後部開口縁部17bに圧接し始めるが、この際、その圧接力に基づき上記支持バー33の基部33bがわに生じる内部応力により、上記した隙間34を利用して上記支持バー33の屈曲部33cが円滑に伸延するよう変形する。これにより、上記補強パネル32の後端部、上記支持バー33の基部33bがわ、および上記第2突起38からそれぞれ上記後部開口縁部17bに与えられる各圧接力のうち、上記のように伸延変形する上記支持バー33の基部33bがわから上記後部開口縁部17bに与えられる圧接力は小さく抑制される。
よって、その分、上記補強パネル32の後端部、および/もしくは第2突起38の突出端部が上記ドア18の後部パネル29を介し上記後部開口縁部17bの一部分に圧接するときの圧接力は大きくなることから、この後部開口縁部17bの一部分には、後方に向かって所望深さに凹む凹部43が形成される。
すると、上記凹部43内に上記補強パネル32の後端部、および/もしくは上記第2突起38の突出端部が強固に係合した状態となり、これにより、ドア18がドア開口17から車体2の外側方に向かって離脱することは、より確実に防止される。この結果、ドア18はドア開口17に内嵌された状態が強固に維持されて上記衝撃力Fに対抗し、もって、この衝撃力Fにより車体2が大きく変形することは、より確実に防止される。
また、上記した前突時の衝撃力Fによる車体2の変形の確実な防止という効果は、主に、上記補強パネル32を支持するための支持バー33の形状を工夫することにより達成できることから、上記した前突時の車体2の変形の防止という効果は簡単な構成によって達成できる。
また、前記したように、補強パネル32の後端部における一部分を後方に向かって突出させて第1突起32aを形成し、この第1突起32aの突出端部から車体2の外側方に向かって上記支持バー33が延出するようにしている。
このため、前記したように、車両1の前突時の衝撃力Fにより、上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対しドア18が大きく後方移動して(図4)、上記補強パネル32の後端部、および上記支持バー33の基部33bがわが上記ドア18の後部パネル29や上記規制材40の基板40aを介し上記後部開口縁部17bに圧接するときには、上記補強パネル32の後端部の一部分から突出した上記第1突起32aの突出端部と、この突出端部から延出した上記支持バー33の基部33bとが上記後部開口縁部17bにおける小さい面積の一部分に対し集中的に大きい圧接力を与えることとなる。よって、この後部開口縁部17bの上記一部分には、後方に向かって所望深さに凹む凹部43が、より確実に形成される。この結果、前記したように、ドア18はドア開口17に内嵌された状態が更に強固に維持されて上記衝撃力Fに対抗する。
また、前記したように、補強パネル32の後端部における上記第1突起32aの上方および/もしくは下方近傍の他部分から後方に向かって突出する第2突起38を設け、上記後部開口縁部17bに対し上記ドア18が後方移動した状態(図4)から上記第1突起32aと第2突起38とのうち、少なくともいずれか一方の突起が車体2の外側方に向かうことを規制する規制材40を上記後部開口縁部17bに設けている。
このため、第1に、上記第2突起38によれば、上記補強パネル32の後端部に形成された上記第1突起32aと同様の作用を生じる。
なお、図例では、上記第2突起38の突出端部は上記補強パネル32の第1突起32aの突出端部よりも後方に位置している。
このため、上記した前突時の衝撃力Fにより、上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対しドア18が大きく後方移動したときには、まず、上記第2突起38の突出端部が上記後部開口縁部17bに圧接し、次に、この圧接に少し遅れて、上記第1突起32aの突出端部が上記後部開口縁部17bに圧接する。よって、この後部開口縁部17bに対し上記第2突起38と第1突起32aとの各突出端部が同時に圧接する場合に比べ、上記第2突起38の突出端部が、まず、上記後部開口縁部17bに圧接するときの圧接力は、より大きくなり、この結果、この後部開口縁部17bには、後方に向かって所望深さに凹む凹部43がより確実に形成される。
また、第2に、上記したように第1突起32aと第2突起38とは、上下方向で互いに近傍に位置すると共に互いに並設されている。
このため、前突時の衝撃力Fにより、上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対しドア18が後方移動したとき(図4)、このドア18が、この状態から車体2の外側方に向かって移動しようとするときには、通常、これと共に移動する上記第2突起38が上記規制材40の規制材本体40bによって、その移動が規制される。
なお、上記したようにドア18が後方移動したとき、このドア18が通常予想位置よりも上下方向に多少変位したとしても、この状態からドア18が車体2の外側方に向かって移動しようとするときには、これと共に移動する上記第1突起32aおよび/もしくは第2突起38が、上記規制材40の規制材本体40bによって、より確実にその移動が規制される。
よって、ドア18がドア開口17から車体2の外側方に向かって離脱することは更に確実に防止される。この結果、前記したように、ドア18はドア開口17に内嵌された状態が更に強固に維持されて上記衝撃力Fに対抗する。
また、上記したように、第1突起32aおよび/もしくは第2突起38の移動の規制が上記規制材40によって、より確実になされる分、この規制材40の上下寸法を、ある程度短くして構成を簡単にすることができると共に、上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対する規制材40の取り付けの上下方向の寸法精度は高精度でなくて足りる。よって、上記サイドドア装置8は、前記したように前突時の車体2の変形を、より確実に防止するものでありながら、その生産性を向上させることができる。
なお、図例では、上記規制材40は、その規制材本体40bを、前方に向かって突出する円弧凸形状のものとしたが、前突時の衝撃力Fにより、上記ドア開口17の後部開口縁部17bに対しドア18が大きく後方移動したとき、このドア18の補強パネル32の後端部や第2突起38の突出端部を内嵌可能とさせるよう上記後部開口縁部17bに形成される凹部や開口であってもよい。
また、上記したように前突時にドア開口17の後部開口縁部17bとドア18とが互いに関連する構成を、ドア開口17の前部開口縁部17aとドア18とが互いに関連する部分に適用し、上記前部開口縁部17aに上記規制材40と同構成の他の規制材40´を設けるようにしてもよい。
1 車両
2 車体
6 側壁
7 車室
8 サイドドア装置
17 ドア開口
17a 前部開口縁部
17b 後部開口縁部
18 ドア
23 ドア本体
24 アウタパネル
25 インナパネル
28 インナパネル本体
29 後部パネル
31 内部空間
32 補強パネル
32a 第1突起
33 支持バー
33a 延出端部
33b 基部
33c 屈曲部
34 隙間
38 第2突起
40 規制材
40a 基板
40b 規制材本体
43 凹部
F 衝撃力
S スポット溶接

Claims (2)

  1. 車体の側壁に形成されたドア開口に対し車体の外側方から嵌脱可能に内嵌されて、このドア開口を閉じるドアを設け、このドアが、車体の幅方向で互いに対面して互いに結合されるアウタ、インナパネルを有して車体の平面断面視で中空閉断面形状とされ、上記インナパネルが、車体の前後方向に延びるインナパネル本体と、このインナパネル本体の後端縁部から車体の外側方に向かって延出する後部パネルとを有し、上記ドア内の内部空間で車体の前後方向に延びる補強パネルを設けると共に、この補強パネルの後端部から車体の外側方に向かって延出し、その延出端部が上記後部パネルに結合されて上記補強パネルを支持する支持バーを設けた車両のサイドドア装置において、
    上記支持バーの基部がわが上記後部パネルから前方に離れて位置するよう上記支持バーの長手方向の中途部に屈曲部を形成したことを特徴とする車両のサイドドア装置。
  2. 上記補強パネルの後端部における一部分を後方に向かって突出させて第1突起を形成し、この第1突起の突出端部から車体の外側方に向かって上記支持バーが延出するようにし、
    上記補強パネルの後端部における上記第1突起の上方および/もしくは下方近傍の他部分から後方に向かって突出する第2突起を設け、上記後部開口縁部に対し上記ドアが後方移動した状態から上記第1突起と第2突起とのうち、少なくともいずれか一方の突起が車体の外側方に向かうことを規制する規制材を上記後部開口縁部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア装置。
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