JP2015085522A - 吸着シートおよびその製造方法 - Google Patents

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木山 幸大
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明久 中川
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Abstract

【課題】ガス状有機化学物質だけでなく、液状化学物質に対しても透過抑制能を有し、柔軟性、通気性に優れ、生産性に優れる吸着シートを提供する。【解決手段】保護層5、ガス吸着層4およびガス吸着層補強層3を前記順で積層した中間体シートに、さらに液遮断層1を中間体シートのガス吸着層補強層側に接着により積層した、少なくとも4層以上からなる吸着シートであって、ガス吸着層補強層の質量が10g/m2以上30g/m2以下である吸着シート。【選択図】図1

Description

本発明は、有害化学物質の取り扱いの際に使用する吸着シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、有機リン系化合物等の如く皮膚から吸収されて人体に悪影響を及ぼすガス状及び液状有機化学物質から作業者を有効に防護し得ると共に、柔軟性、通気性を有する吸着シートおよびその製造方法に関する。
有害化学物質などから人体を保護する吸着シートとしては、従来から種々提案されている。例えば、活性炭の脱落、飛散抑制のために、織物や不織布等により活性炭を挟みこむ、または包み込んだ吸着シートが提案されているが、積層方法等のそれらの製造方法について言及されているものはない。
特許文献1には、繊維状活性炭布の両面に保護層を積層し、キルティング加工した後に、水分散系のバインダー樹脂浴中に浸漬し、乾燥・固着処理を施すことにより、繊維状活性炭布にかかる機械的な力による繊維の破損あるいは粉末化から発生する活性炭粉塵の脱落、飛散を防止することを目的にした材料についての記載である。この材料については、製造方法等に関する詳細な記載はなく、生産性までを考慮したものではない。
特許文献2は、繊維状活性炭と保護層の積層方法を工夫することで耐液浸透性能を向上させた記載である。この材料についても生産性については、一切記載されておらず、繊維状活性炭と保護層とをキルティング加工することについては、粉塵の問題、皺入りの問題、材料破断の問題等により生産性が著しく低下することとなる。
特許文献3には、生物及び化学兵器のような生物有害物に対する防護のための織物シート状構造体が例示されており、支持層の間に活性炭繊維が具備されているが、詳細な積層方法や生産性まで考慮した製造方法に関する記載はない。
特許文献4には、ポリウレタンを含む透湿膜層およびガス吸着性物質を含む層(ガス吸着層)をそれぞれ少なくとも1層以上有する防護材料の例示があるが、他種の積層方法を採用しており、生産性を考慮した材料設計に関する記載はない。
特開2003−10679号公報 特開2011−42033号公報 特開2006−21535号公報 特開2007−181号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、ガス状及び液状有機化学物質に対して高い浸透抑制能を持ち、かつ柔軟性、通気性に優れ、さらには、ガス状有機化学物質を防護する層(ガス吸着層)と液状有機化学物質を防護する層(液遮断層)間の剥離強度に優れ、また、製造時の接着加工に使用する接着剤種を選ばず、吸着シートの粉塵等を抑制することで効率的に製造できる吸着シートおよび製造方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.保護層、ガス吸着層およびガス吸着層補強層を前記順で積層した中間体シートに、さらに液遮断層を中間体シートのガス吸着層補強層側に接着により積層した、少なくとも4層以上からなる吸着シートであって、ガス吸着層補強層の質量が10g/m以上30g/m以下である吸着シート。
2.ガス吸着層の形態が織物状、編物状、不織布状、フェルト状の何れかの形態である上記1に記載の吸着シート。
3.上記1または2に記載の吸着シートを用いた防護材料。
4.上記3に記載の防護材料を用いた防護衣服。
5.保護層、ガス吸着層および質量が10g/m以上30g/m以下であるガス吸着層補強層を前記順で積層一体化した後、ガス吸着層補強層側にさらに液遮断層を接着により積層する吸着シートの製造方法。
本発明による吸着シートは、保護層、ガス吸着層およびガス吸着層補強層を前記順で積層一体化した後、ガス吸着層補強層側にさらに液遮断層を接着により積層した、少なくとも4層以上からなる吸着シートである。本発明の吸着シートは、ガス吸着層補強層を設けガス吸着層を保護することで、ガス状有機化学物質はもとより、液状の有機化学物質に対しても高い浸透抑制能を有し、さらには、生産性を著しく向上させた吸着シートを提供することが可能となる。
本発明の吸着シートを示す斜視図である。 耐ガス浸透性試験方法を示した概略図である。 耐液浸透性試験方法を示した概略図である。 実施例の液遮断層に使用したパイル布の組織図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の吸着シートのガス吸着層に使用する吸着材としては、活性炭やカーボンブラックなどの炭素系吸着材、あるいは、シリカゲル、ゼオライト系吸着材、炭化ケイ素、活性アルミナなどの無機系吸着材から対象とする被吸着物質に応じ適宜選定することができる。中でも広範囲な種類のガスに対応できる活性炭は好ましく、特に吸着速度や吸着容量が大きく少量の使用で効果的なガス透過抑制能が得られること、衣服材料とする場合の取り扱い性等から繊維状活性炭がより好ましい。ガス吸着層の形状としては、織物、編物、不織布等のシート状が好ましい。
ここでいうガスとは炭素元素を1つ以上持つガス状化合物のことである。50以上の比較的大きな分子量をもち、活性炭等のガス吸着層が吸着可能なガス状化学物質である。一例を挙げると、農薬、殺虫剤、除草剤に使用される有機リン系化合物や塗装作業などに使用されるトルエン、塩化メチレン、クロロホルムなどの一般的な有機溶剤があげられる。
前記繊維状活性炭のBET比表面積としては700m/g以上3000m/g以下が好ましく、少量の使用で十分なガス透過抑制能を得るためには、1000m/g以上2500m/g以下がより好ましい。BET比表面積が700m/g未満であると十分な防護性を得るために多くの活性炭が必要となり材料が重くなり、柔軟性が劣ることが懸念される。一方、3000m/gを超えると吸着したガス状有機化学物質を脱離する問題が起こる場合がある。
ガス吸着層に使用する繊維状活性炭の質量としては10g/m以上300g/m以下が好ましく、20g/m以上200g/m以下であることがより好ましい。10g/m未満であると、吸着できるガス容量が少なくなり使用時間が制限される。一方300g/mを超えると吸着シートの柔軟性が劣ることが懸念される。
少量の吸着材の使用で効果的なガス透過抑制能を得るために、繊維状の活性炭を使用する方法は有効な手段である。使用する繊維状活性炭の原料としては、綿、麻といった天然セルロース繊維の他、レーヨン、ポリノジック、溶剤紡糸法によるといった再生セルロース繊維、さらにはポリビニルアルコール繊維、アクリル系繊維、芳香族ポリアミド繊維、リグニン繊維、フェノール系繊維、石油ピッチ繊維等の合成繊維が挙げられるが、得られる繊維状活性炭の物性(強度等)や吸着性能から、再生セルロース繊維、フェノール系繊維、アクリル系繊維が好ましい。これらの原料繊維の短繊維あるいは長繊維を用いて製織、製編、不織布化した布帛を必要に応じて適当な耐炎化剤を含有させた後、450℃以下の温度で耐炎化処理を施し、次いで500℃以上1000℃以下の温度で炭化賦活する公知の方法によって繊維状活性炭を製造することができる。
繊維状活性炭をシート化する方法としては、シート基材に繊維状活性炭をバインダーにより接着する方法、あるいは繊維状活性炭を適当なパルプおよびバインダーを含めスラリー状とし、湿式抄紙機により抄造する方法、あるいは繊維状活性炭の原料繊維をあらかじめ製織、製編、不織布化し、必要に応じて耐炎化処理したのち炭化・賦活する公知の方法により繊維状活性炭シートを得ることができる。
繊維状活性炭の形態としては、織物状、編物状、不織布状、フェルト状等が挙げられるが、通気性、積層の容易性、柔軟性などの面から、織物状または編物状であることが好ましい。
本発明の吸着シートの保護層としては、織物、編物、不織布、多孔、開孔フィルムまたはこれらの複合材料等が挙げられるが、使用目的に応じて適宜選定することが可能である。保護層の目的は、外部から与えられる機械的な力からガス吸着層を保護すること、またガス吸着層の機械的強度を補うこと、活性炭をガス吸着層に使用した際に生じる粉塵を抑制することである。
本発明の吸着シートのガス吸着層補強層としては、織物、編物、不織布、多孔、開孔フィルム、これらの複合材料等が挙げられるが、使用目的に応じて適宜選定することが可能である。ガス吸着層補強層の目的は、ガス吸着層の機械的強度を補うこと、活性炭をガス吸着層の使用した際に生じる粉塵を抑制し、生産性を向上させることである。そのため、質量が小さく、強度的にも優れ、さらには経方向への伸度が比較的低い、スパンボンド不織布等を使用することが好ましい。ガス吸着層補強層の質量は、キルティング加工時の皺入り抑制や生地の搬送性を考慮すると、10g/m以上30g/m以下である。また、ガス吸着層保護層の引張強さは経、緯方向ともに10N/5cm以上、伸び率は経、緯方向ともに20%以上50%以下であることが好ましい。
ガス吸着層、保護層およびガス吸着層補強層の積層手段としては、粉体、流体あるいは不織布状ホットメルト等の接着剤による貼り合わせ、全層をキルティング加工により積層、または接着剤とキルティング加工を併用する方法が挙げられる。本発明では、柔軟性、通気性及び生産性を考慮し、ガス吸着層、保護層およびガス吸着層補強層をキルティングにより積層し、中間体シートとして生産する方式が好ましい。一方、全層を接着剤によりラミネート加工した場合には、柔軟性および通気性が低下すること、接着剤による吸着材の細孔閉塞が懸念される。
ガス吸着層、保護層およびガス吸着層補強層のキルティング加工に使用するミシン糸は、ポリエステル、ナイロン、綿等であり、特に限定されるものでないが、液に対する防護性を考慮すると、撥油性ミシン糸を使用することが好ましい。
ガス吸着層、保護層およびガス吸着層補強層をあらかじめキルティング加工した中間体シートへ、液浸透性能を発現させるため、液遮断層をガス吸着層補強層側に配置する。液遮断層については、織物、編物、不織布、多孔、開孔フィルム、これらの複合材料等が挙げられ、使用目的に応じて適宜選定することが可能であるが、質量面、取り扱い面からすると、不織布や柔軟性の高い編物が好適である。
本発明の吸着シートの液遮断層については、質量が50g/m以上150g/mの織物、編物、不織布、あるいはこれらの複合体であることが好ましい。また、液状化学物質に対する防護性をより向上させるために、積層加工を行う前にあらかじめはっ水はつ油加工を施した材料を使用し積層を行う、もしくは、後加工により積層後の吸着シートへはっ水はつ油加工を施すことで、所望とする防護性能のさらなる向上が可能となる。液遮断層におけるはっ水性能が2級以上、はつ油度が2級以上であることが好ましい。
ガス吸着層、保護層およびガス吸着層補強層をあらかじめキルティング加工した中間体シートへの液遮断層の積層については、接着剤による接着が必要である。液遮断層を含む4層をキルティング加工すると、液遮断層のキルティング目からの液浸透性低下の懸念があるからである。接着に使用する接着剤に関しては、ガス吸着層補強層を配置することで、吸着材への接着による細孔閉塞等の問題もなくなり、特に接着剤種を選択する必要がなくなる。中でも好適に用いられる接着剤については、無溶剤で加熱溶融型の接着剤が好ましいものである。また、低融点の共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等から成る低目付の不織布状の熱融着性繊維を接着剤として使用し接着することも好ましい。フィルム状の接着剤も有るが、通気性、吸着性能の低下を招来する可能性がある。
中間体シートのガス吸着層補強層と液遮断層との接着方法については特に限定されないが、柔軟性、通気性等を考慮すると、非全面のドット状、格子状、スパイラル状、棒状、スプレー状に接着剤を均一塗布し接着する方法が望ましい。
接着剤の塗工量としては、5g/m以上20g/m以下であることが好ましい。5g/m未満であると、接着強度の低下の問題が生じる。一方、20g/mを超えると吸着シートの柔軟性と通気性が低下する原因となる場合がある。
ガス吸着層補強層と液遮断層との接着剤を介した接着界面でのはく離強さは、材料の長さ方向と幅方向の両方において0.4N以上であることが好ましく、0.5N以上であることがより好ましい。0.4N未満では、液遮断層の剥離が生じ、液遮断機能が発現しなくなる問題が発生する場合がある。本発明の吸着シートは、ガス吸着層補強層を配置することにより、液遮断層との界面剥離強さも向上し、使用耐久性も向上するものとなる点に特徴があるものである。
ガス吸着層、保護層、ガス吸着層補強層および液遮断層からなる吸着シートの質量としては、500g/m以下が好ましく、450g/m以下がより好ましい。吸着シートの質量が、上記範囲を越えると、重量が重く柔軟性に乏しい材料となりやすい。質量の下限は、特に限定されないが、現実的には、50g/mである。
ガス吸着層、保護層、ガス吸着層補強層および液遮断層からなる吸着シートの厚みとしては、5.0mm以下が好ましく、4.0mm以下がより好ましい。吸着シートの厚みが5.0mmを超えるとごわつきが大きくなり吸着シートの柔軟性や加工性が悪くなる。
ガス吸着層、保護層、ガス吸着層補強層および液遮断層からなる吸着シートの柔軟性の指標となる剛軟性は、材料の長さ方向、幅方向共に0.08N・cm以下であることが好ましく、0.07N・cm以下であることがより好ましい。吸着シートの剛軟性が0.08N・cmを超えると材料が堅くなり、吸着シートとしての加工が困難になる。
ガス吸着層、保護層、ガス吸着層補強層および液遮断層からなる吸着シートの通気性としては、10cm/cm・s以上300cm/cm・s以下であることが好ましく、20cm/cm・s以上250cm/cm・s以下であることがより好ましい。吸着シートの通気性が10cm/cm・s未満では通気性が劣り、300cm/cm・sを超えると接着が不充分な材料となり、剥離の問題が生じることがあり好ましくない。
ガス吸着層、保護層、ガス吸着層補強層および液遮断層からなる吸着シートのトルエン吸着性能としては、20g/m以上であることが好ましく、25g/m以上であることがより好ましい。吸着シートのトルエン吸着性能が20g/m未満となると吸着性が劣りガスに対する防護性が劣る結果となる。
ガス吸着層、保護層、ガス吸着層補強層および液遮断層の積層数は、それぞれ少なくとも1層以上必要であるが、機械的強度の向上や生産性を向上させるときなどは、それぞれ必要枚数重ね合わせて適宜使用することは有効な手段である。
さらには、吸着シートの液状化学物質に対する防護性をより向上させるために、積層加工を行う前の吸着シートを構成する各層の少なくとも1層以上へ予めはっ水はつ油加工を施した材料を使用し積層を行う、もしくは、後加工により積層後の吸着シートへはっ水はつ油加工を施すことで、所望とする防護性能のさらなる向上が可能となる。はっ水はつ油加工処方としては公知のいかなる方法でも構わなく、特に限定されるものでない。吸着シートを構成する材料の内、少なくとも1層のJIS L1092(2009)に記載の7.2スプレー試験を実施した場合のはっ水度が2級以上、AATCC Test Method 118によるはつ油性が2以上であることが好ましい。
吸着シートの液遮断層側に外層付加層を設けてもよい。外層付加層の目的としては、外部から与えられる機械的な力から吸着シートを保護し、機械的強度を補うこと、さらなる液状化学物質に対する耐液性能を向上させることであり、はっ水性とはつ油性が付与されている織物、編物、または不織布などが好ましい。外層付加層としては、JIS L1092(2009)に記載の7.2スプレー試験を実施した場合のはっ水度が2級以上、AATCC Test Method 118によるはつ油性が2以上である織物、編物、または不織布などが好適に用いることができるが、柔軟性を考慮したものの使用が推奨される。
吸着シートと外層付加層とは、予め接着剤により接着されている形態でもよいし、柔軟性を考慮し、接着せずに重ね合わせた状態で縫製加工し、衣服を作製してもよい。
次に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例に記載の評価は以下に記す方法による。
(耐ガス浸透性試験)
試験に用いる容器図を図2に示す。内容積350ccの2つのガラスセルで試験品を挟み込み、周囲をパラフィンにより密閉する。この試験容器の上方セルから酢酸3メトキシブチルを20μL、外層布付加層と吸着シートを重ね合わせ、その外層付加層の上に滴下する。これを25±2℃に設定した恒温ボックスに入れ、下方セル側のガス濃度を一定時間ごとにサンプリングし、ガスクロマトグラフィにより試験品を透過したガス濃度を測定する。
(耐液浸透性試験)
試験の概略図を3に示す。ガラスプレート上に濾紙を置き、さらにその上へ、吸着シート、外層布付加層の順に重ね置き、液状化学物質(赤色染料を溶解したサリチル酸メチル)10μLを外層付加層へ滴下した。その後、底面積1cmの錘を所定荷重1kgf/cmで加圧し、所定時間毎の濾紙の着色により液の浸透を判定した。
(質量)
JIS L1096(2010) 8.3.2による。
(はく離強さ)
JIS L1085(1998) 6.13に準拠し、ガス吸着層補強層と液遮断層とのはく離強さを測定した。
(ガス平衡吸着量)
JIS K1477(2007) 7.8に準拠した。
(はっ水度)
JIS L1092(2009)に記載の7.2スプレー試験に準拠した。
(はつ油性)
AATCC Test Method 118に準拠した。
(通気性)
JIS L1096(2010) 8.26による。
(剛軟性)
JIS L1096(2010) 8.2.2スライド法に準拠した。
(生産性)
上糸にポリエステルフィラメント♯60−3、下糸にポリエステルスパン糸♯70を使用し、2inchピッチでダイヤ柄にキルティング加工を施した。そのキルティング加工における生産性については、以下の方法で評価した。キルティング加工布100mあたりの糸切れ回数(停台数)、経方向、緯方向、斜め方向それぞれ10cm以上の皺いり箇所数及び巻取り搬送ローラー部での活性炭繊維屑・粉塵量(個/10cm)を取得し、生産性を総合評価した。
ガス吸着層として編物状活性炭を以下の方法で作製した。単糸2.2デシテックス20番手のノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる質量220g/mの丸編物を410℃の不活性雰囲気中で30分間加熱し、次に880℃まで20分間、不活性雰囲気中で加熱し炭化を進行させ、次に水蒸気を12容量%含有する雰囲気中、890℃の温度で2時間賦活した。得られた編物状活性炭の質量は、125g/m、比表面積1400m/g、厚さ0.80mm、通気性は水位計1.27cmの圧力差で200cm/cm・s、トルエンガス平衡吸着量は53g/mであった。
編物状活性炭の保護層としてトリコット編地を以下の方法で作製した。28ゲージ2枚筬トリコット機により、フロント筬にポリエステルフィラメント(82.5dtex、36フィラメント)を、またバック筬にポリエステルフィラメント(22dtex、モノフィラメント)を各々セットして、フロント1−2/1−0、バック1−0/2−3の組織で経編地を編成後、定法により精練し、さらに分散染料により染色した。このようにして得られた編地は、厚さ0.28mm、質量40g/m、通気性は水位計1.27cmの圧力差で500cm/cm・sであった。
ガス吸着層補強層については、スパンボンド不織布(東洋紡株式会社製:エクーレ品番3121A、3151A、3301A)を使用した。この不織布についてはそれぞれ、質量12、15、30g/m、通気性は、水位計1.27cmの圧力差でそれぞれ、436、389、313cm/cm・sであった。
液遮断層については、22ゲージ6枚筬ダブルラッセル機により、地糸としてポリエステルフィラメント糸(56dtex、24フィラメント)を、またパイル糸としてナイロンフィラメント(178dtex、モノフィラメント)をそれぞれ供給し、図4の組織及び糸配列で経編地を編成後、半裁しカットパイルとした。該編地のパイル先端部を熱溶融し球状物を形成した後、フッ素撥水・撥油加工剤処理を施し、樹脂固形分で2.0重量%付着させた。このようにして得られた編地は、無加圧時(7gf/cm)厚み1.30mm、加圧時(1kgf/cm)厚み0.73mm、目付166g/m、見掛比重0.13、剛軟度0.008N・cmで、通気性は水位計1.27cmの圧力差で400cm/cm・s、はっ水度は4級、はつ油性は6であった。
前記編物状活性炭をガス吸着層と、保護層(トリコット編地)、およびガス吸着層補強層(不織布)を用い、以下に示す積層方法にて中間体シートを作製し、その上で中間体シートのガス吸着層保護層側に液遮断層を積層した。
<実施例1>
前記編物状活性炭の両側に保護層およびガス吸着層補強層である12g/mのスパンボンド不織布を重ね合わせた後、2inchピッチでダイヤ柄にキルティング縫合し、3層構造の中間体シートを得た。その後、15g/mの通気性不織布状ホットメルト(呉羽テック株式会社製)をガス吸着層補強層の上に重ね、液遮断層とラミネートし、吸着シートとした。
その後、はっ水剤(明成化学工業株式会社製アサヒガード(登録商標)AG7105)の加工浴に吸着シートを浸漬して、それをパッド乾燥後、170℃で固着処理を施した。得られた吸着シートの耐ガス浸透性試験結果、耐液浸透性試験結果、ガス吸着層補強層と液遮断層間でのはく離強さおよび生産性の評価結果を表1〜4に示す。
<実施例2>
ガス吸着層補強層として15g/mのスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様とし、吸着シートを得た。得られた吸着シートの耐ガス浸透性試験結果、耐液浸透性試験結果、ガス吸着層補強層と液遮断層間でのはく離強さおよび生産性の評価結果を表1〜4に示す。
<実施例3>
ガス吸着層補強層として30g/mのスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様とし、吸着シートを得た。得られた吸着シートの耐ガス浸透性試験結果、耐液浸透性試験結果、ガス吸着層補強層と液遮断層間でのはく離強さおよび生産性の評価結果を表1〜4に示す。
<比較例1>
前記編物状活性炭の一方に保護層を、もう一方にガス吸着層補強層および液遮断層を液遮断層が外側にくるように重ね合わせた後、2inchピッチでダイヤ柄にキルティング縫合し、4層構造の吸着シートを得た。その後、3wt%のフッ素系はっ水剤(明成化学工業株式会社製アサヒガードAG7105)の加工浴に吸着シートを浸漬して、それをパッド乾燥後、170℃で固着処理を施した。得られた吸着シートの耐ガス浸透性試験結果、耐液浸透性試験結果および生産性の評価結果を表1〜4に示す。
<比較例2>
ガス吸着層補強層に8g/mのスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様とし、吸着シートを得た。得られた吸着シートの耐ガス浸透性試験結果、耐液浸透性試験結果、ガス吸着補強層と液遮断層間でのはく離強さ度および生産性の評価結果を表1〜4に示す。
<比較例3>
ガス吸着層補強層に40g/mのスパンボンド不織布を使用した以外は、実施例1と同様とし、吸着シートを得た。得られた吸着シートの耐ガス浸透性試験結果、耐液浸透性試験結果、ガス吸着補強層と液遮断層間でのはく離強さ度および生産性の評価結果を表1〜4に示す。
実施例1〜3は、耐ガス浸透性、耐液浸透性、ガス吸着補強層と液遮断層間でのはく離強さおよび生産性に優れる好適な吸着シートであるのに対し、比較例1は、耐液浸透性能が劣る結果であり、比較例2および3は、生産性が低い結果であり、比較例の吸着シートは、実施例の吸着シートよりも劣る結果であった。
本発明の吸着シートには、ガス状有機化学物質だけでなく、液状の有機化学物質に対しての透過抑制能を維持しながら、効率的に吸着シートを生産できるものであり、シェルター、衣服、手袋、靴下、靴、ヘルメット、カバー等に使用される吸着シートであり、産業界に寄与することが大である。
1:液遮断層
2:接着剤層
3:ガス吸着層補強層
4:ガス吸着層
5:保護層
6:キルティング糸
7:上方セル(150cc)
8:サンプリング口
9:試験液
10:試験品
11:パラフィンシーリング
12:下方セル(150cc)
13:おもり(1kg/cm
14:試験液
15:試験品
16:濾紙
17:スライドガラス

Claims (5)

  1. 保護層、ガス吸着層およびガス吸着層補強層を前記順で積層した中間体シートに、さらに液遮断層を中間体シートのガス吸着層補強層側に接着により積層した、少なくとも4層以上からなる吸着シートであって、ガス吸着層補強層の質量が10g/m以上30g/m以下である吸着シート。
  2. ガス吸着層の形態が織物状、編物状、不織布状、フェルト状の何れかの形態である請求項1に記載の吸着シート。
  3. 請求項1または2に記載の吸着シートを用いた防護材料。
  4. 請求項3に記載の防護材料を用いた防護衣服。
  5. 保護層、ガス吸着層および質量が10g/m以上30g/m以下であるガス吸着層補強層を前記順で積層一体化した後、ガス吸着層補強層側にさらに液遮断層を接着により積層する吸着シートの製造方法。
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