JP2015085511A - エンドトキシンフリー樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

エンドトキシンフリー樹脂フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬品等の包材として充分に許容されるレベルでエンドトキシンが不活化されたエンドトキシンフリー樹脂フィルム、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】1種またはそれ以上の原料樹脂を加熱溶融し、得られた溶融樹脂を円筒状に押出製膜または共押出製膜するインフレーション法により製造されるエンドトキシンフリー樹脂フィルムにおいて、前記原料樹脂の加熱溶融工程で、溶融樹脂を、260℃以上に0.5秒以上加熱し、その後、押出温度に冷ましてから押出製膜して得られることを特徴とする、上記エンドトキシンフリー樹脂フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンドトキシンフリー樹脂フィルム及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、エンドトキシンの汚染に影響を受ける包材、例えば、医療用機器、医薬品、検出・実験用の機器等の包材や容器に好適に使用されるエンドトキシンフリー樹脂フィルム、及びその製造方法に関するものである。
エンドトキシン(リポ多糖)は、リピドAに糖鎖が結合した化学構造を有し、動物体内で発熱やショック等の種々の激しい免疫反応を引き起こす。そのため、エンドトキシンの混入については、注射針のような医療用機器、注射液等の医薬品、実験用機器はもちろんのこと、それらの包材においても、厳重な管理が求められている(非特許文献1参照)。
エンドトキシンを不活化させる手段の一つとしては、γ線または電子線照射が知られているが、その効果は弱く、医薬品等の包材として許容されるレベルでエンドトキシンを充分に不活化させることができない。また、γ線または電子線照射のために、特殊設備を設けなければならず、コストがかかる。さらに、これらの照射により、樹脂が劣化して臭気が発生するため、包材として使用するのに適さない。
別の不活化手段としては、250℃以上で30分以上の加熱による不活化が行われているが、包材の主成分となる樹脂は、250℃もの高温下では可塑化し、溶融または溶着してしまう。
したがって、このような樹脂からなるフィルムや包材においては、エンドトキシンフリーの水、酸、アルカリ等で洗浄することにより、エンドトキシンを除去する手段が採られている。しかしながら、洗浄溶液の準備、洗浄、その後の後処理(中和処理)、乾燥等の多くの作業が必要であり、作業の時間及び費用が膨大にかかるといった問題がある。
防菌防黴 Vol.39 No.1 (2011)
本発明は、上述の問題を解決し、医薬品等の包材として充分に許容されるレベルでエンドトキシンが不活化されたエンドトキシンフリー樹脂フィルム、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討の結果、1種またはそれ以上の原料樹脂を加熱溶融し、得られた溶融樹脂を円筒状に押出または共押出し、この円筒状の溶融樹脂内に冷媒を吹き入れて円筒状フィルムを製膜するインフレーション法により製造される、単層構成または多層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムにおいて、前記原料樹脂を加熱溶融する工程で、溶融樹脂を260℃以上に0.5秒以上加熱し、その後、押出温度に戻してから押出製膜して得られることを特徴とする、上記エンドトキシンフリー樹脂フィルム、及びその製造方法が、上記の目的を達成することを見出した。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)1種またはそれ以上の原料樹脂を加熱溶融し、得られた溶融樹脂を円筒状に押出または共押出し、この円筒状の溶融樹脂内に冷媒を吹き入れて円筒状フィルムを製膜するインフレーション法により製造される、単層構成または多層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムにおいて、前記原料樹脂を加熱溶融する工程で、溶融樹脂を260℃以上に0.5秒以上加熱し、その後、押出温度に戻してから押出製膜して得られることを特徴とする、上記エンドトキシンフリー樹脂フィルム。
(2)前記円筒状の溶融樹脂内に吹き入れる冷媒が、エンドトキシンを除去した冷媒であることを特徴とする、上記(1)に記載のエンドトキシンフリー樹脂フィルム。
(3)上記(1)または(2)に記載の多層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムであって、コア層と、該コア層の少なくとも一方の面に設けられた表面保護層とを共押出製膜して得られるフィルムであり、該フィルムの使用時に、該表面保護層はコア層から剥離されることを特徴とする、上記エンドトキシンフリー樹脂フィルム。
(4)製膜中に、円筒状フィルムの巾方向に熱シールまたは熱溶断することにより、製膜後の、円筒状フィルム内部のエンドトキシン汚染を防ぐことを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のエンドトキシンフリー樹脂フィルム。
(5)1種またはそれ以上の原料樹脂を加熱溶融し、得られた溶融樹脂を円筒状に押出または共押出し、この円筒状の溶融樹脂内に冷媒を吹き入れて円筒状フィルムを製膜するインフレーション法による、エンドトキシンフリー樹脂フィルムの製造方法において、前記原料樹脂を加熱溶融する工程で、溶融樹脂を260℃以上で0.5秒以上加熱し、その後、押出温度に戻してから押出製膜することを特徴とする、エンドトキシンフリー樹脂フィルムの製造方法。
本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムは、医薬品等の包材として許容される高いレベルで、エンドトキシンが充分に不活化されたものである。さらに、γ線照射のように臭気を発生させることもなく、また、加熱殺菌や洗浄等の手間のかかる作業を行うこともなく、生産性に優れる。
なお、本発明において、エンドトキシンフリーとは、法的または医学的に許容される範囲未満であって、実質的にエンドトキシンを含有しないことを意味する。より具体的には、被検フィルムを用いて、内面のサイズが10cm×30cmである袋を作成し、袋内にエンドトキシン試験用水20mLを充填して洗浄し、回収した洗浄液について、日本薬局方エンドトキシン試験法に準拠したカイネテック比色法により、エンドトキシン濃度を測定したときに、0.0001EU/mL未満、すなわち検出限界未満であることを意味する。ここで、1EUとは、1エンドトキシン国際単位(IU)である。
また、本発明の多層構成のフィルム、及び、フィルムの巾方向に熱シールまたは熱溶断したフィルムは、通常環境下での輸送及び保管が可能であり、エンドトキシンフリーの環境下に置かずとも、ユーザーが使用するまで、フィルムをエンドトキシンフリーの状態で維持することができる。
インフレーション法による製膜機について、その一例を示す概略図である。 本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。 本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
<インフレーション法>
インフレーション法とは、樹脂フィルムの製造方法の1種であり、溶融樹脂を、押出機から環状のダイを通して円筒状に押出し、この円筒状の溶融樹脂内に空気等の冷媒を吹き入れて、所定の寸法に膨らませた後、ロールに巻き取ってフィルム状に製膜する方法である。
図1は、インフレーション法の一つである上吹空冷インフレーション法による製膜機について、その一例を示す概略図である。以下に、図1を用いて、より具体的に説明する。
上吹空冷インフレーション法においては、まず、加熱溶融工程において、ホッパー1から原料となる熱可塑性樹脂を供給し、これを押出機2において加熱して溶融させる。得られた溶融樹脂は、ヒーター/ブロワー3により、押出に適した温度(押出温度)に調整されながら、押出機2の先端に設置された環状ダイ5まで送られる。次いで、インフレーション工程において、溶融樹脂が、環状ダイ5から上方向に円筒状に押出される。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気4を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気4’を送る。この膨張した円筒状体をバブル6とよぶ。次いで、バブル6を、案内板7及びピンチロール8によってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部9において巻き取るものである。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。
上記インフレーション法において、2またはそれ以上の原料樹脂を別個に加熱溶融し、これらを共押出することにより、多層構成の積層フィルムを製膜することもできる。
従来のインフレーション法では、上記加熱溶融工程において、原料樹脂は、その溶融温度以上且つ250℃を超えない温度で、加熱溶融され、環状ダイから押出製膜される。環状ダイから押出されるときの樹脂の温度、すなわち押出温度が250℃を超えると、樹脂の溶融粘度が低下し過ぎて、インフレーション製膜ができなくなるためである。
しかしながら、このような従来法で製膜されたインフレーションフィルムは、エンドトキシンの混入により、発熱性や致死活性等のエンドトキシン活性を示すため、その後の洗浄作業なしでは、エンドトキシンフリーが求められる包材として使用することができない。
これに対し、本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムは、従来のインフレーション装置及びインフレーション法を用いて製造することができるが、ただし、その加熱溶融工程において、原料樹脂は、溶融温度以上で加熱溶融された後、環状ダイに送られるまでの間に、いったん260℃以上の温度に、0.5秒以上付され、その後、適正な押出温度に戻される。エンドトキシンの不活化効果を一層高めるためには、好ましくは270℃以上、より好ましくは280℃以上の温度に、0.5秒以上維持されることが好ましい。一方、樹脂の劣化の観点からは、溶融樹脂の温度は335℃以下であることが好ましく、また、生産効率の観点からは、260℃以上に維持される時間は、10秒以内であると好ましい。
溶融樹脂を260℃以上に0.5秒以上加熱するこのエンドトキシン不活化処理は、原料樹脂の溶融後、ダイから押し出される前の任意のときに行うことができるが、溶融粘度が低下することを考慮し、溶融樹脂が、押出機のシリンダ内を移動しているときに好適に行うことができる。
<本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムの層構成>
図2は、本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。図2に示されるように、本発明のエンドトキシンフリー樹脂フィルムは、単層構成のフィルムであってよい。
単層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムは、加熱溶融工程において本発明のエンドトキシン不活化処理を施した溶融樹脂を、インフレーション工程において環状ダイから円筒状に押し出す際に、円筒内に通す空気として、フィルター濾過等によってエンドトキシンを除去した空気を用いて製膜し、筒状のまま巻き取ることにより、製造することができる。これにより、筒状フィルムの内面は、エンドトキシンフリーであるため、エンドトキシンフリー包材として好適に使用される。
この筒内面のエンドトキシンフリーの状態を維持するためには、インフレーション法において、円筒状フィルムを、押出製膜中に、フィルムの巾方向に熱シールまたは熱溶断すればよい。円筒の上下開口端を熱シールまたは熱溶断によって塞ぐことにより、エンドトキシン汚染された空気が円筒内部に浸入することを防ぐことができる。熱シールまたは熱溶断は、例えば、製膜開始時と完了時との2点のみで行ってもよく、または、任意の間隔を開けて、例えば、50〜200m毎に行ってもよい。また、熱シールまたは熱溶断する際のシール幅は、フィルムの用途に応じて適宜に設定されるが、例えば、1〜100mmであってよい。
本発明のフィルムを構成する原料樹脂としては、260℃以下で可塑化可能な任意の樹脂を用いることができる。具体的には、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、変性アクリル、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリカーボネート、三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニリデン四フッ化エチレンエチレン共重合体等が挙げられる。
別の態様において、本発明のフィルムは、共押出製膜により得られる多層構成のフィルムであってもよい。多層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムは、上記単層構成のものと同様に製造することができる。
さらなる態様において、本発明のフィルムは、図3及び4に示すとおり、コア層11の少なくとも一方の面上に、該面をエンドトキシン汚染から保護するための表面保護層12、12’を設けた多層構成のフィルムであってもよい。なお、本発明において、コア層とは、表面保護層に対して、該表面保護層に保護される表面を有する層を指す総称である。コア層及び表面保護層はそれぞれが、単層構成であっても、多層構成であってもよい。
この表面保護層を有するフィルムは、使用時に、エンドトキシンフリー環境下で表面保護層を剥離し、エンドトキシンフリーな状態にあるコア層と表面保護層との界面を露出させることにより、エンドトキシンフリー包材として適用することができる。剥離により分離した、コア層からなるフィルムと、表面保護層からなるフィルムとは、これらの両方を包材として活用する構成であってもよく、または、いずれか一方のみを包材として活用し、他方は剥離後に除去する構成としてもよく、樹脂の種類や層厚等を調整することにより、当業者が適宜に設定することができる。
コア層上に表面保護層を設けた多層フィルムは、各層を構成する樹脂をそれぞれ別個に加熱溶融し、上述のエンドトキシン不活化処理を施し、押出温度まで戻した後、これらを環状ダイから共押出することにより製造される。
コア層構成樹脂、及び、表面保護層構成樹脂としては、これらが互いに融着しない樹脂の組み合わせであれば、任意の樹脂を用いることができる。このような樹脂の組み合わせとしては、ポリエチレンとポリプロピレンとの組み合わせ、ポリエチレン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物とポリプロピレンとの組み合わせ、ポリエチレンまたはポリプロピレンとポリアミドとの組み合わせ、ポリエチレンまたはポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートとの組み合わせ、ポリエチレンまたはポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとの組み合わせ、ポリエチレンまたはポリプロピレンとエチレン・ビニルアルコール共重合体との組み合わせ、ポリアミドとポリエチレンとポリエチレンテレフタレートとの組み合わせ、ポリアミドとポリエチレンとポリブチレンテレフタレートとの組み合わせ、ポリアミドとエチレン・ビニルアルコール共重合体との組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
表面保護層を設けたフィルムは、通常の環境下で、エンドトキシンフリーの空気を用いることなく製造し、輸送、保管することが可能である。
また、円筒内部に通す空気として、エンドトキシンを除去した空気を用いて製膜することにより、円筒の内側の層は、両面がエンドトキシンフリーのフィルムとして使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
<実施例1>
ペレット状の低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製 ノバテックLC522)に、エンドトキシン標準品(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団製)を10EU/g添加し、これを、共押出多層大型インフレーションフィルム製造装置(独ウインドミュラー&ヘルシャー社製)において加熱溶融し、得られた溶融樹脂を、環状ダイに送達するまでのシリンダ中で、溶融樹脂が0.5秒間260℃となるように、さらに加熱した。得られた樹脂を、シリンダ内で190℃に戻し、環状ダイから押出して、円筒状フィルムを製膜した。このとき、フィルムを円筒状に延伸するために円筒内部に送る空気は、ヘパフィルターによりエンドトキシンを除去し、円筒内部は空気によるエンドトキシン汚染を発生させない状態とした。
さらに、円筒状のフィルムについては、製膜開始時に円筒の開口部を熱シールし、その後、100mを製造後、製膜終了時にも熱シールし、円筒内部がエンドトシキンにより汚染されない状態とした。なお円筒状フィルムの外面の製造環境は、0.1EU/m3の空気が滞留循環する環境とした。
得られたフィルムを長方形状に2枚切り出し、円筒内部側の面が内側になるように重ね合せ、3方を熱シールして、袋内面のサイズが10cm×30cmである袋を作成した。袋内にエンドトキシン試験用水20mLを充填して洗浄し、回収した洗浄液について、エンドトキシン特異的検出キット(リムルスカラーKYテストワコー、和光純薬工業株式会社)を用いて、カイネテック比色法によりエンドトキシン濃度を測定した。
また、比較のために、円筒外部側の面が内側になるように重ね合せ、同様の袋を作成し、洗浄液のエンドトキシン濃度を測定した。
<実施例2>
第1樹脂:ペレット状の高密度ポリエチレン((株)プライムポリマー製3300F)30質量%とポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製CF1207)70質量%との混合物に、エンドトキシン標準品(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団製)を10EU/g添加し、これを、共押出多層大型インフレーションフィルム製造装置(独ウインドミュラー&ヘルシャー社製)において加熱溶融し、得られた溶融樹脂を、環状ダイに送達するまでのシリンダ中で、溶融樹脂が0.5秒間280℃となるように、さらに加熱した。得られた樹脂を、樹脂温度190℃に戻した。
第2樹脂:上記第1樹脂と同様にして、ペレット状のポリプロピレン(サムスントタル(株)製CF309)にエンドトキシン標準品を10EU/g添加し、これを、共押出多層大型インフレーションフィルム製造装置において加熱溶融し、得られた溶融樹脂を、環状ダイに送達するまでのシリンダ中で、溶融樹脂が0.5秒間280℃となるように、さらに加熱した。得られた樹脂を、シリンダ内で樹脂温度190℃に戻した。
上記第1樹脂を円筒状フィルムの外層として、第2樹脂を円筒状フィルムの内層として、環状ダイから共押出し、2層構成の円筒状フィルム(厚さ120μm:外層60μm、内層60μm)、扁平状に折り畳んだときのフィルム巾500mm)を作製した。このとき、フィルムを円筒状に延伸するために円筒内部に送る空気は、ヘパフィルターによりエンドトキシンを除去し、円筒内部は空気によるエンドトキシン汚染を発生させない状態とした。
さらに、円筒状のフィルムについては、製膜開始時に円筒部の開口部を熱シールし、その後、100mを製造後、製膜終了時にも熱シールし、円筒内部がエンドトシキンにより汚染されない状態とした。なお、円筒状フィルムの外面の製造環境は、1.0EU/m3の空気が滞留循環する環境とした。
エンドトキシンフリー環境下で、得られたフィルムを内層と外層とに分離し、内層からなるフィルムを用いて、実施例1と同様にして円筒内部側の面が内側になるように重ね合せて袋を作成し、その洗浄液についてエンドトキシン濃度を測定した。また、円筒内部側の面の反対側の、剥離により露出した面についても同様に、該面が内側になるように重ね合せて袋を作成し、エンドトキシン濃度を測定した。
さらに、外層からなるフィルムについても同様に、剥離により露出した面が内側になるように重ね合せて袋を作成し、その洗浄液についてエンドトキシン濃度を測定した。また、比較のために、剥離により露出した面の反対側の、円筒外部側の面が内側になるように重ね合せて袋を作成し、エンドトキシン濃度を測定した。
<比較例1>
実施例1において、溶融樹脂が0.5秒間280℃となるように加熱する工程を行わず、シリンダ中で、溶融樹脂の最高温度を250℃の温度で維持した以外は、実施例1と同様にして、フィルム及び袋を作成し、袋を洗浄後に回収した洗浄液のエンドトキシン濃度を測定した。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2015085511
実施例1及び2のフィルムは、いずれの面からも、検出されるエンドトキシン濃度は低いものであったが、特に、製膜後もエンドトキシンフリーの状態に維持された円筒内部側の面、及び、剥離により露出した面については、検出限界未満であった。
これに対し、本発明のエンドトキシン不活化処理を行わなかった比較例1のフィルムは、医療用には使用できないレベルのエンドトキシンが残留した。
1. ホッパー
2. 押出機
3. ヒーター/ブロワー
4、4’. 空気
5. 環状ダイ
6. バブル
7. 案内板
8. ピンチロール
9. 巻き上げ部
10. フィルム
11. コア層
12、12’. 表面保護層

Claims (5)

  1. 1種またはそれ以上の原料樹脂を加熱溶融し、得られた溶融樹脂を円筒状に押出または共押出し、この円筒状の溶融樹脂内に冷媒を吹き入れて円筒状フィルムを製膜するインフレーション法により製造される、単層構成または多層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムにおいて、
    前記原料樹脂を加熱溶融する工程で、溶融樹脂を260℃以上に0.5秒以上加熱し、その後、押出温度に戻してから押出製膜して得られることを特徴とする、上記エンドトキシンフリー樹脂フィルム。
  2. 前記円筒状の溶融樹脂内に吹き入れる冷媒が、エンドトキシンを除去した冷媒であることを特徴とする、請求項1に記載のエンドトキシンフリー樹脂フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の多層構成のエンドトキシンフリー樹脂フィルムであって、
    コア層と、該コア層の少なくとも一方の面に設けられた表面保護層とを共押出製膜して得られるフィルムであり、
    該フィルムの使用時に、該表面保護層はコア層から剥離されることを特徴とする、上記エンドトキシンフリー樹脂フィルム。
  4. 製膜中に、円筒状フィルムの巾方向に熱シールまたは熱溶断することにより、製膜後の、円筒状フィルム内部のエンドトキシン汚染を防ぐことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンドトキシンフリー樹脂フィルム。
  5. 1種またはそれ以上の原料樹脂を加熱溶融し、得られた溶融樹脂を円筒状に押出または共押出し、この円筒状の溶融樹脂内に冷媒を吹き入れて円筒状フィルムを製膜するインフレーション法による、エンドトキシンフリー樹脂フィルムの製造方法において、
    前記原料樹脂を加熱溶融する工程で、溶融樹脂を260℃以上で0.5秒以上加熱し、その後、押出温度に戻してから押出製膜することを特徴とする、エンドトキシンフリー樹脂フィルムの製造方法。
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