JP2015085302A - 竪型ローラミル - Google Patents

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Abstract

【課題】固定式分級機を備えた竪型ローラミルにおいて、製品微粉炭中の粗粒割合を低減する。【解決手段】粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機20Aをハウジング11内に備えている竪型ローラミルにおいて、固定式分級機20Aは、コーン21に開口する固定羽根入口窓22から固気二相流を内部に導入し、固定羽根入口窓22の内側近傍に取り付けた固定羽根23で固気二相流に旋回を与えることにより、微粉がコーン21の内側に設けた内筒24の下端部側を通って上部の微粉炭出口16から外部へ流出するように構成され、内筒24の外表面に、衝突した粒子の反発係数が鉄板表面より高い表面層30を形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば微粉炭焚きボイラ等に適用される竪型ローラミルに係り、特に、固定式分級機を備えた竪型ローラミルに関する。
従来、石炭焚きボイラでは、たとえば図5及び図6に示した竪型ローラミル10のような微粉炭機(ミル)へ原料炭を投入し、粉砕した微粉炭を燃料として使用する。竪型ローラミル10の内部では、ハウジング11内の下部に設置された粉砕テーブル12上を粉砕ローラ13が回転しながら旋回する。なお、図中の符号14は、原料炭を投入する石炭投入管である。
竪型ローラミル10内に投入された原料炭は、粉砕テーブル12と粉砕ローラとの間に噛み込まれることにより粉砕されて微粉炭となる。この微粉炭は、粉砕テーブル12の周囲に配設されたスロート15から噴出する熱風により、乾燥されながらハウジング11内の上方に配置された固定式分級機20へと気流搬送される。このとき、粒径の大きい粗大粒子は、重力により落下して粉砕テーブル12上に戻される重力分級が行われるため、所望の粒径になるまで繰り返して粉砕を受けることとなる。
上述した重力分級による1次分級の後には、粗粒を含む製品粒子の微粉炭が粉砕テーブル12の上部に配置された分級機によりさらに分級される。このような分級機には、固定式、回転式、及び固定式/回転式を組み合わせた方式があり、図示の分級機は固定式である。なお、回転式分級機は、回転羽根による衝突・慣性力により分級を行うもので、高い分級性能を有することが知られている。
気流搬送された微粉炭は熱風により乾燥され、さらに、固定式分級機20を通過することにより分級される。分級された微粉炭は、固定式分級機20の内部からハウジング11の外部上方へ連通する微粉炭出口16を通り、搬送用の1次空気によりボイラまで気流搬送される。
固定式分級機20は、コーン21の上端部側において周方向へ等ピッチに開口する多数の固定羽根入口窓22を備えている。この固定羽根入口窓22は、コーン21を形成する壁面を貫通して設けられた開口部であり、微粉炭を気流搬送する流れ(以下、「固気二相流」と呼ぶ)が通過してコーン21の内部へ流入するための入口及び流路となる。
そして、コーン21の内壁側には、各固定羽根入口窓22と対になる多数の固定羽根23が取り付けられている。
また、コーン21の内側には、固定羽根入口窓22及び固定羽根23と対向する壁面を形成する内筒24が設けられている。
固定羽根23は、固気二相流に旋回を与えるため全てが同方向に傾斜して、すなわち、コーン21の軸中心に向かう半径方向の線から傾斜角度θを有して取り付けられている。従って、固定羽根23の傾斜角度θを増減すれば、固定羽根23の開度(角度)に応じて旋回流の強さも変化するので、分級する微粉度の調整が可能となる。
なお、図中の符号25は、原料炭及び分級機20で分級された粗粒を粉砕テーブル12上へ供給するコーン出口である。
上述した固定式分級機20はサイクロン型の分級機であり、駆動部がなくシンプルな構造となるため、低コストで保守が容易等のメリットを有している。しかし、固定式分級機20は粗粒域分級の精度が劣り、微粉炭中の粗粒(燃焼性に悪影響を与える100メッシュを超える程度の粗粒)が増加するため、ボイラから排出される燃焼排ガス中に含まれる未燃分を増加させる要因となる。
ここで、固定式分級機20の分級原理を簡単に説明すると、固定羽根入口窓22から隣接する固定羽根23の間を通過する固気二相流は、微粉炭の粒子が旋回流により粗粒と微粉とに遠心分級される。この後、粒径が小さく軽量の微粉は、下方からの反転上昇流に乗って巻き上げられ、内筒24の下方から内側に入って微粉炭出口16から竪型ローラミル10の外部へ流出する。しかし、遠心分離された粒径の大きい粗粒は、重量が大きいため内筒24の下方から内筒24の内側に入る流れに乗れないためコーン21の内壁に至り、コーン21の内壁面に沿って重力により下方に落下する。
この粗粒は、最終的にはコーン21の下部中央に開口する石炭投入管14から粉砕テーブル12上へ落下して再度粉砕される。
上述した固定式の分級機を備えた竪型ローラミルについては、下記の特許文献1に開示された従来技術において、製品微粉炭中の粗粒割合を低減するため、羽根入口窓の近傍に偏流板を設けることや、内筒の傾きを変えることが行われている。
特開2011−104563号公報
上述したように、竪型ローラミル10の固定式分級機20においては、粉砕後の重力分級を経た固気二相流に対して固定羽根23が旋回を与え、遠心力により粗粒と微粉とに分級しているが、製品粒子径に近い粗粉(粗粒/微粒の中間であり未燃分の基になる粒子径150μm程度)は遠心効果が弱く、従って、気流の変動等により一部が内筒24近くの中心方向へ流れ込み、内筒24の近辺で旋回・下降する傾向を示す。この結果、粗粉は微粉の反転上昇流に紛れ込む確率が増え、製品微粉に紛れ込む粗粉量の増加により、分級効率が低下するという問題を有している。
分級効率低下の原因としては、固定羽根23間の固定羽根入口窓22を通過した固気二相流に含まれる粗粒子の一部が、内筒24の外表面(コーン21の内壁面と対向する面)に衝突して失速することにある。すなわち、固定羽根23間の固定羽根入口窓22を通過した固気二相流は、図6(b)に矢印で示すように、粗粒子の一部が内筒24の外表面に衝突して失速するので、この粗粒子が重力により内筒24の外表面に沿って落下する。しかし、この粗粒子は、落下途中において内筒24の内側(微粉炭出口16)に向かって上昇する気流に乗ることになる。
この結果、内筒24の外表面に衝突して失速した粗粒子は、微粒子とともに微粉炭出口16から流出する可能性が高いと考えられる。このような粗粒子の流出は、固定式分級機20の分級効率を低下させるため好ましくない。
近年、世界的なエネルギー資源の逼迫を背景に、廉価な低品位炭の利用ニーズが増加しており、比較的燃焼性のよい低品位炭用の分級機として、固定式分級機の適用を可能にすることが期待されている。
また、石炭焚きボイラにおいては、高効率(灰中未燃分の低減)・低NOx燃料の要求も高く、製品微粉炭中の粗粒割合を低減可能とする固定式分級機が求められている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、固定式分級機を備えた竪型ローラミルにおいて、製品微粉炭中の粗粒割合(燃焼性に悪影響を与える100メッシュを超える程度となる粗粒の割合)を低減することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の請求項1に係る竪型ローラミルは、固体を粉砕した粉体を気流搬送する固気二相流が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機をハウジング内に備えている竪型ローラミルにおいて、前記固定式分級機は、コーン状部材に開口する固定羽根入口窓から前記固気二相流を内部に導入し、前記固定羽根入口窓の内側近傍に取り付けた固定羽根で前記固気二相流に旋回を与えることにより、前記微粉が前記コーン状部材の内側に設けた内筒の下端部側を通って上部の微粉出口から外部へ流出するように構成され、前記内筒の外表面に、衝突した粒子の反発係数が鉄板表面より高い表面層を形成したことを特徴とするものである。
請求項1に記載の竪型ローラミルによれば、内筒の外表面に、衝突した粒子の反発係数が鉄板表面より高い表面層を形成したので、固定羽根を通過した固気二相流の流れにおいて、内筒の外表面に衝突する粗粒子は、従来の鉄板と比較して十分に(大きく)反発することになり、この結果、粗粒子の速度低下(失速)を防止または抑制できる。
この場合、好適な表面層としては、硬度が高く粗粒子の衝突により摩耗しにくいセラミックスを例示できる。
本発明の請求項2に係る竪型ローラミルは、固体を粉砕した粉体を気流搬送する固気二相流が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機をハウジング内に備えている竪型ローラミルにおいて、前記固定式分級機は、コーン状部材に開口する固定羽根入口窓から前記固気二相流を内部に導入し、前記固定羽根入口窓の内側近傍に取り付けた固定羽根で前記固気二相流に旋回を与えることにより、前記微粉が前記コーン状部材の内側に設けた内筒の下端部側を通って上部の微粉出口から外部へ流出するように構成され、前記内筒の外表面に、衝突した粒子を前記外表面から離間する方向へ反発する多数の傾斜面を周方向へ凹凸状に連続して設けたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の竪型ローラミルによれば、内筒の外表面に、衝突した粒子を外表面から離間する方向へ反発する多数の傾斜面を周方向へ凹凸状に連続して設けたので、固定羽根を通過した固気二相流の流れにおいて、内筒の外表面に衝突する粗粒子は、傾斜面により内筒から離れる方向へ反発することになり、さらに、十分な遠心力を受けるので、粗粒子の速度低下(失速)を防止または抑制できる。
この場合、好適な傾斜面には、内筒の外表面を鋸歯断面形状にして形成されたものや、外表面に設置した衝突ベーンにより形成されたものがある。
本発明の請求項5に係る竪型ローラミルは、固体を粉砕した粉体を気流搬送する固気二相流が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機をハウジング内に備えている竪型ローラミルにおいて、前記固定式分級機は、コーン状部材に開口する固定羽根入口窓から前記固気二相流を内部に導入し、前記固定羽根入口窓の内側近傍に取り付けた固定羽根で前記固気二相流に旋回を与えることにより、前記微粉が前記コーン状部材の内側に設けた内筒の下端部側を通って上部の微粉出口から外部へ流出するように構成され、前記内筒の外表面と前記固定羽根入口窓及び前記固定羽根との間に逆円錐形の反射板を設置したことを特徴とするものである。
請求項5に記載の竪型ローラミルによれば、前記内筒の外表面と前記固定羽根入口窓及び前記固定羽根との間に逆円錐形の反射板を設置したので、固定羽根を通過した固気二相流の流れにおいて、反射板に衝突する粗粒子は、落下方向の速度が増加する。
上述した本発明によれば、コーン状部材の外表面に衝突する粗粒子の速度低下(失速)が防止または抑制されることにより、粗粒子はコーン状部材から離間する方向へ移動するとともに、十分な遠心力によりコーン状部材の内面まで移動する。従って、コーン状部材の外表面に衝突する粗粒子は、微粒子とともに微粉炭出口から流出することなく粉砕テーブル上に落下して再度粉砕されることとなる。また、反射板に衝突した粗粒子も落下方向の速度が増加するので、微粒子とともに微粉炭出口から流出することなく粉砕テーブル上に落下して再度粉砕されることとなる。
この結果、本発明の固定式分級機を備えた竪型ローラミルは、製品微粉炭中の粗粒割合を低減して分級効率を向上させることができる。このため、本発明の竪型ローラミルを微粉炭焚きボイラに適用すれば、製品微粉炭中の粗粒割合を低減可能となり、灰中未燃分を低減することができる。従って、比較的燃焼性のよい低品位炭用の分級機として、駆動部がなくシンプルな構造のため、低コストで保守が容易な固定式分級機を採用することができ、廉価な低品位炭を微粉炭燃料にして燃焼させる石炭(微粉炭)焚きボイラを実現できる。
本発明に係る竪型ローラミルについて第1の実施形態を示す図で、(a)は固定式分級機の周辺構造を示す横断面図(図1(b)のA−A断面図)、(b)は固定式分級機の周辺構造を示す縦断面図である。 本発明に係る竪型ローラミルについて第2の実施形態を示す図で、内筒の外表面構造を示す横断面図である。 図2に示す竪型ローラミルの変形例を示す図で、内筒の外表面構造を示す横断面図である。 本発明に係る竪型ローラミルについて第3の実施形態を示す図で、固定式分級機の周辺構造を示す縦断面図である。 竪型ローラミルの概略構成例を示す縦断面図である。 従来の竪型ローラミルを示す図で、(a)は固定式分級機の周辺構造を示す横断面図(図6(b)のB−B断面図)、(b)は固定式分級機の周辺構造を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る竪型ローラミルの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図5に示す竪型ローラミル10は、たとえば微粉炭焚きボイラの燃料となる微粉炭を製造する装置(微粉炭機)である。この竪型ローラミル10は、原料炭を粉砕して微粉炭とし、重力分級後の微粉炭が固定式分級機20により分級される。この結果、固定式分級機20を通過して分級された製品微粉は、所望の微粉度を有する微粉炭燃料として、竪型ローラミル10の上部に設けられた微粉炭出口(微粉出口)16から、1次空気により微粉炭焚きボイラへ気流搬送される。
なお、本実施形態に係る竪型ローラミル10の構成は、後述する固定式分級機20の構成を除いて上述した従来技術と同様であり、従って、その詳細な説明は省略する。
すなわち、本発明に係る竪型ローラミル10は、原料炭(固体)を粉砕した微粉炭(粉体)を気流搬送する固気二相流(微粉炭+1次空気)が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して微粉炭焚きボイラ(外部)へ流出させるサイクロン型の固定式分級機20をハウジング11内の上部に備えている。この固定式分級機20は、コーン(コーン状部材)21に開口する固定羽根入口窓22から固気二相流をコーン内部に導入し、固定羽根入口窓22の内側近傍に取り付けた固定羽根23で固気二相流に旋回を与えることにより、粒径が小さく軽量の微粉がコーン21の内側に設けた内筒24の下端部側を通って上部の微粉炭出口16からコーン外部へ流出するように構成されている。
換言すれば、所望の粒径より小さい微粉は、固定式分級機20内に設置された内筒24の下端部を通過して上昇する反転上昇流に乗って分級され、上部に開口する微粉炭出口16を通って流出するので、この微粉は、固定式分級機20及び竪型ローラミル10から微粉炭焚きボイラへ製品微粉(燃料用微粉炭)として供給される。
<第1の実施形態>
本実施形態では、上述した固定式分級機20に代えて、図1に示すように構成された固定式分級機20Aが採用されている。すなわち、本実施形態の固定式分級機20Aには、鉄板製である内筒24の外表面にセラミックスよりなる表面層30を形成した二層構造の高反発内筒24Aが採用されている。
この表面層30は、衝突した粒子の反発係数が従来の内筒外表面である鉄板表面より高い内筒外表面を形成するものであり、例えば硬度の高いセラミックス板を鉄板製の内筒外表面に張り付けた構造とすればよい。
上述した表面層30は、衝突した粒子の反発係数が鉄板表面より高い。このため、固定羽根23を通過した固気二相流の流れに含まれる粗粒子は、その一部が高反発内筒24Aの外表面に形成された表面層30に衝突すると、従来の鉄板と比較して大きく反発することになる。
この結果、表面層30に衝突した粗粒子は、例えば図1(a)の図中に矢印fで示すように、高反発内筒24Aの外表面である表面層30から離れる方向へ十分な移動をするとともに、旋回流の十分な遠心力によりコーン21の内壁面側まで移動するので、粗粒子が速度低下により失速することはない。
すなわち、表面層30に衝突しても失速しない粗粒子は、高反発内筒24Aの下端部を通過して上昇する反転上昇流に乗るようなことはなく、従って、コーン21の傾斜した内壁面に落下する。この粗粒子は、コーン21の内壁面に沿って落下し、最終的には粉砕テーブル12の上に落下して再度粉砕される。
上述したように、表面層30に衝突した粗粒子は、失速が防止または抑制されたことにより、反転上昇流に乗って微粒子とともに微粉炭出口16から流出することがなく、しかも、粉砕テーブル12上に落下して再度粉砕されるので、製品微粉炭中の粗粒割合を低減して分級効率を向上させることができる。
従って、本実施形態の固定式分級機20Aを備えた竪型ローラミル10は、微粉炭焚きボイラに適用することにより、製品微粉炭中の粗粒割合を低減可能となるので、灰中未燃分を低減することができる。この結果、比較的燃焼性のよい低品位炭用の分級機として、駆動部のないシンプルな構造で、しかも、低コストで保守が容易な固定式分級機20Aの採用が可能となる。
本実施形態において、表面層30を形成する素材は、粒子の反発係数が鉄板より高いものであれば特に限定されることはない。しかし、表面層30は、粗粒子等の粒子が衝突することにより研磨されて摩耗することを考慮すれば、鉄板より硬度の高いセラミックスの採用が望ましい。
<第2の実施形態>
本実施形態では、上述した固定式分級機20に代えて、図2に示すように、傾斜面内筒24Bを備えた構成の固定式分級機20Bが採用されている。なお、本実施形態の固定式分級機20Bにおいて、傾斜面内筒24B以外の構成は上述した従来例と同様である。
すなわち、本実施形態の固定式分級機20Bは、内筒24の外表面に周方向へ凹凸状に連続して多数の傾斜面40が形成された傾斜面内筒24Bを備えている。本実施形態の傾斜面40は、衝突した粗粒子等の粒子を内筒24の外表面から離間する方向へ反発する角度に設定されている。
具体的には、傾斜面40の傾斜角度は、図中に矢印fで示す粗粒子の流れのように、粗粒子の流入角度を考慮し、傾斜面40に衝突した粗粒子が反発してコーン21の内壁面方向へ向かう傾斜角度に設定されている。すなわち、粗粒子の流入角度は、固気二相流が固定羽根入口窓22を通過し、固定羽根23で旋回を与えられることにより定まる角度であるから、傾斜面40の傾斜角度は、この流入角度で傾斜面40に衝突した粗粒子が外向きに反発する角度であればよい。
そして、図2に示す本実施形態では、内筒24の外表面を鋸歯断面形状にすることにより、周方向へ凹凸状に連続する同形状の傾斜面40が多数形成されている。
このように、衝突した粗粒子を外表面24から離間する方向へ反発する多数の傾斜面40を周方向へ連続して設けたので、固定羽根23を通過した固気二相流の流れにおいて、内筒24の外表面に向かう粗粒子は、傾斜面内筒24Bの傾斜面40に衝突することにより内筒24から離れる方向へ反発する。さらに、内筒24から離間する方向へ反発した粗粒子は、十分な遠心力によりコーン21の内壁面まで移動するので、粗粒子の速度低下を防止または抑制できる。
従って、傾斜面40に衝突しても失速しない粗粒子は、傾斜面内筒24Bの下端部を通過して上昇する反転上昇流に乗らず、コーン21の傾斜した内壁面に落下する。この粗粒子は、さらにコーン21の内壁面に沿って落下し、最終的には粉砕テーブル12の上に落下して再度粉砕される。
上述したように、傾斜面40に衝突した粗粒子は、失速が防止または抑制されたことにより、反転上昇流に乗って微粒子とともに微粉炭出口16から流出することがなく、しかも、粉砕テーブル12上に落下して再度粉砕されるので、製品微粉炭中の粗粒割合を低減して分級効率を向上させることができる。
ところで、上述した傾斜面内筒24Bは、内筒24の外表面を鋸歯断面形状にする構造に限定されることはなく、例えば図3に示す固定式分級機20Cを構成する傾斜面内筒24Cのように、外表面24に傾斜面を形成する衝突ベーン50を多数設置した変形例の構造を採用してもよい。
このような衝突ベーン50により傾斜面を形成した傾斜面内筒24Cとしても、衝突ベーン50が傾斜面40と同様に機能するので、上述した傾斜面内筒24Bと同様の作用効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
本実施形態の固定式分級機20Dでは、上述した固定式分級機20に代えて、図4に示すように、内筒24の外表面と固定羽根入口窓22及び固定羽根23との間に、逆円錐形の反射板60を設置した固定式分級機20Dが採用されている。なお、本実施形態の固定式分級機20Dにおいて、反射板60以外の構成は上述した従来例と同様である。
反射板60は、コーン21の内部に全周にわたって設置された逆円錐形の板材であり、水平方向に対して下向きの傾斜面を形成している。
このため、固定羽根23を通過した固気二相流の流れにおいて、図4に実線矢印fで示すように、反射板60に衝突する粗粒子は、下向きの落下方向に反発することでその速度が増加する。
すなわち、反射板60がない場合、図4に破線矢印f´で示すように、内筒24の外表面に反発した後の粗粒子は、反射板60に衝突した場合と比較して下向きの速度成分が小さく、内筒24の下端部を通過して上昇する反転上昇流に巻き込まれやすい。
しかし、コーン21の内部に反射板60を設けたことにより、反射板60に衝突した粗粒子は、反発後に下向きの落下方向速度が増加し、この結果、反転上昇流には乗らず、コーン21の傾斜した内壁面に落下する。この粗粒子は、さらにコーン21の内壁面に沿って落下し、最終的には粉砕テーブル12の上に落下して再度粉砕される。
上述したように、反射板60に衝突した粗粒子は、下向きの落下速度が増加したことにより、反転上昇流に乗って微粒子とともに微粉炭出口16から流出することがなく、しかも粉砕テーブル12上に落下して再度粉砕されるので、製品微粉炭中の粗粒割合を低減して分級効率を向上させることができる。
このように、上述した各実施形態及びその変形例によれば、固定式分級機20A〜20Dを備えた竪型ローラミル10は、製品微粉炭中の粗粒割合(たとえば100メッシュを超える程度の粗粒割合)を低減できるため、これを微粉炭焚きボイラに適用すれば、製品微粉炭中の粗粒割合が低減し、灰中未燃分を低減することができる。従って、比較的燃焼性のよい低品位炭用の分級機として、駆動部がなくシンプルな構造のため、低コストで保守が容易な固定式分級機20A〜20Dを採用することができ、廉価な低品位炭を微粉炭燃料にして燃焼させる微粉炭焚きボイラを実現できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 竪型ローラミル
11 ハウジング
12 粉砕テーブル
13 粉砕ローラ
14 石炭投入管
15 スロート
16 微粉炭出口(微粉出口)
20,20A〜20D 固定式分級機
21 コーン(コーン状部材)
22 固定羽根入口窓
23 固定羽根
24 内筒
24A 高反発内筒
24B,24C 傾斜面内筒
30 表面層
40 傾斜面
50 衝突ベーン
60 反射板

Claims (5)

  1. 固体を粉砕した粉体を気流搬送する固気二相流が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機をハウジング内に備えている竪型ローラミルにおいて、
    前記固定式分級機は、コーン状部材に開口する固定羽根入口窓から前記固気二相流を内部に導入し、前記固定羽根入口窓の内側近傍に取り付けた固定羽根で前記固気二相流に旋回を与えることにより、前記微粉が前記コーン状部材の内側に設けた内筒の下端部側を通って上部の微粉出口から外部へ流出するように構成され、
    前記内筒の外表面に、衝突した粒子の反発係数が鉄板表面より高い表面層を形成したことを特徴とする竪型ローラミル。
  2. 固体を粉砕した粉体を気流搬送する固気二相流が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機をハウジング内に備えている竪型ローラミルにおいて、
    前記固定式分級機は、コーン状部材に開口する固定羽根入口窓から前記固気二相流を内部に導入し、前記固定羽根入口窓の内側近傍に取り付けた固定羽根で前記固気二相流に旋回を与えることにより、前記微粉が前記コーン状部材の内側に設けた内筒の下端部側を通って上部の微粉出口から外部へ流出するように構成され、
    前記内筒の外表面に、衝突した粒子を前記外表面から離間する方向へ反発する多数の傾斜面を周方向へ凹凸状に連続して設けたことを特徴とする竪型ローラミル。
  3. 前記傾斜面は、前記外表面を鋸歯断面形状にして形成されていることを特徴とする請求項2に記載の竪型ローラミル。
  4. 前記傾斜面は、前記外表面に設置した衝突ベーンにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の竪型ローラミル。
  5. 固体を粉砕した粉体を気流搬送する固気二相流が通過することにより、粒径の小さい微粉を遠心力により分級して外部へ流出させるサイクロン型の固定式分級機をハウジング内に備えている竪型ローラミルにおいて、
    前記固定式分級機は、コーン状部材に開口する固定羽根入口窓から前記固気二相流を内部に導入し、前記固定羽根入口窓の内側近傍に取り付けた固定羽根で前記固気二相流に旋回を与えることにより、前記微粉が前記コーン状部材の内側に設けた内筒の下端部側を通って上部の微粉出口から外部へ流出するように構成され、
    前記内筒の外表面と前記固定羽根入口窓及び前記固定羽根との間に逆円錐形の反射板を設置したことを特徴とする竪型ローラミル。
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