JP2015084360A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】熱応力によって素体にクラックが発生することを抑制しつつ、仮にクラックが発生した場合にクラックから素体内に水分が浸入することを抑制する。【解決手段】内部電極112が埋設された誘電体セラミックからなり、互いに対向する1対の端面110aおよびこの端面同士の間を結ぶ4つの側面110bを有する直方体状の素体110と、素体110の表面上において各端面110aから4つの側面110bのうちの少なくとも1つの側面110bに亘って設けられて内部電極112と電気的に接続された外部電極120とを備える。外部電極120は、素体110上に形成された焼結金属層121およびこの焼結金属層121を覆うめっき層を含む。焼結金属層121は、素体110の少なくとも1つの稜線110c,110d上に開口を有する。開口の少なくとも一部はガラス層130によって埋められている。【選択図】図2
Description
本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサの構成を開示した先行文献として、特開平6−176956号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された積層型磁器コンデンサは、誘電体層が内部電極を挟むように複数積層されたコンデンサ素体と、内部電極と電気的に接続するようにコンデンサ素体の側面に形成された一対の外部電極とを備える。その外部電極が、金属導体およびガラス組成物を所定の割合で配合したペーストを素体に焼き付けることにより形成されている。
特許文献1に記載された積層型磁器コンデンサにおいては、外部電極中にガラスを分散させることにより積層セラミックコンデンサの耐熱衝撃性の向上を図っている。
しかし、特許文献1に記載された積層型磁器コンデンサのように外部電極を素体の各端面から4つの側面に亘って連続して設けた場合、積層セラミックコンデンサに熱応力が作用した際に、素体と外部電極との熱膨張率の差によって発生した引張応力が素体全体に及ぶため、素体表面の中で最も応力が集中しやすい稜線部にクラックが発生することがある。
素体表面にクラックが発生した場合、そのクラックから空気中の水分が浸入して積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗値が低下することがある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、熱応力によって素体にクラックが発生することを抑制しつつ、仮にクラックが発生した場合にクラックから素体内に水分が浸入することを抑制できる積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明に基づく積層セラミックコンデンサにおいては、内部電極が埋設された誘電体セラミックからなり、互いに対向する1対の端面およびこの端面同士の間を結ぶ4つの側面を有する直方体状の素体と、素体の表面上において各端面から4つの側面のうちの少なくとも1つの側面に亘って設けられて内部電極と電気的に接続された外部電極とを備える。外部電極は、素体上に形成された焼結金属層およびこの焼結金属層を覆うめっき層を含む。焼結金属層は、素体の少なくとも1つの稜線上に開口を有する。開口の少なくとも一部はガラス層によって埋められている。
本発明の一形態においては、開口がめっき層により覆われている。
本発明の一形態においては、めっき層が、Niめっき層とSnめっき層とを含む。Niめっき層は、焼結金属層および開口を覆っている。Snめっき層は、Niめっき層を覆っている。
本発明の一形態においては、めっき層が、Niめっき層とSnめっき層とを含む。Niめっき層は、焼結金属層および開口を覆っている。Snめっき層は、Niめっき層を覆っている。
本発明の一形態においては、焼結金属層およびガラス層は、球状のガラスフリットおよび扁平状の金属粒子を含む導電ペーストが素体に焼き付けられることにより共に形成される。
本発明の一形態においては、開口は、撥油処理が施された素体に上記導電ペーストを塗布することにより形成される。
本発明によれば、熱応力によって素体にクラックが発生することを抑制しつつ、仮にクラックが発生した場合にクラックから素体内に水分が浸入することを抑制できる。
以下、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサについて図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外観を示す斜視図である。図2は、図1の積層セラミックコンデンサをII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図2の積層セラミックコンデンサをIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2の積層セラミックコンデンサをIV−IV線矢印方向から見た断面図である。図5は、図2の積層セラミックコンデンサをV−V線矢印方向から見た断面図である。図1においては、素体の長手方向をL、素体の幅方向をW、素体の厚さ方向をTで示している。
図1〜5に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100は、内部電極112が埋設された誘電体セラミックからなり、互いに対向する1対の端面110aおよび端面110a同士の間を結ぶ4つの側面110bを有する直方体状の素体110と、素体110の表面上において各端面110aから4つの側面110bのうちの少なくとも1つの側面110bに亘って設けられて内部電極112と電気的に接続された外部電極120とを備える。素体110の1対の端面は、素体110の長手方向Lと直交している。
素体110の長手方向Lの寸法、幅方向Wの寸法および厚さ方向Tの寸法は、たとえば、1.0mm×0.5mm×0.5mm、0.6mm×0.3mm×0.3mm、0.4mm×0.2mm×0.2mmである。
素体110においては、誘電体セラミックからなるセラミック層111と、平板状の内部電極112とが交互に積層されている。本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100においては、セラミック層111と内部電極112との積層方向が、素体110の長手方向Lおよび素体110の幅方向Wに対して直交している。すなわち、セラミック層111と内部電極112との積層方向は、素体110の厚さ方向Tと平行である。ただし、セラミック層111と内部電極112との積層方向は、上記に限られず、幅方向Wと平行であってもよい。
上記のように素体110は直方体状の外形を有するが、後述するように、角部および稜線部に所定の曲率半径以下の丸みを有していてもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
セラミック層111を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Co化合物、Si化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。
セラミック層111を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Co化合物、Si化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。
図3に示すように、セラミック層111を間に挟んで互いに対向するように隣接して配置された内部電極112同士のうちの一方は、素体110の長手方向の一方側の端部から他方側の端部に向けて延在して、素体110の一方側の端面において外部電極120と接続されている。
図4に示すように、他方の内部電極112は、素体110の長手方向の他方側の端部から一方側の端部に向けて延在して、素体110の他方側の端面において外部電極120と接続されている。
内部電極112を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属、または、これらの金属の少なくとも1種を含む合金、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。
なお、最も外側に配置されている内部電極112のさらに外側に、外部電極120と電気的に接続されていない浮遊内部導体を設けてもよい。この場合、浮遊内部導体を内部電極112と同一の材料で構成してもよい。浮遊内部導体を設けた場合、素体110の外部から素体110内に水分が浸入することを浮遊内部導体によって阻害して、耐湿性を向上することができる。
本実施形態においては、外部電極120は、素体110上に形成されたCuを主成分とする焼結金属層121および焼結金属層121を覆うめっき層を含む。めっき層は、Niめっき層122とSnめっき層123とを含む。Niめっき層122は、焼結金属層121を覆っている。Snめっき層123は、Niめっき層122を覆っている。Niめっき層122は、半田バリア層として機能する。Snめっき層123は、実装時の半田との濡れ性を良好にするために設けられる。
本実施形態においては、焼結金属層121は、素体110の表面上において各端面110aから4つの側面110bに亘って設けられている。各側面110b上において、両端面110a側に焼結金属層121が設けられている。ただし、焼結金属層121の配置は上記に限られず、素体110の表面上において各端面110aから4つの側面110bのうちの少なくとも1つの側面110bに亘って設けられていればよい。
本実施形態においては、焼結金属層121は、素体110の全ての稜線上に開口を有している。具体的には、端面110aと側面110bとの間の各稜線110c上に開口を有している。また、側面110b同士の間の各稜線110d上に開口を有している。
本実施形態においては、各稜線上の全体に亘って開口が位置している。そのため、一方の端面110aおよび4つの側面110bの各面上に位置する焼結金属層121は、それぞれの間に開口を挟んで互いに離間している。同様に、他方の端面110aおよび4つの側面110bの各面上に位置する焼結金属層121は、それぞれの間に開口を挟んで互いに離間している。
ただし、焼結金属層121が素体110の少なくとも1つの稜線上に開口を有すればよく、開口の形状および位置は特に限定されず、また、1つの稜線上に位置する開口の数も特に限定されない。
焼結金属層121の開口の少なくとも一部は、ガラス層130によって埋められている。すなわち、焼結金属層121の開口内に位置するセラミック層111上の少なくとも一部に、ガラス層130が設けられている。好ましくは、焼結金属層121の全ての開口が完全にガラス層130によって埋められている。
図6は、焼結金属層の楕円状の開口の一部がガラス層に覆われている状態の稜線部を示す図である。図7は、焼結金属層の略矩形状の開口の一部がガラス層に覆われている状態の稜線部を示す図である。図8は、焼結金属層の2つの楕円状の各開口の一部がガラス層に覆われている状態の稜線部を示す図である。図6〜8においては、めっき層を図示していない。
図6〜8に示すように、素体110の稜線110cおよび稜線110dの少なくともいずれかに位置する各開口121e内において、一部がガラス層130によって埋められ、残部がガラス層130によって埋められていない状態であってもよい。なお、ガラス層130の一部が焼結金属層121上に位置していてもよい。
ガラス層130を構成するガラス成分には、アルカリ土類金属が添加されている。アルカリ土類金属を添加することにより、ガラス層130のめっき液に対する耐性、特にNiめっき用のめっき液に対する耐性を向上することができる。その結果、後述するようにめっき層を形成する際に、焼結金属層121の開口からめっき液が素体110内に浸入することをガラス層130によって抑制できる。
本実施形態においては、図2〜5に示すように、焼結金属層121の開口は、めっき層により覆われている。具体的には、焼結金属層121の開口がNiめっき層122により覆われている。焼結金属層121の開口を覆っている部分のNiめっき層122は、Snめっき層123により覆われている。
よって、ガラス層130は、Niめっき層122により覆われている。焼結金属層121の開口内においてガラス層130によって埋められていない部分に位置するセラミック層111は、Niめっき層122により直接覆われている。
なお、必ずしも焼結金属層121の開口がめっき層により覆われていなくてもよい。ただし、焼結金属層121の開口をめっき層により覆うことにより、焼結金属層121の開口から空気中の水分が素体110内に浸入することを抑制できるため、積層セラミックコンデンサ100の信頼性を向上できる。
そのため、焼結金属層121の開口の最大幅の寸法が5μm以下であることが好ましい。焼結金属層121の開口の最大幅の寸法が5μm以下である場合、めっき層が焼結金属層121の開口端から広がって焼結金属層121の開口を覆うことが可能になる。
以下、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。図9は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、セラミック粉末を含むセラミックペーストを、ダイコータ法、グラビアコータ法またはマイクログラビアコータ法などによりシート状に塗布して乾燥させることにより、セラミックグリーンシートを作製する(S100)。
作製した複数のセラミックグリーンシートのうちの一部において、セラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法またはグラビア印刷法などにより内部電極形成用の導電ペーストを所定のパターンとなるように塗布する(S110)。
このようにして、内部電極となる導電パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを用意する。なお、セラミックペーストおよび内部電極形成用の導電ペーストには、公知のバインダーおよび溶媒が含まれていてもよい。
導電パターンが形成されていない複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、その上に、導電パターンが形成された数百枚程度のセラミックグリーンシートを順次積層し、さらにその上に、導電パターンが形成されていない複数枚のセラミックグリーンシートを積層してセラミックブロックを形成する(S120)。
その後、静水圧プレスまたは金型プレスなどの手段により、セラミックブロックを積層方向に圧着する(S130)。次に、押し切り法またはサンダを用いた切削法などにより、セラミックブロックを直方体状の複数のセラミックチップに分割する(S140)。
セラミックチップをバレル研磨して(S150)、セラミックチップの角部および稜線部を丸める。角部および稜線部の曲率半径は、15μm未満であることが好ましい。セラミックチップの角部および稜線部の曲率半径が15μm以上である場合、後述する方法によって焼結金属層121の開口を形成することが難しくなる。
セラミックチップを焼成する(S160)ことにより硬化させて、素体110を作製する。焼成温度は、セラミック材料および導電材料の種類に応じて適宜設定され、たとえば、900℃以上1300℃以下の範囲内で設定される。
次に、素体110に撥油処理を施す(S170)。具体的には、ポリフルオロポリエーテル化合物を主成分として含み、ハイドロフルオロエーテルを溶媒として含む撥油剤を素体110の表面に塗布する。
その後、素体110の両端面に導電ペーストを塗布する(S180)。導電ペースト30は、球状のガラスフリット、扁平状の金属粒子、バインダーおよび溶剤から構成されている。
図10は、素体の端面に導電ペーストを塗布する状態を示す断面図である。図10に示すように、素体110の他方の端面を接着シート10に付着させて保持した状態で、素体110の一方の端面側を容器20内の導電ペースト30に漬けて引き上げることにより、素体110の一方の端面側に導電ペースト30を付着させる。同様にして、素体110の他方の端面側にも導電ペースト30を付着させる。
素体110は撥油処理を施されているため、素体110の表面に導電ペースト30が付着しにくくなっている。上記のように、素体110の稜線部は15μmの未満の曲率半径の丸みを有しているため、扁平状の金属粒子は稜線部上にほとんど付着せず、球状のガラスフリットが主に稜線部に付着する。
このように導電ペースト30を両端面に塗布した素体110を乾燥させて、たとえば700℃程度の温度において加熱することにより導電ペースト膜を焼結させる。その結果、導電ペーストが素体110に焼き付けられて、焼結金属層121およびガラス層130が共に形成される。
すなわち、素体110の表面において、扁平状の金属粒子が付着した部分に焼結金属層121が形成され、球状のガラスフリットが付着した部分にガラス層130が形成される。このように、焼結金属層121の開口は、フッ素などを付着させる撥油処理を施された素体110に導電ペースト30を塗布することにより形成される。
なお、セラミックチップに導電ペーストを塗布した後で焼成することにより、素体110と焼結金属層121とガラス層130とを同時に形成してもよい。
その後、素体110にめっきする(S200)。電気めっきによりNiめっきおよびSnめっきをこの順で行なうことにより、Niめっき層122およびSnめっき層123を形成する。
具体的には、バレルめっき法によりNiめっき層122を設ける。焼結金属層121およびガラス層130が設けられた複数の素体110を収容したバレルをめっき槽内のめっき液中に浸漬した状態で回転させつつ通電することにより、焼結金属層121およびガラス層130上にNiめっき層122を設ける。同様にして、Niめっき層122上にSnめっき層123を設ける。
上記の工程により、積層セラミックコンデンサ100を製造することができる。本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100においては、一方の端面110aおよび4つの側面110bの各面上に位置する焼結金属層121は、それぞれの間に開口を挟んで互いに離間し、他方の端面110aおよび4つの側面110bの各面上に位置する焼結金属層121は、それぞれの間に開口を挟んで互いに離間している。すなわち、焼結金属層121が素体110の面毎に分離している。
そのため、積層セラミックコンデンサ100に熱応力が作用した際に、素体110と外部電極120との熱膨張率の違いによって素体110の全体に引張応力が及ぶことを抑制して素体110の稜線部にクラックを生じにくくすることができる。なお、必ずしも焼結金属層121が素体110の面毎に分離している必要はないが、素体110の稜線に沿う方向の開口の長さが長いほど、各面上に位置する焼結金属層121同士の接続部が小さくなるため、素体110の全体に引張応力が及ぶことを抑制できる。
また、焼結金属層121の開口の少なくとも一部をガラス層130によって埋めているため、仮に、素体110の稜線部にクラックが生じた場合に、そのクラックを覆うようにガラス層130が位置していれば、そのクラックから水分が浸入することを抑制できる。
よって、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ100においては、熱応力によって素体110にクラックが発生することを抑制しつつ、仮にクラックが発生した場合にクラックから素体110内に水分が浸入することを抑制できる。
以下、ガラス層130を設けていない比較例および本実施形態に係る積層セラミックコンデンサにおいて、耐湿性について比較した実験例について説明する。
(実験例)
比較例および実施例の両方の積層セラミックコンデンサの共通の条件について説明する。素体110の長手方向Lの寸法、幅方向Wの寸法および厚さ方向Tの寸法は、1.0mm×0.5mm×0.5mmとした。内部電極112同士の間の距離(セラミック層111の厚さ)の設計値を1.0μmとした。内部電極112の厚さの設計値を1.0μmとした。内部電極112の枚数を350枚とした。
比較例および実施例の両方の積層セラミックコンデンサの共通の条件について説明する。素体110の長手方向Lの寸法、幅方向Wの寸法および厚さ方向Tの寸法は、1.0mm×0.5mm×0.5mmとした。内部電極112同士の間の距離(セラミック層111の厚さ)の設計値を1.0μmとした。内部電極112の厚さの設計値を1.0μmとした。内部電極112の枚数を350枚とした。
素体110の端面110a上に位置する焼結金属層121の最大厚さを28μmとした。Niめっき層122の厚さの設計値を3μmとした。Snめっき層123の厚さの設計値を3μmとした。
ガラス層130を設けていない比較例の積層セラミックコンデンサを20個作製した。具体的には、ガラスフリットの入っていない導電ペーストを用いて焼結金属層を形成した。
焼結金属層121の全ての開口がガラス層130によって埋められている実施例の積層セラミックコンデンサを20個作製した。
比較例および実施例の両方の積層セラミックコンデンサを、温度が40℃で湿度が95%の雰囲気中に500時間保持した後、6.3Vの電圧を印加して抵抗値を測定した。抵抗値が1.0×106Ω以下の積層セラミックコンデンサを耐湿性不良と判定した。
その結果、比較例の積層セラミックコンデンサにおいては、20個中13個が耐湿性不良であった。一方、実施例の積層セラミックコンデンサにおいては、耐湿性不良の積層セラミックコンデンサはなかった。
上記の実験例から、焼結金属層121の開口をガラス層130によって埋めることにより、焼結金属層121の開口から水分が素体110内に浸入することを抑制できることが確認できた。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 接着シート,30 導電ペースト,100 積層セラミックコンデンサ,110 素体,110a 端面,110b 側面,110c,110d 稜線,111 セラミック層,112 内部電極,120 外部電極,121 焼結金属層,122,123 めっき層,130 ガラス層。
Claims (5)
- 内部電極が埋設された誘電体セラミックからなり、互いに対向する1対の端面および該端面同士の間を結ぶ4つの側面を有する直方体状の素体と、
前記素体の表面上において各前記端面から4つの前記側面のうちの少なくとも1つの前記側面に亘って設けられて前記内部電極と電気的に接続された外部電極とを備え、
前記外部電極は、前記素体上に形成された焼結金属層および該焼結金属層を覆うめっき層を含み、
前記焼結金属層は、前記素体の少なくとも1つの稜線上に開口を有し、
前記開口の少なくとも一部はガラス層によって埋められている、積層セラミックコンデンサ。 - 前記開口が前記めっき層により覆われている、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記めっき層が、Niめっき層とSnめっき層とを含み、
前記Niめっき層は、前記焼結金属層および前記開口を覆い、
前記Snめっき層は、前記Niめっき層を覆っている、請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 前記焼結金属層および前記ガラス層は、球状のガラスフリットおよび扁平状の金属粒子を含む導電ペーストが前記素体に焼き付けられることにより共に形成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記開口は、撥油処理が施された前記素体に前記導電ペーストを塗布することにより形成される、請求項4に記載の積層セラミックコンデンサ。
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