以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの例に限定されるものではない。
図1に、本発明を適用する基板検査装置1を示す。基板検査装置1は、基板固定機構2、可動ユニット3、移動機構4、計測部5、制御部6、表示部7、及び操作部8を備え、検査対象の基板200の検査を実施するものである。
基板固定機構2、及び移動機構4は基板200の検査ステージ(検査場所)に備え付けられている。計測部5、制御部6、表示部7、及び操作部8は、固定された固定ユニットに備えられている。固定ユニットは複数の筐体を有して構成されている場合もある。
基板固定機構2は、公知のものであり、基板200を所定の検査位置に位置決めして固定するものである。基板固定機構2は、後述するプローブPに干渉しない位置に設けられている。基板固定機構2は、例えばモータ(不図示)を備え、基板200の対向し合う1対又は2対の辺や角の縁を掴み、基板200が撓まないようにテンションを掛けつつ対向する縁同士を適度に引っ張り合って、基板200を所定の検査位置に固定する。
可動ユニット3は、テストヘッド14、着脱機構13、及び接続切換部11を備えている。
テストヘッド14は、複数のプローブPを備えている。着脱機構13は、テストヘッド14を可動ユニット3に着脱可能に取り付けるものである。接続切換部11は、複数のプローブPの中から測定に用いるための任意のプローブPを計測部5に電気的に接続する。例えば計測部5が2端子法で測定を行う場合、接続切換部11は、制御部6の制御によって、複数のプローブPの中から検査に使用する2本のプローブPを計測部5に接続する。計測部5が4端子法で測定を行う場合、接続切換部11は、検査に使用する4本のプローブPを計測部5に接続する。
移動機構4は、可動ユニット3(テストヘッド14)を移動させて、テストヘッド14の複数のプローブPを基板200に接触させるものである。移動機構4は、公知のものであり、駆動用動力源となるモータ(不図示)をXYZ軸(各移動軸)ごとに備え、同図に示すXYZ軸方向にテストヘッド14を移動可能に構成されている。
同図では、基板200の片面(図の下側)に検査ポイントTが設けられていて、可動ユニット3及び移動機構4が基板200の片面側(図の下側)に設けられている例を示しているが、基板200の両面に検査ポイントTが設けられている場合には、一対の可動ユニット3及び移動機構4が、基板200を挟み込むように、基板200の両面側(図の上側及び下側)に設けられる。
計測部5は、従来の基板検査装置の計測部と同様のものであり、例えば抵抗、インダクタンス、静電容量などの電気的特性を測定するものである。計測部5の計測用の端子は、前述したように、接続切換部11を介して測定に使用するプローブPに接続される。
制御部6は、基板検査装置1の各部の動作の制御や演算処理を実行するものである。制御部6は、基板固定機構2の固定制御、移動機構4の移動制御、接続切換部11の切換制御、及び計測部5の計測制御を行う。又、制御部6は、計測結果から基板200の良否の判定処理を行い、表示部7に検査結果を表示させる。又、制御部6は、操作部8からの入力を判別する入力処理を行い、例えば、検査開始の操作や検査条件の設定操作などを判別する。
表示部7は、画像を表示可能な表示画面を有する例えば液晶パネル、プラズマパネル、CRT(陰極線管)などである。操作部8は、オペレータの操作で基板検査装置1に入力するためのものであり、例えばキーボードやマウスである。表示部7及び操作部8がタッチパネルで構成されている場合もある。
図2に、可動ユニット3の電気的なブロック図の例を示す。可動ユニット3は、ベースボード20、複数の接続切換モジュール21、テストヘッド14を備えている。
ベースボード20は、プリント基板であり、コネクタ32、及び複数(一例として6個)のコネクタ33を備えている。コネクタ32は、計測部5及び制御部6に接続された配線ケーブルの端部のコネクタ31と嵌合して、電気的に接続される。コネクタ32と複数のコネクタ33とは導体膜で形成されたプリント配線パターンによって並列的に接続されている。これにより、各コネクタ33は、計測部5及び制御部6に電気的に接続されている。
接続切換モジュール21は、バックボード22、及び複数(一例として16枚)の接続切換基板23を備えている。バックボード22は、プリント基板であり、コネクタ34、及び複数(一例として16個)のコネクタ35を備えている。コネクタ34は、ベースボード20のコネクタ33に嵌合して、電気的に接続される。コネクタ34と複数のコネクタ35とは導体膜で形成されたプリント配線パターンによって並列的に接続されている。これにより、各コネクタ35は、計測部5及び制御部6に電気的に接続されている。
接続切換基板23は、接続切換部11Aを構成する電気回路(スイッチ及びスイッチ制御用回路)が実装されたものである。接続切換部11Aは、接続切換部11を複数に分割したうちの1つである。可動ユニット3に備えられた複数の接続切換部11Aによって、接続切換部11(図1参照)が構成されている。又、接続切換基板23は、コネクタ36及びコネクタ37を備えている。コネクタ36は、コネクタ35に嵌合して、計測部5及び制御部6に電気的に接続されている。コネクタ36は、接続切換部11Aに接続される。接続切換部11Aの出力(プローブP側)は、コネクタ37に接続されている。
テストヘッド14は、複数(一例として96個)のコネクタ38、及び複数(一例として12288本)のプローブPを備えている。コネクタ38は所定数の端子を有し、所定数(128本)のプローブPに接続されている。コネクタ38がコネクタ37に嵌合して、接続切換部11Aが所定数のプローブPを電気的に接続されている。1枚の接続切換基板23は一例として128本のプローブPを切り換えることができ、16枚の接続切換基板23を備える接続切換モジュール21は2048本のプローブPを切り換えることができる。
テストヘッド14に備えられるプローブPの数は、検査用基板200の検査ポイントTの数によって変化する。この可動ユニット3では、接続切換モジュール21の数を1〜n(この例ではn=6)の範囲で増減することで、テストヘッド14に備えるプローブPの数に増減に簡便に対応することができる。又、接続切換モジュール21に備える接続切換基板23の数を1〜m(この例ではm=16)の範囲で増減することによっても、テストヘッド14に備えるプローブPの数に増減に簡便に対応することができる。
図3に、接続切換モジュール21を収容して、可動ユニット3として使用される収容装置40の側面図を図示する。同図では、収容装置40として、1つの接続切換モジュール21を収容する一部の範囲を拡大して図示している。
接続切換モジュール21は、本発明における収容物に相当し、面に対して直立型の第1のコネクタ34が実装されているバックボード22を有している。バックボード22は、一例としてガラスエポキシ製のようなリジッド(硬質)タイプのプリント基板である。図4に、バックボード22の平面図(図3の上側から見た図。上面図)を図示する。同図では、バックボード22に形成されているプリント配線パターンの図示を省略している。
図3、4に示すように、バックボード22の上面には、複数のコネクタ35が等間隔に配列されて実装されている。コネクタ35は、一例として、ロック機構付のフレキシブル基板接続用のコネクタである。バックボード22の下面には、コネクタ34が実装されている。コネクタ34は、複数の端子を有し、平面形状が長方形状に形成されている。このコネクタ34は、その長方形状の長辺がバックボード22の辺に平行に沿う向きで、バックボード22の端部(辺に近い領域)に配置されている。コネクタ34の実装されたバックボード22の端部は、上面側及び下面側が外部に表出している。コネクタ34は、バックボード22の下面に対して垂直方向からの挿抜が可能である。
図5に、バックボード22に固定される接続切換基板23の正面図(a)、及び側面図(b)を示す。接続切換基板23は、一例として、基材61がポリイミドなどの絶縁体でフィルム状に形成された、可撓性を有するフレキシブル基板で形成されていている。基材61には、接続切換部11Aを構成する部品62が実装されている。基材61の一対の両端部に端子パターンが形成されており、基材61が2つ折りに折り曲げられて、コネクタ37の各端子37aの基端部に半田付けされている。基材61の折り曲げ部には、突出片63が形成されており、この突出片63に端子パターンが形成されていて、コネクタ36が形成されている。なお、同図では、部品62や端子パターンに繋がるプリント配線パターンの図示を省略している。コネクタ37の両端には、固定用の孔64が形成されている。
図3に示すように、接続切換基板23のコネクタ36が、バックボード22のコネクタ35に差し込まれてロックされている。金属製のシャーシ25に、バックボード22及び接続切換基板23のコネクタ37(図5の孔64)が螺子止めされて固定されている。シャーシ25は、接続切換モジュール21の側壁になっている。シャーシ25は、この両側壁間が枠材で固定されている。バックボード22及び接続切換基板23は、シャーシ25に固定されることで、フレキシブル基板で形成された接続切換基板23が撓むことなく直立し、接続切換モジュール21として一体化している。なお、接続切換基板23がリジッド基板で形成されていてもよい。
収容装置40は、可動ユニット3として移動可能に移動機構4に設けられている。収容装置40は、接続切換モジュール21と、接続切換モジュール21を挿入するための挿入口47を有する収容部48と、収容部48内の挿入口47の奥側に固定されていて、第1のコネクタ34が嵌合する第2のコネクタ33と、バックボード22を第2のコネクタ33側に押し付けて、第1のコネクタ34に第2のコネクタ33を嵌合させるための嵌合補助機構51を備えている。以下、具体的に説明する。
収容装置40は、いずれもアルミニウムなどの金属によって形成されたベース板41、縦枠42、横枠44、及び仕切り壁46を備えている。これらで囲まれた空間が、収容部48になっている。この例では、収容装置40は、着脱機構45も備えている。
ベース板41は、収容装置40の底板となる平板であり、移動機構4(図1参照)に支持されている。ベース板41が移動機構4によって移動することで、収容装置40が移動する。
縦枠42は、ベース板41の面上に直立させて固定されている。縦枠42は、1つの収容部48に対し、収容部48の両端(隅)に位置するように、2個一組で設けられている。例えば、同図の紙面の観察面側から非観察面側に向かい、収容装置40に収容部48が3つ並んで設けられているときは、縦枠42が、2個×3組=6個、設けられている。縦枠42は、一例として、長方形状の板状に形成されている。縦枠42には、軸孔43が形成されている。複数の収容部48の各々には、別個の嵌合補助機構51が設けられている。嵌合補助機構51は、組になる縦枠42の間に設けられていて、組になる軸孔43によって収容部48の側部に回動可能に軸支されている。
嵌合補助機構51は、一端側が自由端になるように、収容部48の側部(軸孔43)に他端側が回動可能に軸支されていて、一端側が接続切換モジュール21のバックボード22と係合して、バックボード22を第2のコネクタ33側に押し付ける方向に回動可能な基板係合部材52と、基板係合部材52の他端側に固定されていて、基板係合部材52と共に回動可能で、収容部48(収容装置40)の外側から操作可能に配置された操作部材53を備えている。
図6に、嵌合補助機構51の斜視図を示す。図3、6に示すように、基板係合部材52は、一例として板状に形成されている。基板係合部材52の他端側の側面には、軸孔43を通って軸支される円棒状の軸54が形成されている。
基板係合部材52には、その一端に、収容部48側に突出するように、押付爪56及び引抜爪57が形成されている。押付爪56は、基板係合部材52の一端の上側(挿入口47側)から突出しており、引抜爪57は、基板係合部材52の一端の下側(収容部48の奥側)から突出している。押付爪56と引抜爪57とによって、両爪56、57の間に溝55が形成されている。押付爪56と引抜爪57との間隔(つまり溝55の溝幅)は、両爪56、57の間にバックボード22が入るように、バックボード22の板厚と同程度か若干広めの間隔に規定されている。
引抜爪57は、押付爪56よりも一端から長く突出させて形成されている。引抜爪57の上部は、溝55がなだらかに開口するように、突出した先端に向かうにつれて下降する、なだらかな傾斜を有する形状で形成されている。引抜爪57は、図6に示すように、一例として、基板係合部材52の両端の2か所に形成されている。なお、引抜爪57を、押付爪56のように基板係合部材52の端から端まで繋げた1つの形状で形成してもよいし、複数個所に形成してもよい。同図では、押付爪56を、基板係合部材52の端から端まで繋げた1つの形状で形成した例を示しているが、引抜爪57のように両端の2か所に形成してもよいし、複数個所に形成してもよい。
操作部材53は、一例として、基板係合部材52の板幅と同じ幅の板状に形成されている。操作部材53は、基板係合部材52の他端側に、基板係合部材52と共に側面形状が略L字型を形成するように、一例として90度の角度で、操作部材53の他端側が固定されている。操作部材53の一端側は、自由端になっている。操作部材53の一端から他端(軸54)までの長さは、基板係合部材52の一端から他端(軸54)までの長さよりも長い長さに形成されている。
基板係合部材52、軸54、及び操作部材53は、一例として硬質の樹脂又は金属により、一体的に形成されている。なお、軸54を基板係合部材52に固定せず、軸54となるシャフトの貫通する貫通孔を基板係合部材52に形成し、この貫通孔にシャフトを回転可能に挿入して軸54(回転軸)としてもよい。
操作部材53の一端側には、収容部48(収容装置40)の外側から把持して操作するための把持部材58が、一例として、螺子止めにより固定されている。この把持部材58は、一例として硬質の樹脂又は金属によって形成されている。把持部材58として、同図では、丸棒を略U字型に曲げた形状のハンドルを例示しているが、把持部材58の形状は、操作者が把持し易い形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、把持部材58がノブ、T字ハンドルのような形状であってもよい。把持部材58が、紐であってもよい。又、操作部材53に複数本の指が入って指を掛けることのできるサイズの取っ手用の孔を形成し、この孔を把持部材58として用いてもよい。
図3に示す横枠44は、縦枠42の上部を繋ぐように、縦枠42の上部に固定されている。縦枠42には、収容された接続切換モジュール21を螺子止め固定するための螺子孔44aが形成されている。横枠44の上部には、着脱機構45が固定されている。着脱機構45は、テストヘッド14を着脱可能に固定するものである。
仕切り壁46は、板状に形成されており、収容部48の壁部を構成するように、ベース板41の面上に直立させて固定されている。仕切り壁46の上端には、収容された接続切換モジュール21を螺子止め固定するための螺子孔46aが形成されている。
収容部48の奥底部に位置するように、ベース板41の上面には、ベースボード20が固定されている。このベースボード20には、直立型の第2のコネクタ33が半田付けされて固定されていることで、コネクタ33が収容部48の奥底部(挿入口47の奥側)に固定されている。
図7に、ベースボード20の平面図を示す。ベースボード20には、一例としてガラスエポキシ製のような一般的なリジッド(硬質)タイプのプリント基板である。このベースボード20は、複数(一例として3個×2列=6個)の収容部48に対応するものである。ベースボード20の上面には、複数(6個)のコネクタ33が各収容部48に対応する位置に実装されている。同図には、各収容部48の位置を一点鎖線で示している。ベースボード20の中央には、仕切り壁46(図3参照)の通る孔部20aが形成されている。ベースボード20の下面には、コネクタ32が実装されている。図3に示した収容装置40は、ベースボード20の略半分に相当する部位の側面を拡大して図示している。収容装置40は、ベースボード20に対応するように、仕切り壁46を対称軸として、図3とは対称形の縦枠42、横枠44、及び着脱機構45も備えている。
次に、収容装置40の接続切換モジュール21を収容する際の動作について説明する。
図3に示すように、接続切換モジュール21の挿入前に、把持部材58を引く操作して嵌合補助機構51を回動させ、押付爪56が接続切換モジュール21のバックボード22に当たらない(係合しない)位置まで傾かせておく。このとき、引抜爪57はバックボード22に当たる位置になるようにする。なお、押付爪56がバックボード22に当たらず、引抜爪57がバックボード22に当たる位置で嵌合補助機構51が停止して、それ以上傾かないように嵌合補助機構51の回動範囲を制限する回動制限部材(図示せず)を、収容装置40に設けてもよい。
同図の白抜き鎖線矢印で示すように、収容装置40の挿入口47から接続切換モジュール21を挿入していく。
図8に示すように、接続切換モジュール21を収容部48の奥側まで挿入していくと、バックボード22が引抜爪57に当たる。さらに、接続切換モジュール21を挿入していくと、引抜爪57がバックボード22に押されて、嵌合補助機構51が同図の白抜き鎖線矢印で示す方向に立ち上がるように回動する。
図9に示すように、さらに接続切換モジュール21を挿入していくと、バックボード22のコネクタ34がベースボード20のコネクタ33に当たる。このとき、バックボード22が基板係合部材52の溝55に入り始め、押付爪56がバックボード22の上側(挿入口47側)に係合している。
同図に示す状態で、嵌合補助機構51の把持部材58を同図の白抜き鎖線矢印方向に押すと、嵌合補助機構51が回動して、押付爪56がバックボード22をコネクタ33方向に押し付ける。これにより、コネクタ34がコネクタ33に押し付けられるため、コネクタ34がコネクタ33に嵌入されていく。同図に示すように、コネクタ34の直近のバックボード22の端部に押付爪56が係合するように嵌合補助機構51を配置すると、バックボード22が撓んで力が分散することなく、押付爪56の押し付ける力がコネクタ34に確実に作用するため、好ましい。又、押付爪56の押し付ける力がコネクタ34に均等に作用するように、基板係合部材52の幅(同図に示す基板係合部材52の紙面の観察面側から非観察面側に向かう方向の長さ)が、少なくともコネクタ34の幅(紙面の観察面側から非観察面側に向かう方向の長さ)と同じ幅を有していることが好ましい。
操作部材53の長さが基板係合部材52の長さよりも長く形成されているため、梃子の原理により、小さい力で把持部材58を操作してもコネクタ34に強い力を作用することができ、コネクタ33、34同士をしっかりと嵌合させることができる。なお、コネクタ34に力を十分に作用させることができれば、操作部材53の長さを基板係合部材52以下の長さで形成してもよい。
図10に、コネクタ34がコネクタ33に嵌合した状態を示す。基板係合部材52とバックボード22とが平行(水平)になっていて、溝55の溝奥までバックボード22が入っている。このように嵌合した状態よりも更に嵌合補助機構51が回動しないように、嵌合補助機構51の回動範囲を制限する回動制限部材(図示せず)を、収容装置40に設けてもよい。又、このように嵌合した状態で、操作部材53が、縦枠42(収容部48の側部)に沿っている(収容部48の側部内に入る)ことが、好ましい。この例では、基板係合部材52と操作部材53とが90度の角度で固定されているので、基板係合部材52が水平になると、操作部材53が直立して、組になる縦枠42、42の間に入る。このように、嵌合時に、操作部材53が収容部48の側部に沿うと、操作部材53が外側に突出しないため、収容装置40を小型化することができる。基板係合部材52と操作部材53との角度は、必要性に応じて、適宜設定すればよい。
なお、同図では、把持部材58が外側に突出しているが、把持部材58として、操作部材53との接続部に蝶番(ヒンジ)が設けられていて根元から折り畳み(折り曲げ)可能な公知の折り畳み式の取っ手を用いてもよい。このような折り畳み式の取っ手を用いると、外側に突出しないため、より好ましい。
さらに、嵌合補助機構51(収容装置40)が、コネクタ34をコネクタ33に嵌合させた状態で、操作部材53の動きをロック(固定)するロック部材(図示せず)を備えるようにしてもよい。ロック部材で固定すると、コネクタ34がコネクタ33から抜け止めされるため、装置の信頼性が向上する。ロック部材としては、例えば開き戸や扉の開閉をロックするための公知の掛け金、打ち掛、かんぬき、ラッチ、鍵が挙げられる。これらのロック部材を操作部材53と縦枠42とに架け渡して設ければよい。軸54が回転しないように、ロック部材として軸54に公知の回転止め部材を設けてもよい。又、図3に示したような嵌合補助機構51を傾かせた状態(挿入準備状態)で、嵌合補助機構51が閉じてしまわないように固定するためのロック部材を設けてもよい。
収容装置40に全ての接続切換モジュール21を収容後、螺子孔44a,46aに螺子止め固定する。接続切換モジュール21の固定後に、テストヘッド14を取り付ける。
図10に白抜き鎖線矢印で示すように、テストヘッド14は、接続切換モジュール21の上側から取り付ける。テストヘッド14は、着脱機構45によって収容装置40に着脱可能に取り付けられる。着脱機構45には公知の機構が使用される。例えば同図に示すように、着脱機構45が軸45aを中心に回動する固定レバーであってもよいし、ボルト等で螺子止め固定するものであってもよい。接続切換モジュール21のコネクタ37の端子37aが、テストヘッド14のコネクタ38の端子と接触して電気的に接続される。コネクタ37の端子37aは、一例としてスプリングバネでコネクタ38方向に付勢された付勢端子である。付勢端子を用いることで、コネクタ38との接触を確実なものとしている。
次に、収容装置40から接続切換モジュール21を取り外す際の動作について説明する。
収容装置40からテストヘッド14を取り外すと、図10に示す状態になる。螺子孔44a,46aから螺子を外す。この状態で、嵌合補助機構51の把持部材58を外側に向かって引く。これにより、図9に示すように、嵌合補助機構51が回動して、基板係合部材52の引抜爪57が挿入口47側(上側)に持ち上がり、引抜爪57がバックボード22を挿入口47側に押し出して、コネクタ34がコネクタ33から引き抜かれる。嵌合補助機構51がコネクタ34の直近の位置に配置されているため、引き抜く力はバックボード22が撓んで分散することなくコネクタ34に直接作用する。また、操作部材53の長さが基板係合部材52の長さよりも長いため、梃子の原理で大きな力を作用させることができる。さらに、引抜爪57がなだらかな傾斜を有する形状に形成されているので、引抜爪57の回動と共にバックボード22を押し出す力をバックボード22の垂直方向に連続して掛けることができる。したがって、コネクタ34を簡便に引き抜くことができる。
このように、収容装置40を基板検査装置1の可動ユニット3として用いることで、スペースが狭く嵌合し難い場所に設けられたコネクタ33に対し、接続切換モジュール21のコネクタ34をしっかりと確実に嵌合させることができる。又、コネクタ34をコネクタ33から容易に引き抜くことができる。従って、可動ユニット3を小型化しても、接続切換モジュール21の着脱を簡便に行うことができる。可動ユニット3を小型化できるため、基板検査装置1の移動機構4を小型化でき、ひいては装置全体を小型化することができる。
なお、嵌合補助機構51の基板係合部材52が、押付爪56及び引抜爪57の両方を備える例を説明したが、押付爪56だけを備えていてもよい。この場合、基板係合部材52の一端を突出させることなく、板状の基板係合部材52の一端側の下面でバックボード22を押し付けるようにしてもよい。又は、引抜爪57だけを備えていてもよい。又、収容装置40が複数の収容部48を備える例を示したが、1つの収容部48だけを備えていてもよい。また、1つの収容部48に対し、1つの嵌合補助機構51を備える例について説明したが、例えばバックボード22の中央部に第1のコネクタ34が設けられている場合、第1のコネクタ34を間に挟む位置関係でバックボード22の両端側に、一対(2つ)の嵌合補助機構51を備えてもよい。又、第1のコネクタ34がバックボード22に複数設けられる場合、複数の嵌合補助機構51を設けてもよい。嵌合補助機構51を設ける数は、適宜決めればよい。
又、収容装置40を、基板検査装置1の可動ユニット3として用いた例について説明したが、収容装置40はどのような装置に用いてもよい。又、その収容物に限定はない。収容装置40を用いることで、狭いスペース内のコネクタを確実に嵌合させることができ、コネクタを簡便に引き抜くことができる。