JP2015081890A - 信号処理装置及びレーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】海上の物標の中から、曳航船及び被曳航船を判別する。
【解決手段】物標の存在を検出する物標探知機1が受信した受信信号を処理する信号処理装置3に関する。信号処理装置3は、受信信号に含まれる、判定対象となる2つの対象物標に起因する2つのエコー像、のそれぞれにおける少なくとも2つのタイミングでの座標に基づいて、2つのエコー像が、他船を曳航する側の船である曳航船及び前記他船としての被曳航船に起因する曳航船信号であるか否かを判定する判定部15を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、物標探知機が受信した受信信号を処理する信号処理装置、及び当該信号処理装置を備えたレーダ装置、に関する。
従来から、海上の物標の存在を検出するレーダ装置(物標探知機)が受信した受信信号を処理する信号処理装置が知られている。一般的に、レーダ装置の信号処理装置は、送信された電磁波の反射波を受信して適宜処理することにより、海上の物標(例えば海上を航行する船)の位置を検出するように構成されている。
一方、海上を航行する船として、ロープ等の曳索で連結された曳航船及び被曳航船が知られている。被曳航船は、曳航船によって曳索を介して引っ張られることにより、海上を航行することができる。例えば、特許文献1には、曳船(曳航船)によって曳航される輸送台船(被曳航船)に搭載された積荷の固定状態を監視する海上輸送監視システムが開示されている。
特開2007−83976号公報
ところで、船の航行において、自船が、上述のような曳航船と被曳航船との関係を認識できずに、曳航船と曳航船との間を通過しようとした場合、自船が曳索に引っかかってしまう虞がある。これに対して、レーダ装置で、曳索そのものを検出することも考えられるが、曳索は船と比べると極めて細いため、その検出は非常に困難である。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、海上の物標の中から、曳航船及び被曳航船を判別することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る信号処理装置は、物標の存在を検出する物標探知機が受信した受信信号を処理する信号処理装置であって、前記受信信号に含まれる、判定対象となる2つの対象物標に起因する2つのエコー像、のそれぞれにおける少なくとも2つのタイミングでの座標に基づいて、前記2つのエコー像が、他船を曳航する側の船である曳航船及び前記他船としての被曳航船に起因する曳航船信号であるか否かを判定する判定部を備えている。
なお、本明細書中では、上述した曳航船及び被曳航船を、以下のように定義する。具体的には、一方の船が他方の船を牽引する場合、前記一方の船を曳航船、他方の船を被曳航船、とする。また、先頭の船が、直列に接続される複数の船を牽引する場合、これらの複数の船のうち連続する2つの船の関係において曳航船と被曳航船とを定義することとし、前方の船を曳航船、後方の船を被曳航船、とする。
(2)好ましくは、各前記対象物標における、前記少なくとも2つのタイミングでの座標に基づいて、各前記対象物標の所定時間当たりの移動距離、及び各前記対象物標の移動方向を算出する算出部、を更に備え、前記判定部は、第1条件、第2条件、及び第3条件に基づいて、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定し、前記第1条件は、前記2つの対象物標のうちの一方における所定時間当たりの移動距離と、前記2つの対象物標のうちの他方の所定時間当たりの移動距離と、の差が所定距離以下であること、であり、前記第2条件は、前記少なくとも2つのタイミングのうちの或るタイミングにおける、前記2つの対象物標同士を繋ぐ線分である対象物標線分と、前記2つの対象物標のいずれかの移動方向との角度差、及び、前記2つの対象物標のうちの一方の移動方向と他方の移動方向との角度差、のそれぞれが所定角度以下であること、であり、前記第3条件は、前記2つの対象物標のうちの一方の移動方向と前記対象物標線分との角度差、及び、前記2つの対象物標のうちの他方の移動方向と前記対象物標線分との角度差、のそれぞれが所定角度以下であること、であり、前記判定部は、前記第1条件と、前記第2条件及び前記第3条件の少なくとも一方と、が満たされることを条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(3)更に好ましくは、前記判定部は、更に前記対象物標線分の長さが所定長さ以下であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(4)好ましくは、前記判定部は、更に前記2つの対象物標の少なくとも一方における所定時間当たりの移動距離、が所定範囲内であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(5)好ましくは、前記判定部は、前記少なくとも2つのタイミングのうちの第1タイミングにおける各前記対象物標、に対応する座標同士を繋ぐ線分である第1対象物標線分と、前記少なくとも2つのタイミングのうちの第2タイミングにおける各前記対象物標、に対応する座標同士を繋ぐ第2対象物標線分と、の差が所定距離以下であることと、前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの時間における前記2つの対象物標のうちのいずれか一方の移動方向と、前記第1対象物標線分又は前記第2対象物標線分との角度差、及び、前記第1対象物標線分と前記第2対象物標線分との角度差、のそれぞれが所定角度以下であることと、を条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(6)更に好ましくは、前記判定部は、更に前記第1対象物標線分の長さ及び前記第2対象物標線分の長さの少なくとも一方が所定長さ以下であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(7)好ましくは、前記判定部は、更に前記2つの対象物標の少なくとも一方における所定時間当たりの移動距離、が所定範囲内であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(8)好ましくは、各前記対象物標の代表点の座標を少なくとも3つのタイミングで算出する代表点算出部と、前記2つの対象物標のうちの一方において、前記少なくとも3つのタイミングのうちの時間的に連続する2つのタイミングでの前記代表点同士を繋ぐことで形成される軌跡線分を、前記少なくとも3つのタイミングでの複数の前記代表点に対して複数、生成する軌跡線分生成部と、を備え、前記判定部は、前記2つの対象物標のうちの他方における時間的に連続する少なくとも2つの代表点である判定対象点のそれぞれから、各前記判定対象点に最も近い、複数の前記軌跡線分のいずれか、までの距離が所定距離以下であることを条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(9)更に好ましくは、前記判定部は、更に、前記2つの対象物標のそれぞれにおいて、時間的に対応し且つ連続する2つのタイミングでの前記代表点同士を繋いだ線分の長さの差が所定長さ以下であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定する。
(10)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係るレーダ装置は、電波を受信するアンテナと、前記アンテナから出力された受信信号をデジタル信号に変換する受信装置と、前記受信装置から出力されたデジタル信号を処理する上述したいずれかの信号処理装置と、前記信号処理装置で判定された曳航船信号が、曳航船及び被曳航船に起因する信号であることを識別可能なように表示される表示部と、を備えている。
本発明によれば、海上の物標の中から、曳航船及び被曳航船を判別できる。
本発明の実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図1で示すレーダ装置の曳航船判別処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 図1で示すレーダ装置の信号処理部において曳航船信号であるか否かの判定対象となる2つの物標を模式的に示す図である。 表示器に表示される画面の一例を示す図である。 変形例に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図5で示すレーダ装置の曳航船判別処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 図5で示すレーダ装置の信号処理部において曳航船信号であるか否かの判定対象となる2つの物標を模式的に示す図である。 変形例に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。 図8で示すレーダ装置の曳航船判別処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 図8で示すレーダ装置の信号処理部において曳航船信号であるか否かの判定対象となる2つの物標、及び2つの物標の移動軌跡を模式的に示す図である。 オーバーラップ端点を検出する際のフローチャートである。 図10の一部を拡大して示す図である。 オーバーラップ判定を説明するためのフローチャートである。 曳航船及び被曳航船について説明するための模式図である。
本発明の実施形態に係る信号処理装置3、及び信号処理装置3を備えるレーダ装置10について、図を参照して説明する。本発明の実施形態に係るレーダ装置10は、例えば船舶(自船)に装備され、海上の物標(例えば他船)を探知するために用いられる。そして、本実施形態に係るレーダ装置10は、海上の曳航船及び被曳航船を他の船と判別可能に構成されているとともに、ユーザが曳航船及び被曳航船を識別可能なように構成されている。
[曳航船及び被曳航船]
図14は、曳航船及び被曳航船について説明するための模式図であって、(A)は、一方の船が他方の船を牽引している状態を示す図であり、(B)は、先頭の船が、直列に接続される2つの船を牽引している状態を示す図である。曳航船及び被曳航船は、曳索としてのロープRPで互いに連結されている。
本明細書中では、連続する2つの船の関係において曳航船と被曳航船とを定義する。具体的には、図14(A)の場合、他船を曳航する側の船B1を曳航船、曳航船に曳航される前記他船としての船B2を被曳航船と定義する。また、図14(B)の場合、船B3と船B4との関係においては、船B3を曳航船、船B4を被曳航船と定義する。また、船B4と船B5との関係においては、船B4を曳航船、船B5を被曳航船と定義する。
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置10の構成を示すブロック図である。レーダ装置10は、図1に示すように、アンテナユニット(受信装置)2と、信号処理装置3と、表示器4(表示部)と、を備えている。
アンテナユニット2は、アンテナ5と、受信部6と、A/D変換部7と、を含んでいる。
アンテナ5は、指向性の強いパルス状電波を送信(放射)可能なレーダアンテナである。また、アンテナ5は、物標からのエコー信号(反射波)を受信するように構成されている。即ち、アンテナ5は、物標を特定するエコー信号を受信するように構成されている。レーダ装置10は、パルス状電波を送信してからエコー信号を受信するまでの時間を測定する。これにより、レーダ装置10は、物標までの距離rを検出することができる。自船と物標とが向かい合う方向は、距離方向として定義される。
アンテナ5は、水平面上で360°回転可能に構成されており、鉛直軸線回りを回転する。アンテナ5は、パルス状電波の送信方向を変えながら(アンテナ5の回転角度を変えながら)、電波の送受信を繰り返し行うように構成されている。以上の構成で、レーダ装置10は、自船周囲の平面上の物標を、360°にわたり探知することができる。
なお、以下の説明では、パルス状電波を送信してから次のパルス状電波を送信するまでの動作を「スイープ」という。また、電波の送受信を行いながらアンテナを360°回転させる動作を「スキャン」と呼ぶ。また、以下では、あるスキャンのことを、「nスキャン」という。
受信部6は、アンテナ5で受信したエコー信号を検波して増幅する。エコー信号は、アンテナ5で受信された信号のうち、アンテナ5からの送信信号に対する、物標での反射波である。受信部6は、増幅したエコー信号を、A/D変換部7へ出力する。A/D変換部7は、アナログ形式のエコー信号をサンプリングし、複数ビットからなるデジタルデータ(エコーデータ)に変換する。ここで、上記エコーデータの値は、アンテナ5が受信したエコー信号の強度(信号レベル)を特定するデータを含んでいる。A/D変換部7は、エコーデータを、信号処理装置3の画像生成部16及び信号処理部11へ出力する。
信号処理装置3は、信号処理部11と、物標代表点検出部12と、物標捕捉部13と、追尾処理部14と、曳航船判別処理部15(判定部)と、画像生成部16と、を含んでいる。
画像生成部16は、A/D変換部7からのエコーデータに基づいて画像データを生成する。本実施形態では、画像生成部16は、PPI(Plan Position Indicator)画像データを生成する。画像生成部16で生成された画像データは、表示器4に出力される。
信号処理部11は、フィルタ処理等を施すことにより、エコーデータに含まれる干渉成分と、不要な波形データと、を除去する。信号処理部11は、処理したエコーデータを、物標代表点検出部12へ出力する。
物標代表点検出部12は、物標のエコー像を検出するとともに、検出した物標のエコー像の代表点の座標の検出を行うように構成されている。具体的には、物標代表点検出部12は、物標のエコー像の検出の際、エコーデータに対応する位置にエコー源が存在するか否かを検出するように構成されている。物標代表点検出部12は、信号レベルが所定のしきいレベル以上である位置には、物標が存在していると判別する。そして、物標代表点検出部12は、信号レベルが所定のしきいレベル以上である一まとまりの領域を、物標のエコー像が存在している領域として検出し、例えば、その領域の中心点を代表点として算出する。物標代表点検出部12は、所定時間毎に(例えば、スキャン毎に)、各物標のエコー像の代表点の座標を算出する。これらの代表点は、順次、物標捕捉部13へ出力される。なお、以下では、物標のエコー像の代表点の座標を、物標の座標、と称する場合もある。
物標捕捉部13は、追尾対象となる追尾物標の代表点を捕捉するように構成されている。具体的には、物標捕捉部13は、移動する物標を、所定時間毎に捕捉するように構成されている。例えば、物標捕捉部13は、ある時刻(t−1)における追尾物標の座標及び速度に基づいて、該時刻(t−1)から所定時間経過後の時刻tにおける追尾物標の位置を予測する。そして、このように予測された位置に基づいて、追尾物標の代表点を特定する。なお、上述した追尾物標の速度には、例えば、後述する追尾処理部14によって算出された速度が用いられる。
追尾処理部14は、追尾物標の代表点の速度を算出するように構成されている。例えば、一例として、追尾処理部14は、物標捕捉部13で捕捉された2つの時刻での各代表点の座標に基づいて、該2つの時刻の間の時間における追尾物標の速度を算出する。すなわち、追尾処理部14は、物標の所定時間当たりの移動距離(速度の大きさ)、及び物標の移動方向(速度の向き)を算出する算出部として設けられている。追尾処理部14で算出された速度は、曳航船判別処理部15及び物標捕捉部13へ出力される。
曳航船判別処理部15は、追尾対象となる複数の物標から2つの物標を抽出し、これら2つの物標のそれぞれを対象物標とする。そして、曳航船判別処理部15は、物標捕捉部13で捕捉された上記対象物標の座標、及び追尾処理部14で算出された上記対象物標の速度、に基づいて、2つの対象物標に起因する2つのエコー像が、曳航船及び被曳航船に起因する曳航船信号であるか否かを判定する。曳航船判別処理部15は、2つの対象物標に起因する2つのエコー像が、曳航船信号であると判定した場合、これら2つのエコー像が曳航船信号である旨を通知する曳航船通知信号を、表示器4に出力する。曳航船判別処理部15の動作については、詳しくは後述する。
表示器4は、画像生成部16で生成された画像信号を表示するように構成されている。また、表示器4は、曳航船判別処理部15から曳航船通知信号を受けて、曳航船信号である2つのエコー像が、曳航船及び被曳航船に起因する曳航船信号であることを、ユーザが識別可能なように表示する。
[曳航船判別処理部の動作]
図2は、曳航船判別処理部15の動作を示すフローチャートである。曳航船判別処理部15は、複数のエコー像のそれぞれの代表点の中から2点を抽出し、該2点を判定対象として、図2に示すフローに基づいて該2点の判定対象が曳航船信号か否かを判定する。曳航船判別処理部15は、所定のエリア内に存在する全てのエコー像の中から判定対象となる2点を抽出する作業を、全ての組み合わせについて行い、これら全ての組み合わせについて、順次、曳航船信号か否かを判定する。
図3は、曳航船判別処理部15での判定対象となる2つの物標を模式的に示す図である。以下では、図3に示す物標0のエコー像E及び物標1のエコー像Eを例として説明する。
まず、曳航船判別処理部15は、ステップS1及びステップS2で、判定対象となる2つの代表点の速度が、ともに曳航船及び被曳航船として想定される速度範囲内であるか否かを判定する。
具体的には、曳航船判別処理部15は、ステップS1で、2つの判定対象のうちの一方(例えば物標0)の速度Vの大きさ|V|が所定範囲内であるか否かを判定する。|V|が所定範囲外の場合、当該2つの判定対象である2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、曳航船判別処理部15は、|V|が所定範囲内の場合には、次にステップS2で、2つの判定対象のうちの他方(例えば物標1)の速度Vの大きさ|V|が所定範囲内であるか否かを判定する。|V|が所定範囲外の場合、物標0及び物標1に起因する2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|V|が所定範囲内の場合、ステップS3に進む。
なお、ステップS1及びステップS2において判定対象となった2つの物標について、その速度の大きさが所定範囲外であった場合、当該物標については、上述した、所定のエリア内に存在する全てのエコー像の中から判定対象となる2点を抽出する作業において、抽出する対象から外してもよい。これにより、曳航船信号の対象とならない物標を判定対象から外すことができるため、曳航船判別処理部15の処理速度を速めることができる。
次に、曳航船判別処理部15は、ステップS3で、物標0と物標1との間の距離が、曳航船及び被曳航船の関係において想定されうる距離範囲内であるか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15は、ステップS3で、物標0の代表点及び物標1の代表点を繋ぐ線分である対象物標線分Pの長さ|P|が所定の範囲内であるか否かを判定する。|P|が所定範囲外の場合、物標0及び物標1に起因する2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|P|が所定範囲内の場合、ステップS4に進む。
次に、曳航船判別処理部15は、ステップS4で、物標0及び物標1がともに同じ程度の速さで移動しているか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15は、|V|と|V|との差が所定の閾値以下であること、という第1条件を満たしているか否かを判定する。|V|と|V|との差が所定の閾値を超える場合、物標0及び物標1に起因する2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|V|と|V|との差が所定の閾値以下の場合、ステップS5に進む。
次に、曳航船判別処理部15は、ステップS5からステップS7で、物標0の進行方向、物標1の進行方向、及び対象物標線分Pが延びる方向、が、概ね同じ方向を向いているか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15は、ステップS5で、Vの方向とVの方向との角度差が所定の閾値(角度)以下であるか否かを判定し、ステップS6で、Vの方向とPの方向との角度差が所定の閾値(角度)以下であるか否かを判定し、ステップS7で、Vの方向とPの方向との角度差が所定の閾値(角度)以下であるか否かを判定する。いずれかのステップで、上述した2つの方向の角度差が所定角度を超えると判定されると、物標0及び物標1に起因する2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、ステップS5からステップS7において、各角度差が所定角度以下であると判定されると、物標0及び物標1に起因する2つのエコー像は、曳航船信号であると判定され(ステップS8)、本フローは終了する。なお、ステップS5からステップS7のうち、1つのステップは、省略されてもよい。また、ステップS5及びステップ6を満たすこと、又は、ステップS5及びステップ7を満たすことは、第2条件であり、ステップS6及びステップS7を満たすことは、第3条件である。
上述のフローにより、曳航船判別処理部15は、複数のエコー像のうちの2つについて、該2つのエコー像が曳航船信号であるか否かを判定する。以降、曳航船判別処理部15は、上述したように、所定のエリア内に存在する全てのエコー像の中から判定対象となる2点を抽出する作業を、残り全ての組み合わせについて行い、これらの組み合わせについて、順次、曳航船信号か否かを判定する。
図4に、表示器4に表示される画面の一例を示す。表示器4では、自船を中心として、その周囲に検出された物標が表示される。本実施形態に係るレーダ装置10の表示器4では、危険性が高い物標が赤色(図4では間隔の狭いハッチングで表示)で表示される。具体的には、自船が現時点での速度及び方位で航行していくと衝突する可能性が高い物標について、赤色で表示される。また、表示器4では、危険性がやや高い物標が黄色(図4では間隔の広いハッチングで表示)で表示される。具体的には、自船が現時点での速度及び方位で航行していくと衝突する可能性がやや高い物標、及び、ユーザへの注意喚起が必要と思われる物標について、黄色で表示される。
そして、表示器4では、図4に示すように、曳航船判別処理部15で曳航船信号であると判定された2つの物標が黄色(図4における間隔の広いハッチング)で表示されるとともに、これらの物標同士を繋ぐ直線部Lが表示される。これにより、直線部Lで繋がれた2つの物標が、曳航船及び被曳航船の関係である可能性が高いことを、ユーザに注意喚起することができる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る信号処理装置3では、曳航船信号であるか否かの判定対象となる2つのエコー像のそれぞれにおける、少なくとも2つのタイミングでの代表点の座標に基づいて、2つのエコー像が曳航船信号であるか否かが判定される。このように、2つのエコー像のそれぞれにおける複数のタイミングでの座標を用いることで、各エコー像の挙動(本実施形態における速度Vの大きさ及び向き)、相対的な位置関係(本実施形態における対象物標線分P)等を把握できる。よって、2つのエコー像の挙動及び相対的位置関係が、上述のように、曳航船及び被曳航船の関係としてありうる関係となっているか否かを判別することで、2つのエコー像が曳航船及び被曳航船であるか否かを判別できる。
従って、海上の物標の中から、曳航船及び被曳航船を判別することができる。
また、信号処理装置3では、各エコー像E及びEの速度V及びVの差が所定範囲内であることを条件として、各エコー像E及びEが曳航船信号であると判定している。曳航船及び被曳航船は、図14に示すように、ロープRP等の曳索で連結され、一方が他方を曳航しているため、両者の速度は概ね一致する。よって、上記条件を設定することで、曳航船及び被曳航船の関係である可能性がある2つのエコー像を、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、信号処理装置3では、速度Vの向きと速度Vの向きとの角度差、速度Vの向きと対象物標線分Pとの角度差、及び、速度Vの向きと対象物標線分Pとの角度差、のうちの少なくとも2つが、所定角度以下であることを条件として、各エコー像E及びEが曳航船信号であると判定している。曳航船及び被曳航船は、上述のように、ロープで連結されて一方が他方を曳航しているため、ロープの向きと、各エコー像E及びEの速度の向きは、概ね一致する。よって、上記条件を設定することで、曳航船及び被曳航船の関係である可能性がある2つのエコー像を、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、信号処理装置3では、対象物標線分Pの長さが所定長さ以下であることを条件として、各エコー像E及びEが曳航船信号であると判定している。曳航船及び被曳航船の関係において、両者を繋ぐロープの長さは、現実的に、例えば1km以上にはならず、ある所定長さ以下である(一例として、数百m未満)。よって、上記条件を設定することで、現実的な間隔である2つのエコー像E及びEを、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、信号処理装置3では、速度V及び速度Vのうちの少なくとも一方の大きさが所定範囲内であることを条件として、各エコー像E及びEが曳航船信号であると判定している。こうすると、曳航船及び被曳航船として想定されうる速度の大きさであるエコー像E及びEを、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、本実施形態に係るレーダ装置10では、曳航船信号であると判定された2つのエコー像が、表示器4に、他のエコー像とは異なる色で表示されるとともに、2つのエコー像が直線Lで接続された状態で表示される。これにより、ユーザは、これら2つのエコー像が曳航船及び被曳航船である可能性があることを視覚的に把握できる。よって、ユーザは、自船がその直線Lが表示される箇所を通過しないように自船を操作することで、曳索(ロープ)に引っかかってしまう危険を未然に防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(1)図5は、変形例に係るレーダ装置10aの構成を示すブロック図である。本変形例に係るレーダ装置10aは、上記実施形態の場合と比べて、曳航船判別処理部の動作が異なる。以下では、上記実施形態と異なる点について主に説明し、上記実施形態と同様の構成の説明については、図面において同一の符号を付すことで又は同一の符号を引用して説明することで、省略する。
曳航船判別処理部15aは、上記実施形態の曳航船判別処理部15と同様、物標捕捉部13で捕捉された追尾物標の座標、及び追尾処理部14で算出された追尾物標の速度、に基づいて、判定対象となる2つの対象物標に起因する2つのエコー像が、他船を曳航する側の船である曳航船及び前記他船としての被曳航船に起因する曳航船信号であるか否かを判定する。しかし、本変形例の曳航船判別処理部15aは、その動作が、上記実施形態の曳航船判別処理部15の動作と大きく異なる。以下では、曳航船判別処理部15aの動作について、説明する。
[曳航船判別処理部の動作]
図6は、曳航船判別処理部15aの動作を示すフローチャートである。曳航船判別処理部15aは、上記実施形態の場合と同様、複数のエコー像のそれぞれの代表点の中から2点を抽出し、該2点を判定対象とする。そして、曳航船判別処理部15aは、図6に示すフローに基づいて該2点の判定対象が曳航船信号か否かを判定する。曳航船判別処理部15aは、上記実施形態の場合と同様、所定のエリア内に存在する全てのエコー像の中から判定対象となる2点を抽出する作業を、全ての組み合わせについて行い、これら全ての組み合わせについて、順次、曳航船信号か否かを判定する。
図7は、曳航船判別処理部15aでの判定対象となる2つの物標を模式的に示す図である。以下では、図7に示す物標0のエコー像E及び物標1のエコー像Eを例として説明する。なお、図7において、ある時刻t(第2タイミング)における物標0のエコー像及び物標1のエコー像を、それぞれ、E(t)及びE(t)とする。また、上記時刻tより所定時間前の時刻t−1(第2タイミング)における物標0のエコー像及び物標1のエコー像を、それぞれ、E(t−1)及びE(t−1)とする。
まず、曳航船判別処理部15aは、ステップS10及びステップS11で、時刻t−1における2つの物標間の距離、及び時刻tにおける2つの物標間の距離、の双方が、曳航船及び被曳航船の関係において想定されうる距離範囲内であるか否かを判定する。
具体的には、曳航船判別処理部15aは、ステップS10で、時刻t−1における物標0のエコー像E(t−1)の代表点及び物標1のエコー像E(t−1)の代表点、を結ぶ線分P(t−1)(第1対象物標線分)の長さ|P(t−1)|が所定の範囲内であるか否かを判定する。|P(t−1)|が所定範囲外の場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、曳航船判別処理部15aは、|P(t−1)|が所定範囲内の場合には、次にステップS11で、時刻tにおける物標0のエコー像E(t)の代表点及び物標1のエコー像E(t)の代表点、を結ぶ線分P(t)(第2対象物標線分)の長さ|P(t)|が所定の範囲内であるか否かを判定する。|P(t)|が所定範囲外の場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|P(t)|が所定範囲内の場合、ステップS12に進む。
次に、曳航船判別処理部15aは、ステップS12で、物標0と物標1との間の距離が、時間の経過に伴って大きく変化しないか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15aは、ステップS12で、上記第1対象物標線分P(t−1)の長さ|P(t−1)|と、上記第2対象物標線分P(t)の長さ|P(t)|との差が、所定の閾値(長さ)以下であるか否かを判定する。|P(t−1)|と|P(t)|との差が所定長さを超える場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|P|と|Pt−1|との差が所定長さ以下の場合、ステップS13に進む。
次に、曳航船判別処理部15aは、ステップS13で、物標0及び物標1が曳航船及び被曳航船であると仮定した場合に、所定時間において想定される変針角度以内であるか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15aは、ステップS13で、P(t)とP(t−1)との角度差が所定の閾値(角度)以下であるか否かを判定する。P(t)とP(t−1)との角度差が所定角度を超える場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、P(t)とP(t−1)との角度差が所定角度以下の場合、ステップS14に進む。
次に、曳航船判別処理部15aは、ステップS14で、一方の物標が所定時間当たりで移動する距離が、曳航船又は被曳航船として想定されうる距離範囲内であるか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15aは、ステップS14で、一方の物標(本実施形態では、物標0)のエコー像Eが時刻t−1から時刻tまでで移動するベクトルΔP(t)の距離|ΔP(t)|が所定範囲内であるか否かを判定する。|ΔP(t)|が所定範囲外の場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|ΔP(t)|が所定範囲内の場合、ステップS15に進む。なお、本ステップS14において、他方の物標1のエコー像Eが時刻t−1から時刻tまでで移動するベクトルの距離が所定範囲内であるか否かを判定してもよい。
次に、曳航船判別処理部15aは、ステップS15で、物標0及び物標1が曳航船及び被曳航船であると仮定した場合に、曳索が延びる方向と、被曳航船の進行方向とが、想定されうる角度範囲内であるか否かを判定する。具体的には、曳航船判別処理部15aは、ステップS15で、P(t)とΔP(t)との角度差が所定角度以下であるか否かを判定する。P(t)とΔP(t)との角度差が所定角度を超える場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、P(t)とΔP(t)との角度差が所定角度以下の場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号であると判定され(ステップS16)、本フローは終了する。
上述のフローにより、曳航船判別処理部15aは、複数のエコー像のうちの2つについて、該2つのエコー像が曳航船信号であるか否かを判定する。以降、曳航船判別処理部15aは、上記実施形態の場合と同様、所定のエリア内に存在する全てのエコー像の中から判定対象となる2点を抽出する作業を、残り全ての組み合わせについて行い、これらの組み合わせについて、順次、曳航船信号か否かを判定する。
そして、本変形例の表示器4でも、曳航船判別処理部15aで曳航船信号であると判定された2つの物標が黄色(図4における間隔の広いハッチング)で表示されるとともに、これらの物標同士を繋ぐ直線部Lが表示される。これにより、前記2つの物標が、曳航船及び被曳航船の関係である可能性が高いことを、ユーザに注意喚起することができる。
[効果]
以上のように、本変形例に係る信号処理装置3aでも、上記実施形態の場合と同様、2つのエコー像のそれぞれにおける、少なくとも2つのタイミングでの代表点の座標に基づいて、2つのエコー像が曳航船信号であるか否かが判定される。よって、上記実施形態の場合と同様、上記座標から把握される各エコー像の挙動及び相対的位置関係が、曳航船及び被曳航船の関係としてありうる関係となっているか否かを判別することで、2つのエコー像が曳航船及び被曳航船であるか否かを判別できる。
また、信号処理装置3aでは、ある時刻(t−1)における2つのエコー像E及びEの代表点間の距離(第1対象物標線分P(t−1))と、ある時刻tにおける2つのエコー像E及びEの代表点間の距離(第2対象物標線分P(t))との差が所定距離以下であることを条件として、2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定している。2つのエコー像が曳航船及び被曳航船の関係にある場合、時間の経過によらず、2つのエコー像の間の距離は概ね一致する。よって、上記条件を設定することで、2点間の距離が経時的に概ね同じであるエコー像E及びEを、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、信号処理装置3aでは、2つのエコー像E及びEがうちのいずれか一方の移動方向と第1対象物標線分P(t−1)又は第2対象物標線分P(t)との角度差、及び、第1対象物標線分P(t−1)と第2対象物標線分P(t)との角度差、のそれぞれが所定角度以下であること、を条件として、各エコー像E及びEが曳航船信号であると判定している。曳航船及び被曳航船は、上述のように、ロープで連結されて一方が他方を曳航しているため、上記移動方向及び上記対象物標線分は、概ね一致する。よって、上記条件を設定することで、曳航船及び被曳航船の関係である可能性がある2つのエコー像を、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
(2)図8は、変形例に係るレーダ装置10bの構成を示すブロック図である。本変形例に係るレーダ装置10bの曳航船判別処理部15bは、判定対象となる2つの物標の移動軌跡に基づいて、該2つの対象物標に起因する2つのエコー像が曳航船信号であるか否かを判定するように構成されている。やや詳しくは、曳航船判別処理部15bは、2つの物標の移動軌跡が概ね一致している場合に、該2つの対象物標に起因する2つのエコー像が曳航船信号であると判定するように構成されている。
従って、本変形例に係るレーダ装置10bは、上記実施形態及び上記変形例の場合と比べて、曳航船判別処理部の構成及び動作が異なる。以下では、上記実施形態と異なる点について主に説明し、上記実施形態と同様の構成の説明については、図面において同一の符号を付すことで又は同一の符号を引用して説明することで、省略する。
曳航船判別処理部15bは、軌跡線分生成部17を有している。軌跡線分生成部17は、エコー像の各タイミングにおける代表点のうち、時間的に連続する代表点同士を繋ぐことにより、複数の軌跡線分を生成するように構成されている。
曳航船判別処理部15bは、上記実施形態及び変形例の曳航船判別処理部15,15aと異なり、物標捕捉部13で捕捉された追尾物標の座標に基づいて、判定対象となる2つの対象物標に起因する2つのエコー像が曳航船信号であるか否かを判定する。すなわち、曳航船判別処理部15bでは、追尾処理部14によって算出された追尾物標の速度を直接的には用いずに、曳航船判定を行う。本変形例では、追尾処理部14で算出された追尾物標の速度は、物標捕捉部13が追尾物標の座標を捕捉するために用いられる。
なお、本変形例において、レーダ装置10bを、追尾処理部14を省略して構成することもできる。この場合、物標捕捉部13は、例えば一例として、AIS(Automatic Identification System、自動船舶識別装置)を利用して追尾物標を捕捉することができる。
物標捕捉部13は、追尾対象となる追尾物標において、異なるタイミング毎(例えば、スキャン毎)の座標を捕捉するように構成されている。そして、曳航船判別処理部15bは、物標捕捉部13によって捕捉された、判定対象となる2つの物標のそれぞれにおける異なるタイミング毎の座標に基づいて、2つの対象物標に起因する2つのエコー像が、曳航船信号であるか否かを判定する。
[曳航船判別処理部の動作]
図9は、曳航船判別処理部15bの動作を示すフローチャートである。曳航船判別処理部15bは、上記実施形態の場合と同様、複数のエコー像から2つを抽出し、該2つのエコー像が曳航船信号か否かを、図9に示すフローに基づいて判定する。曳航船判別処理部15bは、上記実施形態の場合と同様、所定のエリア内に存在する全てのエコー像の中から判定対象となる2点を抽出する作業を、全ての組み合わせについて行い、これら全ての組み合わせについて、順次、曳航船信号か否かを判定する。
図10は、曳航船判別処理部15bでの判定対象となる2つの物標を模式的に示す図である。以下では、図10に示す物標0のエコー像E及び物標1のエコー像Eを例として説明する。図10では、連続する6つのタイミング(最も過去のタイミングから順に、t−5,t−4,…,t)のそれぞれにおける、物標0のエコー像Eの代表点(EP(t−5),EP(t−4),…,EP(t))及び物標1のエコー像Eの代表点(EP(t−5),EP(t−4),…,EP(t))、を図示している。図10に図示される、エコー像Eの各タイミングにおける代表点を繋いだ線分は、時刻(t−5)から時刻tまでの間にエコー像Eが移動した軌跡と概ね一致する。同様に、エコー像Eの各タイミングにおける代表点を繋いだ線分は、時刻(t−5)から時刻tまでの間にエコー像Eが移動した軌跡と概ね一致する。
まず、曳航船判別処理部15bは、ステップS20で、あるタイミング(例えば、時刻t−5)における2つの物標間の距離が、曳航船及び被曳航船の関係において想定されうる距離であるか否かを判定する。
具体的には、曳航船判別処理部15bは、ステップS20で、時刻t−5における、エコー像E(t−5)の代表点EP(t−5)と、エコー像E(t−5)の代表点EP(t−5)との距離|ΔP(t−5)|が、所定範囲内であるか否かを判定する。|ΔP(t−5)|が所定範囲外の場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、|ΔP(t−5)|が所定範囲内の場合、ステップS30に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、各エコー像E及びエコー像Eにおける、対応する時間帯に進む距離が、同じ程度であるか否かの判定(移動距離判定)を行う。具体的には、曳航船判別処理部15bは、ステップS30で、各エコー像において、時間的に対応し且つ連続する2つのタイミングでの代表点同士の距離の差が、所定距離以下であるか否かを判定する。図10を参照して、より具体的に説明すると、曳航船判別処理部15bは、|D(t−4)|と|D(t−4)|との差、|D(t−3)|と|D(t−3)|との差、…、|D(t)|と|D(t)|との差、のそれぞれが、所定距離以下であるか否かを判定する。更に、曳航船判別処理部15bは、各エコー像が時刻(t−5)から時刻(t)までの間に進んだ距離の差が、所定距離以下であるか否かを判定する。上述した距離の差のうち、いずれか1つでも所定距離を超えた場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。一方、上述した全ての距離の差が、いずれも所定距離以下の場合、ステップS40に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、2つのエコー像E及びEにおいて、オーバーラップ端点(第1対象点)の検出を行う。オーバーラップ端点とは、一方のエコー像の最過去線分(第1基準線分、本変形例では、D(t−4))に対する距離が十分に近いと判定された、他方のエコー像の代表点である。なお、最過去線分とは、エコー像において複数のタイミングで検出された代表点のうち、最も過去に検出された代表点(最過去点)と、最過去点と時間的に連続する代表点とを結んだ線分のことである。最過去線分は、軌跡線分生成部17によって生成される。
図11は、オーバーラップ端点を検出する際の工程を示すフローチャートである。また、図12は、図11のフローチャートを説明するための図であって、図10の一部を拡大して示す図である。以下では、図11及び図12を参照して、オーバーラップ端点を検出する工程について説明する。
曳航船判別処理部15bは、一方のエコー像Eの最過去点(図12におけるEP(t−5))を端点判定対象として設定するとともに(ステップS41)、他方のエコー像の最過去線分(図12におけるD(t−4))を検出する(ステップS42)。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS43で、範囲判定を行う。具体的には、曳航船判別処理部15bは、端点判定対象EP(t−5)から最過去線分D(t−4)を含む直線に向かって下した垂線が、最過去線分D(t−4)と交差するか否かを判定する。図12に示すように、上記垂線は、最過去線分D(t−4)とは交差せず、最過去線分D(t−4)の延長線L1と交差するため、範囲判定は不合格となり(ステップS43のNo)、ステップS44に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS44で、端点判定対象EP(t−5)が最新点に到達しているか否かを判定する。ここで、最新点とは、複数の代表点のうちの最新の代表点である。この段階では、端点判定対象EP(t−5)は最新点に到達していないため(ステップS44のNo)、ステップS45に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS45において、端点判定対象EP(t−5)を1単位時間進め、端点判定対象をEP(t−4)に設定する(ステップS45)。なお、本明細書中における1単位時間とは、連続する2つの時刻間の時間、例えば、時刻(t−5)と時刻(t−4)との間の時間、時刻(t−1)と時刻tとの間の時間、のことを指す。
次に、曳航船判別処理部15bは、新たに設定された端点判定対象EP(t−4)について、再び範囲判定を行う(ステップS43)。ここでも、端点判定対象EP(t−4)から最過去線分D(t−4)を含む直線に向かって下した垂線は、最過去線分D(t−4)とは交差せず、最過去線分D(t−4)の延長線L1と交差する。よって、範囲判定は不合格となる(ステップS43のNo)。端点判定対象EP(t−4)は、最新点ではないため(ステップS44のNo)、端点判定対象EP(t−4)が1単位時間進められ(ステップS45)、新たな端点判定対象EP(t−3)が設定される。
次に、曳航船判別処理部15bは、新たに設定された端点判定対象EP(t−3)について、再び範囲判定を行う(ステップS43)。ここでは、図12に示すように、端点判定対象EP(t−3)から最過去線分D(t−4)を含む直線に向かって下した垂線は、最過去線分D(t−4)と交差する。従って、範囲判定は合格となり(ステップS43のYes)、ステップS46に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS46で、距離判定を行う。具体的には、曳航船判別処理部15bは、端点判定対象(この段階では、EP(t−3))から最過去線分(ここでは、D(t−4))までの距離dが、所定距離以下であるか否かを判定する。距離dが所定距離以内の場合、距離判定は合格となり(ステップS46のYes)、この段階での端点判定対象EP(t−3)がオーバーラップ端点として設定され(ステップS47)、ステップS50に進む。上記距離dが所定距離を超える場合、距離判定は不合格となり(ステップS46のNo)、再びステップS44に進む。以下においては、dが所定距離以内であるとして、ステップS50以降の説明を続ける。なお、ステップS44において、端点判定対象が最新点に到達したと判定された場合、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。
また、本変形例では、曳航船判別処理部15bは、抽出した2つのエコー像を1組とし、この1組について上記フローを2回、行う。具体的には、曳航船判別処理部15bは、一方のエコー像について最過去線分を設定して他方のエコー像について最過去点を検出するフローと、他方のエコー像について最過去線分を設定して一方のエコー像について最過去点を検出するフローと、を行う。
例えば、図10に示すように、双方のエコー像E及びEの移動軌跡が概ね一致していても、エコー像Eについて最過去線分を設定し、エコー像Eについて最過去点を端点判定対象と設定した場合には、オーバーラップ端点が検出されなくなってしまう。これに対して、上述のように、1組のエコー像(E及びE)の双方についてオーバーラップ端点を検出するようにすれば、双方のエコー像E及びEの移動軌跡が概ね一致している場合において、確実にオーバーラップ端点を検出できる。
次に、曳航船判別処理部15bは、オーバーラップ判定を行う。オーバーラップ判定とは、各エコー像E及びEの移動軌跡が、ある程度以上の距離において概ね一致しているか否か、の判定のことである。図13に示す、オーバーラップ判定を行う際の工程を示すフローチャートに基づき、オーバーラップ判定について詳細に説明する。
まず、曳航船判別処理部15bは、ステップS51で、上述のようにして求めたオーバーラップ端点から1単位時間進められた代表点(第2対象点、図10におけるEP(t−2))を対象点として設定する。また、曳航船判別処理部15bは、ステップS51で、最過去線分D(t−4)を基準線分として設定する。そして、曳航船判別処理部15bは、対象点EP(t−2)が基準線分D(t−4)を基準とした所定の範囲内に収まっているか否かを判定する(範囲判定)。具体的には、曳航船判別処理部15bは、ステップS52で、対象点EP(t−2)から上記基準線分D(t−4)を含む直線に向かって下した垂線が、基準線分D(t−4)と交差するか否かを判定する。上記垂線は、基準線分D(t−4)と交差するため、範囲判定は合格となり(ステップS52のYes)、ステップS55に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS55で、距離判定を行う。具体的には、曳航船判別処理部15bは、対象点EP(t−2)から基準線分D(t−4)までの距離が所定距離以下であるか否かを判定する。この距離が所定距離以下の場合、距離判定は合格となり(ステップS55のYes)、ステップS56に進む。一方、この距離が所定距離を超える場合、距離判定は不合格となり(ステップS55のNo)、2つのエコー像E及びEは、曳航船信号でないと判断されて本フローは終了する。ここでは、上記距離が所定距離以内であるとして、ステップS56以降の説明を続ける。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS56で、対象点EP(t−2)が最新点に到達しているか否かを判定する。対象点EP(t−2)は最新点ではないため(ステップS56のNo)、対象点EP(t−2)が1単位時間進められてEP(t−1)が新たな対象点となり、再びステップS52の範囲判定が行われる。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS52で、対象点EP(t−1)について再び範囲判定を行う。ここでは、対象点EP(t−1)から基準線分D(t−4)を含む直線に向かって下した垂線が、基準線分D(t−4)と交差しないため、範囲判定は不合格となり(ステップS52のNo)、ステップS53に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS53で、基準線分D(t−4)が最新線分に到達しているか否かを判定する。なお、最新線分とは、エコー像において複数のタイミングで検出された代表点のうちの最新点と、最新点と時間的に連続する代表点とを結んだ線分のことであり、図10においては、D(t)が最新線分となる。基準線分D(t−4)は最新線分に到達していないため(ステップS53のNo)、基準線分D(t−4)が1単位時間進められて(ステップS54)、軌跡線分生成部17によって生成された線分D(t−3)が新たな基準線分となり、再びステップS52の範囲判定が行われる。なお、この基準線分D(t−3)は、第1基準線分としての線分D(t−4)と時間的に連続し且つ線分D(t−4)よりも新しい時間帯の軌跡線分(第2基準線分)である。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS52で、対象点EP(t−1)について再び範囲判定を行う。ここでは、対象点EP(t−1)から基準線分D(t−3)を含む直線に向かって下した垂線が、基準線分D(t−3)に交差する。よって、範囲判定は合格となり(ステップS52のNo)、ステップS53の距離判定に進む。距離判定において、対象点EP(t−1)から基準線分D(t−3)までの距離が所定距離以下の場合、距離判定は合格となり(ステップS55のYes)、ステップS56に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS56で、対象点EP(t−1)が最新点に到達しているか否かを判定する。対象点EP(t−1)は最新点ではないため(ステップS56のNo)、対象点EP(t−1)が1単位時間進められてEP(t)が新たな対象点となり、再びステップS52の範囲判定が行われる。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS52で、対象点EP(t)について再び範囲判定を行う。ここでは、対象点EP(t)から基準線分D(t−3)を含む直線に向かって下した垂線が、基準線分D(t−3)と交差しないため、範囲判定は不合格となり(ステップS52のNo)、ステップS53に進む。そして、曳航船判別処理部15bが、ステップS53で、基準線分D(t−3)が最新線分に到達していない(ステップS53のNo)と判断した後、基準線分D(t−3)が1単位時間進められ、軌跡線分生成部17によって生成された線分D(t−2)が新たな基準線分となり、再びステップS52の範囲判定が行われる。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS52で、対象点EP(t)について再び範囲判定を行う。ここでは、対象点EP(t)から基準線分D(t−2)を含む直線に向かって下した垂線が、基準線分D(t−2)と交差するため、範囲判定は合格となり(ステップS52のYes)、ステップS53に進む。
次に、曳航船判別処理部15bは、ステップS55で、距離判定を行う。具体的には、曳航船判別処理部15bは、対象点EP(t)から基準線分D(t−2)までの距離が所定距離以下であるか否かを判定する。この距離が所定距離以下の場合、距離判定は合格となり(ステップS55のYes)、ステップS56に進む。
そして、曳航船判別処理部15bは、ステップS56で、対象点EP(t)が最新点に到達しているか否かを判定する。対象点EP(t)は、最新点であるため(ステップS56のYes)、曳航船判別処理部15bは、2つのエコー像E及びEが曳航船信号であると判定し(ステップS60)、本フローは終了する。
上述のフローにより、曳航船判別処理部15bは、複数のエコー像のうちの2つについて、該2つのエコー像が曳航船信号であるか否かを判定する。以降、曳航船判別処理部15aは、上記実施形態の場合と同様、所定の範囲内に存在する全てのエコー像を対象として、残りの全ての組み合わせの2つのエコー像を順次抽出するとともに、抽出した2つのエコー像が曳航船信号であるか否かを順次、判定する。
[効果]
以上のように、本変形例に係る信号処理装置3bでも、上記実施形態の場合と同様、2つのエコー像のそれぞれにおける、少なくとも2つのタイミングでの代表点の座標に基づいて、2つのエコー像が曳航船信号であるか否かが判定される。そして、本実施形態では、一方のエコー像における各タイミングでの代表点と、他方のエコー像における各タイミングの代表点同士を繋いだ線分とに基づいて、すなわち、2つのエコー像の移動軌跡に基づいて、2つのエコー像が曳航船信号であるか否かが判定される。これにより、上記実施形態とは異なるアプローチで、2つのエコー像が曳航船及び被曳航船であるか否かを判別できる。
また、信号処理装置3bでは、一方のエコー像Eにおける或るタイミングの代表点と他方のエコー像Eにおけるある時間帯の軌跡線分との距離が所定距離以下であり、且つ前記代表点よりも1単位時間進められた代表点と、前記軌跡線分、又は該軌跡線分から1単位時間進められた軌跡線分、との距離が所定距離以下であること、を条件として、2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定している。2つのエコー像が曳航船及び被曳航船の関係にある場合、それらの移動軌跡は概ね一致する。よって、上記条件(一方のエコー像における、時間的に連続する少なくとも2つの代表点と、他方のエコー像における航跡に近似した線分(軌跡線分)との距離が近いこと)を設定することで、移動軌跡が概ね一致するエコー像E及びEを、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、信号処理装置3bでは、2つのエコー像のそれぞれにおいて、時間的に対応し且つ連続する2つのタイミングでの代表点同士を繋いだ線分の長さの差が所定長さ以下であることを条件として、2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定している。2つのエコー像が曳航船及び被曳航船の関係にある場合、同じ時間帯で双方のエコー像が移動する距離は、概ね同じになる。よって、上記条件を設定することで、同じ時間帯で同じ程度の距離を進むエコー像E及びEを、適切に曳航船信号の候補に含めることができる。
また、信号処理装置3bでは、一方のエコー像における各軌跡線分の長さの和と、他方のエコー信号における各軌跡線分の長さの和と、の差が、所定長さ以下であることを条件として、2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定している。これにより、対応する時間帯の軌跡線分ごとに発生する微少な誤差が蓄積して累積的に誤差が大きくなるような2つのエコー像を、曳航船信号の対象から排除できる。
本発明は、物標探知機が受信した受信信号を処理する信号処理装置、及び当該信号処理装置を備えたレーダ装置として広く適用することができる。
3,3a,3b 信号処理装置
4 表示器(表示部)
10,10a,10b レーダ装置(物標探知機)
15,15a,15b 曳航船判別処理部(判定部)

Claims (10)

  1. 物標の存在を検出する物標探知機が受信した受信信号を処理する信号処理装置であって、
    前記受信信号に含まれる、判定対象となる2つの対象物標に起因する2つのエコー像、のそれぞれにおける少なくとも2つのタイミングでの座標に基づいて、前記2つのエコー像が、他船を曳航する側の船である曳航船及び前記他船としての被曳航船に起因する曳航船信号であるか否かを判定する判定部を備えていることを特徴する、信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の信号処理装置において、
    各前記対象物標における、前記少なくとも2つのタイミングでの座標に基づいて、各前記対象物標の所定時間当たりの移動距離、及び各前記対象物標の移動方向を算出する算出部、を更に備え、
    前記判定部は、第1条件、第2条件、及び第3条件に基づいて、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定し、
    前記第1条件は、前記2つの対象物標のうちの一方における所定時間当たりの移動距離と、前記2つの対象物標のうちの他方の所定時間当たりの移動距離と、の差が所定距離以下であること、であり、
    前記第2条件は、前記少なくとも2つのタイミングのうちの或るタイミングにおける、前記2つの対象物標同士を繋ぐ線分である対象物標線分と、前記2つの対象物標のいずれかの移動方向との角度差、及び、前記2つの対象物標のうちの一方の移動方向と他方の移動方向との角度差、のそれぞれが所定角度以下であること、であり、
    前記第3条件は、前記2つの対象物標のうちの一方の移動方向と前記対象物標線分との角度差、及び、前記2つの対象物標のうちの他方の移動方向と前記対象物標線分との角度差、のそれぞれが所定角度以下であること、であり、
    前記判定部は、前記第1条件と、前記第2条件及び前記第3条件の少なくとも一方と、が満たされることを条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  3. 請求項2に記載の信号処理装置において、
    前記判定部は、更に前記対象物標線分の長さが所定長さ以下であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の信号処理装置において、
    前記判定部は、更に前記2つの対象物標の少なくとも一方における所定時間当たりの移動距離、が所定範囲内であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  5. 請求項1に記載の信号処理装置において、
    前記判定部は、
    前記少なくとも2つのタイミングのうちの第1タイミングにおける各前記対象物標、に対応する座標同士を繋ぐ線分である第1対象物標線分と、前記少なくとも2つのタイミングのうちの第2タイミングにおける各前記対象物標、に対応する座標同士を繋ぐ第2対象物標線分と、の差が所定距離以下であることと、
    前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの時間における前記2つの対象物標のうちのいずれか一方の移動方向と、前記第1対象物標線分又は前記第2対象物標線分との角度差、及び、前記第1対象物標線分と前記第2対象物標線分との角度差、のそれぞれが所定角度以下であることと、
    を条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  6. 請求項5に記載の信号処理装置において、
    前記判定部は、更に前記第1対象物標線分の長さ及び前記第2対象物標線分の長さの少なくとも一方が所定長さ以下であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の信号処理装置において、
    前記判定部は、更に前記2つの対象物標の少なくとも一方における所定時間当たりの移動距離、が所定範囲内であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  8. 請求項1に記載の信号処理装置において、
    各前記対象物標の代表点の座標を少なくとも3つのタイミングで算出する代表点算出部と、
    前記2つの対象物標のうちの一方において、前記少なくとも3つのタイミングのうちの時間的に連続する2つのタイミングでの前記代表点同士を繋ぐことで形成される軌跡線分を、前記少なくとも3つのタイミングでの複数の前記代表点に対して複数、生成する軌跡線分生成部と、を備え、
    前記判定部は、前記2つの対象物標のうちの他方における前記少なくとも3つのタイミングでの各前記代表点のうちの1つ、としての第1対象点と、複数の前記軌跡線分のうちの1つとしての第1基準線分と、の距離が所定距離以下であり、且つ、前記第1対象点と時間的に連続し且つ該第1対象点よりも新しいタイミングの代表点である第2対象点と、前記第1基準線分、又は該第1基準線分と時間的に連続し且つ該第1基準線分よりも新しい時間帯の軌跡線分である第2基準線分、との距離が所定距離以下であることを条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  9. 請求項8に記載の信号処理装置において、
    前記判定部は、更に、前記2つの対象物標のそれぞれにおいて、時間的に対応し且つ連続する2つのタイミングでの前記代表点同士を繋いだ線分の長さの差が所定長さ以下であることも条件として、前記2つのエコー像が前記曳航船信号であると判定することを特徴とする、信号処理装置。
  10. 電波を受信するアンテナと、
    前記アンテナから出力された受信信号をデジタル信号に変換する受信装置と、
    前記受信装置から出力されたデジタル信号を処理する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の信号処理装置と、
    前記信号処理装置で判定された曳航船信号が、曳航船及び被曳航船に起因する信号であることを識別可能なように表示される表示部と、
    を備えていることを特徴とする、レーダ装置。
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