JP2015081654A - 磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置 - Google Patents

磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置 Download PDF

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隆弘 國分
雅也 中井
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Abstract

【課題】電力消費を抑制可能で且つ装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高めることができる磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置を提供する。【解決手段】コイル34への非通電時には、永久磁石33とフランジ部35aとの吸引によってロックシャフト21および軸部材31がピストンロッド12から後退しないようロックされる。したがって、電力消費を抑制することができる。また、軸部材31の凹部310にロックシャフト21の大径部23が挿入される(永久磁石33が大径部23の外周を囲むように位置する)。これにより、ロックシャフト21が径方向にガタついたとしても、そのガタつきを大径部23の外周面と永久磁石33の内周面との間のクリアランスで吸収することができ、装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高めることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置に関し、詳しくは、第1方向に進退移動する移動部材の移動を磁力により規制する磁気ロック装置およびパーキング装置に関する。
従来、変速装置に用いられるパーキング装置として、ハウジング内で軸方向に移動可能となるよう配置されると共に流体圧力に応じてパーキングロックの実行方向に作用するばね装置に抗してパーキングロックの解除方向に操作されるピストンユニットと、3枚のスプリングアームを有してピストンユニットを予め定められた軸方向位置に保持可能なラッチ機構と、ハウジング内でピストンロッドと共に移動可能であると共にスプリングによりピストンユニット側に付勢された引外し部材と、ピストンユニットと同軸に配置されて引外し部材を操作する電磁操作装置と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このパーキング装置では、油圧によりピストンユニットを引外し部材側に移動させると、ピストンユニットにより押圧された引外し部材がスプリングの弾性力(付勢力)に抗して電磁操作装置側に移動し、ピストンユニットとラッチ機構とが係合する。この状態では、パーキングロックが解除され、電磁操作装置に通電して引外し部材の位置を固定することにより、パーキングロックの解除状態を維持することができる。また、ピストンユニットに対して油圧が供給されていない状態で電磁操作装置に対する通電を断つと、引外し部材がスプリングの付勢力によりピストンユニット側に移動して3枚のスプリングアームを押し広げ、ラッチ機構とピストンユニットとの係合を解除する。そして、ばね装置の付勢力や油圧によりピストンユニットが電磁操作装置から離間するように移動すると、パーキングロックが実行される。
特表2009−520163号公報
上述のパーキング装置では、パーキングロックの解除状態を維持するためには、ピストンユニットに対する油圧の低下に備えて電磁操作装置への通電を継続する必要があることから、電力消費が大きくなってしまう。また、こうしたパーキング装置では、電磁操作装置等の大型化を抑制しつつ磁気効率を高くすることが要請されている。
本発明の磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置は、電力消費を抑制可能で且つ装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高めることができる磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置を提供することを主目的とする。
本発明の磁気ロック装置およびそれを備えるパーキング装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の磁気ロック装置は、
第1方向に進退移動する移動部材に設けられた被当接部と当接可能な当接部を有する移動規制部材を備え、前記移動規制部材を前記第1方向と直交する第2方向に進退移動させると共に前記被当接部と前記当接部との当接により前記移動部材の前記第1方向の移動が規制されるよう磁力により前記移動規制部材をロックする磁気ロック装置であって、
磁性体により形成されると共に前記第2方向に移動可能なプランジャと、弾性力により前記プランジャを前記移動部材側に付勢する弾性部材と、磁力により前記プランジャが前記移動部材から後退しないようにロックする永久磁石と、コイルへの通電を伴って前記永久磁石による前記プランジャのロックを解除するロック解除部と、を有する磁気部を備え、
前記移動規制部材は、非磁性体により形成され、先端部に前記当接部を有する小径部と、該小径部から前記当接部とは反対側に延出し且つ前記小径部より大径の大径部とを有し、
前記プランジャは、前記大径部より大径に形成されており、
前記移動規制部材および前記プランジャは、前記弾性部材の弾性力により、前記プランジャの前記移動部材側の端面が前記大径部の前記小径部側とは反対側の端面と当接すると共に前記大径部の前記小径部側の端面が前記ロック解除部の一部と当接するよう前記移動部材側に付勢されており、
前記永久磁石は、前記大径部の外周を囲むように配置されている、
ことを特徴とする。
この本発明の磁気ロック装置では、移動規制部材およびプランジャが、弾性部材の弾性力により、プランジャの移動部材側の端面が大径部の小径部側とは反対側の端面と当接すると共に大径部の小径部側の端面がロック解除部の一部と当接するよう移動部材側に付勢される。これにより、移動規制部材とプランジャとが弾性部材の弾性力により移動部材側に一体に付勢されて移動規制部材の大径部の小径部側の端面がロック解除部の一部と当接するから、移動規制部材が第2方向にガタつくのを抑制することができる。そして、コイルへの非通電時には、永久磁石によりプランジャが移動部材から後退しないようロックされるから、移動部材の被当接部と移動規制部材の当接部との当接時に移動部材の第1方向の移動を規制することができる。即ち、永久磁石によりプランジャをロックする際にコイルに通電する必要がないから、電力消費を抑制することができる。
また、永久磁石が、移動規制部材の大径部の外周を囲むように配置される。これにより、移動規制部材が径方向にガタついたとしても、そのガタつきを大径部の外周面と永久磁石との間のクリアランスで吸収することができる。この結果、プランジャの外周に形成される磁気ギャップを小さくすることができる。また、シャフトが非磁性体により形成されるから、磁気ユニットでの磁束の漏れを低減することができる。これらの結果、磁気ロック装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高くすることができる。
本発明のパーキング装置は、
上述の本発明の磁気ロック装置を備え、前記移動部材の前記第1方向の進退移動により、変速機の回転軸をロックするパーキングロック状態および該回転軸のロックを解除するパーキングロック解除状態を形成するパーキング装置であって、前記移動部材と、前記移動部材を前記第1方向のロック側に弾性力により付勢するパーキング弾性部材とを有し、前記移動部材を前記第1方向のロック解除側に油圧により移動させる油圧アクチュエータを備える、ことを特徴とする。
この本発明のパーキング装置では、上述の本発明の磁気ロック装置を備えるから、本発明の磁気ロック装置が奏する効果、例えば、電力消費を抑制可能で且つ装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高めることができる効果などと同様の効果を奏することができる。また、移動部材と磁気ユニットの移動規制部材とが、互いに直交する方向に移動するよう配置される。したがって、両者が同一方向に移動するよう(同一軸線上に)配置されるものに比して限られたスペースへの配置を良好なものとすることができる。
本発明の一実施例としての磁気ロック装置20を備えるパーキング装置1の構成の概略を示す構成図である。 パーキング装置1の要部の構成の概略を示す構成図である。 油圧アクチュエータ10の一部の構成の概略を示す構成図である。 磁気ロック装置20の構成の概略を示す構成図である。 ロックシャフト21の構成の概略を示す構成図である。 パーキング装置1の動作を説明するための説明図である。 パーキング装置1の動作を説明するための説明図である。 変形例の磁気ロック装置120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての磁気ロック装置20を備えるパーキング装置1の構成の概略を示す構成図であり、図2は、パーキング装置1の要部の構成の概略を示す構成図であり、図3は、油圧アクチュエータ10の一部の構成の概略を示す構成図であり、図4は、磁気ロック装置20の構成の概略を示す構成図であり、図5は、磁気ロック装置20のロックシャフト21の構成の概略を示す構成図である。
実施例のパーキング装置1は、車両に搭載され、図示しない変速機のトランスミッションケースの内部または外部に配置される。そして、このパーキング装置1は、図示しないシフトレバーの操作位置(シフトレンジ)に応じて出力される電気信号に基づいて変速機のいずれかの回転軸のロックおよびロックの解除を行なう、いわゆるシフトバイワイヤ式のパーキング装置として構成されている。
パーキング装置1は、図1に示すように、複数の歯2aを有すると共に変速機のいずれかの回転軸に取り付けられるパーキングギヤ2と、パーキングギヤ2と係合可能な突部3aを有すると共に図示しないスプリングによりパーキングギヤ2から離間するよう付勢されるパーキングポール3と、進退移動可能なパーキングロッド4と、パーキングロッド4の軸方向に移動可能な筒状のカム部材5と、例えばトランスミッションケースにより回転自在に支持されてパーキングポール3と共にカム部材5を挟持する支持ローラ6と、パーキングロッド4により一端が支持されると共にパーキングポール3をパーキングギヤ2に押し付けるようにカム部材5を付勢するカムスプリング7と、パーキングロッド4に連結されたディテントレバー8と、ピストンロッド12の移動によりディテントレバー8を介してパーキングロッド4を進退移動させる油圧アクチュエータ10と、ピストンロッド12の移動を規制することによりパーキングロッド4の進退移動を規制する磁気ロック装置20と、を備える。このパーキング装置1では、図示するように、パーキングポール3の突部3aがパーキングギヤ2の隣り合う2つの歯2aの間の凹部と係合することにより、変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが行なわれる)。
パーキングギヤ2やパーキングポール3,パーキングロッド4,カム部材5,支持ローラ6,カムスプリング7は、いずれも周知の構成を有する。ディテントレバー8は、略L字状に形成されており、第1遊端部8aと第2遊端部8bとを有する。第1遊端部8aは、パーキングロッド4の基端部(図1中右端部)に回転自在に連結されている。第2遊端部8bは、例えばトランスミッションケースにより支持される図示しないディテントスプリングに取り付けられた係合部材9と係合可能な係合凹部8rが形成されている。ディテントレバー8のコーナー部(第1,第2遊端部8a,8bの基端部)は、例えばトランスミッションケースにより支持された支軸8sにより回動自在に支持されている。
油圧アクチュエータ10は、シフトレバーの操作位置(シフトレンジ)に応じて出力される電気信号に基づいて電子制御装置により制御される変速機の油圧制御装置からの油圧により動作するよう構成されている。この油圧アクチュエータ10は、図2に示すように、複数の部材から構成されるケース11と、ディテントレバー8の第2遊端部8bに連結されると共にケース11により軸方向(図2中上下方向(第1方向))に移動自在に支持される移動部材としてのピストンロッド12と、ピストンロッド12に固定されると共にケース11に形成されたピストン室11p内に配置されるピストン14と、を備える。
ピストンロッド12は、先端部(図2中上端部)がケース11から外部に突出するようにケース11により支持されている。このピストンロッド12の先端部には、図3に示すように、先端側から基端側に向けて延びる連結凹部12rが形成されており、この連結凹部12rには、ディテントレバー8の第2遊端部8bが差し込まれている。ディテントレバー8には、連結凹部12r内に位置にするように長穴8hが形成されており、長穴8hには、ピストンロッド12の先端部により支持された連結ピン12pが挿通されている。長穴8hは、その内周と連結ピン12pの外周面との間に空間が画成されるよう形成されている。これにより、ピストンロッド12とディテントレバー8とは、互いにある程度の相対移動を許容するように連結される。
また、ピストンロッド12の軸方向の中央部付近には、ピストンロッド12を軸方向と直交する方向(図2中左右方向)に貫通すると共に軸方向に延在する穴部12hが形成されており、穴部12hの内部には、被当接部としてのローラ13が配置されている。ローラ13は、ローラベアリングとして構成されており、穴部12hの長手方向(図2,図3中上下方向)の長さより小さい外径を有する。このローラ13は、連結ピン12pと平行に延在するようにピストンロッド12によって支持される支持シャフト12sにより、穴部12h内で回転自在となるよう支持されている。
ピストン14は、ピストンロッド12の基端部(図2中下端部)に固定され、シール部材15を介してピストン室11pの内壁面によりピストンロッド12の軸方向に移動自在に支持されている。このピストン14は、ピストン室11pの内部を油室11fとスプリング室11sとに区画する。油室11fは、ピストンロッド12の先端部(図2中上端部)やディテントレバー8から離間するようにピストン室11pの図2中下側に画成され、ケース11に形成された油孔11hと連通する。油室11f内には、図示しない油路や油孔11hを介して油圧制御装置からの油圧(作動油)が供給される。また、スプリング室11sは、ピストンロッド12の先端部やディテントレバー8に近接するようにピストン室11pの図2中上側に画成される。スプリング室11sには、ケース11とピストン14との間に位置するように弾性部材としてのリターンスプリング16が配置され、ピストン14は、リターンスプリング16により、スプリング室11s側から油室11f側に向けて(図中下側に)付勢される。
こうして構成される油圧アクチュエータ10は、組立状態(組立完了時の状態)で、ピストン14が、リターンスプリング16により図1中下向きに付勢されて油室11fの底部に最接近し、ピストンロッド12のケース11からの突出量が最小となる。これにより、ディテントレバー8を介してピストンロッド12に連結されたパーキングロッド4がパーキングポール3の基端部に最接近し、カムスプリング7により付勢されたカム部材5によってパーキングポール3がパーキングギヤ2と係合するように押圧され、変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが行なわれる)。
図1に示すように変速機の回転軸がロックされている状態(以下、適宜「パーキングロック状態」という)で、油圧制御装置からの油圧が油圧アクチュエータ10の油室11fに供給されると、ピストン14は、油室11f内の油圧によりリターンスプリング16の弾性力(付勢力)に抗してピストンロッド12の移動方向(第1方向)における図1中上側(以下、適宜「ロック解除側」という)に移動する。これにより、ピストン14に固定されたピストンロッド12もロック解除側に移動し、それに伴ってディテントレバー8が支軸8sの周りに図1中時計回りに回動すると共にパーキングロッド4が図1中右側に移動する。そして、パーキングロッド4が図1中右側に移動することにより、カム部材5によるパーキングポール3の押圧が解除され、パーキングギヤ2とパーキングポール3との係合、即ち、変速機の回転軸のロックが解除される(パーキングロックが解除される)。したがって、車両の走行中に油圧制御装置からの油圧が油圧アクチュエータ10の油室11fに供給されているときには、変速機の回転軸はロックされない(パーキングロックは行なわれない)。
また、パーキングロックが解除されている状態(以下、適宜「パーキングロック解除状態」という)で、油圧制御装置から油孔11hへの油圧の供給が断たれて油室11fから油孔11hを介して作動油が流出していくと、ピストン14は、リターンスプリング16の弾性力によりピストンロッド12の移動方向における図1中下側(以下、適宜「ロック側」という)に移動する。これにより、ピストン14に固定されたピストンロッド12もロック側に移動し、それに伴ってディテントレバー8が支軸8sの周りに図1中反時計回りに回動すると共にパーキングロッド4が図1中左側に移動する。そして、パーキングロッド4が図1中左側に移動することにより、カムスプリング7により付勢されたカム部材5によってパーキングポール3がパーキングギヤ2と係合するように押圧され、変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが行なわれる)。なお、ディテントレバー8の第2遊端部8bの係合凹部8rと係合部材9とが係合することにより、ディテントレバー8の支軸8s周りの回動が図示しないディテントスプリングによってある程度規制され、それにより、パーキングロッド4の移動もある程度規制される。
磁気ロック装置20は、例えばアイドルストップ等により車両のエンジンとエンジンにより駆動されるオイルポンプとが停止されるのに伴って油圧アクチュエータ10の油室11fに供給される油圧が低下したときに、リターンスプリング16の弾性力(付勢力)によってピストンロッド12がロック側に移動するのを規制し、パーキングロック解除状態からパーキングロック状態に移行しないようにするために用いられる。
この磁気ロック装置20は、図4に示すように、ピストンロッド12に設けられた被当接部としてのローラ13(図2参照)と当接可能な当接部210を有する移動規制部材としてのロックシャフト21と、ロックシャフト21を軸方向(図4中左右方向(第2方向))に移動自在に支持するシャフトホルダ25と、磁力によりロックシャフト21をロック可能な磁気部30と、を備える。
ロックシャフト21は、ステンレスなどの非磁性体により形成されており、図4および図5に示すように、一端部(先端部)に当接部210を有する小径部22と、小径部22から当接部210とは反対側に延出し且つ小径部22より大径の大径部23と、を有する。小径部22は、略円柱状に形成されており、その先端部に形成される当接部210は、二面幅形状を有するように成形されている。大径部23は、略円柱状に形成されており、小径部22側の環状の端面23aと、小径部22側とは反対側の平坦な端面23bと、を有する。小径部22と大径部23との境界付近の小径部22の外周面には、テーパ部22tが形成されている。このテーパ部22tは、大径部23との境界付近で小径部22の外周面が当接部210側から大径部23の端面23a側に向けて先細となる(外径が小さくなる)よう形成されている。
小径部22の当接部210は、ピストンロッド12の移動方向(図4,図5中上下方向)におけるロック側(図中下側)に位置する第1当接面211と、ピストンロッド12の移動方向におけるロック解除側(図中上側)に位置する第2当接面212と、を有する。第1当接面211は、当接部210側から大径部23側に向かうにつれてロック側に傾斜するよう形成されており、具体的には、ローラ13の外周面の半径(曲率半径)より小さい曲率半径を有すると共にロック側に凸となる断面円弧状の曲面として形成されている。第2当接面212は、当接部210側から大径部23側に向かうにつれてロック解除側に傾斜するよう形成されており、具体的には、ロック解除側に一定角度で傾斜する(平坦な)斜面として形成されている。
シャフトホルダ25は、図4に示すように、アルミニウムなどの非磁性体により略有底筒状に形成されており、磁気部30により保持されている。シャフトホルダ25の底部には、ロックシャフト21の小径部22が挿通される孔が形成されており、ロックシャフト21の小径部22の当接部210は、シャフトホルダ25から図中左側に突出している。また、シャフトホルダ25の内部には、小径部22の外周面を摺動自在に支持する直動軸受27が固定されている。このように直動軸受27によって小径部22を支持することにより、ロックシャフト21のガタつきを抑制しつつロックシャフト21を軸方向にスムーズに移動させることができる。
磁気部30は、図4に示すように、軸方向(図中左右方向(第2方向))に移動可能な軸部材31と、軸部材31の外周を囲むように配置されるコイル34と、シャフトホルダ25を保持すると共に軸部材31やコイル34を収容するケースとして機能するヨーク35と、軸部材31とコイル34との間に配置されるコア36と、弾性力により軸部材31をシャフトホルダ25側(図中左側)に付勢する弾性部材としてのスプリング37と、を備える。
軸部材31は、鉄などの磁性体により形成されたプランジャ32と、プランジャ32と同一の外径を有すると共にプランジャ32の軸方向の一端側(図中左端側)に固定された(プランジャ32と一体に構成された)環状の永久磁石33と、を有する。プランジャ32への永久磁石33の固定を接着や一体成型によって行なうことにより、容易に且つ精度よく行なうことができる。軸部材31は、軸方向の一端側に形成された凹部310と、凹部310の周囲の平坦且つ環状の端面31aと、を有する。端面31aは、永久磁石33の一端側の端面として形成される。凹部310は、軸方向と直交する方向の底面310bと内周面とを有する円孔部であり、底面310bは、プランジャ32の一端側の端面として形成され、内周面は、永久磁石33の内周面として形成される。この凹部310内には、ロックシャフト21の大径部23の端面23bが底面310bと当接するようロックシャフト21の大径部23が挿入される。
軸部材31の凹部310の深さ(永久磁石33の軸方向の長さ)は、ロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さより若干(例えば、0.1mm程度)浅い値に定められている。したがって、凹部310に挿入されたロックシャフト21の大径部23の端面23aは、軸部材31の端面31aより外側(図中左側)に突出する。
また、軸部材31の凹部310の内周面の内径(永久磁石33の内径)は、ロックシャフト21の大径部23の外径より若干(例えば、0.5mm〜1mm程度)大きな値に定められている。したがって、凹部310(永久磁石33)の内周面と凹部310に挿入されたロックシャフト21の大径部23の外周面との間には、所定のクリアランスが形成される。これにより、ロックシャフト21が径方向にガタついたとしても、そのガタつきを大径部23の外周面と凹部310の内周面との間のクリアランスによって吸収して、軸部材31が径方向にガタつくのを抑制することができる。この結果、軸部材31(プランジャ32)とコア36との間の磁気ギャップを小さくすることができる。また、上述したように、ロックシャフト21が非磁性体により形成されているから、磁気ロック装置20での磁束漏れを低減することができる。これらの結果、磁気部30の大型化を抑制しつつ磁気効率を高くすることができる。実施例では、大径部23の外周面と軸部材31の凹部310の内周面(永久磁石33の内周面)とのクリアランスより、大径部23の軸方向の長さと軸部材31の凹部310の深さ(永久磁石33の第2方向の長さ)との差が小さな値に定められている。
コイル34は、ケースとしてのヨーク35に取り付けられる図示しないコネクタに接続される端子を有する。コイル34には、油圧制御装置を制御する電子制御装置や他の電子制御装置により制御される電源回路やコネクタを介して図示しない車両の補機バッテリから電流が印加される。ヨーク35は、鉄などの磁性体により略円筒状に形成されており、一端側(図中左端側)に、径方向内側に突出すると共に環状のフランジ部35aが形成されている。このフランジ部35aの内径は、軸部材31の永久磁石33の内径より小さく且つロックシャフト21の小径部22が摺動可能な値に定められている。即ち、このフランジ部35aは、ロックシャフト21の大径部23の小径部22側の端面23aや永久磁石33と図中左右方向で対向している。コイル34への非通電時には、軸部材31の永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力によりロックシャフト21および軸部材31(プランジャ32)が一体にシャフトホルダ25側(図中左側)に付勢され(ロックされ)、コイル34への通電時には、ヨーク35,永久磁石33,プランジャ32,コア36を通過する磁束により、永久磁石33とフランジ部35aとの吸引がキャンセルされる。
ヨーク35の他端部(図4中右端部)には、コイル34やコア36を保持するようにリヤキャップ38が装着され、軸部材31の凹部310側とは反対側の端部(図中右端部)とリヤキャップ38との間には、スプリング37が配置される。スプリング37は、互いに固定されていないロックシャフト21と軸部材31とをシャフトホルダ25側(図中左側)に一体に付勢する。また、スプリング37は、油圧アクチュエータ10のリターンスプリング16より小さいバネ定数(剛性)を有する。さらに、永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力とスプリング37の弾性力との和(ロックシャフト21や軸部材31に作用する図中左向きの力)が、油圧アクチュエータ10のリターンスプリング16の弾性力(図2,図4中下向きの力)によりピストンロッド12のローラ13とロックシャフト21の第2当接面212との当接時にローラ13から第2当接面212に作用する力の図4中右向きの分力(以下、リターンスプリング分力という)より大きくなるよう定められている。したがって、ロックシャフト21および軸部材31(プランジャ32)は、コイル34への非通電時には、リターンスプリング分力によりリヤキャップ38側(図4中右側)に移動しない(ロックされる)が、コイル34への通電時には、リターンスプリング分力により一体となってリヤキャップ38側に移動する。
ここで、ヨーク35内の軸部材31(プランジャ32)の軸方向の最大ストローク量Smax(図4の例では、軸部材31(プランジャ32)の右端面とリヤキャップ38の内底面との間の間隔)は、ロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さより短い値に定められている。これにより、ロックシャフト21および軸部材31が軸方向(図中左右方向)に移動する際に、大径部23が軸部材31の凹部310から抜け出してしまうのを抑止することができる。
こうして構成される磁気ロック装置20は、組立状態(組立完了時の状態)すなわち油圧アクチュエータ10に取り付けられる前の状態で、スプリング37の弾性力(および永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力)により、軸部材31の凹部310の底面310b(プランジャ32の一端側の端面)がロックシャフト21の大径部23の端面23bと当接すると共に大径部23の端面23aがヨーク35のフランジ部35aに当接するよう付勢される。このとき、軸部材31の凹部310の周囲の端面31a(永久磁石33の一端側の端面)とフランジ部35aとの間には僅かな隙間が形成される。これは、上述したように、凹部310の深さ(永久磁石33の軸方向の長さ)が大径部23の軸方向の長さより若干浅いためである。これにより、ロックシャフト21と軸部材31とが一体にピストンロッド12側に付勢されて大径部23の端面23aがフランジ部35aと当接するから、大径部23の端面23aがフランジ部35aに当接せずに軸部材31の端面31aだけがフランジ部35aに当接してロックシャフト21がフランジ部35aと凹部310の底面310bとの間で軸方向にガタついてしまうのを抑制することができる。また、軸部材31の移動に伴って永久磁石33がフランジ部35aに当接するのを抑制して、永久磁石33を保護することができる。しかも、実施例では、大径部23の外周面と軸部材31の凹部310の内周面(永久磁石33の内周面)とのクリアランスより、大径部23の軸方向の長さと軸部材31の凹部310の深さ(永久磁石33の第2方向の長さ)との差が小さな値に定められる。これにより、ロックシャフト21の径方向のガタつきを吸収しつつ大径部23とフランジ部35aとの当接時のフランジ部35aと永久磁石33との間隔を小さくして両者間の吸引力を大きくすることができる。
また、ロックシャフト21の小径部22には、大径部23との境界付近にテーパ部22tが形成されているから、大径部23の端面23aにおけるフランジ部35aとの当接範囲をできるだけ小径部22側に寄せることが可能となり、大径部23の外径の増加を抑制して、磁気ロック装置20のコンパクト化を図ることが可能となる。
磁気ロック装置20は、図1および図2に示すように、油圧アクチュエータ10のピストンロッド12の軸方向(図中上下方向(図1の一点鎖線参照))と、ロックシャフト21および軸部材31の軸方向(図中左右方向(図1の二点差線参照))とが直交するよう、油圧アクチュエータ10に磁気ロック装置20が取り付けられる。これにより、両者を同軸に配置する構成に比して、トランスミッションケースの内部または外部の限られたスペースに油圧アクチュエータ10および磁気ロック装置20を容易に配置することができる。
磁気ロック装置20が油圧アクチュエータ10のケース11に取り付けられた際、ロックシャフト21の当接部210(第1当接面211および第2当接面212)は、ピストンロッド12の軸方向から見て(図2の上側または下側から見て)ローラ13の外周面の少なくとも一部と重なり合う。そして、実施例では、磁気ロック装置20は、図2に示すように、ロックシャフト21の当接部210の第1当接面211がローラ13の外周面と当接する(第1当接面211がローラ13から力を受ける)ように油圧アクチュエータ10のケース11に取り付けられる。これにより、ロックシャフト21の当接部210(第1当接面211)には、ピストンロッド12のローラ13からロックシャフト21の軸方向の力(強制力)が作用し、それにより、磁気ロック装置20のロックシャフト21および軸部材31がスプリング37の弾性力に抗してリヤキャップ38側(図中右側)に僅かに移動する。したがって、ロックシャフト21の大径部23の小径部22側の端面23aと、ヨーク35のフランジ部35aとの間に若干の隙間が形成される。
次に、こうして構成された実施例のパーキング装置1および磁気ロック装置20の動作について説明する。
油圧アクチュエータ10の油室11fに油圧制御装置からの油圧(作動油)が供給されておらず且つ磁気ロック装置20の磁気部30のコイル34に通電されていないときには、油圧アクチュエータ10および磁気ロック装置20は、図2に示す状態となっており、パーキング装置1により変速機の回転軸がロックされる(パーキングロックが行なわれる)。このとき、磁気ロック装置20では、軸部材31の永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力とスプリング37の弾性力とにより、ロックシャフト21および軸部材31が図中左側に付勢されている(ロックされている)。
そして、車両の走行開始に際してパーキングロック状態からパーキングロック解除状態に移行させるときには、油圧アクチュエータ10の油室11fに油圧制御装置からの油圧が供給される。また、このときには、磁気部30のコイル34への通電を開始する。コイル34への通電が開始されると、その通電によって発生する磁束により、永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引がキャンセルされる。したがって、ロックシャフト21および軸部材31は、スプリング37だけにより図2中左側に付勢されている状態となる。
油圧制御装置からの油圧が油圧アクチュエータ10の油室11fに供給されると、ピストン14およびピストンロッド12は、図6に示すように、油室11f内の油圧によりリターンスプリング16の弾性力に抗してロック解除側(図中上側)に移動する。上述したように、パーキングロック状態では、ローラ13がロックシャフト21の当接部210の第1当接面211と当接しているから、ピストンロッド12がロック解除側に移動し始めると、ローラ13がロックシャフト21の第1当接面211上を転動しながら、ピストンロッド12からロックシャフト21にローラ13と第1当接面211との接線方向と直交する方向(法線方向)の力が作用する。そして、その法線方向の力により、互いに固定されていないロックシャフト21と軸部材31(プランジャ32および永久磁石33)とは、スプリング37の弾性力に抗して一体となってリヤキャップ38側(図6の右側)に移動する。
また、図6に示すように、ピストンロッド12のロック解除側への移動に伴ってローラ13がロックシャフト21の第1当接面211から離れると、ロックシャフト21と軸部材31とがスプリング37により付勢されて穴部12hの奥側(図6の左側)に移動し、その後、ローラ13がロックシャフト21の第2当接面212上を転動するようになる。なお、このときには、ローラ13がピストンロッド12と共にロック解除側(図6の上側)に移動していくことから、ローラ13から第2当接面212にロックシャフト21等をリヤキャップ38側に移動させる力は作用しない。その後、油圧により、ピストンロッド12は更にロック解除側に移動し、図7に示すように、ローラ13とロックシャフト21の第2当接面212との間に所定の間隔が形成される位置で停止する。
このようにして、ピストンロッド12が油圧によりロック解除側への移動を開始してから停止するまでの間に、ディテントレバー8が支軸8sの周りに図1の時計回りに回動すると共に、パーキングロッド4が図1中右側に移動する。これにより、パーキングロッド4の移動に伴ってカム部材5によるパーキングポール3の押圧が解除され、パーキングロックが解除される。
実施例では、ピストンロッド12が油圧によりロック解除側に移動する際に、磁気部30のコイル34への通電により、永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力をキャンセルする。これにより、この際にコイル34に通電しないものに比して、ピストンロッド12のローラ13によってロックシャフト21および軸部材31をピストンロッド12から後退させる(リヤキャップ38側に移動させる)のに要する力を小さくすることができる。この結果、ピストンロッド12をロック解除側(図6の上側)に迅速に移動させたり、ピストンロッド12のロック解除側への移動に要する油圧を小さくしたりすることができる。
また、実施例では、図2に示すパーキングロック状態で、ピストンロッド12のローラ13がロックシャフト21の第1当接面211と当接している。これにより、パーキングロック状態でローラ13がロックシャフト21の第1当接面211と当接しない構成に比して、ピストンロッド12の移動ストロークを小さくしてパーキング装置1のコンパクト化を図ることができる。また、パーキングロック状態からパーキングロック解除状態に速やかに移行させることができる。さらに、ピストンロッド12がロック側からロック解除側に移動する際にローラ13と第1当接面211とが衝突しないようにして、ロックシャフト21やローラ13の耐久性を向上させると共にノイズの発生を抑制することができる。
さらに、ピストンロッド12が油圧によりロック解除側に移動する際にローラ13からの力を受ける第1当接面211は、ローラ13の外周面の半径(曲率半径)より小さい曲率半径を有している。これにより、ピストンロッド12がロック解除側に移動する際にローラ13からロックシャフト21に作用する軸方向の力(上述の法線方向の力の分力)をより大きくすることができるから、パーキングロックを解除する際に油圧アクチュエータ10の油室11fに供給すべき油圧の上昇を抑制することができる。
加えて、被当接部としてのローラ13をピストンロッド12により回転自在に支持して第1当接面211や第2当接面212上を転動可能とすることにより、ローラ13と第1当接面211や第2当接面212との間の摩擦抵抗を低減させて両者の耐摩耗性(耐久性)を向上させることができる。
図7に示すように、油圧によりピストンロッド12がロック解除側に移動してパーキングロックが解除された後、油圧制御装置からの油圧が油圧アクチュエータ10の油室11fに供給されているときには、パーキングロック解除状態を維持することができる。実施例では、上述したように、油圧によりピストンロッド12がロック解除側に移動してパーキングロックが解除されているときには、ピストンロッド12のローラ13とロックシャフト21の当接部210の第2当接面212とは互いに離間している。したがって、ロックシャフト21および軸部材31は、永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力とスプリング37の弾性力とにより、ロックシャフト21の当接部210の第2当接面212がピストンロッド12の軸方向から見てローラ13の外周面の一部と重なり合うように穴部12h内に突出し、ロックシャフト21の大径部23の小径部22側の端面23aがヨーク35のフランジ部35aと当接する。なお、実施例では、軸部材31の凹部310の深さ(永久磁石33の軸方向の長さ)がロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さより浅いため、このときには、軸部材31(永久磁石33)の端面31aは、フランジ部35aに当接しない。これにより、永久磁石33がフランジ部35aに当接するものに比して永久磁石33を保護することができる。
図7に示すパーキングロック解除状態で、アイドルストップの実行等によるエンジンの停止に伴って油圧アクチュエータ10の油室11fへの油圧が低下すると、リターンスプリング16の弾性力によりピストンロッド12がロック側に移動して、ピストンロッド12のローラ13とロックシャフト21の当接部210の第2当接面212とが当接する。実施例では、上述したように、コイル34への非通電時の軸部材31の永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力とスプリング37の弾性力との和がリターンスプリング分力より大きいから、ピストンロッド12の図中下側すなわちロック側への移動を規制することができる。この結果、アイドルストップ等の実行により油圧アクチュエータ10への油圧が低下したときでも、パーキングロック解除状態を保持することができる。しかも、この際にコイル34に電流を印加する必要がないから、電力消費を抑制することができると共に何らかの事情によりコイル34に通電できないときでもパーキングロック解除状態を保持することができる。
また、パーキングロック解除状態で、磁気部30のコイル34への通電を開始すると、その通電に伴って発生する磁束により、永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引がキャンセルされる。また、スプリング37のバネ定数は、リターンスプリング16のバネ定数より小さい。したがって、コイル34に通電しながら油圧アクチュエータ10の油室11fへの油圧が低下すると、油室11fから油孔11hを介して作動油が流出し、ピストン14およびピストンロッド12は、リターンスプリング16の弾性力により、図中下側すなわちロック側に移動する。そして、ピストンロッド12のローラ13とロックシャフト21の当接部210の第2当接面212とが当接し、ローラ13から第2当接面212にその法線方向の力が作用し、法線方向の力の第2方向(ロックシャフト21の軸方向)の分力により、互いに固定されていないロックシャフト21と軸部材31とがスプリング37の弾性力に抗して一体となって図中右側すなわちリヤキャップ38側に移動する。なお、このとき、ローラ13は、第2当接面212上を転動する。
そして、ピストンロッド12のロック側への移動に伴ってローラ13がロックシャフト21の第2当接面212から離れると、ロックシャフト21とロックシャフト21と軸部材31とがスプリング37により付勢されて穴部12hの奥側(図7の左側)に移動し、ローラ13がロックシャフト21の第1当接面211上を転動するようになる。なお、このときには、ローラ13がピストンロッド12と共にロック解除側(図7の下側)に移動していくことから、ローラ13から第1当接面211にロックシャフト21等をリヤキャップ38側に移動させる力は作用しない。その後、油圧により、ピストンロッド12は更にロック側に移動し、図2に示す位置(組立状態)で停止する。
このようにして、ピストンロッド12がリターンスプリング16の弾性力によりロック側への移動を開始してから停止するまでの間に、ディテントレバー8が支軸8sの周りに図1の反時計回りに回動すると共に、パーキングロッド4が図1中左側に移動する。これにより、パーキングロッド4の移動に伴ってカムスプリング7により付勢されたカム部材5によってパーキングポール3がパーキングギヤ2と係合するよう押圧され、パーキングロックが行なわれる。
ピストンロッド12がロック側に移動する際にも、ロック解除側に移動する際と同様に、ローラ13が第1当接面211や第2当接面212上を転動するから、ローラ13と第1当接面211や第2当接面212との間の摩擦抵抗を低減させて両者の耐摩耗性(耐久性)を向上させることができる。
以上説明した実施例のパーキング装置1では、磁気ロック装置20のロックシャフト21および軸部材31(プランジャ32および永久磁石33)の移動方向が油圧アクチュエータ10のピストンロッド12の移動方向と直交するよう磁気ロック装置20が配置される(油圧アクチュエータ10に取り付けられる)。これにより、両者が同一方向に移動するよう(同一軸線上に)配置されるものに比して、限られたスペースへの配置を良好なものとすることができる。
また、実施例のパーキング装置1では、ロックシャフト21および軸部材31が、スプリング37の弾性力(および永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引)により、軸部材31の凹部310の底面310b(プランジャ32の一端側の端面)がロックシャフト21の大径部23の端面23bと当接し、大径部23の端面23aがヨーク35のフランジ部35aに当接するよう付勢される。これにより、ロックシャフト21と軸部材31とが一体にピストンロッド12側に付勢されてロックシャフト21の大径部23の端面23aがフランジ部35aと当接するから、ロックシャフト21がその移動方向にガタつくのを抑制することができる。そして、コイル34への非通電時には、永久磁石33とフランジ部35aとの吸引によってロックシャフト21および軸部材31がピストンロッド12から後退しないようロックされ、ピストンロッド12のローラ13とロックシャフト21の当接部210との当接時に、ピストンロッド12の移動を規制することができる。即ち、この際に、コイル34に通電する必要がないから、電力消費を抑制することができる。
さらに、実施例のパーキング装置1では、軸部材31の凹部310にロックシャフト21の大径部23が挿入される(永久磁石33が大径部23の外周を囲むように位置する)。これにより、ロックシャフト21が径方向にガタついたとしても、そのガタつきを大径部23の外周面と永久磁石33の内周面との間のクリアランスで吸収することができる。この結果、プランジャ32の外周に形成される磁気ギャップを小さくすることができる。また、ロックシャフト21が非磁性体により形成されているから、磁気ロック装置20での磁束漏れを低減することができる。これらの結果、磁気ロック装置20の大型化を抑制しつつ磁気効率を高くすることができる。しかも、大径部23の外周面と軸部材31の凹部310の内周面(永久磁石33の内周面)とのクリアランスより、大径部23の軸方向の長さと軸部材31の凹部310の深さ(永久磁石33の第2方向の長さ)との差が小さな値に定められる。これにより、ロックシャフト21の径方向のガタつきを吸収しつつ大径部23とフランジ部35aとの当接時のフランジ部35aと永久磁石33との間隔を小さくして両者間の吸引力を大きくすることができる。
加えて、実施例のパーキング装置1では、永久磁石33がプランジャ32に固定されて軸部材31が構成されると共に永久磁石33の軸方向の長さがロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さより短く形成される。これにより、軸部材31の移動時に、永久磁石33がヨーク35のフランジ部35aに当接するのを抑制することができ、永久磁石33を保護することができる。
実施例のパーキング装置1では、パーキングロック解除状態で、コイル34に通電して永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力をキャンセルすると共に油圧アクチュエータ10の油室11fへの油圧が低下したときに、リターンスプリング16の弾性力により、ピストンロッド12がロックシャフト21および軸部材31を後退(リヤキャップ38側に移動)させながらロック側に移動するものとしたが、このときに、図7の二点鎖線に示すように、油圧アクチュエータ10のスプリング室11sに油圧制御装置からの油圧(作動油)を供給するものとしてもよい。こうすれば、ピストンロッド12をロック側により迅速に移動させることができる。
実施例のパーキング装置1では、パーキングロック状態からパーキングロック解除状態に移行する際に、磁気部30のコイル34に通電して永久磁石33とフランジ部35aとの吸引力をキャンセルしながら、ピストンロッド12を油圧によりロック解除側に移動させるものとしたが、コイル34に通電せずに、ピストンロッド12を油圧によりロック解除側に移動させるものとしてもよい。この場合、ピストンロッド12を移動させるためには、リターンスプリング16の弾性力に抗すると共にピストンロッド12のローラ13からロックシャフト21の第2当接面212に作用する力の図2中右向きの分力が永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力とスプリング37の弾性力との和(ロックシャフト21や軸部材31に作用する図2中左向きの力)より大きくなる油圧、即ち、コイル34に通電する実施例に比して永久磁石33とヨーク35のフランジ部35aとの吸引力に抗する分だけ大きな油圧が必要となる。
実施例のパーキング装置1では、ロックシャフト21の大径部23の外周面と軸部材31の凹部310の内周面(永久磁石33の内周面)とのクリアランスより、大径部23の軸方向の長さと軸部材31の凹部310の深さ(永久磁石33の第2方向の長さ)との差が小さくなるものとしたが、両者が同程度に定められるものとしてもよいし、ロックシャフト21の大径部23の外周面と軸部材31の凹部310の内周面とのクリアランスが大径部23の軸方向の長さと軸部材31の凹部310の深さとの差より小さくなるものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、永久磁石33の軸方向(図中左右方向)の長さが、ロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さより短く形成されるものとしたが、ロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さと同一の長さに形成されるものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、図4に示したように、磁気部30の永久磁石33がプランジャ32に固定される(プランジャ32と一体に構成される)ものとしたが、図8の変形例の磁気ロック装置120に示すように、磁気部130の永久磁石133がヨーク35のフランジ部35aに固定されるものとしてもよい。この場合、永久磁石133とプランジャ32との吸引力によりロックシャフト21およびプランジャ32が一体にシャフトホルダ25側に付勢される(ロックされる)。この場合も、図示するように、永久磁石133の軸方向(図中左右方向)の長さがロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さより短く形成されることにより、ロックシャフト21およびプランジャ32の移動時に、永久磁石133がプランジャ32に当接するのを抑制して、永久磁石133を保護することができる。なお、永久磁石133の軸方向の長さは、ロックシャフト21の大径部23の軸方向の長さと同一の長さに形成されるものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、ロックシャフト21の小径部22の当接部210の第1当接面211(ロック側の当接面)は、ロック側に凸となる断面円弧状の曲面として形成されるものとしたが、ロック側に凸となり円弧以外の断面形状の曲面として形成されるものとしてもよいし、当接部210側から大径部23側に向かうにつれてロック側に一定角度で傾斜する(平坦な)斜面として形成されるものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、ロックシャフト21の小径部22の当接部210の第2当接面212(ロック解除側の当接面)は、ロック解除側に一定角度で傾斜する(平坦な)斜面として形成されるものとしたが、ロック解除側に凸となる断面形状の曲面として形成されるものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、ロックシャフト21の小径部22は、大径部23との境界付近の外周面が当接部210側から大径部23の端面23a側に向けて先細となる(外径が小さくなる)よう形成されるものとしたが、先細ではなく外径が一定となるよう形成されるものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、シャフトホルダ25の内部に固定されると共にロックシャフト21の小径部22の外周面を摺動自在に支持する直動軸受27を備えるものとしたが、この直動軸受27を備えないものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、油圧アクチュエータ10に磁気ロック装置20が取り付けられたときにおいて、ロックシャフト21の当接部210の第1当接面211とローラ13の外周面とが当接して、ロックシャフト21の大径部23の端面23aとヨーク35のフランジ部35aとの間に若干の隙間が形成されるものとしたが、ロックシャフト21の大径部23の端面23aとヨーク35のフランジ部35aとが当接した状態となるものとしてもよい。この場合、ピストンロッド12のローラ13の外周面が、ロックシャフト21の当接部210の第1当接面211からロック側に離間しているものとしてもよい。
実施例のパーキング装置1では、ピストンロッド12の被当接部として、ピストンロッド12によって支持される支持シャフト12sにより回転自在に支持されるローラ13を用いるものとしたが、ピストンロッド12により回転自在に支持される円柱体を用いるものとしてもよいし、ピストンロッド12に対して回転不能に構成されるもの(例えば、支持シャフト12sと同様のもの)を用いるものとしてもよい。
次に、本発明の磁気ロック装置およびパーキング装置について説明する。
本発明の磁気ロック装置は、第1方向に進退移動する移動部材に設けられた被当接部と当接可能な当接部を有する移動規制部材を備え、前記移動規制部材を前記第1方向と直交する第2方向に進退移動させると共に前記被当接部と前記当接部との当接により前記移動部材の前記第1方向の移動が規制されるよう磁力により前記移動規制部材をロックする磁気ロック装置であって、磁性体により形成されると共に前記第2方向に移動可能なプランジャと、弾性力により前記プランジャを前記移動部材側に付勢する弾性部材と、磁力により前記プランジャが前記移動部材から後退しないようにロックする永久磁石と、コイルへの通電を伴って前記永久磁石による前記プランジャのロックを解除するロック解除部と、を有する磁気部を備え、前記移動規制部材は、非磁性体により形成され、先端部に前記当接部を有する小径部と、該小径部から前記当接部とは反対側に延出し且つ前記小径部より大径の大径部とを有し、前記プランジャは、前記大径部より大径に形成されており、前記移動規制部材および前記プランジャは、前記弾性部材の弾性力により、前記プランジャの前記移動部材側の端面が前記大径部の前記小径部側とは反対側の端面と当接すると共に前記大径部の前記小径部側の端面が前記ロック解除部の一部と当接するよう前記移動部材側に付勢されており、前記永久磁石は、前記大径部の外周を囲むように配置されている、ことを特徴とする。
この本発明の磁気ロック装置では、移動規制部材およびプランジャが、弾性部材の弾性力により、プランジャの移動部材側の端面が大径部の小径部側とは反対側の端面と当接すると共に大径部の小径部側の端面がロック解除部の一部と当接するよう移動部材側に付勢される。これにより、移動規制部材とプランジャとが弾性部材の弾性力により移動部材側に一体に付勢されて移動規制部材の大径部の小径部側の端面がロック解除部の一部と当接するから、移動規制部材が第2方向にガタつくのを抑制することができる。そして、コイルへの非通電時には、永久磁石によりプランジャが移動部材から後退しないようロックされるから、移動部材の被当接部と移動規制部材の当接部との当接時に移動部材の第1方向の移動を規制することができる。即ち、永久磁石によりプランジャをロックする際にコイルに通電する必要がないから、電力消費を抑制することができる。
また、永久磁石が移動規制部材の大径部の外周を囲むように配置されるから、移動規制部材が径方向にガタついたとしても、そのガタつきを大径部の外周面と永久磁石との間のクリアランスで吸収することができる。この結果、移動規制部材とプランジャと永久磁石とが一体に構成されるものに比して、プランジャの外周に形成される磁気ギャップを小さくすることができる。また、シャフトが非磁性体により形成されるから、磁気ユニットでの磁束の漏れを低減することができる。これらの結果、磁気ロック装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高くすることができる。
こうした本発明の磁気ロック装置において、前記永久磁石は、前記プランジャに固定されており、前記ロック解除部の一部は、磁性体により形成されると共に前記大径部および前記永久磁石と前記第2方向で対向するよう形成されており、前記プランジャは、前記永久磁石と前記ロック解除部の一部との吸引によりロックされる、ものとすることもできる。この場合、永久磁石のプランジャへの固定を接着などにより容易に且つ精度よく行なうことができると考えられる。
また、本発明の磁気ロック装置において、前記永久磁石は、前記ロック解除部に固定されており、前記プランジャは、前記永久磁石との吸引によりロックされる、ものとすることもできる。
永久磁石がプランジャまたはロック解除部に固定される態様の本発明のパーキング装置において、前記永久磁石の前記第2方向の長さは、前記大径部の前記第2方向の長さより短い、ものとすることもできる。こうすれば、永久磁石がプランジャに固定されている場合には、移動規制部材およびプランジャが移動部材側に移動するときに、永久磁石がロック解除部の一部と当接(衝突)するのを抑制することができ、永久磁石をより保護することができる。また、永久磁石がロック解除部に固定されている場合には、移動規制部材およびプランジャが移動部材側に移動するときに、永久磁石がプランジャと当接(衝突)するのを抑制することができ、永久磁石をより保護することができる。
永久磁石の第2方向の長さが大径部の第2方向の長さより短い態様の本発明の磁気ロック装置において、前記大径部の前記第2方向の長さと前記永久磁石の前記第2方向の長さとの差は、前記大径部の外周面と前記永久磁石の内周面とのクリアランスより小さい、ものとすることもできる。こうすれば、永久磁石がプランジャに固定されている場合には、移動規制部材の大径部の小径部側の端面がロック解除部の一部(大径部および永久磁石と第2方向で対向する対向部)と当接しているときの、永久磁石と対向部との隙間を小さくすることができる。また、永久磁石がロック解除部に固定されている場合には、移動規制部材の大径部の小径部側の端面がロック解除部の一部と当接しているときの、永久磁石とプランジャの端面における大径部の外径部より大きい部分(永久磁石と第2方向で対向する部分)との隙間を小さくすることができる。これらの結果、移動規制部材の径方向のガタつきを吸収しつつ永久磁石とロック解除部の対向部またはプランジャとの吸引力を大きくすることができる。
本発明のパーキング装置は、上述のいずれかの態様の本発明の磁気ロック装置を備え、前記移動部材の前記第1方向の進退移動により、変速機の回転軸をロックするパーキングロック状態および該回転軸のロックを解除するパーキングロック解除状態を形成するパーキング装置であって、前記移動部材と、前記移動部材を前記第1方向のロック側に弾性力により付勢するパーキング弾性部材とを有し、前記移動部材を前記第1方向のロック解除側に油圧により移動させる油圧アクチュエータを備える、ことを特徴とする。
この本発明のパーキング装置では、上述のいずれかの態様の本発明の磁気ロック装置を備えるから、本発明の磁気ロック装置が奏する効果、例えば、電力消費を抑制可能で且つ装置の大型化を抑制しつつ磁気効率を高めることができる効果などと同様の効果を奏することができる。また、移動部材と磁気ユニットの移動規制部材とが、互いに直交する方向に移動するよう配置される。したがって、両者が同一方向に移動するよう(同一軸線上に)配置されるものに比して限られたスペースへの配置を良好なものとすることができる。
こうした本発明のパーキング装置において、前記磁気ロック装置は、前記コイルへの通電時には、前記パーキング弾性部材の弾性力または油圧によって前記被当接部から前記当接部に作用する力により前記移動規制部材が前記移動部材から後退するのを許容するよう構成されている、ものとすることもできる。これにより、パーキング弾性部材の弾性力または油圧により、移動規制部材の移動部材からの後退を伴って移動部材を第1方向に移動させて、パーキングロック状態とパーキングロック解除状態とを切り替えることができる。
また、本発明のパーキング装置において、前記当接部は、前記移動部材が前記第1方向の前記ロック側に移動する際に前記被当接部から力を受けるロック解除側当接面を有し、前記ロック解除側当接面は、前記移動規制部材の先端部側から基端部側に向かうにつれて前記ロック側に傾斜するよう形成されている、ものとすることもできる。こうすれば、移動部材がロック側に移動する際における移動部材の被当接部と移動規制部材の当接部のロック解除側当接面との当接時に、移動部材から移動規制部材に作用する力の第2方向の分力により、移動規制部材を移動部材から後退させることができる。
さらに、本発明のパーキング装置において、前記当接部は、前記移動部材が前記第1方向の前記ロック解除側に移動する際に前記被当接部から力を受けるロック側当接面を有し、前記ロック側当接面は、前記移動規制部材の先端部側から基端部側に向かうにつれて前記ロック解除側に傾斜するよう形成されている、ものとすることもできる。こうすれば、移動部材がロック解除側に移動する際における移動部材の被当接部と移動規制部材の当接部のロック側当接面との当接時に、移動部材から移動規制部材に作用する力の第2方向の分力により、移動規制部材を移動部材から後退させることができる。
加えて、本発明のパーキング装置において、前記磁気ロック装置は、前記コイルへの非通電時には、前記パーキング弾性部材の弾性力によって前記被当接部から前記当接部に作用する力では前記移動規制部材が前記移動部材から後退せず、前記第1弾性部材の弾性力および前記永久磁石による前記移動規制部材のロック力に抗する油圧によって前記被当接部から前記当接部に作用する力により前記移動規制部材が前記移動部材から後退するのを許容するよう構成されている、ものとすることもできる。
次に、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、ピストンロッド12が「移動部材」に相当し、ロックシャフト21が「移動規制部材」に相当し、プランジャ32が「プランジャ」に相当し、スプリング37が「第2弾性部材」に相当し、永久磁石33が「永久磁石」に相当し、コイル34とヨーク35とコア36とが「ロック解除部」に相当し、磁気部30が「磁気部」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、磁気ロック装置やパーキング装置の製造産業などに利用可能である。
1 パーキング装置、2 パーキングギヤ、2a 歯、3 パーキングポール、3a 突部、4 パーキングロッド、5 カム部材、6 支持ローラ、7 カムスプリング、8 ディテントレバー、8a 第1遊端部、8b 第2遊端部、8h 長穴、8r 係合凹部、8s 支軸、9 係合部材、10 油圧アクチュエータ、11 ケース、11f 油室、11h 油孔、11p ピストン室、11s スプリング室、12 ピストンロッド、12h 穴部、12p 連結ピン、12r 連結凹部、12s 支持シャフト、13 ローラ、14 ピストン、15 シール部材、16 リターンスプリング、20,120 磁気ロック装置、21 ロックシャフト、210 当接部、211 第1当接面、212 第2当接面、22 小径部、22t テーパ部、23 大径部、23a,23b 端面、25 シャフトホルダ、27 直動軸受、30,130 磁気部、31 軸部材、31a 端面、310 凹部、310b 底面、32 プランジャ、33,133 永久磁石、34 コイル、35 ヨーク、35a フランジ部、36 コア、37 スプリング、38 リヤキャップ。

Claims (10)

  1. 第1方向に進退移動する移動部材に設けられた被当接部と当接可能な当接部を有する移動規制部材を備え、前記移動規制部材を前記第1方向と直交する第2方向に進退移動させると共に前記被当接部と前記当接部との当接により前記移動部材の前記第1方向の移動が規制されるよう磁力により前記移動規制部材をロックする磁気ロック装置であって、
    磁性体により形成されると共に前記第2方向に移動可能なプランジャと、弾性力により前記プランジャを前記移動部材側に付勢する弾性部材と、磁力により前記プランジャが前記移動部材から後退しないようにロックする永久磁石と、コイルへの通電を伴って前記永久磁石による前記プランジャのロックを解除するロック解除部と、を有する磁気部を備え、
    前記移動規制部材は、非磁性体により形成され、先端部に前記当接部を有する小径部と、該小径部から前記当接部とは反対側に延出し且つ前記小径部より大径の大径部とを有し、
    前記プランジャは、前記大径部より大径に形成されており、
    前記移動規制部材および前記プランジャは、前記弾性部材の弾性力により、前記プランジャの前記移動部材側の端面が前記大径部の前記小径部側とは反対側の端面と当接すると共に前記大径部の前記小径部側の端面が前記ロック解除部の一部と当接するよう前記移動部材側に付勢されており、
    前記永久磁石は、前記大径部の外周を囲むように配置されている、
    ことを特徴とする磁気ロック装置。
  2. 請求項1記載の磁気ロック装置であって、
    前記永久磁石は、前記プランジャに固定されており、
    前記ロック解除部の一部は、磁性体により形成されると共に前記大径部および前記永久磁石と前記第2方向で対向するよう形成されており、
    前記プランジャは、前記永久磁石と前記ロック解除部の一部との吸引によりロックされる、
    ことを特徴とする磁気ロック装置。
  3. 請求項1記載の磁気ロック装置であって、
    前記永久磁石は、前記ロック解除部に固定されており、
    前記プランジャは、前記永久磁石との吸引によりロックされる、
    ことを特徴とする磁気ロック装置。
  4. 請求項2または3記載の磁気ロック装置であって、
    前記永久磁石の前記第2方向の長さは、前記大径部の前記第2方向の長さより短い、
    ことを特徴とする磁気ロック装置。
  5. 請求項4記載の磁気ロック装置であって、
    前記大径部の前記第2方向の長さと前記永久磁石の前記第2方向の長さとの差は、前記大径部の外周面と前記永久磁石の内周面とのクリアランスより小さい、
    ことを特徴とする磁気ロック装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の磁気ロック装置を備え、前記移動部材の前記第1方向の進退移動により、変速機の回転軸をロックするパーキングロック状態および該回転軸のロックを解除するパーキングロック解除状態を形成するパーキング装置であって、
    前記移動部材と、前記移動部材を前記第1方向のロック側に弾性力により付勢するパーキング弾性部材とを有し、前記移動部材を前記第1方向のロック解除側に油圧により移動させる油圧アクチュエータを備える、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  7. 請求項6記載のパーキング装置であって、
    前記磁気ロック装置は、前記コイルへの通電時には、前記パーキング弾性部材の弾性力または油圧によって前記被当接部から前記当接部に作用する力により前記移動規制部材が前記移動部材から後退するのを許容するよう構成されている、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  8. 請求項6または7記載のパーキング装置であって、
    前記当接部は、前記移動部材が前記第1方向の前記ロック側に移動する際に前記被当接部から力を受けるロック解除側当接面を有し、
    前記ロック解除側当接面は、前記移動規制部材の先端部側から基端部側に向かうにつれて前記ロック側に傾斜するよう形成されている、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  9. 請求項6ないし8のいずれか1つの請求項に記載のパーキング装置であって、
    前記当接部は、前記移動部材が前記第1方向の前記ロック解除側に移動する際に前記被当接部から力を受けるロック側当接面を有し、
    前記ロック側当接面は、前記移動規制部材の先端部側から基端部側に向かうにつれて前記ロック解除側に傾斜するよう形成されている、
    ことを特徴とするパーキング装置。
  10. 請求項6ないし9のいずれか1つの請求項に記載のパーキング装置であって、
    前記磁気ロック装置は、前記コイルへの非通電時には、前記パーキング弾性部材の弾性力によって前記被当接部から前記当接部に作用する力では前記移動規制部材が前記移動部材から後退せず、前記第1弾性部材の弾性力および前記永久磁石による前記移動規制部材のロック力に抗する油圧によって前記被当接部から前記当接部に作用する力により前記移動規制部材が前記移動部材から後退するのを許容するよう構成されている、
    ことを特徴とするパーキング装置。
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