JP2015081176A - 綴じ装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束に対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束の用紙同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合が生じにくい、綴じ装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう綴じ装置本体91を設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように綴じ装置本体91を制御している。
【選択図】図3

Description

この発明は、用紙束に対して綴じ処理をおこなう綴じ装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機やプリンタ等の画像形成装置に設置された綴じ装置において、金属針を用いることなく綴じ処理をおこなうことを目的として、複数の用紙からなる用紙束に対して、歯型状の凹凸部を用紙束に押し当てて、用紙束に厚さ方向の凹凸を形成して用紙同士を噛み合わせることで綴じ処理をおこなうものが知られている(例えば、特許文献1〜3等参照。)。
一方、特許文献3には、歯型状の凹凸部(凹凸エンボス形状)が外周面にわたってそれぞれ形成された2つの回転部材によって用紙束(シート束)を挟んで用紙束に凹凸を形成した状態で、2つの回転部材を回転させながら幅方向一端側から幅方向他端側に向けて移動させることによって、用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域とした綴じ処理動作を幅方向にわたって連続的におこなう技術が開示されている。
従来の綴じ装置は、用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束に対して綴じ処理をおこなう場合に、歯型状の凹凸部を幅方向一端側から幅方向他端側に向けて移動させて綴じ処理動作をおこなっていたため、凹凸部が幅方向に移動するたびに用紙束の用紙同士が幅方向にずれる力を受けて、最終的に用紙束の用紙同士がずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまうことがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束に対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束の用紙同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合が生じにくい、綴じ装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる綴じ装置は、用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として当該用紙束に対して綴じ処理をおこなう綴じ装置であって、歯型状の凹凸部を当該用紙束に押し当てて厚さ方向の凹凸を形成して用紙同士を噛み合わせる綴じ処理動作を、幅方向に移動しながら連続的又は間欠的におこなう綴じ装置本体を備え、前記綴じ装置本体は、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御されるものである。
本発明によれば、用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束に対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束の用紙同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合が生じにくい、綴じ装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 後処理装置を示す概略構成図である。 (A)綴じ装置を示す概略図と、(B)その凹凸部が噛み合った状態を示す拡大図と、である。 綴じ処理された用紙束を示す概略図である。 この発明の実施の形態2における綴じ装置の動作を示す概略図である。 図5の綴じ装置によって綴じ処理された用紙束を示す概略図である。 この発明の実施の形態3における綴じ装置の動作を示す概略図である。 図7の綴じ装置によって綴じ処理された用紙束を示す概略図である。 この発明の実施の形態4における綴じ装置によって綴じ処理された用紙束を示す概略図である。 変形例としての、綴じ装置によって綴じ処理された用紙束を示す概略図である。 さらに別の変形例としての、綴じ装置によって用紙束に綴じ処理が施される動作を順に示す概略図である。 この発明の実施の形態5における綴じ装置によって用紙束に綴じ処理が施される動作を順に示す概略図である。 図12の変形例としての、綴じ装置によって綴じ処理された用紙束を示す概略図である。 この発明の実施の形態5における綴じ装置によって綴じ処理された用紙束を示す概略図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像(画像)を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成されたトナー像を用紙P(用紙)に転写する転写部(画像形成部)、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙等の用紙Pが収納された給紙部、17、18は転写部7に向けて用紙Pを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、20は用紙P上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、30はオモテ面に画像が形成された後の用紙Pを反転して画像形成部に向けて搬送する両面搬送部、を示す。
また、50は画像形成装置本体1から排紙されて搬入された用紙Pに後処理を施す後処理装置、61は後処理装置50の内部に設置された積載部(内部トレイ)、71〜73は後処理後の用紙P(又は、用紙束)が排出されて積載されるトレイ(排紙トレイ)、90は後処理装置50の内部に設置された綴じ装置、を示す。後処理装置50は、画像形成装置本体1に対して着脱可能に設置されている。
図1を参照して、画像形成装置本体1における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応した画像(トナー像)が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成された画像は、画像形成部としての転写部7で、レジストローラ17、18により搬送された用紙P上に転写される。
一方、転写部7(画像形成部)に搬送される用紙Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。
そして、給紙部12に収納された用紙Pの最上方の1枚が、搬送経路K1の位置に向けて搬送される。
その後、用紙Pは、複数の搬送ローラが配設された搬送経路K1を通過して、レジストローラ17、18の位置に達する。そして、レジストローラ17、18の位置に達した用紙Pは、感光体ドラム5上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7(画像形成部)に向けて搬送される。
そして、転写工程後の用紙Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着された用紙Pは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体1から排出される。
なお、用紙Pの両面(オモテ面とウラ面とである。)へのプリントをおこなう「両面プリントモード」が選択されている場合には、オモテ面への定着工程が終了した用紙Pは、上述した「片面プリントモード」が選択されているときのようにそのまま排紙されることなく、両面搬送経路K2に導かれて、両面搬送部30で搬送方向が反転された後に、再び転写部7(画像形成部)の位置に向けて搬送される。そして、転写部7の位置で先に説明したものと同様の画像形成プロセスによって用紙Pのウラ面への画像形成がおこなわれ、その後に定着装置20での定着工程を経て、搬送経路を通過して、画像形成装置本体1から排出される。
ここで、本実施の形態1では、画像形成装置1に後処理装置50が設置されていて、画像形成装置本体1から排出された用紙Pが後処理装置50に搬送されて、搬送された用紙Pに対して後処理が施されることになる。
図1を参照して、本実施の形態1における後処理装置50は、装置本体1から搬送された用紙Pを3つの搬送経路K3〜K5のうちいずれかの搬送経路に搬送して、異なる後処理を施せるように構成されている。第1の搬送経路K3は、画像形成装置本体1から搬送された用紙Pに、後処理を施すことなくそのまま第1排紙トレイ71に排紙するための搬送経路である。第2の搬送経路K4は、画像形成装置本体1から搬送された用紙Pを積載部61(内部トレイ)に積載して、綴じ装置90(第1綴じ装置)による用紙後端への綴じ処理をおこない、処理後の用紙P(用紙束PT)を排紙ローラ55によって排紙口50bから外部トレイ72(第2排紙トレイ)に向けて排紙するための搬送経路である。第3の搬送経路K5は、画像形成装置本体1から搬送された用紙Pを一旦第2の搬送経路K4に搬送してスイッチバックした後に、綴じ装置83(第2綴じ装置)による用紙中央部への綴じ処理や、用紙折りブレード84等による折り処理をおこない、第3排紙トレイ73に排紙するための搬送経路である(図2をも参照できる)。
なお、上述した3つの搬送経路K3〜K5の切替は、分岐爪81の切替動作(回動)によっておこなわれる。
さらに詳しくは、図2を参照して、後処理装置50の搬入口50aの近傍には、第1搬送ローラ51や紙検知センサが設置されていて、紙検知センサによって検知された用紙Pが第1、第2搬送ローラ51、52によって装置50内に搬送される。そして、予めユーザーによって選択された後処理のモードに基いて、用紙Pが所望の搬送経路K3〜K5に導かれるように分岐爪81が回動する。
後処理を施さないモードが選択されている場合、第1の搬送経路K3に搬送された用紙Pは、第3搬送ローラ53によって排紙されて、第1排紙トレイ71上に排出される。
「ソートモード(仕分け処理モード)」が選択されている場合、第2の搬送経路K4に搬送された用紙Pは、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に移動可能に構成された第4搬送ローラ54によって用紙Pごとに所定量だけ幅方向にシフト移動されながら搬送されて、排紙ローラ55(第5搬送ローラ)によって搬送されて外部トレイ72(第2排紙トレイ)上に順次積載される。
図2を参照して、外部トレイ72の上方にはフィラー82が上端の支軸を中心にして回動可能に設けられていて、外部トレイ72は不図示の移動機構によって上下動可能に構成されている。そして、外部トレイ72上に順次積載される用紙Pの搬送方向中央部がフィラー82に接触した状態が、フィラー82の支軸近傍に設置されたセンサによって検知されることで、外部トレイ72上に積載された用紙Pの高さが認識される。そして、外部トレイ72上に積載される用紙Pの枚数の増減に合わせて、外部トレイ72の上下位置が調整されることになる。また、外部トレイ72の上下位置が下限位置に達した場合には、外部トレイ72上に積載された用紙Pの枚数が上限(満杯)に達したものとして、後処理装置50から画像形成装置1に停止信号を送信して、画像形成動作を停止させる。
「綴じ処理モード(ステイプルモード)」が選択されている場合、第2の搬送経路K4に搬送された用紙Pは、第4搬送ローラ54によってシフト移動をおこなうことなく搬送されて、積載部61(内部トレイ)上に順次積載される。そして、積載部61の載置面62上に所望の枚数の用紙P(用紙束PT)が積載されると、その上方に配置された叩きローラ64が最上方の用紙Pに当接する位置に移動して、叩きローラ64が図2の反時計方向に回転駆動されることで、複数枚の用紙P(用紙束PT)がフェンス部66に向けて搬送(移動)される。これにより、複数枚の用紙P(用紙束PT)の後端(搬送方向後端)がフェンス部66に突き当たって、複数枚の用紙Pの搬送方向の位置が揃えられることになる。
このとき、図2を参照して、積載部61の幅方向両端部に設置されたジョガーフェンス68が、積載部61上に積載された複数枚の用紙Pを挟み込むように幅方向に移動して、複数枚の用紙Pの幅方向の位置が揃えられることになる。そして、搬送方向と幅方向とがそれぞれ揃えられた用紙P(用紙束)の後端に対して、綴じ装置90(第1綴じ装置)によって綴じ処理が施されることになる。
その後、綴じ処理が施された用紙P(用紙束PT)は、放出爪67の排紙方向の移動によって載置面62の傾斜に沿って斜め上方に移動して、排紙ローラ55による搬送によって、外部トレイ72上に排出される。
「折り処理モード」が選択されている場合、用紙Pは、まず第2の搬送経路K4に搬送されて、その後端部が第4搬送ローラ54に挟持された状態で、第4搬送ローラ54を逆回転させることでスイッチバックさせて、第3の搬送経路K5に搬送される。そして、第3の搬送経路K5に搬送された用紙Pは、第6〜第8搬送ローラ56〜58によって、用紙Pの中央部が第2綴じ装置83に対向する位置まで搬送される。そして、その位置に所望の枚数の用紙P(用紙束PT)が積載された後に、第2綴じ装置83によって用紙束の中央部に綴じ処理が施される。その後、綴じ処理が施された複数枚の用紙P(用紙束PT)は、第7、第8搬送ローラ57、58によって、用紙P(用紙束PT)の中央部が用紙折りブレード84に対向する位置まで搬送される。このとき、用紙P(用紙束PT)は、その先端部がストッパ部85(不図示の移動機構によって搬送方向に移動可能に構成されている。)に突き当たった状態になっている。
そして、用紙P(用紙束PT)は、図2の左方に移動する用紙折りブレード84によって中央部が折り込まれた状態で、その折込部が用紙折り板86によって圧接されて、折り処理が施されることになる。その後、折り処理後の用紙P(用紙束PT)は、第9搬送ローラ59によって搬送されて、第3排紙トレイ73上に排出されることになる。
以下、本実施の形態1における綴じ装置90の、特徴的な構成・動作について詳述する。
先に図1、図2等を用いて説明したように、本実施の形態1における後処理装置50には、その内部に、積載部61(内部トレイ)上に積載された用紙束PTに対して綴じ処理をおこなうための綴じ装置90が設置されている。詳しくは、積載部61は、その載置面62が一端側(図2の右方である。)から他端側(図2の左方である。)に向けて上方に傾斜するように形成されている。そして、排紙口50bから離れた積載部61の傾斜面下方には、綴じ装置90(第1綴じ装置)が設けられている。
この綴じ装置90は、用紙束PTの幅方向(本実施の形態では、搬送方向に略直交する方向であって、図2の紙面垂直方向であって、図3(A)、図4の左右方向である。)に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなうものである。
図3(A)及び図3(B)を参照して、綴じ装置90には、歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙束PTに厚さ方向の凹凸を形成して用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作を、幅方向に移動しながら間欠的におこなう綴じ装置本体91が設けられている。
詳しくは、図3に示すように、綴じ装置本体91には、第1回転部材92と第2回転部材93とが略上下方向に配設されている。第1回転部材92には、歯型状の凹凸部92aが外周面にわたって形成されている。第2回転部材93には、第1回転部材92の歯型状の凹凸部92aに噛合する歯型状の凹凸部93aが外周面にわたって形成されていて、第1回転部材92との間に用紙束PTを挟むように第1回転部材92に対して相対的に移動可能に構成されている。そして、用紙束PTを挟んだ状態で第1回転部材92と第2回転部材93とが回転しながら幅方向に移動することによって綴じ処理動作をおこなうことになる。
具体的に、第1回転部材92と第2回転部材93とをそれぞれ回転可能に支持する綴じ装置本体91は、第1モータ96に接続された送りネジ94が螺合されるとともにシャフト95が貫通されていて、これらの部材94、95を介して後処理装置50の筐体に保持されている。そして、第1モータ96による駆動によって送りネジ94が正逆方向に回転することで、綴じ装置本体91(第1回転部材92、第2回転部材93)が幅方向(図3(A)の左右方向であって、黒矢印方向である。)に移動することになる。
ここで、第1回転部材92を正逆方向に回転駆動する第2駆動モータ97と、第2回転部材93を正逆方向に回転駆動する第3駆動モータ98と、は、いずれも綴じ装置本体91に固設されていて、綴じ装置本体91とともに幅方向に移動することになる。そして、綴じ装置本体91の移動方向に合わせて2つの回転部材92、93が回転するように、2つの駆動モータ97、98が駆動制御される。詳しくは、綴じ装置本体91が図3の左方に移動するときには、第1回転部材92が時計方向に回転するように第2駆動モータ97が駆動制御されて、第2回転部材93が反時計方向に回転するように第3駆動モータ98が駆動制御される。これに対して、綴じ装置本体91が図3の右方に移動するときには、第1回転部材92が反時計方向に回転するように第2駆動モータ97が駆動制御されて、第2回転部材93が時計方向に回転するように第3駆動モータ98が駆動制御される。また、このときの回転部材92、93の回転速度は、綴じ装置本体91の移動速度に合わせて、双方の間に線速差が生じないように制御される。
なお、本実施の形態では、回転部材92、93を積極的に回転駆動する駆動モータ97、98を設けたが、駆動モータ97、98を設けずに綴じ装置本体91の幅方向の移動によって回転部材92、93が従動して回転するように構成することもできる。
また、第2回転部材93は、第1回転部材92に対して接離可能に移動できるように、綴じ装置本体91に保持されている。詳しくは、第2回転部材93は、不図示のカム機構に接続されていて、このカム機構を駆動する昇降駆動モータ99の駆動によって図3(A)の白矢印方向に移動することになる。具体的に、用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合には、第1回転部材92の凹凸部92a(歯部)に、第2回転部材93の凹凸部93a(歯部)が噛合するように、第2回転部材93が図3の下方に移動することになる(図3の状態である)。これに対して、用紙束PTに対して綴じ処理をおこなわない場合には、第1回転部材92の凹凸部92a(歯部)に対して、第2回転部材93の凹凸部93a(歯部)が離間するように、第2回転部材93が図3の上方に移動することになる。
ここで、昇降駆動モータ99やカム機構は、綴じ装置本体91に固設されていて、綴じ装置本体91とともに幅方向に移動することになる。
また、図3(B)を参照して、本実施の形態1において、2つの回転部材92、93の凹凸部92a、93aにおける凸部は、いずれも、その先端がR状に形成されている。これにより、綴じ処理時に、双方の凹凸部92a、93aに挟まれた用紙束PTが、凹凸部92a、93aによって、せん断されてしまう不具合を防止することができる。
そして、本実施の形態1では、このように構成された綴じ装置90において、綴じ装置本体91が、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御される。
詳しくは、図4を参照して、本実施の形態1では、ジョガーフェンス68によって幅方向の位置が定められた用紙束PTに対して、搬送方向(図4の上下方向である。)の端部のほぼ範囲を綴じ領域Mとして、5つの綴じ部M1〜M5に分割して綴じ処理をおこなうものである。
このような5つの綴じ部M1〜M5に対して、本実施の形態1では、まず、最も中央(幅方向中央部)に位置する第1綴じ部M1の位置に、綴じ装置本体91を移動して、第1綴じ部M1への綴じ処理をおこなう。次に、右方に隣接する第2綴じ部M2の位置に向けて綴じ装置本体91を黒矢印方向に移動して、第2綴じ部M2への綴じ処理をおこなう。さらに右方に隣接する第3綴じ部M3の位置に綴じ装置本体91を移動して第3綴じ部M3への綴じ処理をおこなった後に、第4綴じ部M4の位置に向けて綴じ装置本体91を白矢印方向に移動して第4綴じ部M4への綴じ処理をおこなう。最後に、第5綴じ部M5の位置に向けて綴じ装置本体91を移動して、第5綴じ部M5への綴じ処理をおこなう。
なお、綴じ装置本体91は、1つの綴じ部において綴じ処理をおこなう場合には2つの回転部材92、93が当接した状態であって、次の綴じ部に移動する場合には2つの回転部材92、93が離間した状態になるように制御される。
このように、本実施の形態1では、綴じ装置本体91によって、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなっているため、幅方向一端側から綴じ処理を開始して幅方向他端側に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなう場合に比べて、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれる力を受けにくく、幅方向にずれる力を受けたとしてもその力が相殺されやすくなり、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を軽減することができる。
特に、凹凸部92a、93aが外周面に形成された略歯車状の2つの回転部材92、93によって用紙束PTを挟み込んで、2つの回転部材92、93を回転させながら綴じ処理をおこなう場合には、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれる力を受けやすくなるため、本発明の構成が有用になる。
なお、本実施の形態1では、第1綴じ部M1〜第5綴じ部M5の順に綴じ処理をおこなったが、第1綴じ部M1、第2綴じ部M2、第4綴じ部M4、第3綴じ部M3、第5綴じ部M5の順に綴じ処理をおこなうこともできる。そして、そのような場合であっても、上述したものとほぼ同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態1では、凹凸部92a、93aが外周面に形成された略歯車状の2つの回転部材92、93によって用紙束PTを挟み込んで綴じ処理をおこなうように構成したが、歯型状の凹凸部が形成された2つの平板(非回転部材)によって用紙束PTを挟み込んで綴じ処理をおこなうように構成することもできる。
以上説明したように、本実施の形態1では、歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう綴じ装置本体91を設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように綴じ装置本体91を制御している。これにより、用紙束PTの幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を生じにくくすることができる。
実施の形態2.
図5及び図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2における綴じ装置90の動作を示す概略図である。また、図6は、その綴じ装置90によって綴じ処理された用紙束PTを示す概略図である。
本実施の形態2における綴じ装置は、綴じ装置本体91を幅方向に移動しながら連続的に綴じ処理動作をおこなう点が、綴じ装置本体91を幅方向に移動しながら間欠的に綴じ処理動作をおこなう前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態2における綴じ装置90にも、前記実施の形態1のものと同様に、第1回転部材92と第2回転部材93とが設置された綴じ装置本体91が設けられている。
ここで、本実施の形態2では、綴じ装置本体91を幅方向に移動しながら連続的に綴じ処理動作をおこなっている。そして、綴じ装置本体91は、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して、幅方向一端側(図5の右方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこない、その後に幅方向中央部に戻ってから幅方向他端側(図5の左方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作を再開するように制御される。
詳しくは、まず、図5(A)に示すように、用紙束PTの幅方向中央部において、離間状態にあった第2回転部材93が白矢印方向に移動して、2つの回転部材92、93によって用紙束PTの幅方向中央部が挟持される。こうして、綴じ処理動作が開始される。
そして、図5(B)に示すように、2つの回転部材92、93(綴じ装置本体91)は、用紙束PTを挟持した状態で回転しながら幅方向一端側(黒矢印方向)に移動して、第1綴じ領域MAを形成する。そして、第1綴じ領域MAを形成した後に、第2回転部材93は図の破線で示した離間位置に移動する。
その後、図5(C)に示すように、2つの回転部材92、93(綴じ装置本体91)は、用紙束PTを挟持しない状態のまま幅方向他端側(黒矢印方向)に移動した後に、離間状態にあった第2回転部材93が白矢印方向に移動して2つの回転部材92、93によって用紙束PTの幅方向中央部(綴じ処理動作が開始されたときの位置とほぼ同じ位置である。)が挟持される。
そして、図5(D)に示すように、2つの回転部材92、93(綴じ装置本体91)は、用紙束PTを挟持した状態で回転しながら幅方向他端側(黒矢印方向)に移動して、第2綴じ領域MBを形成する。
このようにして、最終的に、図6に示すように、用紙束PTに対して、第1綴じ領域MAと第2綴じ領域MBとが幅方向中央部で繋がった状態で綴じ処理が完了することになる。
このように、本実施の形態2では、綴じ装置本体91による綴じ処理動作を幅方向中央部から開始して、2つの回転部材92、93の接離動作も組み合わせて、用紙束PTの幅方向のほぼ全域が綴じ領域となるようにしているため、用紙束PTの用紙ずれがなく、綴じ力の高い強固な綴じ処理をおこなうことができる。
以上説明したように、本実施の形態2でも、前記実施の形態1と同様に、歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう綴じ装置本体91を設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように綴じ装置本体91を制御している。これにより、用紙束PTの幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を生じにくくすることができる。
実施の形態3.
図7及び図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図7は、実施の形態3における綴じ装置90の動作を示す概略図である。また、図8は、その綴じ装置90によって綴じ処理された用紙束PTを示す概略図である。
本実施の形態3における綴じ装置は、2つの綴じ装置本体91A、91Bをそれぞれ幅方向に移動して綴じ処理動作をおこなう点が、1つの綴じ装置本体91を幅方向に移動して綴じ処理動作をおこなう前記実施の形態2のものとは相違する。
本実施の形態3における綴じ装置90にも、前記実施の形態2のものと同様に、第1回転部材92と第2回転部材93とが設置された綴じ装置本体91A、91Bが設けられている。
ここで、図7に示すように、本実施の形態3のものは、前記実施の形態2のものとは異なり、2つの綴じ装置本体(第1綴じ装置本体91Aと第2綴じ装置本体91Bとである。)が設置されている。2つの綴じ装置本体91A、91Bは、いずれも、前記実施の形態1にて説明した綴じ装置本体91とほぼ同様に構成されている。そして、第1綴じ装置本体91Aが幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向一端側(図7の右方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御され、第2綴じ装置本体91Bが幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向他端側(図7の左方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御されることになる。
詳しくは、図7を参照して、まず、用紙束PTの幅方向中央部において、離間状態にあった2つの綴じ装置本体91A、91Bの第2回転部材93がほぼ同じタイミングでそれぞれ白矢印方向に移動して、2組の回転部材92、93によって用紙束PTの幅方向中央部がそれぞれ挟持される。こうして、綴じ処理動作が開始される。
そして、第1綴じ処理装置91Aは、2つの回転部材92、93が用紙束PTを挟持した状態で回転しながら幅方向一端側(図7の右方である。)に移動して、第1綴じ領域MAを形成する。これと同時に、第2綴じ処理装置91Bは、2つの回転部材92、93が用紙束PTを挟持した状態で回転しながら幅方向他端側(図7の左方である。)に移動して、第2綴じ領域MBを形成する。
このようにして、最終的に、図8に示すように、用紙束PTに対して、第1綴じ領域MAと第2綴じ領域MBとが幅方向中央部で少し離れた状態で綴じ処理が完了することになる。
このように、本実施の形態3では、2つの綴じ装置本体91A、91Bによって綴じ処理動作を幅方向中央部から開始して、回転部材92、93の接離動作をおこなうことなく、用紙束PTの幅方向のほぼ全域が綴じ領域となるようにしているため、用紙束PTの用紙ずれがなく、綴じ処理の処理速度を速めることができる。
なお、本実施の形態3では、第1綴じ装置本体91Aによって綴じ処理される綴じ領域MA(第1綴じ領域)の幅方向の長さと、第2綴じ装置本体91Bによって綴じ処理される綴じ領域MB(第2綴じ領域)の幅方向の長さと、が等しくなるように形成されている。
これにより、2つの綴じ装置本体91A、91Bによる綴じ処理の開始から終了までタイミングを揃えることができるため、上述した効果が確実なものになる。
以上説明したように、本実施の形態3では、歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう2つの綴じ装置本体91A、91Bを設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように2つの綴じ装置本体91A、91Bを制御している。これにより、用紙束PTの幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を生じにくくすることができる。
実施の形態4.
図9〜図11にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図9は、実施の形態4における綴じ装置90によって綴じ処理された用紙束PTを示す概略図である。また、図10は変形例としての綴じ装置90によって綴じ処理された用紙束PTを示す概略図であり、図11はさらに別の変形例としての綴じ装置90によって用紙束PTに綴じ処理が施される動作を順に示す概略図である。
本実施の形態4における綴じ装置は、2つの綴じ装置本体91A、91Bが幅方向に直交する方向に並設されている点が、2つの綴じ装置本体91A、91Bが幅方向に並設されている前記実施の形態3のものとは相違する。
本実施の形態4における綴じ装置90にも、前記実施の形態3のものと同様に、第1回転部材92と第2回転部材93とが設置された2つの綴じ装置本体91A、91Bが設けられている。
ここで、図9を参照して、本実施の形態4のものは、第1綴じ装置本体91Aと第2綴じ装置本体91Bとが幅方向に直交する方向(搬送方向である。)に並設されている。そして、図9に示すように、第1綴じ装置本体91Aによって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置と、第2綴じ装置本体91Bによって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置と、が搬送方向からみて重なるように形成されている。そして、前記実施の形態3のものと同様に、第1綴じ装置本体91Aが幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向一端側(図9の右方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御され、第2綴じ装置本体91Bが幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向他端側(図9の左方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御されることになる。
このようにして、最終的に、図9に示すように、用紙束PTに対して、第1綴じ領域MAと第2綴じ領域MBとが、搬送方向にずれた状態で、かつ、幅方向中央部で繋がった状態で、綴じ処理が完了することになる。
このように、本実施の形態4では、2つの綴じ装置本体91A、91Bによって綴じ処理動作を幅方向中央部から開始して、回転部材92、93の接離動作をおこなうことなく、用紙束PTの幅方向のほぼ全域が綴じ領域となるようにしているため、用紙束PTの用紙ずれがなく、綴じ力が高く、綴じ処理の処理速度を速めることができる。
また、本実施の形態4でも、第1綴じ装置本体91Aによって綴じ処理される綴じ領域MA(第1綴じ領域)の幅方向の長さと、第2綴じ装置本体91Bによって綴じ処理される綴じ領域MB(第2綴じ領域)の幅方向の長さと、が等しくなるように形成されている。
なお、本実施の形態4では、2つの綴じ装置本体91A、91Bが幅方向の中心線(一点鎖線で示している。)上に並ぶように構成したが、図10に示すように、2つの綴じ装置本体91A、91Bが幅方向に僅かにずれて並ぶように構成することもできる。具体的に、第1綴じ装置本体91Aは幅方向の中心線に対して僅かに幅方向他端側(左方である。)に配置され、第2綴じ装置本体91Bは幅方向の中心線に対して僅かに幅方向一端側(右方である。)に配置されている。
このような場合、図10に示すように、用紙束PTに対して、第1綴じ領域MAと第2綴じ領域MBとが、搬送方向にずれた状態で、かつ、幅方向中央部で図9のものより広い範囲で繋がった状態で、綴じ処理が完了することになる。そのため、より高い綴じ力を確保することができる。
また、本実施の形態4のように2つの綴じ装置本体91A、91Bを搬送方向に並設した場合において、第2綴じ装置本体91Bによる綴じ処理動作が終了した後に、用紙束PTに対して第1綴じ装置本体91Aを搬送方向(幅方向に直交する方向である。)に相対的に移動させて第2綴じ装置本体91Bによって綴じ処理動作が開始された幅方向中央部の位置と第1綴じ装置本体91Aによって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置とを合致させて、その後に第1綴じ装置本体91Aによる綴じ処理動作を開始するように制御することもできる。
詳しくは、図11(A)に示すように、2つの綴じ装置本体91A、91Bが搬送方向に並設された状態から、図11(B)に示すように、第2綴じ装置本体91Bを左方に移動させて第2綴じ領域MBを形成する。その後、図11(C)に示すように、第1綴じ装置本体91Aを下方に移動して(又は、用紙束PTを上方に移動して)、図11(D)に示すように、第1綴じ装置本体91Aを右方に移動させて第1綴じ領域MAを形成する。
このような場合、図11(D)に示すように、用紙束PTに対して、第1綴じ領域MAと第2綴じ領域MBとが、搬送方向にずれることなく、幅方向中央部で繋がった状態で、綴じ処理が完了することになる。
以上説明したように、本実施の形態4でも、前記実施の形態3と同様に、歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう2つの綴じ装置本体91A、91Bを設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように2つの綴じ装置本体91A、91Bを制御している。これにより、用紙束PTの幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を生じにくくすることができる。
実施の形態5.
図12及び図13にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図12は、実施の形態5における綴じ装置90によって用紙束PTに綴じ処理が施される動作を順に示す概略図である。また、図13は、その変形例としての、綴じ装置90によって綴じ処理された用紙束PTを示す概略図である。
本実施の形態5における綴じ装置は、2つの綴じ装置本体91A、91Bが幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に移動した後に幅方向端部を折り返して幅方向中央部に戻って綴じ処理動作を終了する点が、前記実施の形態3のものとは相違する。
本実施の形態5における綴じ装置90にも、前記実施の形態3のものと同様に、第1回転部材92と第2回転部材93とが設置された2つの綴じ装置本体91A、91Bが設けられている。
ここで、図12(A)を参照して、本実施の形態5のものは、第1綴じ装置本体91Aと第2綴じ装置本体91Bとが幅方向中央部において幅方向に並設されている。そして、図12(A)に示すように、第1綴じ装置本体91Aは、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向一端側(右方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなった後に、図12(B)に示すように、用紙束PTに対して第1綴じ装置本体91Aを離間状態で搬送方向(幅方向に直交する方向)に相対的に移動させて、図12(C)に示すように、当接状態に戻して幅方向一端側から綴じ処理動作を再開して幅方向中央部に向けて移動して綴じ処理動作を終了するように制御する。同様に、第2綴じ装置本体91Bは、図12(A)に示すように、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向他端側(左方である。)に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなった後に、図12(B)に示すように、用紙束PTに対して第2綴じ装置本体91Bを離間状態で搬送方向に相対的に移動させて、図12(C)に示すように、当接状態に戻して幅方向他端側から綴じ処理動作を再開して幅方向中央部に向けて移動して綴じ処理動作を終了するように制御する。このような2つの綴じ装置本体91A、91Bの動作は、図12(A)〜(C)に示すように、同じタイミングでおこなわれる。
このようにして、最終的に、図12(C)に示すように、用紙束PTに対して、幅方向中央部と幅方向端部との間を往復して形成された第1綴じ領域MA1、MA2と第2綴じ領域MB1、MB2とが、幅方向中央部で少し離れた状態で綴じ処理が完了することになる。
このように、本実施の形態5では、2つの綴じ装置本体91A、91Bによって綴じ処理動作を幅方向中央部から開始して、用紙束PTの幅方向のほぼ全域が搬送方向の比較的広い範囲で綴じ領域となるようにしているため、用紙束PTの用紙ずれがなく、綴じ力が高く、綴じ処理の処理速度を速めることができる。
なお、本実施の形態5では、幅方向の中心線(一点鎖線で示している。)の位置を跨ぐように2つの綴じ装置本体91A、91Bを配置したが、図13に示すように、中心線からずれた位置に2つの綴じ装置本体91A、91Bを配置することもできる。すなわち、第1綴じ装置本体91Aと第2綴じ装置本体91Bとによって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置と、第1綴じ装置本体91Aと第2綴じ装置本体91Bとによって綴じ処理動作が終了される幅方向中央部の位置と、が幅方向にずれるように形成することができる。
そのような場合、2つの綴じ装置本体91A、91Bが移動する途中において第2回転部材93を接離するタイミングはずれることになるが、最終的に、図13に示すように、用紙束PTに対して、第1綴じ領域MA1、MA2と第2綴じ領域MB1、MB2とが、搬送方向からみて重なった状態にて綴じ処理が完了することになる。そのため、用紙束PTに対する綴じ力をさらに高めることができる。
以上説明したように、本実施の形態5でも、前記実施の形態3と同様に、歯型状の凹凸部92a、93aを用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう2つの綴じ装置本体91A、91Bを設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように2つの綴じ装置本体91A、91Bを制御している。これにより、用紙束PTの幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を生じにくくすることができる。
実施の形態6.
図14にて、この発明の実施の形態6について詳細に説明する。
図14は、実施の形態5における綴じ装置83(第2綴じ装置)によって綴じ処理された用紙束PTを示す概略図である。
本実施の形態6における綴じ装置は、折り処理が施される用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう点が、前記各実施の形態のものとは相違する。
本実施の形態6における綴じ装置は、折り処理がおこなわれる第3の搬送経路K5に設置された第2綴じ装置83(図1、図2を参照できる。)であって、前記各実施の形態における第1綴じ装置90とは異なる。すなわち、本実施の形態6では、綴じ装置83(第2綴じ装置)によって綴じ処理がおこなわれた後に、その用紙束PTにおいて搬送方向(幅方向に直交する方向)の中央部に幅方向にわたって折り目Xが形成される折り処理がおこなわれる(図14を参照できる)。
本実施の形態6における綴じ装置83にも、前記実施の形態3〜5の綴じ装置90と同様に、第1回転部材と第2回転部材とが設置された2つの綴じ装置本体が設けられていて、2つの綴じ装置本体を幅方向中央部から幅方向端部に移動させて綴じ処理動作をおこなう。
その場合、図14(A)又は図14(B)に示すように、折り目X(綴じ処理後に形成される折り目である。)を跨ぐように、搬送方向に対して一方の側PBで第1綴じ装置本体による綴じ処理が開始され、搬送方向に対して他方の側PAで第2綴じ装置本体による綴じ処理が開始される。すなわち、図14(A)又は図14(B)に示すように、最終的に、折り目Xを跨ぐように、搬送方向に対して一方の側PBで第1綴じ領域MAが形成され、搬送方向に対して他方の側PAで第2綴じ領域MBが形成される。
これにより、図14(C)に示すように折り目Xを跨ぐことなく搬送方向に対して片側PAに2つの第1綴じ領域MA、MBが形成される場合に比べて、2つの綴じ領域MA、MBを、用紙束PT全域において綴じ領域以外の領域を双方の側PA、PBの一方の側に偏らせることなく、バランスよく配置することができる。
以上説明したように、本実施の形態6では、歯型状の凹凸部を用紙束PTに押し当てて用紙P同士を噛み合わせる綴じ処理動作をおこなう2つの綴じ装置本体を設けて、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように2つの綴じ装置本体を制御している。これにより、用紙束PTの幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として用紙束PTに対して綴じ処理をおこなう場合であっても、用紙束PTの用紙P同士が幅方向にずれて見栄えの悪い状態で綴じ処理がされてしまう不具合を生じにくくすることができる。
なお、前記各実施の形態では、モノクロの画像形成装置1における後処理装置50に設置される綴じ装置90(83)に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置における後処理装置に設置される綴じ装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
また、前記各実施の形態では、電子写真方式の画像形成装置1における後処理装置50に設置される綴じ装置90(83)に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、その他の方式の画像形成装置(例えば、インクジェット方式の画像形成装置や、孔版印刷装置などである。)における後処理装置に設置される綴じ装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
さらには、後処理装置50に設置された綴じ装置90(83)ではなく、単独の装置としての綴じ装置(たとえば、搬送口50aに給紙カセットがセットされていて、綴じ装置自体に処理モード等を入力する操作パネルが設置されているものである。)に対しても、本発明を適用することができる。
そして、それらの場合であっても、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、前記各実施の形態において、画像形成装置本体1と後処理装置50との間に、別の後処理装置(例えば、用紙Pに対してZ折り処理をおこなう装置である。)を設置することもできる。
また、前記各実施の形態では、綴じ処理と仕分け処理と折り処理とをおこなうことができる後処理装置50に対して本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されることなく、穿孔処理(パンチ処理)をもおこなう後処理装置や、上述した複数の処理のうち綴じ処理のみをおこなう後処理装置や別の組み合わせで処理をおこなう後処理装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、前記各実施の形態では、綴じ処理をおこなう「幅方向」を「用紙束を構成する用紙の搬送方向に対して略直交する方向」とした綴じ装置に対して本発明を適用したが、綴じ処理をおこなう「幅方向」を「用紙束を構成する用紙の搬送方向」とした綴じ装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、そのような場合であっても、前記各実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置本体(装置本体)、
50 後処理装置、
83 綴じ装置(第2綴じ装置)、
90 綴じ装置(第1綴じ装置)、
91 綴じ装置本体、
91A 第1綴じ装置本体、
91B 第2綴じ装置本体、
92 第1回転部材、 92a 凹凸部、
93 第2回転部材、 93a 凹凸部、
M 綴じ領域、
MA、MA1、MA2 第1綴じ領域、
MB、MB1、MB2 第2綴じ領域、
M1〜M5 綴じ部、
P 用紙(シート)、 PT 用紙束、 X 折り目。
特開平7−165365号公報 特開2010−208854号公報 特許第5253453号公報

Claims (12)

  1. 用紙束の幅方向に沿った所定の範囲を綴じ領域として当該用紙束に対して綴じ処理をおこなう綴じ装置であって、
    歯型状の凹凸部を当該用紙束に押し当てて厚さ方向の凹凸を形成して用紙同士を噛み合わせる綴じ処理動作を、幅方向に移動しながら連続的又は間欠的におこなう綴じ装置本体を備え、
    前記綴じ装置本体は、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向端部に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御されることを特徴とする綴じ装置。
  2. 前記綴じ装置本体は、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して、幅方向一端側に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこない、その後に幅方向中央部に戻ってから幅方向他端側に向けて移動しながら綴じ処理動作を再開するように制御されることを特徴とする請求項1に記載の綴じ装置。
  3. 2つの前記綴じ装置本体を備え、
    前記2つの綴じ装置本体は、第1綴じ装置本体が幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向一端側に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御され、第2綴じ装置本体が幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向他端側に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなうように制御されることを特徴とする請求項1に記載の綴じ装置。
  4. 前記第1綴じ装置本体によって綴じ処理される綴じ領域の幅方向の長さと、前記第2綴じ装置本体によって綴じ処理される綴じ領域の幅方向の長さと、が等しくなるように形成されたことを特徴とする請求項3に記載の綴じ装置。
  5. 前記第1綴じ装置本体と前記第2綴じ装置本体とは、幅方向に直交する方向に並設されて、
    前記第1綴じ装置本体によって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置と、前記第2綴じ装置本体によって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置と、が前記直交する方向からみて重なるように形成されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の綴じ装置。
  6. 前記第2綴じ装置本体による綴じ処理動作が終了した後に、前記用紙束に対して前記第1綴じ装置を前記直交する方向に相対的に移動させて前記第2綴じ装置本体によって綴じ処理動作が開始された幅方向中央部の位置と前記第1綴じ装置本体によって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置とを合致させて、その後に前記第1綴じ装置本体による綴じ処理動作を開始するように制御することを特徴とする請求項5に記載の綴じ装置。
  7. 前記第1綴じ装置本体は、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向一端側に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなった後に、前記用紙束に対して前記第1綴じ装置を幅方向に直交する方向に相対的に移動させて幅方向一端側から綴じ処理動作を再開して幅方向中央部に向けて移動して綴じ処理動作を終了するように制御され、
    前記第2綴じ装置本体は、幅方向中央部から綴じ処理動作を開始して幅方向他端側に向けて移動しながら綴じ処理動作をおこなった後に、前記用紙束に対して前記第2綴じ装置を幅方向に直交する方向に相対的に移動させて幅方向他端側から綴じ処理動作を再開して幅方向中央部に向けて移動して綴じ処理動作を終了するように制御されることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の綴じ装置。
  8. 前記第1綴じ装置本体と前記第2綴じ装置本体とによって綴じ処理動作が開始される幅方向中央部の位置と、前記第1綴じ装置本体と前記第2綴じ装置本体とによって綴じ処理動作が終了される幅方向中央部の位置と、が幅方向にずれるように形成されたことを特徴とする請求項7に記載の綴じ装置。
  9. 前記用紙束において幅方向に直交する方向の中央部に幅方向にわたって折り目が形成される折り処理がおこなわれる場合に、前記折り目を跨ぐように、前記直交する方向に対して一方の側で前記第1綴じ装置本体による綴じ処理が開始され、前記直交する方向に対して他方の側で前記第2綴じ装置本体による綴じ処理が開始されることを特徴とする請求項3〜請求項8のいずれかに記載の綴じ装置。
  10. 前記綴じ装置本体は、
    前記歯型状の凹凸部が外周面にわたって形成された第1回転部材と、
    前記第1回転部材の前記歯型状の凹凸部に噛合する前記歯型状の凹凸部が外周面にわたって形成されて、前記第1回転部材との間に前記用紙束を挟むように前記第1回転部材に対して相対的に移動するように構成された第2回転部材と、
    を具備し、
    前記用紙束を挟んだ状態で前記第1回転部材と前記第2回転部材とが回転しながら幅方向に移動することによって綴じ処理動作をおこなうことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の綴じ装置。
  11. 前記幅方向は、前記用紙束を構成する用紙の搬送方向に対して略直交する方向であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の綴じ装置。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の綴じ装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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