以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、第1の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、第1送信インダクタ200、第1絶縁層120、第1受信インダクタ300、及び第2受信インダクタ320を備える。第1送信インダクタ200は、渦巻状の導電パターンからなり、送信信号が入力される。第1絶縁層120は、第1送信インダクタ200の上又は下に位置している。図1に示す例において、第1絶縁層120は第1送信インダクタ200の上に位置している。第1受信インダクタ300は、第1絶縁層120を介して第1送信インダクタ200と重なる領域に配置されている。第1受信インダクタ300は、渦巻状の導電パターンからなり、第1送信インダクタ200に入力される送信信号に対応して受信信号を生成する。第2受信インダクタ320は、第1受信インダクタ300に直列に接続し、渦巻状の導電パターンからなっている。第2受信インダクタ320は、同一の向きの磁場に対して第1受信インダクタ300とは逆向きの電圧を生じる。図1に示す例において、第2受信インダクタ320は第1受信インダクタ300の隣に位置している。このため、平面視において第1受信インダクタ300と第2受信インダクタ320の間には他のインダクタが存在しない。
図1に示す例において、回路装置は基板100を有している。基板100は、例えばシリコン基板などの半導体基板である。基板100上には、絶縁層112,114,116,118がこの順に積層されている。絶縁層114,116,118によって第1絶縁層120が構成されている。
絶縁層112,114,116,118それぞれの表面には配線等の導電パターンが位置している。これら導電パターンは、例えば絶縁層上に形成されたAl合金パターンであるが、ダマシン法により絶縁層に埋め込まれたCu合金パターンであっても良い。第1送信インダクタ200は絶縁層112の表面に位置しており、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は絶縁層118の表面、すなわち最上層の配線層に位置している。第1受信インダクタ300、第2受信インダクタ320、及び絶縁層118は、保護膜130によって被覆されている。
第1送信インダクタ200の中心側の端部202は、絶縁層114に設けられたビアプラグ及び絶縁層114の表面に位置している第1引出配線142を介して、平面視において第1送信インダクタ200の外側に引き出されている。また第1受信インダクタ300の中心側の端部302は、絶縁層118に設けられたビアプラグ及び絶縁層116の表面に位置している第2引出配線144を介して、第1受信インダクタ300の外側に引き出されている。本実施形態において端部302は、ビアプラグ及び第2引出配線144を介して、第2受信インダクタ320の中心側の端部322に接続している。第2引出配線144は、第1引出配線142より第1受信インダクタ300に近い層に形成されている。
平面視において、第1受信インダクタ300の中心側の端部302は第1送信インダクタ200の中心側の端部202と重なっていない。このため、第2引出配線144と第1引出配線142は平面視で重ならない。したがって、第2引出配線144と第1引出配線142の最小間隔は、端部302,202が重なる場合と比較して大きくなる。なお、第1受信インダクタ300と第1送信インダクタ200の渦巻きの中心は、互いに重なっているのが好ましい。
図2は、第1送信インダクタ200の形状の一例を示す平面図である。本図に示す例において第1送信インダクタ200は、外側の端部204から中心側の端部202に向けて時計回りの渦巻きを形成している。なお第1送信インダクタ200は、外側の端部204から中心側の端部202に向けて反時計回りの渦巻きを形成していてもよい。
図3の各図は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の形状の一例を示す平面図である。いずれの図においても、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、巻き数及び配線間隔が略同じであり、絶対値が同じ磁場に対して絶対値が同じ電圧を生じる。
図3(a)に示す例は、図1に対応している。この例において、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、渦巻きの向きが同一である。具体的には、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は外側の端部304、324から中心側の端部302,322に向けて時計回りの渦巻きを形成している。ただし渦巻きの向きは逆であっても良い。そして、中心側の端部302,322が第2引出配線144を介して互いに接続している。
図3(b)に示す例は、図1とは異なる例を示している。この例において、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、図3(a)に示した例と同様であり、渦巻きの向きが同一である。そして外側の端部304,324が互いに繋がっている。
図3(c)に示す例は、図1とは異なる例を示している。この例において、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、渦巻きの向きが逆である。そして第1受信インダクタ300の外側の端部304と、第2受信インダクタ320の中心側の端部322が、第2引出配線144を介して互いに接続している。なお、第1受信インダクタ300の中心側の端部302と、第2受信インダクタ320の外側の端部324が、第2引出配線144を介して互いに接続していてもよい。
図1〜3に示した回路装置は、例えば以下のようにして形成される。まず基板100上に絶縁層112を形成する。基板100には、トランジスタ(図示せず)が形成されていても良い。次いで絶縁層112の表面に第1送信インダクタ200を形成する。第1送信インダクタ200が絶縁層112上の導電パターンで形成される場合、絶縁層112上に導電膜を形成し、この導電膜を選択的に除去することにより、第1送信インダクタ200が形成される。第1送信インダクタ200が絶縁層112に埋め込まれる場合、絶縁層112に溝パターンを形成し、この溝内及び絶縁層112上に導電膜を形成し、さらに絶縁層112上の導電膜を除去することにより、第1送信インダクタ200が形成される。
次いで、絶縁層112上及び第1送信インダクタ200上に絶縁層114を形成する。次いで絶縁層114内に、第1送信インダクタ200の中心側の端部202に接続するビアプラグを形成する。次いで、絶縁層114の表面に第1引出配線142を形成する。第1引出配線142は、例えば第1送信インダクタ200の形成方法として例示した方法のいずれかで形成される。
次いで、絶縁層114上及び第1引出配線142上に絶縁層116を形成する。次いで絶縁層116の表面に第2引出配線144を形成する。第2引出配線144は、例えば第1送信インダクタ200の形成方法として例示した方法のいずれかで形成される。
次いで、絶縁層116上及び第2引出配線144上に絶縁層118を形成する。次いで絶縁層118内に2つのビアプラグを形成する。これらビアプラグは、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の中心側の端部302,322を第2引出配線144に接続するためのものである。次いで、絶縁層118の表面に第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320を形成する。これらインダクタは、例えば第1送信インダクタ200の形成方法として例示した方法のいずれかで形成される。次いで、絶縁層118上、第1受信インダクタ300上、及び第2受信インダクタ320上に保護膜130を形成する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。まず、送信回路(図示せず)から第1送信インダクタ200に送信信号が入力されると、第1送信インダクタ200によって磁場が生成する。第1受信インダクタ300は、第1送信インダクタ200が生成した磁場によって電圧を生じる。一方、第2受信インダクタ320は、第1送信インダクタ200が生成した磁場によってはほとんど電圧を生じない。このため、受信回路(図示せず)は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320が生じた電圧(例えば図3(a)に示す例では端部304,324間の電圧)を検出することにより、送信信号に対応した受信信号を検出することができる。
また図1に示した回路装置に外部磁場が加わった場合を考える。外部磁場は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320のいずれに対しても、略同じ向きで加わる。上記したように、第2受信インダクタ320は、同一の向きの磁場に対して第1受信インダクタ300とは逆向きの電圧を生じる。第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は直列に接続されているため、外部磁場によって生じる電圧(例えば図3(a)に示す例では端部304,324間の電圧)が小さくなる。このため、外部磁場に起因してノイズ信号が発生することを抑制できる。この効果は、第1受信インダクタ300と第2受信インダクタ320の巻数が略同じである場合、特に顕著になる。
また、平面視において、第1受信インダクタ300の中心側の端部302は第1送信インダクタ200の中心側の端部202と重なっていない。このため、第1引出配線142と第2引出配線144が平面視において重なることを防止できる。したがって、端部302,202が重なる場合と比較して、第2引出配線144と第1引出配線142の最小間隔が大きくなり、第1送信インダクタ200と第1受信インダクタ300の間の絶縁耐圧が大きくなる。従って、送信信号と受信信号の基準電位が大きく異なる場合でも、入力側と受信側の間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
図4は、第2の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、以下の点を除いて、第1の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。
保護膜130には、第1受信インダクタ300の中心側の端部302を露出させる開口部、及び第2受信インダクタ320の中心側の端部322を露出させる開口部が設けられている。これらの開口部から露出した端部302,322は、ワイヤ500を介して互いに接続している。すなわち端部302は、ワイヤ500を介して第1受信インダクタ300の外側に引き出されている。また回路装置は、第1の実施形態に示した第2引出配線144及びこれに接続するビアプラグを備えていない。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2引出配線144の代わりにワイヤ500を用いているため、第2引出配線144を用いる場合と比較して、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300及びこれに接続する配線との最小間隔を広くすることができる。従って、送信信号と受信信号の基準電位が大きく異なる場合でも、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300及びこれに接続する配線との間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
図5(a)は、第3の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、基板100としてSOI(Silicon ON Insulator)基板を用いている点を除いて、第1の実施形態と同様である。本実施形態において基板100は、シリコン基板102上に絶縁層104及びシリコン層106をこの順に積層した構造である。そしてシリコン層106には、複数の埋込絶縁層108が設けられている。第1送信インダクタ200、第1受信インダクタ300、及び第2受信インダクタ320は、複数の埋込絶縁層108の上方に位置している。シリコン層106には、トランジスタ(図示せず)及び素子分離膜が形成されていても良い。
本図に示す例において埋込絶縁層108は、底部が絶縁層104に接しているが、底部が絶縁層104に接していなくてもよい。後者の場合、埋込絶縁層108は、シリコン層106に形成されたトランジスタ(図示せず)の素子分離膜と同一工程で形成されても良い。
図5(b)は、埋込絶縁層108の平面レイアウトを示す平面図である。埋込絶縁層108は、マトリクスを形成するように互いに離間して配置されている。
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、基板100としてSOI基板を使用し、かつシリコン層106には複数の埋込絶縁層108が設けられている。複数の埋込絶縁層108は、第1送信インダクタ200、第1受信インダクタ300、及び第2受信インダクタ320の下方に位置している。従って、基板100に渦電流が生じることを抑制できる。
図6は、第4の実施形態にかかる回路装置の構成を示す断面図である。この回路装置は、第2送信インダクタ220を備える点、第1引出配線142が第2送信インダクタ220の中心側の端部222にも接続している点、並びに第2引出配線144が第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の外側に引き出されている点を除いて、第3の実施形態に示した回路装置と同様の構成である。第2送信インダクタ220は、渦巻状の導電パターンにより構成されている。
本図に示す例において、第2送信インダクタ220は第1送信インダクタ200と同一層に形成されており、第1絶縁層120を介して第2受信インダクタ320と重なる領域に配置されている。第2送信インダクタ220は、第1引出配線142を介して第1送信インダクタ200と同一の送信信号が入力されるが、送信信号が入力されたときに発生する磁場の向きは、第1送信インダクタ200と逆である。
第1引出配線142は、絶縁層114に設けられたビアプラグを介して第1送信インダクタ200の中心側の端部202及び第2送信インダクタ220の中心側の端部222それぞれに接続している。このため、第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、第1引出配線142に対して並列に接続されている。また第2送信インダクタ220は、第1送信インダクタ200の隣に位置している。このため、平面視において第1送信インダクタ200と第2送信インダクタ220の間には他のインダクタが存在しない。
図7の各図は、第1送信インダクタ200と第2送信インダクタ220の形状の一例を示す平面図である。いずれの図においても、第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、巻き数が略同じであるが、巻き数は互いに異なっていても良い。
図7(a)に示す例は、図6に対応している。この例において第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、渦巻きの向きが逆である。具体的には、第1送信インダクタ200は、外側の端部204から中心側の端部202に向けて時計回りの渦巻きを形成しており、第2送信インダクタ220は、外側の端部224から中心側の端部222に向けて反時計回りの渦巻きを形成している。ただし渦巻きの向きは逆であっても良い。そして、中心側の端部202,222が第1引出配線142を介して互いに接続している。また外側の端部204,224は互いに繋がっており、配線230によって第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220の外側に引き出されている。配線230は、例えば第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220と同一の配線層に形成されている。第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、送信信号の入力線となる第1引出配線142及び配線230に対して並列に接続されている。
図7(b)に示す例は、図6とは異なる例を示している。この例において第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、渦巻きの向きが同一である。第1送信インダクタ200の中心側の端部202と第2送信インダクタ220の外側の端部224が、引出配線145を介して互いに接続している。また第1送信インダクタ200の外側の端部204と第2送信インダクタ220の中心側の端部222が、引出配線143を介して互いに接続している。引出配線143,145は、例えば図6に示した第1引出配線142と同様に形成される。第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、送信信号の入力線となる引出配線143,145に対して並列に接続されている。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2受信インダクタ320と重なる領域に第2送信インダクタ220が形成されており、第2送信インダクタ220には第1送信インダクタ200と同一の送信信号が入力される。第2送信インダクタ220は、第1送信インダクタ200とは逆向きの磁場を発生するため、第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220に送信信号が入力されたときに、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、同一の向きの電圧を生じる。このため、送信信号に対応して第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320が生成する受信信号の電圧は高くなる。従って、信号の送信エラーが発生することを抑制できる。
また、第1送信インダクタ200と第2送信インダクタ220の間には他のインダクタが存在しない。このため、第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220に送信信号が入力されたときに、第1送信インダクタ200が発生する磁場と第2送信インダクタ220が発生する磁場が結合し、磁場の漏れが少なくなる。従って、送信信号に対応して第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320が生成する受信信号の電圧はさらに高くなり、信号の受信感度が高くなる。
なお、本実施形態において第2送信インダクタ220は、第1絶縁層120ではなく他の絶縁層(第2絶縁層)を介して第2受信インダクタ320と重なる領域に配置されていても良い。例えば第1絶縁層120が複数の絶縁層で構成されている場合、第2送信インダクタ220は、第1絶縁層120を構成する絶縁層の一部を介して第2受信インダクタ320と重なる領域に配置されていても良い。
図8の各図は、第5の実施形態にかかる回路装置のインダクタの形状を示す平面図である。本実施形態において回路装置は、第1送信インダクタ200、第2送信インダクタ220、第1受信インダクタ300、及び第2受信インダクタ320を有する信号送信回路を偶数個有している。そして各信号送信回路は、同一のインダクタが互いに隣り合うように配置されている。各信号送信回路の間には他のインダクタが存在しない。
図8(a)は、第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220の形状を示す平面図である。全ての第1送信インダクタ200及び第2送信インダクタ220は、送信信号の入力線である第1引出配線142及び配線230に対して並列に接続されている。隣り合う第1送信インダクタ200は、送信信号が入力されたときに互いに逆向きの磁場を発生させる。また隣り合う第2送信インダクタ220は、送信信号が入力されたときに互いに逆向きの磁場を発生させる。
図8(b)は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の形状を示す平面図である。全ての第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、送信信号が入力されたときに各インダクタで生じた電圧が加算される方向に、直列に接続されている。図8(b)に示す例では、全ての第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は渦巻きの方向が同一である。そして隣り合う第1受信インダクタ300は、外側の端部304が互いに接続している。受信回路は、隣り合う第2受信インダクタ320の外側の端部324の間の電圧を測定することにより、受信信号を検出する。
本実施形態によっても、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、送信信号が入力されたときに、隣り合う第1送信インダクタ200は互いに逆向きの磁場を発生させ、隣り合う第2送信インダクタ220は互いに逆向きの磁場を発生させる。このため、隣り合う第1送信インダクタ200の磁場が互いに結合し、かつ隣り合う第2送信インダクタ220の磁場も互いに結合する。従って、磁場の漏れがさらに少なくなり、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320が信号を受信しやすくなる。
図9は、第6の実施形態にかかる回路装置の構成を示す断面図である。この回路装置は、第3受信インダクタ340及び引出配線146を備える点を除いて、第1の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。本実施形態において受信信号は、第3受信インダクタ340から出力される。
図9に示す例において、第3受信インダクタ340は、第1絶縁層120を介して第2受信インダクタ320と重なる領域に配置されている。引出配線146は、絶縁層114に設けられたビアプラグを介して第3受信インダクタ340の中心側の端部342に接続しており、端部342を第3受信インダクタ340の外側に引き出している。
図10(a)は、図9に示した回路装置における第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の平面図である。第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は渦巻きの向きが互いに同じである。そして、外側の端部304,324が互いに接続しており、中心側の端部302,322が第2引出配線144によって互いに接続している。
図10(b)は、図10(a)の変形例である。本図は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の渦巻きの向きが互いに逆である点を除いて、図10(a)と同様である。なお本図において、端部302,324が互いに接続し、端部322,304が互いに接続しても良い。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。第1送信インダクタ200に送信信号が入力されると、第1の実施形態と同様に第1受信インダクタ300に電圧が生じる。この電圧によって第2受信インダクタ320に電流が流れ、第2受信インダクタ320が磁場を発生させる。第2受信インダクタ320が磁場を発生させると、この磁場によって第3受信インダクタ340に電圧が生じる。受信回路は、この電圧を受信信号として検出する。従って、第1送信インダクタ200から、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320を経由して、第3受信インダクタ340に信号を送信することができる。また外部磁場が加わったときに第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320に生じる電圧は、互いに打ち消す方向になっている。従って、外部磁場に起因してノイズ信号が発生することを抑制できる。
また、第1送信インダクタ200から第3受信インダクタ340に信号が伝達されるまでには、第1絶縁層120を2回経由する必要がある。従って、第1送信インダクタ200と第3受信インダクタ340の間の絶縁耐圧が大きくなる。従って、送信信号と受信信号の基準電位が大きく異なる場合でも、入力側と受信側の間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
なお、本実施形態において第3受信インダクタ340は、第1絶縁層120ではなく他の絶縁層(第3絶縁層)を介して第2受信インダクタ320と重なる領域に配置されていても良い。例えば第1絶縁層120が複数の絶縁層で構成されている場合、第3受信インダクタ340は、第1絶縁層120を構成する絶縁層の一部を介して第2受信インダクタ320と重なる領域に配置されていても良い。
図11は、第7の実施形態にかかる回路装置のインダクタの形状を示す平面図である。この回路装置は、第1送信インダクタ200、第1受信インダクタ300、第2受信インダクタ320、及び第3受信インダクタ340を有する信号送信回路を偶数個有している点を除いて、第6の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。偶数個の信号送信回路は、同一のインダクタが隣り合うように並んで配置されている。各信号送信回路の間には他のインダクタが存在しない。
図11(a)は、第1送信インダクタ200の形状を示す平面図である。全ての第1送信インダクタ200は、送信信号の入力線である第1引出配線142及び配線230に対して並列に接続されている。隣り合う第1送信インダクタ200は、送信信号が入力されたときに互いに逆向きの磁場を発生させる。
図11(b)は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の形状を示す平面図である。本図に示す例において、隣り合う第1受信インダクタ300の渦巻きの方向は同じであり、隣り合う第2受信インダクタ320の渦巻きの方向は同じである。ただしこれらの向きは互いに逆であっても良い。
図11(c)は、第3受信インダクタ340の形状を示す平面図である。隣り合う第3受信インダクタ340は、同一の磁場に対して逆向きの電圧を発生させ、かつ、送信信号が第1送信インダクタ200に入力されたときに、それぞれに生じる電圧が加算される方向に互いに直列に接続されている。本図に示す例において、隣り合う第3受信インダクタ340は、渦巻きの向きが同じであり、中心側の端部342が互いに接続されている。受信回路は、隣り合う第3受信インダクタ340の外側の端部344の間の電圧を測定することにより、受信信号を検出する。なお、中心側の端部342の代わりに外側の端部344が互いに接続されていても良い。この場合、受信回路は、隣り合う第3受信インダクタ340の中心側の端部342の間の電圧を測定することにより、受信信号を検出する。
本実施形態によっても、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、送信信号が入力されたときに、隣り合う第1送信インダクタ200は互いに逆向きの磁場を発生させる。このため、隣り合う第1送信インダクタ200の磁場が互いに結合し、磁場の漏れが少なくなる。従って、第1受信インダクタ300が信号を受信しやすくなる。
また、隣り合う第1受信インダクタ300の渦巻きの方向は同じである。上記したように、隣り合う第1送信インダクタ200は互いに逆向きの磁場を発生させる。このため、第1送信インダクタ200に送信信号が入力されたときに、隣り合う第1受信インダクタ300は、逆向きの電圧を生じる。第2受信インダクタ320の渦巻きの方向は同じであるため、隣り合う第2受信インダクタ320は逆向きの磁場を発生させる。従って、隣り合う第2受信インダクタ320の磁場が互いに結合し、磁場の漏れが少なくなる。従って、第3受信インダクタ340が信号を受信しやすくなる。
また、第3受信インダクタ340は、同一の磁場に対して逆向きの電圧を発生させる。従って、外部磁場によって第3受信インダクタ340に生じる電圧が小さくなる。このため、外部磁場に起因してノイズ信号が発生することを抑制できる。この効果は、隣り合う第3受信インダクタ340の巻数が同じである場合、特に顕著になる。
図12は、第8の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、以下の点を除いて、第6または第7の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。
保護膜130には、第1受信インダクタ300の中心側の端部302を露出させる開口部、及び第2受信インダクタ320の中心側の端部322を露出させる開口部が設けられている。これらの開口部から露出した端部302,322は、ワイヤ500を介して互いに接続している。また回路装置は、図9に示した第2引出配線144及びこれに接続するビアプラグを備えていない。
本実施形態によっても、第6または第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2引出配線144の代わりにワイヤ500を用いているため、第2引出配線144を用いる場合と比較して、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300及びこれに接続する配線との最小間隔を広くすることができる。従って、送信信号と受信信号の基準電位が大きく異なる場合でも、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300及びこれに接続する配線との間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
図13は、第9の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、基板100としてSOI基板を用いている点、及びSOI基板のシリコン層106に埋込絶縁層108が設けられている点を除いて、第8の実施形態と同様である。SOI基板である基板100の構成は、第3の実施形態と同様である。ただし本実施形態において、埋込絶縁層108は第1受信インダクタ300と第2受信インダクタ320の間の領域の下方に形成されているが、第1受信インダクタ300の下方及び第2受信インダクタ320の下方には形成されていない。
図14は、図13に示した回路装置における、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320に対する埋込絶縁層108の相対位置、及び埋込絶縁層108の平面形状を示す平面図である。埋込絶縁層108は、シリコン層106を、第1受信インダクタ300が設けられている領域と、第2受信インダクタ320が設けられている領域とで絶縁するように設けられている。
本実施形態によっても、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、シリコン層106は、第1受信インダクタ300が設けられている領域と、第2受信インダクタ320が設けられている領域の間が埋込絶縁層108によって絶縁されている。従って、これらの間の基板電位を異ならせることができる。
図15は、第10の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、引出配線146が絶縁層112の下に配置されている点を除いて、第9の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。シリコン層106にトランジスタ(図示せず)が形成されている場合、引出配線146はトランジスタのゲート電極と同一層に設けられる。この場合、引出配線146は、例えばポリシリコン配線又はメタル配線になる。
本実施形態によっても、第9の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、引出配線146をシリコン層106の上に設けているため、第3受信インダクタ340及びこれに接続する配線と、第2受信インダクタ320の間の最小間隔を大きくして、これらの間の絶縁耐圧を高くすることができる。なお、引出配線146がポリシリコン配線である場合、引出配線146の抵抗が高くなるが、受信回路は電流ではなく電圧で受信信号の有無を判断するため、問題にならない。
図16は、第11の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、第1引出配線142が引出配線146と同様に絶縁層112の下に配置されている点を除いて、第10の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。
本実施形態によっても第10の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第1引出配線142をシリコン層106の上に設けているため、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300の間の最小間隔を大きくして、これらの間の絶縁耐圧を高くすることができる。
図17は、第12の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、基板100に送信回路及び受信回路が形成されている点を除いて、第9、第10、又は第11の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。送信回路はトランジスタ150を有しており、受信回路はトランジスタ160を有している。なお本図において、図12等に示したワイヤ500、第1引出配線142、及び引出配線146は省略されている。
本実施形態においてもシリコン層106は、第1送信インダクタ200及び第1受信インダクタ300の下方を含む領域と、第3受信インダクタ340及び第2受信インダクタ320の下方を含む領域が絶縁されている。
トランジスタ150は、シリコン層106のうち第1送信インダクタ200及び第1受信インダクタ300の下方を含む領域に設けられている。トランジスタ150は送信回路の一部であり、例えばソースが第1送信インダクタ200に電気的に接続している。またトランジスタ160は、シリコン層106のうち第2受信インダクタ320及び第3受信インダクタ340の下方を含む領域に設けられている。トランジスタ160は受信回路の一部であり、例えばゲート電極が第1送信インダクタ200に電気的に接続している。
本実施形態によっても、第9、第10、又は第11の実施形態にかかる回路装置と同様の効果を得ることができる。また、基板100に送信回路及び受信回路を形成しているため、送信回路及び受信回路を含めた回路装置を小型化することができる。
図18は、第13の実施形態にかかる回路装置の断面図である。本図に示す回路装置は、平面視において、第1送信インダクタ200の配線パターンと第1受信インダクタ300の配線パターンがずれており、かつ第2受信インダクタ320の配線パターンと第3受信インダクタ340の配線パターンがずれている点を除いて、第8の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。
本実施形態によっても、第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、平面視において第1送信インダクタ200の配線パターンと第1受信インダクタ300の配線パターンがずれているため、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300及びこれに接続する配線との最小間隔を大きくして、これらの間の絶縁耐圧を高くすることができる。また、平面視において第2受信インダクタ320の配線パターンと第3受信インダクタ340の配線パターンがずれているため、第2受信インダクタ320及びこれに接続する配線と、第3受信インダクタ340及びこれに接続する配線との最小間隔を大きくして、これらの間の絶縁耐圧を高くすることができる。
図19は、第14の実施形態にかかる回路装置の断面図である。本図に示す回路装置は、以下の点を除いて、第9の実施形態にかかる回路装置と同様である。
まず、図13に示した第1引出配線142の代わりにワイヤ502、電極206、及び電極206と第1送信インダクタ200の中心側の端部202を接続するビアプラグ等を有している。電極206は、第1受信インダクタ300と同一層に形成されており、保護膜130に形成された開口部から露出している。電極206は、第1受信インダクタ300の内側に位置している。
また、図13に示した引出配線146の代わりにワイヤ504、電極346、及び電極346と第3受信インダクタ340の中心側の端部342を接続するビアプラグ等を有している。電極346は第2受信インダクタ320と同一層に形成されており、保護膜130に形成された開口部から露出している。電極346は、第2受信インダクタ320の内側に位置している。
電極206と第1送信インダクタ200の端部202の間、及び電極346と第3受信インダクタ340の端部342の間には、複数の層が位置しているが、これらの層には、電極206と端部202を接続するビアプラグ及び導電パターン、並びに電極346と端部342を接続するビアプラグ及び導電パターンが設けられている。
ワイヤ502は電極206と電極208を接続しており、ワイヤ504は電極346と電極348を接続している。電極208,348は、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320と同一層に形成されており、保護膜130に形成された開口部から露出している。電極208は、第1受信インダクタ300の外側に位置しており、送信回路(図示せず)に接続している。電極348は第2受信インダクタ320の外側に位置しており、受信回路(図示せず)に接続している。
また埋込絶縁層108は、第3の実施形態において図5の各図に示した形状を有している。
図20は、第1送信インダクタ200、第1受信インダクタ300、第2受信インダクタ320、及び第3受信インダクタ340の相対位置を示す平面図である。本図に示すように、第1送信インダクタ200の導電パターンと第1受信インダクタ300の導電パターンは重なっておらず、第2受信インダクタ320の導電パターンと第3受信インダクタ340の導電パターンも重なっていない。そして第1送信インダクタ200の中心側の端部202と第1受信インダクタ300の中心側の端部302も重なっておらず、第2受信インダクタ320の中心側の端部322と第3受信インダクタ340の中心側の端部342も重なっていない。
本実施形態によっても第9の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、電極206と第1受信インダクタ300の距離を離すことにより、第1送信インダクタ200及びこれに接続する配線と、第1受信インダクタ300及びこれに接続する配線の最小間隔を広くして、これらの絶縁耐圧を高くすることができる。また電極346と第2受信インダクタ320の距離を離すことにより、第3受信インダクタ340及びこれに接続する配線と、第2受信インダクタ320及びこれに接続する配線の最小間隔を広くして、これらの絶縁耐圧を高くすることができる。
また、埋込絶縁層108は、第3の実施形態において図5の各図に示した形状を有しているため、基板100に渦電流が生じることを抑制できる。
図21は、第15の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、以下の点を除いて第12の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。
第3受信インダクタ340は、第1受信インダクタ300と同一層に位置しており、第2受信インダクタ320は、第3受信インダクタ340の下方、たとえば第1送信インダクタ200と同一層に位置している。第1受信インダクタ300と第2受信インダクタ320は、一端(たとえば外側の端部同士)がこれらの間の各層に形成されたビアプラグ及び導電パターンを介して互いに接続しており、他端(例えば中心側の端部同士)が各層に形成されたビアプラグ及び導電パターン、ならびにワイヤ510を介して互いに接続している。なお、第2受信インダクタ320の中心側の端部322は、第2受信インダクタ320より下層の配線(例えばトランジスタ150のゲート配線と同一層の配線)を介して他の部分に引き出されても良い。
受信回路(トランジスタ160を含む)は、基板600に形成されている。基板600は、例えばSOI基板であるが、シリコン基板などの半導体基板であってもよい。トランジスタ160のいずれかの電極(例えばゲート電極)は、基板600上の各層に形成されたビアプラグ及び導電パターンを介して、最上層の配線層に位置する電極162に接続している。電極162、及び電極162と同一層の電極164は、保護膜630に形成された開口部から露出している。電極164も、受信回路に接続している。
電極162,164は、それぞれワイヤ506,508を介して第3受信インダクタ340の端部342,344に接続している。なお電極162が端部344に接続し、電極164が端部342に接続しても良い。
本実施形態によっても、第12の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、他の基板600に形成した受信回路と第3受信インダクタ340を電気的に接続することができる。
また、第1送信インダクタ200が第1受信インダクタ300の下方に位置している。シリコン層106には送信回路が形成されているため、第1送信インダクタ200の基準電位はシリコン層106の基板電位と大きく異ならない。このため、第1受信インダクタ300が第1送信インダクタ200の下方に位置する場合と比較して、シリコン層106と、いずれかのインダクタの間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
また、第2受信インダクタ320の中心側の端部322を、第2受信インダクタ320より下層の配線を介して他の部分に引き出しているため、第2受信インダクタ320及びこれに接続する配線と、第3受信インダクタ340及びこれに接続する配線の最小間隔を大きくして、これらの間の絶縁耐圧を高くすることができる。
なお本実施形態において、基板600に送信回路(トランジスタ150を含む)が形成され、基板100のうち第2受信インダクタ320の下方を含む領域に受信回路(トランジスタ160を含む)が形成されても良い。この場合、第3受信インダクタ340が第2受信インダクタ320の下方に位置するのが好ましい。このようにすると、シリコン層106と、いずれかのインダクタの間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
図22は、第16の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、以下の点を除いて、第11の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。まず基板100には第1送信インダクタ200及び第1受信インダクタ300が形成されており、第2受信インダクタ320及び第3受信インダクタ340は基板101に形成されている。基板100,101は、いずれもシリコン基板などの半導体基板である。ただし基板100,101はSOI基板であっても良い。そして第1受信インダクタ300の外側の端部304と第2受信インダクタ320の外側の端部324は、いずれも保護膜130に形成された開口部から露出しており、ワイヤ501を介して互いに接続している。
図23の各図は、図22に示した回路装置における第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320の形状を示す平面図である。
図23(a)は図22に対応した例を示している。第1受信インダクタ300と第2受信インダクタ320は、渦巻きの向きが互いに同一である。そして中心側の端部302,322がワイヤ500を介して互いに接続しており、外側の端部304,324がワイヤ501を介して互いに接続している。
図23(b)は、図22とは異なる例を示している。第1受信インダクタ300と第2受信インダクタ320は、渦巻きの向きが逆である。ワイヤ500は、第1受信インダクタの中心側の端部302と第2受信インダクタ320の外側の端部324を接続している。ワイヤ501は、第1受信インダクタ300の外側の端部304と第2受信インダクタ320の中心側の端部322を接続している。なおワイヤ500が端部302,324を相互に接続し、ワイヤ501が端部304,322を相互に接続しても良い。
本実施形態によっても第11の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2受信インダクタ320及び第3受信インダクタ340を第1送信インダクタ200及び第1受信インダクタ300とは異なる基板に形成しているため、受信信号の基準電位と送信信号の基準電位が大きく異なっていても、第1送信インダクタ200と第3受信インダクタ340の間が絶縁破壊することを抑制できる。
図24は、第17の実施形態にかかる回路装置の断面図である。この回路装置は、以下の点を除いて第6の実施形態にかかる回路装置と同様の構成である。
第1送信インダクタ200及び第3受信インダクタ340は、絶縁層118の表面に位置しており、第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320は、絶縁層112の表面に位置している。また基板610には送信回路が形成されており、基板600には受信回路が形成されている。送信回路はトランジスタ150を含んでおり、受信回路はトランジスタ160を含んでいる。基板100,600,610は、例えばシリコン基板などの半導体基板であるが、SOI基板であっても良い。
保護膜130は、第1送信インダクタ200の端部202,204を露出させる開口部、及び第3受信インダクタ340の端部342,344を露出させる開口部を有している。端部202,204はワイヤ507,509を介して基板610に形成された電極152,154に接続しており、端部342,344はワイヤ506.508を介して基板600に形成された電極162,164に接続している。電極152,154は送信回路に接続しており、電極162,164は受信回路に接続している。
第1受信インダクタ300の外側の端部304は第2受信インダクタ320の外側の端部324と直接接続しており、第1受信インダクタ300の中心側の端部302はビアプラグ及び第2引出配線144を介して第2受信インダクタ320の中心側の端部322に接続している。第2引出配線144は第1受信インダクタ300及び第2受信インダクタ320より下層に位置している。基板100にトランジスタが形成されている場合、第2引出配線144は、例えばこのトランジスタのゲート電極と同層に位置している。
本実施形態によっても、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。また第1送信インダクタ200及び第3受信インダクタ340は絶縁層118の表面に位置しているため、基板100の基板電位と送信信号の基準電位又は受信信号の基準電位が大きく異なっていても、基板100と第1送信インダクタ200又は第3受信インダクタ340の間で絶縁破壊が生じることを抑制できる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。