JP2015079167A - 反射型投影表示システム - Google Patents

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Takeshi Kashiwagi
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Abstract

【課題】映像光が反射型スクリーンに対して垂直方向下側から投影されるときの、映像の天井への映り込みを改善できる反射型投影表示システムを提供する。【解決手段】反射型投影表示システム100は、スクリーン面を垂直乃至は略垂直とした反射型スクリーン10と、反射型スクリーン10に対して垂直方向Dvの下側から映像光Lを投影する映像源20とを備え、映像光は、垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光を含む。例えば、垂直方向Dvが偏光方向Dpとなった偏光光である。映像がフルカラー表示のとき、偏光光は、映像光の赤色成分、緑色成分及び青色成分のうち、少なくとも緑色成分とするのが好ましい。緑色は人間の目に最も明るさを感じさせやすい光のため、効果的に映り込みを改善することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、映像源から投影され反射型スクリーンで反射された映像光を観察する反射型投影表示システムに関する。
近年、反射型スクリーンに映像を投影する映像源として、至近距離からの投影で大画面表示できる短焦点型の映像投影装置(プロジェクタとも言う)が普及している。このような短焦点型の映像投影装置は、従来の映像投影装置に比べて、反射型スクリーンに対して垂直方向下側から大きな角度で斜めに投影することができる。このため、映像源として、短焦点型の映像投影装置を用いると、映像源及び反射型スクリーンを備えた反射型投影表示システムを省スペースで実現することができる(特許文献1)。
ここで、図5の側面図に示す従来の反射型投影表示システム200では、壁面33にスクリーン面を平行にして設置された反射型スクリーン10の垂直方向下側の至近距離に設置された映像源30からの映像光Lが、反射型スクリーン10で反射されて正面方向の観察者Vが観察できる様子を示している。図中、Z軸方向が垂直方向Dvであり、XY平面に平行な方向が水平方向Dhである。
図6は、反射型スクリーン10の層構成の一例を示す断面図である。同図に例示される反射型スクリーン10は、その映像源30側となる図面左側の正面側から図面右側の背面側に向かって順に、表面機能層11、基材層12、レンズ層13、反射部14、光吸収層15を備えている。表面機能層11は例えば防眩機能やハードコート機能を有し、基材層12は表面機能層11など各層を支持し、レンズ層13はフレネルレンズ作用を有し、反射部14はレンズ層13のレンズ面で映像光Lを反射させ、光吸収層15は不要な光を吸収する作用を有する。
このような反射型スクリーン10は、そのレンズ層13によって、反射型スクリーン10の下側から斜めに入射する映像光Lでも、反射型スクリーン10の正面方向の観察者Vに向けて進行方向が偏向され、映像を良好に観察することを可能にしている。
特開2013−68676号公報
しかしながら、図5に示すように、反射型スクリーン10に対して、その垂直方向下側から斜めに投影された映像光Lの一部は反射型スクリーン10の表面で反射して反射光Lrとなり観察者V側には届かずに天井32に到達し、天井32に映像が表示される映り込みが生じてしまう。
これを、図6に示した反射型スクリーン10で言うと、映像光Lはレンズ層13を通過して反射部14で反射されて観察者V側に向かう光もあるが、レンズ層13に到達する前に、反射型スクリーン10の最表面10sで反射される反射光Lrもあり、この光が天井32に到達して、映り込みが発生する。
すなわち、本発明の課題は、映像光が反射型スクリーンに対して垂直方向下側から投影されるときの、映像の天井への映り込みを改善できる反射型投影表示システムを提供することである。
そこで、本発明による反射型投影表示システムは、以下の構成とした。
(1)スクリーン面を垂直乃至は略垂直とした反射型スクリーンと、この反射型スクリーンに対して垂直方向下側から映像光を投影する映像源とを備え、
前記映像光は、前記垂直方向の偏光成分が水平方向の偏光成分よりも多い偏光光を含む、反射型投影表示システム。
(2)前記映像光は赤色成分、緑色成分及び青色成分を有し、前記偏光光は少なくとも前記緑色成分である、前記(1)の反射型投影表示システム。
本発明の反射型投影表示システムによれば、映像光が反射型スクリーンに対して垂直方向下側から投影されるときの、映像の天井への映り込みを改善することができる。
本発明による反射型投影表示システムの一実施形態を模式的に説明する図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は正面図。 物質の境界面での光の反射率のP偏光光とS偏光光の違いを模式的に説明するグラフ。 反射型スクリーンの層構成の一例を示す断面図。 三原色の映像光を合成する色合成プリズム及びその周辺を説明する説明図。 従来の反射型投影表示システムにおける、映像の天井への映り込みを説明する側面図。 反射型スクリーンの層構成の一例を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
なお、「偏光方向」とは、本発明においては、その光の電場の振動方向のことを意味する。
「垂直方向」とは、地面に対する垂直方向であり、重力によって物体が落下する方向に平行な方向を意味する。
「水平方向」とは、垂直方向と直交する方向を意味する。
「下側」とは、垂直方向において物体が落下する側を意味する。「下側」とは、注目する対象物の高度よりも低い高度であれば水平方向の相対位置は問わず、その真下以外に、その前後及び左右も含む。
先ず、図1は、本発明の反射型投影表示システムをその一実施形態で説明する図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は平面図、図1(c)は観察者V側からみた正面図である。
同図では、地面に対して垂直方向をZ軸方向とし、地面に平行な床31に反射型スクリーン10に向かって立った観察者Vに対して左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向としてある。反射型スクリーン10のスクリーン面は、平面でXZ面に平行な面であり、床31に垂直な面である。
なお、図1以外の図面においても、座標軸が明示されている図面については、その座標軸のとり方は図1と同様である。
本発明による反射型投影表示システム100は、スクリーン面を垂直乃至は略垂直とした反射型スクリーン10と、反射型スクリーン10に対して垂直方向Dvの下側から映像光Lを投影する映像源20とを、少なくとも備える。
スクリーン面とは、反射型スクリーン10のうち映像を表示可能な領域である。本発明における図面では、スクリーン面の大きさは反射型スクリーン10と同じとして図示してある。
反射型スクリーン10のスクリーン面が垂直乃至は略垂直であるとは、スクリーン面の正面側が凹むように湾曲しているなど、完全な平面ではないものもあり得るからである。また、スクリーン面が平面の場合でも、スクリーン面を観察者Vの位置に対応させて、斜め下側に向けてわずかに傾斜させるなどの設置もあるからである。
しかも、本発明においては、映像光Lは、垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光を含ようになっている。
例えば、この特定の偏光光は、映像光Lの赤色成分、緑色成分及び青色成分のうち、少なくとも緑色成分の光である。
本発明においては、理解を容易にする観点から、この垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光の偏光方向について、垂直方向Dvと同じ方向であるとして、それを偏光方向Dpで図示及び説明する。
反射型スクリーン10は、本実施形態においては、スクリーン面が垂直方向の寸法に対して水平方向の寸法が大きい横長の長方形形状で、平面をなし、床31に垂直となっている。反射型スクリーン10は、例えば、スクリーン面が横縦比16:9の100インチ型のものである。
映像源20の反射型スクリーン10に対する配置位置は、本実施形態では、垂直方向Dvにおいては、反射型スクリーン10のスクリーン面下端よりも下側で、且つ水平方向Dhにおいては、左右方向(X軸方向)がスクリーン面の幾何学的中心であるスクリーン中心CtSと一致し、前後方向(Y軸方向)は当然だが反射型スクリーン10の正面側となる配置となっている。
映像源20は、従来の反射型投影表示システムならば、一般的なプロジェクタ、それも、とくに、至近距離から投影可能な短焦点型のプロジェクタなどを採用できるところであるが、本実施形態においては、特にその映像光Lとして、垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光を投影できるようにしたものを用いる。
こうした映像源20は、垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光を含む映像光Lを投影できるようにしたものであれば、特に制限はない。例えば、偏光方向Dpが垂直方向Dvとなった直線偏光の映像光Lを、投影レンズをとおして投影できものを用いることができる。
したかって、映像源20の映像生成方式では、例えば、DLP(登録商標)方式、LCD方式、LCOS方式など、特に制限はない。映像源20については、後ほど詳述する。
<物質の境界面での反射率と光の偏光状態>
次に、映像光Lを垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光とすることで、映像の天井32への映り込みを改善することができる原理について説明する。
図2は、物質の境界面に入射する入射光について、その反射率のP偏光光とS偏光光の違いを模式的に示すグラフである。光の反射率は、いわゆるフレネルの式により、入射光の入射角θiによって異なり、また、入射光の偏光状態によっても異なる。
P偏光光とは、その偏光方向が入射面に平行(Parallel)な偏光光であり、S偏光光とは、その偏光方向が入射面に垂直な偏光光である。
「入射面」とは、入射光(映像光L)が入射する物質境界面に垂直な面であって入射光(映像光L)をその面内に含む面である。
同図に示すように、入射角θiが0°ではなく有限であるとき、常にS偏光光の反射率Rsが、P偏光光の反射率Rpよりも大きく、入射角θiの全領域ではないが、おおよそ入射角θiが0°から大きくなるほど、或る入射角θiまでは、その差は大きくなる。前記或る入射角θiとは、P偏光光の反射率Rpが極小値となる角度である。ただし、入射角θiが0°の垂直入射のときは、P偏光光の反射率RpとSの反射率Rsは同じである。
入射光が無偏光光であるときは、その入射光はP偏光光とS偏光光が半々の合成光として扱うことができるから、無偏光光の入射光に対する反射率は、P偏光光の反射率Rpと、S偏光光の反射率Rsとの平均値となる。
こうした光の反射率が、光の偏光状態によって異なることを利用して、映像光Lが反射型スクリーン10で反射されるときの入射面によって規定されるところのP偏光光をS偏光光よりも偏光成分としてより多く含む偏光光の映像光Lとすることによって、反射型スクリーン10での映像光Lの反射光Lrを低減でき、その結果、映像の天井32への映り込みを改善することができることになる。
本発明において、「P偏光光をS偏光光よりも偏光成分としてより多く含む偏光光」とは、P偏光光がS偏光光より多く含まれていれば、含まれるS偏光光の量がゼロではなく有限の量であってもよい。ただし、S偏光光の割合は少ない方が、映り込みの改善効果がより大きくなる点で好ましい。
《反射型スクリーン10》
反射型スクリーン10としては、従来公知のものを適宜採用することができる。図3は、反射型スクリーン10の一例を示す断面図である。
同図に例示される反射型スクリーン10は、その映像源20側となる図面左側の正面側から図面右側の背面側に向かって順に、表面機能層11、基材層12、レンズ層13、反射部14、光吸収層15を備えている。表面機能層11は例えば防眩機能やハードコート機能を有し、基材層12は表面機能層11など各層を支持し、レンズ層13はフレネルレンズ作用を有し、反射部14はレンズ層13のレンズ面で映像光Lを反射させ、光吸収層15は不要な光を吸収する作用を有する。
このような反射型スクリーン10は、そのフレネルレンズを構成するレンズ層13によって、図面下側から斜めに入射する映像光Lでも、反射型スクリーン10の正面方向の観察者Vに向けて進行方向が偏向され、映像を良好に観察することを可能にしている。
とくに、短焦点で斜め下側から映像光Lを投影する反射型投影表示システム100においては、反射型スクリーン10は、フレネルレンズを構成するレンズ層13を有することが好ましい。
以下、図3の反射型スクリーン10について、構成要素ごとにさらに詳述する。
<表面機能層11>
表面機能層11は、反射型スクリーン10において映像光Lが入光する最表面10sを構成する層であり、反射型スクリーン10の観察者V側の最表層となる層である。表面機能層11としては、例えば、反射防止機能、防眩機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能、耐指紋機能など、用途に応じて必要とされる1又は複数の機能を担う層である。表面機能層11は、例えば基材層12の面に塗工形成することで形成される。具体例を挙げれば、紫外線や電子線で硬化させることができるアクリル系の電離放射線硬化性樹脂の塗料によって、ハードコート機能を有する表面機能層11が形成される。
<基材層12>
基材層12は表面機能層11、レンズ層13など各層を支持し、反射型スクリーン10の基材となる透明又は半透明のフィルム状乃至はシート状物として構成される層である。
基材層12としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂を用いることができる。
基材層12の厚みは、特に制限はないが、フィルム乃至はシート状の場合、例えば25〜300μmとすることができ、板状の場合、例えば1〜5mmとすることができる。厚みが薄すぎると、剛性が低下しすぎて加工性の低下や他の層の支持機能の低下が生じることがあり、厚みが厚過ぎると剛性の点で過剰性能となることがあるからである。
基材層12は、光拡散剤の添加によって光拡散層を兼用することもできる。
<レンズ層13>
レンズ層13は、フレネルレンズ作用を有する層である。レンズ層13が有するフレネルレンズは、映像源20から発散光束となって投影された映像光Lを、反射型スクリーン10の観察者V側に向かう略平行光束となるように、光の進行方向を偏向できる機能を有する。
フレネルレンズは、同図の場合、複数の単位レンズが、その延在方向(紙面に垂直な方向)に直交する断面における断面形状が略三角形形状をしており、この三角形形状において、頂点13tと、頂点13tを挟んで一方の辺に対応するレンズ面13aと、他方の辺に対応する非レンズ面13bとを有する。単位レンズの断面形状は、映像源20からの映像光Lが反射されて観察者V側に向くように設定される。
単位レンズの配列ピッチは例えば20〜200μmとすることができる。配列ピッチが、この範囲よりも大きいと、モアレの発生、成形型作成時の切削バイトの消耗、離型性の悪化などが生じることがあり、この範囲よりも小さいと、光の回折や、加工精度の点で製
造がしにくくなることがあるからである。
フレネルレンズは、用途に応じて、その柱状の単位レンズ要素が同心円状又は円弧状に配列するサーキュラーフレネルレンズでもよいし、直線状に延びる単位レンズ要素が平行に配列するリニアフレネルレンズでもよい。サーキュラーフレネルレンズの方が、リニアフレネルレンズよりも、映像光Lをスクリーン面全体として、より観察者V側に向けられるという光学的性能の点で好ましいが、コストの観点から、リニアフレネルレンズとしてもよい。
サーキュラーフレネルレンズの場合、フレネルレンズの光学的中心であるフレネル中心は、映像を表示可能な部分であるスクリーン面の領域外であってもよい。
レンズ層13は、アクリル系などの電離放射線硬化性樹脂と成形型を用いて、いわゆる2P法(フォトポリマー法)によって、基材層12上に形成することができる。
<反射部14>
反射部14は、映像光Lを反射する機能を有する層である。図3の場合、反射部14は、レンズ層13の少なくともレンズ面13aの部分に対して形成されている。反射部14は、光反射性材料によって形成することができる。光反射性材料としては、アルミニウム、銀などの金属乃至は合金の蒸着膜、或いは、白色顔料や銀色を呈する金属顔料を樹脂バインダ中に分散させた塗料乃至はインクの塗膜を用いることができる。
蒸着膜はアルミニウムの場合では、厚みは、例えば60〜80nmとすることができる。厚みがこの範囲を超えると密着性が低下することがあり、この範囲未満となると反射率が低下し、光が素抜けすることがあるからである。
白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などを用いることができ、銀色を呈する金属顔料としては、アルミニウム、クロム、銀などの金属粒子を用いることができる。樹脂バインダの樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。
反射部14を、非レンズ面13bを除いてレンズ面13aに選択的に形成するには、蒸着法、スプレー塗装法などの、非接触で、且つ被形成面への形成材料の飛来方向に方向性を持たせることができる形成法が好ましい。ただし、スプレー塗装法では樹脂バインダを必要とし、樹脂バインダ中の光反射性材料によって光が乱反射して反射率が低下したり、拡散反射率が高くなったり、正面輝度が低下したりするため、蒸着法の方がスプレー塗装法よりも好ましい。
<光吸収層15>
光吸収層15は、不要な光を吸収する機能を有する層である。図3の場合、光吸収層15は、レンズ層13の非レンズ面13bとともに、レンズ面13a上の反射部14も被覆するように形成されている。光吸収層15は、カーボンブラックなどの黒色顔料を樹脂バインダ中に含む暗色の塗料乃至はインクの塗膜として形成することができる。樹脂バインダの樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂などを用いることができる。
<その他の層>
図示はしないが、反射型スクリーン10は、上記説明した以外に、公知のその他の層を有することがある。例えば、映像光Lを適度に拡散させる光拡散層、両側の層を接合するための接合層、機械的強度を増す補強層などである。
《映像源20》
映像源20は、従来の反射型投影表示システムならば、一般的なプロジェクタ、それも、とくに、至近距離から投影可能な短焦点型のプロジェクタなどを採用できるところであるが、本発明においては、特にその映像光Lとして、垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い偏光光を含む映像光Lを投影できるようにしたものを用いる。
こうした映像源20としては、例えば、偏光方向Dpが垂直方向Dvとなった直線偏光の映像光Lを、投影レンズをとおして投影できようにしたものを用いることができる。
したかって、例えば、映像源20の映像生成方式としては、
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)による複数のミラーを用いるDLP(Digital Light Processing;登録商標)方式(DMD(Digital Micromirror Device;登録商標)方式とも呼ばれる)、
透過型液晶パネルを用いるLCD(Liquid Crystal Display)方式、
反射型液晶パネルを用いるLCOS(Liquid Crystal on Silicon)方式、など特に制限はない。
また、これらは、カラー表示の場合、1つの映像生成素子を用いた単板方式の他、赤、緑、青の三原色毎に独立した合計3つの映像生成素子を用いた3板方式など、特に制限はない。
例えば、偏光方向Dpが垂直方向Dvとなった直線偏光の映像光Lを、投影レンズをとおして投影できようにするには、例えば、映像生成方式がDLP方式のように原理的に偏光を利用しない映像源20とする場合は、映像光Lは、そのままでは無偏光光となる。このため、映像生成素子からの映像光Lが投影レンズに到達するまでの映像生成素子と投影レンズとの間に、偏光子を配置する。この偏光子の透過軸の方向を調整することで、垂直方向Dvを偏光方向Dpとすることができる。
一方、映像生成方式がLCD方式やLCOS方式のように原理的に偏光を利用する映像源20とする場合は、もともと、映像光Lは偏光光となっている。つまり、映像生成素子の液晶パネルからの光は、偏光子を通過させることによって、はじめて目的とする映像情報を目視可能な状態で含んだ映像光Lとなる。しかし、この映像光Lは、液晶パネルを使った結果として、或る方向が偏光方向Dpとなった偏光光となるだけであって、その偏光方向は、映像の天井32への映り込みを改善するために、意図的に垂直方向Dvを偏光方向Dpとするものではない。
したがって、こうした偏光を利用する映像生成素子を用いた映像源20においては、その映像生成素子からの光の通路に設置されている偏光子及び映像生成素子に入光する光を偏光する偏光子の両方について、それらの透過軸の方向を調整することで、垂直方向Dvを偏光方向Dpとすることができる。
<三原色と特定の偏光光を含む映像光L>
表示する映像が無色又は単色ではなく、フルカラー表示で、映像光Lに三原色の光が用いられる場合、特定の偏光光とする映像光Lは、三原色の全て光でなくてもよい。
これは、人間の目には緑色が最も感じやすいために、緑色の映像光Lについてのみ特定の偏光光とすることで、他の赤色や青色のいずれか1色又は2色について、特定の偏光光とする場合に比べて、映像の天井32への映り込みをより効果的に改善することができるからである。
つまり、三原色の赤色成分、緑色成分及び青色成分のうち1色についてのみ、特定の偏光光の映像光Lとするならば、それは緑色が最も効果的である。
ただ、より好ましくは、1色よりは2色を、2色よりは3色について、特定の偏光光とするのがよく、この点では、三原色の赤色成分、緑色成分及び青色成分の全ての映像光Lについて、特定の偏光光とするのがよい。
図4は、映像源20が、映像光Lに三原色の光が用いられ、且つ合計3つの映像生成素子22を用いた3板方式の場合に、その赤色成分LR、緑色成分LG、及び、青色成分LBのうち、緑色成分LGについて、特定の偏光光の映像光Lを、投影レンズ24をとおして投影可能な装置を、三原色の光を合成する色合成プリズム21及びその周辺の光学系の一形態例を模式的に示す説明図である。色合成プリズム21には、ダイクロイックプリズムを用いることができる。
ここでは、緑色成分LGの偏光光は、色合成プリズム21にとってはP偏光光である。赤色成分LR、及び、青色成分LBも偏光光であるが、これは、色合成プリズム21にとってのS偏光光である。同図では、P偏光光はPで示し、S偏光光はSで示す。
図4に例示する色合成プリズム21を中心とした光学系の、地面に対する空間配置は、XYZ座標で示すように、色合成プリズム21にとってのP偏光光が、垂直方向Dvの偏光成分が水平方向Dhの偏光成分よりも多い特定の偏光光に該当し、S偏光光は当該特定の偏光光には該当しない場合である。つまり、色合成プリズム21にとってのP偏光光が、反射型スクリーン10にとってのP偏光光でもある形態例である。
図4に例示する光学系では、色合成プリズム21に対して図面左側から入光する緑色成分LGは、映像生成素子22に入光したS偏光光が、映像生成素子22で変調されて偏光方向が90°回転して偏光子23を通過してP偏光光となって、映像生成素子22から出光した直線偏光光である。
同様に、色合成プリズム21に対して図面上側から入光する赤色成分LR、及び、図面下側から入光する青色成分LBは、映像生成素子22に入光したP偏光光が、映像生成素子22で変調されて偏光方向が90°回転して偏光子23を通過してS偏光光となって、映像生成素子22から出光した直線偏光光である。
色合成プリズム21は、その原理から、P偏光光をそのまま通過させる。つまり、緑色成分LGは通過させる。一方、S偏光光は色合成プリズム21に進入したのち、90°進路を偏向されて出光する。つまり、赤色成分LR及び青色成分LBは、進路を90°曲げられる。
以上の結果、緑色成分LGはそのまま投影レンズ24に進み、赤色成分LR及び青色成分LBは色合成プリズム21で互いに緑色成分LGとともに色合成されて、投影レンズ24に進むことになる。
こうして、投影レンズ24をとおる映像光Lは、その色成分において、緑色成分LGはP偏光光であって、同図の空間配置の場合は、その偏光方向Dpが垂直方向Dvと一致することになる。一方、赤色成分LR及び青色成分LBはS偏光光で、その偏光方向Dpが水平方向Dhであって、紙面に垂直なX軸方向と一致することになる。
こうして、映像源20は、三原色の色のうち、緑色成分LGのみを特定の偏光光として含む映像光Lを投影することが可能となる。
本発明においては、三原色の色合成方式は特に制限はなく、色合成プリズム21以外を用いる構成、例えば、ダイクロイクックミラーを用いる構成などてもよく、また、色合成プリズム21を用いる場合でも2個の色合成プリズム21を用いてもよい。また、図4では、映像生成素子22として透過型液晶パネルを用いるLCD方式の例で説明したが、反射型液晶パネルを用いるLCOS方式など各種ある。こうして、緑色成分LG以外に、赤色成分LR又は青色成分LB、或いは、赤色成分LR及び青色成分LBも特定の偏光光の映像光Lとすることが可能となる。
《C》変形形態
本発明においては、反射型投影表示システム100は、上述した形態以外の形態を適宜採用することができる。以下、その一部を説明する。
<映像源20と透過型スクリーン10との位置関係>
図1に例示した実施形態では、映像源20は、垂直方向Dvにおいては、透過型スクリーン10のスクリーン面下端よりも下側であり、水平方向Dhにおいては、左右方向が透過型スクリーン10のスクリーン中心CtSと同じであった。
しかし、本発明においては、映像源20と透過型スクリーン10との位置関係は、映像光Lが本発明で規定する特定の偏光光を含んでいない場合に、映像の天井32への映り込みが生じるような位置関係であれば、特に限定されない。したがって、映像源20は、垂直方向Dvにおいては、スクリーン中心CtSとスクリーン面下端との間であってもよく、また、映像源20は水平方向Dhにおいては、スクリーン中心CtSに対して右方向又は左方向にずれた位置であってもよい。
このように本発明においては、映像源20と反射型スクリーン10との用途に応じた多様な位置関係においても、映像の天井32への映り込みを改善することができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳述する。
<実施例1:三原色中の緑色成分LGのみ映り込み対策>
先ず、反射型スクリーン10は、次のようにして作成されたものである。基材層12として厚さ5mmのMBS(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)製の光拡散板に、紫外線硬化型のアクリル系電離放射線硬化性樹脂を用いた2P法によって形成した配列ピッチ100μmのサーキュラーフレネルレンズを有するレンズ層13を積層した。次いで、レンズ層13の背面側にアルミニウムを真空蒸着して厚さ80nmの反射部14を形成し、この反射部14の背面に黒色塗料を塗布して光吸収層15を形成して、反射型スクリーン10を作成した。基材層12の正面側の面が、反射型スクリーン10の最表面10sとなる。なお、レンズ面13aの反射率は80%、拡散反射率は5%でる。スクリーン面の大きさは、100インチ型で、縦1250mm、横2200mmである。
映像源20は、映像生成素子が透過型液晶パネルの3板式で、映像光Lとして赤色成分LR、緑色成分LG及び青色成分LBによってフルカラー表示可能なもので、このうち緑色成分LGについてのみ、映り込み対策がなされた装置を用いた。具体的には、前述図4の色合成プリズム21を用いた三原色光の合成にて、緑色成分LGが色合成プリズム21に対してP偏光となっており、この直線偏光であるP偏光の偏光方向Dpが垂直方向Dvとなるような色合成プリズム21を含めた光学系を有する空間配置とした映像源20である。一方、赤色成分LR及び青色成分LBは、色合成プリズム21に対してS偏光となっており、その偏光方向Dpは水平方向Dhとなる。
この結果、天井32への映り込みは、赤色成分LR及び青色成分LBは残るが、明るさに最も影響する緑色成分LGが減少するため、映り込みが効果的に改善された。
<実施例2:三原色全てに映り込み対策>
透過型スクリーン10は実施例1と同じである。
映像源20は、映像生成素子が透過型液晶パネル一枚の単板式でフルカラー表示可能なものであり、色合成プリズム21などによる色合成は不要なタイプである。映像生成素子の変調光の出光側に配置される偏光子の透過軸を調整して、その直線偏光の偏光方向Dpが垂直方向Dvとなるように偏光子を調整した光学系の映像源20である。
この結果、天井32への映り込みは、赤色成分LR、緑色成分LG及び青色成分LBの全色で減少し、映り込みが実施例1に比べて、より効果的に改善された。
<比較例1:三原色中の赤色成分LR及び青色成分LBに映り込み対策>
実施例1において、映像源20の色合成プリズム21を含めた光学系の空間配置を、水平方向Dhを回転軸にして90°回転させるように調整して、赤色成分LR及び青色成分LBの色合成プリズム21に対するS偏光の偏光方向Dpを垂直方向Dvとし、緑色成分LGのP偏光が水平方向Dhとなる光学系の映像源20を用いた。その他は、実施例1と同様である。
この結果、天井32への映り込みは、赤色成分LR及び青色成分LBの2色で減少したが、明るさに最も影響する緑色成分LGの映り込みが減少してないため、実施例1ほど映り込みは改善しなかった。
<比較例2:三原色全てが円偏光で映り込み対策未実施>
実施例1において、映像源20として、パッシブ方式の眼鏡で三次元表示に対応可能な装置で、映像光Lの三原色全てが円偏光で投影される装置を用いた。その他は、実施例1と同様である。円偏光のため、映像光Lは偏光光ではあるが、その偏光成分は垂直方向Dvと水平方向Dhとが同じ強度となるために、本発明の特定の偏光光には該当しない。
この結果、天井32への映り込みは、三原色の全てで生じており、改善しなかった。
<比較例3:三原色全てが無偏光>
実施例1において、映像源20として、映像生成素子がDLP(登録商標)方式の単板式でフルカラー表示可能なものを用いた。DLP方式では、偏光子が不要なため、映像光Lは無偏光である。
この結果、天井32への映り込みは、三原色の全てで生じている。
10 反射型スクリーン
10s スクリーンの最表面
11 表面機能層
12 基材層
13 レンズ層
13a レンズ面
13b 非レンズ面
13t 頂点
14 反射部
15 光吸収層
20 映像源
21 色合成プリズム
22 映像生成素子
23 偏光子
24 投影レンズ
30 (従来の)映像源
31 床
32 天井
33 壁面
100 反射型投影表示システム
200 従来の反射型投影表示システム
CtS スクリーン中心
Dh 水平方向
Dp 偏光方向
Dv 垂直方向
L 映像光
Lr 反射光
S S偏光光
P P偏光光
V 観察者

Claims (2)

  1. スクリーン面を垂直乃至は略垂直とした反射型スクリーンと、この反射型スクリーンに対して垂直方向下側から映像光を投影する映像源とを備え、
    前記映像光は、前記垂直方向の偏光成分が水平方向の偏光成分よりも多い偏光光を含む、反射型投影表示システム。
  2. 前記映像光は赤色成分、緑色成分及び青色成分を有し、前記偏光光は少なくとも前記緑色成分である、請求項1に記載の反射型投影表示システム。
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