JP2015079013A - 糖鎖アレイ用高分子化合物および糖鎖アレイ基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ホスホリルコリン基を有するユニット、疎水性基を有するユニットおよび一級アミノ基を有するユニットを含むことを特徴とする糖鎖捕捉用高分子化合物であり、該高分子化合物を基材に塗布してなるマイクロチップであって、30種の糖鎖およびその誘導体のうち、少なくとも一つを固定してなるバイオアッセイ用基材。
【選択図】 なし
Description
また、糖鎖は多くの毒素、ウィルス及びバクテリアなどの受容体であり、また、癌のマーカーとしても注目されており、こちらの分野においても、同様に新たな医薬や医療材料を創製しようとする試みが続けられている。
この研究を推進する目的で、糖鎖を精製するための方法が種々開発されている。一方、糖鎖は、それ単独で機能を発揮するというより、細胞レセプターに対するリガンドとして機能する場合も多く確認され、それゆえに糖鎖に対するレセプターの解析に供するために、種々の糖鎖を固定化するための基材が開発されている。
しかしながら、特許文献1においては、糖鎖固定後に非特異吸着を防ぐために実施例において3%ウシ血清アルブミンを用いたブロッッキング操作が記載されている。
また、特許文献2には、スペーサーを介して糖鎖を基材に固定化する方法が記載されておりスペーサーに親水性化合物を用いることで、非特異的吸着を抑制することが示されている。
しかしながら、該発明においては、固相担体にハロゲン化アセチル基の導入の必要があり、材質がガラスの場合においては、比較的容易であるが、汎用性に乏しい方法である。また、前述のように糖鎖は多くの毒素、ウィルス及びバクテリアなどの受容体の研究にも使用されていることから、廃棄に際しては焼却処理が好ましく、材質がガラスであることは不利である。
(1)糖鎖アレイに用いる糖鎖捕捉用高分子化合物であって、下記一般式〔1〕で表されることを特徴とする糖類捕捉用高分子化合物。
(2)前記一般式〔1〕においてYが下記一般式〔2〕又は〔3〕である(1)記載の糖類捕捉用高分子化合物。
(3)前記一級アミノ基がオキシルアミノ基および/またはヒドラジド基である(1)または(2)記載の糖類捕捉用高分子化合物。
(4)オキシルアミノ基および/またはヒドラジド基を有するユニットの含有量が高分子化合物の全ユニットの20mol%以上40mol%以下であることを特徴とする(3)記載の糖鎖捕捉用高分子化合物。
(5)前記親水性を保持するためのユニットがホスホリルコリン基を含む(1)〜(4)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物。
(6)前記一般式〔1〕において、Xがエチレンオキシ基である(1)〜(5)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物
(7)高分子化合物の主鎖が(メタ)アクリル骨格である(1)〜(6)いずれか記載の糖鎖捕捉用高分子化合物。
(8)前記疎水性基、R4が炭素数2〜10のアルキル基である(1)〜(7)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物。
(9)前記疎水性基、R4が環状アルキル基であることを特徴とすることを特徴とする(1)〜(8)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物。
(10)前記環状アルキル基がシクロヘキシル基であることを特徴とすることを特徴とする(1)〜(9)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物。
(11)(1)〜(10)いずれか記載の糖鎖捕捉高分子化合物を基材の表面に形成した糖鎖アレイ用基材
(12)(1)〜(10)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物の製造方法であって、少なくとも、ホスホリルコリン基を有するモノマー、疎水性基を有するモノマー、および一級アミノ基をあらかじめ保護基にて保護したモノマーとをラジカル共重合する工程、該工程により得られた高分子化合物を基材表面に塗布する工程、前記保護具を除去する工程、を含む糖類捕捉用高分子化合物を基材の表面に形成した(12)記載の糖鎖アレイ用基材
(13)前記基材の材質がプラスチックである(11)または(12)記載の糖鎖アレイ用基材
(14)前記プラスチックが飽和環状ポリオレフィンまたはポリスチレンを含むものである(11)〜(13)いずれか記載の糖鎖アレイ用基材
(15)前記糖類が糖、単糖、2糖以上の糖鎖、糖アミノ酸、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、グリコシルホスファチジルイノシトール、ペプチドグリカン、リポ多糖、又はそれらの誘導体、およびこれらを有する生体由来物質から選ばれる少なくとも一つを固定化されていることを特徴とする(1)〜(14)いずれか記載の糖類捕捉用高分子化合物および糖鎖アレイ。
(16)(15)に記載の前記グリコサミノグリカンまたはプロテオグリカンが、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、又はそれらの誘導体、およびこれらを有する生体由来物質から選ばれる少なくとも一つを固定化されている糖類捕捉用高分子化合物および糖鎖アレイ。
(17)(15)に記載の前記前記糖類が、下表のリスト中の糖鎖、又はそれらの誘導体、及びこれらを有する生体由来物質から選ばれる少なくとも一つを固定化させてなる糖類捕捉用高分子化合物および糖鎖アレイ。
表(1)
通常は重合が完了し、高分子化合物が作製できた段階で行うことが一般的であり、本発明の高分子化合物を得るには、重合終了後に脱保護を行いうことで該高分子化合物を得ることができる。
この場合、脱保護を行った一級アミノ基を持つ高分子化合物を被覆することも可能であるが、反応性の高い一級アミノ基を持つ高分子材料を溶液にして皮膜することは、場合によっては作業中に一級アミノ基が反応して不活化することも考えられる。
従って、脱保護する直前で高分子化合物を精製し、基材表面を皮膜して後に、脱保護の反応を行い、基材表面上に一級アミノ基が存在する状態を形成することが望ましい。
具体的には200μMの糖脂質のクロロホルム−メタノール(1:1(v/v))溶液200μLにオゾンガスを30分間導入しバブリングする。この後、ガスを窒素ガスに換えて溶存オゾンを除去。1μLのトリフェニルホスフィン(1Mトルエン溶液)でオゾン分解反応を停止。反応溶液を蒸発させた後、ヘキサンを加えて攪拌し糖脂質のオゾン分解生成物をえる。(反応式1)
〔反応式1〕
<実施形態>
アミノオキシ基含有量の比較(96ウェルプレート)
(糖鎖捕捉基材の作製)
糖鎖捕捉高分子材料を表面に形成させる基材として、96ウェルプレートを使用した。該96ウェルプレートは住友ベークライトにおいて環状ポリオレフィン樹脂で成形したものを使用した。
糖鎖捕捉高分子化合物として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−N-(2-(2-(2-(t-ブトキシカルボニルアミノオキシ−アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)エチル)-メタクリルアミド共重合体を用い、該高分子化合物の1.0重量%エタノール溶液150uLを96ウェルプレートの各ウェルに分注して30分静置した後に溶液を抜き取り乾燥、溶媒を蒸散させて基材表面に塗布した。
用いた高分子化合物はアミノオキシ基の含有量が14、16、20%の3種類を合成して用いた。
乾燥後、2M HClを分注し、37℃で2時間処理してBoc基を脱保護し糖鎖捕捉高分子化合物を表面に持つ96ウェルプレートを作製した。
二糖のラクトース(和光純薬、124−00092)を300mMの酢酸ナトリウムバッファー(pH4.0)で1mg/mLに調製、ラクトース溶液を作製。
作製したラクトース溶液を、前記の糖鎖捕捉用96ウェルプレートに200μL分注し、65℃で16時間反応させた。反応後、溶媒で未反応ラクトースを除去。
ラクトースと特異的に反応する RCA120レクチンをビオチン標識したもの(Biotin標識RCA120レクチン(Vector社製、B−1085))を下記の溶媒で0.5μg/mLに調製。
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20。
(試薬はすべて和光純薬製)
各ウェルに100μLづつ分注して室温で2時間反応。
反応後、下記洗浄液で3回、ウェル内を洗浄した。
洗浄液:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、
1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、
0.05%TritonX−100(試薬はすべて和光純薬製)
ペルオキシダーゼ標識アビジン(MP Biomedicals、191370)を下記の溶媒で0.5ug/mLに調製。
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20(試薬はすべて和光純薬製)。
ペルオキシダーゼ溶液100μLを、前記のラクトースを固定化した96ウェルプレートに分注、室温で1時間反応。反応終了後、洗浄液で各ウェルを3回洗浄。
固相化されたぺルオキシダーゼ量を、ペルオキシダーゼ用発色キット(住友ベークライト製、ML−1120T)を用いて15分間発色、マイクロプレートリーダー(TECAN社製Infinit200)で測定波長450nmの吸光度を測定した。
結果を下表に示す。
表2
実施例1で用いた環状ポリオレフィン製96ウェルマイクロプレート(住友ベークライト製)を使用。
実施例1の糖鎖捕捉高分子化合物のブチルメタクリレートを、シクロヘキシルメタクリレートまたはn−ヘキシルメタクリレートに変えて合成した高分子化合物を実施例1同様の方法で塗布、Boc基を脱保護した。
Biotin標識RCA120レクチンを反応、さらにペルオキシダーゼ標識アビジンを反応させた後、ペルオキダーゼ発色キットで発色後、吸光度を測定した。
結果を下表に示す。
表3
直鎖アルキル基であるブチル基、n−ヘキシル基においても低バックグランド値であるが、環状アルキル基であるシクロヘキシル基では更に低いバックグランド値を得た。
実施例1、2で用いた環状ポリオレフィン製96ウェルマイクロプレート(住友ベークライト製)を使用。
実施例1の糖鎖捕捉高分子化合物のブチルメタクリレートを、シクロヘキシルメタクリレートに変えて合成した高分子化合物を実施例1同様の方法で塗布、Boc基を脱保護した。
(糖鎖固定化)
マンノトリオース(Dextra、M336)を下記の溶媒を用いて10μg/mLに調製。96ウェルプレートの各ウェルに100μLづつ分注し、80℃、1時間反応させた。
溶媒:2%AcOH/CH3CN:水=75:25
反応終了後、洗浄し未反応のマンノトリオースを除去した。
(固定糖鎖の検出)
マンノトリオースと特異的に反応する Biotin標識ConAレクチン(SIGMA社、C2272)を下記の溶媒で250ng/mLに調製
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20。
各ウェルに100μLづつ分注して室温で2時間反応。
反応後、下記洗浄液で3回、ウェル内を洗浄した。
洗浄液:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、
1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、
05%TritonX−100
ペルオキシダーゼ標識アビジン(MP Biomedicals、191370)を下記の溶媒で0.5ug/mLに調製。
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20。
ペルオキシダーゼ溶液100μLを、前記のラクトースを固定化した96ウェルプレートに分注、室温で1時間反応。反応終了後、洗浄液で各ウェルを3回洗浄。
固相化されたぺルオキシダーゼ量を、TMB(Bio−Rad、172−1067)で15分発色、450nmで吸光度測定した。
結果を下表に示す。
表4
環状アルキル基であるシクロヘキシル基において高い吸光度値を得ることができた。
(糖鎖捕捉基材の作製)
マイクロアレイの作製には住友ベークライト製、環状ポリオレフィン樹脂製のスライドガラス形状のプラスチックス基板を使用した。
オキシエチルホスホリルコリン−シクロヘキシルメタクリレート−N−(2−(2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノオキシアセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)エチル)−メタクリルアミド共重合体の1.0重量%エタノール溶液にスライドを浸漬して高分子化合物を塗布した。
塗布後、2M HClで37℃、2時間処理し、Boc基を脱保護した。
8種類のN結合型糖鎖、Dextra、MC1131、C0920、C1026、SC1120、C0840、C1124、C1224、PROZYME、GKC−335300(Dextra社製)を下記溶液で100ug/mLに調製し、基板にスポッティング、80℃、1時間反応させて基板に糖鎖を固定化。
溶液:100mM NaOAc buffer(pH5.0)+0.01%TritonX−100(和光純薬、A16046)、0.01%PVA(重合度=1500)
C1026と特異的に結合するレクチンであるAALレクチンのビオチン標識体であるBiotin標識AALレクチン(生化学バイオビジネス社、300406)を下記溶液で100ug/mLに調製。
溶液:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、
1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20
基板上に溶液を反応させ、室温で2時間反応した。
反応後、前記洗浄剤で洗浄。
Cy3−Streptavidin(GEヘルスケア、PA43001)を下記溶液で2ug/mLに調製したものを基板状に展開し、室温で1時間反応。
溶液:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、
1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20
反応後、前記洗浄液で洗浄。測定はX−100マイクロアレイリーダー、ScanArrayLite(PerkinElmer製)を用いてCy3の蛍光強度を測定。(Laser=90、PMT=60)
結果を下表に示す。
表5
標識糖鎖が固定化できていることを確認した。
(糖鎖捕捉基材の作製)
マイクロアレイの作製には住友ベークライト製、環状ポリオレフィン樹脂製のスライドガラス形状のプラスチックス基板を使用した。
塗布後、2M HClで37℃、2時間処理し、Boc基を脱保護した。
ヘパリン(Iduron社、HEP001)とコンドロイチン硫酸(生化学バイオビジネス社、400650)を下記溶液で100ug/mLに調製し、基板にスポッティングし、80℃、1時間反応させて基板に酸性糖鎖を固定化した。
溶液:100mM NaOAc buffer(pH5.0)+界面活性剤(0.01%TritonX−100、0.01%PVA(重合度=1500))
固定化後、純水で洗浄し、未反応の酸性多糖を除去した。
ヘパリンと結合する事が報告されているFGF2(Peprotech社、100−18B)を下記の溶媒で100ng/mLに調製した。
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20。
反応後、洗浄液で基板を洗浄し、未反応のFGF2を除去した。
洗浄液:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、
1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、
0.05%TritonX−100
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20。
基板上に溶液を反応させ、室温で1時間反応した。
反応後、洗浄液で基板を洗浄し、未反応の抗体を除去した。
溶液:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、
1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20
反応後、洗浄液で基板を洗浄し、未反応の抗体を除去した。
表6 酸性多糖固定化基材測定結果
(固定化基材の作製)
実施例1、2で用いた環状ポリオレフィン製96ウェルマイクロプレート(住友ベークライト製)を使用。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−N-
(2−(2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノオキシアセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)エチル−メタクリルアミド共重合体の1.0重量%エタノール溶液150uLを一部のウェルに分注して基材表面にポリマーコート。一部ポリマーコートしていないウェルを1%BSA/PBSでブロッキング、室温で1時間ブロッキング反応させた。
実施例1で用いたBiotin標識RCA120レクチン(Vector社、B−1085)をPBSで5ug/mLに調製し、各ウェルに100uL分注して室温で2時間反応させた。反応後、前記の洗浄液で3回洗浄した。
ペルオキシダーゼ標識アビジン(MP Biomedicals、191370)を下記の溶媒で0.5ug/mLに調製。
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20。
ペルオキシダーゼ溶液100μLを、前記の96ウェルプレートに分注、室温で1時間反応。反応終了後、洗浄液で各ウェルを3回洗浄。
固相化されたペルオキシダーゼ量を、ペルオキシダーゼ用発色キット(住友ベークライト製、ML−1120T)を用いて15分間発色、測定波長450nmで吸光度測定した。
結果を下表に示す。
表7
糖を固定化せず測定を実施し、本発明による高分子化合物存在下においてのみ非特異吸着が抑制できることが明らかとなった。
実施例1、2で用いた環状ポリオレフィン製96ウェルマイクロプレート(住友ベークライト製)を使用。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−N−(2−(2−(2−(t−ブトキシカルボニルアミノオキシアセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)エチル)−メタクリルアミド共重合体の1.0重量%エタノール溶液150uLを一部のウェルに分注して基材表面にポリマーコートした。
ラクトース(和光純薬、124−00092)を下記の溶媒を用いて100μg/mLに調製。96ウェルプレートの各ウェルに100μLづつ分注し、80℃、1時間反応させた。
溶媒:2%AcOH/CH3CN:水=75:25
反応終了後、洗浄し未反応のラクトースを除去した。
実施例1で用いたBiotin標識RCA120レクチン(Vector社、B−1085)をPBSで5ug/mLに調製し、各ウェルに100uL分注して室温で2時間反応させた。反応後、前記の洗浄液で3回洗浄した。
ペルオキシダーゼ標識アビジン(MP Biomedicals、191370)を下記の溶媒で0.5ug/mLに調製。
溶媒:50mM Tris・HCl(pH7.5)、100mM NaCl、1mM CaCl2、MnCl2、MgCl2、0.05%Tween20
ペルオキシダーゼ溶液100μLを、前記のラクトースを固定化した96ウェルプレートに分注、室温で1時間反応。反応終了後、洗浄液で各ウェルを3回洗浄。
固相化されたペルオキシダーゼ量を、ペルオキシダーゼ用発色キット(住友ベークライト製、ML−1120T)を用いて15分間発色、測定波長450nmで吸光度測定した。
結果を下表に示す。
表8
表7との対比により、本発明による高分子化合物存在下においてのみ非特異吸着が抑制かつ糖鎖を捕捉し測定できることが明らかとなった。
Claims (13)
- 糖鎖アレイの基材表面に用いる糖鎖捕捉用高分子化合物であって、下記一般式〔1〕で表されることを特徴とする糖鎖捕捉用高分子化合物。
- 前記一般式〔1〕においてYが下記一般式〔2〕又は〔3〕である請求項1記載の糖鎖捕捉用高分子化合物。
- 前記一般式〔1〕のオキシルアミノ基および/またはヒドラジド基を有するユニットの含有量nの、l、m、nの和に対する比率が20mol%以上、40mol%以下である請求項1または2記載の糖鎖捕捉用高分子化合物。
- 前記一般式〔1〕において、Xがエチレンオキシ基である請求項1〜3いずれか記載の糖鎖捕捉用高分子化合物。
- 前記一般式〔1〕において、主鎖が(メタ)アクリル骨格である請求項1〜6いずれか記載の糖鎖捕捉用高分子化合物。
- 請求項1〜5いずれか記載の糖鎖捕捉高分子化合物が基材の表面に形成された糖鎖アレイ用基材。
- 前記基材の材質がプラスチックである請求項6記載の糖鎖アレイ用基材。
- 前記プラスチックが飽和環状ポリオレフィンまたはポリスチレンを含むものである請求項7記載の糖鎖アレイ用基材。
- 請求項6〜8いずれか記載の糖鎖アレイ用基材と、
前記糖鎖アレイ用基材に固定化された、糖鎖、糖脂質、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、グリコシルホスファチジルイノシトール、ペプチドグリカン、リポ多糖、又はそれらの誘導体、およびこれらを有する生体由来物質から選ばれる少なくとも一つの生理活性物質を含む糖鎖アレイ。 - 前記グリコサミノグリカンまたはプロテオグリカンが、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、又はそれらの誘導体、およびこれらを有する生体由来物質から選ばれる少なくとも一つである、請求項9記載の糖鎖アレイ。
- 前記糖鎖が、下表(1)のリスト中の糖鎖、又はそれらの誘導体、及びこれらを有する生体由来物質から選ばれる少なくとも一つである、請求項9記載の糖鎖アレイ。
表(1)
- 前記糖鎖がマンノトリオースである、請求項9記載の糖鎖アレイ。
- 請求項9〜12いずれか記載の糖鎖アレイの製造方法であって、
少なくとも、ホスホリルコリン基を有するモノマー、シクロヘキシル基を有するモノマー、および一級アミノ基をあらかじめ保護基にて保護したモノマーとをラジカル共重合する工程、該工程により得られた高分子化合物を基材表面に塗布する工程、前記保護基を除去して前記一級アミノ基が前記基材表面に存在する糖鎖アレイ用基材を得る工程、および、該工程により得られた前記糖鎖アレイ用基材の前記一級アミノ基に生理活性物質を固定する工程、を含む、糖鎖アレイの製造方法。
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