JP2015078573A - 流動性補修材注入器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成によって圧力を把握することができ、接着剤等の流動性補修材にかかる蓄圧機構内の気体による圧力を注入に適したものにしてクラック等の補修対象内のすみずみまで流動性補修材を行き渡らせることができる流動性補修材注入器を提供する。【解決手段】前記蓄圧機構TNが、基端が注入機構INに設けられ、先端側が密閉された中空容器4と、前記中空容器4内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材5と、前記中空容器4内の気体の圧力によって変形する圧力指示部材61と、を具備した。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばコンクリート構造物や壁等に発生したクラック等の補修対象に流動性補修材を注入するための流動性補修材注入器に関するものである。
コンクリート構造物等において内部まで進展したクラックを補修する場合、接着剤等の流動性補修材を外表面のクラック開口から内部まで行き渡らせるには、流動性補修材に所定の圧力をかけて注入する必要がある。
このような接着剤の注入作業には特許文献1で示されるような、先端が補修対象であるクラックの開口を塞ぐように取り付けられ、基端が接着剤の供給源であるグリスガン等に接続される筒状の注入機構と、前記注入機構から分岐して設けられる蓄圧機構とを備えた注入器が用いられる。前記蓄圧機構は、密閉された概略中空円筒形状の密閉されたシリンダと、前記シリンダ内を基端から先端までの間をがたなく摺動可能に設けられた円板状のピストンとから構成されており、グリスガンからの接着剤が注入されると注入機構を介して流入する一部の接着剤によって前記ピストンがシリンダの先端側へと移動する。
そして、前記ピストンの移動により、前記シリンダの先端側の空間にある気体を圧縮した状態としておくことで、グリスガンを注入機構から外した後は、蓄圧機構内の圧縮された気体が膨張しようとする力により、蓄圧機構内に貯められた接着剤がクラック内に注入される。
また、本出願人は蓄圧機構内の気体がある程度膨張して蓄圧機構から接着剤がある程度クラック内に注入された後において、蓄圧機構に残っている接着剤をさらにクラック内へと注入することを可能とするために、外部から気体を注入して前記蓄圧機構内の気体を加圧するための加圧機構を当該蓄圧機構に設けたものを特許文献2において提案している。
ところで、特許文献1の注入器においては、例えばシリンダに微小な穴や隙間が形成されて気体漏れが発生している場合には、ピストンがシリンダの先端側に移動していたとしても、蓄圧機構内の気体が十分に圧縮されず、中空容器内の接着剤がクラック内へと十分に注入されない事態が発生し得る。
すなわち、ピストンのシリンダ内における位置は必ずしも気体の圧縮量を示しているとは限らず、グリスガンを外してから接着剤が移動しにくいことを見るまでこのような不具合に気付くことができない。
また、特許文献2に記載の注入容器のように蓄圧機構内の気体を加圧できる構成を有している場合には、蓄圧機構内の気体の圧縮量を把握することができれば、適度な圧力で接着剤をクラックへと移動させて効率よく十分な量をクラック内に注入することができるようになる。
特開平4−46026号公報 特願2013−129718号
本発明は上述したような蓄圧機構内の気体の圧力を従来は把握することが難しかったという問題点を鑑みてなされたものであり、簡単な構成によって蓄圧機構内の気体の圧力を把握することができ、接着剤等の流動性補修材にかかる蓄圧機構内の気体による圧力を注入に適したものにしてクラック等の補修対象内のすみずみまで流動性補修材を行き渡らせることができる流動性補修材注入器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の流動性補修材注入器は、請求項1に記載の発明のように流動性補修材供給源と接続される接続口が基端に形成されており、補修対象と対向して取り付けられ、当該補修対象へ流動性補修材を注入する注入口が先端に形成された注入機構と、前記注入機構において前記接続口及び前記注入口の間から分岐しており、流動性補修材の注入時に流動性補修材の一部が流入して内部の気体が圧縮される蓄圧機構とを備え、前記蓄圧機構が、基端が前記注入機構に設けられ、先端側が密閉された中空容器と、前記中空容器内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材と、前記中空容器内の気体の圧力によって変形する圧力指示部材と、を具備していることを特徴とする。
このようなものであれば、前記蓄圧機構が、前記中空容器内の気体の圧力によって変形する圧力指示部材を備えているので、例えば前記仕切り部材が前記中空容器の先端側に移動している場合において、前記圧力指示部材が変形していれば流動性補修材の注入に適した圧力となるように前記中空容器内の気体が圧縮されていることを確認できる。または、前記仕切り部材が前記中空容器の先端側へと移動しているにもかかわらず、前記圧力指示部材が変形していない場合には中空容器内から気体が漏れ出ていることが分かり、すぐに別の流動性補修材注入器に交換して補修対象内に十分な流動性補修材を注入する事ができるようにすることが可能となる。
また、前記流動性補修材注入器が、前記中空容器内の気体の圧力を加圧し、前記仕切り部材が流動性補修材を補修対象側へ押圧する力を調節する機能を有している場合には、前記圧力指示部材の変形を見て加圧量を調節し、流動性補修材を補修対象内にすみずみまで注入することができる。
前記中空容器内の圧力を前記圧力指示部材によって視認しやすいようにし、現在の気体の圧縮状態で流動性補修材を十分に補修対象内に行き渡らせることができるかどうかについて判断しやすくするには、請求項2に記載の発明のように前記圧力指示部材が、前記中空容器の先端と前記仕切り部材との間の空間の気体と接触し、前記中空容器の外側へと変形可能に設けられていればよい。
流動性補修材を補修対象内に行き渡らせるのに十分な圧力となるまで前記中空容器内の気体を加圧できた時点で、すぐに加圧操作を終了し、作業の無駄をなくすことができるようにするには、請求項3に記載の発明のように前記圧力指示部材が、前記中空容器内の気体の圧力が所定値以上の場合に当該中空容器の外側へ膨出するように構成されていればよい。
前記圧力指示部材によって前記中空容器内の気体の圧力を把握しつつ、気体の圧力を流動性補修材の注入に適したものに調節するのに適した構成としては、請求項4に記載の発明のように前記蓄圧機構が、前記中空容器の先端と前記シリンダとの空間内へ外部から気体を注入可能な空圧調整弁をさらに備えたものであればよい。
前記圧力指示部材及び前記空圧調整弁を設けた上で前記中空容器の耐圧性を高く保ちつつ、前記蓄圧機構を構成できるようにするには、請求項5に記載の発明のように前記中空容器の先端は開口しており、前記空圧調整弁及び前記圧力指示部材とからなる蓋体により密閉されていればよい。
このように本発明の流動性補修材注入器によれば、従来は前記中空容器内における前記仕切り部材の位置だけでは気体の圧力が流動性補修材を注入するのに適したものかどうかが確実には判断できなかったところ、前記中空容器内の気体の圧力によって変形する圧力指示部材によって気体の圧力が流動性補修材の注入に適した状態かどうかを確実に把握する事が可能となる。また、圧力指示部材の変形状態を確認することで、中空容器内の気体の加圧を適度に行うことができ、補修対象内のすみずみまで流動性補修材を行き渡らせることができるようになる。
本発明の一実施形態にかかる流動性補修材注入器を示す模式的斜視図。 同実施形態における流動性補修材注入器を構成するパーツに分解した模式的分解図。 同実施形態における流動性補修材注入器の組立方法を示す模式的組立図。 同実施形態における流動性補修材注入器の注入開始から所定時間経過後の状態を示す模式図。 本実施形態における中空容器内の気体を加圧する際の動作を示す模式図。
本発明の一実施形態に係る流動性補修材注入器について各図を参照しながら説明する。
本実施形態の流動性補修材注入器は、土木工事等においてコンクリート構造物C等に生じた補修対象であるクラックAOに流動性補修材として接着剤Lを注入する補修作業に用いられる接着剤注入器100である。より具体的には図1の斜視図に示すようにこの接着剤注入器100は、コンクリート構造物CにおいてクラックAOが外表面に開口している部分に固定されて、接着剤Lの供給源であるグリスガンSP等の仲介をする。そして、この接着剤注入器100を構成する部品は金属を使用せずに樹脂により形成されており、使用後は分別等を行うことなくそのまま全体を廃棄できるようにしてある。
この接着剤注入器100は、補修対象のあるコンクリート構造物C等に対して垂直に取り付けられる部分であり、グリスガンSPからクラックAOへと接着剤Lが流通する注入機構INと、前記注入機構INに対して直交するように分岐させて設けてあり、グリスガンSPにより接着剤Lが注入されている時に接着剤Lの一部が内部へ流入して内部の気体Gが圧縮されるように構成してある蓄圧機構TNとからなるものである。
図1の斜視図に示すように前記注入機構INは、この接着剤注入器100において細円筒状の部分であり、基端に接着剤供給源であるグリスガンSPに接続される接続口CPが形成してあり、先端にクラックAOと対向して取り付けられ、当該クラックAOへ接着剤Lを注入する注入口IPが形成してある。
より具体的には、図2の分解図に示すように前記注入機構INは、前記注入口IPが形成されており、クラックAOのあるコンクリート構造物Cに取り付けられる座金1と、先端が前記座金1に取り付けられ、側面に前記中空容器4が接続された筒状本体2と、前記筒状本体2の基端側に挿入されており、前記接続口CPを形成する逆止弁3とから構成してある。
前記座金1は、中央部に前記注入口IPが開口する薄円板部11と、その注入口IPを囲い前記薄円板部11の上面に対して垂直に突出した円筒部12とからなる。前記薄板円板部11の下面外周部は、クラックAOの開口している周囲の壁面に固定材Fにより粘着されて固定される。この固定材Fは圧縮又は引っ張り方向には強い粘性を示すが、せん断方向には弱い粘性を示すためクラックAO内に接着剤Lを注入した後で前記接着剤注入器100を取り外す際には、壁の表面に沿った方向に移動させることで容易に取り外すことができる。前記円筒部12は中空であって、内部に前記筒状本体2と螺合するめねじ12Aが切ってある。なお、この座金1は従来品と共通の構成にしてある。
前記筒状本体2は、図2に示すように前記円筒部12よりも細い中空円筒状のものであり、基端側には平円板リング状に形成されており、その上面に前記逆止弁3において同様の平円板リング状に形成された溶着部31が熱溶着される台座部23が形成してある。そして、この筒状本体2の内部では前記逆止弁3の胴体部32が所定の隙間を形成して収容される。また、前記筒状本体2の先端の外側周面に前記円筒部12と螺合するおねじ21が切ってある。さらに、前記筒状本体2は図2(b)の断面図に示すようにその側面中央部であり、前記逆止弁3が収容された状態での先端近傍に前記蓄圧機構TN内と連通する連通孔22が形成してある。
前記逆止弁3はグリスガンSPが差し込まれた状態ではその胴体部32の先端が開き、前記筒状本体2内へ接着剤Lが流通するが、グリスガンSPが外された状態では先端部の切込みが閉止されて、筒状本体2内の接着剤Lが接続口CPから外部へと流出しないように構成してある。この逆止弁3はエラストマー等の柔軟性を有した樹脂で形成して、グリスガンSPを前記筒状本体2の軸方向と完全に合致しておらず、多少斜めに傾いた状態でも接続でき、その接続のしやすさを向上させてある。また、前述したように胴体部32の外径は、筒状本体2の内径よりも小さく設定してあるので、組立時にはこの筒状本体2に胴体部32を挿入しやすい。さらに、前記台座部23に対して前記溶着部31のみを熱溶着するので、前記筒状本体2に対して前記逆止弁3により気密を保ちながら固定して組み付けしやすい。
また、前記注入機構INを構成する、前記座金1、前記筒状本体2、及び、前記逆止弁3はそれぞれの中心軸が一直線上で合致するように構成してあるので、前記接続口CPに接続されたグリスガンSPからクラックAOに向かって接着剤Lが押し出された際に、その力をほとんどロスすることなく伝達させることができる。したがって、クラックAO内に埃や砂粒等で閉塞されている箇所があったとしても、接着剤Lの圧力により飛ばしながらクラックAO内のすみずみまで接着剤Lを行きわたらせることができる。
次に前記蓄圧機構TNについて説明する。
前記蓄圧機構TNは、図1に示すように前記接着剤注入器100において太円筒部分に相当するものであり、基端が前記注入機構INに取り付けられ、先端が開口した中空容器4と、前記中空容器4内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材5と、前記中空容器4の先端部を気密に封止する蓋体6とを具備するものである。すなわち、この蓄圧機構TNは前記中空容器4と前記蓋体6の2つの分割されたパーツで構成してある。また、前記中空容器4は、前記筒状本体2と組み合わされた状態で、1つのパーツとして一体成型してある。さらに、前記中空容器4は、前記筒状本体2に対して直交するように設けてあり、クラックAOから見て前記筒状本体2の基端と前記中空容器4の反クラック側の側面が略同じ高さにあるようにしてある。
前記中空容器4は概略中空円筒形状をなす透明樹脂によりその内部が透けて見えるように構成したシリンダである。図2に示すようにこの中空容器4の外側周面には基端側から先端側へと目盛が付してあり、前記注入機構INから当該中空容器4内に流入した接着剤Lの量がわかるようにしてある。また、この中空容器4の先端側には後述する蓋体6の一部が熱溶着されるフランジ部41が形成してある。
前記仕切り部材5は、前記中空容器4の内側周面と気密に篏合するものであり、当該中空容器4の内径と略同じ直径を有した概略扁平中実円筒状のピストンである。この仕切り部材5は注入開始時に前記中空容器4の基端に略密着した状態となるように取り付けてあり、前記注入機構INに接続されたグリスガンSPにより接着剤Lの注入が開始されて、前記中空容器4内にも接着剤Lが入ってくると中空容器4の先端側へと移動していくようにしてある。この際、前記中空容器4内は前記仕切り部材5により仕切られているので、中空容器4内の先端側には気体Gのみが存在し、中空容器4内の基端側にのみ接着剤Lがある状態になる。つまり、前記中空容器4内に封入されていた気体Gは前記仕切り部材5があるために前記注入機構IN側にある接着剤L内へは漏れ出ない。したがって、接着剤L内に気泡が発生することもなく、クラックAO内で「す」が入った状態で接着剤Lが固まるような不十分な補修結果となることを防げる。
また、この仕切り部材5の厚みについては、前記連通孔22から接着剤Lが前記中空容器4内に流入して押された際に当該仕切り部材5が倒れず、その平板部分が前記中空容器4の半径方向断面と平行となった姿勢のままで摺動するように設定してある。
前記蓋体6は、前記中空容器4の内部において先端から基端側へ所定長さだけ突出した状態で取り付けられるものである。この蓋体6は、逆止弁機能を有したものであり、この蓋体6を介して前記中空容器4内の気体Gを外部へ排出して解圧する、あるいは、当該中空容器4内へ気体Gを注入し加圧できるようにしてある。
さらに、この蓋体6は、前記中空容器4の先端側の空間にある気体Gが少なくとも十分に圧縮されているかどうかについて作業者が視認できるようにした圧力視認機能も備えている。
より具体的には、図2の分解図に示すように前記蓋体6は、前記中空容器4に先端から基端側へ挿入されるものであって、その外周部分が前記中空容器4内の気体Gの圧力によって変形する圧力指示部材61として形成してあり、中央部に逆止弁機能を有した空圧調整弁62が設けてある。また、前記圧力指示部材61の外周には平板リング状に形成された半径方向に突出しているとともに、前記中空容器4の前記フランジ部41に熱溶着される突出部63を設けてある。
前記圧力指示部材61は、軟質の樹脂により形成した概略薄肉ドーナツ状のものであり、その外側周面の少なくとも一部は前記中空容器4の内側周面と気密に密着するようにしてある。そして、この圧力指示部材61の外周側、内周側との間には半径方向に延びるリブが複数形成してあり、前記中空容器4内の圧力が上昇した場合にも破れることが無いように所定の強度を持たせてある。さらに、この圧力指示部材61は、例えば図4に示すようにグリスガンSPが注入機構INに接続されて、このグリスガンSPから注入される接着剤Lの一部がクラックAOからの抵抗により前記中空容器4内に流入し、前記仕切り部材5が中空容器4の先端側へと移動することで中空容器4内の気体Gが圧縮されて所定の圧力以上となると、その圧力によって前記圧力指示部材61の一部は前記中空容器4の外側へと膨出して変形するように構成してある。
さ前記圧力指示部材61が中空容器4の外側へと膨出し、気体Gが前記仕切り部材5をクラックAO側へと押圧するのに適した圧力となったことが作業者によって視認され得るように、前記圧力指示部材61の例えば底面部の厚み寸法やその他の寸法、材質、構造、弾性等を設定してある。なお、この圧力指示部材の上面側は、中空容器4内の気体Gの圧力がそれほど大きくない場合には、図3等に示されるように前記中空容器4の先端から外側へ出ずに同じ平面を形成するようにしてある。
前記空圧調整弁62は、柔軟性を有した樹脂で形成してあり、その先端部分に切り込みがあり、この切り込みに筒等を挿入することで、前記中空容器4内の気体Gの圧力を解圧することができる。このような解圧動作によって、前記中空容器4内に接着剤Lが流入し、中空容器4内の気体Gが圧縮された途中状態でも接着剤Lが固まる前に接着剤注入器100をコンクリート構造物Cの壁から取り外すこともできる。
また、本実施形態では、前記中空容器4において基端側にある連通孔22と先端側にある空圧調整弁62との間には摺動可能に設けられた仕切り部材5があるので、前記空圧調整弁62により解圧した場合でも、接着剤Lは中空容器4内において前記仕切り部材5により遮られ、前記空圧調整弁62まで到達することはない。したがって、解圧時に前記空圧調整弁62を介して接着剤Lが外部へと出てしまうことはなく、工事現場等に接着剤Lが飛び散って汚してしまうのを防ぐことができ、工事現場等をきれいに保つことができる。
さらに、前記中空容器4内に残っている固まる前の接着剤Lを別のクラックAOに注入したい場合には、図5(a)に示すように取り外された接着剤注入器100を別のクラックAOに取り付けて、図5(b)に示すように前記空圧調整弁62を介して前記中空容器4内の気体Gを加圧し、接着剤LをクラックAO内に注入することもできる。
ここで、図5(a)に示すように、中空容器4内の接着剤Lが減少し、中空容器4内の気体Gの圧力が接着剤LをクラックAO内に注入するのに適した圧力となっていない場合には、前記圧力指示部材61は、前記中空容器4の先端側から膨出していない状態となっている。このような前記蓄圧機構TNから接着剤Lへの圧力が弱すぎる場合には加圧によって気体Gを注入に適した圧力にすることもできる。
より具体的には、図5(b)に示すように作業者が前記空圧調整弁62により前記圧力指示部材61が中空容器4の外側へと膨出するまで加圧作業を行い、前記仕切り部材5が前記中空容器4の基端側へと進む方向に力が十分に加わった状態にできる。このように前記圧力指示部材61の変形を確認しながら加圧作業を行うことにより、常に接着剤LをクラックAO内に注入するのに適した状態に調整することができる。
また、例えば高圧時の気体Gの圧力によっては、中空容器4内の気体Gの圧力が低下した場合でも前記圧力指示部材61が膨張したままの状態で変形が残っている場合がある。このような場合でも、前記圧力指示部61の膨出部分を作業者が押すと圧力が低い場合には中空容器4の内部側へ容易に押し戻すことができるので、気体Gの圧力が接着剤Lの注入に適さない圧力まで低下していることを作業者は確認できる。また、圧力指示部材61が膨張した状態において作業者が押しても元に戻らない場合には、気体Gは十分な圧力を有していることが分かる。すなわち、前記圧力指示部材61は作業者の視覚だけでなく、触圧(触覚)によっても接着剤Lを注入するのに適した圧力となっているかどうかについて確認することができる。
このように本実施形態の接着剤注入器100によれば、前記蓄圧機構TNが前記中空容器4内の気体の圧力によって変形する圧力指示部材61を備えているので、この圧力指示部材61の変形を確認することで、グリスガンSPを外した後に前記中空容器4内の気体Gの圧力により接着剤LをクラックAO内へと十分に注入させることができるかどうかを確認することができる。
より具体的には、中空容器4内の気体Gの圧力は一見すると前記仕切り部材5が中空容器4の先端側にあれば十分な圧力があるように思われるが、実際には気体Gの漏れがあって、気体Gが圧縮されていない場合も起こり得る。また、本実施形態のように中空容器4内の接着剤Lの量が減少し、前記仕切り部材5が中空容器4内において基端側へと移動している状態で気体Gの加圧を行う場合も、仕切り部材5の中空容器4内の位置は気体Gの圧力を示すものとはならず、従来は気体Gが十分な圧力を有しているかどうかを確認することは困難であった。
これに対して本実施形態では、前記圧力指示部材61が気体Gの圧力により変形するように構成してあるので、確実に気体Gが十分な圧力を有しているかどうかを確実に確認することができ、接着剤LをクラックAOの隅々まで行き渡らせることができるようになる。
本発明のその他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、前記空圧調整弁62は中空容器4の先端に設けられていたが、例えば前記中空容器4の側面に設けても構わない。このようなものであっても解圧、加圧の操作を行うことができる。また、前記実施形態では、前記蓋体6は前記空圧調整弁62を備えたものであったが、この機能を省略してもよい。すなわち、中空容器4が密閉容器として形成されており、当該中空容器4の先端側にある気体Gの圧力により変形する圧力指示部材61を設けるだけであってもよい。このようなものでも、気体Gの漏れチェックを行うことができる。また、圧力指示部材61も中空容器4の先端に設けられるものだけでなく、例えば、中空容器4の側面に設けてもよい。また、圧力指示部材61の変形の態様は前記実施形態に示したもの限られない。例えば、前記圧力指示部材61が中空容器4内の気体Gの圧力に相関して、変形量が変化するものであってもよい。
前記蓄圧機構TNは、前記注入機構INに対して直交して設けられたものでなく、斜めに取り付けられるものであってもよい。要するに、前記注入機構INから分岐して前記蓄圧機構TNが設けられるものであればよい。また、前記蓄圧機構TNを構成する前記中空容器4の形状は円筒管形状のみに限られるものではない。例えば、前記中空容器4を基端側が先端側よりも細い二段円筒形状にしてもよい。このようなものにすれば、前記注入機構INに対して前記中空容器4が突出している長さ寸法を短くして接着剤注入器100自体をコンパクトに構成することができる。しかも、前記蓋体6が取り付けられる際に中空容器4内に押し込む気体の体積も大きくできるので、前記実施形態と同等又はそれ以上に前記中空容器4内の気体を予圧しておくこともできる。また、前記中空容器4と前記蓋体6との間にねじを形成し、前記蓋体6を前記中空容器に対して螺合させていくことにより、前記中空容器4内の気体が予圧されるようにしてもよい。
前記実施形態では補修対象はクラックAOであったが、その他の補修対象に本発明を用いても構わない。また、流動性補修材の一例として接着剤Lを挙げたが、例えば、コーキング材等のその他のものにも本発明の流動性補修材注入器100は用いることができる。また、流動性補修材供給源はグリスガンSPに限られるものではなく、例えばシリンジ等により人力で補修対象内に流動性補修材を注入するようにしてもよい。
前記中空容器4内の気体Gが加圧された際に前記圧力指示部材61が膨出変形する形態は、前記実施形態に記載したものに限られない。例えば、前記圧力指示部材61において前記中空容器4内に挿入されている部分も含めて全体が気体Gの加圧時には中空容器4の先端側へと移動して、前記圧力指示部材61が膨出するようにしてもよい。このように構成した場合、接着剤注入器100をクラックAOに取り付けた当初の状態における前記中空容器4の内部容積よりも、仕切り部材5が中空容器4の先端側へ移動して気体Gの圧力が上昇し、前記圧力指示部座61全体が先端側へ膨出した状態における中空容器4の内部容積の方が大きくなる。したがって、中空容器4の長さ寸法を前記実施形態に記載した長さ寸法よりも短くしたとしても、蓄圧機構TNとして機能するのに十分な量の接着剤Lを中空容器4内に貯め込むことができる。つまり、圧力指示部材61の膨張分を勘案して、前記中空容器4の長さ寸法をつめることができるので、接着剤注入器100全体をコンパクトに構成する事が可能となり、取り付け時に接着剤注入器100と壁等の他の部材とが干渉しにくくできる。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
100・・・接着剤注入器(流動性補修材注入器)
IN ・・・注入機構
TN ・・・蓄圧機構
1 ・・・座金
11 ・・・薄円板部
12 ・・・円筒部
2 ・・・筒状本体
21 ・・・おねじ
22 ・・・連通孔
23 ・・・台座部
3 ・・・逆止弁
31 ・・・溶着部
32 ・・・胴体部
4 ・・・中空容器
41 ・・・フランジ部
5 ・・・仕切り部材
6 ・・・蓋体
61 ・・・圧力指示部材
62 ・・・空圧調整弁
63 ・・・突出部

Claims (5)

  1. 流動性補修材供給源と接続される接続口が基端に形成されており、補修対象と対向して取り付けられ、当該補修対象へ流動性補修材を注入する注入口が先端に形成された注入機構と、
    前記注入機構において前記接続口及び前記注入口の間から分岐しており、流動性補修材の注入時に流動性補修材の一部が流入して内部の気体が圧縮される蓄圧機構とを備え、
    前記蓄圧機構が、基端が前記注入機構に設けられ、先端側が密閉された中空容器と、前記中空容器内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材と、前記中空容器内の気体の圧力によって変形する圧力指示部材と、を具備していることを特徴とする流動性補修材注入器。
  2. 前記圧力指示部材が、前記中空容器の先端と前記仕切り部材との間の空間の気体と接触し、前記中空容器の外側へと変形可能に設けられている請求項1記載の流動性補修材注入器。
  3. 前記圧力指示部材が、前記中空容器内の気体の圧力が所定値以上の場合に当該中空容器の外側へ膨出するように構成されている請求項1又は2記載の流動性補修材注入器。
  4. 前記蓄圧機構が、前記中空容器の先端と前記シリンダとの空間内へ外部から気体を注入可能な空圧調整弁をさらに備えた請求項1乃至3いずれかに記載の流動性補修材注入器。
  5. 前記中空容器の先端は開口しており、前記空圧調整弁及び前記圧力指示部材とからなる蓋体により密閉されている請求項4記載の流動性補修材注入器。
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