JP7353646B2 - 注入器、及び、注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばコンクリート構造物や壁等に発生したクラック等の補修対象に流動性補修材を注入するための注入器に関するものである。
コンクリート構造物等において内部まで進展したクラックを補修する場合、流動性補修材である液状の接着剤を所定の圧力をかけ続けながらじっくりと注入する必要がある。
このような補修作業のために、グリスガン等の接着剤の供給器が基端側に接続され、先端側の注入口がクラック等の補修対象に対して取り付けられる概略筒状の注入機構と、前記注入機構から分岐し、流動性補修材の流入により内部の空気が圧縮されて加圧される蓄圧容器と、を備えた注入器が用いられる。
具体的には、供給器から注入機構に供給された接着剤の一部はクラックに直接流入するのではなく、蓄圧容器内に流入して蓄えられていく。蓄圧容器内に所定量以上の接着剤が流入すると供給器は注入機構から取り外される。そして、蓄圧容器内の空気の圧力によって接着剤は、蓄圧容器から注入機構を介してクラック内へと注入される。
ところで、本願発明者が現場における注入器の使用態様について実際に調査したところ、想定とは異なる使用状態となっている場合があることが判明した。
すなわち、グリスガンによって注入器内に接着剤を供給し、蓄圧容器内に接着剤を流入させると、ユーザによっては過剰な量の接着剤を蓄圧容器内に流入させてしまい、蓄圧容器内の空気が必要以上に圧縮され、低圧状態での注入が実現できていないことがある。
さらに、現場においては施工管理のために使用された接着剤の量を把握して、報告する必要がある。例えばグリスガンで使用された接着剤のカートリッジの本数から全体の使用量を把握することは可能であるが、各クラックでどれくらいの量の接着剤が使用されているかを正確に把握したいという要望がある。
しかしながら、グリスガンを用いて蓄圧容器内に流入する接着剤の量を細かく調整することは難しく、注入されている量にばらつきが発生することがある。
特開2018-127782号公報
本発明は上述したような問題に鑑みてなされたものであり、蓄圧容器内において空気が過剰に圧縮されるのを防ぎ、理想とされる低圧注入を実現できるとともに、流動性補修材の使用量が把握しやすい注入器を提供することを目的とする。
すなわち、本発明に係る注入器は、流動性補修材の供給器が接続される接続口と、補修対象と対向して取り付けられ、当該補修対象へ流動性補修材を注入する注入口と、を具備する注入機構と、前記注入機構において前記接続口と前記注入口の間から分岐しており、前記接続口を介して供給される流動性補修材が流入して内部の気体が圧縮される蓄圧機構と、を備え、前記蓄圧機構が、基端が前記注入機構に設けられた中空容器と、前記中空容器内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材と、前記中空容器の先端を気密に封止する蓋体と、前記仕切り部材が前記中空容器において制限位置から先端側への移動するのを制限する移動制限構造と、を具備し、前記仕切り部材が前記制限位置に配置された状態において、前記蓋体と前記仕切り部材との間に形成される加圧空間が所定容量以上を有しており、前記仕切り部材が前記中空容器の基端側へと押圧される圧力が所定値以下となるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る注入方法は、流動性補修材の供給器が接続される接続口と、補修対象と対向して取り付けられ、当該補修対象へ流動性補修材を注入する注入口と、を具備する注入機構と、前記注入機構において前記接続口と前記注入口の間から分岐しており、前記接続口を介して供給される流動性補修材が流入して内部の気体が圧縮される蓄圧機構と、を備え、前記蓄圧機構が、基端が前記注入機構に設けられた中空容器と、前記中空容器内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材と、前記中空容器の先端を気密に封止する蓋体と、を備えた注入器を用いた注入方法であって、前記仕切り部材が前記中空容器において制限位置から先端側への移動するのを制限することと、前記仕切り部材が前記制限位置に配置された状態において、前記蓋体と前記仕切り部材との間に形成される加圧空間を所定容量以上とし、前記仕切り部材が前記中空容器の基端側へと押圧される圧力が所定値以下にすることを特徴とする。
このようなものであれば、前記移動制限構造によって前記仕切り部材が前記中空容器内において前記制限位置よりも先端側に移動しないようにできるので、前記供給器から供給される流動性補修材の量を調整しなくても、前記中空容器内で空気が過剰に圧縮されるのを防ぐことができる。このため、前記仕切り部材が押圧される圧力を前記所定値以下に制限することができ、前記蓄圧機構から前記補修対象へと注入される流動性補修材の圧力も理想的な低圧状態を実現できる。
また、前記仕切り部材は前記制限位置に配置されるので、前記中空容器内に流入する流動性補修材の量も常に同じ量にすることができ、流動性補修材の使用量を容易に把握できる。
例えば前記中空容器が前記注入機構から突出する長さを短くしつつ、前記加圧空間の容積を所定容量以上にしやすくするには、前記仕切り部材又は前記蓋体の少なくとも一方に、前記加圧空間の少なくとも一部を形成する逃げ凹部が形成されていればよい。
前記中空容器内に前記仕切り部材を挿入しやすくしつつ、前記移動制限構造を前記中空容器内に簡単に形成できるようにするには、前記移動制限構造が、前記蓋体において前記中空容器内に挿入される先端部であり、当該蓋体の先端部に前記仕切り部材が当接して前記制限位置に配置されるものであればよい。
前記蓄圧機構から補修対象へ注入される流動性補修材の圧力を補修工事等に求められる理想的な低圧状態にするには、前記仕切り部材が前記中空容器の基端側へと押圧される圧力が0.4MPa以下となるように構成されていればよい。
前記蓄圧容器を介して補修対象に注入される流動性補修材の量を正確に把握できるようにするには、前記中空容器が、当該注入容器内に流入した流動性補修材の量を示す目盛りが付与されたものであればよい。
前記制限位置を変更可能にして、前記蓄圧容器を介して補修対象に注入される流動性補修材の量を調節できるようにするには、前記中空容器と前記蓋体との間に螺合構造が形成されており、前記蓋体が、前記中空容器に対して進退可能に取り付けられたものであればよい。
前記蓋体を回転させた際に前記中空容器に対する移動量を大きくしつつ、前記蓄圧機構内の圧力が上昇した場合でも前記蓋体がその圧力で前記中空容器の先端側へずれてしまうのを防ぐことができるようにするには、前記中空容器に対して前記螺合構造が、ねじ山の幅がねじ溝の幅よりも小さいものであり、前記中空容器の外側面に形成され、前記ねじ山と係合して前記蓋体が前記中空容器の先端側への移動を制限する歯止め部材をさらに備えたものであればよい。
前記移動制限構造の別の実施態様としては、前記移動制限構造が、前記中空容器の先端側内周壁から半径方向に突出させた突出体であるものが挙げられる。
前記蓄圧機構の構造を簡素化し、製造コストを低減できるようにするには、前記蓋体が、前記中空容器の先端側に嵌合させて固定されたもの、あるいは、固着されたものであればよい。
このように本発明に係る注入器によれば、移動制限構造によって仕切り部材が中空容器内において移動できる範囲が制限され、前記中空容器内の圧力が高くなりすぎるのを防ぐことができる。このため、前記蓄圧容器を介して補修対象に注入される流動性補修材により理想的な低圧注入を実現できる。
本発明の第1実施形態に係る注入器を示す模式的斜視図。 第1実施形態における注入器の模式的分解図。 第1実施形態における逆止弁にグリスガンのノズル部分が挿入された状態を示す模式図。 第1実施形態における逆止弁が接着剤の流れに対する抵抗となっている状態を示す模式図。 第1実施形態における注入器による接着剤の注入過程を示す模式図。 本発明の第2実施形態に係る注入器を示す模式的分解図。 第2実施形態における注入器による接着剤の注入過程を示す模式図。 第3実施形態における注入器を示す模式図。 第1実施形態の注入器における蓄圧機構に対する初期充填量と接着剤に加わる圧力の実測データを示すグラフ。
本発明の第1実施形態における注入器100について各図を参照しながら説明する。
第1実施形態の注入器100は、土木工事等においてコンクリート構造物C等に生じた補修対象であるクラックAOに流動性補修材として接着剤Lを注入する補修作業に用いられるものである。より具体的には図1の斜視図に示すように、注入器100はコンクリート構造物CにおいてクラックAOが外表面に開口している部分に固定されて、接着剤Lの供給源であるグリスガンGGにセットされた接着剤のカートリッジの仲介をする。また、この注入器100を構成する部品は金属を使用せずに樹脂により形成されており、使用後は分別等を行うことなくそのまま全体を廃棄できるようにしてある。
この注入器100は、補修対象のあるコンクリート構造物C等に対して垂直に取り付けられる部分であり、グリスガン(図示しない)からクラックAOへと接着剤Lが流通する注入機構INと、注入機構INに対して直交するように分岐させて設けてあり、グリスガンにより接着剤Lが注入されている時に接着剤Lの一部が内部へ流入して内部の気体Gが圧縮されるように構成してある蓄圧機構TNとからなるものである。
図1の斜視図に示すように注入機構INは、この注入器100において細円筒状の部分であり、基端に接着剤Lの供給器であるグリスガンGGに接続される接続口CPが形成してあり、先端にクラックAOと対向して取り付けられ、当該クラックAOへ接着剤Lを注入する注入口IPが形成してある。
より具体的には、図2の分解図に示すように注入機構INは、注入口IPが形成されており、クラックAOのあるコンクリート構造物Cに取り付けられる座金1と、先端が座金1に取り付けられ、側面に中空容器4が接続された筒体2と、筒体2の基端側に挿入されており、接続口CPを形成する逆止弁3とから構成してある。
座金1は、中央部に注入口IPが開口する薄円板部11と、その注入口IPを囲い薄円板部11の上面に対して垂直に突出した円筒部12とからなる。薄板円板部11の下面外周部は、クラックAOの開口している周囲の壁面に固定材Fにより粘着されて固定される。この固定材Fは圧縮又は引っ張り方向には強い粘性を示すが、せん断方向には弱い粘性を示すためクラックAO内に接着剤Lを注入した後で注入器100を取り外す際には、壁の表面に沿った方向に移動させることで容易に取り外すことができる。円筒部12は中空であって、内部に筒体2と螺合するめねじが切ってある。
筒体2は、図2(b)に示すように円筒部12よりも細い中空円筒状のものであり、基端側には逆止弁3において平円板リング状に形成された鍔部31が配置される台座部23が形成してある。そして、この筒体2の内部では逆止弁3の胴体32が収容される。さらに台座部23の上側からは逆止弁3の鍔部31をはさみ込むようにカバーCVが取り付けられる。このカバーCV及び筒体2は同種の硬質樹脂で形成されており、逆止弁3を構成する軟質樹脂とは異なる材料で形成されている。また、カバーCVは台座部23に対して超音波溶着により固定されている。カバーCVと台座部23は同じ樹脂材料で形成されているので、異種間の樹脂材料で超音波溶着させた場合と比較して強固に固定することができる。したがって、接着剤Lの注入時において注入機構INの内圧が上昇してもカバーCVが逆止弁3を強く押さえているため、逆止弁3が外側へ膨張してしまうのを防ぐことができる。また、カバーCVはグリスガンGGにセットされる接着剤Lのカートリッジに取り付けられたノズルの一部と当接し、逆止弁3内におけるノズルの先端位置を固定し、差し込みすぎを防止する。
また、筒体2の先端の外側周面に円筒部12と螺合するおねじ21が切ってある。さらに、筒体2は図2(b)の断面図に示すようにその側面中央部であり、逆止弁3が収容された状態でその先端近傍に蓄圧機構TN内と連通する連通孔22が形成してある。連通孔22は筒体2の側面において軸方向に延びるトラック状の孔であり、その開口面積は注入口IPにおいて最も流路面積の小さい部分よりも大きく設定してある。本実施形態では注入口IPの一部をなす筒体2の先端側の開口面積よりも連通孔22の開口面積のほうが大きく形成されている。図2(b)に示すように連通孔22は蓄圧機構TNの中空容器4の半径程度に長さに形成されており、連通孔22の上端部分は筒体2に挿入されている逆止弁3の先端部分よりも下側に位置するよう形成されている。言い換えると、筒体2に逆止弁3が挿入された状態において逆止弁3の先端側の外周部分は筒体2の内壁面と対向している。
この筒体2の内部は基端側から先端側に進むにつれて先細るように構成してあり、筒体2内で接着剤が硬化した場合には先端側から取り出せないように構成してある。また、台座部23に対してはカバーCVが超音波溶着されているので基端側からも硬化した接着剤は取り出すことはできない。仮に逆止弁3を無理に筒体2から取り外した場合には当該逆止弁3は固定されずその機能が発揮されないため筒体2からクラックAO内に対して接着剤に圧力をかけて注入することができなくなる。したがって、筒体2内において余った接着剤が硬化するほど放置されていた場合には注入器100を再利用することはできず、古い接着剤と新しい接着剤が混ざった状態でクラックAO内に注入されて低品質の補修工事が実施されることを未然に防ぐことができる。
次に逆止弁3の詳細な構造について図3及び図4を参照しながら説明する。逆止弁3は、先端が閉鎖された筒状に形成された胴体32と、胴体32の基端から半径方向に広がるように概略円板状に形成された鍔部31とを備えている。
胴体32は、概略細円筒状又は基端から先端に進むにつれて若干外径が小さくなるようにテーパが形成された細円錐台形状を有している。胴体32の先端面内に開口するスリット33が形成してある。すなわち、このスリット33は切れ込みが胴体32の先端部側面には至らないように形成してある。胴体32の先端部はほぼ中実となるように構成してあり、スリット33は胴体32の軸方向へ延びて、胴体32の内部底面に開口するようにしてある。スリット33は、樹脂成型時から胴体32の先端面に形成してあり、刃物による追加工によって形成しなくてもよいようにしてある。
胴体32の先端部側面には筒体2に対して挿入された状態において筒体2の内側周面と接触する被押圧部34が一対形成してある。一対の被押圧部34は、胴体32の先端面に対して垂直な方向から視た場合に、スリット33を幅方向に挟むように配置してある。これらの被押圧部34は、胴体32が筒体2に挿入された状態でスリット33を幅方向に挟み込む方向へ胴体32の先端部を押圧するように構成してある。また、被押圧部34は部分円筒側面として形成してある。
さらに胴体32の先端部側面には、被押圧部34よりも半径方向へ凹ませて形成した逃げ部35が形成してある。この逃げ部35は、被押圧部34が筒体2の内側周面と接触している状態で、胴体32の先端部側面において筒体2の内側周面に対して所定距離離間するように構成してある。逃げ部35は胴体32の先端部側面においてスリット33の長さ方向と交差するように一対配置してある。すなわち、胴体32の先端面に対して垂直な方向から視た場合に一対の逃げ部35はスリット33を長さ方向に対して挟み込むように形成してある。本実施形態では逃げ部35の側面は角柱の側面をなすようにしてあり、スリット33の延伸方向との交点に角柱の角が配置されるようにしてある。すなわち、スリット33の端部から逃げ部35の壁面までの間が一定距離離してあり、スリット33が形成される位置が多少ずれてもスリット33の端部が側壁面まで到達することがないようにしてある。また、逃げ部35は、スリットの長さ方向の中点を中心として被押圧部34よりも半径方向内側に配置してある。
このように構成された逆止弁3、及び、カバーCVによる作用及び効果について説明する。図3の逆止弁3が筒体2内に挿入された状態での断面拡大図に示すように胴体32が筒体2内に挿入されると被押圧部34は筒体2の内側周面に接触し、半径方向内側へと押圧されることになる。すると胴体32の先端部は半径方向内側へと圧縮されて、スリット33が幅方向に閉じられるように変形する。この際、胴体32の先端部の一部は被押圧部34からの力に対して垂直な方向にある逃げ部35側へと膨出することなる。この状態においても逃げ部35は筒体2の内側周面には接触しない。したがって、胴体32の先端部はスリット33の長さ方向に圧縮する力を受けない。このようにスリット33の幅方向を閉じる力しか受けていないのでスリット33を密着させて強く閉じることができる。また、このような状態でスリット33を長さ方向に圧縮するような力が同時にかかることによってスリット33がひしゃげて当該スリット33の端部に微小な開口が形成されることがない。
さらに第1実施形態では、図3(a)に示すようにグリスガンGGのノズル部分は逆止弁3に挿入された状態でカバーCVと当接することにより、ノズルの先端が逆止弁3のスリット33内に配置されるように構成されている。言い換えると、カバーCVは硬質樹脂で形成されているので、グリスガンGGを逆止弁3側へと押し込んでもノズルの先端が逆止弁の先端部分から外側に出ることがないようにしてある。このため、供給器であるグリスガンから注入機構INの筒体21内に接着剤の供給される前では図3(b)に示すようにスリット33の先端部分は閉塞された状態が保たれる。
一方、図4(a)及び図4(b)に示されるようにグリスガンGGのノズル部分がスリット33に差し込まれた状態で接着剤Lの供給が開始されると、グリスガンGGの供給圧により胴体32の先端部の一部は逃げ部35側へと押し出される。すなわち、グリスガンGGから吐出される接着剤Lの流れに対して逆止弁3は抵抗として作用する。したがって、グリスガンGGから接着剤Lが高い供給圧で吐出されたとしても、逆止弁3を通過する間に圧力を低下させることができる。この結果、接着剤Lの勢いを弱くして直接注入口IPからクラックAO内へと流入しにくくし、連通孔22から蓄圧機構TN内へと流入しやすくすることができる。このように接着剤LをグリスガンGGから供給する際に逆止弁3が抵抗として作用するので、接着剤Lの勢いを弱くし、注入口IPからクラックAOに接着剤Lが直接流入してしまうのを防ぎ、注入機構INから蓄圧機構TNへと接着剤Lを流入させやすくすることができる。
次に蓄圧機構TNについて説明する。
蓄圧機構TNは、図1及び図2に示すように注入器100において太円筒部分に相当するものであり、基端が注入機構INに取り付けられ、先端が開口した円筒状の中空容器4と、中空容器4内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材5と、中空容器4の先端部を気密に封止する蓋体6とを具備するものである。すなわち、この蓄圧機構TNは中空容器4と蓋体6の2つの分割されたパーツで構成してある。また、中空容器4は、筒体2と組み合わされた状態で、1つのパーツとして一体成型してある。さらに、中空容器4は、筒体2に対して直交するように設けてあり、クラックAOから見て筒体2の基端と中空容器4の反クラック側の側面が略同じ高さにあるようにしてある。
また、本実施形態では中空容器4の先端側外側周面と蓋体6との間には雄ねじ71と雌ねじ72からなる螺合構造7が形成してあり、蓋体6は中空容器に対して軸方向に進退可能に構成してある。このため、蓋体6を回転させることで蓋体6の中空容器4内における突出量を変更し、中空容器4内における仕切り部材5と蓋体6との間の気体の圧力を加圧又は減圧できる。
中空容器4は概略中空円筒形状をなす透明樹脂によりその内部が透けて見えるように構成したシリンダである。図1及び図2に示すようにこの中空容器4の外側周面には基端側から先端側へと目盛が付してあり、注入機構INから当該中空容器4内に流入した接着剤Lの量が目視で分かるようにしてある。また、この中空容器4の先端側には蓋体6が取り付けられる雄ねじ71が形成してある。
仕切り部材5は、中空容器4の内側周面と気密に篏合するものであり、当該中空容器4の内径と略同じ直径を有した概略扁平中実円筒状のピストンである。この仕切り部材5は注入開始時に中空容器4の基端に略密着した状態となるように取り付けてあり、注入機構INに接続されたグリスガンGGにより接着剤Lの注入が開始されて、中空容器4内にも接着剤Lが入ってくると中空容器4の先端側へと移動していくようにしてある。この際、中空容器4内は仕切り部材5により仕切られているので、中空容器4内の先端側には気体Gのみが存在し、中空容器4内の基端側にのみ接着剤Lがある状態になる。つまり、中空容器4内に封入されていた気体Gは仕切り部材5があるために注入機構IN側にある接着剤L内へは漏れ出ない。
また、この仕切り部材5の厚みについては、連通孔22から接着剤Lが中空容器4内に流入して押された際に当該仕切り部材5が倒れず、その平板部分が中空容器4の半径方向断面と平行となった姿勢のままで摺動するように設定してある。
蓋体6は、中空容器4の内部において先端から基端側へ一部を突出させた状態で取り付けられるとともに、その突出量が任意に変更できるように構成してある。また、この蓋体6により中空容器4内の先端側、すなわち中空容器4内において仕切り部材5と蓋体6との間は気密に封止されるようにしてある。
より具体的には、図2の断面図に示すように蓋体6は、中空容器内へ挿入される中栓体61と、中栓体61と外側端に接続され、中空容器の外側周面を覆うように設けられる外筒62と、を具備する二重管構造を有するものである。
中栓体61は、概略中空円筒状でその外径が中空容器4の内径とほぼ同じもしくは若干大きく形成してある。中栓体61の外側周面には半径方向外側に突出する複数の凸条63が形成してある。例えば凸条63は中空容器4に形成されている雄ねじ71のねじ山間の距離とほぼ同じ間隔で設けてある。ここで、樹脂成型により中空容器4の雄ねじ71を形成すると収縮により引けが生じ中空容器の内側周面において雄ねじ71の裏側に当たる部分が半径方向外側へ若干凹む部分が存在する。凸条63はこのような凹みがあっても中栓体61が中空容器4の内側周面に対して当接するので、気密性を保つことができる。また、第1実施形態の中栓体61は概略円筒状をなすが、その内側端部は開口しており、ほぼ中央部に内外を気密に仕切るように内蓋611が設けられている。
外筒62は蓋体6が中空容器4に対して取り付けられた状態において中空容器4の先端側外側周面を覆うものであり、その内側周面には雌ねじ72が形成してある。外筒62は中栓体61とほぼ同じ軸方向長さを有しており、同心軸状に配置してある。また外筒62の外側周面には軸方向に延びるリブが複数等間隔で形成してあり、ユーザが手で掴んで滑らないように把持部が形成してある。
螺合構造7は、中空容器4の外側周面に形成された雄ねじ71と蓋体6の外筒62の内側周面に形成された雌ねじ72とから構成してあり、ねじ山の幅がねじ溝の幅よりも小さく形成してある。言い換えると、本実施形態では雄ねじ71と雌ねじ72のねじ山は一方の側面のみが当接した状態で係合するようにしてある。また、このようにねじ溝の幅を大きく形成してあるので、接着剤Lが蓄圧機構TNに流入し、内部の空気Gが加圧された状態でも蓋体6が中空容器4の先端側へと移動しにくくするために、雄ねじ71とは別にリング状の歯止め部材73が形成されている。
さらに、第1実施形態では接着剤Lが中空容器4内に流入した際に蓋体6の先端側は、仕切り部材5の移動できる範囲を限定する移動制限構造8としての機能を発揮するように構成されている。
具体的には図5(a)に示すように第1実施形態では、仕切り部材5の外周部に対して蓋体6の中栓体61の先端部が当接して、仕切り部材5が中空容器4の先端側へそれ以上移動させない。すなわち、中空容器4内における中栓体61の先端部の位置が、仕切り部材5が中空容器の先端側への移動を制限される制限位置となる。
仕切り部材5が中栓体61の先端部に当接し、制限位置に配置された状態において仕切り部材5と蓋体6との間には所定容量以上の容積からなり、中空容器4の先端側内にあるガスGが加圧される加圧空間PSが形成される。第1実施形態では、仕切り部材5及び中栓体61の双方に形成された逃げ凹部81により加圧空間PSが形成される。この加圧空間PSの容積は、仕切り部材5が中空容器4の基端から先端側にある制限位置に到達した場合におけるガスGの圧力が0.4MPa以下となるように所定容量が設定されている。このため、ガスGが最大圧縮されても仕切り部材5から接着剤Lに対する圧力は0.4MPa以下となり、低圧での注入が実現される。
次に第1実施形態の注入器100全体の効果について説明する。
第1実施形態の注入器100は、移動制限構造8によって仕切り部材5は中空容器4内において制限位置よりも先端側には移動できないので、接着剤Lが予め決められた量以上は中空容器4内に流入することがない。また、予め決められた量しか中空容器4内に流入しないので、中空容器4内に最大量の接着剤Lが流入した状態では仕切り部材5と蓋体6との間に形成される加圧空間PSの大きさも常に一定にできる。
さらに加圧空間PSの容積は、仕切り部材5が移動制限構造8により制限位置に配置された状態において、仕切り部材5と蓋体6との間にあるガスGが所定容量以上となるように構成されている。したがって加圧空間PS内にあるガスGを例えば0.4MPa以下の圧力となるようにでき、常に理想的な低圧注入状態を実現できる。
また、第1実施形態の注入器100では、グリスガンGGを注入機構INに接続した状態においてノズルの先端が逆止弁3のスリット33内に配置されるように構成されているので、逆止弁3自体を流路抵抗として作用させ、接着剤Lの供給圧を従来よりも低下させることができる。また、注入口INにおいて最も開口面積が狭い部分と比較して、連通孔22の開口面積のほうが大きく形成されているので、接着剤Lを蓄圧機構TN内へと導きやすい。
このため、従来と比較して蓄圧機構TNを経由せずに直接クラックAO内に流入する接着剤Lの量を低減し、蓄圧機構TN内の圧縮された気体の圧力により低圧で時間をかけて注入を行うことができる。この結果、クラックAOにおいて注入器100が取り付けられているのとは反対側において例えば剛性の小さい板等の部材で塞がれている場合でも、高圧の接着剤Lによってそのような板を変形させて膨らんでしまうといった事態を防ぐことができる。さらに、蓄圧機構TNを経由しないために目盛りによる計量ができない接着剤Lの量を大幅に減らすことができ、使用量を正確に把握することが可能となる。
また、グリスガンGGのように人の手で動作させるものであるために接着剤Lの供給圧を制御するのが難しい場合であっても、移動制限構造8によって自然に注入に適した低圧を実現できる。
蓋体6が螺合構造7により中空容器4の軸方向に対して進退可能に設けられているので、中空容器4内の気体の圧縮状態を適宜変更してクラックAO内に接着剤Lを注入するのに適した圧力を保つことが工具等を用いずに簡単にできる。
また、螺合構造7があるので中空容器4内の気体が圧縮されて抵抗力が大きくなってもそれほど大きな力を加えなくても蓋体6を中空容器4内へと押し込んでいくことができ、加圧に必要となる力を従来よりも小さくできる。
加えて、本実施形態の逆止弁3はスリット33が強く閉じられるので、蓋体6により加圧して接着剤Lが高圧状態となっても逆止弁3から逆流して外部に漏れ出すことを防げる。
さらに蓋体6は二重管構造を有しており、ユーザにより把持される外筒62と中栓体61の軸方向の位置をほぼ同じにすることができるので、蓄圧機構TNの軸方向長さを小さく形成することができ、全体の外形寸法を小さく構成することができる。このため、クラックが近接して複数ある場合でも注入器100を干渉させずに設けやすい。また、加圧や解圧するために蓄圧機構TNの先端側に別の工具や器具を取り付ける必要がないので、注入器100が近接して設けられている場合でも加圧や解圧の作業を行いやすい。
さらに、蓋体6の外筒62と中栓体61の先端は揃えてあるので、外筒62の先端位置で仕切り部材5が最終的には移動が制限されて止まる事がわかる。したがって、外筒62の先端位置を見て中空容器4の目盛りに位置合わせすることで、所望の量の接着剤Lを蓄圧機構TN内に貯めることができる。このため、補修に使用される接着剤Lの量を管理しやすくなる。
次に本発明の第2実施形態における注入器100について図6及び図7を参照しながら説明する。なお、第1実施形態において説明した部材と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
第2実施形態の注入器100は、蓋体6が中空容器4に対して固定されるものであり、第1実施形態と比較して構造を簡略化したものである。言い換えると蓋体6は中空容器4に対して進退可能ではないため、蓄圧機構TN内の気体の圧縮量については常に固定された値に設定することができる。
具体的には第2実施形態では、蓋体6は中空容器4内に挿入されている部分が中空円筒状であり、その外側の端面のみが閉止された構造を有している。すなわち、蓋体6において外側端面以外の部分において逃げ凹部81が形成されている。また、図7(a)に示すように中空容器4内に接着剤Lが最大量供給された状態において、仕切り部材5は、移動制限構造8である蓋体6の内側端面と当接し、それ以上中空容器4の先端側に移動できないように構成されている。この状態において仕切り部材5と蓋体6との間に形成される加圧空間PSの容積が所定容量以上に設定されており、接着剤Lの低圧注入が実現される。
このようなものであれば、例えば補修対象に対して予め決められた量の接着剤Lを予め定められた圧力で注入できるとともに、製造コストを第1実施形態と比較して低減することができる。
次に本発明の第3実施形態における注入器100について図8(a)及び図8(a)に示したA-A線の断面図である図8(b)を参照しながら説明する。なお、第1実施形態において説明した部材と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
第3実施形態の注入器100は、蓋体6が中空容器4とともに一体成形されるものである。また、中空容器4の先端側の内周面には半径方向に突出させた突出体82が形成されている。具体的には突出体82は、中空容器4の先端から基端側へ延びる複数のリブであり、これらのリブが移動制限構造8として機能を発揮するように構成されている。すなわち、図8(a)に示すように仕切り部材5が中空容器4内において所定位置よりも先端側へ移動してようとしても、移動制限構造8である各リブと干渉するため、仕切り部材5は中空容器4内をそれ以上先端側には移動できない。したがって、仕切り部材5の逃げ凹部81と中空容器4において内部にリブが形成されている先端部内の空間とで形成される加圧空間PSは所定容量以上の容積に保たれる。このため、加圧空間PS内で加圧されたガスGの圧力を所定圧力である例えば0.4MPa以下に保つことができ、ガスGの圧力を受ける仕切り部材5によって接着剤Lを低圧注入することが可能となる。なお、突出体82についてはリブに限られるものではなく、中空容器4の内径が中央部よりも先端部よりも細くさせて半径方向内側に突出させたものであってもよい。
本発明のその他の実施形態について説明する。
移動制限構造8については各実施形態において説明したものに限られない。例えば、中空容器4内に仕切り部材5を挿入した後に、別途リング状の留め具を挿入し、接着剤や溶着等で中空容器の内周面に固定し、留め具よりも先端側に仕切り部材が移動できないようにしてもよい。あるいは、蓋体6から仕切り部材5側へと突出するつっかえ棒を設けておき、移動制限構造8としてもよい。
移動制限構造8により規定される制限位置に仕切り部材5が到達した状態において加圧空間PS内の圧力が所定値以下であればよい。加圧空間PSが十分な容積を有しているのであれば、仕切り部材5又は蓋体6のいずれにも逃げ凹部81を設けなくてもよい。あるいは、仕切り部材5又は蓋体6のいずれか一方にのみ逃げ凹部81を設けてもよい。
螺合構造7については中空容器4と蓋体6との間に設けられていればよく、中空容器4の内側周面に雌ねじ72が形成され、蓋体6の中栓体61の外側周面に雄ねじ71を形成するようにしてもよい。また、中栓体61による気密性をより向上させるために中栓体61の先端にパッキンを設けてもよい。
蓋体6については、かならずしも二重管構造を有するものでなくてもよく、例えば中栓体の外側端からさらに外側に突出するようにユーザにより蓋体6を回転させるために把持される把持部を形成しても構わない。
蓄圧機構TNは、注入機構INに対して直交して設けられたものでなく、斜めに取り付けられるものであってもよい。要するに、注入機構INから分岐して蓄圧機構TNが設けられるものであればよい。また、蓄圧機構TNを構成する中空容器4の形状は円筒管形状のみに限られるものではない。例えば、中空容器4を基端側が先端側よりも細い二段円筒形状にしてもよい。このようなものにすれば、注入機構INに対して中空容器4が突出している長さ寸法を短くして注入器100自体をコンパクトに構成することができる。しかも、蓋体6が取り付けられる際に中空容器4内に押し込む気体の体積も大きくできるので、実施形態と同等又はそれ以上に中空容器4内の気体を予圧しておくこともできる。
実施形態では補修対象はクラックAOであったが、その他の補修対象に本発明を用いても構わない。また、流動性補修材の一例として接着剤Lを挙げたが、例えば、コーキング材等のその他のものにも本発明の流動性補修材注入器は用いることができる。また、流動性補修材の供給源はグリスガンに限られるものではなく、コーキングガンや例えばシリンジ等により人力で補修対象内に流動性補修材を注入するようにしてもよい。
また、第1実施形態の注入器100において蓄圧機構TN内に残っている接着剤Lの量が少なくなった状態でも仕切り部材5によって接着剤Lが押される圧力を高く保つことができるようにするには、蓋体6を中空容器4の基端側へと移動させ、蓄圧機構TN内への初期充填量を最大充填量よりも少なくすればよい。すなわち、図9の実験データに示すように初期設定における蓋体6の位置を中空容器4の基端側へ設定し、最大充填量を小さくするほど、最終的に中空容器4内に残る接着剤Lへの加圧量を大きくすることができる。したがって、最後まで接着剤Lを高い残圧で注入したい場合には蓋体6を中空容器4内に最も押し込んだ状態(図9のグラフにおけるMINに相当)にすればよい。逆に時間をかけて低圧で接着剤Lの注入を行いたい場合には蓋体6を中空容器4に対して最も外側に取り付けられた状態(図9のグラフにおけるMAXに相当)にすればよい。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行っても構わない。
100・・・注入器
IN ・・・注入機構
TN ・・・蓄圧機構
1 ・・・座金
11 ・・・薄円板部
12 ・・・円筒部
2 ・・・筒体
21 ・・・おねじ
22 ・・・連通孔
23 ・・・台座部
3 ・・・逆止弁
31 ・・・鍔部
32 ・・・胴体
33 ・・・スリット
34 ・・・被押圧部
35 ・・・逃げ部
CV ・・・カバー
4 ・・・中空容器
5 ・・・仕切り部材
6 ・・・蓋体
61 ・・・中栓体
611・・・内蓋
62 ・・・外筒
63 ・・・凸条
7 ・・・螺合構造
71 ・・・雄ねじ
72 ・・・雌ねじ
8 ・・・移動制限構造
81 ・・・逃げ凹部

Claims (9)

  1. 流動性補修材の供給器が接続される接続口と、補修対象と対向して取り付けられ、当該補修対象へ流動性補修材を注入する注入口と、を具備する注入機構と、
    前記注入機構において前記接続口と前記注入口の間から分岐しており、前記接続口を介して供給される流動性補修材が流入して内部の気体が圧縮される蓄圧機構と、を備え、
    前記蓄圧機構が、
    基端が前記注入機構に設けられた筒状の中空容器と、
    前記中空容器内においてその基端及び先端の間をがたなく摺動可能に設けられた仕切り部材と、
    前記中空容器の先端を気密に封止する蓋体と、
    前記仕切り部材が前記中空容器において制限位置から先端側へ移動するのを制限する移動制限構造と、を具備し、
    前記仕切り部材が前記制限位置に配置された状態において、前記蓋体と前記仕切り部材との間に形成される加圧空間が所定容量以上を有しており、前記仕切り部材が前記中空容器の基端側へと押圧される圧力が所定値以下となるように構成されており、
    前記蓋体の前記基端側の端部には、前記中空容器の中心軸上において軸方向に沿って前記先端側に凹ませて形成した第1逃げ凹部が形成されており、
    当該蓋体に形成された第1逃げ凹部により、前記加圧空間の一部が形成されていることを特徴とする注入器。
  2. 前記仕切り部材の前記先端側の端部には、前記中空容器の中心軸上において軸方向に沿って前記基端側に凹ませて形成した第2逃げ凹部が形成されており、
    前記仕切り部材が前記制限位置に配置された状態において、前記蓋体に形成された前記第1逃げ凹部と、前記仕切り部材に形成された前記第2逃げ凹部により、前記加圧空間が一体的に形成されている請求項1記載の注入器。
  3. 前記移動制限構造が、前記蓋体において前記中空容器内に挿入される先端部であり、当該蓋体の先端部に前記仕切り部材が当接して前記制限位置に配置される請求項1又は2記載の注入器。
  4. 前記仕切り部材が前記中空容器の基端側へと押圧される圧力が0.4MPa以下となるように構成されている請求項1乃至3いずれかに記載の注入器。
  5. 前記中空容器が、当該中空容器内に流入した流動性補修材の量を示す目盛りが付与された請求項1乃至4いずれかに記載の注入器。
  6. 前記中空容器と前記蓋体との間に螺合構造が形成されており、
    前記蓋体が、前記中空容器に対して進退可能に取り付けられた請求項1乃至5いずれかに記載の注入器。
  7. 前記螺合構造が、ねじ山の幅がねじ溝の幅よりも小さいものであり、
    前記中空容器の外側面に形成され、前記ねじ山と係合して前記蓋体が前記中空容器の先端側への移動を制限する歯止め部材をさらに備えた請求項6記載の注入器。
  8. 前記蓋体が、前記中空容器の先端側に嵌合させて固定された請求項1乃至いずれかに記載の注入器。
  9. 前記移動制限構造が、前記中空容器の先端側内周壁から半径方向に突出させた突出体である請求項1又は2記載の注入器。
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