JP2015078322A - 樹脂硬化物の製造方法及び硬化性樹脂組成物 - Google Patents

樹脂硬化物の製造方法及び硬化性樹脂組成物 Download PDF

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【課題】保存中の樹脂の硬化を抑制でき、容易に樹脂層内部まで硬化することができる樹脂硬化方法及び樹脂組成物を提供する。【解決手段】光を吸収して発熱する粒子を含有し、かつ、光重合開始剤を含有しない樹脂組成物にパルス光を照射することにより光を吸収して発熱する粒子がパルス光を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換し、発生する熱により樹脂を熱重合して硬化させる。光を吸収して発熱する粒子の材料は、金属、金属酸化物、カーボンのいずれかであり、樹脂組成物中の含有量は30質量%以上90質量%以下である。また、樹脂組成物を構成する樹脂はエポキシアクリレート樹脂等が挙げられる。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂硬化物の製造方法及び硬化性樹脂組成物に関する。
アクリル樹脂等の硬化性樹脂を重合させて硬化させる方法として、紫外線硬化法、赤外線硬化法、レーザ硬化法、電子線硬化法等が使用されている。
例えば、下記特許文献1には、(A)(メタ)アクリル系モノマー、(B)光重合開始剤、(C)ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする紫外線硬化性透明樹脂組成物をフレキシブル基板表面に塗布し、紫外線を照射することで硬化塗膜を形成することが開示されている。
また、下記特許文献2には、a)ジアリルフタレートプレポリマー 20〜80重量部 b)ラジカル重合性単量体 80〜20重量部から実質的になる混合物に電離性放射線を照射し、さらに3〜50μmの波長の遠赤外線を照射することを特徴とする硬化フィルムの製造方法が開示されている。
また、下記特許文献3には、(A)バインダーポリマー、(B)エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物及び(C)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物を回路形成用基板上に積層し、その所定部分をレーザ光により直接描画露光して露光部を光硬化させることが開示されている。ここで、バインダーポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂及びフェノール系樹脂が挙げられている。
また、下記特許文献4には、ポリメチルペンテンと架橋処理剤とを含み、該架橋処理剤が、飽和もしくは不飽和の環構造を有し、少なくとも1つの環を形成する原子のうち少なくとも1つの原子が、アリル基、メタリル基、連結基を介したアリル基、及び連結基を介したメタリル基のいずれかのアリル系置換基と結合してなり、分子量が1000以下である電子線硬化性樹脂組成物よりなる成形体に電子線を照射することにより、優れた耐熱性を有する硬化物が得られることが開示されている。
特開2013−155246号公報 特開昭61−190528号公報 国際公開第2010/103918号パンフレット 特開2013−166926号公報
しかし、紫外線硬化法では、紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤が、保存中に光や熱により分解されてラジカルが発生し、樹脂が硬化するという問題があった。また、紫外線が照射された部分のみが硬化されるものなので、樹脂層の内部まで硬化させることが困難であるという問題もあった。
また、赤外線硬化法では、紫外線硬化法と同様にラジカル発生剤による保存中の樹脂の硬化の他、赤外線により樹脂組成物を塗布した基板も加熱され、基板材料によっては基板の熱劣化が生じるという問題があった。
また、レーザ硬化法では、紫外線硬化法と同様に光重合開始剤による保存中の樹脂の硬化の他、レーザが照射された部分のみが硬化されるものなので、樹脂層の内部まで硬化させることが困難であるという問題があった。
また、電子線硬化法では、人工的に電子を加速し、ビームとして利用し、電子ビームの持つエネルギーを利用して、架橋反応、グラフト重合反応をおこなわせている。加速電圧によって、照射される製品中に浸透する深さが変化するので、例えば厚膜を硬化しようとした場合には、大きな加速電圧が必要となり、コスト的にもエックス線の漏洩対策等の安全面でも非常に問題が多くなってくる。
本発明の目的は、保存中の樹脂の硬化を抑制でき、容易に樹脂層内部まで硬化することができる樹脂硬化物の製造方法及び樹脂組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、樹脂硬化物の製造方法であって、金属、金属酸化物、カーボンのいずれかの粒子を30質量%以上90質量%以下含有し、かつ、光重合開始剤を含有しない樹脂組成物にパルス光を照射することを特徴とする。
上記粒子の樹脂組成物中の含有量が50質量%以上85質量%以下であるのが好適である。
また、上記金属または金属酸化物を構成する金属は銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、鉄のいずれかであるのが好適である。また、上記樹脂組成物はエポキシアクリレート樹脂を含有するのが好適である。上記パルス光の1パルスの照射期間は1000マイクロ秒から10ミリ秒であるのが好適である。
また、本発明の他の実施形態は、硬化性樹脂組成物であって、金属、金属酸化物またはカーボンの粒子を30質量%以上90質量%以下含有し、かつ、光重合開始剤を含有しないことを特徴とする。
上記金属または金属酸化物を構成する金属は銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、鉄のいずれかであるのが好適である。また、上記硬化性樹脂組成物はエポキシアクリレート樹脂を含有するのが好適である。
本発明によれば、樹脂組成物中に光重合開始剤を含まないので、保存中の樹脂の硬化を抑制できるとともに、光を吸収して発熱する粒子が樹脂組成物中に略均一に分散されているため、パルス光を照射することにより容易に樹脂層内部まで硬化することができる樹脂硬化物の製造方法及び硬化性樹脂組成物を実現できる。
パルス光の定義を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
本実施形態にかかる樹脂硬化物の製造方法は、光を吸収して発熱する粒子を含有し、かつ、光重合開始剤を含有しない樹脂組成物にパルス光を照射することを特徴とする。樹脂組成物にパルス光を照射することにより樹脂組成物中に含有する光を吸収して発熱する粒子がパルス光を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換し、発生する熱により樹脂が熱重合して硬化する。この場合、上記樹脂組成物は、ポリエチレンテレフタレート等の適宜な基板上に所望のパターンで印刷され、このパターンにパルス光が照射される。なお、パターンの印刷には、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、凹版印刷、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、ディップコート、ドロップコート等を使用することができる。
ここで、上記光を吸収して発熱する粒子の材料は、金属、金属酸化物、カーボンのように光を吸収して発熱するものであり、この金属または金属酸化物を構成する金属は銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、鉄等であるのが好適である。また、カーボンとしては、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバッド、ガラス状炭素、無定形炭素、カーボンナノフォーム、活性炭、カーボンブラック、黒鉛、木炭、炭素繊維等が挙げられる。以上に述べた光を吸収して発熱する粒子の樹脂組成物中の含有量は30質量%以上90質量%以下、より好ましくは50質量%以上85質量%以下である。30質量%よりも少ないと発熱により全体を十分硬化することが出来ず、90質量%を超えると得られる硬化物の強度が弱くなってしまう。なお、上記光を吸収して発熱する粒子の形状は限定されないが、球状、扁平形状、繊維状等が挙げられる。また、大きさは一概には規定できないが、一般には粒径が大きいほうが伝熱的に有利であり、粒径としては大きいほうが良い。ただし、あまりに大きいと沈降しやすくなる。粒子径については形状についても考慮する必要があり、一概に規定することは出来ないが、球状であればレーザー回折・散乱法の粒子径測定装置で測定した個数基準の平均粒子径D50(メジアン径)が20μm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。20μmよりも大きいと粒子が沈降しやすく、均一な配合物が得られにくい。また、10μmより小さいと粒子間の充填効率が更に良くなり、5μmより小さいと粒子間での熱伝導が更に良くなる。ただし、あまりにも粒子径が小さいとコストが高くなるうえに混合時の粘度も高くなるので好ましくなく、少なくとも1nm以上、好ましくは10nm以上の粒子径であることが望ましい。
なお、光を吸収して発熱する粒子の粒子径は小さいほうが樹脂組成物(インク)の粘度が高くなり印刷し難くなる傾向はあるものの印刷等で微細なパターニング形成を行うためには有利であるため、10nm未満のナノ粒子を使うことも出来る。
ここでいう平均粒子径とは、個数基準の平均粒子径D50(メジアン径)を意味する。
また、上記樹脂組成物は熱により硬化する樹脂成分を含むものであれば特に制限はなく、アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、アリル樹脂、DAP樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられるが、重合反応速度の点でアクリル樹脂を含有するのが好適である。本明細書において「アクリル樹脂」とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の少なくとも一方を分子中に含有するポリマー、オリゴマーのいずれかを含むものを意味する。また、本樹脂系には光重合開始剤を含まず、熱重合開始剤も必ずしも含む必要はない。
アクリル樹脂は金属粒子との密着性がエポキシ樹脂やウレタン樹脂には劣る。そのため重合反応速度の点では不利であるがエポキシ樹脂やウレタン樹脂を使用したほうが金属粒子との密着性の点では好ましい。その場合には光照射強度を強くしたり、回数を多く照射することが必要となるが、それらを減らす目的で、エポキシ樹脂の場合にはイミダゾール化合物やホスフィン化合物、ウレタン樹脂の場合にはスズ化合物のような触媒を添加し、照射強度を弱くしたり回数を減らすことも出来る。また、これらの欠点を解消する目的でエポキシ樹脂中のエポキシ基と(メタ)アクリル酸を反応させた所謂エポキシアクリレート樹脂を使用することができる。エポキシアクリレート樹脂は硬化速度も速く、エポキシ樹脂に近い密着性を持っているので、非常に好ましい樹脂である。「(メタ)アクリル酸」とはアクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
本実施形態にかかる樹脂硬化物の製造方法においては、樹脂組成物が光重合開始剤、例えば光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤等を含有せず、フィラーとして上記光を吸収して発熱する粒子を含有する。このフィラーがパルス光を吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換し(黒体発熱)、発生する熱により樹脂を熱重合して硬化させる。
本明細書中において「パルス光」とは、光照射期間(照射時間)が短時間の光であり、光照射を複数回繰り返す場合は図1に示すように、第一の光照射期間(on)と第二の光照射期間(on)との間に光が照射されない期間(照射間隔(off))を有する光照射を意味する。図1ではパルス光の光強度が一定であるように示しているが、1回の光照射期間(on)内で光強度が変化してもよい。上記パルス光は、キセノンフラッシュランプ等のフラッシュランプを備える光源から照射される。このような光源を使用して、上記基板に印刷された樹脂組成物にパルス光を照射する。n回繰り返し照射する場合は、図1における1サイクル(on+off)をn回反復する。なお、繰り返し照射する場合には、次パルス光照射を行う際に、基板を室温付近まで冷却できるようにするため基板側から冷却することが好ましい。
パルス光の1回の照射時間(on)は、光強度にもよるが、20マイクロ秒から5秒の範囲が好ましい。20マイクロ秒よりも短いと樹脂の重合が進まず、樹脂を硬化させる効果が低くなる。また、5秒よりも長いと光劣化、熱劣化により樹脂や基板へ悪影響を及ぼすことがある。より好ましくは500マイクロ秒から1秒、さらに好ましくは1000マイクロ秒から10ミリ秒である。上記理由により、本実施形態では連続光ではなくパルス光を用いる。パルス光の照射は単発で実施しても効果はあるが、上記の通り繰り返し実施することもできる。繰返し実施する場合照射間隔(off)は20マイクロ秒から5秒、より好ましくは2ミリ秒から2秒の範囲とすることが好ましい。20マイクロ秒よりも短いと、連続光と近くになってしまい一回の照射後に放冷される間も無く照射されるので、樹脂や基板が加熱され温度がかなり高くなってしまう。5秒よりも長いとプロセス時間が長くなるので好ましくない。
本実施形態にかかる樹脂硬化物の製造方法では、パルス光として可視光を使用することにより、紫外線等が透過できない材料の内部まで容易に短時間で硬化させることができる。また、透明基板越しにパルス光を透過させつつ、基板へのパルス光入射面と反対側の面に形成された樹脂組成物の層を硬化させることもできる。
また、本システムの硬化をより適切に行うために、熱重合開始剤を加えることも出来る。このような開始剤として炭素−炭素二重結合により硬化する樹脂の場合には、過酸化物やアゾ系の開始剤、エポキシ樹脂の場合にはイミダゾール系の開始剤、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂の場合にはスズ系の開始剤が挙げられる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
なお、実施例中の粒子径は、メーカー分析値もしくは日機装株式会社製 マイクロトラック粒度分布測定装置 MT3000IIシリーズ USVR(レーザー回折・散乱法)を用いて測定した。
実施例1.
100mlのナス型フラスコに、1,4‐シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(CDMDG)6.40g(0.05当量)、アクリル酸3.60g(0.05mol)、重合禁止剤2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール0.109g(0.5mmol)及びトリフェニルホスフィン0.03g(0.1mmol)を仕込み、空気気流下で、130℃で10時間加熱し、粘稠なエポキシアクリレートを得た。
次に、上記CDMDGのエポキシアクリレートに光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉AgC−14(福田金属箔粉工業製、扁平粉、レーザ回折・散乱法で測定した平均粒子径3.6μm)を、エポキシアクリレート:銀粉=20質量%:80質量%となるように加え、遊星型真空攪拌装置(ARV-310、(株)シンキー製)にて最大攪拌速度2000rpmでよく混合して、インクサンプルを調製した。このサンプルを、基板として東レ(株)社製両面易接着ポリエステルフィルム:ルミラー(登録商標)125U98(厚み125μm)上に、20mm×20mmのベタ状に15μm厚になるようにスクリーン印刷し、試験片とした。
なお、膜厚は直進式ミクロンマイクロメーターOMV 株式会社ミツトヨ製を用いて測定した。
NovaCentrix社製のキセノン照射装置Pulse Forge3300を使用し、1Hzでパルス光を2回照射した。なお、パルス光の照射条件は、光源の駆動電圧300V、照射時間(1回のパルス幅)3300μsec、照射間隔996.7msecであった。この結果、手で触っても、べたつきが無くCDMDGのアクリレートが硬化しタックフリーであることを確認した。また、セルロース連続長繊維不織布であるベンコット(登録商標 旭化成センイ(株)製)に、アセトンを湿らし、拭き取れないことも確認した。
比較例1.
実施例1と同様にして合成したCDMDGのエポキシアクリレートにフィラーを加えず、CDMDGのエポキシアクリレートのみを実施例1と同様にベタ状にスクリーン印刷し、試験片とした。なお、液状樹脂にフィラーを入れずに印刷したので、膜厚は測定できなかった。
実施例1と同様にしてパルス光を1Hzで2回照射した結果、べたつきがひどくCDMDGのエポキシアクリレートは硬化が不十分であった。
比較例2.
CDMDGのエポキシアクリレートの割合を75質量%(銀粉を25質量%)にして、実施例1と同様にベタ状にスクリーン印刷し、試験片とした。なお、フィラー量が少なすぎたために、ベタつきがひどく膜厚は測定できなかった。
実施例1と同様にしてパルス光を1Hzで100回照射した結果、べたつきがひどくCDMDGのエポキシアクリレートは硬化が不十分であった。
これらの比較例では、光を吸収して発熱するフィラーが含まれていない(比較例1)か少なすぎる(比較例2)ために、パルス光を照射しても十分な発熱が得られず、CDMDGのエポキシアクリレートを重合させるほどの熱エネルギーを確保できなかったため、CDMDGのエポキシアクリレートを硬化させることができなかった。
比較例3.
CDMDGのエポキシアクリレートの割合を5質量%(銀粉を95質量%)にして、実施例1と同様に遊星型真空攪拌装置で混合しようとしたが、フィラー量が多すぎてうまく混合することができなかった。また、得られたものも不均一な上に流動性が全くなく、スクリーン印刷を行うことも出来なかった。
実施例2.
CDMDGのエポキシアクリレートに光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉AgC−GS(福田金属箔粉工業製、球状粉、レーザ回折・散乱法で測定した平均粒子径4.2μmを、エポキシアクリレート:銀粉=20質量%:80質量%となるように加え、実施例1と同様にしてよく混合してインクサンプルを調製した。このサンプルを、基板として東レ(株)社製両面易接着ポリエステルフィルム:ルミラー(登録商標)125U98(厚み125μm)上に、20mm×20mmのベタ状に約25μm厚になるようにスクリーン印刷し、試験片とした。
この試験片を実施例1と同様に1Hzでパルス光を10回照射した。光照射した結果、CDMDGのエポキシアクリレートが硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した(拭き取れなかった)。
実施例3.
光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉の代わりに、銅粉1100Y(三井金属鉱業社製、球状粉、レーザ回折・散乱法で測定した平均粒子径1.2μm)を使用した以外は実施例1と同様に試験片を作製し、光照射した結果、CDMDGのエポキシアクリレートが硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
実施例4−6.
ビスフェノール−Aタイプのエポキシアクリレート樹脂(Ripoxy(登録商標)SP−1507、昭和電工(株)製)に、銀粉AgC−239(福田金属、扁平粉、レーザ回折・散乱法で測定した平均粒子径3.0μm)をそれぞれ80、85、90質量%混合し、遊星型真空攪拌装置(ARV−310、(株)シンキー製)にて最大攪拌速度2000rpmでよく混合してサンプルとした。ガラス基板(縦50mm、横10mm、厚み1mm)上へ各サンプルを50μm厚のテープ(Scotch、3M社製)でマスク印刷した。印刷後の導電性フィルムは、5mm×5mm×0.05mmのサイズであった。このガラス基板上のフィルムに、Novacentrix社製PulseForge3300を用いて220V、照射時間1400μsec、照射間隔998.6msec、2.38J/cmでフィルム全体を硬化させるために、1Hzの間隔で100回光照射した。照射後、導電体(導電性フィルム)の抵抗率は、それぞれ、80質量%混合インクで1.85×10−5Ωcm、85質量%混合インクで1.41×10−5Ωcm、90質量%混合インクでは7.54×10−6Ωcmの値を示した。いずれの導電性フィルムの表面もタックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
実施例7.
光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉の代わりに、球状の酸化銅ナノ粉末(Nanotek社製 Nanotek CuO:球状、メーカー分析値:平均粒子径48nm)を50質量%使用した以外は実施例4と同様に試験片を作製し、光照射した結果、ビスフェノール−Aタイプのエポキシアクリレート樹脂が硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
実施例8.
光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉の代わりに、チタン酸バリウムナノ粉末(和光純薬工業 322−43432:メーカー分析値:平均粒子径約100nm)を50質量%使用した以外は実施例4−6と同様に試験片を作製し、1Hzの間隔で300回光照射した。光照射した結果、ビスフェノール−Aタイプのエポキシアクリレート樹脂が硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
実施例9
光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉の代わりに、シリコンカーバイトナノ粉末(Nanomakers社製Fi−NITE(登録商標) メーカー分析値:平均粒子径<100nm)を50質量%使用した以外は実施例4−6と同様に試験片を作製し、1Hzの間隔で300回光照射した結果、ビスフェノール−Aタイプのエポキシアクリレート樹脂が硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
実施例10
光を吸収して発熱するフィラーとして銀粉の代わりに、人造黒鉛微粉末UF−G10(昭和電工(株)製 レーザ回折・散乱法で測定した平均粒子径3.9μm)を30質量%使用した以外は実施例4−6と同様に試験片を作製し、1Hzの間隔で900回光照射した。光照射した結果、ビスフェノール−Aタイプのエポキシアクリレート樹脂が硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
実施例11.
熱硬化性樹脂としてエポキシアクリレート樹脂の代わりに、ビスフェノール系エポキシ樹脂(jER−828三菱化学(株)製)にキュアゾール2MZ−CN(四国化成(株)製イミダゾール系硬化剤)10質量部を混合したものを使用し、銀粉AgC−239、福田金属、扁平粉)を60質量%混合した以外は実施例4−6と同様に試験片を作製し、1Hzの間隔で900回光照射した。光照射した結果、ビスフェノール−系エポキシ樹脂が硬化し、タックフリーであり、アセトン拭き取り試験も合格した。
以上の各実施例及び比較例の結果を表1に示す。
Figure 2015078322
表1に示されるように、30質量%以上90質量%以下含有する樹脂組成物にパルス光を照射することによりタックフリー、すなわち十分硬化した硬化物が得られることがわかる。なお、アセトン拭き取り試験にも合格している。
一方、フィラーを含有しない比較例1では樹脂が硬化しなかった。また、フィラーの含有率が25質量%であった比較例2でも樹脂が硬化せず、95質量%であった比較例3では樹脂とフィラーとの混合ができなかった。

Claims (8)

  1. 金属、金属酸化物、カーボンのいずれかの粒子を30質量%以上90質量%以下含有し、かつ、光重合開始剤を含有しない樹脂組成物にパルス光を照射することを特徴とする樹脂硬化物の製造方法。
  2. 前記粒子の樹脂組成物中の含有量が50質量%以上85質量%以下である、請求項1に記載の樹脂硬化物の製造方法。
  3. 前記金属または金属酸化物を構成する金属が銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、鉄のいずれかである、請求項1または2に記載の樹脂硬化物の製造方法。
  4. 前記樹脂組成物がエポキシアクリレート樹脂を含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂硬化物の製造方法。
  5. 前記パルス光の1パルスの照射期間が1000マイクロ秒から10ミリ秒である請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂硬化物の製造方法。
  6. 金属、金属酸化物またはカーボンの粒子を30質量%以上90質量%以下含有し、かつ、光重合開始剤を含有しないことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  7. 前記金属または金属酸化物を構成する金属が銀、銅、ニッケル、コバルト、クロム、鉄のいずれかである、請求項6に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. エポキシアクリレート樹脂を含有する、請求項6または7に記載の硬化性樹脂組成物。
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