JP2015077892A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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【課題】乗り上げた障害物からのずり落ちに起因するサイドカットに対して良好な耐サイドカット性を示す空気入りタイヤを提供する。【解決手段】サイドウォール部に凹部が形成され、凹部が、タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤ幅方向断面において、カーカスのタイヤ径方向最外端を通ってタイヤ幅方向に延びる第一仮想線からタイヤ径方向内方にカーカス断面高さの0.3倍以下の範囲内に位置することを特徴とする空気入りタイヤである。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特には、縁石等の障害物に乗り上げた際のサイドカットの発生を抑制し得る空気入りタイヤに関するものである。
車両走行時、空気入りタイヤは、そのサイドウォール部が縁石等の障害物と衝突することによりカットされ、所謂サイドカットが生ずることがある。このサイドカットがタイヤのカーカスまで達すると、タイヤのパンク等の故障を引き起こす可能性がある。
そこで、このようなサイドカットの発生を抑制する技術として、空気入りタイヤのサイドウォール部表面に肉厚部を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に示された空気入りタイヤでは、該肉厚部のタイヤ外表面に、特定形状の少なくとも1本の凹溝がタイヤ周方向に沿って設けられており、該肉厚部と該特定形状の凹溝とによって、タイヤのサイドウォール部が、障害物との接触による損傷から保護される。
特開2007−22367号公報
ここで、上記従来技術では、空気入りタイヤのサイドウォール部と障害物とのタイヤ幅方向の衝突によるサイドカットの発生に着目し、サイドウォール部に肉厚部を設けることによりサイドカットの発生を抑制している。
しかし、サイドカットは、空気入りタイヤが縁石等の障害物に乗り上げた後、当該障害物からずり落ちる際にも生じ得る。具体的には、サイドカットは、図5に示すように、空気入りタイヤ1”が縁石等の障害物Cに乗り上げた後、当該障害物Cからずり落ちる際に、屈曲したサイドウォール部3”と障害物Cの角部とが接触することによっても生じ得る。しかしながら、上記従来技術では、このような障害物からのずり落ちに起因するサイドカットの発生については着目しておらず、従来技術に係る空気入りタイヤでは、障害物からのずり落ちに起因するサイドカットについて、未だ十分な耐サイドカット性が得られなかった。
そこで、本発明は、乗り上げた障害物からのずり落ちに起因するサイドカットに対して良好な耐サイドカット性を示す空気入りタイヤを提供することを目的とする。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスを備える空気入りタイヤであって、前記サイドウォール部には、凹部が形成され、前記凹部が、タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤ幅方向断面において、前記カーカスのタイヤ径方向最外端を通ってタイヤ幅方向に延びる第一仮想線からタイヤ径方向内方にカーカス断面高さの0.3倍以下の範囲内に位置することを特徴とする。サイドウォール部の所定範囲内に凹部を形成すれば、乗り上げた障害物からタイヤがずり落ちる際に、サイドウォール部と障害物の角部との接触が低減されるため、良好な耐サイドカット性を示すタイヤが得られる。
なお、本発明において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.) YEAR BOOK等に規定されたリムを指す。また、「所定内圧」とは、適用サイズのタイヤにおけるJATMA等の規格のタイヤ最大負荷能力に対応する内圧(最高空気圧)を指す。更に、「カーカス断面高さ」とは、カーカスのタイヤ径方向最内端からカーカスのタイヤ径方向最外端までのタイヤ径方向に沿う距離を指す。
ここで、前記凹部は、タイヤ幅方向断面において、前記凹部の幅中心線と前記カーカスとの交点Pを通って前記カーカスに直交する仮想垂線と、前記交点Pを通ってタイヤ幅方向に延びる第二仮想線との間に位置することが好ましい。仮想垂線と第二仮想線との間に凹部が位置すれば、乗り上げた障害物からタイヤがずり落ちる際に、サイドウォール部と障害物の角部との接触を更に低減することができる。
また、前記凹部の開口幅は、前記凹部の底幅よりも広いことが好ましい。凹部の開口幅が凹部の底幅よりも広ければ、乗り上げた障害物からタイヤがずり落ちる際に、サイドウォール部と障害物の角部との接触を更に低減することができる。
なお、本発明において、「凹部の開口幅」とは、凹部の開口端縁間の最短距離を指し、「凹部の底幅」とは、凹部の側壁の開口側とは反対側の端縁間の最短距離を指す。
更に、本発明の空気入りタイヤは、前記凹部の開口幅が5mm以上10mm以下であり、前記凹部の底幅が、前記開口幅の1/2以下であることが好ましい。このようにすれば、タイヤの耐久性の確保および凹部での石噛みの防止を達成しつつ、乗り上げた障害物からタイヤがずり落ちる際に、サイドウォール部と障害物の角部との接触を更に低減することができる。
また、前記凹部と前記カーカスとの間の最短距離は、2.5mm以上であることが好ましい。凹部とカーカスとの間の最短距離を2.5mm以上とすれば、凹部の底部にクラックが発生した場合であっても、クラックがカーカスまで伸展するのを抑制することができると共に、空気中の酸素等の透過によりカーカスのプライコードが酸化劣化するのを抑制することができる。
本発明の空気入りタイヤによれば、乗り上げた障害物からのずり落ちに起因するサイドカットの発生を十分に抑制することができる。
本発明に従う空気入りタイヤの一例について、適用リムに組み付け、所定内圧を適用した無負荷状態を示すタイヤ半部のタイヤ幅方向断面図である。 本発明に従う空気入りタイヤの別の例について、適用リムに組み付け、所定内圧を適用した無負荷状態を示すタイヤ半部のタイヤ幅方向断面図である。 空気入りタイヤを装着した車両の、障害物乗り上げ前の状態を示す説明図である。 本発明に従う空気入りタイヤの一例を装着した車両が障害物からずり落ちる際の、空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。 従来の空気入りタイヤを装着した車両が障害物からずり落ちる際の、空気入りタイヤのタイヤ幅方向断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に従う空気入りタイヤの一例について、適用リム(図示せず)に装着して所定の内圧無負荷条件とした状態のタイヤ幅方向断面をタイヤ半部について示す図である。
図1に示す空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、トレッド部2の側部からタイヤ径方向内方に延びる一対のサイドウォール部3(片側のみ図示)と、各サイドウォール部3のタイヤ径方向内方に連なるビード部4(片側のみ図示)とを備えている。
また、空気入りタイヤ1は、一対のビード部4間に延在する2枚のカーカスプライ50a,50bからなるラジアルカーカス5を備えている。そして、ラジアルカーカス5は、トレッド部2から一対のサイドウォール部3を介して一対のビード部4にわたってトロイド状に延び、ビード部4内に埋設された断面略六角形のビードコア6に係止されている。
更に、空気入りタイヤ1のトレッド部2のラジアルカーカス5のタイヤ径方向外側(クラウン部外周側)には、タイヤ周方向に対して所定の角度で配列されたコードをゴム被覆してなる3層のベルト層70a,70b,70cよりなるベルト7が埋設されている。そして、ベルト7のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム10が配設されており、該トレッドゴムの表面(即ち、トレッド部踏面)には、複数本の溝が形成されている。
なお、図1に示す空気入りタイヤの内部構造は一例であり、本発明の空気入りタイヤの内部構造は上述した構造に限定されるものではない。
そして、空気入りタイヤ1では、サイドウォール部3を構成するサイドウォールゴム9の所定範囲内に、タイヤ外表面に開口する凹部8が形成されている。
具体的には、空気入りタイヤ1では、ラジアルカーカス5のタイヤ径方向最外端Aを通ってタイヤ幅方向に延びる第一仮想線VL1からタイヤ径方向内方にカーカス断面高さCHの0.3倍以下の範囲内に、凹部8を有している。なお、凹部8は、その全体が前記範囲内に位置していれば、タイヤ表面のゴムを切り欠いて形成してもよいし、金型を用いて形成してもよい。
ここで、図1に空気入りタイヤ1の破線で囲んだ領域を拡大して示すように、タイヤ幅方向断面視において、凹部8は、側壁81,82が鋭角で交差するV字状をしている。そして、凹部8は、この一例の空気入りタイヤ1では、タイヤ周方向に連続して設けられている。
ところで、上記所定範囲内に凹部を有さない従来の空気入りタイヤでは、図5に示すように、空気入りタイヤ1”が縁石等の障害物Cに乗り上げた後、当該障害物Cからタイヤ幅方向にずり落ちる際に、トレッド部2”とサイドウォール部3”との剛性差に起因して、サイドウォール部3”が障害物Cの角部に接触しやすい。具体的には、従来の空気入りタイヤでは、空気入りタイヤ1”が障害物Cからずり落ちる際に、剛性の高いトレッド部2”は、殆ど変形することなくタイヤ幅方向内側に移動する一方で、トレッド部2”よりも剛性が低くて変形しやすいサイドウォール部3”は、タイヤ幅方向内側に移動したトレッド部2”のタイヤ径方向内側の端部に引っ張られる。その結果、空気入りタイヤ1”が縁石等の障害物Cからタイヤ幅方向にずり落ちる際に、トレッド部2”に引っ張られてタイヤ幅方向内側に移動したサイドウォール部3”が障害物Cの角部に接触しやすくなり、サイドウォール部3”にカットを生じやすかった。
そこで、本発明に従う空気入りタイヤ1では、サイドウォール部3のうち、第一仮想線VL1からのタイヤ径方向に沿う距離がカーカス断面高さCHの0.3倍以下の範囲内に凹部8を形成することにより、サイドウォール部3と障害物Cの角部との接触を抑制している。
具体的には、空気入りタイヤ1では、上記範囲内に凹部8を形成し、凹部8の近傍の剛性を局所的に低下させ、凹部8の近傍における屈曲変形を容易にすることにより、トレッド部2が殆ど屈曲しないまま障害物Cの角部からずり落ちてサイドウォール部3が障害物Cの角部に接触するのを抑制している。即ち、本発明に従う空気入りタイヤ1によれば、図4に示すように、空気入りタイヤ1が縁石等の障害物Cに乗り上げた後、当該障害物Cからタイヤ幅方向にずり落ちる際に、凹部8の近傍においてトレッド部2をサイドウォール部3側に向かって大きく変形させ、サイドウォール部3と障害物Cの角部との間にトレッド部2を入り込ませることができる。そのため、凹部8を形成していない場合と比較して、トレッド部2をサイドウォール部3側(凹部8が形成されている側)に向かって大きく屈曲させて、サイドウォール部3が障害物Cの角部に接触するのを抑制し、サイドカットの発生を低減できる。よって、本発明に従う空気入りタイヤ1によれば、障害物Cからのずり落ちに起因するサイドカットに対して良好な耐サイドカット性を得ることができる。なお、上記範囲外(即ち、第一仮想線VL1よりもタイヤ径方向外側や、第一仮想線VL1からのタイヤ径方向に沿う距離がカーカス断面高さCHの0.3倍超の範囲)に凹部を設けた場合には、トレッド部2を十分に屈曲させることができず、逆にサイドウォール部3の屈曲が大きくなるので、サイドウォール部3が障害物Cの角部に接触するのを抑制することができない(即ち、良好な耐サイドカット性が得られない)。
なお、この空気入りタイヤ1では、例えば、サイドウォール部3に肉厚層や補強層を設ける必要が無いので、タイヤの重量を増加させることなく、良好な耐サイドカット性を得ることができる。また、補強層の配設に起因した補強層端でのクラックの発生なども防止することができる。
ここで、サイドウォール部3が障害物Cの角部に接触するのを更に抑制して耐サイドカット性を向上させる観点からは、凹部8は、第一仮想線VL1からのタイヤ径方向に沿う距離がカーカス断面高さCHの0.1倍以上0.2倍以下の範囲内に位置することが好ましい。即ち、第一仮想線VL1から凹部8のタイヤ径方向内端までのタイヤ径方向に沿う距離は、カーカス断面高さCHの0.1倍以上0.2倍以下であることが好ましい。
また、凹部8は、凹部8の幅中心線CLとラジアルカーカス5の外表面との交点Pを通ってタイヤ幅方向に延びる第二仮想線VL2と、交点Pを通ってラジアルカーカス5に直交する仮想垂線VL3との間に位置することが好ましい。第二仮想線VL2と仮想垂線VL3とで挟まれる領域内に凹部8を形成すれば、凹部8の配設角度を適切な角度とし、障害物Cから空気入りタイヤ1がずり落ちる際にサイドウォール部3と障害物Cの角部との間にトレッド部2を適切に入り込ませて、サイドウォール部3と障害物Cの角部との接触を更に低減することができる。
更に、凹部8の開口幅W1(開口端縁間の最短距離W1)は、凹部8の底幅W2よりも広いことが好ましく、凹部8の幅は、開口側から底側に向かって漸減することが更に好ましい。開口幅W1を底幅W2よりも大きくすれば、トレッド部2を更に大きく変形させることができる。従って、障害物Cから空気入りタイヤ1がずり落ちる際にサイドウォール部3が障害物Cの角部に接触するのを更に抑制して、耐サイドカット性を効率的に向上させることができる。そして、凹部8の幅を開口側から底側に向かって漸減させれば、トレッド部2およびサイドウォール部3を滑らかに変形させ、サイドウォール部3が障害物Cの角部に接触するのを十分に抑制して、耐サイドカット性を効率的に向上させることができる。
なお、図1に示す空気入りタイヤ1では、側壁81と側壁82とが互いに交差しているので、底幅W2はゼロである。
ここで、空気入りタイヤ1の耐久性の確保および凹部8での石噛みの発生防止を達成しつつ耐サイドカット性を効率的に向上させる観点からは、凹部8の開口幅W1は、5mm以上10mm以下とすることが好ましく、凹部8の底幅W2は、開口幅W1の1/2以下とすることが好ましい。開口幅W1を10mm以下とすれば、耐久性の低下および石噛みの発生を抑制することができる。また、開口幅W1を5mm以上とし、底幅W2を開口幅W1の1/2以下とすれば、乗り上げた障害物Cから空気入りタイヤ1がずり落ちる際にサイドウォール部3と障害物Cの角部との間にトレッド部2を適切に入り込ませて、サイドウォール部3と障害物Cの角部との接触を更に低減することができる。
また、凹部8の深さDは、5.0mm以上13.0mm以下であることが好ましい。深さDが5.0mm以上であれば、乗り上げた障害物Cから空気入りタイヤ1がずり落ちる際にサイドウォール部3と障害物Cの角部との間にトレッド部2を適切に入り込ませて、サイドウォール部3と障害物Cの角部との接触を更に低減することができる。また、深さDが13.0mm以下であれば、凹部8を形成した位置で発生したクラックがラジアルカーカス5まで伸展するのを抑制することができると共に、空気中の酸素等の透過によりラジアルカーカス5のプライコードが酸化劣化するのを抑制することができる。その結果、空気入りタイヤ1の耐久性の低下を抑制することができる。
更に、凹部8とラジアルカーカス5との間の最短距離dは、2.5mm以上とすることが好ましい。最短距離dを2.5mm以上とすれば、凹部8を形成した位置で発生したクラックがラジアルカーカス5まで伸展するのを抑制することができると共に、空気中の酸素等の透過によりラジアルカーカス5のプライコードが酸化劣化するのを抑制することができる。その結果、空気入りタイヤ1の耐久性を向上することができる。
また、凹部8の側壁81,82は、交差角が5°以上30°以下であることが好ましい。交差角が5°以上であれば、乗り上げた障害物Cから空気入りタイヤ1がずり落ちる際にサイドウォール部3と障害物Cの角部との間にトレッド部2を適切に入り込ませて、サイドウォール部3と障害物Cの角部との接触を更に低減することができる。また、交差角が30°以下であれば、凹部8の形成により剛性が低下し過ぎるのを抑制して、空気入りタイヤ1の耐久性が低下するのを抑制することができる。
なお、本発明において、凹部の側壁同士が直接交差しない場合には、「交差角」とは、タイヤ幅方向断面視において、側壁の延長線同士が交差する角度(鋭角側)を指すものとする。
そして、空気入りタイヤ1では、凹部8とラジアルカーカス5との間、特に凹部8の底部とラジアルカーカス5との間に、耐カット性や耐オゾン性を有するゴムを配置することが好ましい。空気入りタイヤ1では、凹部8の底部とラジアルカーカス5との間の距離が短くなるところ、耐カット性や耐オゾン性のゴムを配置すれば、クラックの発生などを抑制することができるからである。
なお、耐カット性や耐オゾン性を有するゴムとしては、例えば、JIS K6252に準拠して測定した引張強さEBが21.0MPa以上であり、JIS K6252に準拠して測定した破断伸びTBが655%以上であるゴムが挙げられる。
以上、図面を参照して本発明の空気入りタイヤについて説明したが、本発明の空気入りタイヤは、上記一例に限定されることはなく、本発明の空気入りタイヤには、適宜変更を加えることができる。
具体的には、凹部は、タイヤ周方向に断続的に設けてもよい。
また、装着方向が指定されている空気入りタイヤの場合には、凹部は、空気入りタイヤを車両に取り付けた際に車両の外側となる側のみに設けられていてもよい。縁石等の障害物への乗り上げは、通常、車両の外側で生じるからである。
更に、凹部の形状は、図1に示す形状には限定されず、凹部は、例えば図2に示すような形状や、その他の任意の形状であってもよい。ここで、図2に示す空気入りタイヤ1’は、凹部8’が、側壁81’,82’および幅W2の底面83’により区画形成される台形状である以外は、図1に示す空気入りタイヤ1と同様の構成を有している。そして、空気入りタイヤ1’では、先の空気入りタイヤ1と同様にして耐サイドカット性を向上することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1)
表1に示す諸元で、図2に示すような構成を有する、サイドウォール部に凹部を形成した空気入りタイヤを試作した。なお、タイヤサイズは、275/80R22.5とした。
そして、試作したタイヤについて耐サイドカット性および耐クラック性を以下の方法で評価した。
(従来例1)
表1に示す諸元で、サイドウォール部に凹部を形成していない空気入りタイヤを試作した。なお、タイヤサイズは、275/80R22.5とした。
そして、試作したタイヤについて耐サイドカット性および耐クラック性を以下の方法で評価した。
<耐サイドカット性>
試作したタイヤを適用リム(リム幅:8.25)に装着し、内圧900kPaとして、試験車両(駆動方式:2−D4)の全軸に装着した。そして、高さ170mmの障害物にタイヤを乗り上げさせた後にずり落とす操作を3回繰り返し、発生したサイドカットの深さを測定した。なお、タイヤは、タイヤ幅方向外側から幅40mmの範囲を障害物上に乗り上げさせた。
そして、サイドカットの深さの逆数を取り、従来例1を100として指数評価した。指数は、値が大きいほど耐サイドカット性に優れていることを示す。結果を表1に示す。
<耐クラック性>
試作したタイヤのサイドウォール部を再現したサンプル(擬似サイドウォール部)を、試作タイヤと同じ部材を使用し、試作タイヤのサイドウォール部と同じ寸法で作製した。その後、作製したサンプルに引張(2%の引張歪み、52Hz)を繰り返し与え、クラックが発生するまでの時間を測定した。
そして、比較例1を100として指数評価した。指数は、値が大きいほど耐クラック性に優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2015077892
表1より、所定範囲内に凹部を形成した実施例1〜10の空気入りタイヤでは、耐サイドカット性を向上させ得ることが分かる。また、実施例1,2,4,6,7,9,10の空気入りタイヤは、耐クラック性にも優れていることが分かる。更に、実施例2,4,6,7,9,10の空気入りタイヤでは、耐クラック性の低下を抑制しつつ、耐サイドカット性を十分に向上させ得ることが分かる。
本発明の空気入りタイヤによれば、乗り上げた障害物からのずり落ちに起因するサイドカットの発生を十分に抑制することができる。
1 空気入りタイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ラジアルカーカス、6 ビードコア、7 ベルト、8,8’ 凹部、9 サイドウォールゴム、10 トレッドゴム、50a,50b カーカスプライ、70a,70b,70c ベルト層、81,82,81’,82’ 側壁、83’ 底面、A カーカスのタイヤ径方向最外端、B カーカスのタイヤ径方向最内端、C 障害物(縁石)、P 交点、CL 幅中心線、EQ タイヤ赤道面、VL1 第一仮想線、VL2 第二仮想線、VL3 仮想垂線

Claims (5)

  1. トレッド部から一対のサイドウォール部を介して一対のビード部にわたってトロイド状に延在する少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスを備える空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部には、凹部が形成され、
    前記凹部が、タイヤを適用リムに装着し、所定内圧を適用した無負荷状態のタイヤ幅方向断面において、前記カーカスのタイヤ径方向最外端を通ってタイヤ幅方向に延びる第一仮想線からタイヤ径方向内方にカーカス断面高さの0.3倍以下の範囲内に位置することを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記凹部が、タイヤ幅方向断面において、前記凹部の幅中心線と前記カーカスとの交点Pを通って前記カーカスに直交する仮想垂線と、前記交点Pを通ってタイヤ幅方向に延びる第二仮想線との間に位置すること特徴とする、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記凹部の開口幅が、前記凹部の底幅よりも広いことを特徴とする、請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記凹部の開口幅が5mm以上10mm以下であり、
    前記凹部の底幅が、前記開口幅の1/2以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凹部と前記カーカスとの間の最短距離が2.5mm以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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