JP2015076989A - 保護回路、遅延回路、インバータ装置 - Google Patents

保護回路、遅延回路、インバータ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】上下アームスイッチング素子の短絡を防止できるとともに、制御回路から出力されたオンオフ指令の信号のデッドタイムへの影響がない保護回路の提供。
【解決手段】同時オン保護回路616Uは、インバータ回路のIGBT328U、330Uをそれぞれ駆動するゲート駆動回路610U、611Uに接続されており、IGBT328UおよびIGBT330Uを短絡から保護する。同時オン保護回路616Uは、IGBT328Uに対する上アーム制御信号がオン指令である場合は、IGBT328Uを強制的にオフするための信号をゲート駆動回路610Uに出力し、IGBT330Uに対する下アーム制御信号がオン指令である場合は、IGBT330Uを強制的にオフするための信号をゲート駆動回路611Uに出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インバータ回路の上下アームを短絡から保護する保護回路と、この保護回路において用いられる遅延回路と、この保護回路を用いたインバータ装置とに関する。
半導体スイッチング素子を用いたインバータ装置においては、オン信号とオフ信号とを交互に繰り返すパルス列信号であるPWM信号がPWM回路から上下アーム用の各ゲート駆動回路に出力され、それらの上下アーム用ゲート駆動回路によって上下アーム両スイッチング素子がオンオフされる。
通常、PWM回路は、PWM回路からゲート駆動回路の遅延時間ばらつきによって同時オンが発生するのを防止するため、上下アーム両スイッチング素子のオンのタイミングをずらすようなデッドタイムを設けているが、ノイズ等の悪影響によって同時オン信号が出力されてしまうことがある。同時オン信号が発生すると、電源とグランドが短絡することになり、そのときの大電流によってスイッチング素子が破損するという問題が生じる。
そのため、そのような同時オン信号が発生した場合に備えて、PWM回路とゲート駆動回路との間の信号経路上に同時オン保護回路を設ける構成が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−75622号公報
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、PWM回路とゲート駆動回路との間に同時オン保護回路が設けられているため、PWM回路から出力されたPWM信号は同時オン保護回路を経由して上下アーム用の各ゲート駆動回路に入力される。そのため、ゲート駆動回路から出力される信号のオンオフタイミングは、同時オン信号の発生の有無にかかわらず、絶えず同時オン保護回路の影響を受けることになる。その結果、PWM回路で生成したデッドタイムはPWM信号が同時オン保護回路を経由する際に、同時オン保護回路内における素子の入出力の遅延時間の影響によって、上下アーム間に遅延時間ばらつき差が生じ、スイッチング素子入力時における上下アーム間のデッドタイムが変化するという問題がある。
そのため、PWM回路の出力信号において、あらかじめデッドタイムを広げておく必要があるが、デッドタイムが増加すると、インバータの出力電流波形が歪んでモータの回転むらが大きくなるという問題が生じたり、PWM回路のオン期間の最大値が制限されて最大出力電流振幅を大きく出来ないという問題が生じたりする。
本発明による保護回路は、上アーム用インバータ素子および下アーム用インバータ素子を有するインバータ回路を駆動するゲート駆動回路に接続され、前記上アーム用インバータ素子および前記下アーム用インバータ素子を短絡から保護する。前記ゲート駆動回路は、前記上アーム用インバータ素子に対するオン指令またはオフ指令として入力される上アーム制御信号に基づいて、前記上アーム用インバータ素子のオンオフを制御する上アーム用ゲート駆動回路と、前記下アーム用インバータ素子に対するオン指令またはオフ指令として入力される下アーム制御信号に基づいて、前記下アーム用インバータ素子のオンオフを制御する下アーム用ゲート駆動回路とを有する。前記保護回路は、前記下アーム制御信号がオン指令である場合は、前記上アーム用インバータ素子を強制的にオフするための第1の信号を前記上アーム用ゲート駆動回路に出力し、前記上アーム制御信号がオン指令である場合は、前記下アーム用インバータ素子を強制的にオフするための第2の信号を前記下アーム用ゲート駆動回路に出力する。
本発明による遅延回路は、所定のLレベル電圧およびHレベル電圧が交互に切り替えられる入力信号に対して、前記Lレベル電圧から前記Hレベル電圧への切り替え時、または前記Hレベル電圧から前記Lレベル電圧への切り替え時のいずれか一方については、前記入力信号を遅延させて出力し、他方については前記入力信号を遅延させずに出力する。この遅延回路は、所定の遅延時間に応じた時定数を有するフィルタ回路と、前記フィルタ回路を介して入力された前記入力信号を所定の基準電圧と比較するコンパレータと、前記コンパレータの出力と前記入力信号とに基づいて、出力信号を生成する信号生成回路とを備える。
本発明によるインバータ装置は、上記の保護回路と、上アーム用インバータ素子および下アーム用インバータ素子を有するインバータ回路と、前記インバータ回路を駆動するゲート駆動回路とを備える。
本発明によれば、上下アームスイッチング素子の短絡を防止できるとともに、制御回路から出力されたオンオフ指令の信号のデッドタイムへの影響がない。
本発明の実施形態に係るインバータ装置を搭載したハイブリッド自動車の制御ブロックを示す図である。 インバータ装置の構成を示す図である。 本実施の実施形態に係るインバータ装置におけるドライバ回路の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る同時オン保護回路の回路構成を示す図である。 図4に示した同時オン保護回路の動作を説明するタイミングチャートである。 比較例における同時オン保護回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る同時オン保護回路の回路構成を示す図である。 図7に示した同時オン保護回路の動作を説明するタイミングチャートである。 立上り遅延回路の一構成例を示す図である。 立上り遅延回路の他の一構成例を示す図である。
(インバータ装置の説明)
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。本発明の実施形態に係るインバータ装置は、ハイブリッド用の自動車や純粋な電気自動車に適用可能である。以下では、代表例として、本発明の実施形態に係るインバータ装置をハイブリッド自動車に適用した場合について説明する。本発明の実施形態に係るインバータ装置では、自動車に搭載される車載電機システムの車載用電力変換装置、特に、車両駆動用電機システムに用いられ、搭載環境や動作的環境などが大変厳しい車両駆動用インバータ装置を例に挙げて説明する。
車両駆動用インバータ装置は、車両駆動用電動機の駆動を制御する制御装置として車両駆動用電機システムに備えられ、車載電源を構成する車載バッテリ或いは車載発電装置から供給された直流電力を所定の交流電力に変換し、得られた交流電力を車両駆動用電動機に供給して車両駆動用電動機の駆動を制御する。また、車両駆動用電動機は発電機としての機能も有しているので、車両駆動用インバータ装置は運転モードに応じ、車両駆動用電動機の発生する交流電力を直流電力に変換する機能も有している。変換された直流電力は車載バッテリに供給される。なお、本実施形態の構成は、自動車やトラックなどの車両駆動用電力変換装置として最適である。
図1は、本発明の実施形態に係るインバータ装置を搭載したハイブリッド自動車の制御ブロックを示す図である。図1において、ハイブリッド電気自動車(以下、「HEV」と記述する)110は、2つの車両駆動用システムを備えている。第1の車両駆動用システムは、内燃機関であるエンジン120を動力源としたエンジンシステムであり、主としてHEVの駆動源として用いられる。第2の車両駆動用システムは、モータジェネレータ192,194を動力源とした車載電機システムであり、主としてHEVの駆動源及びHEVの電力発生源として用いられる。
モータジェネレータ192,194は例えば同期機あるいは誘導機であり、運転方法によりモータとしても発電機としても動作するので、ここではモータジェネレータと記すこととする。車体のフロント部には前輪車軸114が回転可能に軸支されている。前輪車軸114の両端には1対の前輪112が設けられている。車体のリア部には後輪車軸(図示省略)が回転可能に軸支されている。後輪車軸の両端には1対の後輪が設けられている。本実施形態のHEVでは、動力によって駆動される主輪を前輪112とし、連れ回される従輪を後輪とする、いわゆる前輪駆動方式を採用しているが、この逆、すなわち後輪駆動方式を採用しても構わない。
前輪車軸114の中央部には前輪側デファレンシャルギア116が設けられている。前輪車軸114は前輪側デファレンシャルギア116の出力側に機械的に接続されている。前輪側デファレンシャルギア116の入力側には変速機118の出力軸が機械的に接続されている。前輪側デファレンシャルギア116は、変速機118によって変速されて伝達された回転駆動力を左右の前輪車軸114に分配する差動式動力分配機構である。
変速機118の入力側にはモータジェネレータ192の出力側が機械的に接続されている。モータジェネレータ192の入力側には動力分配機構122を介してエンジン120の出力側及びモータジェネレータ194の出力側が機械的に接続されている。尚、モータジェネレータ192,194及び動力分配機構122は、変速機118の筐体の内部に収納されている。
モータジェネレータ192,194は、回転子に永久磁石を備えた同期機であり、固定子の電機子巻線に供給される交流電力が電力変換装置200のインバータ装置140,142によって制御されることにより、モータジェネレータ192,194の駆動が制御される。インバータ装置140,142にはバッテリ136が電気的に接続されており、バッテリ136とインバータ装置140,142との相互において電力の授受が可能である。本実施形態では、モータジェネレータ192及びインバータ装置140からなる第1電動発電ユニットと、モータジェネレータ194及びインバータ装置142からなる第2電動発電ユニットとの2つを備え、運転状態に応じてそれらを使い分けている。
すなわち、エンジン120からの動力によって車両を駆動している場合において、車両の駆動トルクをアシストする場合には、第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力によって作動させて発電させ、その発電によって得られた電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させる。また、同様の場合において、車両の車速をアシストする場合には、第1電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力によって作動させて発電させ、その発電によって得られた電力によって第2電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させる。
また、本実施形態では、バッテリ136の電力によって第1電動発電ユニットを電動ユニットとして作動させることにより、モータジェネレータ192の動力のみによって車両の駆動ができる。さらに、本実施形態では、第1電動発電ユニット又は第2電動発電ユニットを発電ユニットとしてエンジン120の動力或いは車輪からの動力によって作動させて発電させることにより、バッテリ136の充電ができる。
バッテリ136はさらに補機用のモータ195を駆動するための電源としても使用される。補機としては例えばエアコンディショナーのコンプレッサを駆動するモータ、あるいは制御用の油圧ポンプを駆動するモータであり、バッテリ136からインバータ装置43に直流電力が供給され、インバータ装置43で交流の電力に変換されてモータ195に供給される。
インバータ装置43はインバータ装置140や142と同様の機能を持ち、モータ195に供給する交流の位相や周波数、電力を制御する。例えばモータ195の回転子の回転に対し進み位相の交流電力を供給することにより、モータ195はトルクを発生する。一方、遅れ位相の交流電力を発生することで、モータ195は発電機として作用し、モータ195は回生制動状態の運転となる。
このようなインバータ装置43の制御機能は、インバータ装置140,142の制御機能と同様である。モータ195の容量がモータジェネレータ192,194の容量より小さいので、インバータ装置43の最大変換電力がインバータ装置140や142より小さいが、インバータ装置43の回路構成は基本的にインバータ装置140,142の回路構成と同じである。
インバータ装置140,142およびインバータ装置43さらにコンデンサモジュール500は電気的に密接な関係にある。さらに発熱に対する対策が必要な点が共通している。また装置の体積をできるだけ小さく作ることが望まれている。これらの点から以下で詳述する電力変換装置は、インバータ装置140,142およびインバータ装置43さらにコンデンサモジュール500を電力変換装置の筐体内に内蔵している。
このような構成により、小型で信頼性の高い装置が実現できる。また、インバータ装置140,142、インバータ装置43およびコンデンサモジュール500を一つの筐体に内蔵することで、配線の簡素化やノイズ対策で効果がある。さらに、コンデンサモジュール500とインバータ装置140,142およびインバータ装置43との接続回路のインダクタンスを低減でき、スパイク電圧を低減できると共に、発熱の低減や放熱効率の向上を図ることができる。
次に、図2を用いてインバータ装置140,142およびインバータ装置43の電気回路構成を説明する。尚、図1,2に示す実施形態では、インバータ装置140,142およびインバータ装置43をそれぞれ個別に構成する場合を例に挙げて説明する。各インバータ装置140,142およびインバータ装置43は同様の構成で同様の作用を為し、同様の機能を有しているので、以下では、代表例としてインバータ装置140について説明する。
本実施形態に係る電力変換装置200は、インバータ装置140とコンデンサモジュール500とを備え、インバータ装置140はインバータ回路144と制御部170とを有している。制御部170はインバータ回路144を駆動制御するドライバ回路174と、ドライバ回路174へ信号線176を介して制御信号を供給する制御回路172と、を有している。
インバータ回路144は3相ブリッジ回路により構成されており、3相分の上下アーム直列回路150を有している。各上下アーム直列回路150は、それぞれ直流正極端子314と直流負極端子316の間に電気的に並列に接続されている。直流正極端子314はバッテリ136の正極側と電気的に接続され、直流負極端子316は、バッテリ136の負極側に電気的に接続されている。
上下アーム直列回路150は、上アームとして動作するIGBT328(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)及びダイオード156と、下アームとして動作するIGBT330及びダイオード166とを備えている。それぞれの上下アーム直列回路150の中点部分(中間電極169)は、交流端子159を通してモータジェネレータ192への交流電力線(交流バスバー)186と接続されている。
上アームと下アームのIGBT328,330は、スイッチング用パワー半導体素子であり、制御部170から出力された駆動信号を受けて動作し、バッテリ136から供給された直流電力を三相交流電力に変換する。これにより、IGBT328,330は、インバータ素子としてそれぞれ動作する。この変換された電力はモータジェネレータ192の電機子巻線に供給される。
IGBT328,330は、コレクタ電極153,163、エミッタ電極(信号用エミッタ電極端子155,165)、ゲート電極(ゲート電極端子154,164)を備えている。IGBT328,330のコレクタ電極153,163とエミッタ電極との間にはダイオード156,166が図示するように電気的に接続されている。ダイオード156,166は、カソード電極及びアノード電極の2つの電極を備えており、IGBT328,330のエミッタ電極からコレクタ電極に向かう方向が順方向となるように、カソード電極がIGBT328,330のコレクタ電極に、アノード電極がIGBT328,330のエミッタ電極にそれぞれ電気的に接続されている。
インバータ素子としてはMOSFET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ)を用いてもよい、この場合はダイオード156やダイオード166は不要となる。上述したように、上下アーム直列回路150は、モータジェネレータ192の電機子巻線の各相巻線に対応して3相分設けられている。3つの上下アーム直列回路150は、各アームの中点部分(すなわち、それぞれIGBT328のエミッタ電極とIGBT330のコレクタ電極163との接続部分)にあたる中間電極169は、交流端子159および交流コネクタ188を介して、モータジェネレータ192の電機子巻線の対応する相巻線に電気的に接続されている。
上下アーム直列回路150同士は電気的に並列接続されている。上アームのIGBT328のコレクタ電極153は、正極端子(P端子)157を介してコンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極に直流バスバーを介して電気的に接続されている。一方、下アームのIGBT330のエミッタ電極は、負極端子(N端子)158を介してコンデンサモジュール500の負極側コンデンサ電極に直流バスバーを介して電気的に接続されている。
コンデンサモジュール500は、IGBT328,330のスイッチング動作によって生じる直流電圧の変動を抑制する平滑回路を構成している。コンデンサモジュール500の正極側コンデンサ電極にはバッテリ136の正極側が、コンデンサモジュール500の負極側コンデンサ電極にはバッテリ136の負極側が、それぞれ直流コネクタ138を介して電気的に接続されている。これにより、コンデンサモジュール500は、上アームIGBT328のコレクタ電極153とバッテリ136の正極側との間と、下アームIGBT330のエミッタ電極とバッテリ136の負極側との間で接続され、バッテリ136と上下アーム直列回路150に対して電気的に並列接続される。
制御部170は、制御回路172とドライバ回路174とを備えている。制御回路172は、他の制御装置やセンサなどからの入力情報に基づいて、IGBT328,330のスイッチングタイミングを制御するためのタイミング信号を生成する。ドライバ回路174は、制御回路172から出力されたタイミング信号に基づいて、IGBT328,330をスイッチング動作させるためのドライブ信号を生成する。
制御回路172は、IGBT328,330のスイッチングタイミングを演算処理するためのマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」と記述する)を備えている。マイコンには入力情報として、モータジェネレータ192に対して要求される目標トルク値、上下アーム直列回路150からモータジェネレータ192の電機子巻線に供給される電流値、及びモータジェネレータ192の回転子の磁極位置が入力される。目標トルク値は、不図示の上位の制御装置から出力された指令信号に基づくものである。電流値は、電流センサ180から出力された検出信号182に基づいて検出されたものである。磁極位置は、モータジェネレータ192に設けられた回転磁極センサ(不図示)から出力された検出信号に基づいて検出されたものである。本実施形態では3相の電流値を検出する場合を例に挙げて説明するが、2相分の電流値を検出するようにしても構わない。
制御回路172内のマイコンは、目標トルク値に基づいてモータジェネレータ192のd,q軸の電流指令値を演算する。そして、この演算されたd,q軸の電流指令値と検出されたd,q軸の電流値との差分に基づいてd,q軸の電圧指令値を演算し、さらに、算出されたd,q軸の電圧指令値を、検出された磁極位置に基づいてU相、V相、W相の電圧指令値に変換する。さらに、制御回路172内のマイコンは、U相、V相、W相の電圧指令値に基づく基本波(正弦波)と搬送波(三角波)との比較に基づいてパルス状の変調波を生成し、この生成された変調波をPWM(パルス幅変調)信号としてドライバ回路174に出力する。
一方、ドライバ回路174は、下アームを駆動する場合には、PWM信号を増幅し、これをドライブ信号として下アームのIGBT330のゲート電極に出力する。一方、上アームを駆動する場合には、PWM信号の基準電位のレベルを上アームの基準電位のレベルにシフトしてからPWM信号を増幅し、これをドライブ信号として上アームのIGBT328のゲート電極に出力する。これにより、各IGBT328,330は、入力されたドライブ信号に基づいてスイッチング動作する。
また、制御部170は、異常検知(過電流、過電圧、過温度など)を行うことで上下アーム直列回路150を保護している。このため、制御部170にはセンシング情報が入力されている。例えば、各アームの信号用エミッタ電極端子155,165からは各IGBT328,330のエミッタ電極に流れる電流の情報が、対応する駆動部(IC)に入力されている。これにより、各駆動部(IC)は過電流検知を行い、過電流が検知された場合には対応するIGBT328,330のスイッチング動作を停止させ、対応するIGBT328,330を過電流から保護する。
また、上下アーム直列回路150に設けられた温度センサ(不図示)からは、上下アーム直列回路150の温度の情報がマイコンに入力されている。さらに、マイコンには上下アーム直列回路150の直流正極側の電圧の情報が入力されている。マイコンは、それらの情報に基づいて過温度検知及び過電圧検知を行い、過温度或いは過電圧が検知された場合には全てのIGBT328,330のスイッチング動作を停止させる。そうすることで、上下アーム直列回路150(引いては、この回路150を含む半導体モジュール)を過温度或いは過電圧から保護する。
インバータ回路144に設けられた上下アームのIGBT328,330は、それらの導通および遮断動作が一定の順で切り替わる。この切り替わり時におけるモータジェネレータ192の固定子巻線の電流は、ダイオード156,166によって作られる回路を流れる。
上下アーム直列回路150は、図示するように、Positive端子(P端子、正極端子)157、Negative端子(N端子、負極端子)158、上下アームの中間電極169からの交流端子159、上アームの信号用端子(信号用エミッタ電極端子)155、上アームのゲート電極端子154、下アームの信号用端子(信号用エミッタ電極端子)165、下アームのゲート端子電極164、を備えている。
また、電力変換装置200は、入力側に直流コネクタ138を、出力側に交流コネクタ188をそれぞれ有し、各コネクタ138,188を通してバッテリ136とモータジェネレータ192にそれぞれ接続されている。なお、電力変換装置200として、各相に2つの上下アーム直列回路を並列接続する回路構成であってもよい。
図3は、本実施の実施形態に係るインバータ装置におけるドライバ回路174の構成を示す図である。ドライバ回路174は、上述したスイッチング素子(インバータ素子)としてのIGBT328U,328V,328W,330U,330V,330Wを駆動するためのゲート駆動回路610U,610V,610W,611U,611V,611Wと、制御回路172から出力されたPWM信号に基づいて、IGBT328U,328V,328W,330U,330V,330Wを短絡から保護する同時オン保護回路616U,616V,616Wとを備えている。
ここで、同時オン保護回路616Uはゲート駆動回路610U,611U、同時オン保護回路616Vはゲート駆動回路610V,611V、同時オン保護回路616Wはゲート駆動回路610W,611Wのように、上下アーム620,621に対してそれぞれ出力されるPWM信号のペアに対応している。同時オン保護回路616Uは、制御回路172とゲート駆動回路610U,611Uとの間にそれぞれ設けられた入力抵抗134,135と並列に接続されている。他の同時オン保護回路616V,616Wについても同様の配置となっている。
図3に示した回路構成では、スイッチング素子(インバータ素子)であるIGBT328U〜330Wが出力する電流を電流センサ180が検出し、設定値と検出した電流値との偏差を零にするPWM(パルス幅変調)演算を制御回路172に行わせる。そして、制御回路172からゲート駆動回路610U〜611Wへ、オン信号とオフ信号とを交互に繰り返すPWM信号(パルス信号)が出力される。なお、ゲート駆動回路610U〜611Wは負論理のため、オン信号が論理「L」レベル、オフ信号が論理「H」レベルとなる。すなわち、上アーム用のゲート駆動回路610U、610Vおよび610Wには、上アーム制御信号として、オン指令に対応する所定のLレベル電圧(たとえば0V)またはオフ指令に対応する所定のHレベル電圧(たとえば5V)がそれぞれ入力される。同様に、下アーム用のゲート駆動回路611U、611Vおよび611Wにも、下アーム制御信号として、オン指令に対応する所定のLレベル電圧(たとえば0V)またはオフ指令に対応する所定のHレベル電圧(たとえば5V)がそれぞれ入力される。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態に係る同時オン保護回路616U,616Vおよび616Wについて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る同時オン保護回路616Uの回路構成を示す図である。図4では、U相の同時オン保護回路616Uの回路構成と共に、ゲート駆動回路610U,611Uの構成についても図示している。なお、V相およびW相の構成についても同様であるため、以下では、図4に示したU相の構成を代表例として説明する。
上アーム側のゲート駆動回路610Uは、カプラ205およびドライバ回路206によって構成されている。制御回路172から上アーム用の信号端子401に入力されたPWM信号(上アーム制御信号)は、入力抵抗134およびカプラ205を介して、ゲート駆動回路610Uのドライバ回路206に入力される。ドライバ回路206は、上アームのIGBT328Uのゲート電極に接続されており、入力された信号に基づいてIGBT328Uのオンオフを制御する。以下では、信号端子401に入力された信号をUPin、ゲート駆動回路610Uの入力側における点402での信号をUPin0、ゲート駆動回路610Uの出力側(IGBT328Uの入力側)における点403での信号をUPGとそれぞれ表す。また、IGBT328Uに流れる電流(符号209参照)をIcUPと表す。
下アーム側のゲート駆動回路611Uは、カプラ215およびドライバ回路216によって構成されている。制御回路172から下アーム用の信号端子411に入力されたPWM信号(下アーム制御信号)は、入力抵抗135およびカプラ215を介して、ゲート駆動回路611Uのドライバ回路216に入力される。ドライバ回路216は、下アームのIGBT330Uのゲート電極に接続されており、入力された信号に基づいてIGBT330Uのオンオフを制御する。以下では、信号端子411に入力された信号をUNin、ゲート駆動回路611Uの入力側における点412での信号をUNin0、ゲート駆動回路611Uの出力側(IGBT330Uの入力側)における点413での信号をUNGとそれぞれ表す。また、IGBT330Uに流れる電流(符号219参照)をIcUNと表す。
同時オン保護回路616Uは、スイッチング素子であるP型FET503および513によって構成されている。上アーム側に設けられたP型FET503は、ゲート電極が下アーム用の信号端子411に接続されており、ソース電極が電源電圧Vccに接続されており、ドレイン電極がゲート駆動回路610Uの入力側に接続されている。下アーム側に設けられたP型FET513は、ゲート電極が上アーム用の信号端子401に接続されており、ソース電極が電源電圧Vccに接続されており、ドレイン電極がゲート駆動回路611Uの入力側に接続されている。
(同時オン保護回路の動作)
上アーム用の信号端子401には、信号UPinとして、制御回路172からのPWM信号(上アーム制御信号)が入力される。一方、下アーム用の信号端子411には、信号UNin として、制御回路172からのPWM信号(下アーム制御信号)が入力される。これらの信号は負論理であって、「L」レベルがアクティブ、すなわちIGBT328U,330Uのオンに対応している。
上アーム用の信号端子401に入力された信号UPinが「H」レベルである場合、下アーム側のP型FET513はオフ状態である。そのため、下アーム用の信号端子411に入力された信号UNinは、そのまま信号UNin0としてゲート駆動回路611Uに入力される。同様に、下アーム用の信号端子411に入力された信号UNinが「H」レベルである場合、上アーム側のP型FET503はオフ状態である。そのため、上アーム用の信号端子401に入力された信号UPinは、そのまま信号UPin0としてゲート駆動回路610Uに入力される。
ここで、上アーム用の信号端子401に入力された信号UPinが「H」レベルから「L」レベルになると、下アーム側のP型FET513がオン状態となり、電源電圧Vccがゲート駆動回路611Uの入力側に印加される。そのため、電源電圧Vccが「H」レベルに対応するものである場合、下アーム用の信号端子411に入力された信号UNinに関わらず、「H」レベル相当の電源電圧Vccが信号UNin0としてゲート駆動回路611Uに入力される。同様に、下アーム用の信号端子411に入力された信号UNinが「H」レベルから「L」レベルになると、上アーム側のP型FET503がオン状態となり、電源電圧Vccがゲート駆動回路611Uの入力側に印加される。そのため、上アーム用の信号端子401に入力された信号UPinに関わらず、「H」レベル相当の電源電圧Vccが信号UPin0としてゲート駆動回路610Uに入力される。
以上説明したような動作により、本実施形態に係る同時オン保護回路616Uは、上アーム用の信号端子401に入力される信号UPinがオン指令に対応する「L」レベルである場合には、下アームのIGBT330Uを強制的にオフするために、下アーム用のゲート駆動回路611Uに対して、オフ指令に対応する「H」レベルの電圧を常に信号UNin0として出力する。また、下アーム用の信号端子411に入力される信号UNinがオン指令に対応する「L」レベルである場合には、上アームのIGBT328Uを強制的にオフするために、上アーム用のゲート駆動回路610Uに対して、オフ指令に対応する「H」レベルの電圧を常に信号UPin0として出力する。これにより、信号UPin、UNinが同時に「L」レベルとなった場合であっても、ゲート駆動回路610U、611Uに入力される信号UPin0、UNin0が同時に「L」レベルとなるのを防止して、両アームのIGBT328Uおよび330Uが同時にオンされて短絡されるのを防止することができる。
(タイミングチャート)
図5は、図4に示した同時オン保護回路616Uの動作を説明するタイミングチャートである。
なお、図5では、同時オン信号が発生した場合の例を示している。すなわち、上アーム用の信号端子401に入力される信号UPinが「L」レベルであるときに、時刻t0において、下アーム用の信号端子411に入力される信号UNinが「H」レベルから「L」レベルに変化する。その後、時刻t1において、信号UPinが「L」レベルから「H」レベルに変化する。このように、時刻t0からt1までの期間301では、信号UPin、UNinはいずれも「L」レベルとなっている。そのため、同時オン保護回路616Uが無い場合には、上下アームのIBGT328U,330Uが同時にオンとなってしまう。
時刻t0以前では、信号UNinは「H」レベルであるため、上アーム側のP型FET503はオフ状態となっている。そのため、上アーム用のゲート駆動回路610Uに入力される信号UPin0は、信号UNinと同じ「L」レベルである。したがってこの場合、ゲート駆動回路610Uからは信号UPGとして、IGBT328Uをオン状態とするのに必要なゲート電圧が出力される。このときIGBT328Uには、電流IcUPとして所定の電流が流れる。
一方、信号UPinは「L」レベルであるため、下アーム側のP型FET513はオン状態となっている。また、信号UNinは「H」レベルである。そのため、下アーム用のゲート駆動回路611Uに入力される信号UNin0は、「H」レベルである。したがってこの場合、ゲート駆動回路611Uからは信号UNGとして、IGBT330Uがオフ状態となるゲート電圧が出力される。このときIGBT330Uに流れる電流IcUNは0である。
時刻t0において、信号UNinが「H」レベルから「L」レベルに変化すると、上アーム側のP型FET503がオフ状態からオン状態に切り替えられ、電源電圧Vccがゲート駆動回路610Uの入力側に印加される。そのため、上アーム用のゲート駆動回路610Uに入力される信号UPin0は、「L」レベルから「H」レベルに変化する。すると、これに応じてゲート駆動回路610Uから出力される信号UPGが下がり始め、そこから所定のターンオフ時間302を経過した後に、電流IcUPが下がり始める。
一方、信号UPinは「L」レベルのままであるため、下アーム側のP型FET513は時刻t0においてもオン状態となっている。そのため、信号UNinが「H」レベルから「L」レベルに変化したにも関わらず、下アーム用のゲート駆動回路611Uに入力される信号UNin0は「H」レベルに維持される。したがってこの場合、ゲート駆動回路611Uから出力される信号UNGは変化せず、IGBT330Uに流れる電流IcUNは0のままである。
時刻t1において、信号UPinが「L」レベルから「H」レベルに変化すると、下アーム側のP型FET513がオン状態からオフ状態に切り替えられ、ゲート駆動回路611Uの入力側に対する電源電圧Vccの印加が解除される。そのため、下アーム用のゲート駆動回路611Uに入力される信号UNin0は、「H」レベルから信号UNinと同じ「L」レベルに変化する。すると、これに応じてゲート駆動回路611Uから出力される信号UNGが上がり始め、そこから所定のターンオン時間303を経過した後に、時刻t2において電流IcUNが上がり始める。
このように、本発明の第1の実施形態に係る同時オン保護回路616Uは、下アーム制御信号がオン指令である場合は、P型FET503により、上アーム用のインバータ素子であるIGBT328Uを強制的にオフするための信号として、上アーム制御信号に関わらず、オフ指令に対応するHレベルの電圧を上アーム用のゲート駆動回路610Uに出力する。また、上アーム制御信号がオン指令である場合は、P型FET513により、下アーム用のインバータ素子であるIGBT330Uを強制的にオフするための信号として、下アーム制御信号に関わらず、オフ指令に対応するHレベルの電圧を下アーム用のゲート駆動回路611Uに出力する。これにより、同時オン信号が発生した場合であっても、上下アームのIBGT328U,330Uが同時にオンとなって短絡されてしまうのを防止している。
さらに、上アーム制御信号または下アーム制御信号の一方がオン指令である場合に、他方もオン指令、すなわち同時オン信号が発生していなければ、同時オン保護回路616Uの影響を受けることなく、上アーム制御信号または下アーム制御信号をそのまま通過させるようにしている。そのため、上アーム制御信号と下アーム制御信号の間に設定されたデッドタイムは、同時オン保護回路616Uによって影響を受けることがない。そのため、インバータ出力電流の波形歪が低減でき、モータの回転むらが小さく、出力電流振幅の大きいインバータを提供することができる。
(比較例)
次に、本発明との比較例について説明する。図6は、本発明との比較例として、従来と同様の構成を採用した場合の同時オン保護回路616Uの回路構成を示したものである。この同時オン保護回路616Uは、図4に示した本発明の第1の実施形態によるものと比較して、P型FET503、513がPNP型トランジスタ203、213にそれぞれ置き換えられている点と、このPNP型トランジスタ203および213のベース端子と信号端子401、411との間にOR回路220が設けられている点が異なっている。
同時オン保護回路616Uは、図6のような回路構成の比較例でも、第1の実施形態で説明したのと同様の動作を行うことができる。しかし、図6に示す比較例の場合は、図4では不要であったOR回路220を設ける必要となる。すなわち、本発明の第1の実施形態では、図4に示したような回路構成を採用することで、従来と比べて部品コストの低減が可能となる。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)同時オン保護回路616Uは、上アーム用インバータ素子であるIGBT328Uおよび下アーム用インバータ素子であるIGBT330Uを有するインバータ回路144を駆動するゲート駆動回路610U、611Uに接続されており、IGBT328UおよびIGBT330Uを短絡から保護する。上アーム用のゲート駆動回路610Uは、IGBT328Uに対するオン指令またはオフ指令として入力される上アーム制御信号である信号UPinに基づいて、IGBT328Uのオンオフを制御する。下アーム用のゲート駆動回路611Uは、IGBT330Uに対するオン指令またはオフ指令として入力される下アーム制御信号である信号UNinに基づいて、IGBT330Uのオンオフを制御する。同時オン保護回路616Uは、信号UNinがオン指令である場合は、IGBT328Uを強制的にオフするための信号をゲート駆動回路610Uに出力し、信号UPinがオン指令である場合は、IGBT330Uを強制的にオフするための信号をゲート駆動回路611Uに出力する。このようにしたので、上下アームスイッチング素子であるIGBT328U、330Uの短絡を防止できるとともに、制御回路172から出力されたオンオフ指令の信号のデッドタイムへの影響がない。
(2)同時オン保護回路616Uにおいて、上アームに対応するスイッチング素子であるP型FET503は、信号UNinがオン指令である場合に、信号UPinに関わらず、オフ指令に対応する所定の電圧をゲート駆動回路610Uに出力する。また、下アームに対応するスイッチング素子であるP型FET513は、信号UPinがオン指令である場合に、信号UNinに関わらず、上記電圧をゲート駆動回路611Uに出力する。このようにしたので、同時オン信号が発生した場合にIGBT328U、330Uの短絡を防止できる回路を、低コストで容易に実現することができる。
(3)ゲート駆動回路610Uおよび611Uには、信号UPinおよび信号UNinとして、オン指令に対応する所定のLレベル電圧またはオフ指令に対応する所定のHレベル電圧がそれぞれ入力される。同時オン保護回路616Uにおいて上アームと下アームにそれぞれ対応するスイッチング素子は、Lレベル電圧が入力されるとHレベル電圧を出力するP型FET503および513を用いてそれぞれ構成される。このようにしたので、負論理で動作するゲート駆動回路610Uおよび611Uに対して、同時オン信号が発生した場合にIGBT328U、330Uの短絡を防止することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る同時オン保護回路616U,616Vおよび616Wについて説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る同時オン保護回路616Uの回路構成を示す図である。図6でも図4と同様に、U相の同時オン保護回路616Uの回路構成と共に、ゲート駆動回路610U,611Uの構成についても図示している。なお、V相およびW相の構成についても同様であるため、以下では、図6に示したU相の構成を代表例として説明する。
図7に示した第2の実施形態に係る同時オン保護回路616Uは、図4に示した第1の実施形態によるものと比較して、立上り遅延回路502および512をさらに有する点が異なっている。立上り遅延回路502は、下アーム用の信号端子411に入力された信号UNinが「L」レベルから「H」レベルに変化した際に、これに応じて上アーム側のP型FET503がオン状態からオフ状態に切り替えられるタイミングを所定の遅延時間tdeadだけ遅延させるための回路であり、信号端子411とP型FET503のゲート電極との間に設けられている。立上り遅延回路512は、上アーム用の信号端子401に入力された信号UPinが「L」レベルから「H」レベルに変化した際に、これに応じて下アーム側のP型FET513がオン状態からオフ状態に切り替えられるタイミングを所定の遅延時間tdeadだけ遅延させるための回路であり、信号端子401とP型FET513のゲート電極との間に設けられている。
信号端子411に入力された信号UNinが「L」レベルから「H」レベルに変化すると、立上り遅延回路502からの出力信号は、遅延時間tdeadを経過した後に「L」レベルから「H」レベルに変化する。これにより、P型FET503がオン状態からオフ状態に切り替えられるタイミングを遅延時間tdeadだけ遅延させる。同様に、信号端子401に入力された信号UPinが「L」レベルから「H」レベルに変化すると、立上り遅延回路512からの出力信号は、遅延時間tdeadを経過した後に「L」レベルから「H」レベルに変化する。これにより、P型FET513がオン状態からオフ状態に切り替えられるタイミングを遅延時間tdeadだけ遅延させる。なお、信号UNinや信号UPinが「H」レベルから「L」レベルに変化した場合、立上り遅延回路502、512からの出力信号は、遅延せずに直ちに「H」レベルから「L」レベルに変化する。
以上説明したような動作により、本実施形態に係る同時オン保護回路616Uは、下アーム制御信号としての信号UNinまたは上アーム制御信号としての信号UPinがオン指令に対応する「L」レベルからオフ指令に対応する「H」レベルに切り替えられた場合に、その切り替え時点から所定の遅延時間tdeadが経過するまで、反対側のアームに対して設けられたP型FET503または513をオン状態のまま維持する。これにより、両アームの同時オンを防止するために反対側アームのIGBT328Uまたは330Uを強制的にオフするための信号を、P型FET503または513からゲート駆動回路610Uまたは611Uに対して出力し続けることができる。
(タイミングチャート)
図8は、図7に示した同時オン保護回路616Uの動作を説明するタイミングチャートである。図8でも、前述の第1の実施形態における図5のタイミングチャートと同様に、時刻t0からt1までの期間301において同時オン信号が発生した場合の例を示している。
図8において、時刻t1以前では、図5のタイミングチャートと同様である。すなわち、時刻t0以前では、上アーム用のゲート駆動回路610Uに入力される信号UPin0は、信号UPinと同じ「L」レベルである。したがってこの場合、ゲート駆動回路610Uからは信号UPGとして、IGBT328Uをオン状態とするのに必要なゲート電圧が出力される。このときIGBT328Uには、電流IcUPとして所定の電流が流れる。一方、下アーム用のゲート駆動回路611Uに入力される信号UNin0は、信号UNinと同じ「H」レベルである。したがってこの場合、ゲート駆動回路611Uからは信号UNGとして、IGBT330Uがオフ状態となるゲート電圧が出力される。このときIGBT330Uに流れる電流IcUNは0である。
また、時刻t0において、信号UNinが「H」レベルから「L」レベルに変化すると、立上り遅延回路502からの出力信号は、遅延せずに「H」レベルから「L」レベルに変化する。そのため、上アーム側のP型FET503が直ちにオフ状態からオン状態に切り替えられ、電源電圧Vccがゲート駆動回路610Uの入力側に印加される。その結果、ゲート駆動回路610Uに入力される信号UPin0が「L」レベルから「H」レベルに変化し、これに応じてゲート駆動回路610Uから出力される信号UPGが下がり始めると共に、そこから所定のターンオフ時間302を経過した後に、電流IcUPが下がり始める。
時刻t1において、信号UPinが「L」レベルから「H」レベルに変化すると、立上り遅延回路502からの出力信号は、遅延時間tdeadを経過した後に「L」レベルから「H」レベルに変化する。これに応じて、下アーム側のP型FET513がオン状態からオフ状態に切り替えられ、ゲート駆動回路611Uの入力側に対する電源電圧Vccの印加が解除される。そのため、下アーム用のゲート駆動回路611Uに入力される信号UNin0は、時刻t1から符号304に示す遅延時間tdeadを経過した時刻t3において、「H」レベルから信号UNinと同じ「L」レベルに変化する。すると、これに応じてゲート駆動回路611Uから出力される信号UNGが上がり始め、そこから所定のターンオン時間303を経過した後に、時刻t4において電流IcUNが上がり始める。
ここで、同時オン信号の入力期間301が短い場合について、図5に示した第1の実施形態におけるタイミングチャートと、図8に示した第2の実施形態におけるタイミングチャートとの違いを説明する。IGBT328U、330Uでは、オフ状態からオン状態に切り替えられて電流が流れるまでには、符号303に示したように所定のターンオン時間がかかる。また、オン状態からオフ状態に切り替えられて電流が遮断されるまでには、符号302に示したように所定のターンオフ時間がかかる。そのため、同時オン信号の入力期間301とターンオン時間303を合計した期間(時刻t0からt2までの期間)がターンオフ時間302よりも短い場合、すなわち、(同時オン期間301)<{(ターンオフ時間302)−(ターンオン時間303)}である場合は、図5に示したように、上アームのIGBT328Uに電流IcUPが流れる期間と、下アームのIGBT330Uに電流IcUNが流れる期間との間に、重複する部分が生じる。この重複期間は、上下アームが短絡状態となってしまう期間を表している。このように、第1の実施形態では、同時オン期間が短い場合に、上下アームのIBGT328U,330Uが短絡状態となるのを防止できないことがある。
一方、図8に示したタイミングチャートでは、時刻t1において信号UPinが「L」レベルから「H」レベルに変化すると、そこから符号304に示す遅延時間tdeadを経過するまでの間は信号UNin0が「H」レベルに維持され、遅延時間tdead経過後の時刻t3において、「L」レベルに変化する。したがって、上アームのIGBT328Uに電流IcUPが流れる期間と、下アームのIGBT330Uに電流IcUNが流れる期間とが重複するのを防止することができる。このように、第2の実施形態では、同時オン期間が短い場合であっても、上下アームのIBGT328U,330Uが短絡状態となるのを十分に防止することができる。
なお、同時オン期間の長さに関わらず、上下アームのIBGT328U,330Uが短絡状態となるのを確実に防止するためには、図8のタイミングチャートにおいて、同時オン期間301の長さを0とした場合であっても、IGBT328Uに流れる電流IcUPが遮断された後でIGBT330Uに電流IcUNが流れ始めるようにすればよい。具体的には、(遅延時間tdead)>{(ターンオフ時間302)−(ターンオン時間303)}の関係を満たすように遅延時間tdeadを設定する。すなわち、ターンオフ時間302からターンオン時間303を引いた値よりも大きくなるように、遅延時間tdeadの値を設定する。これにより、上下アームのIBGT328U,330Uが短絡状態となるのを確実に防止することができる。
なお、上記の説明において、図5、8に示したターンオフ時間302やターンオン時間303は、IBGT328U,330Uでのターンオフやターンオンに要する時間に加えて、ゲート駆動回路601U,611Uでのターンオフやターンオンに要する時間を含むものである。すなわち、ターンオフ時間302やターンオン時間303は、上アーム制御信号としての信号UPinまたは下アーム制御信号としての信号UNinに応じて、上アーム用のインバータ素子であるIBGT328Uまたは下アーム用のインバータ素子であるIGBT330Uがそれぞれオンからオフに、またはオフからオンになるまでの時間を表している。
(立上り遅延回路の構成例1)
図9は、立上り遅延回路502の一構成例を示す図である。なお、立上り遅延回路502と立上り遅延回路512は同じ構成を有しているため、以下では、図9に示した立上り遅延回路502の構成を代表例として説明する。
立上り遅延回路502は、下アーム用の信号端子411から信号UNinを入力するための入力端子705と、上アーム側のP型FET503への信号を出力するための出力端子716とを有する。立上り遅延回路502は、抵抗710および容量711により構成されたフィルタ回路と、コンパレータ720と、AND回路715と、フィルタ回路の容量711に蓄積された電荷を放電するためのリセット回路によって主に構成されている。
コンパレータ720の正側入力端子717には、基準Vrefをつくるための分圧回路を構成する抵抗702および703と、分圧回路の出力を安定化するための容量704と、ヒステリシスをつくるための抵抗713に接続されている。コンパレータ720の負側入力端子718には、上記のフィルタ回路が接続されている。コンパレータ720の出力端子には、プルアップ用の抵抗712と、コンパレータ720からの出力信号719を反転するためのインバータ回路714が接続されている。
フィルタ回路は、抵抗710の抵抗値Rdと容量711の容量値Cdによって規定される時定数を有している。この時定数は、前述の遅延時間tdeadの設定値に応じて定められる。リセット回路は、インバータ回路706と、N型FET708と、N型FET708のゲート電圧をプルダウンするための抵抗707と、N型FET708のドレイン出力に直列に接続された抵抗709によって構成されている。
入力端子705は、フィルタ回路を構成する抵抗710の一方の端子と、AND回路715の下側の入力端子と、リセット回路を構成するインバータ回路706の入力端子とに接続されている。抵抗710のもう一方の端子は、容量711の一方の端子に接続されている。さらにこの端子は、コンパレータ720の負側入力端子718にも接続されている。容量711のもう一方の端子は、グランドに接地される。
分圧回路の抵抗702および703は、電源電圧701とグランドの間に直列に接続されている。これらの抵抗の間がコンパレータ720の正側入力端子717に接続されることで、分割回路は電源電圧701から基準電圧Vrefを生成し、コンパレータ720に供給している。容量704は、コンパレータ720の正側入力端子717とグランドの間に接続され、コンパレータ720の正側入力端子717を安定化する。
抵抗713は、コンパレータ720の正側入力端子717と出力端子719の間に接続されることで、入力ヒステリシスを作っている。つまり、電源電圧701の電圧値をVcc、抵抗702および703の抵抗値をそれぞれRaおよびRb、抵抗713の抵抗値をRcとすると、コンパレータ720の出力が「H」レベルである場合にコンパレータ720の正側入力端子717に入力される基準電圧Vrefは、以下の式(1)で表される。
Vcc x Rb/(Rb+Ra//Rc) ・・・(1)
一方、コンパレータ720の出力が「L」レベルである場合にコンパレータ720の正側入力端子717に入力される基準電圧Vrefは、以下の式(2)で表される。
Vcc x (Rb//Rc)/(Rb//Rc+Ra) ・・・(2)
なお、上記の式(1)および(2)において、記号「//」は並列抵抗値を表している。すなわち、式(1)のRa//Rcは、抵抗702と抵抗713の並列抵抗値を表している。また、式(2)のRb//Rcは、抵抗703と抵抗713の並列抵抗値を表している。
抵抗710の抵抗値をRd、容量711の容量値をCdとすると、フィルタ回路の時定数はRd x Cdで表される。つまり、入力端子705の電圧が「L」レベルから「H」レベルに遷移したとき、フィルタ回路からコンパレータ720の負側入力端子718に入力される電圧Vdは、フィルタ回路の時定数Rd x Cdの経過後に、Vcc x (1-exp(-1))に達する。そのため、前述の式(1)で表されるコンパレータ720の出力が「H」レベルである場合の基準電圧Vrefを、Vcc x (1-exp(-1))と等しくなるように設定しておくと、時定数Rd x Cdを経過したときにコンパレータ720の出力を反転させることができる。このようにして、フィルタ回路の時定数Rd x Cdに応じて立上り遅延回路502の遅延時間tdeadを決定する事ができる。
抵抗712は、コンパレータ720の出力端子719と電源電圧701の間に接続されており、コンパレータ720の出力719を電源電圧701にプルアップしている。インバータ回路714には、コンパレータ720からの出力信号が入力され、その反転信号がAND回路715の上側の入力端子に入力される。なお、インバータ回路714の動作電源は、電源電圧Vccである。
AND回路715からの出力信号は、立上り遅延回路502の出力として出力端子716から出力される。また、インバータ回路706の出力は、N型FET708のゲート端子に接続される。インバータ回路706の電源電圧はVccである。N型FET708のドレイン端子は抵抗709の一方の端子に接続されており、N型FET708のソース端子はグランドに接地されている。抵抗707は、インバータ回路706の出力がハイインピーダンスになった場合にN型FET708のゲート端子をフローティングにせずグランドにプルダウンするためのものであり、N型FET708のゲート端子とグランドの間に接続されている。抵抗709のもう一方の端子は、容量711(コンパレータ720の負側入力端子718)に接続されている。抵抗709の抵抗値Rsは比較的小さく、数Ω〜数10Ω程度である。
(立上り遅延回路の動作)
図9に示した回路構成による立上り遅延回路502は、以下のような動作を行う。
まず、入力端子705に立上り信号、すなわち「L」レベルから「H」レベルに変化する信号が入ってきた場合を考える。この場合、信号入力前の入力端子705の電圧は「L」レベルなので、AND回路715の下側の入力端子には「L」レベルの電圧が入力されている。したがって、この時点では、AND回路715からの出力電圧、すなわち出力端子716から上アーム側のP型FET503への出力信号は、「L」レベルとなっている。
入力端子705の電圧が「L」レベルから「H」レベルに変化すると、AND回路715の下側の入力端子の電圧が「H」レベルに変化する。しかしこの時点では、フィルタ回路からコンパレータ720の負側入力端子718への入力電圧Vdは、まだ0Vである。そのため、コンパレータ720の出力端子719におけるコンパレータ出力Compは「H」レベルとなっており、インバータ回路714からAND回路715の上側の入力端子に入力される電圧は「L」レベルである。そのため、AND回路715の出力は、この時点では「L」レベルのままである。
入力端子705の電圧が「H」レベルになると、抵抗710と容量711で構成されるフィルタ回路のRC時定数に応じて、フィルタ回路からコンパレータ720の負側入力端子718に入力される電圧Vdは徐々に上昇していく。そして、時定数Rd x Cdを経過することで、入力電圧Vdが基準電圧Vrefと等しいVcc x (1-exp(-1))に達すると、コンパレータ720の出力端子719におけるコンパレータ出力Compが「H」レベルから「L」レベルに変化する。これにより、インバータ回路714からAND回路715の上側の入力端子に入力される電圧が、「L」レベルから「H」レベルに変化する。
ここで、AND回路715の下側の入力端子の電圧は前述のように「H」レベルであるため、AND回路715からの出力電圧、すなわち出力端子716から上アーム側のP型FET503への出力信号は、「L」レベルから「H」レベルに切り替えられる。このようにして、入力端子705に立上り信号が入力されると、その時点から時定数Rd x Cdを遅延した後に、出力端子716に立上り信号が出力される。
続いて、入力端子705に立下り信号、すなわち「H」レベルから「L」レベルに変化する信号が入ってきた場合を考える。この場合、AND回路715からの出力電圧、すなわち出力端子716から上アーム側のP型FET503への出力信号は、上記のような回路動作を経て「H」レベルとなっている。
入力端子705の電圧が「H」レベルから「L」レベルに変化すると、AND回路715の下側の入力端子の電圧が「L」レベルに変化する。したがって、この瞬間にAND回路715の出力が「L」レベルに変化し、出力端子716から上アーム側のP型FET503への出力信号が「H」レベルから「L」レベルに切り替えられる。このようにして、入力端子705に立下がり信号が入力されると、そのまま即時に出力端子716に立下がり信号が出力される。
なお、入力端子705の電圧が上記のようにして「L」レベルになったとき、インバータ回路706から「H」レベルが出力されることで、N型FET708のゲート端子の電圧が「H」レベルとなり、N型FET708がオン状態となる。そうすると、フィルタ回路の容量711に蓄えられていた電荷は、抵抗709およびN型FET708を通ってグランドに放電される。これにより、容量711の電圧Vdは0Vにリセットされる。ここで、抵抗709は、上記放電が急激になるのを回避するため設けられているものである。これにより、放電時の電圧Vdの急激な変化を防いで、コンパレータ720の負側入力端子718から正側入力端子717へのカップリングによってコンパレータ720の基準電圧Vrefにノイズが発生するのを回避することができる。
(立上り遅延回路の構成例2)
図10は、立上り遅延回路502の他の一構成例を示す図である。なお、図10でも図9と同様に、立上り遅延回路502と立上り遅延回路512は同じ構成を有しているため、以下では、図10に示した立上り遅延回路502の構成を代表例として説明する。
図10において、図9に示した回路構成との違いは、図9のAND回路715をエッジトリガ型のSRフリップフロップ回路801で置き換えている点である。このフリップフロップ回路801は、反転セット端子(/S端子)が入力端子705に接続され、リセット端子(R端子)がインバータ回路714の出力側に接続され、反転出力端子(/Q端子)が出力端子716に接続されている。
(立上り遅延回路の動作)
図10に示した回路構成による立上り遅延回路502は、以下のような動作を行う。
まず、入力端子705に立下り信号、すなわち「H」レベルから「L」レベルに変化する信号が入ってきた場合を考える。この場合、入力端子705の電圧が「H」レベルから「L」レベルに変化すると、フリップフロップ回路801の反転セット端子に立下りエッジが入力される。これにより、フリップフロップ回路801の反転出力端子からの出力信号は「L」レベルとなる。したがって、この時点では、出力端子716から上アーム側のP型FET503への出力信号は「L」レベルとなる。
なお、このとき前述のようにフィルタ回路の容量711に蓄えられていた電荷が放電されることで、コンパレータ720の負側入力端子718への入力電圧が0Vになり、コンパレータ720の出力端子719におけるコンパレータ出力Compは「H」レベルとなる。これにより、インバータ回路714からの出力が「L」レベルとなり、フリップフロップ回路801のリセット端子に立下りエッジが入力されるが、フリップフロップ回路801からの出力は変化せずに「L」レベルのままである。
続いて、入力端子705に立上り信号、すなわち「L」レベルから「H」レベルに変化する信号が入ってきた場合を考える。この場合、入力端子705の電圧が「L」レベルから「H」レベルに変化すると、フリップフロップ回路801の反転セット端子に立上りエッジが入力されるが、フリップフロップ回路801からの出力は変化せずに「L」レベルのままである。これにより、フリップフロップ回路801の反転出力端子からの出力信号は「L」レベルとなる。したがって、この時点では、出力端子716から上アーム側のP型FET503への出力信号は「L」レベルのままである。
一方、入力端子705の電圧が「H」レベルになると、図9で説明したのと同様に、時定数Rd x Cdを経過して、フィルタ回路からコンパレータ720の負側入力端子718に入力される入力電圧Vdが基準電圧Vrefと等しいVcc x (1-exp(-1))に達すると、コンパレータ720の出力端子719におけるコンパレータ出力Compが「H」レベルから「L」レベルに変化する。これにより、インバータ回路714からの出力が「H」レベルとなり、フリップフロップ回路801のリセット端子に立上りエッジが入力されることで、反転出力端子からの出力信号が「L」レベルから「H」レベルに変化する。このようにして、入力端子705に立上り信号が入力されると、その時点から時定数Rd x Cdを遅延した後に、出力端子716に立上り信号が出力される。
ここで、図9に示した回路構成による立上り遅延回路502では、入力端子705に立下り信号が入力された場合に、その立下り信号がインバータ回路714を経てAND回路715に出力されるまでには、インバータ回路706、N型FET708、容量711の放電、コンパレータ720、およびインバータ回路714の各要素における遅延の総和分の信号遅延時間(Ttotalと表す)がかかることになる。そのため、入力される信号のパルス幅が極めて狭く、上記の信号遅延時間Ttotalより短いような場合には、AND回路715の上側の入力端子の電圧が「L」レベルに変化する前の「H」レベルの状態で、AND回路715の下側の入力端子の電圧が「L」レベルから「H」レベルに戻ってしまうことがある。このような場合、立上り遅延回路502からの出力は、立上り信号が遅延されずにそのまま出力されてしまうことになる。このように、図9の回路構成では、パルス幅が短い場合に遅延なしで「H」レベルの信号を出力してしまう、短パルスのすり抜け現象が起こる可能性がある。
一方、図10に示した回路構成によれば、エッジトリガ型のSRフリップフロップ回路801を用いることで、入力信号のレベルではなく、立上りエッジや立下りエッジに応じて出力を変化させるようにしている。すなわち、入力される信号のパルス幅が短く、インバータ回路714の出力が立ち下がる前に入力信号が立ち上がった場合であっても、フリップフロップ回路801は、インバータ回路714が遅延させた立上り信号を出力するまでは出力を変化させない。そのため、上記のような短パルスのすり抜け現象を防止することができる。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した作用効果に加えて、さらに以下の作用効果を奏する。
(1)同時オン保護回路616Uは、下アーム制御信号である信号UNinまたは上アーム制御信号である信号UPinがオン指令からオフ指令に切り替えられた場合に、その切り替え時点から所定の遅延時間tdeadが経過するまで、IGBT328Uを強制的にオフするための信号またはIGBT330Uを強制的にオフするための信号を出力し続ける。このようにしたので、同時オン期間が短い場合であっても、上下アームのIBGT328Uおよび330Uが短絡状態となるのを防止することができる。
(2)遅延時間tdeadは、信号UPinまたは信号UNinに応じてIGBT328UまたはIGBT330Uがそれぞれオンからオフになるまでのターンオフ時間から、IGBT328UまたはIGBT330Uがそれぞれオフからオンになるまでのターンオン時間を引いた値よりも大きく設定される。このようにしたので、同時オン期間の長さに関わらず、上下アームのIBGT328Uおよび330Uが短絡状態となるのを確実に防止することができる。
(3)同時オン保護回路616Uは、信号UNinがオン指令からオフ指令に切り替えられた場合に、IGBT328Uを強制的にオフするための信号を遅延させる立上り遅延回路502と、信号UPinがオン指令からオフ指令に切り替えられた場合に、IGBT330Uを強制的にオフするための信号を遅延させる立上り遅延回路512とを備える。このようにしたので、上下アームのIBGT328Uおよび330Uについて、これらを強制的にオフするための信号をそれぞれ確実に遅延させることができる。
(4)立上り遅延回路502および512は、図9または10に示したような回路構成により、遅延時間tdeadに応じた時定数を有する抵抗710および容量711によって構成されるフィルタ回路と、このフィルタ回路を介して入力された信号UNinまたは信号UPinを所定の基準電圧Vrefと比較するコンパレータ720と、コンパレータ720の出力と入力端子705に入力された信号UNinまたは信号UPinとに基づいて、出力信号を切り替えるための切替信号を生成する信号生成回路とをそれぞれ有する。この信号生成回路は、図9に示したようなAND回路715または図10に示したようなエッジトリガ型のフリップフロップ回路801である。このような回路構成を採用することで、上記のような動作を行う立上り遅延回路502および512を実現することができる。
(5)立上り遅延回路502および512は、フィルタ回路の容量711に蓄積された電荷を放電することでフィルタ回路の状態をリセットするリセット回路として、インバータ回路706、N型FET708、抵抗707および抵抗709をさらにそれぞれ有する。このようにしたので、信号UNinおよび信号UPinにおいてオン指令とオフ指令とが繰り返される場合にも、これらの信号がオン指令からオフ指令に切り替えられる度に、IGBT328U、330Uをそれぞれ強制的にオフするための信号を遅延させて出力することができる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
172:制御回路、174:ドライバ回路:200:電力変換装置、328U〜328W,330U〜330W:IGBT、502,512:立上り遅延回路、503,513:P型FET、610U〜610W,611U〜611W:ゲート駆動回路、616U〜616W:同時オン保護回路

Claims (13)

  1. 上アーム用インバータ素子および下アーム用インバータ素子を有するインバータ回路を駆動するゲート駆動回路に接続され、前記上アーム用インバータ素子および前記下アーム用インバータ素子を短絡から保護する保護回路であって、
    前記ゲート駆動回路は、前記上アーム用インバータ素子に対するオン指令またはオフ指令として入力される上アーム制御信号に基づいて、前記上アーム用インバータ素子のオンオフを制御する上アーム用ゲート駆動回路と、前記下アーム用インバータ素子に対するオン指令またはオフ指令として入力される下アーム制御信号に基づいて、前記下アーム用インバータ素子のオンオフを制御する下アーム用ゲート駆動回路とを有し、
    前記保護回路は、前記下アーム制御信号がオン指令である場合は、前記上アーム用インバータ素子を強制的にオフするための第1の信号を前記上アーム用ゲート駆動回路に出力し、前記上アーム制御信号がオン指令である場合は、前記下アーム用インバータ素子を強制的にオフするための第2の信号を前記下アーム用ゲート駆動回路に出力することを特徴とする保護回路。
  2. 請求項1に記載の保護回路において、
    前記下アーム制御信号がオン指令である場合に、前記上アーム制御信号に関わらず、オフ指令に対応する所定の電圧を前記第1の信号として前記上アーム用ゲート駆動回路に出力する第1のスイッチング素子と、
    前記上アーム制御信号がオン指令である場合に、前記下アーム制御信号に関わらず、前記所定の電圧を前記第2の信号として前記下アーム用ゲート駆動回路に出力する第2のスイッチング素子とを備えることを特徴とする保護回路。
  3. 請求項2に記載の保護回路において、
    前記上アーム用ゲート駆動回路および前記下アーム用ゲート駆動回路には、前記上アーム制御信号および前記下アーム制御信号として、オン指令に対応する所定のLレベル電圧またはオフ指令に対応する所定のHレベル電圧がそれぞれ入力され、
    前記第1のスイッチング素子は、前記Hレベル電圧を有する高電位側電源端子と前記上アーム用ゲート駆動回路の入力端子の間に接続され、
    前記第2のスイッチング素子は、前記Hレベル電圧を有する高電位側電源端子と前記下アーム用ゲート駆動回路の入力端子の間に接続され、
    前記第1のスイッチング素子および前記第2のスイッチング素子は、前記Lレベル電圧が入力されるとオン状態となって前記Hレベル電圧を出力するP型FETを用いてそれぞれ構成されることを特徴とする保護回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の保護回路において、
    前記下アーム制御信号または前記上アーム制御信号がオン指令からオフ指令に切り替えられた場合に、前記下アーム制御信号または前記上アーム制御信号の切り替え時点から所定の遅延時間が経過するまで、前記第1の信号または前記第2の信号を出力し続けることを特徴とする保護回路。
  5. 請求項4に記載の保護回路において、
    前記遅延時間は、前記上アーム制御信号または前記下アーム制御信号に応じて前記上アーム用インバータ素子または前記下アーム用インバータ素子がそれぞれオンからオフになるまでのターンオフ時間から、オフからオンになるまでのターンオン時間を引いた値よりも大きいことを特徴する保護回路。
  6. 請求項4または5に記載の保護回路において、
    前記下アーム制御信号がオン指令からオフ指令に切り替えられた場合に、前記第1の信号を遅延させる第1の遅延回路と、
    前記上アーム制御信号がオン指令からオフ指令に切り替えられた場合に、前記第2の信号を遅延させる第2の遅延回路とを備えることを特徴とする保護回路。
  7. 請求項6に記載の保護回路において、
    前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路は、
    前記遅延時間に応じた時定数を有するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路を介して入力された前記下アーム制御信号または前記上アーム制御信号を所定の基準電圧と比較するコンパレータと、
    前記コンパレータの出力と前記下アーム制御信号または前記上アーム制御信号とに基づいて、前記第1の信号または前記第2の信号の出力を切り替えるための切替信号を生成する信号生成回路とをそれぞれ有することを特徴とする保護回路。
  8. 請求項7に記載の保護回路において、
    前記信号生成回路は、AND回路またはエッジトリガ型のフリップフロップ回路であることを特徴とする保護回路。
  9. 請求項7または8に記載の保護回路において、
    前記第1の遅延回路および前記第2の遅延回路は、前記フィルタ回路の状態をリセットするリセット回路をさらにそれぞれ有することを特徴とする保護回路。
  10. 所定のLレベル電圧およびHレベル電圧が交互に切り替えられる入力信号に対して、前記Lレベル電圧から前記Hレベル電圧への切り替え時、または前記Hレベル電圧から前記Lレベル電圧への切り替え時のいずれか一方については、前記入力信号を遅延させて出力し、他方については前記入力信号を遅延させずに出力する遅延回路であって、
    所定の遅延時間に応じた時定数を有するフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路を介して入力された前記入力信号を所定の基準電圧と比較するコンパレータと、
    前記コンパレータの出力と前記入力信号とに基づいて、出力信号を生成する信号生成回路とを備えることを特徴とする遅延回路。
  11. 請求項10に記載の遅延回路において、
    前記信号生成回路は、AND回路またはエッジトリガ型のフリップフロップ回路であることを特徴とする遅延回路。
  12. 請求項10または11に記載の遅延回路において、
    前記フィルタ回路の状態をリセットするリセット回路をさらに備えることを特徴とする遅延回路。
  13. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の保護回路と、
    上アーム用インバータ素子および下アーム用インバータ素子を有するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を駆動するゲート駆動回路とを備えることを特徴とするインバータ装置。
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