JP3889325B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動装置に関し、特に、電気ノイズを低減したモータ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のモータ駆動装置は、車両に搭載される電動パワーステアリング装置、4輪操舵の後輪操舵用装置、自動操舵装置、パワーウィンドウ装置等に用いられており、これらの装置のモータの駆動をバッテリの一定電圧で行い、モータに流す電流を変化させるための一手段としてPWM(パルス幅変調)駆動で行うものである。例えば、電動パワーステアリング装置は、パワーユニットにより直流モータのトルク制御をPWM信号に従って直接チョッピング制御することにより制御される装置である。そのパワーユニットは、文献(HONDA R&D Technical Review Vol.3,1991,p.76)に記載されているように、図7で示すH型ブリッジ回路100、プリドライブ回路101、電流検出回路102、メイン/フェールセーフリレー103,104、倍電圧回路105、5V電源106から構成されている。
【0003】
H型ブリッジ回路100は4つのFET(電界効果トランジスタ)107,108,109,110をH型に接続し、それぞれについてON/OFFを組み合わせることで、モータの正転、逆転等を、PWM制御により行うものである。プリドライブ回路101は、コントロールユニット111より送られてくるPWM信号をFETゲート信号に変換する回路である。電流検出回路102は、出力回路を流れる電流値を検出し、コントロールユニット111の読み込み可能な電圧レベルに増幅する回路である。メイン/フェールセーフリレー103,104は、コントロールユニット111によるシステム動作のセルフチェックで、正常判断時のみバッテリライン112およびモータライン113の通電を行う。倍電圧回路105は、バッテリ電圧の2倍相当の電圧を作り、電流検出回路102およびプリドライブ回路101に供給する回路である。5V電源106は、プリドライブ回路101用の電源である。
【0004】
このような構成のパワーユニットのうちのH型ブリッジ回路100と、そのH型ブリッジ回路100に接続された図示しないコンデンサとモータ114を備えたものによってモータ駆動装置が構成される。
【0005】
図8は、従来のモータ駆動装置の回路図である。モータ駆動装置120は、FET107とFET108とFET109とFET110が配線されH型ブリッジ回路100を構成し、H型ブリッジ回路100の端子121と端子122によりモータ123が接続されている。また、H型ブリッジ回路100と並列にコンデンサ124が接続され、電源125が接続されている。FET107,108,109,110のゲート−ソース間にはツェナーダイオード126,127,128,129,130,131を入れてある。さらに、抵抗132,133,134,135,136,137,138を接続してある。
【0006】
FET107,108,109,110は、モータ123への印加電圧を高速にON/OFFを行うチョッピング電圧を印加するためのものであり、PWM信号をゲートにかけることにより、FET107,108,109,110を高速にON/OFFし、モータ123にチョッピング電圧を印加することが可能となる。
【0007】
モータ123は、電動パワーステアリング装置においては、操舵のアシスト力としての発生トルクを利用するために用いている。
【0008】
コンデンサ124は、PWM信号によるスイッチング制御のように変化の速い電流を電源から流そうとするときの、配線が長い場合にその間の配線によるインダクタンスにより電流がそのスイッチング時間に追随して供給することができず、それを解消するための補助電源として用いている。また、このコンデンサ124は、大電流チョッピングでの配線のインダクタンスによるサージ電圧の電圧性のスイッチングノイズとPWMによる電源ラインの電流変動による電流性のノイズを抑えるためのものである。
【0009】
ツェナーダイオード126,127,128,129,130,131は、FET107,108,109,110のゲートへの過大電圧入力に対する保護として入れられたものである。
【0010】
抵抗132,133,135,137は、ゲート回路の電流を素子仕様範囲内に抑え、スイッチング時間を短くするように定数設定がなされたものである。
【0011】
このようなモータ駆動装置120では、スイッチングにより出力の制御がなされていることが多く、電気的ノイズが多く発生する。
【0012】
図9は、従来のモータ駆動装置120での代表的なスイッチングノイズを示すものであり、モータ123のPWM電圧の波形を示した図である。横軸は、時間を示し、矢印で示す間隔が200nsであり、縦軸は、モータ電圧を示す。図9のD1で示すように、スイッチング時の立ち上がりに電圧振動が生じていることが分かる。
【0013】
PWM信号は、本来、時間が変化するのみで電圧は変動しないものである。しかしながら、図9に示すように、現実には電流が変化するため電圧は変動する。従って、電源電圧の変動がPWM信号による駆動電圧で生ずればラジオノイズとなって発生する。
【0014】
このような、ノイズは、次の原因によって生ずると考えられる。モータ電流は回生から電源側に切り換わる時点で、電源用のコンデンサ124から流れ込み、その後にバッテリ125からの電流と合成されて流れる。そのため、コンデンサ124の電流が急激に変動し配線による電流系のインダクタンスと共振を生じる。この時に生じる振動電圧が図9のD1で示した変化であると考えられる。その振動電圧の波高値は、負荷電流によって異なり、ラジオノイズの要因となる。
【0015】
そこで、これらの電気的ノイズを低減するために、従来はFETのスイッチング波形の立ち上がりを遅くすることにより、コンデンサ124の電流の急激な変動を抑え、配線のインダクタンスとの共振を抑えることで、ノイズの低減を行っていた。そのために、FET107,108,109,110のゲートの前の抵抗132,133,135,137の抵抗値を大きくし、回路の時定数を大きくすることにより、FET107,108,109,110のゲート電圧の時間変化を緩慢にして、モータ123に流れる電流の変化を急激なものではなく、変化の遅いものとしていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスイッチング波形を緩慢にする方法では、スイッチング時間領域での電力の使用効率が低下し、FET107,108,109,110の発熱を生じてしまう。そのため、FET107,108,109,110を冷却するための放熱器を大きなものとしなければならず、あるいは、連続の使用時間を減少する必要があるなどの問題点がある。
【0017】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、スイッチング波形を緩慢にすることなく、スイッチング素子の発熱を抑えてノイズを低減することができるモータ駆動装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るモータ駆動装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0019】
第1のモータ駆動装置(請求項1に対応)は、PWM信号によってモータの正転、逆転を駆動制御する複数のスイッチング素子が接続されたブリッジ回路と、ブリッジ回路に接続されたコンデンサとモータとを備えたモータ駆動装置において、スイッチング素子とコンデンサとが接続された回路配線がリング状の磁性体コアのリング内を挿通するように磁性体コアを設けたことで特徴づけられる。
【0020】
第1のモータ駆動装置によれば、PWM信号によってモータの正転、逆転を駆動制御する複数のスイッチング素子が接続されたブリッジ回路と、ブリッジ回路に接続されたコンデンサとモータとを備えたモータ駆動装置において、スイッチング素子とコンデンサとが接続された回路配線がリング状の磁性体コアのリング内を通るように磁性体コアを設けたため、回生から電源電流に切り換わる時点の電源用コンデンサから流れ込む電流の急激な変化が抑えられ、インダクタンスによる電圧発生と共振が抑えられ、この電圧と共振による電気ノイズを減少させたモータ駆動装置を得ることができる。また、リング状の磁性体コアであるため、回路上に備え付けることが容易である。
【0021】
第2のモータ駆動装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは磁性体コアはフェライトコアであることで特徴づけられる。
【0022】
第3のモータ駆動装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは磁性体コアをブリッジ回路とコンデンサを接続する配線上に設けたことで特徴づけられる。
【0023】
第3のモータ駆動装置によれば、磁性体コアをブリッジ回路とコンデンサを接続する配線上に設けたため、回生から電源電流に切り換わる時点の電源用コンデンサから流れ込む電流の急激な変化が抑えられ、インダクタンスによる電圧発生と共振が抑えられ、この電圧と共振による電気ノイズを減少させたモータ駆動装置を得ることができる。また、磁性体コアをコンデンサの接続端子用のリード線上に設ければ、容易に磁性体コアをコンデンサに取り付けることができる。
【0024】
第4のモータ駆動装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは電源がブリッジ回路と並列に高電位側および低電位側で接続されており、コンデンサを備えるラインがブリッジ回路と並列に接続されており、電源、コンデンサ、ブリッジ回路が並列かつ閉回路で構成されていることで特徴づけられる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。図2は、本発明の特徴を示すための回路の模式図である。モータ駆動装置10は、従来のモータ駆動装置と同様にFET11とFET12とFET13とFET14が配線されH型ブリッジ回路15を構成し、H型ブリッジ回路15の端子16と端子17によりモータ18が接続されている。また、H型ブリッジ回路15と並列にコンデンサ19が接続され、電源20が接続されている。FET11,12,13,14のゲート−ソース間にはツェナーダイオード21,22,23,24,25,26を入れてある。さらに、抵抗27,28,29,30を接続してある。本発明においては、ブリッジ回路15とコンデンサ19の間に磁性体素子であるリング状の磁性体コア31,32,33,34のうちいずれか1つを設けてある。
【0027】
FET11,12,13,14は、従来と同様、モータへの印加電圧を高速にON/OFFを行うチョッピング電圧を印加するためのものであり、PWM信号をゲートにかけることにより、FETを高速にON/OFFし、モータにチョッピング電圧を印加することが可能となる。
【0028】
モータ20は、電動パワーステアリング装置においては、操舵のアシスト力としての発生トルクを利用するために用いている。
【0029】
コンデンサ19は、PWM信号によるスイッチング制御のように変化の速い電流を電源から流そうとするときの、配線が長い場合にその間の配線によるインダクタンスにより電流がそのスイッチング時間に追随して供給することができず、それを解消するための補助電源として用いている。また、このコンデンサ19は、大電流チョッピングでの配線のインダクタンスによるサージ電圧の電圧性のスイッチングノイズとPWMによる電源ラインの電流変動による電流性のノイズを抑えるためのものである。コンデンサのキャパシタンスは、大きいほど良いが、コストとの兼ね合いで2700〜3700μF(マイクロファラッド)程度が現実的である。また、コンデンサのキャパシタンスは使用するモータによって異なるようにし、中型車に用いるモータでは2700μF(マイクロファラッド)程度のものを用い、小型車に用いるモータでは1500μF(マイクロファラッド)程度のものを用いると良い。
【0030】
ツェナーダイオード21,22,23,24,25,26は、ゲートへの過大電圧入力に対する保護として入れられたものである。
【0031】
抵抗27,28,29,30は、ゲート回路の電流を素子仕様範囲内に抑え、スイッチング時間を短くするように定数設定がなされたものである。
【0032】
本発明において設けられた磁性体コア31,32,33,34のうちいずれか1つは、H型ブリッジ回路15とコンデンサ19の間に入れ、特に、コンデンサ19の端子のリード線の部分に設けても良い。この磁性体コア31,32,33,34は、周波数が高くなるほど、インピーダンスが大きくなるものであり、それにより、高周波電流を減少させ、スイッチングのときに生じる図9のD1で示したような振動電流を防止するためのものである。磁性体コア31,32,33,34には、好ましくはフェライトコアが用いられる。磁性体コアには、例えば、図3に示すような周波数−インピーダンス特性を有するものを用い、インピーダンスが周波数1MHzのときには、3オーム、周波数10MHzのときは30オーム、周波数100MHzのときは100オームとなる程度が好ましい。
【0033】
図1,2で示したドライバ(H型ブリッジ回路15)は、上段のFET13,14または下段のFET11,12でスイッチングをしており、FETがオフの時には電流は還流ダイオードを通し、モータ18に流れる。したがってモータ18の電流は連続的に流れる。しかしながら、FETがオフの時には電源からの電流はH型ブリッジ回路15へ流れないため、ライン35は電流が変化する。コンデンサ19は充放電があるためライン36の電流は変化する。電源の電流はモータドライバ(H型ブリッジ回路15)側とコンデンサ19に流れるため、ライン37の電流は連続的に流れる。フェライトコア31,32,33,34はこの電流が変化するライン35あるいはライン36に入れてある。使用する条件によりどの帯域でどの程度作用させるかを決めて、使用するフェライトやインダクタンスの値を決めれば良い。
【0034】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置でのモータのPWM電圧の波形を示した図である。横軸は、時間を示し、矢印で示す間隔が200nsであり、縦軸は、モータ電圧を示す。図4のD2で示すように、図9のD1で示した従来の装置において生じていたスイッチング時の立ち上がりに生じていた電圧振動が抑制されていることが分かる。また、図4のD3で示すように従来200nsで切り換わっていた電流が500nsで切り換わっていることが分かる。これは、フェライトコア31,32,33,34のいずれか1つを挿入したことにより、電流の変化が緩慢になるため、起電力が小さく更にフェライトコア31,32,33,34のいずれか1つが高周波電流を減衰させるため振動が継続しにくくなったためと考えられる。
【0035】
このような、電圧波形となることにより、FETは飽和状態で作動しているため、例えば、上段のFET13,14がオンで、下段のFET11,12がPWM制御でスイッチングしているとき、上段のFET13,14は、発熱が抑えられる。また、下段のFET11,12の回生終了時間が300ns延びるのでその分発熱量が増大するが、PWM信号が18KHzの場合、1サイクルの時間が55マイクロ秒であるため、その回生終了時間の延びた割合がデューティー50%付近で1サイクルの時間の1%(=0.3/27)程になり、熱的な問題は生じない。
【0036】
PWMは、本来、時間が変化するのみで電圧は変動しないものである。磁性体コア31,32,33,34のいずれか1つを入れることにより、図4に示すように、従来の装置において電流が変化するために生じていた電圧の振動的変動が、抑制される。従って、電源電圧の振動的変動が抑えられるためPWM信号による駆動電圧で生ずるラジオノイズが抑えられる。このように、スイッチング波形を緩慢にすることなく、スイッチング素子の発熱を抑えてノイズを低減することができる。
【0037】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。図6は、本発明の特徴を示すための回路の模式図である。モータ駆動装置40は、第1の実施形態に係るモータ駆動装置10と同様にFET11とFET12とFET13とFET14が配線されH型ブリッジ回路41を構成し、H型ブリッジ回路41の端子16と端子17によりモータ18が接続されている。また、H型ブリッジ回路41と並列にコンデンサ19が接続され、電源20が接続されている。FET11,12,13,14のゲート−ソース間にはツェナーダイオード21,22,23,24,25,26を入れてある。さらに、抵抗27,28,29,30を接続してある。本発明の第2の実施形態においては、ブリッジ回路内の2箇所にリング状の磁性体コア42と43あるいは磁性体コア44と45あるいは磁性体コア46と47あるいは磁性体コア48と49のうちいずれか一対を設けてある。
【0038】
FET11,12,13,14と、モータ18と、コンデンサ19と、ツェナーダイオード21,22,23,24,25,26と、抵抗27,28,29,30は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0039】
本発明において設けられた磁性体コア42と43あるいは磁性体コア44と45あるいは磁性体コア46と47あるいは磁性体コア48と49のうちいずれか一対は、周波数が高くなるほど、インピーダンスが大きくなるものであり、それにより、高周波電流を減少させ、スイッチングのときに生じる図9で示したような振動電流を防止するためのものである。磁性体コアには、好ましくはフェライトコアが用いられる。磁性体コアには、例えば、図2に示すような周波数−インピーダンス特性を有するものを用い、そのときのインピーダンスは、周波数1MHzのときには、3オーム、周波数10MHzのときは30オーム、周波数100MHzのときは100オームとなる程度が好ましい。
【0040】
図5,6で示したドライバ(H型ブリッジ回路41)は、上段のFET13,14または下段のFET11,12でスイッチングをしており、FETがオフの時には電流は還流ダイオードを通し、モータ18に流れる。したがってモータの電流は連続的に流れる。しかしながら、電源からの電流はドライバ(H型ブリッジ回路41)へ流れないため、このライン35は電流が変化する。また、そのため、ライン50,51も電流が変化する。コンデンサ19は充放電があるためライン36の電流は変化する。電源の電流はモータドライバ(H型ブリッジ回路41)側とコンデンサ19に流れるため、ライン37の電流は連続的に流れる。この実施形態においてもフェライトコア42と43あるいはフェライトコア44と45あるいはフェライトコア46と47あるいはフェライトコア48と49はこの電流が変化するライン50,51にそれぞれ1つずつ入れてある。使用する条件によりどの帯域でどの程度作用させるかを決めて、使用するフェライトやインダクタンスの値を決めれば良い。
【0041】
これにより、図2に示したものと同様に、従来の装置において電流が変化するため生じていた電圧の振動的な変動が、抑制される。従って、電源電圧の振動的変動が抑えられるためPWM信号による駆動電圧で生ずるラジオノイズが抑えられる。このように、スイッチング波形を緩慢にすることなく、スイッチング素子の発熱を抑えてノイズを低減することができる。
【0042】
なお、第2の実施形態において、ブリッジ回路内の2箇所に磁性体コア42と43あるいは磁性体コア44と45あるいは磁性体コア46と47あるいは磁性体コア48と49のうちのいずれか一対の組み合わせで設けるようにしたが、それらの組み合わせに限らず、回生電流が流れて電流が変化する場所に配置するのであれば、上記の組み合わせでなくても良い。
【0043】
また、本実施形態においては、H型ブリッジ回路を用いた場合について説明したが、3相ブラシレスモータにおける回路においても同様に磁性体素子を設けるようにすることができる。また、本実施形態で説明した磁性体素子を設ける回路上の場所は、通常はインダクタンスが増加するために磁性体素子を設けない場所である。しかしながら、それらの場所に磁性体素子を設けることにより、インダクタンスは増加してしまうが、それ以上にノイズ低減に大きな効果を得ることができるため、良好なモータ駆動装置を得るためには有効な方法である。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0045】
PWM信号によってモータの正転、逆転を駆動制御する複数のスイッチング素子が接続されたブリッジ回路と、ブリッジ回路に接続されたコンデンサとモータとを備えたモータ駆動装置において、スイッチング素子とコンデンサとが接続された回路上に磁性体素子を設けたため、スイッチング素子のスイッチング波形を緩慢にすることなく、電流の変化を低減する。したがって、スイッチング素子の発熱は増えることなく、電流の変化のみ遅くすることができる。電流の変化が遅いことにより、電流の流れる配線のインダクタンスによる電圧発生が減少し、この電圧が起因する電気ノイズが減少し、ラジオ等への障害が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置の特徴を示すための回路の模式図である。
【図3】本発明に係るモータ駆動装置に用いるフェライトコアの周波数−インピーダンス特性図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置でのモータのPWM電圧の波形を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るモータ駆動装置の回路図である。
【図6】本発明に第2の実施形態に係るモータ駆動装置の特徴を示すための回路の模式図である。
【図7】パワーユニットのブロック構成図である。
【図8】従来のモータ駆動装置の回路図である。
【図9】従来のモータ駆動装置での代表的なスイッチングノイズを示すものであり、モータのPWM電圧の波形を示した図である。
【符号の説明】
10 モータ駆動装置
11〜14 FET
15 H型ブリッジ回路
16,17 端子
18 モータ
19 コンデンサ
20 電源
21〜26 ツェナーダイオード
27〜30 抵抗
31〜34 磁性体コア

Claims (4)

  1. PWM信号によってモータの正転、逆転を駆動制御する複数のスイッチング素子が接続されたブリッジ回路と、前記ブリッジ回路に接続されたコンデンサとモータとを備えたモータ駆動装置において、
    前記スイッチング素子と前記コンデンサとが接続された回路配線がリング状の磁性体コアのリング内を挿通するように前記磁性体コアを設けたことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記磁性体コアはフェライトコアであることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記磁性体コアを、前記ブリッジ回路と前記コンデンサを接続する配線上に設けたことを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  4. 電源が前記ブリッジ回路と並列に高電位側および低電位側で接続されており、前記コンデンサを備えるラインが前記ブリッジ回路と並列に接続されており、前記電源、前記コンデンサ、前記ブリッジ回路が並列かつ閉回路で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
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