JP2015076211A - 電極材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒を使用せず水を主体とした溶媒を使用したチタン酸リチウム/カーボン複合体の製造方法を提供する。
【解決手段】
酸化チタンの材料源が溶解した水溶液に対し、チタン酸リチウム:カーボン素材の比が70:30になるようにカーボン素材を加えて、混合を行う。水溶液中から酸化チタンを析出させて前記カーボン素材の表面に担持させる。酸化チタン/カーボン素材のスラリーをろ過及び洗浄することで、酸化チタン/カーボン素材を回収し、更に乾燥を行う。酸化チタン/カーボン素材に対し、Ti:Liが5:4になるようにリチウム源を加えてチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成し、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を振動ボールミルで粉砕を行う。赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/カーボン複合体が合成する。
【選択図】図1
【解決手段】
酸化チタンの材料源が溶解した水溶液に対し、チタン酸リチウム:カーボン素材の比が70:30になるようにカーボン素材を加えて、混合を行う。水溶液中から酸化チタンを析出させて前記カーボン素材の表面に担持させる。酸化チタン/カーボン素材のスラリーをろ過及び洗浄することで、酸化チタン/カーボン素材を回収し、更に乾燥を行う。酸化チタン/カーボン素材に対し、Ti:Liが5:4になるようにリチウム源を加えてチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成し、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を振動ボールミルで粉砕を行う。赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/カーボン複合体が合成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池やコンデンサの電極材料として用いることができ、チタン酸リチウムに導電助剤としてカーボン素材を複合化する電極材料と其の製造方法に関する。
近年、デジタルカメラやスマートフォンや携帯型PCの急速な普及、燃料の高騰や環境負荷に対する意識の高まり、更には自動車の動力用又はスマートグリッドの蓄電用への応用の期待により、二次電池の開発が活発になっている。
二次電池の電極としては、リチウムイオンを含む正極材料と導電助剤とを金属箔の表面に固着させた正極、及びリチウムイオンの脱挿入可能な負極材料と導電助剤とを金属箔の表面に固着させた負極が使用されている。このリチウム電池は、高い使用電圧、高いエネルギー密度、軽量、長耐用年数などの利点を有しており、最良の選択として活発な開発が続いている。
リチウムイオンを含む電極材料としては、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物を導電助剤としてのカーボン素材に担持させた複合体が用いられることが多い。金属化合物としては、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、チタン酸リチウム、リン酸マンガンリチウム等が挙げられる。
電極材料にチタン酸リチウムを使用する場合の製造方法は、各種提案されているところである。代表的な手法を挙げると、Ti(OiPRr)4に対して加水分解処理を行うことにより、酸化チタンを生成し、その酸化チタンとリチウム源とからチタン酸リチウムの製造する手法が知られている。
酸化チタンを生成するためのTi(OiPRr)4に対する加水分解処理では、溶媒としてイソプロピルアルコール(IPA)が使用される。Ti(OiPRr)4は、分子量が多いため、入手するためのコストが高い。さらに、溶媒として使用されるイソプロピルアルコールは、有機溶媒であるため、使用後の処理に手間やコストがかかる。そこで、分子量の少ないチタンから酸化チタンを作成することや、有機溶媒を使用せず酸化チタンを生成する方法の実現が望まれていた。
本発明は、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液にカーボンを混合し、その溶液から酸化チタンを析出させて、カーボン素材の表面に酸化チタンを担持させる。この酸化チタンが担持したカーボン素材を利用し、チタン酸リチウムとカーボン素材の複合体を製造することで、製造時の手間やコストを抑えた電極材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する電極材料の製造方法は、チタン酸リチウムとカーボン素材を複合化した電極材料の製造方法であって、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液にカーボン素材を混合する混合処理と、前記水溶液中から酸化チタンを析出させて前記カーボン素材の表面に担持させる析出担持処理と、前記酸化チタンを担持させた前記カーボン素材とリチウム源の混合物を焼成してチタン酸リチウムとカーボン素材の複合体を生成する処理と、を含むことを特徴とする。
前記析出担持処理は、旋回する反応容器内で、酸化チタンの材料源とカーボン素材とを含む水溶液にずり応力と、遠心力を加えてメカノケミカル反応する処理であっても良い。
前記混合処理は、旋回する反応容器内で、酸化チタンの材料源とカーボン素材とを含む水溶液にずり応力と、遠心力を加えてメカノケミカル反応する処理であっても良い。
上記の製造方法により製造される電極材料は、チタン酸リチウムとカーボン素材を複合化してなり、前記チタン酸リチウムがカーボン素材の表面をコーティングしていることを特徴とする。
以上のような電極材料及び電極材料の製造方法では、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液中から析出させて、カーボン素材の表面に担持させる。これとリチウム源の混合物を焼成し、チタン酸リチウムとカーボン素材との複合体を生成する。
また、酸化チタンを水溶液から析出させるには、析出に適したpHがある。水溶液から酸化チタンを析出させると、水溶液中のイオンの数が変化しpHが変動する。これにより、酸化チタンが析出する反応が進まなくなることもある。そこで、水溶液のpHの調整の調整を行う。
このpHの調整は、酸化チタンを析出させる反応に応じて任意選択が可能である。例えば、酸化チタンの析出により水溶液がアルカリ性に傾く場合には、析出に適したpHに戻すために、酸を加える。この場合は、水溶液に添加する酸としては、適宜選択可能であるが、硫酸、硝酸、塩酸を使用することができる。酸化チタンの析出により水溶液が酸性に傾く場合には、析出に適したpHに戻すためにアルカリを加える。
以上の様に、本願発明では、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液から析出した酸化チタンを利用することに特徴を有し、この酸化チタンを利用しチタン酸リチウムとカーボン素材の複合体を生成する点に特徴を有する。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(1)電極材料
本発明に係る電極材料は、リチウム(Li)を吸蔵及び放出可能なチタン酸リチウムを導電助剤としてのカーボン素材に担持させた複合体である。カーボン素材は製造工程においてナノ粒子を維持させたものである。ナノ粒子は、二次粒子を指し、一次粒子の凝集体である。そして、ナノ粒子とは、その凝集体の径が、円形や楕円形や多角形等の塊においては最大径が200nm以下、繊維においては繊維径が200nm以下をいう。一方、チタン酸リチウムは、製造工程においてはナノ化しないが、外部からの応力により、ナノ化したカーボン素材の表面をコーティングする。
本発明に係る電極材料は、リチウム(Li)を吸蔵及び放出可能なチタン酸リチウムを導電助剤としてのカーボン素材に担持させた複合体である。カーボン素材は製造工程においてナノ粒子を維持させたものである。ナノ粒子は、二次粒子を指し、一次粒子の凝集体である。そして、ナノ粒子とは、その凝集体の径が、円形や楕円形や多角形等の塊においては最大径が200nm以下、繊維においては繊維径が200nm以下をいう。一方、チタン酸リチウムは、製造工程においてはナノ化しないが、外部からの応力により、ナノ化したカーボン素材の表面をコーティングする。
この複合体は、粉末として得られ、複合体粉末をバインダーと混錬して成型することで、電気エネルギーを貯蔵する電極となる。電極は、リチウムを含有する電解液を用いた電気化学キャパシタや電池に用いることができる。すなわち、この二次電池用電極材料により作成された電極は、リチウムイオンの吸蔵、脱着を行うことができ、負極や正極として作動する。
カーボン素材は、繊維状炭素と粒状炭素とを混合したものが用いられる。混合比率は、重量比で粒状炭素が10に対して繊維状炭素を1程度が望ましいが、これに限られるものではない。繊維状炭素は、導電助剤としての機能の他、焼成時の複合体内部への伝熱部材としても働く。繊維状炭素が含有されていることで、熱が複合体内部へ同時的に均一に伝わり、且つ、金属化合物前駆体への熱伝導ルートもカーボン素材から直接熱を受け取れる
可能性が高くなり、他の金属化合物前駆体を介することが少なくなると考えられる。
可能性が高くなり、他の金属化合物前駆体を介することが少なくなると考えられる。
繊維状炭素としては、気相成長カーボンファイバ(VGCF)、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)又はマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)が挙げられる。粒状炭素としては、中空シェル構造のカーボンブラックであるケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、無定形炭素、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、活性炭、メソポーラス炭素等が挙げられる。粒状炭素は、これらの単体又は複数種類を混合してもよい。
酸化チタンの材料源としては、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液を使用する。酸化チタンの材料源が溶解した水溶液とは、酸化チタンの材料源を溶媒が水である溶液に溶解した水系の溶液である。
チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)は、酸化チタン(TiO2)と、リチウム(Li)を混合し、焼成により生成される。チタン酸リチウムは、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物である。混合時に、応力を加えることにより、チタン酸リチウムは、カーボン素材表面をコーティングする。チタン酸リチウムは、カーボン素材の全面を覆うようにコーティングすることが望ましい。
(2)製造方法
本発明のチタン酸リチウムの製造工程の一例を図1に示す。チタン酸リチウム/カーボン複合体は、以下の製造工程により製造することができる。
(a)酸化チタンの材料源が溶解した水溶液に対し、チタン酸リチウム:カーボン素材の比が70:30になるようにカーボン素材を加えて、混合を行う混合工程。
(b)水溶液中から酸化チタンを析出させて前記カーボン素材の表面に担持させる析出担持工程。
(c)酸化チタン/カーボン素材のスラリーをろ過及び洗浄することで、酸化チタン/カーボン素材を回収し、更に乾燥を行う乾燥工程。
(d)酸化チタン/カーボン素材に対し、Ti:Liが5:4になるようにリチウム源を加えてチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成し、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を振動ボールミルで粉砕を行う粉砕工程。
(e)赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/カーボン複合体が合成する焼成工程。
以上のように、(a)〜(b)の液相反応、(d)のスラッジ反応、(e)の固相反応からなる。
本発明のチタン酸リチウムの製造工程の一例を図1に示す。チタン酸リチウム/カーボン複合体は、以下の製造工程により製造することができる。
(a)酸化チタンの材料源が溶解した水溶液に対し、チタン酸リチウム:カーボン素材の比が70:30になるようにカーボン素材を加えて、混合を行う混合工程。
(b)水溶液中から酸化チタンを析出させて前記カーボン素材の表面に担持させる析出担持工程。
(c)酸化チタン/カーボン素材のスラリーをろ過及び洗浄することで、酸化チタン/カーボン素材を回収し、更に乾燥を行う乾燥工程。
(d)酸化チタン/カーボン素材に対し、Ti:Liが5:4になるようにリチウム源を加えてチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成し、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を振動ボールミルで粉砕を行う粉砕工程。
(e)赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/カーボン複合体が合成する焼成工程。
以上のように、(a)〜(b)の液相反応、(d)のスラッジ反応、(e)の固相反応からなる。
すなわち、チタン酸リチウムの原料となるチタン源として、酸化チタンの水溶液から析出させた酸化チタンを使用する。この酸化チタンをカーボン素材に担持させ、更に、リチウム源を混合することによりチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成する。しかしながら、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体において、チタン酸リチウムの前駆体である酸化チタンは、生成時にカーボン素材の表面に分散して析出しない。そのため、酸化チタンをカーボン素材に高分散担時させることが難しい。そこで、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体に対して、応力を加えることによりカーボン素材の表面をチタン酸リチウムの前駆体でコーティングする。
(a)混合工程
酸化チタンの材料源が溶解した水溶液とカーボン素材とを混ぜた混合溶液を調製する。混合溶液の調製には、超遠心力処理(Ultra−Centrifugal force processing method:以下、UC処理という)によるメカノケミカル反応が好適である。UC処理を利用することで、カーボン素材をナノ粒子化する。その他に、超音波処理を利用することができる。
酸化チタンの材料源が溶解した水溶液とカーボン素材とを混ぜた混合溶液を調製する。混合溶液の調製には、超遠心力処理(Ultra−Centrifugal force processing method:以下、UC処理という)によるメカノケミカル反応が好適である。UC処理を利用することで、カーボン素材をナノ粒子化する。その他に、超音波処理を利用することができる。
更に、カーボン素材を酸化チタン水溶液中でメカノケミカル反応を行うことにより、酸化チタンの材料源の1つをカーボン素材の官能基に吸着させる。メカノケミカル反応によりカーボン素材に吸着する酸化チタンの材料源は、官能基に存在する不対電子を有する酸素イオンと結合し易いプラス電荷のイオンを有する材料源である。
ここで、UC処理は、カーボン素材とこれに吸着するチタン酸リチウムの材料源に対してずり応力と遠心力を付与する。例えば、図2に示す反応容器を用いて行うことができる。
図2に示すように、反応容器は、開口部にせき板1−2を有する外筒1と、貫通孔2−1を有し旋回する内筒2からなる。この反応器の内筒2内部に反応物を投入し、内筒2を旋回することによってその遠心力で内筒2内部の反応物が内筒の貫通孔2−1を通って外筒の内壁1−3に移動する。この時反応物は内筒2の遠心力によって外筒の内壁1−3に衝突し、薄膜状となって内壁1−3の上部へずり上がる。この状態では反応物には内壁1−3との間のずり応力と内筒からの遠心力の双方が同時に加わり、薄膜状の反応物に大きな機械的エネルギーが加わることになる。この機械的なエネルギーが反応に必要な化学エネルギー、いわゆる活性化エネルギーに転化するものと思われるが、短時間で反応が進行する。
この反応において、薄膜状であると反応物に加えられる機械的エネルギーは大きなものとなるため、薄膜の厚みは5mm以下、好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。なお、薄膜の厚みはせき板の幅、反応液の量によって設定することができる。例えば、この薄膜上を生成するために必要な遠心力は1500N(kgms−2)以上、好ましくは60000N(kgms−2)以上、さらに好ましくは270000N(kgms−2)以上である。
(b)析出担持工程
カーボン素材を混合した酸化チタンの材料源が溶解した水溶液のpHを調整し、UC処理することで酸化チタン/カーボン素材のスラリーを得る。析出担持工程では、水溶液中の酸化チタンの材料源を反応させ、カーボン素材上に酸化チタンを析出させる。析出した酸化チタンは、UC処理することでナノ粒子化する。
カーボン素材を混合した酸化チタンの材料源が溶解した水溶液のpHを調整し、UC処理することで酸化チタン/カーボン素材のスラリーを得る。析出担持工程では、水溶液中の酸化チタンの材料源を反応させ、カーボン素材上に酸化チタンを析出させる。析出した酸化チタンは、UC処理することでナノ粒子化する。
酸化チタンを水溶液から析出させるには析出に適したpHがあり、UC処理時には溶液のpHの調整の調整を行う。このpHの調整は、酸化チタンを析出させる反応に応じて任意選択が可能である。
混合工程と酸化チタン析出工程と2回分けてメカニカル反応をさせることにより、で酸化チタンの材料源の材料源の1つをカーボン素材に吸着させる工程と、酸化チタンを析出する工程とを分離することができる。
(c)乾燥工程
乾燥工程では、酸化チタン/カーボン素材のスラリーに対してろ過及び洗浄行い、その後乾燥を行う。酸化チタン/カーボン素材のスラリーのろ過及び洗浄では、減圧ろ過装置を用いてろ過し、洗浄する。その後、洗浄した酸化チタン/カーボン素材を回収し、100℃の乾燥器中で12時間乾燥させる。
乾燥工程では、酸化チタン/カーボン素材のスラリーに対してろ過及び洗浄行い、その後乾燥を行う。酸化チタン/カーボン素材のスラリーのろ過及び洗浄では、減圧ろ過装置を用いてろ過し、洗浄する。その後、洗浄した酸化チタン/カーボン素材を回収し、100℃の乾燥器中で12時間乾燥させる。
(d)粉砕工程
チタン化合物/カーボン素材に対し、Ti:Liが5:4になるようにリチウム源を加えてチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成し、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を振動ボールミルで粉砕を行う。このリチウム源は、チタン酸化物の生成に影響を与えないため、粉砕工程の前であれば適宜添加することができる。図1では、粉砕工程時に添加している。リチウム源は、硝酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、又はリン酸二水素リチウムを用いることができる。振動ボールミルは、酸化チタンにリチウム源に対して、振動を加えながら、応力を加えるものである。粉砕工程では、振動ボールミルの他にハンマーミル、グラインダーミルを使用することができる。この粉砕工程により、酸化チタンとリチウム源とからチタン酸リチウムとなる反応を促進させて、チタン酸リチウムの収率を高くする。ここで、リチウム源を加えた後、特開2008−270795号公報に記載の超遠心処理を施してもよい。
チタン化合物/カーボン素材に対し、Ti:Liが5:4になるようにリチウム源を加えてチタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を生成し、チタン酸リチウムの前駆体/カーボン複合体を振動ボールミルで粉砕を行う。このリチウム源は、チタン酸化物の生成に影響を与えないため、粉砕工程の前であれば適宜添加することができる。図1では、粉砕工程時に添加している。リチウム源は、硝酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、又はリン酸二水素リチウムを用いることができる。振動ボールミルは、酸化チタンにリチウム源に対して、振動を加えながら、応力を加えるものである。粉砕工程では、振動ボールミルの他にハンマーミル、グラインダーミルを使用することができる。この粉砕工程により、酸化チタンとリチウム源とからチタン酸リチウムとなる反応を促進させて、チタン酸リチウムの収率を高くする。ここで、リチウム源を加えた後、特開2008−270795号公報に記載の超遠心処理を施してもよい。
(e)焼成工程
赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/CNF複合体が合成する。焼成の過程では、金属化合物前駆体が溶融しながらリチウムを取り込み、金属化合物の結晶化が進行し、粒子成長して、チタン酸リチウムがカーボン素材の表面をコーティングする。
する。
赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/CNF複合体が合成する。焼成の過程では、金属化合物前駆体が溶融しながらリチウムを取り込み、金属化合物の結晶化が進行し、粒子成長して、チタン酸リチウムがカーボン素材の表面をコーティングする。
する。
焼成の過程では、室温から500〜900℃まで急加熱することが望ましい。急加熱によって、金属化合物の凝集が防止され、粒径の小さなナノ粒子を維持できると考えられる。急加熱では、酸素濃度が1000ppm程度の低酸素濃度の雰囲気下が望ましい。カーボン素材の酸化を阻止するためである。
(3)実施例
本製造方法で得られる電極材料の特性を確認する。実施例及び比較例は以下のように作成し、電極材料となる複合体を作成した上で、当該複合体を電極材料として用いた電池を作成して各Cレートの充電容量を測定した。
(実施例1)
実施例1では、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液にカーボン(CNF)を混合し、この水溶液をUC処理する。この溶液のpHを調整しUC処理することで酸化チタン/CNFのスラリーを得た。このスラリーをろ過及び洗浄して、酸化チタン/CNFを回収する。この酸化チタン/CNFを粉砕、焼成することによって、LTO/カーボン複合体を作製する。具体的には、以下の手順により電極材料を作製した。
実施例1では、酸化チタンの材料源が溶解した水溶液にカーボン(CNF)を混合し、この水溶液をUC処理する。この溶液のpHを調整しUC処理することで酸化チタン/CNFのスラリーを得た。このスラリーをろ過及び洗浄して、酸化チタン/CNFを回収する。この酸化チタン/CNFを粉砕、焼成することによって、LTO/カーボン複合体を作製する。具体的には、以下の手順により電極材料を作製した。
酸化チタンの材料源が溶解した水溶液に、LTO:CNFが70:30になるようにCNFを加えて、超遠心処理を50m/s、5分の条件で行った。
更に、反応容器中に、酸やアルカリを加えてpHを調整し、超遠心処理を50m/s、5分の条件で超遠心処理を行い、酸化チタン/CNFのスラリーを得た。
その後、減圧ろ過装置を用いて、酸化チタン/CNFのろ過および洗浄を行い、酸化チタン/CNFを回収して、100℃の乾燥器中で12時間乾燥させた。乾燥させた酸化チタン/CNFに対して、Ti:Liが5:4になるように酢酸リチウムを加えて、振動ボールミルで粉砕を行った。振動数は15Hz、粉砕時間は10分で行った。
粉砕した酸化チタン/CNFを赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/CNF複合体を合成した。
このLTO/CNFをバインダーとしてのポリフッ化ビニリデンPVDFと共に(LTO/CNF/PVDF 80:20:5)、SUS板上に溶接されたSUSメッシュ中に投入し、作用電極W.E.とした。前記電極上にセパレータと対極C.E.及び参照極としてLiフォイルを乗せ、電解液として、1.0M 六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)/炭酸エチレン(EC):炭酸ジエチル(DEC)(1:1 w/w)を浸透させて、セルとした。
(比較例1)
比較例1では、有機溶媒中で、Ti(OiPRr)4に対して加水分解処理を行うことにより、酸化チタンを生成し、その酸化チタンとリチウム源とからチタン酸リチウムを製造する。
比較例1では、有機溶媒中で、Ti(OiPRr)4に対して加水分解処理を行うことにより、酸化チタンを生成し、その酸化チタンとリチウム源とからチタン酸リチウムを製造する。
チタンアルコキシド、酢酸、酢酸リチウム、CNFを、LTO:CNF=70:30となるような配合比で、イソプロパノールと水の混合溶媒に溶解した混合物について、超遠心処理を50m/s、5分の条件で行った。
得られたチタン化合物/CNFを赤外炉を用いて800℃で6分間焼成を行うことで、チタン酸リチウム/CNF複合体を合成した。
(結果)
実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体について、TG(熱重量測定)を行った。図3は、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体のTG(熱重量測定)の結果である。図3によると、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体は、温度が500〜600℃にかけて重量変化が起こり、600℃以上では変化はなかった。また、重量変化は、−31wt%であり、LTO:CNFの比が69:31であることがわかる。
実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体について、TG(熱重量測定)を行った。図3は、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体のTG(熱重量測定)の結果である。図3によると、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体は、温度が500〜600℃にかけて重量変化が起こり、600℃以上では変化はなかった。また、重量変化は、−31wt%であり、LTO:CNFの比が69:31であることがわかる。
また、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体に対してXRD(X線回折)を行った。図3は、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体のXRD(X線回折)の結果である。図3よると、チタン酸リチウムとCNFによるピークが確認でき、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体には不純物が含まれていないことがわかる。
以上から、チタン酸リチウム/CNF複合体を作成する際のチタン源として酸化チタン水溶液を使用した場合においても、純粋なチタン酸リチウム/CNF複合体を生成することができることが確認した。
また、実施例1と比較例1のチタン酸リチウム/CNF複合体の結晶構造についての比較を行った。図4は、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体のHRTEM像(×150k,×300k)であり、図5は、比較例1のチタン酸リチウム/CNF複合体のHRTEM像(×150k,×300k)である。図5(×150k)からは、チタン源として酸化チタン水溶液を使用した場合、チタン源として酸化チタン水溶液を使用した場合においても、CNFの繊維は十分に解れており、その表面にチタン酸リチウムが担時していることがわかる。これは、図5の有機溶媒を使用した比較例1のチタン酸リチウム/CNF複合体と同様である。また、図4(×300k)からは、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体は、CNFの表面をチタン酸リチウムがコーティングしていることがわかる。一方、比較例1のチタン酸リチウム/CNF複合体は、CNFの表面にナノ粒子のチタン酸リチウムが担時していることがわかる。
以上から、チタン酸リチウム/CNF複合体を作成する際のチタン源として酸化チタン水溶液を使用した場合においても、CNFを分散させつつ、その表面にチタン酸リチウムを均一に担時させることができることを確認した。
また、実施例1と比較例1で作成された複合体粉末を用いた電池の充放電特性を示すグラフを図6に示す。図6は、実施例1及び比較例1で生成されたチタン酸リチウム/CNF複合体により作成された電極材料の用いた蓄電デバイスの充放電特性を示すグラフである。図7において、横軸は放電容量、縦軸は電位である。図6に示すように、実施例1のチタン酸リチウム/CNF複合体を電極材料に用いた結果、放電容量は115.0mAh/gである。一方、比較例1のチタン酸リチウム/CNF複合体を電極材料に用いた結果、放電容量は106.0mAh/gである。
これらの結果より、チタン酸リチウム/CNF複合体を作成する際のチタン源として酸化チタン水溶液を使用した場合においても高充放電特性が達成されていることがわかる。
また、実施例1と比較例1で作成された複合体粉末を用いた電池のレート特性を示すグラフを図7に示す。図7に示すように、実施例1で作成された複合体粉末を用いた電池は、その容量が1Cおいてコンポジット重量当たり110mAh/gであり、比較例1は1Cおいて105mAh/gであった。このように、実施例1は、その比較例1と比べて高容量が達成されていることが確認できる。
また、図7に示すように、実施例1で作成された複合体粉末を用いた電池は、その容量が100Cおいてコンポジット重量当たり95mAh/gであり、比較例1は85Cおいて25mAh/gであった。このように、実施例1は、その比較例1と比べて高入出力を達成していることが確認できる。
これらの結果より、チタン酸リチウム/CNF複合体を作成する際のチタン源として酸化チタン水溶液を使用した場合においても高容量及び高入出力が達成されていることがわかる。
1…外筒
1−2…せき板
1−3…内壁
2…内筒
2−1…貫通孔
1−2…せき板
1−3…内壁
2…内筒
2−1…貫通孔
Claims (4)
- チタン酸リチウムとカーボン素材を複合化した電極材料の製造方法であって、
酸化チタンの材料源が溶解した水溶液にカーボン素材を混合する混合処理と、
前記水溶液中から酸化チタンを析出させて前記カーボン素材の表面に担持させる析出担持処理と、
前記酸化チタンを担持させた前記カーボン素材とリチウム源の混合物を焼成してチタン酸リチウムとカーボン素材の複合体を生成する処理と、
を含むことを特徴とする電極材料の製造方法。 - 前記析出担持処理は、
旋回する反応容器内で、酸化チタンの材料源とカーボン素材とを含む水溶液にずり応力と、遠心力を加えてメカノケミカル反応する処理であること、
を特徴とする請求項1に記載の電極材料の製造方法。 - 前記混合処理は、
旋回する反応容器内で、酸化チタンの材料源とカーボン素材とを含む水溶液にずり応力と、遠心力を加えてメカノケミカル反応する処理であること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極材料の製造方法。 - チタン酸リチウムとカーボン素材を複合化してなり、
前記チタン酸リチウムがカーボン素材の表面をコーティングしていることを特徴とする電極材料。
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---|---|---|---|
JP2013210609A JP2015076211A (ja) | 2013-10-07 | 2013-10-07 | 電極材料及びその製造方法 |
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JP2020140953A (ja) * | 2018-11-28 | 2020-09-03 | 住友金属鉱山株式会社 | リチウムイオン二次電池用正極活物質、その製造方法、およびリチウムイオン二次電池 |
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-
2013
- 2013-10-07 JP JP2013210609A patent/JP2015076211A/ja active Pending
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