以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係る組電池再利用システム100の概略構成を示す図である。図1を参照して、市場200において、組電池は、ハイブリッド車両や電気自動車(以下、単に「車両」という)の走行などのために用いられる。図1では、車両210aおよび210bの各々に、組電池211aおよび211bがそれぞれ使用されている。図1に示す車両および組電池の数は一例であり、実際の市場には、より多くの車両および組電池が存在すると理解されるべきである。実施例において、主に、組電池211aの再利用について説明する。組電池211a以外の組電池、たとえば組電池211bの再利用については、組電池211aと同様であるため、説明を繰り返さない。
組電池211aは、複数の単電池を組み合わせて構成される。組電池211aは、たとえば、蓄電装置(図示しない)の一部として、車両210aに搭載され得る。蓄電装置は、組電池211aを監視し、組電池211aに関する情報(組電池情報)を取得し得る。蓄電装置が取得する組電池情報は、組電池情報収集部300に送信される。組電池情報は、組電池の特性などの情報や、組電池を識別するための識別情報を含む。組電池情報の詳細については、後に、図5を参照して説明される。組電池情報の送信は、たとえば、車両210a(または蓄電装置)と、組電池情報収集部300との通信によって実現される。組電池情報は、車両210aまたは蓄電装置から一旦ディーラ220で取得された後、ディーラ220から組電池情報収集部300に送信されてもよい。なお、蓄電装置ではなく、組電池211a自身が、組電池情報を取得し、組電池情報を組電池情報収集部300に送信するように構成されていてもよい。
ディーラ220は、車両や組電池の販売および/またはメンテナンスなどを行なう。メンテナンスの際、たとえば、組電池211aは車両210aから取り外され、車両210aには新たな組電池が取り付けられる。取り外された組電池211aは、再利用のために市場200から回収される場合がある。組電池211aの回収は、たとえばディーラ220によって行なわれる。また、車両210aに取り付けられる新たな組電池は、たとえばディーラ220によって供給される。
市場200から回収された組電池211aは、たとえばディーラ220によって選別装置400に送られる。また、新たな組電池の需要に関する情報(組電池需要情報)が、たとえばディーラ220から選別装置400に送られる。選別装置400は、回収された組電池211aが、リサイクルまたはリユースされるか、あるいはリビルトに用いられるか選別する。
具体的に、組電池211aに含まれるすべての単電池が利用できないと判断されると、選別装置400は、組電池211aをリサイクルされる組電池に選別する。その場合、組電池211aは、たとえば材料単位まで分解され、再資源化される(図1の500)。組電池211aが組電池としてそのまま利用できると判断されると、選別装置400は、組電池211aをリユースされる組電池に選別する。その場合、組電池211aは、分解されることなく、出荷検査(図1の600)を経た後、リユース製品として出荷され得る。リユース製品は、たとえばディーラ220で販売され、市場200において車両に搭載されて使用される。また、リユース製品は、車両に搭載されて使用される以外にも、その他の電源として使用することも可能である。
組電池211aに含まれる複数の単電池のうち、一部の単電池が利用可能であると判断されると、選別装置400は、組電池211aは、リサイクルされるべき組電池、またはリビルトに用いられる組電池のいずれかに選別する。組電池211aがリビルトに用いられる組電池に選別された場合、組電池211aは、単電池に分解され、利用可能であると判断された単電池の検査が行なわれる(図1の700)。その後、単電池の検査をパスした単電池のみが組み合わされて、新たな組電池が製造される(図1の800)。新たな組電池は、出荷検査(図1の600)を経た後、リビルト製品として出荷され得る。リビルト製品は、リユース製品同様、たとえば市場200において、車両に搭載されて使用される。リビルト製品は、車両に搭載されて使用される以外にも、その他の電源として使用することも可能である。また、単電池に分解されたものは、別の電源として、任意の数を組み合わせて組電池として使用することも可能である。選別装置400は、単電池が利用可能であるか否かについて、複数の判断基準を有していてもよい。それにより、たとえば、車両用として再利用できない低品位の単電池を組み合わせ、別用途の電源として使用することも可能である。
図2は、図1の組電池211aの構成の一例を説明するための図である。図2を参照して、組電池211aは、複数の単電池212を含む電池パックである。単電池212は、たとえば、ニッケル水素充電池(Ni−MH電池)の複数のセルをモジュール化した電池モジュールである。単電池は、電池モジュールでなく、ニッケル水素充電池のセル単体であってもよい。図2に示す例では、2個のモジュールで1つの電池ブロック(あるいは「スタック」)213を構成する。その場合、組電池211aは、14個の電池ブロック213で構成される。そのため、組電池211aは、28個の単電池212を含む。なお、単電池212は、リチウムイオン電池(Liイオン電池)のセルやモジュールで構成されてもよい。組電池211aには、タグ214が取り付けられ得る。タグ214には、組電池211aのシリアルナンバーなどの識別情報が記憶され得る。
図3は、図1の選別装置400の構成の一例を説明するための図である。図3を参照して、選別装置400は、識別部410と、通信部420と、リビルト候補決定部430と、単電池量決定部440と、記憶部450と、通信部460と、判断部470と、表示部480とを含む。
識別部410は、回収された組電池、ここでは一例として図1の組電池211aの識別情報を取得し、組電池211aを識別する。識別情報は、たとえば図2に示すタグ214に記憶された情報を読み取ることによって取得される。取得された識別情報は、通信部420に送られる。
通信部420は、組電池情報を取得する組電池情報取得部である。通信部420は、たとえば、図1の組電池情報収集部300と通信を行ない、組電池情報収集部300に収集された組電池情報を取得する。通信部420は、識別部410から送られた識別情報に基づいて、組電池211aの組電池情報を組電池情報収集部300から取得する。なお、通信部420は、組電池情報を、組電池情報収集部300からでなく、回収された組電池211aから直接取得することもできる。その場合、通信部420は、たとえば組電池211aのタグ214(図2)に記憶されている組電池情報を読み出す。取得された組電池情報は、リビルト候補決定部430に送信される。
リビルト候補決定部430は、通信部420から送られる組電池情報に基づいて、回収された組電池211aが、リビルト候補であるか否かを決定する。「リビルト候補」とは、リビルトに用いられる可能性のある組電池をいう。リビルト候補の組電池は、後にリビルトに用いられる場合もあるし、それ以外、たとえばリサイクルされる場合もある。組電池211aに含まれる一部の単電池が利用可能であると判断される場合、リビルト候補決定部430は、組電池211aをリビルト候補の組電池に決定する。そうでない場合、リビルト候補決定部430は、組電池211aをリサイクルされる組電池またはリユースされる組電池に決定する。組電池情報に基づく上記決定の詳細については、後に図5を参照して説明する。以後、組電池211aは、リビルト候補の組電池に決定された場合について説明する。
単電池量決定部440は、組電池211aに含まれるリビルトに利用できる可能性のある単電池の量(以下、「利用し得る単電池量」という場合もある)を決定する。利用し得る単電池量は、たとえば、リビルトに利用できる可能性のある単電池の数や電池ブロックの数である。なお、利用し得る単電池量は、組電池に含まれる単電池のうちリビルトに利用できる可能性のある単電池や電池ブロックの割合でもよい。実施の形態において、利用し得る単電池量は、それら全ての意味を包含する。利用し得る単電池量の決定は、後に図8を参照して詳述されるように、組電池情報に基づいて行なわれる。
記憶部450は、単電池量決定部440が決定した組電池211aに含まれる利用し得る単電池量を記憶する。記憶部450は、組電池211aとそれに含まれる利用し得る単電池量とを関連付けて記憶する。記憶部450は、組電池211a以外のリビルト候補の組電池についても、組電池とそれに含まれる利用し得る単電池量とを関連付けて記憶する。記憶部450に記憶された情報は、後述の判断部470によって読み出される。
通信部460は、新たな組電池に対する需要情報(以下、「組電池需要情報」という)を取得する組電池需要情報取得部である。通信部460は、たとえば図1に示すディーラ220と通信を行ない、組電池需要情報を取得する。組電池需要情報は、たとえば図1に示す市場200における組電池への需要に関する情報である。一例として、組電池需要情報は、リビルト製品の組電池に対する需要である。あるいは、組電池需要情報は、要求されるリビルト製品の組電池を製造するのに必要な単電池の量を示す情報である。通信部460が取得した組電池需要情報は、判断部470に送られる。
判断部470は、記憶部450から読み出した組電池211aに含まれる利用し得る単電池量と、通信部460から送られる組電池需要情報とに基づいて、組電池211aを、リサイクル工程に送るか、リビルト工程に送るかを判断する。換言すると、組電池211aは、リビルト候補である組電池211aを、リビルトに用いられる組電池またはリサイクルされる組電池のいずれかに決定する。判断部470が行なう判断の詳細は、後に図7を参照して説明される。判断部470の判断に基づき、組電池211aは、リサイクル工程、リユース工程、またはリビルト工程に送られる。
表示部480は、判断部470の判断結果を表示する。作業者は、表示部480の表示内容を参考に、組電池211aを、リサイクル工程、リユース工程、またはリビルト工程のいずれに送るべきか知ることができる。表示部480は、組電池211aに含まれる利用し得る単位電池量も表示する。
図4は、図3の表示部480の表示内容の一例を説明するための図である。図4を参照して、表示部480は、表示窓481,482および483を含む。表示窓481には、組電池の識別情報が表示される。識別情報は、たとえばシリアルナンバーである。表示窓482には、判定結果が表示される。判定結果は、判断部470が行なった判断の結果であり、1〜3のいずれかの数字で表示される。表示窓483には、判定結果の数字の説明が表示される。ここでは、1〜3の数字の各々が、リユース、リビルト、リサイクルのそれぞれに対応すると説明されている。なお、表示窓482の下方には、組電池に含まれる利用し得る単電池量が表示される。ここでは、「OK:10/14」と表示されており、これは、組電池に含まれる14個の電池ブロックのうち、10個の電池ブロックが利用し得ることを意味する。ユーザは、表示部480の表示内容を参考とすることで、この組電池がリビルトに用いられる組電池であることや、この組電池に、利用し得る電池ブロックが10個含まれていることなどを知ることができる。
ここで、ユーザが何らかの手法により、組電池需要情報を取得できれば、ユーザは、組電池中の利用し得る電池ブロックの数だけでなく、組電池需要も知ることもできる。これにより、判断部470に代えて、ユーザが組電池をリサイクル工程に送るか、リビルト工程に送るかを判断することも可能になる。たとえば、表示部480に組電池需要情報が表示されることによって、ユーザは組電池情報を知ることができる。
図5は、図1の組電池情報収集部300に蓄積される組電池情報の一例を説明するための図である。図5を参照して、組電池情報は、主に、「組電池(電池パック)としての情報」と、「単電池(モジュール)ごとの情報」と、「その他の情報」とに分類される。
組電池(電池パック)としての情報には、走行距離、総放電電気量、電池温度頻度分布などが挙げられる。単電池(モジュール)ごとの情報には、電圧、内部抵抗、単電池間の電圧のばらつき、単電池間の内部抵抗ばらつきが挙げられる。ここで、ばらつきは、最も大きい値と最も小さい値との差であってもよいし、分散などあってもよい。その他の情報には、温度過負荷などが挙げられる。温度過負荷は、組電池が通常の使用温度からかなり離れた温度に置かれることによって生じる組電池への負担などを意味する。
図3に示す選別装置400は、図5に示すような組電池情報に基づいて、回収された組電池が、リビルト候補であるか否かを決定する。この決定において、たとえば、組電池としての情報、単電池ごとの情報、およびその他の情報の3つの情報の各々が、所定の基準を満たすか否かが判断される。組電池としての情報が所定基準を満たすか否かの判断は、たとえば走行距離が所定値以上であるか否かといった内容である。単電池としての情報が所定基準を満たすか否かの判断は、たとえば単電池の各々の電圧が所定範囲内であるか否かといった内容である。その他の情報が所定基準を満たすか否かの判断は、たとえば組電池が温度過負荷の状態に置かれた時間や、温度過負荷を経験した回数が所定値以上であるか否かといった内容である。それら3つの情報がすべて所定基準を満たす場合、組電池はリユースされるように決定される。一方、すべての単電池において、単電池としての情報が所定基準を満たさない場合、組電池はリサイクルされるように決定される。それ以外の場合、組電池はリビルト候補に決定される。たとえば、組電池に含まれる単電池のうち、いくつかの単電池において、単電池としての情報が所定基準を満たす場合、組電池はリビルト候補に決定され得る。
図5に示す組電池情報は、組電池が回収される前に予め図1に示す組電池情報収集部300などに収集され得る。そのため、図1に示す選別装置400は、組電池が回収されると直ちに(あるいは容易に)その組電池情報を取得できる。
図6は、リビルトのための分解・検査工程の一例を説明するための図である。図6を参照して、まず、組電池(電池パック)の照合が行なわれる。組電池の照合によって、組電池が識別され、その組電池に含まれる利用し得る単電池量が確認される。その際、組電池に含まれる単電池のうち、どの単電池が利用し得るかについても、確認され得る。その後、組電池は、単電池(モジュール)に分解される。組電池が単電池に分解されると、単電池ごとに、たとえば外観のチェックや品質の検査などが行なわれる。その後、外観チェックや品質検査を終えた単電池について、単電池として出荷できる状態に調節される。この調節は、たとえば、外観チェックや品質検査において単電池から取り外したパーツの付け戻しや、残存容量の調節などを含む。なお、外観チェックや品質検査でNGと判断される単電池もある。そのような単電池は、リビルトには用いられない。
図6に示すように、リビルトのための分解・検査工程は、組電池が回収される前に予め収集できない(あるいは容易に得られない)情報、たとえば単電池ごとの外観チェックや品質検査の結果を得るための検査工程を含む。このような検査工程は、避けることができず、また、組電池のリビルトのコストの一要因になる。このような検査工程に送られる組電池の量(数)を減らすことは、組電池のリビルトのコスト低減につながる。実施の形態による選別装置400(図1)は、リビルト候補の組電池に含まれる利用し得る単電池量と、組電池需要情報とに基づいて、回収された組電池をリビルト工程に送るか否か判断する。これにより、選別装置400は、たとえば、リビルト工程に送られる組電池の量が、リビルト製品に対する需要を満たすのに最小限必要な量になるように判断することができる。このような判断によって、適切な量の利用し得る単電池がリビルト工程に送られる。また、選別装置400は、回収された複数の組電池の中から、できるだけ多くの利用可能な単電池が取り出されるものを優先的にリビルト工程に送るように判断することもできる。このような判断によって、最小限の数の組電池がリビルト工程に送られる。
図7は、図3の判断部470が行なう判断の一例を説明するための図である。図7を参照して、たとえば、組電池Aから組電池Eの5つの組電池がリビルト候補とされている。組電池A,B,C,D,Eの各々に含まれる利用し得る単電池量(電池ブロック数)は、それぞれ12,4,6,5,10である。一方、組電池需要、ここではリビルト製品の組電池需要は2個である。つまり、リビルト製品の組電池を新たに製造するために要求される電池ブロック数は28になる。
この場合、リビルトに用いられる組電池は、利用し得る電池ブロックを多く含むものから優先して選択される。優先度は、組電池Aが最も高く、組電池E,C,D,Bの順に低くなる。要求される電池ブロック数28は、組電池A,E,Cに含まれる利用し得る電池ブロックによって満たされる。そのため、組電池A,E,Cはリビルトに用いられる組電池に決定される。一方、組電池D,Bはリサイクルされる組電池に決定される。ただし、組電池D,Bは保管期限までリサイクルせず、リビルト候補として保管することが可能である。また、リビルト工程の製造余力に応じて事前に組電池を分解して、単電池の状態で保管して必要に応じて組電池製造時に使用することも可能である。
上記のような判断部470の判断によると、利用し得る電池ブロック(あるいは単電池)を多く含む組電池が優先的にリビルト工程に送られる。これにより、リビルト工程には、必要最小限の組電池が送られる。そのため、リビルト工程での組電池の分解などの工数が最小限に抑えられ、リビルト工程における作業が効率化される。
図8は、実施の形態による組電池再利用システムで行なわれる処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、図1および/または図2に示す選別装置400によって実行される。
図3および図8を参照して、はじめに、回収された組電池の識別が行なわれる(ステップS101)。次に、ステップS101において識別された組電池の組電池情報が取得される(ステップS102)。その後、ステップS102で取得された組電池情報に基づき、回収された組電池が、リサイクル、リビルト候補、リユースのいずれかに分別される(ステップS103)。すなわち、回収された組電池が、リサイクルされるか、リユースされるか、あるいは、リビルト候補とされるかが決定される。
このステップS103の工程を経た組電池は、たとえば一定期間、倉庫などに保管され得る。すなわち、一定期間中、ステップS103の工程を経た組電池が次々と倉庫に保管される。一定期間は、図3の通信部460が最新の組電池需要情報を定期的に取得する期間であり、たとえば数日から数週間程度である。
ステップS103においてリビルト候補に決定された組電池の各々に対して、そこに含まれる利用し得る単電池量が決定される(ステップS104)。次に、新たな組電池の生産に対する需要、すなわち組電池需要情報が取得される(ステップS105)。その後、リビルト候補の組電池の各々について、リサイクルされるべきか、または、リビルトに用いられるべきかが決定され(ステップS106)、フローチャートは終了する。
最後に、本発明の実施の形態について総括する。図1および図3を参照して、本発明の実施の形態に係る組電池再利用システム100は、組電池情報を取得する組電池情報取得部(通信部420)と、要求される新たな組電池のリビルトに必要な単電池の量を取得する組電池需要情報取得部(通信部460)と、組電池情報取得部(通信部420)が取得した組電池情報に基づいて、回収された組電池がリビルト候補であるか否かを決定するリビルト候補決定部430と、リビルト候補決定部430が決定したリビルト候補の組電池に含まれるリビルトに利用できる可能性のある単電池の量を決定する単電池量決定部440と、単電池量決定部440が決定したリビルトに利用できる可能性のある単電池の量と、組電池需要情報取得部(通信部460)が取得した要求される新たな組電池のリビルトに必要な単電池の量とに基づいて、リビルト候補の組電池をリビルト工程に送るか否かを判断する判断部470とを備える。これにより、適切な量の組電池のみをリビルト工程に送ることができる。その結果、必要最小限の組電池のみがリビルトに用いられ、組電池のリビルトに係るコストを低減することが可能になる。
好ましくは、図5に示すように、組電池情報は、組電池が回収される前に予め収集可能な情報である。図6に示すように、リビルト工程は、組電池情報に含まれない情報を得るための検査工程を含むといったこともあり、その作業には時間やコストが掛かるが、実施の形態により、そのコストが低減され得る。
好ましくは、図1、図3および図7に示すように、組電池再利用システム100は、複数のリビルト候補の組電池(組電池Aから組電池E)の各々について単電池量決定部440が決定したリビルトに利用できる可能性のある電池の量を記憶する記憶部450をさらに備える。判断部470は、記憶部450に記憶されたリビルト候補の組電池(組電池Aから組電池E)の各々のリビルトに利用できる可能性のある単電池の量と、要求される新たな組電池のリビルトに必要な単電池の量とに基づいて、複数のリビルト候補の組電池の各々をリビルト工程に送るか否か判断する。さらに好ましくは、判断部470は、複数のリビルト候補の組電池のうち、リビルトに利用できる可能性のある電池の量が多い組電池を優先してリビルト工程に送るように判断する。これにより、リビルト工程には必要最小限の組電池が送られるため、リビルト工程での作業が効率化される。
図3を参照して、実施の形態に係る装置(選別装置400)は、組電池情報を取得する情報取得部(通信部420)と、情報取得部(通信部420)が取得した組電池情報に基づいて、回収された組電池がリビルト候補であるか否かを決定するリビルト候補決定部430と、リビルト候補決定部430が決定したリビルト候補の組電池に含まれるリビルトに利用できる可能性のある単電池の量を決定する単電池量決定部440と、単電池量決定部440が決定した単電池の量と、要求される新たな組電池のリビルトに必要な単電池の量とに基づいて、リビルト候補の組電池をリビルト工程に送るか否かを判断する判断部470とを備える。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。