JP2015074760A - ポリエステルエラストマ組成物及びそれを用いてなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 優れた透明性を示すのみならず、成形品の表面硬度の高いポリエステルエラストマ組成物を提供する。
【解決手段】 ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーを含有するポリエステルエラストマ組成物であって、ポリエステルエラストマ100質量部に対して、有機カルボン酸アルカリ金属塩が0.1〜5質量部、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが0.3〜4質量部であり、前記ポリエステルエラストマがジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とし、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸が70モル%以上であり、グリコール成分としてポリオキシアルキレングリコール5〜35モル%、直鎖のアルキレングリコールが40〜75モル%、及び側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5〜25モル%であるポリエステルエラストマ組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、透明性を有するポリエステルエラストマ組成物に関する。さらに詳しくは、成形品とした際に優れた透明性を示すのみならず、成形品の表面硬度の高いポリエステルエラストマ組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレートのような結晶性ポリエステルをハード成分とする熱可塑性ポリエステルエラストマは、柔軟性、反発性、弾性回復性のようなゴム的性質、低温および高温特性、耐水性、耐薬品性などに優れ、射出成形や押出成形といった成形加工が可能であるため、自動車部品および電子電気用途などへ用途を拡大している。しかしながら、これらのポリエステルエラストマはハード成分に結晶性を持つため、大量のハード成分を有したポリエステルエラストマは結晶量が多いため、高い表面硬度を有するが透明性が低い。一方で、少量のハード成分を有したポリエステルエラストマは、結晶量が少ないため、透明性は高いが表面硬度は低い。透明性、硬度は結晶量の観点から二律背反の関係であり、両立させるのが極めて困難である。しかし、この二つを両立させることで透明ポリエステルエラストマとして幅広く展開が可能となる。
熱可塑性ポリエステルエラストマに透明性を付与する方法として、ポリエステルエラストマに脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩を配合する方法が知られている(例えば特許文献1、2など)。しかし、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩を配合した系では、十分な透明性を発生させるために過剰量の添加を必要とし、その結果、ナトリウム塩によるポリエステルの主鎖分解による黄変や、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩のブリードアウトによる成形品外観不良など、問題も多い。
また、ポリエステルエラストマにエチレン−メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などのアイオノマ樹脂を配合する方法も提案されている(例えば特許文献3、4など)。この方法では、アイオノマ樹脂の分子量が大きく、ポリエステルとの相溶性も良好であることから、ブリードアウトが少なく、比較的透明性のある樹脂組成物を得ることが出来る。しかしながら、ポリエステル樹脂とアイオノマ樹脂の屈折率が不一致であることに起因して、十分な透明性が得られず、さらには、70℃から80℃近い温度雰囲気下で数分間熱処理を行うと、アイオノマ樹脂の軟化に由来する白化、著しい成形品の変形挙動が見られるなど、問題も多い。
また、特許文献5、6には、ハードセグメントやソフトセグメントを共重合型にして結晶性を低下させた変性ポリエステルエラストマを選択し、かつ側鎖にカルボン酸塩基を有するエチレン系共重合体(アイオノマ樹脂)と脂肪族カルボン酸金属塩とを併用配合することで、透明性の向上とブリードアウト抑制を提案している。しかしながら、透明性が充分ではないのみならず、変性ポリエステルエラストマでは、汎用のポリエステルエラストマの特長である成形性や機械的特性が損なわれる傾向にあり、またコスト高にもなるため好ましくない。汎用のポリエステルエラストマで、透明性に優れるのみならず、成形品表面硬度に優れたポリエステルエラストマ組成物の提供が要望されている。
本発明の目的は、優れた透明性を示すのみならず、成形品の表面硬度の高いポリエステルエラストマ組成物を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者等は鋭意検討し、以下の発明を提案するに至った。即ち本発明は、以下の通りである。
[1] ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーを含有するポリエステルエラストマ組成物であって、ポリエステルエラストマ100質量部に対して、有機カルボン酸アルカリ金属塩が0.1〜5質量部、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが0.3〜4質量部であり、前記ポリエステルエラストマがジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とし、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸が70モル%以上であり、グリコール成分としてポリオキシアルキレングリコール5〜35モル%、直鎖のアルキレングリコールが40〜75モル%、及び側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5〜25モル%であることを特徴とするポリエステルエラストマ組成物。
[2] 前記ポリオキシアルキレングリコールの分子量が500〜4000の範囲にあることを特徴とする[1]に記載のポリエステルエラストマ組成物。
[3] 前記直鎖のアルキレングリコールの炭素数が2〜6であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエステルエラストマ組成物。
[4] 前記側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[5] 前記有機カルボン酸アルカリ金属塩の金属が、ナトリウム、リチウム、カリウムのいずれかであり、かつ、有機カルボン酸の炭素数が3〜20であること特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[6] 前記グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーのエポキシ当量が600〜2000eq/tonであり、重量平均分子量が1000〜50000であり、ポリマー1分子あたりのグリシジル基が5以上15以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[7] 前記ポリエステルエラストマ組成物を射出成形して得られる厚さ2mmの平板において、光線透過率65%以上、ヘイズ値20%以下、表面硬度40D以上であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物を射出成形して得られる成形品。
[2] 前記ポリオキシアルキレングリコールの分子量が500〜4000の範囲にあることを特徴とする[1]に記載のポリエステルエラストマ組成物。
[3] 前記直鎖のアルキレングリコールの炭素数が2〜6であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のポリエステルエラストマ組成物。
[4] 前記側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[5] 前記有機カルボン酸アルカリ金属塩の金属が、ナトリウム、リチウム、カリウムのいずれかであり、かつ、有機カルボン酸の炭素数が3〜20であること特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[6] 前記グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーのエポキシ当量が600〜2000eq/tonであり、重量平均分子量が1000〜50000であり、ポリマー1分子あたりのグリシジル基が5以上15以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[7] 前記ポリエステルエラストマ組成物を射出成形して得られる厚さ2mmの平板において、光線透過率65%以上、ヘイズ値20%以下、表面硬度40D以上であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物を射出成形して得られる成形品。
本発明のポリエステルエラストマ組成物は、透明性に優れた成形品を得ることができる。しかも、ポリエステルエラストマ本来の柔軟性、反発性、弾性回復性といったエラストマ特性、機械強度などを保持するとともに、成形性に優れ、高い表面硬度を有することができる。
[ポリエステルエラストマ]
本発明に用いるポリエステルエラストマは、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とする共重合ポリエステルであり、詳しくはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸、グリコール成分として直鎖のアルキレングリコール、側鎖を有するアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレングリコールを主たる成分とする共重合ポリエステルである。
全ジカルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸成分は、70モル%以上であり、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸が70モル%未満の場合は、ポリエステルエラストマとしての硬度が低下する。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等が挙げられる。これらの中でもテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
本発明に用いるポリエステルエラストマは、ジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とする共重合ポリエステルであり、詳しくはジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸、グリコール成分として直鎖のアルキレングリコール、側鎖を有するアルキレングリコール、及びポリオキシアルキレングリコールを主たる成分とする共重合ポリエステルである。
全ジカルボン酸成分中、芳香族ジカルボン酸成分は、70モル%以上であり、80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。芳香族ジカルボン酸が70モル%未満の場合は、ポリエステルエラストマとしての硬度が低下する。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等が挙げられる。これらの中でもテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
直鎖のアルキレングリコールの炭素数は、2〜6が好ましく、3〜5がより好ましい。2未満であると結晶性が高く、十分な透明性を確保できない場合があり、6を超えると結晶性が高くなるため十分な表面硬度を確保できない場合がある。
使用できる直鎖のアルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する上でエチレングリコール、1,4−ブタンジオールのいずれかであることが好ましい。
全グリコール成分中、直鎖のアルキレングリコールは40〜75モル%であり、55〜75であることが好ましく、65〜75モル%であることがより好ましい。直鎖のアルキレングリコールは芳香族ジカルボン酸と反応しハードセグメントとなる。直鎖のアルキレングリコールが40モル%より少ない場合は、結晶性を発現できない。また、直鎖のアルキレングリコールが75モル%より多い場合は、ハードセグメント量が多くなり透明性を確保できない。
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部、側鎖部を以下のように定義する。
主鎖部:水酸基を両端にした時に挟まれる直線状の部位
側鎖部:前記主鎖部のいずれかの炭素部位に結合した部位
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数は、高い表面硬度を付与する点で、1〜6が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。6を超えると結晶性を崩すことができずに十分な透明性を確保できない場合がある。
主鎖部:水酸基を両端にした時に挟まれる直線状の部位
側鎖部:前記主鎖部のいずれかの炭素部位に結合した部位
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数は、高い表面硬度を付与する点で、1〜6が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜4が特に好ましい。6を超えると結晶性を崩すことができずに十分な透明性を確保できない場合がある。
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの側鎖部の炭素数(複数の側鎖を有する場合は、その合計炭素数)は、2〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、2がさらに好ましい。特にメチル基を2つ有する場合(炭素数2)が、硬度を確保した上で、結晶性を崩し、透明性を確保することができる。2未満であると結晶性を崩すことができずに十分な透明性を確保できない場合があり、4を超えると結晶性を大きく崩してしまい、十分な硬度を確保できない場合がある。
側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールとしては、2−メチルプロパンジオール、2,3−ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、等が挙げられる。これらの中でも、高い光線透過率、低ヘイズ値を付与する上でネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールのいずれかであることが好ましい。特に高い表面硬度を付与する点で、ネオペンチルグリコールであることが好ましい。
全グリコール成分中、側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールは5〜25モル%であり、10〜25モル%が好ましく、10〜20モル%がより好ましい。側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールは、結晶性を崩し透明性を確保する上で重要である。側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5モル%より少ない場合は、透明性を確保できず、25モル%より多い場合は、非晶性となり成形性を確保できない。
ポリオキシアルキレングリコールとして、具体的には、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、テトラメチレングリコールとネオペンチルグリコールの共重合体、テトラメチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体等が挙げられる。経済性や機械特性、透明性等の観点から、ポリオキシテトラメチレングリコールが好ましい。
全グリコール成分中、ポリオキシアルキレングリコールは5〜35モル%であり、5〜30モル%であることが好ましく、10〜25モル%であることがより好ましい。ポリオキシアルキレングリコールは、ポリエステルエラストマにゴム的性質を付与する。ポリオキシアルキレングリコールが5モル%より少ない場合、ポリエステルエラストマにゴム的性質を付与することができず、35モル%より多い場合は十分な表面硬度を確保できない。
前記ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、500〜4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマ特性を発現しづらくなる場合がある。一方、数平均分子量が4000を超えると、ポリエステルエラストマのポリオキシアルキレングリコール部分以外のポリエステル部分との相溶性が低下し、透明性を確保するのが難しい場合がある。ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、600以上2000以下であることがより好ましく、700以上1500以下がさらに好ましく、800以上1300以下が特に好ましい。
エステル化/交換反応および重縮合反応の際には、必要に応じて、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、スズ化合物、コバルト化合物を用いて重合する。反応活性の面で、チタン化合物が好ましい。
本発明に用いるポリエステルエラストマは、融点150℃以上230℃以下の結晶性ポリエステルであることが好ましい。ポリエステルエラストマの融点は、160〜210℃であることがより好ましい。融点150℃未満では、自動車・家電用としての耐熱特性を満たすことが困難であり、230℃超の融点では、ポリエステルエラストマ組成物としての結晶性が高く、十分な透明性を確保できない場合がある。
また、本発明に用いるポリエステルエラストマは、ジカルボン酸成分とグリコール成分以外の構成成分として、ヒドロキシカルボン酸や、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲(全ジカルボン酸成分100モル%に対して、5モル%以下の範囲)で共重合することも可能である。
また、本発明に用いるポリエステルエラストマは、ジカルボン酸成分とグリコール成分以外の構成成分として、ヒドロキシカルボン酸や、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲(全ジカルボン酸成分100モル%に対して、5モル%以下の範囲)で共重合することも可能である。
[有機カルボン酸アルカリ金属塩]
有機カルボン酸アルカリ金属塩は、炭素数3〜20の有機カルボン酸アルカリ金属塩であることが好ましい。有機カルボン酸アルカリ金属塩の有機カルボン酸としては、炭素数3〜20の脂肪族、脂環族または芳香族のカルボン酸であることが好ましい。アルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウムが好ましい。特に、ポリエステルエラストマに対する溶解性、良結晶核形成性の点でナトリウムが好ましい。脂肪族カルボン酸とは、直鎖または分岐した脂肪族基にカルボキシル基が付いた化合物であり、結合の一部に、不飽和基、脂環族基、芳香族基あるいは水酸基、リン酸エステル基などのその他の置換基を有していても良い。
有機カルボン酸アルカリ金属塩は、炭素数3〜20の有機カルボン酸アルカリ金属塩であることが好ましい。有機カルボン酸アルカリ金属塩の有機カルボン酸としては、炭素数3〜20の脂肪族、脂環族または芳香族のカルボン酸であることが好ましい。アルカリ金属としては、ナトリウム、リチウム、カリウムが好ましい。特に、ポリエステルエラストマに対する溶解性、良結晶核形成性の点でナトリウムが好ましい。脂肪族カルボン酸とは、直鎖または分岐した脂肪族基にカルボキシル基が付いた化合物であり、結合の一部に、不飽和基、脂環族基、芳香族基あるいは水酸基、リン酸エステル基などのその他の置換基を有していても良い。
炭素数3〜20の有機カルボン酸アルカリ金属塩である限り制限はないが、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などのアルカリ金属塩が挙げられる。
炭素数3〜20の有機カルボン酸アルカリ金属塩の有機カルボン酸の中でも、融解性、ポリエステルエラストマとの相溶性の観点より、炭素数4〜18の脂肪族カルボン酸であることが好ましく、炭素数5〜15の脂肪族カルボン酸であることがより好ましい。
これらの中でも、炭素数が14未満の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、少量の配合で透明性を向上させることができる点で好ましく、炭素数が14以上(水酸基を有していてもよい)の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、ポリエステルエラストマの結晶性を阻害して透明性を向上させると共に、成形時の離型剤としても作用する点で好ましい。
これらの中でも、炭素数が14未満の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、少量の配合で透明性を向上させることができる点で好ましく、炭素数が14以上(水酸基を有していてもよい)の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、ポリエステルエラストマの結晶性を阻害して透明性を向上させると共に、成形時の離型剤としても作用する点で好ましい。
上記の有機カルボン酸アルカリ金属塩の透明化作用についての詳細は不明であるが、次のように推定している。ポリエステルエラストマと有機カルボン酸アルカリ金属塩からなる組成物の示差走査熱量分析(DSC)より、ポリエステルエラストマのみの場合と比べ、降温時結晶化温度(Tc2)のピークトップが高温側へシフトするが、ピーク形状はブロードになる結果が得られた。また、該組成物中から有機カルボン酸を検出できた。これら現象から、有機カルボン酸アルカリ金属は、ポリエステルエラストマの結晶部を微結晶化させるとともに、末端のカルボキシル基に作用して該カルボキシル基をイオン交換反応でアルカリ金属塩基に変化させて、さらなる結晶化を阻害し、イオン交換反応の進行にともなって、有機カルボン酸アルカリ金属塩から有機カルボン酸が遊離してくるものと考えられる。
また、本発明に用いる炭素数3〜20の有機カルボン酸アルカリ金属塩の配合量は、ポリエステルエラストマに対して、質量比でポリエステルエラストマ/有機カルボン酸アルカリ金属塩=100/0.1〜5である。有機カルボン酸アルカリ金属塩が0.1質量部未満の場合、ポリエステルエラストマの結晶化による成形直後の白化や、経時による結晶成長による白化で透明性が低下する。また、有機カルボン酸アルカリ金属塩5質量部を超えて配合した場合、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーのグリシジル基により遊離する有機カルボン酸の捕捉効果を上回り、成形品表面へのブリードアウトが発生し、外観不良の原因となる。有機カルボン酸アルカリ金属塩の配合量は、ポリエステルエラストマ100質量部に対して、0.2〜3質量部であることが好ましい。有機カルボン酸アルカリ金属塩の配合量は、0.3〜2質量部であることがより好ましく、0.5〜1.5質量部であることがさらに好ましい。
[グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー]
本発明の組成物におけるポリエステルエラストマとグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの配合比は、質量比でポリエステルエラストマ/グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー=100/0.3〜4である。グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが、4質量部より多いと、ポリエステルエラストマとの過剰反応(ゲル化)を引き起こしたり、相溶性の問題から失透し、ヘイズ値を低くできない。また、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが0.3質量部未満であると、遊離する有機酸の捕捉効果が小さくなり、成形品表面へのブリードアウトを抑制する効果が見られなくなる。グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの配合量は、ポリエステルエラストマ100質量部に対して、0.3〜3質量部であることが好ましく、0.3〜2質量部であることがより好ましく、0.3〜1質量部であることがさらに好ましい。
本発明の組成物におけるポリエステルエラストマとグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの配合比は、質量比でポリエステルエラストマ/グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー=100/0.3〜4である。グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが、4質量部より多いと、ポリエステルエラストマとの過剰反応(ゲル化)を引き起こしたり、相溶性の問題から失透し、ヘイズ値を低くできない。また、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが0.3質量部未満であると、遊離する有機酸の捕捉効果が小さくなり、成形品表面へのブリードアウトを抑制する効果が見られなくなる。グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの配合量は、ポリエステルエラストマ100質量部に対して、0.3〜3質量部であることが好ましく、0.3〜2質量部であることがより好ましく、0.3〜1質量部であることがさらに好ましい。
本発明に用いるグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーとしては、ポリエステルエラストマとの相溶性が良く、かつポリエステルエラストマとの屈折率差が小さいものが好ましい。
グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーとしては、重量平均分子量(Mw)が1000以上50000以下、エポキシ価が600eq/ton以上2000eq/ton以下であることが好ましい。このとき、重量平均分子量(Mw)は、5000以上20000以下であることがより好ましく、7000以上15000以下であることがさらに好ましく、8000以上12000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が、1000未満の場合、1分子あたりのグリシジル基が少なくなり、遊離する有機酸の捕捉効果が低くなり、かつ増粘効果が低くなるため、好ましくない。重量平均分子量(Mw)は、ポリエステルエラストマとの相溶性の観点より、50000より小さいことが好ましい。また、エポキシ価が600eq/ton未満だと、遊離する有機酸の捕捉効果が低くなる場合があるため、好ましくない。エポキシ価は、ポリエステルエラストマとの過剰反応(ゲル化)抑制の観点より、2000eq/ton以下であることが好ましい。
本発明において、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基数は、エポキシ価、重量平均分子量(Mw)から(式I)のように算出した値を言い、エポキシ価、重量平均分子量(Mw)は、後記する実施例の項に記載の方法で得られるものである。この値が5〜20が好ましく、5〜15がさらに好ましく、5〜10が特に好ましい。5より少ない場合、増粘せずに透明性を確保できない場合がある。また20を超えると、透明性は確保できるものの成形時にゲル化する場合がある。
エポキシ価(eq/ton)×重量平均分子量(Mw)×10−6=1分子あたりのグリシジル基数・・・(式I)
エポキシ価(eq/ton)×重量平均分子量(Mw)×10−6=1分子あたりのグリシジル基数・・・(式I)
グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの具体的な成分としては、グリシジル基含有不飽和単量体とビニル芳香族系単量体との共重合体が好ましい。
グリシジル基含有不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルなどであり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばアクリル酸グルシジル、メタアクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどを挙げることができるが、メタアクリル酸グリシジルが好ましい。
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、メタクリルグリシジルエーテルが好ましい。
ビニル芳香族系単量体としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレンなどのスチレン系単量体が挙げられるが、スチレンが好ましい。
グリシジル基含有不飽和単量体としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテルなどであり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばアクリル酸グルシジル、メタアクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどを挙げることができるが、メタアクリル酸グリシジルが好ましい。
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテルなどが挙げられるが、メタクリルグリシジルエーテルが好ましい。
ビニル芳香族系単量体としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレンなどのスチレン系単量体が挙げられるが、スチレンが好ましい。
ポリエステルエラストマとの相溶性を損なわない範囲で、アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜7のアルキルエステル、例えば(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリルニトリル単量体、酢酸ビニル、プロピル酸ビニルなどのビニルエステル単量体、(メタ)アクリルアミド単量体、無水マレイン酸、マレイン酸のモノエステル、ジエステルなどの単量体などが共重合されていてもよい。しかしながらエチレン、プロピレン、ブテン−1などのα−オレフィン類は、ポリエステルエラストマとの相溶性が損なわれる場合があるため、共重合されていないものが好ましい。
上記のグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの透明化作用についての詳細は不明であるが、次のように推定している。ポリエステルエラストマとグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーからなる組成物の還元粘度分析より、ポリエステルエラストマのみの場合と比べ、還元粘度が上昇する結果が得られた。このため、結晶生長速度が抑制され、前記有機カルボン酸アルカリ金属塩の核剤効果により、以下のようになると推定している。
結晶生長速度<結晶核生成速度
結晶核生成速度が向上することで、結晶が微結晶化し、透明性が向上すると推定している。
結晶生長速度<結晶核生成速度
結晶核生成速度が向上することで、結晶が微結晶化し、透明性が向上すると推定している。
[ポリエステルエラストマ組成物]
本発明に用いるポリエステルエラストマ、ポリエステルエラストマ組成物の組成、及び組成比は、原料の使用量から導き出せるが、試料を重クロロホルム等の溶剤に溶解して測定する1H−NMRのプロトン積分比から算出することにより正確に値を知ることができる。そのため、本発明では、1H−NMRのプロトン積分比から組成、組成比を算出した。
本発明に用いるポリエステルエラストマ、ポリエステルエラストマ組成物の組成、及び組成比は、原料の使用量から導き出せるが、試料を重クロロホルム等の溶剤に溶解して測定する1H−NMRのプロトン積分比から算出することにより正確に値を知ることができる。そのため、本発明では、1H−NMRのプロトン積分比から組成、組成比を算出した。
本発明に用いるポリエステルエラストマ、ポリエステルエラストマ組成物の還元粘度は、後記する測定方法で測定した場合、0.50dl/g以上3.50dl/g以下であることが好ましい。0.50dl/g未満では、樹脂としての耐久性が低くなる場合があり、3.50dl/gを超えると、射出成形などの加工性が不十分になる場合がある。ポリエステルエラストマの還元粘度は、1.00dl/g以上3.00dl/g以下であることがより好ましく、1.50dl/g以上2.80dl/g以下であることがさらに好ましい。
ポリエステルエラストマの酸価は100eq/ton以下が好ましい。上記したグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーを樹脂組成物に含有するので、混合時の過剰反応(ゲル化)を考慮すると、50eq/ton以下が特に好ましい。
本発明におけるポリエステルエラストマの製造方法としては、公知の方法(特開平10−182954号公報など)を採用することができるが、例えば、上記のジカルボン酸及びグリコール成分を150〜250℃でエステル化反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的のポリエステルエラストマを得ることができる。あるいは、上記のジカルボン酸のジメチルエステル等の誘導体とグリコール成分を用いて150〜250℃でエステル交換反応後、減圧しながら230〜300℃で重縮合することにより、目的のポリエステルエラストマを得ることができる。
さらには本発明の組成物に高温長期間の耐久性を必要とする場合は、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系として、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリ(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパノイック酸、ペンタエリトリトールテトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられ、また、燐系として、3,9−ビス(p−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリ(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリフェノキシフォスフィン、イソデシルフォスファイトが挙げられる。これらを単独に、または複合して使用できる。添加量は、組成物の質量基準で、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。0.1質量部未満だと熱劣化防止効果に乏しくなる場合がある。5質量部を超えると、樹脂の色調に悪影響を与える場合がある。
さらに本発明の組成物に耐候性を必要とする場合は、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系化合物を添加することが好ましい。例えば、本発明に用いられるポリエステルエラストマに配合することができるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系光安定剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’、5’−ビス(α,α−ジメチルベンジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンアゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾチリアゾール、2,5−ビス−〔5’−t−ブチルベンゾキサゾリル−(2)〕−チオフェン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル燐酸モノエチルエステル)ニッケル塩、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド85〜90%と2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチル−4’−t−ブチルオキサリックアシッド−ビス−アニリド10〜15%の混合物、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−エトキシ−2’−エチルオキサザリックアシッドビスアニリド、2−〔2’−ヒドロオキシ−5’−メチル−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミド−メチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−i−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニルなどの光安定剤を挙げることができる。添加量は、組成物の質量基準で、0.1質量部以上5質量部以下が好ましい。
本発明の組成物は、ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの合計で、80質量部以上を占めることが好ましい。ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの合計で、90質量部以上がより好ましく、95質量部以上がさらに好ましい。
本発明の組成物の製造方法としては、ポリエステルエラストマと有機カルボン酸アルカリ金属塩とグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーとその他の任意成分を単軸もしくは二軸のスクリュー式溶融混錬機、または、ニーダー式加熱機に代表される通常の熱可塑性樹脂の混合機を用いて溶融混練し、引き続き造粒工程によりペレット化する。
本発明のポリエステルエラストマ組成物は、下記実施例に記載の方法で測定した厚さ2mmの平板での光線透過率が65%以上、さらには70%以上を達成することができ、ヘイズ値20%以下、表面硬度40D以上を達成することができる。
光線透過率が65%以上、ヘイズ値20%以下、表面硬度40D以上を満たすためには、組成物を上記した構成にする必要があり、特には、側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールとして主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であるグリコールを用い、ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量を800以上1300以下とし、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基数を5〜20とすることが重要である。これらの物性を満たすことで、自動車部品および電子電気などの用途からのより高度な透明性、表面硬度の要求にこたえることが可能となる。
光線透過率が65%以上、ヘイズ値20%以下、表面硬度40D以上を満たすためには、組成物を上記した構成にする必要があり、特には、側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールとして主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であるグリコールを用い、ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量を800以上1300以下とし、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基数を5〜20とすることが重要である。これらの物性を満たすことで、自動車部品および電子電気などの用途からのより高度な透明性、表面硬度の要求にこたえることが可能となる。
本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
ポリエステルエラストマの組成(モル%):
ポリエステルエラストマの組成及び組成比の決定は共鳴周波数400MHzの1H−NMR測定(プロトン型核磁気共鳴分光測定)にて行った。測定装置はVARIAN社製 NMR装置 400−MHzを用い、溶媒には重クロロホルム/トリフルオロ酢酸=85/15(重量比)を用いた。
ポリエステルエラストマの組成及び組成比の決定は共鳴周波数400MHzの1H−NMR測定(プロトン型核磁気共鳴分光測定)にて行った。測定装置はVARIAN社製 NMR装置 400−MHzを用い、溶媒には重クロロホルム/トリフルオロ酢酸=85/15(重量比)を用いた。
還元粘度:
充分乾燥した試料0.05gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25mlに溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
充分乾燥した試料0.05gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒25mlに溶かし、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。
酸価:
試料0.2gを10mlのベンジルアルコールに溶解し、0.5mol/lの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬にはフェノールレッドを用いた。
試料0.2gを10mlのベンジルアルコールに溶解し、0.5mol/lの水酸化カリウム(エタノール溶液)で滴定して求めた。指示薬にはフェノールレッドを用いた。
成形性:
成形性は、前記平板を成形して、評価した。その成形品の金型への貼り付きの有無に関して、下記の基準で評価した。
○:金型への貼り付き無し
△:平板の一部分金型への貼り付き有り
×:平板全体が金型へ貼り付く
成形性は、前記平板を成形して、評価した。その成形品の金型への貼り付きの有無に関して、下記の基準で評価した。
○:金型への貼り付き無し
△:平板の一部分金型への貼り付き有り
×:平板全体が金型へ貼り付く
重量平均分子量:
テトラヒドロフランを移動相とした(株)島津製作所製の「SHIMADZU LC−solution」(検出器:RI)を用いて、試料濃度3mg/ml、注入量100μm、カラム温度30℃、流量1mL/分にてGPC測定した結果から計算して、ポリスチレン換算した値を重量平均分子量(Mw)として用いた。カラムは昭和電工(株)のShodex KF−802、804L、806Lを用いた。
テトラヒドロフランを移動相とした(株)島津製作所製の「SHIMADZU LC−solution」(検出器:RI)を用いて、試料濃度3mg/ml、注入量100μm、カラム温度30℃、流量1mL/分にてGPC測定した結果から計算して、ポリスチレン換算した値を重量平均分子量(Mw)として用いた。カラムは昭和電工(株)のShodex KF−802、804L、806Lを用いた。
エポキシ価:
実施例では、市販品を用いており、製造者が測定した値を採用した。
実施例では、市販品を用いており、製造者が測定した値を採用した。
[ポリエステルエラストマ]
ポリエステルエラストマ1〜4、ポリエステルエラストマC:
ジメチルテレフタル酸(DMT)/1,4−ブタンジオール(1,4−BD)/ネオペンチルグリコール(NPG)/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)(PTMG#1000)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、テトラブチルチタネート(以下、TBTと略記)を用いた。ポリエステルエラストマ1〜4の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表1、ポリエステルエラストマCの組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表2に示す。
ポリエステルエラストマ1〜4、ポリエステルエラストマC:
ジメチルテレフタル酸(DMT)/1,4−ブタンジオール(1,4−BD)/ネオペンチルグリコール(NPG)/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)(PTMG#1000)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、テトラブチルチタネート(以下、TBTと略記)を用いた。ポリエステルエラストマ1〜4の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表1、ポリエステルエラストマCの組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表2に示す。
ポリエステルエラストマA、B:
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子1000または、2000)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、TBTを用いた。ポリエステルエラストマA、Bの組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表2に示す。
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子1000または、2000)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、TBTを用いた。ポリエステルエラストマA、Bの組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表2に示す。
ポリエステルエラストマ5:
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ブチルエチルプロパンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、TBTを用いた。ポリエステルエラストマ5の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表1に示す。
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ブチルエチルプロパンジオール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、TBTを用いた。ポリエステルエラストマ5の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表1に示す。
ポリエステルエラストマ6:
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量720)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、TBTを用いた。ポリエステルエラストマ6の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表1に示す。
ジメチルテレフタル酸/1,4−ブタンジオール/ネオペンチルグリコール/ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量720)のポリエステルエラストマを製造した。触媒として、TBTを用いた。ポリエステルエラストマ6の組成(モル%)、還元粘度(dl/g)、酸価(eq/ton)を表1に示す。
実施例1〜9、比較例1〜4
表3に記載の質量比組成で、ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー、さらにポリエステルエラストマ100質量部に対して、酸化防止剤0.3質量部、紫外線吸収剤0.15質量部を二軸のスクリュー式溶融混錬機で溶融混練し、引き続き造粒工程によりペレット化した。このポリエステルエラストマ組成物のペレットを用いて、下記を評価した。
表3に記載の質量比組成で、ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー、さらにポリエステルエラストマ100質量部に対して、酸化防止剤0.3質量部、紫外線吸収剤0.15質量部を二軸のスクリュー式溶融混錬機で溶融混練し、引き続き造粒工程によりペレット化した。このポリエステルエラストマ組成物のペレットを用いて、下記を評価した。
2mm平板作製方法:
前記ポリエステルエラストマ組成物のペレットを、射出成形機を用いて成形した。射出成形機には電動射出成形機EC−100N(東芝成形機械製)を使用し、幅100mm、長さ100mm、厚さ2mmの金型に射出成形した。ホッパー下からノズル先まで170〜230℃、金型温度は40℃の温度条件で成形した。
前記ポリエステルエラストマ組成物のペレットを、射出成形機を用いて成形した。射出成形機には電動射出成形機EC−100N(東芝成形機械製)を使用し、幅100mm、長さ100mm、厚さ2mmの金型に射出成形した。ホッパー下からノズル先まで170〜230℃、金型温度は40℃の温度条件で成形した。
光線透過率、ヘイズ:
前記2mm平板の光線透過率は日本電色工業(株)社製のNDH5000(光源の波長:550nm)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準拠して、全光線透過率(%)及びヘイズ値(%)を測定した。
前記2mm平板の光線透過率は日本電色工業(株)社製のNDH5000(光源の波長:550nm)を用いて、JIS K7361、JIS K7136に準拠して、全光線透過率(%)及びヘイズ値(%)を測定した。
表面硬度測定:
前記2mm平板の表面硬度は、JIS K6253に準拠し、タイプDデュロメータで測定した。
前記2mm平板の表面硬度は、JIS K6253に準拠し、タイプDデュロメータで測定した。
表3中の略記号は、下記の通りである。
[有機カルボン酸アルカリ金属塩]
*1(略記号:CapNa):カプリル酸ナトリウム(日東化成工業(株)社製 CapNa、融点220℃)
*2(略記号:Ns−6):12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム(日東化成工業(株)社製 Ns−6、融点210℃)
[有機カルボン酸アルカリ金属塩]
*1(略記号:CapNa):カプリル酸ナトリウム(日東化成工業(株)社製 CapNa、融点220℃)
*2(略記号:Ns−6):12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム(日東化成工業(株)社製 Ns−6、融点210℃)
[グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマー]
*3(略記号:UG4050):ARUFON UG−4050(東亜合成(株)社製、Mw:8500、エポキシ価670eq/ton、屈折率1.55)、1分子あたりのグリシジル基:6
*4(略記号:UG4035):ARUFON UG−4035(東亜合成(株)社製、Mw:11000、エポキシ価1800eq/ton、屈折率1.52)1分子あたりのグリシジル基:20
*5 (略記号:UG4010):ARUFON UG−4010(東亜合成(株)社製、Mw:2900、エポキシ価1400eq/ton、屈折率1.52)1分子あたりのグリシジル基:4
*3(略記号:UG4050):ARUFON UG−4050(東亜合成(株)社製、Mw:8500、エポキシ価670eq/ton、屈折率1.55)、1分子あたりのグリシジル基:6
*4(略記号:UG4035):ARUFON UG−4035(東亜合成(株)社製、Mw:11000、エポキシ価1800eq/ton、屈折率1.52)1分子あたりのグリシジル基:20
*5 (略記号:UG4010):ARUFON UG−4010(東亜合成(株)社製、Mw:2900、エポキシ価1400eq/ton、屈折率1.52)1分子あたりのグリシジル基:4
[酸化防止剤]
AO80(アデカ(株)社製)
P−EPQ(クラリアントジャパン(株)社製)
[紫外線吸収剤]
チヌビン234(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)
AO80(アデカ(株)社製)
P−EPQ(クラリアントジャパン(株)社製)
[紫外線吸収剤]
チヌビン234(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製)
表3に示すように、実施例1〜4の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、光線透過率が65%以上、ヘイズ値が20%以下の優れた透明性を示すのみならず、表面硬度40Dを超える高い硬度を示した。
実施例5の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、側鎖を有するアルキレングリコールの側鎖部の炭素数が4を超えており、硬度がやや不十分であった。
実施例6の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、ポリオキシアルキレングリコール分子量が800〜1300の範囲内ではないため、透明性がやや不十分であった。
実施例7の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、使用しているグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基量が15を越えているため過剰反応(ゲル化)を起こし、成形性がやや不十分であった。
実施例8の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、使用しているグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基量が5未満のため、増粘せずに透明性がやや不十分であった。
実施例9の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、透明性、表面硬度の点では十分満足できるものであったが、成形品表面にややブリードが発生した。
実施例5の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、側鎖を有するアルキレングリコールの側鎖部の炭素数が4を超えており、硬度がやや不十分であった。
実施例6の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、ポリオキシアルキレングリコール分子量が800〜1300の範囲内ではないため、透明性がやや不十分であった。
実施例7の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、使用しているグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基量が15を越えているため過剰反応(ゲル化)を起こし、成形性がやや不十分であった。
実施例8の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、使用しているグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの1分子あたりのグリシジル基量が5未満のため、増粘せずに透明性がやや不十分であった。
実施例9の本発明のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、透明性、表面硬度の点では十分満足できるものであったが、成形品表面にややブリードが発生した。
比較例1のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、表面硬度は高いが、光線透過率が低く、ヘイズ値が高かった。
比較例2のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、高い光線透過率、低いヘイズ値を示したが、表面硬度は低かった。
比較例3のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、透明性、表面硬度共に優れていたが、成形性が不良であった。
比較例4のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの添加量が4質量部を超えているため、非相溶化し透明性を確保できなかった。
比較例2のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、高い光線透過率、低いヘイズ値を示したが、表面硬度は低かった。
比較例3のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、透明性、表面硬度共に優れていたが、成形性が不良であった。
比較例4のポリエステルエラストマ組成物から得られる成形品は、グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーの添加量が4質量部を超えているため、非相溶化し透明性を確保できなかった。
本発明のポリエステルエラストマ組成物は、従来のポリエステルエラストマ組成物に比べて、透明性に優れるのみならず、成形品の表面硬度が高いため、柔軟で透明性、硬度が望まれる成形品用成形材料として有用である。
Claims (8)
- ポリエステルエラストマ、有機カルボン酸アルカリ金属塩、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーを含有するポリエステルエラストマ組成物であって、ポリエステルエラストマ100質量部に対して、有機カルボン酸アルカリ金属塩が0.1〜5質量部、及びグリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーが0.3〜4質量部であり、前記ポリエステルエラストマがジカルボン酸成分とグリコール成分を構成成分とし、ジカルボン酸成分として芳香族ジカルボン酸が70モル%以上であり、グリコール成分としてポリオキシアルキレングリコール5〜35モル%、直鎖のアルキレングリコールが40〜75モル%、及び側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールが5〜25モル%であることを特徴とするポリエステルエラストマ組成物。
- 前記ポリオキシアルキレングリコールの分子量が500〜4000の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルエラストマ組成物。
- 前記直鎖のアルキレングリコールの炭素数が2〜6であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステルエラストマ組成物。
- 前記側鎖にアルキル基を有するアルキレングリコールの主鎖部の炭素数が1〜6、側鎖アルキル基の炭素数が2〜4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
- 前記有機カルボン酸アルカリ金属塩の金属が、ナトリウム、リチウム、カリウムのいずれかであり、かつ、有機カルボン酸の炭素数が3〜20であること特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
- 前記グリシジル基含有スチレンアクリル系ポリマーのエポキシ当量が600〜2000eq/tonであり、重量平均分子量が1000〜50000であり、ポリマー1分子あたりのグリシジル基が5以上15以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
- 前記ポリエステルエラストマ組成物を射出成形して得られる厚さ2mmの平板において、光線透過率65%以上、ヘイズ値20%以下、表面硬度40D以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステルエラストマ組成物を射出成形して得られる成形品。
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2013
- 2013-10-11 JP JP2013213518A patent/JP2015074760A/ja active Pending
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