JP2022100527A - ポリエステルエラストマ樹脂組成物 - Google Patents

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Akihide Nishiyama
洋輔 山田
Yosuke Yamada
優一 中尾
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裕司 植村
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Abstract

【課題】優れた透明性を示すのみならず、ブリードアウトによる成形品外観不良の問題を抑制した柔軟性に優れたポリエステルエラストマ樹脂組成物を提供する。【解決手段】結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10~50重量%と、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90~50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に、炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3重量部と、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20重量部を含有したポリエステルエラストマ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステルエラストマ樹脂組成物に関するものである。
ポリブチレンテレフタレート単位のような結晶性芳香族ポリエステル単位をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールのような脂肪族ポリエーテル単位をソフトセグメントとするポリエステルエラストマは、押出成形性、射出成形性に優れるばかりか、機械的強度が高く、耐衝撃性、弾性回復性、耐屈曲疲労性、柔軟性などのゴム的性質、低温および高温特性、耐水性、耐薬品性などに優れ、さらに熱可塑性で成形加工が容易であるため、自動車部品および電気・電子部品、繊維、フィルムなどの分野に用途を拡大している。
このように有用なポリエステルエラストマであるが、溶融時は透明であっても、冷却固化時は白濁して不透明になるため、透光性や透明性を要求される用途には用いることができなかった。
ポリエステルエラストマに透明性を付与する方法として、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体に脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩を配合する方法が知られている(例えば特許文献1、2など)。しかし、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩を配合した系では、十分な透明性を発生させるために過剰量の添加を必要とし、その結果、ナトリウム塩によるポリエステルの主鎖分解による黄変や、脂肪族カルボン酸ナトリウム塩のブリードアウトによる成形品外観不良など、問題も多い。
さらに、ポリエステルエラストマにエチレン-メタクリル酸共重合体のアルカリ金属塩などのアイオノマ樹脂を配合する方法も提案されている(例えば特許文献3、4など)。この方法では、アイオノマ樹脂の分子量が大きく、ポリエステルとの相溶性も良好であることから、ブリードアウトが少なく、比較的透明性のある樹脂組成物を得ることが出来る。
特公昭59-5142号公報 特開平6-306263号公報 特公昭58-24459号公報 特開平10-182954号公報
しかしながら、特許文献3、4では、確かに成形体の表面にブリードアウトはないが、そもそも十分な透明性が得られず、高い透明性を求められる部材への展開が困難であるなど、問題も多い。
本発明の目的は、優れた透明性を示すのみならず、ブリードアウトによる成形品外観不良の問題を抑制した、柔軟性に優れたポリエステルエラストマ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、脂肪族カルボン酸金属塩の炭素数に注目した。炭素数が少ない脂肪族カルボン酸金属塩は、少量の配合で透明性を向上させることができる点で好ましいが、炭素鎖が短いためブリードアウトを引き起こしてしまう。一方、炭素数が多い脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、炭素鎖が長いためブリードアウトを抑制し、ポリエーテルエステルブロック共重合体の結晶性を阻害して透明性を向上させる点で好ましいが、十分な透明性を得るためには大量の添加が必要であり、やはりブリードアウトが生じてしまうことを見出した。しかしながら、本発明らは、適正な炭素数の脂肪族カルボン酸金属塩であれば、他成分との組み合わせによっては、ブリードアウトを抑制しつつ透明性を向上させることができるのではないかと考えた。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、以下の発明を提案するに至った。即ち本発明の様態は、以下の通りである。
(1)結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10~50重量%と、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90~50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に、炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3重量部と、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20重量部を含有したポリエステルエラストマ樹脂組成物。
(2)前記ポリエステルエラストマ樹脂組成物が厚さ2mmのシートで測定したヘイズ値(曇度)が40%以下である(1)記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
本発明によれば、優れた透明性を示すのみならず、ブリードアウトによる成形品外観不良の問題を抑制した柔軟性に優れたポリエステルエラストマ樹脂組成物を提供することにある。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の高融点結晶性重合体セグメント(a)は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールから形成されるポリエステルであり、好ましくはテレフタル酸および/またはジメチルテレフタレートと1,4-ブタンジオールから誘導されるポリブチレンテレフタレートであるが、この他に、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5-スルホイソフタル酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などのジカルボン酸成分と、分子量300以下のジオール、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p-ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(2-ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,4’-ジヒドロキシ-p-タ-フェニル、4,4’-ジヒドロキシ-p-クオ-タ-フェニルなどの芳香族ジオールなどから誘導されるポリエステル、あるいはこれらのジカルボン酸成分およびジオール成分を2種以上併用した共重合ポリエステルであっても良い。また、3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分などを5モル%以下の範囲で共重合することも可能である。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)の低融点重合体セグメント(b)は、脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルである。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。また、脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが挙げられる。これらの脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルのなかで得られるポリエステルブロック共重合体の弾性特性からポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリコールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンアジペートなどが好ましい。また、これらの低融点重合体セグメントの数平均分子量としては共重合された状態において300~6000程度であることが好ましい。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)における高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量は10~50重量%、低融点重合体セグメント(b)の共重合量は90~50重量%である。好ましくは、ポリエステルブロック共重合体(A)における高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量は10~40重量%、低融点重合体セグメント(b)の共重合量は90~60重量%である。さらに好ましくは、ポリエステルブロック共重合体(A)における高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量は10~30重量%、低融点重合体セグメント(b)の共重合量は90~70重量%である。高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量が10重量%未満であると、結晶性が不十分となり成形性や耐熱性が悪くなる。一方、高融点結晶性重合体セグメント(a)の共重合量が50重量%を越えると、本発明の目的とする透明性が十分に発現しない。
本発明に用いられるポリエステルブロック共重合体(A)は公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、および低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよび低融点重合体セグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法。また、あらかじめ高融点結晶性セグメントを作っておき、これに低融点セグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法。高融点結晶性セグメントと低融点重合体セグメントを鎖連結剤でつなぐ方法。さらにポリ(ε-カプロラクトン)を低融点重合体セグメントに用いる場合は、高融点結晶性セグメントにε-カプロラクトンモノマを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよい。
本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一つである脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)は、ポリエステルエラストマ樹脂組成物を透明化する作用を持つ透明化剤として使用する。本発明の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)は、炭素数10以上15以下である。好ましくは、炭素数10以上14以下であり、さらに好ましくは炭素数10以上13以下である。脂肪族カルボン酸とは、直鎖または分岐した脂肪族基にカルボキシル基が付いた化合物であり、結合の一部に、不飽和基、脂環族基、芳香族基あるいは水酸基、リン酸エステル基などのその他の置換基を有していても良い。脂肪族カルボン酸としては、カプリン酸(炭素数10)、ウンデシル酸(炭素数11)、ラウリン酸(炭素数12)、トリデシル酸(炭素数13)、ミスチリン酸(炭素数14)、ペンタデシル酸(炭素数15)などが挙げられ、中でも、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸が好ましい。アルカリ金属塩の中では、ナトリウム塩がポリエステルエラストマに対する溶解性、良結晶核形成性の点で好ましい。
本発明の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)は、融解性、ポリエーテルエステルブロック共重合体との相溶性、ブリードアウトの観点より、炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩である。炭素数9以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、少量の配合で透明性を向上させることができる点で好ましいが、炭素鎖が短いためブリードアウトを引き起こしてしまう。一方、炭素数16以上の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩は、炭素鎖が長いためブリードアウトを抑制し、ポリエーテルエステルブロック共重合体の結晶性を阻害して透明性を向上させる点で好ましいが、十分な透明性を得るためには大量の添加が必要であり、大量の添加ではブリードアウトが生じてしまう。
脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)の配合量は、0.01~3重量部である。脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)の添加量は、好ましくは0.05~2重量部、さらに好ましくは0.1~1重量部を配合する。
炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)の配合量が0.01未満では、十分な透光性や透明性が得られず、3重量部を超えると加工時に発生するガスが多くなるため、成形性に影響がでる。その結果、金型転写性が悪くなり、成形品表面が綺麗に作製できず、ヘイズ値が悪化する。
本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一つである側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)は、エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン系不飽和カルボン酸との共重合体を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、亜鉛イオンなどで中和したもので、これらは、例えばデュポン社から”サーリン”または三井・ダウポリケミカル社から”ハイミラン”として市販されているものである。中でもナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属イオンで中和したものが好ましい。
本発明の側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)は、0.2重量部以上20重量部未満である。好ましくは、0.5~15重量部、特に好ましくは1~10重量部配合する。
側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)の配合量が0.2重量部未満では、透光性や透明性が不十分であり、20重量部以上では相分離が起こり、機械的な物性と透光性や透明性が低下する。特定量の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)と特定量の側鎖にカルボン酸金属塩を有するエチレン共重合体(C)を用いると、加工時に発生するガスの抑制や離型性を改善することができるため、重要である。
本発明の樹脂組成物は、厚さ約2mmのシートで測定したヘイズ値(曇度)が40%以下であることが好ましい。ヘイズ値が40%未満のものは目視で透明であり、印刷物の上にこのシートを置いた場合、文字がきわめて明瞭に見える。ヘイズ値(曇度)が40%以下のものは、自動車部品および電子電気用途などの用途からの透明性の要求にこたえることが可能となる。
さらには本発明の樹脂組成物に高温長期間の耐久性を必要とする場合は、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系として、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3-トリ(4-ヒドロキシ-2-メチル-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(3-t-ブチル-6-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパノイック酸、ペンタエリトリトールテトラキス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられ、また、燐系として、3,9-ビス(p-ノニルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9-ビス(オクタデシロキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジフォスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリ(モノノニルフェニル)フォスファイト、トリフェノキシフォスフィン、イソデシルフォスファイトが挙げられる。これらを単独に、または複合して使用できる。添加量は、樹脂組成物の質量基準で、0.1%以上5%以下が好ましい。0.1%未満だと熱劣化防止効果に乏しくなることがある。5%を超えると、樹脂の色調に悪影響を与える場合がある。
さらに本発明の樹脂組成物に耐候性を必要とする場合は、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系化合物を添加することが好ましい。例えば、本発明に用いられるポリエステル系熱可塑性エラストマに配合することができるベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系光安定剤としては、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、p-t-ブチルフェニルサリシレート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’、5’-ビス(α,α-ジメチルベンジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンアゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾチリアゾール、2,5-ビス-〔5’-t-ブチルベンゾキサゾリル-(2)〕-チオフェン、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル燐酸モノエチルエステル)ニッケル塩、2-エトキシ-5-t-ブチル-2’-エチルオキサリックアシッド-ビス-アニリド85~90%と2-エトキシ-5-t-ブチル-2’-エチル-4’-t-ブチルオキサリックアシッド-ビス-アニリド10~15%の混合物、2-〔2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルオキサザリックアシッドビスアニリド、2-〔2’-ヒドロオキシ-5’-メチル-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’-テトラヒドロフタルイミド-メチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-i-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシルオキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニルなどの光安定剤を挙げることができる。添加量は、樹脂組成物の質量基準で、0.1%以上5%以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、その他各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、本発明以外の樹脂、無機フィラー、安定剤、及び老化防止剤を熱可塑性エラストマへの添加剤として広く用いられているものを本発明の特徴を損なわない範囲で添加することができる。
また、その他の添加剤として、着色顔料、無機、有機系の充填剤、カップリング剤、タック性向上剤、クエンチャー、金属不活性化剤等の安定剤、多官能グリシジル基含有スチレン系ポリマ等を添加することもできる。本発明の樹脂組成物は、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)、炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩(B)、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体(C)の合計で、80質量%以上を占めることが好ましい。(A)、(B)、あるいは(A)、(B)、(C)の合計で、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルブロック共重合体、炭素数15~20の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体、と他の添加物を一緒に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し溶融混練する方法、またスクリュー型押出機に、まずポリエステルブロック共重合体を供給して溶融し、さらに他の供給口より、炭素数15~20の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン系共重合体、と他の添加物を供給混練する方法など、適宜採用することができる。
本発明の樹脂組成物は、通常の溶融成形法、例えば射出成形法や押出成形法により成形して各種用途に使用される。繊維、フィルム、シート、チューブなどとしても使用される。
以下に実施例によって本発明の効果を説明する。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない場合すべて重量基準である。また、実施例中に示される物性は次のように測定した。
・融点
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC-910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
・表面硬度(ショアDスケ-ル)
ASTM K-7215に従って測定した。
・ヘイズ値
日精樹脂工業社製の電気式射出成型機(NEX-1000)を用いて、220℃(金型温度:40℃)の条件で、厚さ2mmで125mm×75mmの試験片を作製した。試験片の表面粗さは、KEYENCE社製VK-9700を用いて測定したところ、0.46μmであった。その試験片を用いて、ASTM D1003に従い、東洋精機製作所社製DIRECT READING HAZEMETERを用いて測定した。
・ブリードアウト
先に示した条件で作製した厚さ2mmで125mm×75mmの試験片を、80℃の恒温槽中で3週間熱処理し、取り出した後、表面への析出状態を目視で観察した。
参考例
ポリエステルブロック共重合体(A-1)の製造
結晶性芳香族ポリエステルからなる高融点結晶性重合体セグメントとなるテレフタル酸270部、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメントとなる数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(PTMG-1400)686部、さらに1,4-ブタンジオール(1,4-BD)311部、チタンテトラブトキシド1.8部を共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190~225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ-ドフェノ-ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ポリエステルブロック共重合体(A-2)の製造
結晶性芳香族ポリエステルからなる高融点結晶性重合体セグメントとなるテレフタル酸348部、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメントとなる数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(PTMG-1400)645部、さらに1,4-ブタンジオール(1,4-BD)340部、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190~225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1098(チバガイギー社製ヒンダ-ドフェノ-ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
ポリエステルブロック共重合体(A-3)の製造
結晶性芳香族ポリエステルからなる高融点結晶性重合体セグメントとなるテレフタル酸234部、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメントとなる数平均分子量約2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(PTMG-2000)754部、さらに1,4-ブタンジオール(1,4-BD)228部、チタンテトラブトキシド0.2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190~225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行なった。反応混合物に”イルガノックス”1330(チバガイギー社製ヒンダ-ドフェノ-ル系酸化防止剤)0.5部を添加した後、245℃に昇温し、次いで50分かけて系内の圧力を0.2mmHgの減圧とし、その条件下で3時間30分重合を行わせた。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングを行なってペレットとした。
表1にA-1、A-2、A-3の組成と物性を示す。
Figure 2022100527000001
実施例1~5
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A-1)、(A-2)あるいは(A-3)に、ラウリン酸ナトリウム(B-1)と側鎖にカルボン酸ナトリウム塩基を有するエチレン系共重合体(Du Pont社製“サーリン”AD8610)(C-1)あるいは(三井・ダウポリケミカル株式会社製“ハイミラン”1707)(C-2)を表2に示すような配合比率でドライブレンドし、45mmφのシリンダー径を有する二軸押出機を用いて、溶融混練したのちペレット化した。このペレットを80℃で3時間乾燥後、日精樹脂工業社製の電気式射出成型機(NEX-1000)を用いて、220℃(金型温度:40℃)の条件で、厚さ2mmで125mm×75mmの試験片を作製した。得られた厚さ2mmのシートを用いてヘイズ値を測定するとともに、ブリードアウトの有無を調べた。また、表面硬度を測定した。結果を表2に示す。
比較例1~5
参考例で得られたポリエステルブロック共重合体(A-1)あるいは(A-2)あるいは(A-3)に、炭素数12のラウリン酸ナトリウム(B-1)あるいは炭素数17のステアリン酸ナトリウム(B-2)あるいは炭素数8のカプリル酸ナトリウム(B-3)を表2に示すような配合比率でドライブレンドし、実施例1~5と同様に溶融混練とペレット化と射出成形を行った。得られた厚さ2mmのシートを用いてヘイズ値を測定するとともに、ブリードアウトの有無を調べた。また、表面硬度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2022100527000002
表2から明らかなように低融点結晶性重合体セグメントが90~50重量%のポリエステルブロック共重合体に、炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩を本発明の範囲内で配合した樹脂組成物は透明性に優れる。炭素数16以上の脂肪族カルボン酸を配合すると透明性が不十分であり、透明性を向上させるために大量に添加するとブリードアウトが起こる。一方、炭素数9以下の脂肪族カルボン酸を配合すると透明性が優れるが、ブリードアウトが起こる。
本発明の樹脂組成物は、従来のポリエステルエラストマ樹脂組成物に比べて、透明性に
優れるのみならず、成形品表面へのブリードアウト防止性に優れるため、柔軟で透明性が
望まれる成形品用成形材料として有用である。

Claims (2)

  1. 結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)10~50重量%と、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)90~50重量%とを主たる構成成分とするポリエステルブロック共重合体(A)100重量部に、炭素数10以上15以下の脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩(B)0.01~3重量部と、側鎖にカルボン酸金属塩基を有するエチレン共重合体(C)0.2~20重量部を含有したポリエステルエラストマ樹脂組成物。
  2. 厚さ2mmのシートで測定したヘイズ値(曇度)が40%以下である請求項1に記載のポリエステルエラストマ樹脂組成物。
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