JP2015074673A - 熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化して得られる硬化物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化して得られる硬化物 Download PDF

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千巳 山腰
進一 瀧本
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進一 瀧本
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Abstract

【課題】流動性を維持しつつ、耐熱性、耐湿性に優れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物であって、ノボラック樹脂が、フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック樹脂である、熱硬化性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物及びこれを硬化して得られる硬化物に関する。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂を組合せた熱硬化性樹脂組成物は耐熱性、密着性、および電気絶縁性などに優れることから様々な分野に使用されている。例えば、プリント基板用樹脂組成物やプリント基板および樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、電子部品の封止材用樹脂組成物、レジストインキ、導電ペースト(導電性充填剤含有)、塗料、接着剤、複合材料などに用いられている。
半導体封止材では製品の小型化、薄型化、微細化のニーズが高まっており、更なる耐熱性、耐湿性、難燃性の向上、線膨張係数の低減などが求められている。また近年では、環境問題から、実装工程で鉛フリーの半田が多用されている。鉛フリーの半田は従来の半田より融点が高いため、高いリフロー温度(たとえば、245℃〜260℃)が必要である。さらには車載向けの用途展開や、ICチップがSiからSiCへと切り替わりつつあることから、半導体封止材並びにその周辺材料がさらされる温度環境も高くなっている。このような状況下において、半導体封止材の吸湿した水分が高温下で膨張もしくは気化する事によって、クラックや剥離を生じる場合があり、かかる場合には信頼性を低下させる現象が発生することから、特に半導体封止材の耐湿性を向上させる要求が高まっている。
その解決手段の一つとして、充填剤の使用量を増加することにより、成形品の線膨張係数の低減や吸湿率の低減、難燃性の向上が可能となる。しかし一方で、使用量増加により配合物の流動性が低下し、成形性が悪くなるという問題がある。
特許文献1には、主鎖に炭素数1〜12のアルキレン基を有する新規なフェノール樹脂をエポキシ硬化剤として使用し、熱時低弾性率を達成したことが記載されている。しかしながら、硬化物の更なる低弾性率化が望まれる上に、耐熱性や耐湿性の観点からは不十分であった。
特許文献2には、ビフェニルアラルキル変性フェノール樹脂をエポキシ硬化剤として使用し、耐熱性および耐水性に優れた成形物を得られることが記載されている。しかしながら、ビフェニル骨格を含む樹脂組成物ではその架橋密度が低下してしまうため、耐熱性が十分得られず、耐水性においても十分高いとは言えない。
熱硬化性樹脂組成物の耐熱性に関しては、その架橋密度を向上させる手段が一般的であるが、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との硬化物に関しては、架橋密度に比例して水酸基濃度が高くなるため、流動性、耐湿性との両立は困難とされている。
特開2013−57033号公報 特開2007−63339号公報
本発明は、特定のノボラック樹脂を含有することにより、耐熱性、耐湿性に優れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下〔1〕〜〔11〕で示される。
〔1〕ノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物であって、
ノボラック樹脂が、フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック樹脂である、熱硬化性樹脂組成物。
〔2〕前記ノボラック樹脂が、下記一般式(1)によって示されるノボラック樹脂である、〔1〕に記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2015074673
(式中R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基のいずれかを表し、R5は炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを表し、a〜eはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、X、Yはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基のいずれかを表し、Zは単環または多環芳香族炭化水素から水素原子を2つ除いた残基を表す。また、nおよびmはそれぞれ独立に1〜10の整数である。)
〔3〕前記酸性触媒が式(2)
B−(OR)3 (2)
(式中、3個のRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを示す。)
で表されるホウ素化合物およびpKaが25℃において5.0以下の酸を含む触媒である、〔1〕又は〔2〕に記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔4〕前記ノボラック樹脂が、前記ノボラック樹脂の全分子量に対して、数平均分子量300〜800が占めるGPC測定の面積比が45%以上であり、かつ前記ノボラック樹脂の全分子量における重量平均分子量と数平均分子量の分散度が1.5以下である、〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔5〕前記不飽和アルデヒドが、クロトンアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、シンナムアルデヒドから選ばれる1種類以上の化合物である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔6〕前記エポキシ樹脂のエポキシ当量1.0に対し、前記ノボラック樹脂の水酸基当量が0.6〜1.2である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔7〕さらに充填剤を含む、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
〔9〕フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させてノボラック樹脂を作製する工程と、前記ノボラック樹脂とエポキシ樹脂と必須成分として混合する混合工程と、を有する、熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
〔10〕前記酸性触媒が式(2)
B−(OR)3 (2)
(式中、3個のRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを示す。)
で表されるホウ素化合物およびpKaが25℃において5.0以下の酸を含む触媒である、〔9〕に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
〔11〕前記混合工程において、さらに、充填剤を添加する、〔9〕又は〔10〕に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
本発明によれば、耐熱性および耐湿性に優れた硬化物の得られる熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。
合成例1におけるノボラック樹脂AのGPCチャートである。 合成例3におけるノボラック樹脂CのGPCチャートである。
以下、本発明を詳しく説明する。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明における熱硬化性樹脂組成物では、ノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを必須成分とし、前記ノボラック樹脂は、フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック樹脂である。
<ノボラック樹脂>
〔フェノール類〕
ノボラック樹脂の製造に使用される上記フェノール類としては、一般的なフェノール樹脂の製造に使用されるものであれば良く、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、キシレノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、シクロヘキシルフェノール、トリメチルフェノール、ビスフェノールA、カテコール、レゾシノール、ハイドロキノン、ナフトール、ピロガロールなどを、単独又は2種以上混合して使用することができる。これらのうち、汎用性が高く、原料の入手が容易である事から、フェノールまたはクレゾールを使用する事が好ましい。
〔不飽和アルデヒド〕
ノボラック樹脂の製造に使用される前記不飽和アルデヒドは不飽和基とアルデヒド基を含有する化合物である。具体的には、アクロレイン、クロトンアルデヒド、2−メチル−2−ブテナール、3−メチル−2−ブテナール、2−ペンテナール、メタクロレイン、シンナムアルデヒド、2,4−ヘキサジエナール、2−エチルクロトンアルデヒド、ヘキセナール、ヘプテナール、オクテナール、ノネナール、デセナール、ウンデセナール、ドデセナール、2−メチルペンテナール、α−ヘキシルシンナムアルデヒドなどを、単独又は2種以上混合して使用することができる。これらのうち、原料入手性や反応容易性の観点から、クロトンアルデヒドを用いるのが好ましい。
〔芳香族アルデヒド〕
ノボラック樹脂の製造に使用される前記芳香族アルデヒドは、芳香族基とアルデヒド基を含有する化合物である。具体的には、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、メチルベンズアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、トリメチルベンズアルデヒド、エチルベンズアルデヒド、プロピルベンズアルデヒド、ブチルベンズアルデヒド、ジブチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ジメトキシベンズアルデヒド、クミンアルデヒド、ペンタメチルベンズアルデヒド、ヒドロキシメチルベンズアルデヒド、フェノキシベンズアルデヒド、フェニルベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、クロルベンズアルデヒド、ジクロルベンズアルデヒド、トリクロルベンズアルデヒド、テトラクロルベンズアルデヒド、ブロモベンズアルデヒド、ジブロモベンズアルデヒド、トリブロモベンズアルデヒド、テトラブロモベンズアルデヒド、フルオロベンズアルデヒド、ジフルオロベンズアルデヒド、トリフルオロベンズアルデヒド、テトラフルオロベンズアルデヒド、ヨードベンズアルデヒド、ジヨードベンズアルデヒド、トリヨードベンズアルデヒド、テトラヨードベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、ナフタレンジアルデヒド、ヒドロキシナフチルアルデヒド、アントラセンカルボキシアルデヒド、ピレンカルボキシアルデヒド、シアノベンズアルデヒド、ビフェニルジカルボキシアルデヒド、などを単独もしくは2種類以上混合して使用する事が出来る。これらのうち、原料入手性や反応容易性の観点から、ベンズアルデヒドを用いるのが好ましい。
前記不飽和アルデヒドと前記芳香族アルデヒドの合計量は、前記フェノール類の合計量1モルに対して、0.1〜1.0モル、好ましくは0.2〜0.8モル、より好ましくは0.3〜0.7モルの割合で用いるのが望ましい。
この不飽和アルデヒドと芳香族アルデヒドの合計量が0.1モル以上であって、1.0モル以下であると、残存するフェノール類が多くならないため経済的であり、また、得られるノボラック樹脂は後述する分子量範囲になる。
〔酸触媒〕
ノボラック樹脂の製造に使用される前記酸性触媒としては、一般的なフェノール樹脂の製造に使用されるものであれば良く、例えばシュウ酸、ホウ酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、塩酸、硝酸、硫酸、サリチル酸、酒石酸などを、単独もしくは2種類以上混合して使用する事ができる。これらのうち、反応設備への腐食性や、収率などを考慮すると、シュウ酸、ホウ酸、パラトルエンスルホン酸を含有する事が望ましい。
後述する特性を有するノボラック樹脂を得る観点から、より好ましくは、前記酸性触媒として、pKaが5.0以下の酸および式(2)
B−(OR)3 (2)
(式中、3個のRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを示す。)
で表されるホウ素化合物を、同時に使用することが望ましい。
Rである炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
式(2)で表されるホウ素化合物の具体例としては、ホウ酸、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸トリブチルなどが挙げられ、単独若しくは2種以上混合して使用することができる。
前記pKaが25℃において5.0以下の酸としては、一般的なノボラック樹脂の製造に使用されるものであれば良く、例えば塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などが挙げられ、単独若しくは2種類以上混合して使用することができる。pKaが25℃において5.0以下の酸を触媒として用いることで、後述する特性を有するノボラック樹脂を得ることができる。反応設備への腐食およびノボラック樹脂の収率などを考慮すると、pKaが0.0〜4.0である酸が好ましく、例えばシュウ酸(pKa1=1.27、pKa2=4.27)、リン酸(pKa1=2.12)、サリチル酸(pKa=2.97)、酒石酸(pKa1=3.2)などが挙げられる。
前記酸性触媒の使用量は、フェノール類100質量部に対してその合計量が0.1〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.2〜5質量部の割合で用いるのが好ましい。酸性触媒の使用量が0.1質量部以上であって、20質量部以下であることにより、触媒として十分な効果が得られるとともに、合成時に分子量が増大する現象(分解再配列)を抑制して、後述するノボラック樹脂を得ることができる。
本発明において、フェノール類としてフェノールまたはクレゾール、不飽和アルデヒドとしてクロトンアルデヒド、芳香族アルデヒドとしてベンズアルデヒド、酸性触媒としてシュウ酸、ホウ酸、またはパラトルエンスルホン酸を使用する事によって得られるノボラック樹脂は、目的とする分子量のノボラック樹脂を得る観点から望ましい。
〔ノボラック樹脂の好ましい構造〕
前記ノボラック樹脂は、例えば、下記式(1)で示される化合物である。
Figure 2015074673
式中、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基のいずれかを表す。実用上の観点から、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基のいずれかがより好ましい。
式中、R5は炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを表す。実用上の観点から、R5は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜6のアルコキシ基のいずれかが好ましく、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基のいずれかがより好ましい。
式中、a〜eはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、0または1が好ましい。
式中、X、Yはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基のいずれかを表す。実用上の観点から、X、Yはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
式中、Zは単環または多環芳香族炭化水素から水素原子を2つ除いた残基を表す。好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、またはアントラセンから水素原子を2つ除いた残基である。
式中、nおよびmはそれぞれ独立に1〜10の整数である。好ましくは、目的とする溶融粘度とする観点から、nおよびmはそれぞれ独立に1〜5の整数であり、より好ましくは、nおよびmはそれぞれ独立に1〜3の整数である。
なお、(1)式では、n、mで示される単位は直列に結合しているように示しているが、各単位は交互に結合していたり、ランダムに結合していても良い。
目的とする分子量分布や熱硬化性樹脂組成物の硬化物として得られる物性の観点からは、R1〜R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基のいずれか、R5は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシル基のいずれか、a〜eはそれぞれ独立に0または1、X、Yはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、Zはベンゼン、ナフタレン、またはアントラセンから水素原子を2つ除いた残基、nおよびmはそれぞれ独立に1または2であり、かつ、n+mが2または3であることがさらに好ましい。
前記ノボラック樹脂の数平均分子量について、前記ノボラック樹脂の全分子量に対して、数平均分子量300〜800が占めるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という)の面積比が30%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、60%以上が更に好ましい。
また、前記ノボラック樹脂の全分子量における重量平均分子量と数平均分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が2.5以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましい。上記の分子量範囲とすることにより、目的の溶融粘度を得ることができ、熱硬化性樹脂組成物に配合した際の組成物の流動性を保って、エポキシ樹脂の硬化剤として十分な効果を発揮することができる。
エポキシ樹脂の硬化剤として使用した場合の成形性の観点から、前記ノボラック樹脂は、前記ノボラック樹脂の全分子量に対して、数平均分子量300〜800が占めるGPC測定の面積比が45%以上であり、かつ前記ノボラック樹脂の全分子量における重量平均分子量と数平均分子量の分散度が1.5以下であることが好ましい。上記のような範囲にあるノボラック樹脂をエポキシ樹脂の硬化剤として使用することにより、常温や熱時(例えば、260℃)の曲げ弾性率を抑えることができ、電子部品の封止材用樹脂組成物や、プリント基板用樹脂組成物など、各種用途に好適に用いることができる。
前記ノボラック樹脂の150℃における溶融粘度について、好ましくは1500mPa・S以下であり、より好ましくは1000mPa・S以下であり、さらに好ましくは700mPa・S以下である。溶融粘度が1500mPa・s以下であると、エポキシ樹脂の硬化剤として使用した場合、配合物の流動性が向上するため成形性に優れた配合物が得られる。150℃における溶融粘度の測定方法は、実施例において述べる。
フェノール類とアルデヒド類とを反応させる方法には、特に制限はなく、例えばフェノール類と、アルデヒド類、酸触媒を一括で仕込み反応させる方法、またはフェノール類と酸触媒を仕込み、所定の反応温度にてアルデヒド類を添加する方法が挙げられる。
このとき、反応温度は30〜130℃の範囲で行うと良く、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは60〜80℃である。
反応温度が30℃以上であって、130℃以下であることにより、適正な反応速度で反応し、未反応のフェノール類が残存しにくくなり、高分子量成分のノボラック樹脂の生成が抑制される。
反応時間は特に制限はなく、アルデヒド類および触媒の量、反応温度により調整すればよい。例えば、6〜10時間反応させることにより、未反応フェノール類が残存しにくくなり、高分子量成分のノボラック樹脂の生成が抑制される。
〔有機溶剤〕
反応の際、有機溶剤を使用することも可能である。
このような有機溶媒としては、プロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ブチレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、1,4−ジオキサン等のエーテル類等が単独で、若しくは二種以上を併用して使用できる。
前記有機溶媒は、フェノール類100質量部に対して、0〜1,000質量部、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは20〜50質量部程度となるように使用することができる。
反応後は蒸留により縮合水を除去したり、また必要に応じて水洗して残存触媒を除去してもよい。
更に、減圧蒸留或いは水蒸気蒸留を行って未反応のフェノール類や未反応アルデヒド類を除去してもよい。
<エポキシ樹脂>
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、特に限定するものではなく、公知のエポキシ樹脂を使用できる。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、カテコール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂などの二価のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール変性型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂などの三価以上のフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、有機リン化合物で変性されたエポキシ樹脂などが挙げられる。この中ではビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。またこれらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
〔エポキシ樹脂とノボラック樹脂との混合割合〕
エポキシ樹脂とノボラック樹脂の混合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ当量1.0に対し、ノボラック樹脂の水酸基当量が好ましくは0.6〜1.2の範囲、より好ましくは0.7〜1.1の範囲、さらにより好ましくは1.0とする。
<硬化促進剤>
この熱硬化性樹脂組成物には、硬化反応を促進する目的で、硬化促進剤を適宜使用することもできる。
そのような硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール、有機リン系化合物、第2、3級アミン、オクチル酸スズなどの有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩などが挙げられ、これらは単独で、もしくは二種以上を併用して使用することができる。
前記のうち、イミダゾール系化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4、5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2、4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリンなどが挙げられる。
これらイミダゾール系化合物は、マスク化剤によりマスクされていてもよい。
マスク化剤としては、アクリロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジンイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリレートなどが挙げられる。
有機リン系化合物としては、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチルホスフィン、フェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン/トリフェニルボラン錯体、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
第2級アミン系化合物としては、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−アルキルアリールアミン、ピペラジン、ジアリルアミン、チアゾリン、チオモルホリンなどが挙げられる。
第3級アミン系化合物としては、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物の100質量部に対して、エポキシ樹脂及びノボラック樹脂の合計質量部は、5〜50質量部、好ましくは10〜30質量部、より好ましくは15〜25質量部である。15〜25質量部の範囲であることにより、流動性を維持しつつ、耐熱性および耐湿性に優れた硬化物の得られる熱硬化性樹脂組成物が提供できる。
〔その他の配合剤〕
また本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、改質剤として使用される熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂、顔料、シランカップリング剤、離型剤などの種々の配合剤を目的に応じて添加することができる。
このうち、充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、フォステライト、ステアタイト、スピネル、チタニア、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機充填剤が挙げられる。溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、熱可塑性樹脂組成物に対する溶融シリカの含有量を高め、且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に、熱可塑性樹脂組成物に対する球状シリカの含有率を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。充填剤の含有率は適用用途や所望特性によって、望ましい範囲が異なるが、例えば半導体封止材用途に使用する場合は、線膨張係数や難燃性を鑑みれば高い方が好ましく、熱可塑性樹脂組成物全体量に対して65質量%以上が好ましく、特に好ましくは80〜90質量%程度である。また導電ペーストや導電フィルムなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉などの導電性充填剤を用いることができる。
改質剤として使用される熱硬化性および熱可塑性樹脂としては公知の種々のものが全て使用できるが、例えばフェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などを、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
シランカップリング剤としては、アミノシラン系化合物、ビニルシラン系化合物、スチレン系シラン化合物、メタクリルシラン系化合物などのシランカップリング剤を挙げることができる。
また、離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、およびカルナバワックスなどを挙げることができる。
[熱硬化性樹脂組成物の製造方法]
本発明における熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させてノボラック樹脂を作製する工程と、前記ノボラック樹脂とエポキシ樹脂と必須成分として混合する混合工程と、を有する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法における、フェノール類、不飽和アルデヒド、芳香族アルデヒド、及び酸性触媒については、上述の熱硬化性樹脂組成物において説明したものと同じであることから、その説明は省略する。
また、本発明における熱硬化性樹脂組成物の製造方法において、さらに、上述した硬化促進剤、必要に応じて、充填剤、改質剤として使用される熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂、顔料、シランカップリング剤、離型剤などの種々の配合剤を添加してもよい。
硬化促進剤、充填剤、改質剤として使用される熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂、顔料、シランカップリング剤、離型剤は、上述の熱硬化性樹脂組成物において説明したものと同じであることから、その説明は省略する。
また、本発明における熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、前記混合工程において、さらに、上述した充填剤のいずれか1種を添加してもよい。充填剤としては、熱硬化性樹脂組成物の溶融粘度及び耐熱性の観点から、溶融シリカが好ましい。
混合工程における混合方法や混合順には特に制限はないが、例えばスリーワンモーター、ハイシェアミキサー、プラネタリーミキサー、ビーズミル、三本ロールミル等の機器を用いて、ノボラック樹脂とエポキシ樹脂、必要に応じて硬化促進剤、その他配合剤を一括で仕込んで、あるいは順次投入して混合することができる。また、混合時は原料の軟化点や融点に応じて、加熱しながら混合しても良い。
以下に、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(合成例1)
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、オルソクレゾール100g(0.92モル)、クロトンアルデヒド13g(0.19モル)、ベンズアルデヒド20g(0.19モル)、ホウ酸1g、シュウ酸(pKa=1.04)1gを仕込み、60℃で8時間反応させた。次いで純水100gで4回洗浄を行い、触媒および未反応のオルソクレゾールを除去した。次いで150℃50mmHgの減圧下で留出分を除去し、ノボラック樹脂A70gを得た。
図1に樹脂Aのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)チャートを示す。なお、横軸は溶出時間(分)を示す。
図1から樹脂Aは分子量の低い成分すなわち数平均分子量300〜600の成分が主生成物である事がわかる。
(合成例2〜7)
表1に記載の化合物と反応条件を用いる他は、合成例1と同様にして反応を行い、ノボラック樹脂B〜Gを得た。
図2に樹脂CのGPCチャートを示す。
Figure 2015074673
合成例1〜7で得られたノボラック樹脂について、下記分析方法で測定した値を表1に示す。
(1)数平均分子量、重量平均分子量、分散度
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
カラム構成は昭和電工株式会社製の有機溶媒系SEC(GPC)用カラムの「Shodex」(登録商標)カラムの商品名「KF−804」を2本用い、検出器としては示差屈折計「Shodex」(登録商標)屈折計の商品名「RI−71」を用いて測定した。溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、流量1ml/分で測定した。
分子量はポリスチレン換算、含有率は全ピーク面積中の百分率で算出した。
分散度は重量平均分子量/数平均分子量で算出した。
(2)溶融粘度(mPa・S)
リサーチ・イクウィップ社製ICI粘度計を用い、150℃で測定した。
(実施例1〜7、比較例1)
10質量部のエポキシ樹脂に対し、エポキシ当量/水酸基当量=1/1となる量のノボラック樹脂A〜Gをそれぞれ110℃で溶融混合して得た樹脂成分に、0.1質量部のトリフェニルホスフィン(硬化促進剤)および、組成物中80質量%含有率となる量の溶融シリカ(無機充填剤)を110℃に加熱した2本ロールミルで5分間混合を行い、熱硬化性樹脂組成物を調整した。それぞれの配合について表2に示した。比較例1については、原料に芳香族アルデヒドを含まないノボラック樹脂としてビフェニルアラルキル型ノボラック樹脂;樹脂BN(明和化成株式会社製;商品名「MEH−7851」;150℃溶融粘度440mPa・s)を使用した。
得られた熱硬化性樹脂組成物を金型にて150℃−30分、圧力30kg/cm2で加圧成形した。その後、180℃で5時間後硬化して、長さ95mm、幅10mm、厚さ4mmのテストピースを作製した。
得られたテストピースについてガラス転移温度、吸水率、および25℃条件と260℃条件における曲げ弾性率を次の方法により評価した。
(3)ガラス転移温度
セイコーインスツル株式会社(SII)製の商品名「SSC/5200」を使用してTMA法にてガラス転移温度を測定した。昇温速度は10℃/分、サンプルサイズ幅4mm×長さ10mm×厚み8mmで行った。
(4)吸水率
株式会社平山製作所製の不飽和型高加速寿命試験装置「PC−422R8」(商品名)を使用して、温度121℃、湿度100%で20時間保持した後の重量増加率を測定した。
(5)曲げ弾性率
テンシロン万能試験機(株式会社東洋ボールドウィン製の商品名「テンシロンUTM−5T」を用いてJIS K−6911に準拠した方法で測定した。なお、表2に示す弾性率は、常温で25℃、熱時で260℃における弾性率であることを示す。
Figure 2015074673
表2の配合において、エポキシ樹脂、トリフェニルホスフィン、溶融シリカは次のものを用いた。
エポキシ樹脂:日本化薬株式会社製、(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)、商品名「NC−3000H」
トリフェニルホスフィン:和光純薬工業株式会社製
溶融シリカ:株式会社龍森製、商品名「MSR−2212」
表2より本発明の熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、比較例に対して吸水率を低減させ、かつ高いガラス転移温度及び高い溶融粘度を示す結果が得られた。すなわち、吸水率は従来の材料であるノボラック樹脂BNを使用した場合よりも低い値を示し、かつガラス転移温度は同等もしくはそれ以上の特性を示すことがわかる。
以上、本発明により、耐熱性、耐湿性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤であるノボラック樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物を提供する事が可能になった。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、その硬化物により良好な耐熱性、耐湿性機械的特性、電気絶縁性、金属との接着性などを有する。このため、具体的には電子部品の封止材用樹脂組成物、プリント基板用樹脂組成物、プリント基板および樹脂付き銅箔に使用する層間絶縁材料用樹脂組成物、導電ペースト(導電性充填剤含有)、塗料、接着剤および複合材料などに好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. ノボラック樹脂とエポキシ樹脂とを必須成分とする熱硬化性樹脂組成物であって、
    ノボラック樹脂が、フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させて得られるノボラック樹脂であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記ノボラック樹脂が、下記一般式(1)によって示されるノボラック樹脂である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2015074673
    (式中R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基のいずれかを表し、R5は炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子のいずれかを表し、a〜eはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、X、Yはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基のいずれかを表し、Zは単環または多環芳香族炭化水素から水素原子を2つ除いた残基を表す。また、nおよびmはそれぞれ独立に1〜10の整数である。)
  3. 前記酸性触媒が式(2)
    B−(OR)3 (2)
    (式中、3個のRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを示す。)
    で表されるホウ素化合物およびpKaが25℃において5.0以下の酸を含む触媒である請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記ノボラック樹脂が、前記ノボラック樹脂の全分子量に対して、数平均分子量300〜800が占めるGPC測定の面積比が45%以上であり、かつ前記ノボラック樹脂の全分子量における重量平均分子量と数平均分子量の分散度が1.5以下である請求項1から3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記不飽和アルデヒドが、クロトンアルデヒド、アクロレイン、メタクロレイン、シンナムアルデヒドから選ばれる1種類以上の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂のエポキシ当量1.0に対し、前記ノボラック樹脂の水酸基当量が0.6〜1.2である請求項1〜5のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. さらに充填剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
  9. フェノール類、不飽和アルデヒド、および芳香族アルデヒドを酸性触媒の存在下で反応させてノボラック樹脂を作製する工程と、
    前記ノボラック樹脂とエポキシ樹脂と必須成分として混合する混合工程と、
    を有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記酸性触媒が式(2)
    B−(OR)3 (2)
    (式中、3個のRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基のいずれかを示す。)
    で表されるホウ素化合物およびpKaが25℃において5.0以下の酸を含む触媒である請求項9に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記混合工程において、さらに、充填剤を添加する請求項9又は10に記載の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
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