JP2015074611A - 極性油剤増粘方法及びそれを利用したオイル化粧料洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
一般のオイル化粧料洗浄剤はクレンジングオイルが主流であり、オイル成分で化粧料を溶解させた後、洗浄剤成分によって乳化や分散して水で洗い流す方法により洗浄を行っている。
また、近年増えてきている耐水性メーク製品、例えばマスカラなどのポイントメークを落とす場合、より短時間で効率的に洗浄することが要求される。そのためには洗浄成分を液だれしにくくすることで解決できる。
クレンジングオイルの有する粘度が低く、液だれした場合、クレンジングオイルとマスカラの懸濁液が他の顔の部位に付着し再度洗浄しなおさなければならないという不都合が生じるおそれがある。
クレンジングオイルを増粘させる方法の一つに高分子増粘剤を配合する手段がある(特許文献1)。ポリアクリル酸誘導体では少量で良好なオイル増粘を示すが、皮膚に塗布すると高分子特有のべたつきを感じ、油の残存感により使用感がよくない。
本発明は、生体や環境に対する高い安全性、優れた使用感、および良好な増粘が要求されるオイル増粘剤組成物を提供することを課題とし、特にクレンジングオイルを増粘させる事により、メーク落としの際に、適度な使用感を与え、更にはポイントメークなどを効率的に落とすことができるオイル化粧料洗浄剤組成物を提供することを目的としている。
が自己組織化により逆ひも状ミセルを形成し、極性油剤がチキソ性を有する粘弾性流体を形成しオイルを増粘することを見出した。
またこの方法により作成されるオイル化粧料洗浄剤組成物が、上記課題が解決できることを見出した。
(A)極性油剤100重量部に対して
(B)水を3.0〜6.0重量部
(C)ポリオキシアルキレン硬化ひまし油を10〜50重量部を
必須成分として配合することを特徴とする極性油剤の増粘方法に関する。
さらに本発明増粘法は、成分B及び成分Cが成分A中において、自己組織能により逆ひも状ミセルを形成する極性油剤増粘方法であることが好ましい
この時、使用されるポリオキシアルキレン硬化ひまし油のオキシアルキレン付加モル数が硬化ひまし油1モルに対して
40〜50モルである場合がより好ましい。
(A)極性油剤 100重量部
(B)水 3.0〜6.0重量部
(C)ポリオキシアルキレン硬化ひまし油 10〜50重量部
を含有してなるメイクアップ化粧料の洗浄性に優れるオイル化粧料洗浄剤組成物に関する。
本発明のポリオキシアルキレン硬化ひまし油は、硬化ひまし油に塩基触媒化にてアルキレンオキサイドを付加重合することにより容易に得ることができる。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン硬化ひまし油の好適例としては、PEG−30硬化ひまし油、PPG−30硬化ひまし油、PBG−硬化ひまし油、PEG−35硬化ひまし油、PPG−35硬化ひまし油、PBG−35硬化ひまし油、PEG−40硬化ひまし油、PPG−40硬化ひまし油、PBG−40硬化ひまし油、PEG−45硬化ひまし油、PPG−45硬化ひまし油、PBG−45硬化ひまし油、PEG−50硬化ひまし油、PPG−50硬化ひまし油、PBG−50硬化ひまし油、PEG−55硬化ひまし油、PPG−55硬化ひまし油、PBG−55硬化ひまし油、PEG−60硬化ひまし油、PPG−60硬化ひまし油、PBG−60硬化ひまし油、等が挙げられる。
特に好ましくは、ハンドリング性や相溶性、洗浄性を考慮し、PEG−40硬化ひまし油、PEG−45硬化ひまし油、PEG−50硬化ひまし油がより好ましい。
また、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油のポリオキシアルキレン基としては水を含有させた際の二層分離等の問題を考慮し、ポリオキシエチレン基がより好ましい。
ポリオキシアルキレン硬化ひまし油は極性油の配合量の10〜50%含有させ、水を3.0〜6.0%含有させることによりオイル用増粘組成物を実用的な粘度構築が可能となる。
極性油配合量の10%を下回るポリオキシアルキレン硬化ひまし油、並びに水の3.0%以下の配合は、増粘効果不十分なため好ましくなく、50%を超えるポリオキシアルキレン硬化ひまし油の配合並びに、6.0%を超えた水の配合は、ゲル化や相分離、乳化等が発生し好ましくない。
ひも状ミセル形成に伴う系のレオロジー変化は動的粘弾性測定結果をマックスウェルモデルで応用することで確認が可能である(コロイド化学のためのレオロジー 丸善株式会社出版、松本孝芳著)。また、この方法は本発明のような油状組成物の場合においても、逆ひも状ミセルの形成を確認することが可能である。
本発明者らは、本発明増粘法に関わる範囲で逆ひも状ミセルを形成していることを実施例にて確認した。
極性油としては、トリグリセリド(A−1)、エステル油(A−2)が挙げられる。
トリグリセリド(A−1)としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、イソトリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、エイコサン酸、べへン酸、テトラコサン酸、ミリストレン酸、パルミトレン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、硬化ヒマシ油脂肪酸など、炭素数6以上の高級脂肪酸のトリグリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヤシ油、ツバキ油、カカオ脂、シア脂などの動植物油脂類などが挙げられる。
H 調整剤、香料、抗菌剤、防腐剤、清涼剤、保湿剤、抗炎症剤、美白剤、細胞賦活剤、肌あれ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤、紫外線吸収剤、アミノ酸類、核酸関連物質、酵素、ホルモン類、包接化合物、植物抽出物、動物及び微生物由来の抽出物等を、本発明の効果を損なわない範囲にて1種あるいは2種以上用いて配合することができる。
以下の方法により本件発明一般式(1)に関わる物質を製造/同定した。
1Lナスフラスコに硬化ひまし油(250g)と水酸化カリウム(触媒量)を仕込み、硬化ひまし油の融解後、120〜125℃、30分間の減圧脱水を行った。反応液を1Lオートクレーブに仕込み、窒素置換後に150℃まで昇温してからエチレンオキサイド(EO)付加を開始した。液温140〜160℃でEO付加を行い、EO導入終了後、140〜160℃で1時間の熟成を行った。熟成終了後、反応液を1Lナスフラスコに移し、ロータローエバポレーターを用いてトッピングを行い、目的物を得た。
なお、測定項目の測定条件は以下の方法に従った
表1はグリセライド型の油剤としてトリエチルヘキサノインを用いた時の結果である。
○:無色透明
△:クスミ
▲:白濁
×:相分離
外観目視にて、チキソ性を示したサンプルに関し動的粘弾性測定を行い、逆ひも状ミセル形成の有無を確認した。マックスウェルモデル様の挙動であるならば、実測値をモデルフィッティングすることが可能で、フィッティング結果より、ひも状ミセルの絡み合いの度合いを確認することができる。
≪オイル増粘状態評価≫
5:ゲル状
4:流動性のある増粘性オイル
3:相分離し液体の中にゲルや固体が存在している状態
2:グリースの様な状態
1:見掛け状増粘していない液体
≪クレンジング力≫
5:非常に良く落ちる
4:良く落ちる
3:基準(実施例1の結果)
2:やや落ちる
1:落ちにくい
トリエチルヘキサノイン:パナセート800B(日油株式会社)
PEG−30硬化ひまし油:EMALEX HC−30(日本エマルジョン株式会社)
PEG−40硬化ひまし油:EMALEX HC−40(日本エマルジョン株式会社)
PEG−50硬化ひまし油:EMALEX HC−50(日本エマルジョン株式会社)
PEG−60硬化ひまし油:カワゼットCH−60(川研ファインケミカル株式会社)
PEG−10硬化ひまし油:EMALEX HC−10(日本エマルジョン株式会社)
PEG−80硬化ひまし油:EMALEX HC−80(日本エマルジョン株式会社)
PEG−100硬化ひまし油:EMALEX HC−100(日本エマルジョン株式会社)
Claims (4)
- (A)極性油剤100重量部に対して
(B)水を3.0〜6.0重量部
(C)ポリオキシアルキレン硬化ひまし油を10〜50重量部を
必須成分として配合することを特徴とする極性油剤の増粘方法
- (A)極性油剤100重量部に対して
(B)水を3.0〜6.0重量部
(C)ポリオキシアルキレン硬化ひまし油を10〜50重量部からなり
成分B及び成分Cが成分A中において、自己組織能により逆ひも状ミセルを形成する極性油剤増粘方法
- 請求項1〜3記載の増粘法により増粘された
(A)極性油剤 100重量部
(B)水 3.0〜6.0重量部
(C)ポリオキシアルキレン硬化ひまし油 10〜50重量部
を含有してなるオイル化粧料洗浄剤組成物
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