JP2004018451A - ゲル状組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温安定性、耐衝撃性、使用後の水洗性に優れ、特にマッサージ(血行促進)基剤、メーククレンジング(メーク落し)基剤等に好適に適用される、ゲル状組成物を提供する。
【解決手段】(a)常温で液状の油分を40〜90質量%、(b)HLBが6〜17で、常温で液状〜ペースト状の、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤を7〜40質量%、(c)有機変性粘土鉱物を1〜12質量%、および(d)水を0.5〜10質量%含有し、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)である、ゲル状組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)常温で液状の油分を40〜90質量%、(b)HLBが6〜17で、常温で液状〜ペースト状の、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤を7〜40質量%、(c)有機変性粘土鉱物を1〜12質量%、および(d)水を0.5〜10質量%含有し、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)である、ゲル状組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温安定性、耐衝撃性に優れ、さらに、使用後の水洗性にも優れるゲル状組成物に関する。本発明ゲル状組成物は、特にマッサージ基剤、メーククレンジング基剤に好適に適用される。
【0002】
【従来の技術】
近年化粧品業界において、マッサージ(血行促進)基剤やメーククレンジング(メーク落し)基剤として、マッサージオイル製剤、メーククレンジングオイル製剤等のオイル製剤が多用されている。しかしこれらオイル製剤は、自身の特性である低粘度ゆえ使用時にタレ落ちするという欠点があった。
【0003】
これに対しタレ落ち防止を図ってゲル状としたマッサージ基剤、クレンジング製剤もみられるが、そのほとんどは、水中油型(O/W)製剤を水溶性増粘剤でゲル化したものや、オイルをワックスでゲル化したものである。しかしながら、O/W製剤を水溶性増粘剤でゲル化したものは連続相が水であるために、クレンジング基剤として用いた場合など、洗浄力に乏しく、また、オイルをワックスでゲル化したものは、オイル含有量が多いためマッサージ効果や洗浄効果は満足するものの、経日/温度条件により発汗、離漿し、低温では硬度が上昇するなど安定性に劣るものであった。
【0004】
また、O/W製剤を水溶性増粘剤でゲル化したもの、オイルをワックスでゲル化したもののいずれのタイプも、衝撃などによって一旦ゲルが壊れると元に戻らないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高温安定性、耐衝撃性に優れ、さらに、使用後の水洗性にも優れ、特にマッサージ基剤、メーククレンジング基剤に好適に適用されるゲル状組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、(a)常温で液状の油分を40〜90質量%、(b)HLBが6〜17で、常温で液状〜ペースト状の、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤を7〜40質量%、(c)有機変性粘土鉱物を1〜12質量%、および(d)水を0.5〜10質量%含有し、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)であるゲル状組成物を提供する。
【0007】
また本発明は、マッサージ基剤、メーククレンジング基剤に用いられる上記ゲル状組成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0009】
本発明において、(a)成分として常温(25℃)で液状をなす油分が用いられる。かかる油分としては、一般に化粧料に用いられるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィンなどの炭化水素油;2−エチルヘキサン酸トリグリセリド、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリトール、2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチルなどのエステル油;ホホバ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、綿実油、茶実油、サフラワー油、米糠油などの天然系植物油;デカメチルペンタシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、などが挙げられるが、これら例示に限定されるものでないことはもちろんである。本発明では炭化水素油、エステル油、シリコーン油が好ましく用いられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0010】
(a)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、40〜90質量%であり、好ましくは50〜80質量%である。配合量が40質量%未満では、相対的に他の構成成分の配合量が多くなり、本発明のゲル状組成物を構成しにくくなり、一方、配合量が90質量%超では、ゲル化能の低下、水洗性の低下、安定性の低下を誘発し好ましくない。
【0011】
(b)成分として、HLBが6〜17で、常温(25℃)で液状〜ペースト状をなす、POE(=ポリオキシエチレン)アルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤が用いられる。
【0012】
上記HLBは好ましくは7〜12である。HLBは下記数1
【0013】
【数1】
【0014】
(ただし、MWは親水基部の分子量を表し、MOは親油基部の分子量を表す)
で表される川上式により算出される。
【0015】
(b)成分において、脂肪酸残基としてはオレイン酸残基、イソステアリン酸残基、ラウリン酸残基を含むものが好適である。このような(b)成分を用いることによりゲル化能、水洗性、安定性の点において特に優れた効果を奏する。
【0016】
(b)成分の具体例としては、POE(6)オレイルエーテル(HLB=8、液状)、POE(10)オレイルエーテル(HLB=10、ペースト状)、POE(5)ラウリルエーテル(HLB=9、液状)、POE(10)ヘキサデシルエーテル(HLB=10、ペースト状)、POE(5)イソステアリルエーテル(HLB=7、液状)、POE(10)ラウリルエーテルイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(12)ジラウレート(HLB=9、ペースト状)、POE(12)ジオレエート(HLB=7、液状)、POE(10)モノイソステアレート(HLB=12、液状)、POE(12)ジイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルイソステアレート(HLB=17、ペースト状)、POE(20)グリセリルイソステアレート(HLB=14、液状)、POE(20)グリセリルトリイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルトリイソステアレート(HLB=11、ペースト状)、POE(30)グリセリルトリオレエート(HLB=10、液状)、POE(10)硬化ヒマシ油(HLB=6、液状)、POE(30)硬化ヒマシ油(HLB=11、ペースト状)、POE(20)硬化ヒマシ油モノラウレート(HLB=8、ペースト状)、POE(60)硬化ヒマシ油モノラウレート(HLB=13、ペースト状)、POE(15)硬化ヒマシ油モノイソステアレート(HLB=6、液状)、POE(50)硬化ヒマシ油モノイソステアレート(HLB=12、ペースト状)、POE(30)硬化ヒマシ油トリイソステアレート(HLB=6、液状)、POE(60)硬化ヒマシ油トリイソステアレート(HLB=10、ペースト状)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB=9、液状)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB=6、油状)などが例示されるが、これら例示に限定されるものではない。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
「常温で液状〜ペースト状」を呈さない界面活性剤は、少量であれば(b)成分と併用することも可能ではあるものの、配合量によっては低温で固体析出することがあるので、併用する場合は(b)成分と同量若しくはそれ以下の配合量に抑えるのが好ましい。
【0018】
なお、(b)成分に代えて、他のノニオン性界面活性剤、例えばポリオキシ変性オルガノポリシロキサン(=ポリエーテル変性シリコーン)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合は、ゲルを形成することができず、本発明組成物が得られない。
【0019】
(b)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、7〜40質量%であり、好ましくは10〜20質量%である。配合量が7質量%未満では、水洗性の低下、安定性の低下を誘発しやすくなり、一方、配合量が40質量%超では、もはやゲル化能向上、水洗性向上には無意味であり、界面活性剤の皮膚への負担を考えると化粧品として好ましくない。
【0020】
(c)成分としての有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物(例えばモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイトなど)の結晶層間に介在する変換性カチオンを有機極性化合物や有機カチオンで置換したものなどが挙げられる。具体的には、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(=クオタニウム−18ヘクトライト)、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト(=クオタニウム−18ベントナイト)や、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト等が挙げられる。本発明に用いられる有機変性粘土鉱物は、例えば「ベントン38」(=クオタニウム−18ヘクトライト)、「ベントン34」(=クオタニウム−18ベントナイト)(いずれもレオックス社製)、「クレイトーン40」、「クレイトーンSO」(いずれもサザン・クレイ社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。有機変性粘土鉱物は1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
なお、あらかじめ有機変性された粘土鉱物を用いる以外に、合成スメクタイト(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの未変性粘土鉱物とカチオン界面活性剤を別々に組成物中に配合し、ゲル状組成物製造工程中で粘土鉱物を有機変性させてもよい。
【0022】
(c)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、1〜12質量%であり、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。配合量が1質量%未満では、ゲル化能に乏しく、一方、配合量が12質量%超では、ゲル化能が強過ぎ、使用時ののびが重くなり化粧品として不適となる。
【0023】
(d)成分としての水は、通常化粧品に配合される精製水などが用いられる。
【0024】
(d)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、0.5〜10質量%であり、好ましくは2〜6質量%である。配合量が0.5質量%未満では、ゲル化能に乏しく、一方、配合量が10質量%超では、ゲル破壊が発生し好ましくない。
【0025】
本発明のゲル状組成物は、(a)〜(d)成分を必須成分として含み、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)である。粘度の下限値は好ましくは40000mPa・s(30℃)であり、上限値は好ましくは50000mPa・s(30℃)である。なお、ここでいう粘度は、B型粘度計(30℃)での測定による。
【0026】
本発明のゲル状組成物は、上記(a)〜(d)成分を必須成分とすることによって、(a)成分である液状油分を、(b)〜(d)成分で安定にゲル化するというものである。本発明では、上記構成とすることにより、安定性に優れるとともに、耐衝撃性にも優れるという効果を有し、衝撃などによって一旦ゲルが壊れると元に戻らないという従来のゲル状組成物における欠点を解消することができた。したがって、例えば製造工程中において攪拌等により衝撃を受けてもゲルが壊れて元に戻らないというような不具合を生じないため、製造効率の点においても優れる。さらに使用後の水洗性にも優れる。また使用時ののびにも優れる。
【0027】
本発明のゲル状組成物は、上記必須成分の他に、本発明の所期の効果を損わない範囲で、必要に応じて、通常化粧料に配合される他の成分を任意に配合してもよい。このような成分としては、例えば、グリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの保湿剤;クエン酸、クエン酸ナトリウムなどの緩衝剤;EDTAなどのキレート剤;BHT、ビタミンEなどの酸化防止剤のほか、エモリエント剤、増粘剤、色素、香料、本発明で必須成分として用いられる以外の界面活性剤、などが挙げられる。
【0028】
本発明のゲル状組成物は、マッサージ基剤、メーククレンジング基剤、パック、マスク等に好適に用いられる。
【0029】
【実施例】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0030】
なお、以下の各実施例、比較例において、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(*)は「ベントン38」(レオックス社製)を用いた。
【0031】
実施例に先立ち、各実施例、比較例で用いた試験方法、評価基準について説明する。
【0032】
[ゲル化能]
ゲル化能について下記評価基準に基づいて評価した。
【0033】
なお、組成物の系の粘度の測定は、試料を30℃の恒温槽内で2時間放置し、試料が30℃になったことを確認したうえで、高粘度用粘度計(B型粘度計)を用いて測定した。
(評価基準)
○:ゲル化能に優れる(系中の粘度が20000mPa・s(30℃)以上)
△:ゲル化能にやや劣る(系中の粘度が10000mPa・s以上20000mPa・s(30℃)未満)
×:ゲル化能に劣る(系中の粘度が10000mPa・s(30℃)未満)
【0034】
[使用性(のび)]
専門パネル(女性20名)により、各試料を用いて、使用時ののびについて下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:のびに優れる(20名中11名以上が、使用時ののびがよいと回答)
△:のびにやや劣る(20名中5〜10名が、使用時ののびがよいと回答)
×:のびに劣る(20名中4名以下が、使用時ののびがよいと回答)
【0035】
[水洗性(水での洗い流しやすさ)]
専門パネル(女性20名)により、各試料を用いて、水洗性について下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:水洗性に優れる(20名中11名以上が、水で洗い流した際に、洗い流しやすいと回答)
△:水洗性にやや劣る(20名中5〜10名が、水で洗い流した際に、洗い流しやすいと回答)
×:水洗性に劣る(20名中4名以下が、水で洗い流した際に、洗い流しやすいと回答)
【0036】
[安定性]
各試料を50℃の恒温槽に1ヶ月保存した後の状態を目視で観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:安定性に優れる(外観上の変化なし)
△:安定性にやや劣る(一部に分離が生じた)
×:安定性に劣る(分離が生じた)
【0037】
[耐衝撃性]
各試料100gを、「T. K. HOMO DISPER MODEL 2.5 Ver. 0.1」(特殊機化工業社製)にて、回転数6000rpm、180秒間攪拌処理した後の粘度を測定した。「攪拌処理後粘度/処理前粘度」(30℃)の値を「耐衝撃値」として算出し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:耐衝撃性に優れる(耐衝撃値が0.7以上)
△:耐衝撃性にやや劣る(耐衝撃値が0.3以上0.7未満)
×:衝撃性に劣る(耐衝撃値が0.3未満)
【0038】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
下記表1に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
(実施例4〜6、比較例4〜6)
下記表2に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
(比較例7〜8)
下記表3に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
(比較例9)
下記表4に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
表1〜4の結果から明らかなように、実施例1〜6の本発明ゲル状組成物は、ゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性(50℃、1ヶ月)、耐衝撃性のすべての項目において優れた効果が得られたのに対し、比較例1〜9では全項目での効果の達成はなし得なかった。なお実施例1〜6のいずれも低温(−10℃)での保存も安定していた。
【0047】
以下にさらに本発明ゲル状組成物の好適処方例を示す。
【0048】
(実施例7: クレンジングジェル)
(製法)
室温下(1)、(2)の流動油分に(3)、(4)の界面活性剤を溶解した後、(5)の有機変性粘土鉱物を分散した。その後、強攪拌下(6)の精製水を添加し、クレンジングジェル(粘度:45000mPa・s/30℃)を得た。
【0049】
(実施例8: クレンジングジェル)
(製法)
60℃加熱下(1)、(2)の流動油分に(3)の界面活性剤を溶解し、(4)の界面活性剤を添加した後、室温まで冷却した。その後は実施例7と同様の工程でクレンジングジェル(粘度:54000mPa・s/30℃)を得た。
【0050】
実施例7、8ともに、ゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性(50℃、1ヶ月)、耐衝撃性のいずれにおいても優れ、本願発明効果が得られた。
【0051】
(実施例9: マッサージジェル)
(製法)
室温下(1)、(2)の流動油分に(3)、(4)、(5)の界面活性剤と(7)、(8)の酸化防止剤を溶解した後、(6)の有機変性粘土鉱物を分散し、油相とした。一方、(9)のキレート剤を(10)の精製水に溶解した水相を、強攪拌下、油相に添加し、マッサージジェル(粘度:41000mPa・s/30℃)を得た。
【0052】
(実施例10: クレンジングマッサージジェル)
(製法)
75℃に加熱した(1)、(2)の油分に(7)のカチオン界面活性剤と(9)、(10)の酸化防止剤を溶解した後、(3)、(4)の油分と(5)、(6)の界面活性剤を混合した。(8)の粘土鉱物を分散処理した後、35℃まで冷却し油相とした。一方、(11)のキレート剤を(12)の精製水に溶解した水相を、強攪拌下、油相に添加し、クレンジングマッサージジェル(粘度:35000mPa・s/30℃)を得た。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のゲル状組成物は、安定性、耐衝撃性に優れ、さらに、使用後の水洗性にも優れる。本発明ゲル状組成物は、特にマッサージ基剤やメーククレンジング基剤に好適に適用される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温安定性、耐衝撃性に優れ、さらに、使用後の水洗性にも優れるゲル状組成物に関する。本発明ゲル状組成物は、特にマッサージ基剤、メーククレンジング基剤に好適に適用される。
【0002】
【従来の技術】
近年化粧品業界において、マッサージ(血行促進)基剤やメーククレンジング(メーク落し)基剤として、マッサージオイル製剤、メーククレンジングオイル製剤等のオイル製剤が多用されている。しかしこれらオイル製剤は、自身の特性である低粘度ゆえ使用時にタレ落ちするという欠点があった。
【0003】
これに対しタレ落ち防止を図ってゲル状としたマッサージ基剤、クレンジング製剤もみられるが、そのほとんどは、水中油型(O/W)製剤を水溶性増粘剤でゲル化したものや、オイルをワックスでゲル化したものである。しかしながら、O/W製剤を水溶性増粘剤でゲル化したものは連続相が水であるために、クレンジング基剤として用いた場合など、洗浄力に乏しく、また、オイルをワックスでゲル化したものは、オイル含有量が多いためマッサージ効果や洗浄効果は満足するものの、経日/温度条件により発汗、離漿し、低温では硬度が上昇するなど安定性に劣るものであった。
【0004】
また、O/W製剤を水溶性増粘剤でゲル化したもの、オイルをワックスでゲル化したもののいずれのタイプも、衝撃などによって一旦ゲルが壊れると元に戻らないという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高温安定性、耐衝撃性に優れ、さらに、使用後の水洗性にも優れ、特にマッサージ基剤、メーククレンジング基剤に好適に適用されるゲル状組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、(a)常温で液状の油分を40〜90質量%、(b)HLBが6〜17で、常温で液状〜ペースト状の、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤を7〜40質量%、(c)有機変性粘土鉱物を1〜12質量%、および(d)水を0.5〜10質量%含有し、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)であるゲル状組成物を提供する。
【0007】
また本発明は、マッサージ基剤、メーククレンジング基剤に用いられる上記ゲル状組成物を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0009】
本発明において、(a)成分として常温(25℃)で液状をなす油分が用いられる。かかる油分としては、一般に化粧料に用いられるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、流動パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィンなどの炭化水素油;2−エチルヘキサン酸トリグリセリド、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリトール、2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソノナン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチルなどのエステル油;ホホバ油、オリーブ油、マカデミアナッツ油、綿実油、茶実油、サフラワー油、米糠油などの天然系植物油;デカメチルペンタシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーン油、などが挙げられるが、これら例示に限定されるものでないことはもちろんである。本発明では炭化水素油、エステル油、シリコーン油が好ましく用いられる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0010】
(a)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、40〜90質量%であり、好ましくは50〜80質量%である。配合量が40質量%未満では、相対的に他の構成成分の配合量が多くなり、本発明のゲル状組成物を構成しにくくなり、一方、配合量が90質量%超では、ゲル化能の低下、水洗性の低下、安定性の低下を誘発し好ましくない。
【0011】
(b)成分として、HLBが6〜17で、常温(25℃)で液状〜ペースト状をなす、POE(=ポリオキシエチレン)アルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステルおよびソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤が用いられる。
【0012】
上記HLBは好ましくは7〜12である。HLBは下記数1
【0013】
【数1】
【0014】
(ただし、MWは親水基部の分子量を表し、MOは親油基部の分子量を表す)
で表される川上式により算出される。
【0015】
(b)成分において、脂肪酸残基としてはオレイン酸残基、イソステアリン酸残基、ラウリン酸残基を含むものが好適である。このような(b)成分を用いることによりゲル化能、水洗性、安定性の点において特に優れた効果を奏する。
【0016】
(b)成分の具体例としては、POE(6)オレイルエーテル(HLB=8、液状)、POE(10)オレイルエーテル(HLB=10、ペースト状)、POE(5)ラウリルエーテル(HLB=9、液状)、POE(10)ヘキサデシルエーテル(HLB=10、ペースト状)、POE(5)イソステアリルエーテル(HLB=7、液状)、POE(10)ラウリルエーテルイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(12)ジラウレート(HLB=9、ペースト状)、POE(12)ジオレエート(HLB=7、液状)、POE(10)モノイソステアレート(HLB=12、液状)、POE(12)ジイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルイソステアレート(HLB=17、ペースト状)、POE(20)グリセリルイソステアレート(HLB=14、液状)、POE(20)グリセリルトリイソステアレート(HLB=7、液状)、POE(40)グリセリルトリイソステアレート(HLB=11、ペースト状)、POE(30)グリセリルトリオレエート(HLB=10、液状)、POE(10)硬化ヒマシ油(HLB=6、液状)、POE(30)硬化ヒマシ油(HLB=11、ペースト状)、POE(20)硬化ヒマシ油モノラウレート(HLB=8、ペースト状)、POE(60)硬化ヒマシ油モノラウレート(HLB=13、ペースト状)、POE(15)硬化ヒマシ油モノイソステアレート(HLB=6、液状)、POE(50)硬化ヒマシ油モノイソステアレート(HLB=12、ペースト状)、POE(30)硬化ヒマシ油トリイソステアレート(HLB=6、液状)、POE(60)硬化ヒマシ油トリイソステアレート(HLB=10、ペースト状)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB=9、液状)、セスキイソステアリン酸ソルビタン(HLB=6、油状)などが例示されるが、これら例示に限定されるものではない。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0017】
「常温で液状〜ペースト状」を呈さない界面活性剤は、少量であれば(b)成分と併用することも可能ではあるものの、配合量によっては低温で固体析出することがあるので、併用する場合は(b)成分と同量若しくはそれ以下の配合量に抑えるのが好ましい。
【0018】
なお、(b)成分に代えて、他のノニオン性界面活性剤、例えばポリオキシ変性オルガノポリシロキサン(=ポリエーテル変性シリコーン)、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた場合は、ゲルを形成することができず、本発明組成物が得られない。
【0019】
(b)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、7〜40質量%であり、好ましくは10〜20質量%である。配合量が7質量%未満では、水洗性の低下、安定性の低下を誘発しやすくなり、一方、配合量が40質量%超では、もはやゲル化能向上、水洗性向上には無意味であり、界面活性剤の皮膚への負担を考えると化粧品として好ましくない。
【0020】
(c)成分としての有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物(例えばモンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイトなど)の結晶層間に介在する変換性カチオンを有機極性化合物や有機カチオンで置換したものなどが挙げられる。具体的には、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(=クオタニウム−18ヘクトライト)、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト(=クオタニウム−18ベントナイト)や、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩変性モンモリロナイト等が挙げられる。本発明に用いられる有機変性粘土鉱物は、例えば「ベントン38」(=クオタニウム−18ヘクトライト)、「ベントン34」(=クオタニウム−18ベントナイト)(いずれもレオックス社製)、「クレイトーン40」、「クレイトーンSO」(いずれもサザン・クレイ社製)等として市販されており、商業的に入手可能である。有機変性粘土鉱物は1種または2種以上を用いることができる。
【0021】
なお、あらかじめ有機変性された粘土鉱物を用いる以外に、合成スメクタイト(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)などの未変性粘土鉱物とカチオン界面活性剤を別々に組成物中に配合し、ゲル状組成物製造工程中で粘土鉱物を有機変性させてもよい。
【0022】
(c)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、1〜12質量%であり、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは3〜8質量%である。配合量が1質量%未満では、ゲル化能に乏しく、一方、配合量が12質量%超では、ゲル化能が強過ぎ、使用時ののびが重くなり化粧品として不適となる。
【0023】
(d)成分としての水は、通常化粧品に配合される精製水などが用いられる。
【0024】
(d)成分の配合量は、本発明のゲル状組成物全量中、0.5〜10質量%であり、好ましくは2〜6質量%である。配合量が0.5質量%未満では、ゲル化能に乏しく、一方、配合量が10質量%超では、ゲル破壊が発生し好ましくない。
【0025】
本発明のゲル状組成物は、(a)〜(d)成分を必須成分として含み、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)である。粘度の下限値は好ましくは40000mPa・s(30℃)であり、上限値は好ましくは50000mPa・s(30℃)である。なお、ここでいう粘度は、B型粘度計(30℃)での測定による。
【0026】
本発明のゲル状組成物は、上記(a)〜(d)成分を必須成分とすることによって、(a)成分である液状油分を、(b)〜(d)成分で安定にゲル化するというものである。本発明では、上記構成とすることにより、安定性に優れるとともに、耐衝撃性にも優れるという効果を有し、衝撃などによって一旦ゲルが壊れると元に戻らないという従来のゲル状組成物における欠点を解消することができた。したがって、例えば製造工程中において攪拌等により衝撃を受けてもゲルが壊れて元に戻らないというような不具合を生じないため、製造効率の点においても優れる。さらに使用後の水洗性にも優れる。また使用時ののびにも優れる。
【0027】
本発明のゲル状組成物は、上記必須成分の他に、本発明の所期の効果を損わない範囲で、必要に応じて、通常化粧料に配合される他の成分を任意に配合してもよい。このような成分としては、例えば、グリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの保湿剤;クエン酸、クエン酸ナトリウムなどの緩衝剤;EDTAなどのキレート剤;BHT、ビタミンEなどの酸化防止剤のほか、エモリエント剤、増粘剤、色素、香料、本発明で必須成分として用いられる以外の界面活性剤、などが挙げられる。
【0028】
本発明のゲル状組成物は、マッサージ基剤、メーククレンジング基剤、パック、マスク等に好適に用いられる。
【0029】
【実施例】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0030】
なお、以下の各実施例、比較例において、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(*)は「ベントン38」(レオックス社製)を用いた。
【0031】
実施例に先立ち、各実施例、比較例で用いた試験方法、評価基準について説明する。
【0032】
[ゲル化能]
ゲル化能について下記評価基準に基づいて評価した。
【0033】
なお、組成物の系の粘度の測定は、試料を30℃の恒温槽内で2時間放置し、試料が30℃になったことを確認したうえで、高粘度用粘度計(B型粘度計)を用いて測定した。
(評価基準)
○:ゲル化能に優れる(系中の粘度が20000mPa・s(30℃)以上)
△:ゲル化能にやや劣る(系中の粘度が10000mPa・s以上20000mPa・s(30℃)未満)
×:ゲル化能に劣る(系中の粘度が10000mPa・s(30℃)未満)
【0034】
[使用性(のび)]
専門パネル(女性20名)により、各試料を用いて、使用時ののびについて下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:のびに優れる(20名中11名以上が、使用時ののびがよいと回答)
△:のびにやや劣る(20名中5〜10名が、使用時ののびがよいと回答)
×:のびに劣る(20名中4名以下が、使用時ののびがよいと回答)
【0035】
[水洗性(水での洗い流しやすさ)]
専門パネル(女性20名)により、各試料を用いて、水洗性について下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:水洗性に優れる(20名中11名以上が、水で洗い流した際に、洗い流しやすいと回答)
△:水洗性にやや劣る(20名中5〜10名が、水で洗い流した際に、洗い流しやすいと回答)
×:水洗性に劣る(20名中4名以下が、水で洗い流した際に、洗い流しやすいと回答)
【0036】
[安定性]
各試料を50℃の恒温槽に1ヶ月保存した後の状態を目視で観察し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:安定性に優れる(外観上の変化なし)
△:安定性にやや劣る(一部に分離が生じた)
×:安定性に劣る(分離が生じた)
【0037】
[耐衝撃性]
各試料100gを、「T. K. HOMO DISPER MODEL 2.5 Ver. 0.1」(特殊機化工業社製)にて、回転数6000rpm、180秒間攪拌処理した後の粘度を測定した。「攪拌処理後粘度/処理前粘度」(30℃)の値を「耐衝撃値」として算出し、下記評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
○:耐衝撃性に優れる(耐衝撃値が0.7以上)
△:耐衝撃性にやや劣る(耐衝撃値が0.3以上0.7未満)
×:衝撃性に劣る(耐衝撃値が0.3未満)
【0038】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
下記表1に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
(実施例4〜6、比較例4〜6)
下記表2に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
(比較例7〜8)
下記表3に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
(比較例9)
下記表4に示す組成のメーククレンジングジェルを調製し、これを試料として用い、上記評価基準に基づきゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性、耐衝撃性について評価した。結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
表1〜4の結果から明らかなように、実施例1〜6の本発明ゲル状組成物は、ゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性(50℃、1ヶ月)、耐衝撃性のすべての項目において優れた効果が得られたのに対し、比較例1〜9では全項目での効果の達成はなし得なかった。なお実施例1〜6のいずれも低温(−10℃)での保存も安定していた。
【0047】
以下にさらに本発明ゲル状組成物の好適処方例を示す。
【0048】
(実施例7: クレンジングジェル)
(製法)
室温下(1)、(2)の流動油分に(3)、(4)の界面活性剤を溶解した後、(5)の有機変性粘土鉱物を分散した。その後、強攪拌下(6)の精製水を添加し、クレンジングジェル(粘度:45000mPa・s/30℃)を得た。
【0049】
(実施例8: クレンジングジェル)
(製法)
60℃加熱下(1)、(2)の流動油分に(3)の界面活性剤を溶解し、(4)の界面活性剤を添加した後、室温まで冷却した。その後は実施例7と同様の工程でクレンジングジェル(粘度:54000mPa・s/30℃)を得た。
【0050】
実施例7、8ともに、ゲル化能、使用性(のび)、水洗性、安定性(50℃、1ヶ月)、耐衝撃性のいずれにおいても優れ、本願発明効果が得られた。
【0051】
(実施例9: マッサージジェル)
(製法)
室温下(1)、(2)の流動油分に(3)、(4)、(5)の界面活性剤と(7)、(8)の酸化防止剤を溶解した後、(6)の有機変性粘土鉱物を分散し、油相とした。一方、(9)のキレート剤を(10)の精製水に溶解した水相を、強攪拌下、油相に添加し、マッサージジェル(粘度:41000mPa・s/30℃)を得た。
【0052】
(実施例10: クレンジングマッサージジェル)
(製法)
75℃に加熱した(1)、(2)の油分に(7)のカチオン界面活性剤と(9)、(10)の酸化防止剤を溶解した後、(3)、(4)の油分と(5)、(6)の界面活性剤を混合した。(8)の粘土鉱物を分散処理した後、35℃まで冷却し油相とした。一方、(11)のキレート剤を(12)の精製水に溶解した水相を、強攪拌下、油相に添加し、クレンジングマッサージジェル(粘度:35000mPa・s/30℃)を得た。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のゲル状組成物は、安定性、耐衝撃性に優れ、さらに、使用後の水洗性にも優れる。本発明ゲル状組成物は、特にマッサージ基剤やメーククレンジング基剤に好適に適用される。
Claims (3)
- (a)常温で液状の油分を40〜90質量%、(b)HLBが6〜17で、常温で液状〜ペースト状の、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油およびその脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤を7〜40質量%、(c)有機変性粘土鉱物を1〜12質量%、および(d)水を0.5〜10質量%含有し、系の粘度が20000〜75000mPa・s(30℃)である、ゲル状組成物。
- (b)成分中の脂肪酸残基として、オレイン酸残基、イソステアリン酸残基、ラウリン酸残基のいずれかを含む、請求項1記載のゲル状組成物。
- マッサージ基剤、メーククレンジング基剤に用いられる請求項1または2記載のゲル状組成物。
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Cited By (7)
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FR2863873A1 (fr) * | 2003-12-18 | 2005-06-24 | Oreal | Composition demaquillante contenant un systeme tensioactif particulier |
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WO2008052956A1 (en) * | 2006-11-04 | 2008-05-08 | Unilever Plc | Make-up remover cosmetic compositions |
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-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174875A patent/JP2004018451A/ja not_active Withdrawn
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