JP6487634B2 - 液状オイル組成物 - Google Patents

液状オイル組成物

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Description

本発明は、液状オイル組成物に関する。
オイル製剤は肌をなめらかに保ち、保湿効果に優れることから、肌への使用以外にも、髪などに使用されたり、クレンジングとして使用されたり、幅広く利用されている。
保湿ケア剤としては、スクワランや流動パラフィンなどの炭化水素系の油性成分を含むオイル製剤が提案されている(特許文献1〜3)。これらのオイル製剤は肌表面を油分で覆い、皮膚からの水分の蒸散を制御して、皮膚を柔軟にする効果及び保湿効果を発揮するとされている。また、これらのオイル製剤では、植物由来で、安全性にも優れるホホバ油が頻繁に用いられている。
一方、凍結を防止したオイル製剤も提案されている(特許文献4)。このオイル製剤では、凍結防止のための溶剤が用いられ、その使用感は軽く、オイル製剤本来の肌表面を覆う機能が低下したさっぱりとしたものである。
特開平10−130131号公報 特開2003−96304号公報 特開2009−46468号公報 特開2012−171880号公報
特許文献1〜3に記載されているオイル製剤等で用いられているホホバ油は、低温で凍結する性質を有するため、このようなオイル製剤においては、冬場などに、しばしば凍結が起こり、オイル製剤を融解させて使用しなければならない。
また、肌表面を覆い、水分の蒸散を抑えるためには、使用感の重い油(固体状の油性成分)が優れているが、溶剤を含有する特許文献4のオイル製剤では、低温での結晶析出などの安定性の問題や、肌なじみの点などから、その利用は困難であった。
本発明は、安定性が良好であるとともに、肌を覆う機能に優れ、肌なじみや伸びなどの使用感に優れた液状オイル組成物に関する。
本発明者らは、特定の高級アルコール、高級脂肪酸、エステル油及び/又はエーテル油、炭化水素油、シリコーン油を特定の割合で組み合わせて用いれば、前記課題を解決した液状オイル組成物が得られることを見出した。
本発明は、次の成分(A−1)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A−1)20℃で固体状の炭素数12〜24の高級アルコール 0.05〜5質量%、
(B)20℃で液状の炭素数12〜24の高級脂肪酸 0.05〜5質量%、
(C)エステル油及び/又はエーテル油 0.5〜50質量%、
(D)炭化水素油 8〜80質量%、
(E)25℃における粘度が20mPa・s以下のシリコーン油 5〜80質量%
を含有する液状オイル組成物に関する。
本発明の液状オイル組成物は、保存安定性、特に低温での保存安定性が良好で、肌へのなじみが良く、塗布時にべたつかず、伸びが良く、皮膚への浸透性及び残留性に優れ、しっとり感を与え、保湿効果の持続に優れたものである。
(A−1)20℃で固体状の炭素数12〜24の高級アルコール:
本発明で用いられる成分(A−1)は、20℃で固体状の炭素数12〜24の高級アルコールである。本発明において、20℃で固体状とは、ASTM規格 ASTMD4359−90に規定される固液判定基準により、固体状と判断されるものである。
成分(A−1)の固体状高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、セトステアリルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
これらのうち、液状オイル組成物の皮膚への残留性と低温安定性を向上させる観点から、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールが好ましく、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールがより好ましい。
成分(A−1)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、液状オイル組成物の皮膚への残留性と低温安定性を向上させる観点から、全組成中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、5質量%以下であり、3質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。また、成分(A−1)の含有量は、全組成中に0.05〜5質量%であり、0.1〜3質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。
本発明においては、成分(A−1)の固体状高級アルコール以外に、(A−2)20℃で液状の炭素数12〜24の高級アルコールを用いることができ、成分(A−1)の溶解度を高め、液状オイル組成物の低温安定性を向上させることができる。本発明において、20℃で液状とは、ASTM規格 ASTMD4359−90に規定される固液判定基準により、液体状と判断されるものである。
成分(A−2)の液状高級アルコールとしては、例えば、液状の炭素数8〜24の高級アルコールが挙げられ、より具体的には、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
これらのうち、液状オイル組成物の低温安定性の向上させる観点から、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールが好ましく、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノールがより好ましい。
成分(A−2)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、成分(A−1)の溶解度を高め、液状オイル組成物の低温安定性を向上させる観点から、全組成中に0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A−2)の含有量は、全組成中に0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。
成分(A−1)と成分(A−2)との合計の含有量は、液状オイル組成物の皮膚への残留性と低温安定性を向上させる観点から、全組成中に0.2質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上がさらに好ましく、23質量%以下が好ましく、16質量%以下がより好ましく、11質量%以下がさらに好ましい。また、成分(A−1)と成分(A−2)との合計の含有量は、全組成中に0.2〜23質量%が好ましく、0.7〜16質量%がより好ましく、1.2〜11質量%がさらに好ましい。
(B)20℃で液状の炭素数12〜24の高級脂肪酸:
本発明で用いられる成分(B)は、20℃で液状の炭素数12〜24の高級脂肪酸であり、直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の炭化水素基を有するものである。本発明において、20℃で液状とは、ASTM規格 ASTMD4359−90に規定される固液判定基準により、液体状と判断されるものである。
成分(B)の高級脂肪酸としては、炭素数12〜24の不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸が挙げられ、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸等が挙げられる。また、大豆油、綿実油等の植物油又は硬化油から抽出した分岐脂肪酸や、植物油を原料とするダイマー酸の製造における副産物として生成する分岐脂肪酸などを使用することもできる。
成分(B)としては、液状オイル組成物の皮膚柔軟性を向上させる観点から、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸が好ましく、オレイン酸、イソステアリン酸がより好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、液状オイル組成物の皮膚柔軟性を向上させる観点から、全組成中に0.02質量%以上であり、0.05質量%以上が好ましく、0.08質量%以上がより好ましく、15質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.02〜15質量%であり、0.05〜10質量%が好ましく、0.08〜5質量%がより好ましい。
(C)エステル油及び/又はエーテル油:
成分(C)のうち、エステル油としては、炭素数8〜28の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸と、炭素数2〜28の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のアルコールとのエステル油が好ましく、例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ(2−エチルヘキサン酸)グリセリン、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプロイン、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)等が挙げられ、これらは天然由来であってもよい。
これらのうち、液状オイル組成物の浸透性及び皮膚柔軟性を向上させる観点から、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールが好ましく、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールがより好ましい。
また、成分(C)のうち、エーテル油としては、炭素数8〜28の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を有するエーテルが好ましく、例えば、アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジカプリルエーテル、ジラウリルエーテル、ジイソステアリルエーテル、ジオクチルエーテル、ノニルフェニルエーテル、ドデシルジメチルブチルエーテル、セチルジメチルブチルエーテル等が挙げられる。
エーテル油としては、液状オイル組成物の浸透性及び皮膚柔軟性を向上させる観点から、一般式(1):
1−O−R2 (1)
(式中、R1 及びR2 は同一又は異なって、炭素数4〜24の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を示し、R1 及びR2 の少なくとも1つは2箇所以上で分岐しているアルキル基であり、かつR1 及びR2 の合計炭素数は16〜32である)
で表わされるジアルキルエーテルを含むのがより好ましい。
式中、R1 及びR2 で示されるもののうち、炭素数4〜24の直鎖アルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ベヘニル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基等が挙げられ、液状オイル組成物の浸透性及び皮膚柔軟性を向上させる観点から、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が好ましく、ヘキサデシル基がさらに好ましい。また、炭素数4〜24の分岐鎖のアルキル基のうち、1箇所で分岐しているものとして、例えば、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、t−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、3−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、5−メチルオクチル基、2−ブチルオクチル基、イソトリデシル基、2−ペンチルノニル基、2−ヘキシルデシル基、エメリー型イソステアリル基、2−ヘプチルウンデシル基、2−オクチルドデシル基等が挙げられ、同様の観点から、1,1−ジメチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、イソトリデシル基、2−オクチルドデシル基が好ましい。炭素数4〜24の分岐鎖のアルキル基のうち、2箇所以上で分岐しているものとして、例えば、1,3−ジメチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、1−(2−メチルプロピル)−3−メチルブチル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−(1,3,3−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチルオクチル基等が挙げられ、同様の観点から、1,3−ジメチルブチル基が好ましい。さらに、環状のアルキル基としては、シクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基等が挙げられ、同様の観点から、シクロヘキシル基が好ましい。
成分(C)としては、液状オイル組成物の浸透性及び皮膚柔軟性を向上させる観点から、一般式(1)で表されるジアルキルエーテルを含むのが好ましく、アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテルがより好ましく、セチル−1,3−ジメチルブチルエーテルがさらに好ましい。
成分(C)は、エステル油及びエーテル油から1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、液状オイル組成物の浸透性及び皮膚柔軟性を向上させる観点から、全組成中に0.5質量%以上であり、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、50質量%以下であり、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に0.5〜50質量%であり、1〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
本発明において、成分(A−2)、(B)及び(C)の合計量[(A−2)+(B)+(C)]に対する成分(A−1)の質量比(A−1)/[(A−2)+(B)+(C)]は、液状オイル組成物の浸透性を向上させる観点から、0.001以上であるのが好ましく、0.005以上がより好ましく、0.008以上がさらに好ましく、0.01以上がさらにより好ましく、0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましく、0.12以下がさらに好ましく、0.10以下がよりさらに好ましい。また、成分(A−2)、(B)及び(C)の合計量[(A−2)+(B)+(C)]に対する成分(A−1)の質量比は、(A−1)/[(A−2)+(B)+(C)]=0.001〜0.3が好ましく、0.005〜0.2がより好ましく、0.008〜0.12がさらに好ましく、0.01〜0.10がよりさらに好ましい。
(D)炭化水素油:
成分(D)の炭化水素油は、直鎖又は分岐鎖の炭化水素油のいずれでも良く、例えば、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、イソドデカン、ポリブテン、スクワラン、スクワレン等が挙げられる。
これらのうち、液状オイル組成物の伸びの良さ及び低温安定性を向上させる観点から、流動パラフィン、流動イソパラフィン、イソドデカン、スクワランが好ましく、流動パラフィン、イソドデカン、スクワランがより好ましい。
成分(D)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、液状オイル組成物の伸びの良さ及び低温安定性を向上させる観点から、全組成中に8質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、80質量%以下であり、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、全組成中に8〜80質量%であり、10〜75質量%が好ましく、15〜70質量%がより好ましい。
(E)25℃における粘度が20mPa・s以下のシリコーン油:
成分(E)のシリコーン油は、25℃における粘度が20mPa・s以下のものである。
本発明において、粘度は、B型粘度計TVB−10(ローターNo1,12回転)(東機産業社製)により測定される。
成分(E)のシリコーン油としては、例えば、粘度が25℃における粘度が20mPa・s以下である、メチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、トリシロキサン等が挙げられる。
これらのうち、液状オイル組成物の伸びの良さを向上させる観点から、粘度が25℃における粘度が20mPa・s以下である、メチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサンが好ましく、メチルポリシロキサンがより好ましい。
成分(E)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その含有量は、液状オイル組成物の伸びの良さを向上させる観点から、全組成中に5質量%以上であり、8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、80質量%以下であり、75質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。また、成分(E)の含有量は、全組成中に5〜80質量%であり、8〜75質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。
本発明において、成分(E)に対する成分(D)の質量比(D)/(E)は、液状オイル組成物の皮膚柔軟性及び伸びの良さを向上させる観点から、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましく、0.7以上がよりさらに好ましく、8以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましく。3.2以下がよりさらに好ましい。また、成分(E)に対する成分(D)の質量比は、(D)/(E)=0.1〜8であるのが好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.6〜4がさらに好ましく、0.7〜3.2がよりさらに好ましい。
本発明の液状オイル組成物において、水の含有量は、均一で外観の良好な組成物を得る観点から、全組成中に1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、実質0であるのがよりさらに好ましい。
また、本発明の液状オイル組成物は、界面活性剤を含有することができるが、均一で外観の良好な組成物を得る観点から、前記成分以外の界面活性剤の含有量は、全組成中に3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がよりさらに好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましく、実質0であるのがよりさらに好ましい。
本発明の液状オイル組成物は、化粧料として好適であり、皮膚化粧料としてより好適である。
本発明の液状オイル組成物は、化粧料とする場合、更に通常の化粧料に用いられる成分、例えば、前記以外の油性成分、保湿剤、増粘剤、殺菌剤、湿潤剤、着色剤、防腐剤、感触向上剤、粉体、香料、抗炎症剤、美白剤、制汗剤、前記油性成分以外の紫外線吸収剤、酸化防止剤等を、適宜含有することができる。
本発明の液状オイル組成物は、通常の方法により、配合成分を混合することにより、製造することができる。
本発明の液状オイル組成物は、皮膚化粧料とした場合、皮膚、毛髪、顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
また、本発明の液状オイル組成物は、皮膚化粧料とした場合、皮膚、毛髪、顔、身体、手足等のいずれかに塗布し、洗い流さない及び/又は拭き取らない態様で使用することができる。
実施例1〜14、比較例1〜5
表1に示す組成の液状オイル組成物を製造し、低温安定性、浸透性、残留性、皮膚柔軟性及び伸びの良さを評価した。結果を表1に併せて示す。
なお、実施例9〜14は参考例であって、本発明の範囲に含まれるものではない。
(製造方法)
成分(A−1)、(A−2)、(B)及び(C)を混合し、60℃で、10分撹拌し、均一混合する。その後、成分(D)及び(E)を加え、30℃まで、冷却しながら(1℃/min)混合し、液状オイル組成物を得た。
(評価方法)
(1)低温安定性:
各液状オイル組成物を、−5℃で1ヶ月保存した後、室温(25℃)に戻したときの状態を、目視により、以下の基準で評価した。
4;目視及び顕微鏡で結晶が見られない。
3;結晶が目視では観察されないが、顕微鏡で確認される。
2;目視で白濁が観察される。
1;目視結晶の析出が観察される。
(2)浸透性:
各液状オイル組成物に油溶性蛍光剤(ナイルレッド)を0.01%となるように加える。これを豚皮に20μL/cm2塗布し、18時間放置(30℃、湿度40%)する。その後、塗布部位を中性洗浄料で洗浄し、バイオプシパンチ(8φ)で皮膚をくりぬき、角層、表皮を剃刀で剥離する。得られた角層/表皮をメタノール(1mL)に浸漬させ、超音波処理で浸透したナイルレッドを抽出する。抽出した液を、液体高速クロマトグラフにより、以下の条件で定量する。
装置:日立F−7000システム
溶離液:アセトニトリル/水=90/10、40℃、1mL/min
検出器:蛍光(Ex: 540 Em:640)
カラム:ODS−2
塗布した組成物のナイルレッド量と、皮膚中に浸透したナイルレッド量を定量し、これらの結果より、塗布量に対する浸透量の割合を計算して求めた。数値が高いほど浸透性に優れることを示す。
(3)残留性:
各液状オイル組成物に油溶性蛍光剤(ナイルレッド)を0.01%となるように加える。これを豚皮(3cm×3cm)に20μL/cm2塗布し、1時間放置(30℃、湿度40%)する。その後、1Lの蒸留水を入れたビーカー内で5分間撹拌洗浄する。タオルドライ後、表面を10mLのエタノールで洗浄し、洗浄液を回収する。回収した溶液を1mLまで濃縮し、高速液体クロマトグラフにより、以下の条件で定量する。
装置:日立F−7000システム
溶離液:アセトニトリル/水=90/10、40℃、1mL/min
検出器:蛍光(Ex:540、 Em:640)
カラム:ODS−2
塗布した組成物のナイルレッド量と、残留評価後に表面に残ったナイルレッド量を定量し、これらの結果より、塗布量に対する残留量の割合を計算して求めた。数値が高いほど皮膚への残留性に優れることを示す。
(4)皮膚柔軟性:
前腕内側を石鹸で洗浄し、タオルドライ後10分の後、ルビスコメータ(Courage + Khazaka electronic GmbH)にて皮膚柔軟性を測定する。次に、各液状オイル組成物を20μL/cm2塗布し、2時間後、同じ部位をルビスコメータにて測定する。塗布前後でのルビスコ値の変化量を求めた。ルビスコメーターの値の変化量が大きいほど、柔軟性が向上していることを示す。
(5)伸びの良さ:
専門パネル5名により、各液状オイル組成物を前腕内側に塗布したときの伸びの良さを、以下の基準で官能評価し、平均値を求めた。
5;とても伸びが良い。
4;伸びが良い。
3;やや伸びが良い。
2;やや伸びが悪い。
1;伸びが悪い。
Figure 0006487634
処方例1
以下に示す組成の液状オイル組成物を製造した。
得られた液状オイル組成物は、のび、なじみに優れ、残留性も高く、皮膚柔軟化効果を感じられるものであった。
(製造方法)
セタノール、ステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、イソステアリン酸、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル及びセチル−1,3−ジメチルブチルエーテルを混合し、60℃で、10分撹拌し、均一混合する。その後、残りの成分を加え、30℃まで、冷却しながら(1℃/min)混合し、液状オイル組成物を得た。
<液状オイル組成物>
セタノール*1 0.3(質量%)
ステアリルアルコール*2 0.05
2−オクチルドデカノール*2 5.5
イソステアリルアルコール*4 0.5
イソステアリン酸*5 1.0
イソノナン酸イソノニル*6 0.5
パルミチン酸イソプロピル*7 20.0
セチル−1,3−ジメチルブチルエーテル*8 0.5
流動パラフィン*9 40.0
メチルポリシロキサン*10 31.53
月見草油 0.01
ラベンダー油 0.01
ホホバ油 0.01
オリーブ油 0.01
香料 0.08
合計 100.00
*1)セチルアルコールNX、高級アルコール工業社製
*2)ステアリルアルコールNX、高級アルコール工業社製
*3)カルコール200GD、花王社製
*4)リソノール18SP、高級アルコール工業社製
*5)イソステアリン酸EX、高級アルコール工業社製
*6)サラコス99、日清オイリオグループ社製
*7)エキセパール IPP、花王社製
*8)ASE166K、花王社製
*9)ハイコールK−350、カネダ社製
*10)シリコーン KF−96L−2CS、信越化学工業社製
処方例2
以下に示す組成の液状オイル組成物を製造した。
得られた液状オイル組成物は、のび、なじみに優れ、残留性も高く、皮膚柔軟化効果を感じられるものであった。
(製造方法)
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール、シア脂、l−メントール、2−オクチルドデカノール、イソステアリン酸コレステリル、セタノール、イソステアリン酸、パルミチン酸イソプロピル及びセチル−1,3−ジメチルブチルエーテルを混合し、60℃で、10分撹拌し、均一混合する。その後、残りの成分を加え、30℃まで、冷却しながら(1℃/min)混合し、液状オイル組成物を得た。
<液状オイル組成物>
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール*11 1.0(質量%)
コレステロール 0.01
シア脂 0.01
l−メントール 0.1
2−オクチルドデカノール*3 6.0
イソステアリン酸コレステリル*12 0.1
セタノール*1 0.3
イソステアリン酸*5 1.0
パルミチン酸イソプロピル*7 5.0
セチル−1,3−ジメチルブチルエーテル*8 0.5
イソドデカン*13 20.0
スクワラン*14 15.5
メチルポリシロキサン*15 43.44
オレンジオイル 0.01
ヒマワリ油 0.01
アボカド油 0.01
酢酸トコフェロール 0.01
エタノール 2.0
パラメトキシケイ皮酸−エチルヘキシル 5.0
合計 100.00
*11)エステモールN−01、日清オイリオグループ社製
*12)エキセパールIS−CE−A、花王社製
*13)マルカゾールR、丸善石油社製
*14)ニッコールスクワラン、日光ケミカルズ社製
*15)シリコーン KF−96A−10CS、信越化学工業社製

Claims (3)

  1. 次の成分(A−1)、(A−2)、(B)、(C)、(D)及び(E):
    (A−1)20℃で固体状の炭素数12〜24の高級アルコール 0.05〜5質量%、
    (A−2)20℃で液状の炭素数12〜24の高級アルコール 0.1〜20質量%、
    (B)20℃で液状の炭素数12〜24の高級脂肪酸 0.05〜5質量%、
    (C)エステル油及び/又はエーテル油 0.5〜50質量%、
    (D)炭化水素油 8〜80質量%、
    (E)25℃における粘度が20mPa・s以下のシリコーン油 5〜80質量%
    を含有し、
    成分(A−2)、(B)及び(C)の合計量[(A−2)+(B)+(C)]に対する成分(A−1)の質量比が、(A−1)/[(A−2)+(B)+(C)]=0.001〜0.043であり、
    成分(E)に対する成分(D)の質量比が、(D)/(E)=0.1〜4である液状オイル組成物。
  2. 成分(C)が、一般式(1):
    1−O−R2 (1)
    (式中、R1 及びR2 は同一又は異なって、炭素数4〜24の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を示し、R1 及びR2 の少なくとも1つは2箇所以上で分岐しているアルキル基であり、かつR1 及びR2 の合計炭素数は16〜32である)
    で表わされるジアルキルエーテルを含む請求項1記載の液状オイル組成物。
  3. 皮膚化粧料である請求項1又は2記載の液状オイル組成物。
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