JP2015074173A - 立体模様を備えた成形品 - Google Patents

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Torayuki Tabata
虎幸 田畑
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Abstract

【課題】低コストで短期間に所定量以上の製品を製造するのに適した立体模様を備えた成形品の製造方法及びそのようにして製造した立体模様を備えた成形品を提供の提供。
【解決手段】プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、圧空成型により前記二次元描画像に、基板面から突出した立体的な凹凸を付与してなることを特徴とする立体模様を備えた成形品。
【選択図】図2

Description

本発明は、立体模様を備えた成形品に関する。
立体模様を呈するプラスチックシート成形品は、例えば、木目調の風合いや手触りを有するダッシュボード等に用いられているが、従来、このような成形品は、射出成型によるものであり、高精度の金型を作るためのコストが大きい。
「所要の靱性を有するシート生地に、このシート生地とは色調を異にする合成樹脂系塗料を少なくとも一層以上塗布硬化させて塗膜層部を形成し、こうして塗膜層部が形成されたシート生地を基材表面に拡布状に貼着し、ついで、この基材表面に貼着されたシート生地の塗膜層部にエンボス加工を施して当該エンボス型の彫厚に応じた凹凸の輪郭模様を型付けし、然る後、凹凸の輪郭模様が形成された塗膜層部の凸状部分を、周囲が可撓性の研磨体で構成された弾性バフを回転接触させることにより徐々に磨滅させて、前記凹凸の輪郭模様の凸状部分を形成している塗膜層部の中から目安とする目標の塗膜色を研ぎ出すことによって、その研ぎ出された塗膜色の近辺も相応に研磨されて当該基材表面に色分け立体模様を現出させることを特徴とする立体模様化粧用材の製造方法」も提案されているが(特許文献1)、この方法では、手間が大きいうえに色彩の選択も限界がある。
このように、安価に立体模様を形成することは難しく、平面に立体風な模様を描いて済ませているのが現状である。3Dプリンターを用いた立体模様形成も考えられるが、コストや時間が掛かり、一定量以上の製品を生産するのには必ずしも適した方法ではない。
特開2008−105256号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、低コストで短期間に所定量以上の製品を製造するのに適した立体模様を備えた成形品の製造方法及びそのようにして製造した立体模様を備えた成形品を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明は、プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、圧空成型により前記二次元描画像に、基板面から突出した立体的な凹凸を付与してなることを特徴とする立体模様を備えた成形品を提供する。具体的には本発明は以下の成形品を含む。
[1]プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、前記二次元描画像に、基板面から突出した立体的な凹凸を付与してなることを特徴とする立体模様を備えた成形品。
[2]基板面から突出した立体的な凹凸の付与が圧空成型によりおこなわれる前記1に記載の成形品。
[3]最終的な立体描画像に対応する二次元描画像がコンピュータ手段により計算されたものである前記1または2に記載の立体模様を備えた成形品。
[4]PETシートの平均肉厚が0.4mm以上2mm未満の範囲内である前記1〜3のいずれかに記載の立体模様を備えた成形品。
[5]スイッチカバー、携帯端末カバー、食品、化粧品、トイレタリー商品、防虫剤、芳香剤、家具、家電製品のカバーまたは包装材の一部である前記1〜4のいずれかに記載の立体模様を備えた成形品。
[6]プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、圧空成型により前記二次元描画像に、基板面から突出した立体的な凹凸を付与してなることを特徴とする立体模様を備えた成形品の製造方法。
本発明によれば、低コストで短期間に所定量以上の製品を製造するのに適した立体模様を備えた成形品の製造方法及びそのようにして製造した立体模様を備えた成形品が提供される。この成形品は、立体模様の精度が高くリアルな外観を有することから、様々な成形品として幅広い応用が可能である。また、平面ではカバーの表面に傷がつきやすいが、本発明では凸部の存在により、全体として傷が目立たない。さらに、多様な模様の製品を製造可能である。
模様を有するスイッチカバーの従来の構造を示す正面図、側面図、立面図及びその断面図である。 模様を有する本発明のスイッチカバーの構造を示す正面図、側面図、立面図及びその断面図である。 図2の成形品をスイッチカバーとして用いた例を示す模式図である。 タイル状の立体模様を設けた本発明のスイッチカバーを示す正面図、側面図及び断面図である。 図4のタイル状の立体模様部の断面を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
まず、本発明において、立体模様とは基板面から突出した立体的な凹凸を有し、かつ、その凹凸が模様に対応しているものを指す。
従来の模様を有する典型的な構造(スイッチカバー)を図1に示す。
この図では、花柄をカバー面1に印刷しているが従来の構造では、これは凹凸ではなく単なる平面模様か絵画的な技法による立体風模様にすぎなかった。
これに対し、本発明の典型的な構造(スイッチカバー)を図2に示す。
この図に示すように、本発明の構造は、立体模様とは基板面1から突出した立体的な凹凸2を有し、その凹凸が模様に対応しているものである。
上記の構造は、プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、圧空成型により前記二次元描画像に立体的形状を付与して形成することが可能である。
最終的な立体描画像に対応する二次元描画像はコンピュータで計算することが可能である。印刷は、立体成形時に塗膜が剥離しないような条件で行う。印刷方法は特に限定されないが、オフセット印刷、インクジェット印刷を用いることができる。
本発明の前記立体成形は好ましくは圧空成型による。具体的には、真空成型、真空圧空で成型するが、本発明では、立体構造部は概ねアーチ状であり、基板(例えば、スイッチ)に装着した際の強度も大きい。
本発明は様々なプラスチックシート材料で実現できる。熱可塑性樹脂であれば限定されないが、例えば、塩化ビニル樹脂・ポリプロピレン・ポリエチレン・変性PPE・ポリスチレン・ABS樹脂・アクリル樹脂・ポリカーボネート・ポリアミド・ポリアセタール・ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。これらのシートを積層した多層シートを用いてもよい。プラスチックシートの厚み等はその材料にもよるが、通常、平均肉厚が0.4mm以上2mm未満であり、0.5mm以上1mm以下の範囲内とすることが好ましい。範囲外であると安定した成形が困難であったり実施にコストが掛かる。ポリカーボネート等では高圧空(4気圧以上)での圧空成型が好ましい。
本発明では、成形品をカバーとして利用することにより、それ自体の強度が小さくても実用に供することが可能である。図3は、図2の成形品をスイッチカバーとして用いた例を示す。
本発明では、様々な模様の形成が可能である。図4にタイル状のスイッチカバーとして用いた例を、図5にその部分拡大図を示す。ここでは平坦なタイル状の隆起部3の上にさらに立体的な凹凸2が設けられている。
以上の例では、スイッチカバーとして用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく携帯端末カバー、食品、化粧品、トイレタリー商品、防虫剤、芳香剤、家具、家電製品のカバーまたは包装材の一部でもよい。また、模様の成形数や形成位置は、デザインや使用目的、全体の寸法に応じて適宜に設定することができる。
本発明の本発明の立体模様を備えた成形品は、スイッチカバー、携帯端末カバー、食品、化粧品、トイレタリー商品、防虫剤、芳香剤、家具、家電製品のカバーまたは包装材の一部として幅広く利用できる。

Claims (6)

  1. プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、前記二次元描画像に、基板面から突出した立体的な凹凸を付与してなることを特徴とする立体模様を備えた成形品。
  2. 基板面から突出した立体的な凹凸の付与が圧空成型によりおこなわれる請求項1に記載の成形品。
  3. 最終的な立体描画像に対応する二次元描画像がコンピュータ手段により計算されたものである請求項1または2に記載の立体模様を備えた成形品。
  4. PETシートの平均肉厚が0.4mm以上2mm未満の範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載の立体模様を備えた成形品。
  5. スイッチカバー、携帯端末カバー、食品、化粧品、トイレタリー商品、防虫剤、芳香剤、家具、家電製品のカバーまたは包装材の一部である請求項1〜4のいずれかに記載の立体模様を備えた成形品。
  6. プラスチックシートの少なくとも一部に、最終的な立体描画像に対応する二次元描画像を印刷し、圧空成型により前記二次元描画像に、基板面から突出した立体的な凹凸を付与してなることを特徴とする立体模様を備えた成形品の製造方法。
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