JP2015072768A - 非水電解液、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

非水電解液、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 充放電サイクルに伴う放電容量の低下を抑制した非水電解液、及びリチウムイオン二次電池用を提供する。【解決手段】 本発明にかかる非水電解液は、電解質と、溶媒とを含んだ電解液であって、前記電解液は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有し、さらに、チオフェン誘導体を含有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、非水電解液、及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等と比べ、軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く応用されている。また、ハイブリッド自動車や、電気自動車用に搭載される電源として有力な候補ともなっている。近年は、携帯電子機器の小型化、高機能化に伴い、これらの電源となるリチウムイオン二次電池への更なる高容量化が期待されている。
リチウムイオン二次電池の容量は主に電極の活物質に依存する。負極活物質には、一般に黒鉛が利用されている。しかし、黒鉛の理論容量が、372mAh/gであるのに対し、実用化されている電池では、既に約350mAh/gの水準に達している。一方、市場の要求は、さらなるリチウムイオン二次電池の高容量化であり、そのためには、黒鉛以上の理論容量を有する負極材料が必要であった。
そこで、現在、注目されているのが、シリコンや酸化シリコンなどの合金系負極材料である。シリコンは、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵および放出可能であり、黒鉛に比べて非常に大きな容量の充放電が可能である。特にシリコンの理論放電容量は4210mAh/gであり、黒鉛の11倍もの高容量を示すことが知られている。
リチウムイオン二次電池は、主として、正極、負極、セパレータ、非水電解液から構成されており、非水電解液として常温で液体の有機溶媒にリチウム塩を溶解させた液状の電解質が用いられている。しかし、リチウムが吸蔵された負極表面では、有機溶媒が関与する副反応が生じ、期待される放電容量が得られないなど特性に悪影響を及ぼすことがある。このため、負極が有機溶媒と直接反応しないように、負極表面に被膜を形成するとともに、この被膜の状態や性質を制御することが重要な課題になっている。
この負極表面に形成される被膜を制御するためには、一般的に非水電解液中に添加剤を加えることが行われている。例えば、特許文献1は、リチウムイオン二次電池の非水電解液に4位又は5位が、少なくとも1つのハロゲン原子で置換されている1,3−ジオキソラン−2−オン類を添加することで、充放電サイクル特性を向上させることが記載されている。
特開平7−240232号公報
しかし、フッ素で置換されている1,3−ジオキソラン−2−オン類である4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを添加した非水電解液を用いた場合、非水電解液中の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの分解により生じる被膜が、負極表面に十分に形成されず、副反応が抑制しきれないため、充放電サイクルを繰り返した際、次第に放電容量が低下するという問題があった。特に、シリコンを負極活物質として使用した場合、その問題は顕著になる傾向にあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、充放電サイクルに伴う放電容量の低下を抑制した非水電解液、及びリチウムイオン二次電池用を提供することを目的とする。
本発明にかかる非水電解液は、電解質と、溶媒とを含んだ電解液であって、前記電解液は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有し、さらにチオフェン誘導体を含有することを特徴とする非水電解液である。
前記非水電解液は、充放電サイクルに伴う放電容量低下を抑制することができる。
本発明にかかる前記チオフェン誘導体は、下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
Figure 2015072768

(ただし式(I)中のR、R、R、Rは、H基、または炭素数1から7以下のC3n−1基、NH基、NO基、Br基、F基、OH基、Cl基、I基、B(OH)基、CHO基、COX基、SOX基(ただし、Xは、H基、炭素数1から6以下のC3n−1基、OH基、OR基(ただし、Rは炭素数1から5以下のC3n−1基))、のいずれかを示す。)
前記一般式(I)で示されるチオフェン誘導体を含有することで、充放電サイクルに伴う放電容量低下を抑制することができる。
前記チオフェン誘導体は、カルボニル基及びスルホニル基の中から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
かかるチオフェン誘導体によれば、充放電サイクルに伴う放電容量低下を更に抑制することができる。
通常、非水電解液中に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有する非水電解液は、初回充放電中に分解し、負極の一部に被膜を形成し、その際に水素イオンを生じる。それに対し、上述したチオフェン誘導体は初回充電中に分解し、負極表面にカルボニル基もしくはスルホニル基の少なくとも一つを含む酸素含有被膜を形成する。その酸素含有被膜は上述した水素イオンを捕捉するため、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの分解が促進され、十分な被膜が負極表面に形成されるため充放電サイクルに伴う放電容量低下が抑制されたと考えている。
本発明にかかるチオフェン誘導体は、下記一般式(II)または下記一般式(III)で表されるものが更に好ましい。
Figure 2015072768
Figure 2015072768
(ただし式(II)及び(III)中のX、Xは、H基、又は炭素数1から4以下のC3n−1基、NH基、NO基、Br基、F基、CHO基、COR基(ただし、Rは、炭素数1または2のC3n−1基)、OH基、Cl基のいずれかを示す。)
前記一般式(II)または(III)で示されるチオフェン誘導体を含有することで、充放電サイクルに伴う放電容量低下を更に抑制することができる。これは、前記チオフェン誘導体はフッ素基を含有しているため、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが分解し生じるフッ素含有被膜との密着性が良く、より良質な被膜が維持されるためと考えられる。
本発明にかかる非水電解液は、前記チオフェン誘導体が、非水電解液全量に対し0.5質量%以上、10質量%以下含有することが好ましい。
かかる含有量によれば、充放電サイクルに伴う放電容量低下をより抑制することができる。
前記チオフェン誘導体の質量比は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンに対して0.02以上0.44以下であることが好ましい。
かかる質量比によれば、充放電サイクルに伴う放電容量低下をさらに抑制することができる。
本発明にかかる非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、非水電解液を備え、前記非水電解液は、上述したチオフェン誘導体を含有する。かかる構成によれば、充放電サイクルに伴う放電容量低下を抑制したリチウムイオン二次電池を提供できる。
本発明の非水電解液、及びリチウムイオン二次電池によれば、充放電サイクルに伴う放電容量の低下を抑制することができる。
本実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
<リチウムイオン二次電池>
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える発電要素30と、リチウムイオンを含む非水電解液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される負極リード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出される正極リード60とを備える。
負極20は、負極集電体22と、負極集電体22上に形成された負極活物質層24と、を有する。また、正極10は、正極集電体12と、正極集電体12上に形成された正極活物質層14と、を有する。セパレータ18は、負極活物質層24と正極活物質層14との間に位置している。
(負極)
本実施形態の負極20に形成される負極活物質層24は、負極活物質、バインダー、導電助剤を含有している。
この負極活物質層24は、負極活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含む塗料を負極集電体22上に塗布し、負極集電体22上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
(負極活物質)
上記の負極活物質としては、黒鉛の他、シリコン単体またはシリコン含有化合物などが用いられる。なかでも高容量特性のリチウムイオン二次電池が得られることからシリコン含有化合物が好ましく、シリコン含有化合物の中でも、シリコン酸化物が好ましい。その酸化物は、一酸化シリコン(SiO)、二酸化シリコン(SiO)などを用いることができる。また、これら材料は単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
(バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、負極活物質と集電体22とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであれば特に限定されない。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素樹脂、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリル酸樹脂等を用いることができる。
負極活物質層24中のバインダーの含有量は特に限定されないが、活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜30質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましい。
(導電助剤)
導電助剤としては負極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、アセチレンブラック、ケッチェンブラックに代表されるカーボンブラック等の公知の導電助剤を使用することができる。
負極活物質層24中の導電助剤の含有量も特に限定されないが、添加する場合には通常、負極活物質、導電助剤及びバインダーの質量の和を基準にして、1〜10質量%であることが好ましい。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材で厚みの薄いものであることが好ましく、厚みが8〜30μmの金属箔であることが好ましい。負極集電体22は、リチウムと合金化しない材料から形成されていることが好ましく、特に銅箔が好ましく利用できる。
銅箔としては電解銅箔であっても圧延銅箔であっても良いが、電解銅箔が好ましく利用できる。ここで電解銅箔とは、例えば、銅イオンが溶解された電解液中に金属製のドラムを浸漬し、これを回転させながら電流を流すことにより、ドラムの表面に銅を析出させ、これを剥離して得られる銅箔のことであり、また、圧延銅箔は鋳造した銅塊を所望の厚さに圧延することによって製造される銅箔である。
また上述した通り、負極活物質層24を負極集電体22上に塗布、形成するにあたり使用される塗料の溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塗布方法としては、特に制限はなく、一般的に、電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。
負極集電体22上に塗布された塗料中の溶媒を除去する方法は特に限定されず、塗料が塗布された負極集電体22を、例えば80℃〜150℃で乾燥させればよい。
そして、このようにして負極活物質層24が形成された負極20を、その後、必要に応じて例えば、ロールプレス装置等によりプレス処理すればよい。ロールプレスの線圧は例えば、100〜3000kgf/cmとすることができる。
(正極)
本実施形態の正極10は、正極集電体12の片面または両面に、正極活物質を含む正極活物質層14が形成された構造を有している。正極活物質層14は、負極と同様に、正極活物質、バインダー、導電助剤及び溶媒を含む塗料を正極集電体12上に塗布し、正極集電体12上に塗布された塗料中の溶媒を除去することにより製造することができる。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な酸化物、硫化物又が挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上が用いられる。具体的には、リチウムを含有しない金属硫化物及び金属酸化物、並びに、リチウムを含有するリチウム複合酸化物が挙げられる。
具体的な例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z=1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、V、VOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
(正極集電体)
正極集電体12は、リチウムイオン二次電池用の集電体に使用されている各種公知の金属箔を用いることができる。具体的には、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
その他の正極活物質材料以外の各構成要素(導電助剤、バインダー)は、負極20で使用されるものと同様の物質を使用することができる。
<非水電解液>
非水電解液は、図面上図示されていないが発電要素30と共にケース50の中に注入されている。その非水電解液は、電解質と、溶媒と、添加剤を含んだ電解液であって、前記電解液は4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有し、さらに、チオフェン誘導体を含有している。
またチオフェン誘導体は、下記一般式(I)で示されるチオフェン誘導体で表されるものが好ましい。
Figure 2015072768
(ただし式(I)中のR、R、R、Rは、H基、または炭素数1から7以下のC3n−1基、NH基、NO基、Br基、F基、OH基、Cl基、I基、B(OH)基、CHO基、COX基、SOX基(ただし、Xは、H基、炭素数1から6以下のC3n−1基、OH基、OR基(ただし、Rは炭素数1から5以下のC3n−1基))、のいずれかを示す。)
上記チオフェン誘導体は、例えば、2−メチルチオフェン、2−アミノチオフェン、2−ニトロチオフェン、2−ブロモチオフェン、2−フルオロチオフェン、2−チオフェンカルボン酸、2−チオフェンスルホン酸、2―アセチルチオフェン、2−アセチル−3−メチルチオフェン、3、4−ジフルオロチオフェン、3、4−ジブロモチオフェン、2、5−ジメチルチオフェン、2、5−ジクロロチオフェン、5−ホルミルチオフェン−2ボロン酸、5−メチル−2チオフェンカルボン酸、5−メチル−2チオフェンスルホニル酸、5−フルオロ―2チオフェンカルボン酸、5−フルオロ−2−アセチルチオフェン、5−フルオロ―2チオフェンスルホン酸、5−フルオロチオフェン−2−スルホン酸クロリド、などが好ましい。
また、前記チオフェン誘導体は、カルボニル基及びスルホニル基の中から選ばれる少なくとも1種を含有するものが好ましく、具体的には5−メチル−2チオフェンカルボン酸、5−メチル−2チオフェンスルホニル酸、5−フルオロ―2−チオフェンカルボン酸、5−フルオロ−2アセチルチオフェン、5−フルオロ2−チオフェンスルホニル酸、5−フルオロチオフェン−2−スルホン酸クロリドが好ましい。更に好ましくは、5−フルオロ―2−チオフェンカルボン酸、5−フルオロ−2アセチルチオフェン、5−フルオロ2−チオフェンスルホニル酸、5−フルオロチオフェン−2−スルホン酸クロリド、などが好ましい。
前記チオフェン誘導体は、下記一般式(II)または下記一般式(III)で示されるチオフェン誘導体で表されるものが好ましく、具体的には5−フルオロ―2−チオフェンカルボン酸、5−フルオロ−2アセチルチオフェン、5−フルオロ2−チオフェンスルホニル酸、5−フルオロチオフェン−2−スルホン酸クロリドが好ましい。

Figure 2015072768
Figure 2015072768
(ただし、前記一般式(II)及び前記一般式(III)中のX、Xは、H基、または炭素数1から4以下のC3n−1基、NH基、NO基、Br基、F基、CHO基、COR基(ただし、Rは、炭素数1または2のC3n−1基)、OH基、Cl基のいずれかを示す。)
また、前記チオフェン誘導体は、非水電解質全量に対し0.5質量%以上10質量%以下であることが望ましい。チオフェン誘導体が0.5質量%未満では、添加した効果が小さくなる傾向にあり、10質量%より多い場合では、被膜中の硫化物が過剰となり、非水電解液の分解が促進され、充放電サイクルに伴う容量低下が大きくなる可能性があるためである。
また、前記チオフェン誘導体の質量比は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンに対して0.02以上0.44以下であることが好ましい。かかる質量比によれば、充放電サイクルに伴う放電容量低下をさらに抑制することができる。さらにその質量比は0.02以上0.37以下が好ましい。
<溶媒>
非水電解液に含まれる溶媒は、さらに、環状カーボネートと、鎖状カーボネートと、を含有する非水溶媒が好ましい。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネートなどを用いることができ、中でもエチレンカーボネートを含むことが好ましい。エチレンカーボネートをプロピレンカーボネートやブチレンカーボネートと混合して使用してもよい。
また、鎖状カーボネートとして、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが挙げられ、この中から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ジエチルカーボネートを含むことがより好ましい。その他、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどを混合して使用してもよい。
非水溶媒中の環状カーボネートと鎖状カーボネートの割合は体積にして1:9〜1:1にすることが好ましい。
<電解質>
電解質としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCFSO、LiCFCFSO、LiC(CFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFCFCO)、Li1212−x(ZはH、Cl、Brから選ばれ、xは4以上12以下である)等が挙げられ、2種以上を混合して用いてもよい。特に、導電性の観点から、LiPFを含むことが好ましい。
LiPFを非水溶媒に溶解する際は、非水電解液中の電解質の濃度を、0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましい。電解質の濃度が0.5mol/L以上であると、非水電解液の導電性を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすい。また、電解質の濃度が2.0mol/L以内に抑えることで、非水電解液の粘度上昇を抑え、リチウムイオンの移動度を充分に確保することができ、充放電時に十分な容量が得られやすくなる。
LiPFをその他の電解質と混合する場合にも、非水電解液中のリチウムイオン濃度が0.5〜2.0mol/Lに調整することが好ましく、LiPFからのリチウムイオン濃度がその50mol%以上含まれることがさらに好ましい。
<セパレータ>
セパレータ18は絶縁性の多孔体から形成されていれば、材料、製法等は特に限定されず、リチウムイオン二次電池に用いられている公知のセパレータを使用することができる。例えば、絶縁性の多孔体としては、公知のポリオレフィン樹脂、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合体または共重合体が挙げられる。これらの単独重合体または共重合体は、1種を単独で使用することができるが、2種以上のものを混合して用いてもよい。また、単層であっても複層であってもよい。
ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。
作製した正極10及び負極20に対して、リード60、62をそれぞれ電気的に接続する。その正極10と負極20との間にセパレータ18を配置し、積層体30が完成する。更にその積層体30を上述した非水電解液と共にケース50内に収納すれば、リチウムイオン二次電池100が完成する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、リチウムイオン二次電池は図1に示した形状のものに限定されず、コイン形状に打ち抜いた電極とセパレータとを積層したコインタイプや、電極シートとセパレータとをスパイラル状に巻回したシリンダータイプ等であってもよい。
作製したリチウムイオン二次電池について、以下の方法によって、評価した。
(充放電サイクル特性の測定)
二次電池充放電試験装置を用いて、電圧範囲を2.5Vから4.2Vまでとし、電流密度をSiを含有する粒子の可逆容量を1200mAh/gとし、0.5Cでの電流値で充電、1.0Cでの電流値で放電を500サイクル行った。なお、放電容量維持率(%)は、1サイクル目の放電容量を初期放電容量とし、初期放電容量に対する所定サイクル数における放電容量の割合であり以下の式で表される。

Figure 2015072768
この放電容量維持率が高いほど、充放電サイクル特性が良好であることを意味する。なお、以下に示す実施例及び比較例の所定サイクル数は500サイクルとした。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
以下に示す手順により実施例1−1〜1−5、2−1〜2−3,3、3−1〜3−3、4−1〜4−3、及び比較例1−1、2−1〜2−3、のリチウムイオン二次電池を作製した。また各リチウムイオン二次電池の評価を表1、2、3に示す。
[実施例1−1]
(負極の作製)
負極活物質として、Si粉とSiO粉をSi/SiO=1/2(重量比)で混合し、遊星ボールミルを用いて粉砕混合を行ったものを使用した。遊星ボールミルのメディアとして直径3mmのアルミナビーズを用い、回転数は500rpmとし、粉砕混合時間は60minとした。
負極活物質として前記Si粉とSiO粉の混合物を80質量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリアミドイミドを15質量部とを混合して負極合剤とした。続いて、負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の負極合剤塗料とした。この塗料を、厚さ10μmの電解銅箔の一面に、負極活物質の塗布量が3.4mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。その後、線圧2000kgf/cmでローラープレスにより加圧成形し、真空中、270〜350℃で1〜3時間熱処理し、厚みが67μmの負極を作製した。
(正極の作製)
正極活物質としてLiNi0.85Co0.10Al0.05を90質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを5質量部とを混合して正極合剤とした。続いて、正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてペースト状の正極合剤塗料とした。この塗料を、厚さ20μmのアルミニウム箔の一面に、正極活物質の塗布量が20.4mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで正極活物質層を形成した。その後、ローラープレスにより加圧成形し厚みが132μmの正極を作製した。
(非水電解液の調製)
エチレンカーボネートと、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと、ジエチルカーボネートを質量比が、9:27:64となるよう混合した溶媒中に、LiPFを1.0mol/Lの割合で溶解させ、5−フルオロ−2−チオフェンカルボン酸を0.5質量%含有させ、非水電解液を作製した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極と正極を、それらの間にポリエチレン多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、上記で作製した電解液を注入した後、真空シールし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例1−2〜1−5、1−3]
非水電解液に含有させる5−フルオロ2チオフェン酸カルボン酸の含有量を、表1に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2〜1−5のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例1−6]
非水電解液の溶媒として、エチレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、ジエチルカーボネートを質量比で20:15:65となるよう混合した以外は、実施例1−2と同様にして実施例1−6のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例2−1〜2−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、2−アセチル−5−クロロチオフェンに変え、含有量を表2に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例2−1〜2−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例3−1〜3−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、5−クロロチオフェン−2−スルホン酸クロリドに変え、含有量を表2に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例3−1〜3−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例4−1〜4−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、5−フルオロチオフェン−2−スルホン酸クロリドに変え、含有量を表2に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例4−1〜4−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例5−1〜5−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、5−メチル−2−チオフェンカルボン酸に変え、含有量を表3に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例4−1〜4−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例6−1〜6−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、2、5−ジフルオロチオフェンに変え、含有量を表3に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例4−1〜4−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例7−1〜7−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、2、5−ジメチルチオフェンに変え、含有量を表3に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例4−1〜4−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[実施例8−1〜8−3]
非水電解液に含有させる添加剤を、2、3−ジメチルチオフェンに変え、含有量を表3に示すように変えた以外は、実施例1−1と同様にして実施例4−1〜4−3のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1−1]
非水電解液に、5−フルオロ−2−チオフェンカルボン酸を加えなかったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−1のリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 2015072768
Figure 2015072768
Figure 2015072768
Figure 2015072768
表1、表2、表3、及び表4までの結果から、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンと前記一般式(I)で表されるチオフェン誘導体を添加材として有した非水電解液を用いることで、充放電サイクルが向上することを確認した。

Claims (7)

  1. 電解質と、溶媒とを含んだ電解液であって、前記電解液は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンを含有し、さらに、チオフェン誘導体を含有することを特徴とする非水電解液。
  2. 前記チオフェン誘導体は、下記一般式(I)で表されるチオフェンであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
    Figure 2015072768

    (ただし式(I)中のR、R、R、Rは、H基、または炭素数1から7以下のC3n−1基、NH基、NO基、Br基、F基、OH基、Cl基、I基、B(OH)基、CHO基、COX基、SOX基(ただし、Xは、H基、炭素数1から6以下のC3n−1基、OH基、OR基(ただし、Rは炭素数1から5以下のC3n−1基))、のいずれかを示す。)
  3. 前記チオフェン誘導体は、カルボニル基及びスルホニル基の中から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解液。
  4. 前記チオフェン誘導体は、下記一般式(II)または下記一般式(III)で表されるチオフェン誘導体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非水電解液。
    Figure 2015072768
    Figure 2015072768
    (ただし式(II)及び(III)中のX、Xは、H基、又は炭素数1から4以下のC3n−1基、NH基、NO基、Br基、F基、CHO基、COR基(ただし、Rは、炭素数1または2のC3n−1基)、OH基、Cl基のいずれかを示す。)
  5. 前記チオフェン誘導体は、非水電解液全量に対し0.5質量%以上、10質量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の非水電解液。
  6. 前記チオフェン誘導体の質量比は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンに対し0.02以上0.44以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の非水電解液。
  7. 正極と、負極と、非水電解液を備え、前記非水電解液は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の非水電解液であることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111129593A (zh) * 2019-12-25 2020-05-08 广东工业大学 一种二次锂金属电池电解液的添加剂、电解液及制备方法
CN114258606A (zh) * 2021-01-26 2022-03-29 宁德新能源科技有限公司 电解液及电化学装置和电子装置
CN118198496A (zh) * 2024-04-11 2024-06-14 湖北能源集团新能源发展有限公司 一种锂离子电池电解液及其制备方法和锂离子电池

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