JP2015072613A - エネルギー管理システム、及びエネルギー管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るエネルギー管理システム1の構成図である。
エネルギー管理システム1は、管理作業者による管理対象2のエネルギー管理のために用いられるシステムであり、監視制御システム3と、管理制御装置4と、表示装置5と、データ変換装置6と、を備えている。エネルギー管理システム1が管理するエネルギーには、燃料、並びに、熱及び電気が含まれる。燃料には、例えば原油や揮発油、重油、可燃性天然ガス、石炭、コークス等が含まれる。
また、管理対象2は、必ずしも複数のエネルギー消費設備10を備えるとは限らず、1つだけを備える場合もある。
計測デバイス12は、エネルギー消費設備10の個々の構成機器11のエネルギー消費量を直接的又は間接的に計測するデバイスである。計測デバイス12には、計測対象の構成機器11に応じたセンサ(温度センサや明るさセンサ等)や計器(電力計や流量計等)が用いられる。
監視装置13は、計測デバイス12の出力に基づき、エネルギー消費設備10、及び構成機器11のエネルギー消費に係る動作をリアルタイム、或いは所定時間ごとに監視する。
制御装置14は、監視装置13の監視動作、計測デバイス12の出力、及び管理作業者の指示に基づき、エネルギー消費設備10のエネルギー消費効率に係るファクターを可変し制御する装置である。この制御装置14は、管理制御装置4との連携機能を有し、当該管理制御装置4の指示に基づいて、エネルギー消費が効率化するように、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の各々を制御する。
管理対象2が商用ビルや施設等の建物である場合、監視制御システム3には、ビル設備集中監視制御システム(BAS:Building Automation System)が好適に用いられる。
この管理制御装置4は、エネルギー管理のために、(1)エネルギー消費構造提示機能、(2)構造評価機能、(3)合理性評価機能、(4)エネルギー使用状況監視機能、及び(5)改善制御実行機能を備え、これらについては後述する。
データ変換装置6と管理制御装置4は、通信線7によって通信可能に接続されており、データ変換装置6による変換後のデータが管理制御装置4に入力される。このデータに基づき、管理制御装置4は、管理対象2のエネルギー管理に要する各種のデータ処理を実行する。
管理制御装置4から監視制御システム3への通信(出力)において、データ変換が不要である場合には、図1に示すように、データ変換装置6を介在させずに直接、管理制御装置4から監視制御システム3に出力される。
データ変換装置6は、監視制御システム3からデータを受信し、管理制御装置4に出力可能に通信線7に接続されていれば、管理対象2の敷地の内外の任意の箇所に設置できる。
同図に示すように、管理制御装置4は、制御部20と、通信部21と、記憶部22と、操作部23と、表示出力部24とを備えている。制御部20は、各部を中枢的に制御する。通信部21は、制御部20の制御の下、通信線7を介して監視制御システム3、及びデータ変換装置6と通信する。記憶部22は、エネルギー管理のための各種のプログラムやデータを記憶する。操作部23は、管理者業者といったユーザの指示入力を受け付けるデバイスである。表示出力部24は、制御部20の制御の下、表示装置5の画面表示に係るデータを出力する。
階層化エネルギーフローデータセット25は、管理対象2のエネルギーフローを、エネルギー消費設備10の単位、エネルギー消費設備10をより細分化した構成機器11の単位、構成機器11を更に細分化した機器の単位といったように、階層化して示したものとも言える。
かかるエネルギーフローは、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、及び構成機器11の一覧リストや、これらの間のエネルギーの流入、及び流出の関係を規定する配管・配線の系統図などに基づいて予め作成される。作成の際には、エネルギー消費設備10の単位、及び構成機器11の単位で順次に細分化してエネルギーフローが作成され、これらのエネルギーフローのデータが上記階層化エネルギーフローデータセット25として記憶部15に格納される。この細分化において、上下の階層間で、エネルギー消費設備10、構成機器11、及び機器の相互の関係(リンク)を示すリンクデータが生成され、係るリンクデータも階層化エネルギーフローデータセット25には含まれている。これにより、ある階層におけるエネルギー消費設備10や構成機器11を、より細分化した下位の階層にリンクデータを基に遷移し、当該下位の階層におけるエネルギーフローに簡単に辿り付けるようになっている。
エネルギー消費構造提示部30は、エネルギー消費構造提示機能を提供するものであり、エネルギーフローとともに、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の各々について、エネルギー消費の効率の指標を示す効率指標値Eを合わせて表示装置5に表示する。
管理作業者は、エネルギーフローを参照することで、管理対象2のエネルギー消費構造を把握し、エネルギー消費原単位に与える影響が最も大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11を把握し、エネルギー消費に無駄が無いか等を評価、検討できる。
管理作業者は、例えば、エネルギー消費原単位に与える影響が大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11についてシミュレーションすることで、管理対象2のエネルギー消費構造において、これらの効率指標値Eを改善したときに達成される省エネルギー効果を評価できる。
詳述すると、エネルギー使用状況の合理性は、所定の管理項目を包括的に取り扱うことにより実現される。所定の管理項目は、管理対象2へのエネルギー供給に関する項目、エネルギー変換システムに関する項目、エネルギー搬送システムに関する項目、及びエネルギー需要に関する項目である。
これらの管理項目、及び閾値は、管理対象2の業種や建物の種類、当該管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、及び構成機器11の種類などに応じて適宜に設定される。この設定は、エネルギー管理に熟練した者や専門の業者によって予め行われている。なお、管理項目の設定、及び合理性判断手法等については、特開2003−162573号公報、及び国際公開第2010/092805号に開示された技術を用いることができる。
また、合理性評価部32は、措置の表示の際、措置を講じたときに削減されるエネルギー量の推測値を算出し、措置とともに表示する。
管理作業者は、係る推測値により、高い省エネルギー効果が期待できるデータ項目を把握できる。
すなわち、エネルギー使用状況監視部33は、エネルギー消費原単位に最も影響を与えるエネルギー消費設備10、及び構成機器11の効率指標値Eの現状値を表示する。また、エネルギー使用状況監視部33は、合理性評価部32の合理性評価において、最も高い省エネルギー効果が期待できるデータ項目についても現状値を表示する。
係る表示により、管理作業者は、管理対象2が多数のエネルギー消費設備10や構成機器11を備える場合であっても、少ない項目数の監視で、エネルギー消費原単位、及びエネルギー消費の合理的使用について俯瞰し、効率良く監視できることとなる。
これら最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41は、管理作業者が管理対象2のエネルギー消費構造を把握し、また、エネルギー消費設備10、及び構成機器11の効率指標値Eとエネルギー消費原単位の相互の関係を分析、評価するために用いられる。これら最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41は、エネルギー消費構造提示部30、及び構造評価部31によって生成される。すなわち、管理作業者が表示指示を入力すると、エネルギー消費構造提示部30、及び構造評価部31が最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の表示のためのデータを、階層化エネルギーフローデータセット25、及び監視制御システム3から取得したデータに基づいて生成し、表示出力部24から表示装置5に出力する。
エネルギーフロー表示域50は、管理対象2のエネルギーフローを表示する領域である。エネルギーフローは、管理対象2に供給されたエネルギーが需要に至るまでに経由するエネルギー消費設備10、又は構成機器11の経路52を示したものである。このエネルギーフロー表示域50では、経路52を描く線の太さが、そこを流れるエネルギー量に応じた太さで表示される。すなわち、管理作業者は、経路52の太さに基づいて、比較的多量のエネルギーが流れている経路52を一目で容易に把握でき、その経路52上に位置するエネルギー消費設備10、又は構成機器11をエネルギー消費において影響が大きいものと見当をつけることができる。
このように、エネルギーフローがエネルギー消費設備10、及び構成機器11の単位の各々に分けて表示されるため、管理作業者は、管理対象2のエネルギー消費構造をマクロな視点、及びミクロな視点の各々で適宜に正確、かつ容易に把握できる。
効率指標値Eは、上述の通り、エネルギー消費構造提示部30によって算出され、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の表示の間は、一定時間ごとに更新表示される。
したがって、管理作業者は、最上位層エネルギーフロー評価画面40、及び下位層エネルギーフロー評価画面41の表示に基づき、エネルギー消費原単位に影響が大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11に見当を付け、それらの効率指標値Eを可変してエネルギー消費原単位の変化をシミュレーションにより評価することで、エネルギー消費原単位に与える影響が最も大きなエネルギー消費設備10、及び構成機器11を見つけ出すことができる。
合理性評価画面42は、管理作業者が管理対象2のエネルギーが合理的に消費されているか、すなわち無駄に(非合理に)消費されていないかを把握するために用いられものであり、合理性評価部32によって生成される。すなわち、管理作業者が表示指示を入力すると、合理性評価部32が合理性評価画面42の表示のためのデータを生成し、表示出力部24から表示装置5に出力する。
エネルギー消費システム構造表示域60は、エネルギー使用状況の合理性を判断するための上記管理項目を、エネルギーの流れを示す経路とともに示した経路図64を表示する領域である。この経路図64は、エネルギーの供給から需要に至る過程を、エネルギー供給(図5中、「Suuply」)、エネルギー変換システム(図5中、「Transduction」)、エネルギー搬送システム(図5中、「Delivery」)、及びエネルギー需要(図5中、「Demand」)の4つのシステムに分類し、それぞれのシステムごとに管理項目66を対応付けて、エネルギーの流れを示す経路67とともに表示することで、管理対象2におけるエネルギー消費システムの構造を模式的に示したものである。
省エネ期待効果表示域63は、この措置を講じたときに削減されるエネルギー量の推測値を表示する領域である。
管理作業者は、これらの表示により、省エネルギー効果が最も期待できる管理項目66、換言すれば、エネルギー消費の合理性に与える影響が最も大きな管理項目66を把握できる。
監視用画面43は、管理作業者が管理対象2においてエネルギーが無駄に消費されていないかを効率良く監視するために用いられものであり、エネルギー使用状況監視部33によって生成される。すなわち、管理作業者が表示指示を入力すると、エネルギー使用状況監視部33が監視用画面43の表示のためのデータを生成し、表示出力部24から表示装置5に出力する。
エネルギー原単位監視表示域70は、管理対象2のエネルギー消費量の現状を表示する領域であり、ここには、エネルギー原単位現状値72、エネルギー原単位メータ73、及び原単位遷移グラフ74が表示される。
エネルギー原単位メータ73は、エネルギー消費原単位の現状値をメータ表示したものである。エネルギー原単位メータ73には、エネルギー消費原単位の閾値範囲73Aが表示されている。この閾値範囲73Aは、管理対象2のエネルギー消費の状態に無駄が無く合理的な使用の範囲、エネルギー消費設備10、及び構成機器11が正常に動作しているとみなせる範囲、或いは、逸脱の原因の特定を要する範囲等に対応する。
原単位遷移グラフ74は、エネルギー消費原単位の時間経過を示すことで、過去から現在に至る推移を把握可能にするものである。
係る表示により、管理作業者は、エネルギー消費設備10や構成機器11、管理項目66の全部を監視せずとも、少ない項目数の監視で効率良くエネルギー消費について監視、管理できることとなる。
メータ76は、効率指標値E、及び管理項目66の現状値をメータ表示したものであり、メータ76には、閾値範囲77Aが表示されている。この閾値範囲76Aは、効率指標値E、及び管理項目66が正常とみなせる閾値の範囲に対する。
遷移グラフ77は、効率指標値E、及び管理項目66の時間経過を示すことで、過去から現在に至る推移を把握可能にするものである。
そして、逸脱が生じた場合には、その逸脱の原因を追及すべく、最上位層エネルギーフロー評価画面40、下位層エネルギーフロー評価画面41、及び合理性評価画面42に表示画面を切り替える。
すなわち、本実施形態のエネルギー管理システム1によれば、管理制御装置4は、効率指標値Eの中から管理対象2のエネルギー消費原単位への影響が大きい順に選択された所定個数の効率指標値E、及びエネルギー消費原単位の各々の現状値を示した監視用画面43を表示装置5に表示する構成とした。
この監視用画面43の表示により、管理作業者は、管理対象2が多数のエネルギー消費設備10や構成機器11を備える場合であっても、少ない項目数の監視だけで、管理対象のエネルギー使用状況について俯瞰し効率良く監視できる。
この表示により、管理作業者は、効率指標値Eが閾値を逸脱したエネルギー消費設備10、及び構成機器11を直ぐに特定できる。
この表示により、管理作業者は、経路52の太さに基づいて、比較的多量のエネルギーが流れている経路52を一目で容易に把握でき、その経路52上に位置するエネルギー消費設備10、又は構成機器11をエネルギー消費において影響が大きいものと見当をつけることができる。
この表示により、管理作業者は、少ない項目数の監視だけで、管理対象2のエネルギー使用状況の合理性について俯瞰し効率良く監視できる。
この表示により、管理作業者は、エネルギー使用の合理性を悪化させている管理項目66を一目で把握できる。
事業者が省エネ・節電を行うのに必要な、方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組みを規定した世界標準の規格として「ISO50001」が知られている(例えば、特開2013−195000号公報)。
ISO50001は、事業者がエネルギー使用に関して、方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組み(「組織のEnMS」とも称される)を確立する際に必要な要求事項を定め、全ての組織に適用できる世界標準の規格である。
この規格は、組織がエネルギーパフォーマンスを継続的に改善するために必要なシステムとプロセスを確立し、エネルギーの体系的な運用管理によって、温室効果ガスの排出量やエネルギーコストの低減につなげることを意図して策定されている。具体的には、この規格の要求事項の特徴のひとつに、PDCAアプローチが挙げられている。PDCAアプローチでは、Plan(プラン:計画)段階-Do(デュー:実施)段階-Check(チェック:点検)段階-Action(アクション:処置・改善)段階の4つの段階を1サイクルとして順次回し、最後のAction段階をPDCAの先頭サイクルにつなげることでスパイラルアップが図れる仕組みとなっている。
この図に示すように、エネルギー管理システム100は、管理制御装置104の構成が第1実施形態のエネルギー管理システム1と異なっている。
具体的には、この管理制御装置104は、PDCAアプローチに基づくエネルギー管理を実行する機能を備えた制御部120を備えている。制御部120は、第1実施形態で説明した各構成に加え、設定部180を更に備えている。
設定部180は、上記Plan段階において、管理対象2のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の上記管理項目66、及び、これらの管理項目66の管理基準値の一例たる上記効率指標値Eを設定するものである。この設定部180による設定は、管理作業者によって行われる。効率指標値Eの設定は、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10の構成に基づいて行われるものの、エネルギー消費設備10が多数になるのと、それらの構成の全てを反映した値を設定することは難しく実現不可能の値が設定されることが多々ある。
そこで上記Plan段階において、管理作業者は、効率指標値Eを見積もった後、上記構造評価部31を用いてシミュレーションによりエネルギー消費原単位を求めて表示装置5に表示させることで効率指標値Eの妥当性を評価し確認することになる。
Plan段階においては、管理項目66、及び効率指標値Eを仮決定し、後述するDo段階、Check段階、及びAction段階を試験的に実行し、その結果に基づいて管理項目66、及び効率指標値Eを見直すという動作を繰り返して、管理項目66、及び効率指標値Eを決定しても良い。
また、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10などの構成に変更が生じた場合には、Action段階の後に設定部180によるPlan段階が実行され、構成の変更に即して、管理項目66、及び効率指標値Eが見直されて再設定が行われる。
なお、Check段階においては、第1実施形態と同様に、表示装置5には監視用画面43が表示されて、管理作業者による監視が容易となっている。
これにより、管理作業者の経験などに依らず、省エネルギー効果が得られるエネルギー管理が実現できる。また、管理対象2が備えるエネルギー消費設備10、構成機器11、及びその他の機器の構成に変更がない限りは、Plan段階を除いたDo段階、Check段階、及びAction段階が順次繰り返し実行されることから、管理作業員の労力を低減した効率的な管理が可能になる。
管理項目66における「対象機器」は管理の対象となる機器・設備を特定したものであり、「管理対象値」は管理の対象となる運転評価値、入出力状態値、又はこれらの複合計算値(例えば効率など)を示す。また「管理基準値」は「管理対象値」の良否を判断するための数値基準値を示し、「管理グラフ」は「管理対象値」の良否を判断するために「管理対象値」を時系列等でグラフ化して示すものである。「計測項目・計算式」は「管理対象値」を把握するための計測項目、及び「管理対象値」を把握するための計測値から計算で求める項目を示す。「基準値逸脱時の措置」は「管理対象値」が数値基準に適合しない時の行動を示し、「管理頻度」は「管理対象値」を確認する頻度を示す。
例えば、エネルギー消費設備10が冷却塔を備えた冷凍機システムである場合、冷却水温度をシミュレーションして管理基準値に妥当な冷却水温度を設定する。具体的には、年間における時刻別の外気温度・湿度、及び想定冷却熱量(冷房熱量)に基づき、図8に示すように、冷凍機システムにおける冷却水温度を例えば構造評価部31のシミュレーションにより求め、冷却塔のファン発停温度基準値を設定する。図8に示す例の場合、冷却水温度基準値として、盛夏期(8月)には30℃、夏季(7月、9月)には28℃、中間期(3〜6月、10月、11月)には24℃、冬季(12〜2月)には20℃が設定される。
エネルギー管理システム1、100は、監視制御システム3の計測データに基づき、時刻別の空調負荷率(空調需要÷熱源機の総容量)を計測して、空調負荷率別に設定した熱源機が出力すべき冷水(温水)温度を参照して、監視制御システム3の一例たるBAS(Building Automation System)または熱源機に温度制御信号を出力する。
冷水製造温度基準値の例としては、冷房負荷率80%以上であれば7℃、冷房負荷率60〜80%であれば8℃、冷房負荷率50〜60%であれば10℃、冷房負荷率50%以下であれば12℃が挙げられる。
エネルギー管理システム1、100は、監視制御システム3の計測データに基づき、蒸気流量を計測し、蒸気流速が管理値となる蒸気圧力を算出するとともに、蒸気流速が管理値となる蒸気圧力を上記BASまたはボイラーに出力する。
例えば図9に示す計測例では、現状0.7MPa(7kgf)で蒸気を製造しているが、5日過ぎごろから蒸気流速が20m/s程度になるため、蒸気圧力をから0.5MPa(5kgf)に変更することにより蒸気流速が管理基準値になるため、蒸気圧力を0.5MPaに変更することが省エネとなる。
管理対象2では一つの電力系統(電灯No.1系統など)に対して複数の変圧器を並列設置しておき(現状は一系統につき変圧器は一台設置)、エネルギー管理システム1、100は、監視制御システム3の計測データに基づき、この系統の負荷率または需要率を計測し、負荷率または需要率が管理値となるように稼働させる変圧器台数を算出するとともに、変圧器台数を上記BASまたは変圧器の台数制御装置に出力する。
例えば図4において、熱源機やポンプなどは複数台設定されているが、管理制御装置4、104は、熱源機についてはCOP、ポンプについてはWTFを算出し、最も効率の高い熱源機・ポンプを運転する機器として上記BASまたは台数制御装置に出力する。
図10に示すように、熱源システム290(複数の冷凍機やボイラーなどの熱源機で構成され、複数の熱源機が協調してエネルギーを供給する系)は、複数の異なる熱源機から構成されていることが多く、設備されている熱源機は使用するエネルギー種類が異なる場合が多い。また容量や部分負荷における特性も異なるのが通常である。従って、この異なる特性の熱源機に対して、該当建物の特徴的なエネルギー需要を算出した上で、これらのエネルギー需要に対してエネルギー使用量が最小となるように運転する熱源機を適切に選択・組み合わせを行うこと、または上記BASまたは台数制御装置に出力することが、熱源システムの効率を高く維持することにつながる。
2 管理対象
3 監視制御システム
4、104 管理制御装置(制御手段)
5 表示装置(表示手段)
10 エネルギー消費設備
11 構成機器
12 計測デバイス(計測手段)
22 記憶部
23 操作部
24 表示出力部
25 階層化エネルギーフローデータセット
30 エネルギー消費構造提示部
31 構造評価部
32 合理性評価部
33 エネルギー使用状況監視部
34 改善制御実行部
40 最上位層エネルギーフロー評価画面(第1画面)
41 下位層エネルギーフロー評価画面(第1画面)
42 合理性評価画面(第2画面)
43 監視用画面
52 経路
53 分岐ポイント
54 消費割合チャート
66 管理項目
E 効率指標値(効率)
Claims (9)
- エネルギー消費設備を備えた管理対象におけるエネルギー使用状況を表示手段に表示するエネルギー管理システムにおいて、
前記エネルギー消費設備、及び構成機器のエネルギー消費に係る効率、及び前記管理対象のエネルギー消費原単位の算出に要するデータを計測する計測手段と、
前記効率の中から前記管理対象のエネルギー消費原単位への影響の大きさに基づいて選択された所定数の効率、及び前記エネルギー消費原単位の各々の現状値を算出し、当該所定数の効率、及びエネルギー消費原単位の各々の現状値を示した監視用画面を前記表示手段に表示する制御手段と
を備えることを特徴とするエネルギー管理システム。 - 前記制御手段は、
前記エネルギー消費設備の単位、及び当該エネルギー消費設備が含む構成機器の単位に分けて示された前記管理対象のエネルギーフローごとに、前記効率の現状値を対応付けて示した第1画面を前記表示手段に表示し、
前記第1画面では、所定の閾値を逸脱している前記効率を識別可変に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のエネルギー管理システム。 - 前記制御手段は、
前記第1画面では、前記エネルギーフローの経路をエネルギーの流量に応じた太さで表示し、かつ、経路の分岐ポイントについて、分岐先へのエネルギーの配分比率を表示する
ことを特徴とする請求項2に記載のエネルギー管理システム。 - 前記制御手段は、
前記管理対象のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の管理項目のうち、当該合理性の判断に与える影響が大きな管理項目の現状値を算出し、前記監視用画面に表示する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエネルギー管理システム。 - 前記制御手段は、
前記管理項目の現状値を示した第2画面を前記表示手段に表示し、
前記第2画面では、所定の閾値を逸脱している前記管理項目を識別可変に表示する
ことを特徴とする請求項4に記載のエネルギー管理システム。 - 前記制御手段は、
前記第2画面に、前記管理項目の値を改善させる措置を表示することを特徴とする請求項5に記載のエネルギー管理システム。 - エネルギー消費設備を備えた管理対象におけるエネルギー使用状況を表示手段に表示させて管理するエネルギー管理方法において、
前記エネルギー消費設備の単位、及び当該エネルギー消費設備が含む構成機器の単位に分けて示された前記管理対象のエネルギーフローに、前記エネルギー消費設備、及び構成機器のエネルギー消費に係る効率を対応付けて示した第1画面を表示するステップと、
前記効率の中から前記管理対象のエネルギー消費原単位への影響の大きさに基づいて選択された所定数の効率、及び前記エネルギー消費原単位の各々の現状値を算出し、当該所定数の効率、及びエネルギー消費原単位の各々の現状値を示した監視用画面を前記表示手段に表示するステップと、
ユーザの操作に応じて前記監視用画面と前記第1画面とを切り替えるステップと、
を備えたことを特徴とするエネルギー管理方法。 - Plan段階、Do段階、Check段階、及びAction段階を順次に実行して、エネルギー消費設備を備えた管理対象のエネルギー使用状況を管理するエネルギー管理方法であって、
前記Plan段階では前記管理対象のエネルギー使用の合理性の判断に要する複数の管理項目、及び、これらの管理項目の管理基準値を設定し、
前記Do段階では前記管理項目の各々の現状値を計測し、
前記Check段階では前記管理項目の管理基準値と前記現状値を比較し、
前記Action段階では前記現状値が前記管理基準値から逸脱している場合に、所定の措置を提示、或いは実行し、
前記管理対象が備える前記エネルギー消費設備の構成に変更がない間、前記Do段階、Check段階、及びAction段階を順次繰り返し、
前記管理対象が備える前記エネルギー消費設備の構成に変更が生じた場合に、前記Action段階の後に前記Plan段階を実行する
ことを特徴とするエネルギー管理方法。 - 前記Plan段階は、前記管理基準値の値の妥当性を、前記管理対象が備える前記エネルギー消費設備の構成に基づくシミュレーションにより評価するステップを含むことを特徴とする請求項8に記載のエネルギー管理方法。
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