JP2015071870A - 圧入管継手工法、及びこの工法に用いる圧入管加締め装置 - Google Patents

圧入管継手工法、及びこの工法に用いる圧入管加締め装置 Download PDF

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大輔 戸崎
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清徳 寒川
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Abstract

【課題】基礎杭として、地中に圧入する圧入管杭を構成する圧入管に対し、継手を介してねじ締結で接合された圧入管同士を、低コストで、簡単かつ確実に緩みなく固定させることができる圧入管継手工法、及びこの工法に用いる圧入管加締め装置を提供する。【解決手段】地中に圧入して打ち込まれる鋼管杭を、継手30を介して隣接する鋼管2,2同士を軸AX方向にねじ締結で接合して構成する圧入管継手工法において、継手30は、雄ねじ部32と、肉厚t方向に貫通する貫通孔31とを有すること、鋼管2同士のうち、一方の第1鋼管10の開放端部11側には、雄ねじ部32と螺合する雌ねじ部12と、押圧力Fを作用させる変形部13とが形成され、第1鋼管10の雌ねじ部12と継手30の雄ねじ部32とを締結後、外部から第1鋼管10の変形部13を継手30の貫通孔31内に加締めて、雄ねじ部32と雌ねじ部12との回り止めを行う。【選択図】図2

Description

この発明は、例えば、鉄道沿線に設置される防音壁等、建築・土木構造物の基礎杭として、地中に圧入して打ち込まれる鋼管杭等の圧入管杭が、継手を介し圧入管同士をねじ締結で繋いで構成される圧入管継手工法、及びこの工法に用いる圧入管加締め装置に関する。
周知の通り、新幹線、在来線等の鉄道沿線のほか、高速道路等の道路沿線には、防音壁が設置されている区間がある。新幹線の場合、特に駅周辺で、マンション等の住宅、オフィスビル等の建物が密集する中心市街地を走行する区間のほか、走行時の騒音により沿線周辺の環境に影響を及ぼす区間等には、防音壁は必ず設置されている。新幹線向けの防音壁のうち、遮音性能を有したボード状の遮音材を支柱で支える構造(支柱構造)の防音壁は、遮音材を複数段にわたって積み上げて、線路を囲う壁を高くすることにより、新幹線車両の走行に伴う騒音を沿線近隣に拡散するのを抑制している。
近年、新幹線では、走行速度の高速化に伴い、騒音が増加する傾向にある。他方、前述したような新幹線沿線の建物が高層化していることや、沿線周辺への環境配慮を重視した防音対策が求められていることから、現状の防音壁の高さでは低く、遮音効果が十分でない区間が生じている。そこで、この問題の解決策の一つとして、既設の防音壁に嵩上げを行って壁高を高くすることが、提案されている。防音壁嵩上げは、上記支柱構造の場合、既存の防音壁の最上部の位置から、遮音材を必要な壁の高さになるまで継ぎ足すもので、既設支柱より高い新規支柱を既設支柱の背後に立設し、追加分の遮音材が、既存の防音壁の遮音材とオフセットして繋がれた形態で、新規支柱に取り付けられる。この新規支柱の立設にあたり、基礎工事では、基礎杭が地中に打たれる。基礎杭は一般的に、ねじ締結や溶接により、複数の鋼管を直列に連結した鋼管杭であり、その鋼管杭の継手構造の一例として、特許文献1、2に、ネジ締結による鋼管の接続構造が開示されている。
特許文献1は、杭体(鋼管)の一端に、雌ねじを有した雌ねじ側継手片を、他端に、雄ねじを有した雄ねじ側継手片を、それぞれ溶接接合し、一の鋼管の雌ねじ側継手片と、他の鋼管の雄ねじ側継手片とを螺合した後、雌ねじ側継手片の固定用ねじ孔に、外部から係合ピンを螺合している。この係合ピンが、その先端部を雄ねじ側継手片先端側の環状溝に係合することで、鋼管同士が緩みなく固定できるとされている。
特許文献2は、鋼管の一端に、雌ねじの一部に連通孔を設けた雌ねじ筒を、他端に、雄ねじの一部を無螺条部とした雄ねじ筒を、それぞれ溶接接合し、一の鋼管の雌ねじ筒と他の鋼管の雄ねじ筒とを螺合させて、連通孔と無螺条部とを位置合わせし、連通孔の形状に対応した係合ピースを、キーとして連通孔に嵌入している。係合ピースは、皿ねじにより無螺条部の雄ねじ筒に固定されているため、鋼管同士の緩みが防止できるとされている。
特開平10−252060号公報 特開2002−371546号公報
しかしながら、特許文献1、2のような従来技術には、以下のような問題があった。回転圧入工法により、鋼管杭を地中に打ち込むとき、通常、下端にスクリュを設けた鋼管杭を正方向に回転させながら上端から地中に加圧して圧入するが、例えば、岩盤層や瓦礫層等、杭の圧入を妨げる地質層に、杭下端が差し掛かったときには、一旦、鋼管杭の回転が逆方向に反転される。このとき、実際の鋼管杭には、例えば、数kN・m等という大きな捻じりトルクが、鋼管同士の接合部にかかる。
特許文献1は、雌ねじ側継手片の固定用ねじ孔に螺合する係合ピンを締め付けて、その先端部を雄ねじ側継手片の環状溝に単に面接触させているだけであるため、接触面圧は小さく、上述した大きな捻じりトルクが鋼管杭に作用すると、係合ピンの先端部が環状溝内で相対的に移動して、鋼管同士が緩む虞がある。鋼管同士が緩むと、鋼管杭がその圧入を妨げる地質層に差し掛かったとき、鋼管杭の圧入作業が立ち往生してしまい問題になる。
特許文献2では、雌ねじ筒と雄ねじ筒とがそれぞれ、高い加工精度で形成されていないと、一の鋼管の雌ねじ筒と他の鋼管の雄ねじ筒とを締結した状態で、雌ねじ筒の連通孔と雄ねじ筒の無螺条部とを位置決めすることは、技術的に相当困難であり、雌ねじ筒と雄ねじ筒とを高精度に加工することはコスト高に繋がるため、この接合技術は現実的ではない。
鋼管同士の接合には、特許文献1、2のようなねじ締結構造のほか、溶接構造が一般的に知られている。しかしながら、溶接構造では、溶接作業者が、溶接条件、溶接環境、溶接方法等について、現場で鋼管の溶接に適す十分な判断能力と、優れた溶接技能を持ち備えた熟練技術者でないと、鋼管同士の接合部で強度不足を招く虞が高くなる。また、熟練技術を有する溶接作業者を必要とすることが、コスト高の一因になっている。加えて、溶接構造にすると、鋼管杭の圧入工事において、溶接構造に比して、工程数が増え、工期が長くなり、工事全体のコストが高価になる問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、基礎杭として、地中に圧入する圧入管杭を構成する圧入管に対し、継手を介してねじ締結で接合された圧入管同士を、低コストで、簡単かつ確実に緩みなく固定させることができる圧入管継手工法、及びこの工法に用いる圧入管加締め装置を提供することを目的とする。
本発明に係る圧入管継手工法は、以下の構成を有する。
(1)建築構造物または土木構造物の基礎杭として、地中に圧入して打ち込まれる圧入管杭を、継手を介して隣接する圧入管同士をその軸方向にねじ締結で接合して構成する圧入管継手工法において、前記継手は、雄ねじ部と、当該継手の肉厚方向に貫通する貫通孔と、を有すること、前記圧入管同士のうち、一方の第1圧入管の開放端部側には、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部と、押圧力を作用させる変形部とが形成され、前記第1圧入管の前記雌ねじ部と前記継手の前記雄ねじ部とを締結後、外部から前記第1圧入管の前記変形部を前記継手の前記貫通孔内に加締めることにより、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部との回り止めを行うこと、を特徴とする。
(2)(1)に記載する圧入管継手工法において、前記継手は、前記圧入管同士のうちの他方である第2圧入管の端面部に接合されていること、を特徴とする。
(3)(2)に記載する圧入管継手工法において、前記第1圧入管の前記変形部は、前記雌ねじ部より前記軸方向開口側に位置すると共に、前記継手の前記貫通孔は、前記雄ねじ部より前記第2圧入管の前記端面部に固着される側に位置すること、を特徴とする。
また、(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する圧入管継手工法において、前記土木構造物は、鉄道沿線に設置される防音壁であり、前記圧入管杭は、前記防音壁の支柱を立設するための基礎に打たれる基礎杭であること、を特徴とする。
本発明に係る圧入管継手工法に用いる圧入管加締め装置は、以下の構成を有する。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する圧入管継手工法に用いる圧入管加締め装置であって、前記押圧力を発生させる駆動源と、前記押圧力を前記第1圧入管の前記変形部に伝える押圧ヘッドと、前記第1圧入管、前記第2圧入管、または前記継手のいずれかに対し、外周を把持可能に形成された環状の把持部に、前記押圧ヘッドが前記把持部の軸心と直交する方向に動作可能に配設された押圧ヘッド本体部と、を有すること、を特徴とする。
(5)(4)に記載する圧入管加締め装置において、前記押圧ヘッド本体部を、前記第1圧入管、前記第2圧入管、または前記継手のいずれかに固定して保持させる固定保持手段を有すること、を特徴とする。
(6)(4)または(5)に記載する圧入管加締め装置において、前記駆動源は、作動油を流体制御する油圧駆動源であり、前記作動油の圧力を計測する圧力計を備えていること、を特徴とする。
上記構成を有する本発明の圧入管継手工法の作用・効果について、説明する。
(1)建築構造物または土木構造物の基礎杭として、地中に圧入して打ち込まれる圧入管杭を、継手を介して隣接する圧入管同士をその軸方向にねじ締結で接合して構成する圧入管継手工法において、継手は、雄ねじ部と、当該継手の肉厚方向に貫通する貫通孔と、を有すること、圧入管同士のうち、一方の第1圧入管の開放端部側には、雄ねじ部と螺合する雌ねじ部と、押圧力を作用させる変形部とが形成され、第1圧入管の雌ねじ部と継手の雄ねじ部とを締結後、外部から第1圧入管の変形部を継手の貫通孔内に加締めることにより、雄ねじ部と雌ねじ部との回り止めを行うこと、を特徴とするので、継手が、圧入管同士のうちの他方である第2圧入管に固着接合されている状態の下、圧入管同士の間に、例えば、数〜十数kN・m等という大きな捻じりトルクが作用しても、圧入管同士にガタツキがなく、第2圧入管に固着する継手の雄ねじ部と、第1圧入管の雌ねじ部との締結状態を、緩まずに維持することが、簡単にかつ確実にできる。特に、例えば、圧入管杭を正方向に回転させながら地中に打ち込んでいる途中で、一旦、圧入管杭を逆方向に回転させる場合や、地中に打ち込まれている圧入管杭を、その圧入方向とは逆方向に回転させて引き抜く場合がある。このような場合、正逆交互の回転が、圧入管杭に複数回繰り返し行われるが、圧入管同士が相対的に回転せず、圧入管同士のガタツキに起因した圧入管の衝撃が発生することなく、圧入管杭を、立ち往生せず簡単に地中側に引き戻すことができる。また、継手が、予め工場で第2圧入管に固着接合されている場合等、工事現場には、溶接技術者のような熟練技術者を特に必要としないため、工事コストを安価に抑えることができる。また、本発明の圧入管継手工法による圧入管同士の接合固着では、鋼管同士を溶接で接合する場合に比して、工事の工程数が削減でき、工期を短くすることができるため、工事全体のコストが安価である。
従って、本発明に係る圧入管継手工法によれば、基礎杭として、地中に圧入する圧入管杭を構成する圧入管に対し、継手を介してねじ締結で接合された圧入管同士を、低コストで、簡単かつ確実に緩みなく固定させることができる、という優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する圧入管継手工法において、継手は、圧入管同士のうちの他方である第2圧入管の端面部に接合されていること、を特徴とするので、継手が、工場等で予め第2圧入管に接合固着されていれば、現場で、第1圧入管と継手とを、例えば、圧入管杭がその圧入を妨げる地質層に差し掛かった場合や、圧入管杭を地中から引き抜く場合に、地中に埋設したスクリュの抵抗を受けながら、圧入管杭を逆回転させるときにかかる実際の捻じりトルクに応じて、1箇所、または第1圧入管の周方向に沿って2、3箇所程度(複数箇所)等の加締めを行うだけで、圧入管同士の回り止めが確実に防止できる。また、現場で圧入管同士の回り止め作業が簡単にできる。
(3)(2)に記載する圧入管継手工法において、第1圧入管の変形部は、雌ねじ部より軸方向開口側に位置すると共に、継手の貫通孔は、雄ねじ部より第2圧入管の端面部に固着される側に位置すること、を特徴とするので、第1圧入管において変形部と雌ねじ部とを形成するのに加工がし易く、継手においても貫通孔と雄ねじ部とを形成するのに加工がし易いため、加工に伴うコストが抑制できる。また、加締めが第2圧入管の端面部に近い位置で行われると、上記捻じりトルクが大きくかかったとき、継手自体の捻じれによる影響を小さくできるため、継手を介した第1圧入管と第2圧入管との捻じれ剛性(捻じれ強度)が、第2圧入管の端面部から離れた位置で加締めを行う場合に比して、大きくできる。
また、上記構成を有する本発明の圧入管継手工法に用いる圧入管加締め装置の作用・効果について、説明する。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する圧入管継手工法に用いる圧入管加締め装置であって、押圧力を発生させる駆動源と、押圧力を第1圧入管の変形部に伝える押圧ヘッドと、第1圧入管、第2圧入管、または継手のいずれかに対し、外周を把持可能に形成された環状の把持部に、押圧ヘッドが把持部の軸心と直交する方向に動作可能に配設された押圧ヘッド本体部と、を有すること、を特徴とするので、例えば、数〜十数kN・m等という大きな捻じりトルクが作用しても耐え得る加締めが、圧入管杭の工事現場で簡単に行うことができ、継手を介してねじ締結された圧入管同士の緩みを確実に防止することができる。また、継手を介してねじ締結された圧入管同士を固定するのに、本発明に係る圧入管加締め装置を用いた加締め作業は、溶接技術者のような、特殊技能を有した熟練技術者を必要とせず、コストを低減できるほか、鋼管同士を溶接で接合する場合に比して、工事の工程数が低減でき、工期を短くすることができ、工事全体のコストが安価になる。
従って、本発明に係る圧入管加締め装置を用いれば、基礎杭として、地中に圧入する圧入管杭を構成する圧入管に対し、継手を介してねじ締結で接合された圧入管同士を、低コストで、簡単かつ確実に緩みなく固定させることができる、という優れた効果を奏する。
(5)(4)に記載する圧入管加締め装置において、押圧ヘッド本体部を、第1圧入管、第2圧入管、または継手のいずれかに固定して保持させる固定保持手段を有すること、を特徴とするので、固定保持手段により、押圧ヘッド本体部が圧入管杭に安定して設置できるため、加締め作業を行う作業者の負担が低減でき、作業性が向上する。また、押圧ヘッド本体部が圧入管杭に安定して設置できると、加締め時に、駆動源で発生した押圧力を、押圧ヘッドから第1圧入管の変形部に、力の分散を抑えて伝達できるため、加締めを効率良く行うことができる。
(6)(4)または(5)に記載する圧入管加締め装置において、駆動源は、作動油を流体制御する油圧駆動源であり、作動油の圧力を計測する圧力計を備えていること、を特徴とするので、作業者は、押圧ヘッドの推力時にかかる作用油の圧力を圧力計から読み取ることにより、加締め時に作用する押圧力に基づいて、第1圧入管と継手との加締め量を把握することができる。また、圧力計から読み取った作動油の圧力に基づいて、上記加締め量の品質管理を行うことにより、第1圧入管の雌ねじ部と、第2圧入管に固着された継手の雄ねじ部とが噛み合った圧入管同士の接合部で、信頼性の高いねじ緩み防止が実現できる。
実施形態に係る圧入管継手工法により接合された鋼管杭を、地中に打ち込む様子を模式的に示す説明図である。 図1に示す鋼管杭の接合部を、軸と直交する方向から見た断面図であり、第2鋼管に固着した継手と第1鋼管との加締後の様子を示す説明図である。 図1に示す鋼管杭の接合部を、軸方向から見た断面図であり、第2鋼管に固着した継手と第1鋼管との加締前の様子を示す第1工程図である。 図3と同じ第1工程図であり、図3中、A‐A矢視断面図である。 図4に続く第2工程図である。 変形例に係る圧入管継手工法により、第2鋼管に固着した継手と第1鋼管との加締後の様子を示す説明図であり、図2と同様の断面図である。 実施形態に係る鋼管加締め装置の押圧ヘッド本体部を示す平面図である。 図7に示す鋼管加締め装置の油圧制御部を示す正面図である。 図7に示す押圧ヘッド本体部の分解斜視図であり、鋼管杭への取付け前の様子を示す図である。 図7に示す押圧ヘッド本体部を鋼管杭に取付けた様子を示す斜視図である。 図7に示す鋼管加締め装置の押圧ヘッドが鋼管杭を押圧している様子を示す説明図である。
以下、本発明に係る圧入管継手工法、及びこの工法に用いる圧入管加締め装置について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
前述したように、遮音性能を有したボード状の遮音材を支柱で支える支柱構造の防音壁は、新幹線沿線のうち、特に盛土となっている区間の法面に多く設置されている。本実施形態の圧入管継手工法は、既設されたこの支柱構造の防音壁の壁高を高くするため、既設支柱とは別に、追加分の遮音材を支える新規支柱を新たに立設、あるいは既設支柱に代えて新規支柱を立設するのにあたり、その基礎に打ち込まれる基礎杭として、鋼管杭(圧入管杭)を地中に圧入する場合を挙げて、説明する。図1は、実施形態に係る圧入管継手工法により接合された鋼管杭を、地中に打ち込む様子を模式的に示す説明図である。
鋼管杭1の打ち込みは、図1に示すように、回転圧入工法により、下端にスクリュ5を設けた1本目の鋼管2(圧入管)を正方向に回転させながら、その上端から地中UGに加圧して圧入し、1本目の鋼管2の上端に2本目の鋼管2の下端を繋いだ後、接合部3で繋がれた2本の鋼管2を一体的に回転させ、加圧しながら地中UGに圧入される。鋼管杭1は、基礎杭の必要深さに応じて、複数の鋼管2を直列に繋ぎ、地中UGに打ち込まれる。
図2は、図1に示す鋼管杭の接合部を、軸と直交する方向から見た断面図であり、第2鋼管に固着した継手と第1鋼管との加締後の様子を示す説明図である。図3は、鋼管杭の接合部を、軸方向から見た断面図であり、第2鋼管に固着した継手と第1鋼管との加締前の様子を示す第1工程図である。図2〜図6では、図面上方が地面側、下方が地下側である。鋼管杭1の接合部3では、図2に示すように、隣接する鋼管2,2同士が、ねじ締結により、継手30を介して軸AX方向に接合されている。
具体的には、隣接する鋼管2,2同士のうち、一方の第1鋼管10(第1圧入管)の雌ねじ部12と、他方である第2鋼管20(第2圧入管)と接合した継手30の雄ねじ部32とを締結後、外部から軸AXに向けた押圧力F(図5参照)により、第1鋼管10の変形部13が継手30の貫通孔31内に嵌まり込んで加締められている。
この第1鋼管10の開放端部11には、継手30の雄ねじ部32と螺合する雌ねじ部12と、押圧力Fを作用させる変形部13とが形成されている。第1鋼管10では、雌ねじ部12と開放端部11との間にある円筒部14が、鋼管2の内周を若干削り、少しだけ肉厚を小さくした円筒状の断面となっており、軸AX方向の円筒部14の距離は、継手30の貫通孔31の直径寸法より大きくなっている。変形部13は、雌ねじ部32の外側で、かつ開放端部11が継手30の継手接続部33に嵌め込むことができるよう、円筒部14のうち、この開放端部11から雌ねじ部32寄りに位置している。
継手30は、本実施形態では、外径が鋼管2と同径である継手接続部33と、この継手接続部33の反対側端部から形成された雄ねじ部32と、肉厚t方向に貫通する貫通孔31と、を有する中空状の部材である。継手30は、鋼管2を工事現場に搬入する前に予め、全周溶接により、第2鋼管20の端面部21に接合されている。継手30の貫通孔31は、雄ねじ部32の外側で、第1鋼管10における雌ねじ部12と開放端部11との間に対応する位置に、図3に示すように、1つ配置されている。貫通孔31は、円筒部14の肉厚より大きい径で、鋼管2の肉厚が、例えば、8.2mmの場合、貫通孔31の直径はΦ25mm程度である。貫通孔31の径は、円筒部14の肉厚との関係で、加締め後に第1鋼管10の変形部13が貫通孔31の内周面全体に当接する面積S(目安設定値:約0.8cm×2.5cm×π=約6.3cm)を少なくとも確保できている条件を満たす大きさに設定される
なお、貫通孔31は、継手30の周方向に対し、複数箇所に設けても良い。第1鋼管10と継手30との間で捻じりトルクが大きく作用しても、複数の貫通孔31にそれぞれ、第1鋼管10の変形部13を加締めることで、第1鋼管10と継手30(第2鋼管20)とが相対的に回転して緩み始める耐強度が、増大するからである。
本実施形態に係る圧入管継手工法による鋼管2,2同士の接合工程について、説明する。本実施形態では、第1鋼管10の開放端部11を、地中UGに圧入されている先の鋼管2の上端側として、第2鋼管20と接合した継手30の雄ねじ部32を、繋ぎ合わせる次の鋼管2の下端側として説明するが、第2鋼管20と接合した継手30の雄ねじ部32が先の鋼管2の上端側で、第1鋼管10の開放端部11が次の鋼管2の下端側でも良い。図4は、図3と同じ第1工程図であり、図3中、A‐A矢視断面図である。図5は、図4に続く第2工程図である。図6は、変形例に係る圧入管継手工法により、第2鋼管に固着した継手と第1鋼管との加締後の様子を示す説明図であり、図2と同様の断面図である。
接合の第1工程は、図4に示すように、第1鋼管10の雌ねじ部12に継手30の雄ねじ部32を突き合わせて螺合させ、第1鋼管10の開放端部11が継手30の貫通孔31を完全に横切って継手接続部33に当接または近接させる。螺合が完了し、第1鋼管10の雌ねじ部12と継手30の雄ねじ部32とが締結されたら、図3及び図4に示すように、貫通孔31の中心位置と対応する位置に、押圧力Fを付与する位置を示す目印18を、第1鋼管10の変形部13外部側に設ける。これにより、作業者は、接合の第2工程を行うのにあたり、変形部13の加締め位置を外部から一目で判断でき、加締め作業を効率良く行うことができる。
なお、図6に示すように、貫通孔31の外周側外縁部に、C面取り、またはR形状の面取りである貫通孔面取り34が施されていると、第1鋼管10の変形部13と継手30との圧着面積がより増大する。従って、実際の工事現場で、鋼管2の接合部3にかかる捩じりトルクに打ち勝つより大きな加締め強度が得られる。
次に、接合の第2工程は、図5に示すように、目印18のある位置で、第1鋼管10の外部から軸AXに向けた押圧力Fを変形部13にかけて、変形部13を継手30の貫通孔31内に嵌入させて加締める。押圧力Fの大きさは、例えば、一般構造用炭素鋼鋼管JIS G 3444 STK規格等による鋼管2の機械的性質、鋼管2の肉厚、貫通孔31の内径、鋼管2の接合部3にかかる捻じりトルクの大きさ等の諸条件を、考慮して決定される。かくして、第1鋼管10の変形部13を、第2鋼管20に接合されている継手30の貫通孔31内に加締めることにより、第1鋼管10の雌ねじ部12と継手30の雄ねじ部32との間で、相対的な回転が阻止される。
次に、本実施形態に係る圧入管継手工法に用いる鋼管加締め装置について、説明する。図7は、実施形態に係る鋼管加締め装置の押圧ヘッド本体部を示す平面図である。図8は、鋼管加締め装置の油圧制御部の正面図である。図9は、押圧ヘッド本体部の分解斜視図であり、鋼管杭への取付け前の様子を示す図である。
鋼管加締め装置50(圧入管加締め装置)は、大別して押圧ヘッド本体部51と、作動油を流体制御する油圧制御部61とからなり、油圧駆動源52(駆動源)により押圧力Fを発生させるハンディタイプの油圧式小型加締め装置である。押圧ヘッド本体部51は、油圧駆動源52に構成されるシリンダ53、及びこのシリンダ53に取り付けられた押圧ヘッド55のほか、支持部56、把持部57、及びマグネットホルダ59(固定保持手段)等を有する。押圧ヘッド55は、先端側となる頂部に丸みを帯びた円錐台形状に形成され、油圧駆動源52で発生した押圧力Fを第1鋼管10の変形部13に伝える。
油圧駆動源52に構成される油圧制御部61は、作動油をシリンダ53に圧送する図示しない電動ポンプ及び作動油タンクと、この電動ポンプの作動ON/OFFを行う操作スイッチ65と、管路の吐出口であるカプラ62に接続された作動油の圧力計63とを有する。この油圧制御部61のカプラ62と、押圧ヘッド本体部51のシリンダ53に設けたカプラ54とが、ホース64で繋がれている。電動ポンプが作動すると、作動油が、油圧制御部61からシリンダ53に圧送され、このときの油圧により、押圧力Fが、動作開始位置から動作終了位置まで、押圧ヘッド55に作用する。一方、電動ポンプの作動を停止して、シリンダ53内の作動油圧を下げる図示しないバルブを制御することにより、押圧ヘッド55が、動作終了位置から動作開始位置に戻り、押圧力Fが作用しないフリー状態となる。
シリンダ53は、鋼管2または継手30に対し、外周を把持可能に形成された環状の把持部57と共に、支持部56に固定されている。図10は、押圧ヘッド本体部を鋼管杭に取付けた様子を示す斜視図である。
具体的には、把持部57は、図10示すように、鋼管2の外径に対応した曲率径の半円弧状に形成された内周面を有する一対の第1把持部57Aと、上記曲率径の半円弧状に形成された内周面を有する第2把持部57Bと、段差を有したピン58(2本)とからなる。シリンダ53は、押圧ヘッド55が把持部57の軸心と直交する方向に動作可能に配設されている。把持部57は、一方の第1把持部57Aの両側端部と、他方の第1把持部57Aの両側端部との間に、第2把持部57Bの両側端部を挿入し、両側ともピン58を、一方の第1把持部57Aの第1貫通孔57AH、第2把持部57Bの第2貫通孔57BH、及び他方の第1把持部57Aの第1貫通孔57AHに挿通することにより、鋼管2または継手30の周りを囲み込んで取り付けられる。他方の第1把持部57Aの下には、鋼管2または継手30に磁力で吸着するマグネットホルダ59(固定保持手段)が配設されている。マグネットホルダ59は、押圧ヘッド本体部51を、鋼管杭1に固定して保持させる。
本実施形態に係る圧入管継手工法では、鋼管加締め装置50は、次のように用いられる。図11は、鋼管加締め装置の押圧ヘッドが鋼管杭を押圧している様子を示す説明図である。まず、地中UGに打ち込む途中下にある鋼管杭1で、下端側が地中UGに上端側が地上に露出した第1鋼管10と、この第1鋼管10に繋ぎ合わせる第2鋼管20との接合部3(図5参照)に、把持部57を把持させ、マグネットホルダ59を鋼管杭1に吸着させることにより、鋼管加締め装置50の押圧ヘッド本体部51を、鋼管杭1の真横から動かないよう、取り付ける。このとき、押圧ヘッド55の先端位置を、第1鋼管10の変形部13に記した目印18に位置合わせしておく。次に、電動ポンプを作動して、シリンダ53内の作動油圧を大きくして、図11に示す矢印の向きに動作開始位置から動作終了位
置まで押圧ヘッド55を前進させる。作業者は、このときにかかる作動油圧を、圧力計
63によって確認できる。かくして、押圧ヘッド55による押圧力Fが、第1鋼管10の
変形部13に伝わり、図2に示すように、第1鋼管10と継手30とが加締められる。加締め後、シリンダ53内の作動油圧を下げ、動作開始位置まで押圧ヘッド55を後退させる。
ここで、本実施形態に係る圧入管継手工法について、その有意性を確認するテストを行った。テストでは、本実施形態に係る圧入管継手工法により、実際の鋼管2より短くした第1鋼管10と第2鋼管20とを用い、第1鋼管10の変形部13を、継手30の軸心方向一方側に形成した貫通孔31内に嵌め込み加締めると共に、第1鋼管10の変形部13と同様、第2鋼管20の変形部を、継手30の軸心方向他方側に形成した貫通孔31内に嵌め込み加締めた。そして、回転試験機により、地中に埋設したスクリュ5に抵抗を受けて鋼管杭1が逆回転するときの回転数に合わせて第2鋼管20を回転させ、第1鋼管10と第2鋼管20との間に、捩じりトルクをかけた。
テスト結果では、鋼管2の肉厚8.2mm、鋼管2の外径Φ216.3mm、貫通孔31の直径Φ25mm、押圧力Fが約150kN、加締め圧50MPa、変形部13の凹み(加締め量)8.4mmの場合、第1鋼管10と第2鋼管20との間に、15kN・m以上もの大きな捩じりトルクがかかっても、第1鋼管10と継手30とが全く緩まないことが判った。実際の工事現場では通常、地中UGに打ち込む途中下にある鋼管杭1を逆回転させると、数kN・m程度の捻じりトルクが鋼管杭1の接合部3にかかるが、本実施形態に係る圧入管継手工法によれば、実際の工事現場で鋼管杭1が逆回転しても、隣り合う鋼管2同士は緩まず、この工法に有意性があることが確認できた。
前述した構成を有する本実施形態に係る圧入管継手工法の作用・効果について説明する。
本実施形態に係る圧入管継手工法は、新幹線沿線に設置される支柱構造の防音壁の基礎杭として、地中UGに圧入して打ち込まれる鋼管杭1を、継手30を介して隣接する鋼管2,2同士をその軸AX方向にねじ締結で接合して構成する圧入管継手工法において、継手30は、雄ねじ部32と、当該継手30の肉厚t方向に貫通する貫通孔31と、を有すること、鋼管2,2同士のうち、一方の第1鋼管10の開放端部11側には、雄ねじ部32と螺合する雌ねじ部12と、押圧力Fを作用させる変形部13とが形成され、第1鋼管10の雌ねじ部12と継手30の雄ねじ部32とを締結後、外部から軸AXに向けた押圧力Fで、第1鋼管10の変形部13を継手30の貫通孔31内に加締めることにより、雄ねじ部32と雄ねじ部12との回り止めを行うことを特徴とする。
これにより、継手30が、鋼管2,2同士のうちの他方である第2鋼管20に固着接合されている状態の下、鋼管2,2(第1鋼管10、第2鋼管20)の間に、例えば、数〜十数kN・m(15kN・m以上)等という大きな捻じりトルクが作用しても、第1鋼管10、第2鋼管20同士にガタツキがなく、第2鋼管20に固着する継手30の雄ねじ部32と、第1鋼管10の雌ねじ部12との締結状態を、緩まずに維持することが、簡単にかつ確実にできる。特に、例えば、鋼管杭1を正方向に回転させながら地中UGに打ち込んでいる途中で、一旦、鋼管杭1を逆方向に回転させる場合や、地中UGに打ち込まれている鋼管杭1を、その圧入方向とは逆方向に回転させて引き抜く場合がある。このような場合、正逆交互の回転が、鋼管杭1に複数回繰り返し行われるが、鋼管2,2同士が相対的に回転することなく、鋼管2,2同士のガタツキに起因した鋼管2の衝撃が発生することなく、鋼管杭1を、立ち往生せず簡単に地中側に引き戻すことができる。
また、継手30が、予め工場等で第2鋼管20に固着接合されている場合、工事現場には、溶接技術者のような熟練技術者を特に必要としないため、工事コストを安価に抑えることができる。また、本実施形態の圧入管継手工法による鋼管2,2同士の接合固着では、鋼管同士の溶接で接合する場合に比して、工事の工程数が削減でき、工期を短くすることができるため、工事全体のコストが安価になる。
従って、本実施形態に係る圧入管継手工法によれば、基礎杭として、地中UGに圧入する鋼管杭1を構成する鋼管2に対し、継手30を介してねじ締結で接合された鋼管2,2を、低コストで、簡単かつ確実に緩みなく固定させることができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態に係る圧入管継手工法は、第1鋼管10の変形部13は、雌ねじ部12の外側に位置し、継手30の貫通孔31は、雄ねじ部32の外側に位置すること、を特徴とする。これにより、加締め後の変形部13が、継手30の貫通孔31内により深く嵌まり込むことができ、継手30の貫通孔31内で変形部13が継手30に圧着されて接触する圧着断面積がより大きくなる。そのため、鋼管2,2の間で作用する捻じりトルクが大きくかかっても、第1鋼管10と継手30との圧着部分にかかる面圧がより小さくできるため、継手30を介した第1鋼管10と第2鋼管20との耐捻じれ強度がより大きくでき、ねじ締結された第1鋼管10と継手30とを相対的に緩み難くすることができる。
また、本実施形態に係る圧入管継手工法は、継手30は、鋼管2,2のうちの他方である第2鋼管20の端面部21に接合されていること、を特徴とする。これにより、継手30が、工場等で予め第2鋼管20に固着接合されていれば、現場で、第1鋼管10と継手30とを、例えば、鋼管杭1がその圧入を妨げる地質層に差し掛かった場合や、鋼管杭1を地中UGから引き抜く場合に、地中UGに埋設したスクリュ5の抵抗を受けながら、鋼管杭1を逆回転させるときにかかる実際の捻じりトルクに応じて、1箇所、場合によっては、第1鋼管10の周方向に沿って2、3箇所程度(複数箇所)等の加締めを行うだけで、鋼管2,2の回り止めが確実に防止できる。また、現場で鋼管2,2の回り止め作業が簡単にできる。
また、本実施形態に係る圧入管継手工法は、第1鋼管10の変形部13は、雌ねじ部12より軸AX方向開口側(開放端部11側)に位置すると共に、継手30の貫通孔31は、雄ねじ部32より第2鋼管20の端面部21に固着される側に位置すること、を特徴とする。これにより、第1鋼管10において変形部13と雌ねじ部12とを形成するのに加工がし易く、継手に30おいても貫通孔31と雄ねじ部32とを形成するのに加工がし易いため、加工に伴うコストが抑制できる。また、加締めが第2鋼管20の端面部21に近い位置で行われると、上記捻じりトルクが大きくかかったとき、継手30自体の捻じれによる影響を小さくできるため、継手30を介した第1鋼管10と第2鋼管20との捻じれ剛性(捻じれ強度)が、第2鋼管20の端面部21から離れた位置で加締めを行う場合に比して、大きくできる。
また、本実施形態に係る鋼管加締め装置の作用・効果について、説明する。
本実施形態に係る圧入管継手工法に用いる鋼管加締め装置50では、押圧力Fを発生させる油圧駆動源52と、押圧力Fを第1鋼管10の変形部13に伝える押圧ヘッド55と、第1鋼管10、第2鋼管20、または継手30のいずれかに対し、外周を把持可能に形成された環状の把持部57に、押圧ヘッド55が把持部57の軸心と直交する方向に動作可能に配設された押圧ヘッド本体部51と、を有すること、を特徴とする。これにより、例えば、数〜十数kN・m等という大きな捻じりトルクが作用しても耐え得る加締めが、鋼管杭1の工事現場で簡単に行うことができ、継手30を介してねじ締結された鋼管2,2の緩みを確実に防止することができる。また、継手30を介してねじ締結された鋼管2,2同士を固定するのに、本実施形態に係る鋼管加締め装置50を用いた加締め作業は、溶接技術者のような特殊技能を有した熟練技術者を必要とせず、コストを低減できるほか、鋼管同士を溶接で接合する場合に比して、工事の工程数が低減でき、工期を短くすることができ、工事全体のコストが安価である。
従って、本実施形態に係る鋼管加締め装置50を用いれば、基礎杭として、地中UGに圧入する鋼管杭1を構成する鋼管2に対し、継手30を介してねじ締結で接合された鋼管2,2同士を、低コストで、簡単かつ確実に緩みなく固定させることができる、という優れた効果を奏する。
また、本実施形態に係る鋼管加締め装置50は、押圧ヘッド本体部51を、第1鋼管10、第2鋼管20、または継手30のいずれかに固定して保持させるマグネットホルダ59を有すること、を特徴とするので、マグネットホルダ59により、押圧ヘッド本体部51が鋼管杭1に安定して設置できるため、加締め作業を行う作業者の負担が低減でき、作業性が向上する。また、押圧ヘッド本体部51が鋼管杭1に安定して設置できると、加締め時に、油圧駆動源52で発生した押圧力Fを、押圧ヘッド55から第1鋼管10の変形部13に、力の分散を抑えて伝達できるため、加締めを効率良く行うことができる。
また、本実施形態に係る鋼管加締め装置50では、駆動源は、作動油を流体制御する油圧駆動源52であり、作動油の圧力を計測する圧力計63を備えていること、を特徴とする。これにより、作業者は、押圧ヘッド55の推力時にかかる作用油の圧力を圧力計63から読み取ることにより、加締め時に作用する押圧力Fに基づいて、第1鋼管10と継手30との加締め量を把握することができる。また、圧力計63から読み取った作動油の圧力に基づいて、上記加締め量の品質管理を行うことにより、第1鋼管10の雌ねじ部12と、第2鋼管20に固着された継手30の雄ねじ部32とが噛み合った鋼管2,2同士の接合部3で、信頼性の高いねじ緩み防止が実現できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態では、電動ポンプを備えた油圧制御部61を油圧駆動源52に構成したが、例えば、電動ポンプに代えて手動ポンプ等を用いても良く、押圧ヘッド本体部51のシリンダ53内の作動油を流体制御するポンプが構成されていれば良い。
(2)また、実施形態では、継手30において、雄ねじ部32と貫通孔31を、第1鋼管10と接続する側に設け、雄ねじ部32と雌ねじ部12とを締結後、第1鋼管10(第1圧入管)の変形部13を貫通孔31内に加締める一方、第2鋼管20と接続する側には、継手接続部33を第2鋼管20(第2圧入管)の端面部21に溶接接合し、第1鋼管10と継手30と第2鋼管20とを繋いだ。
この工法のほか、継手において、第1圧入管と接続する側と第2圧入管と接続する側の両側に、雄ねじ部と貫通孔とをそれぞれ設けると共に、第1圧入管と第2圧入管とにおいて、雄ねじ部と変形部とをそれぞれ設ける。そして、第1圧入管の雌ねじ部と継手片側の雄ねじ部とを締結後、第1圧入管の変形部を継手片側の貫通孔内に加締めると共に、第2圧入管の雌ねじ部と継手反対側の雄ねじ部とを締結後、第2圧入管の変形部を継手反対側の貫通孔内に加締めて、第1圧入管と継手と第2圧入管とを繋ぎ合わせても良い。
1 鋼管杭(圧入管杭)
2 鋼管(圧入管)
10 第1鋼管(第1圧入管)
11 開放端部
12 雌ねじ部
13 変形部
20 第2鋼管(第2圧入管)
21 端面部
30 継手
32 雄ねじ部
31 貫通孔
50 鋼管加締め装置(圧入管加締め装置)
51 押圧ヘッド本体部
52 油圧駆動源(駆動源)
55 押圧ヘッド
57 把持部
59 マグネットホルダ(固定保持手段)
63 圧力計
UG 地中
AX 軸
t 肉厚
F 押圧力

Claims (6)

  1. 建築構造物または土木構造物の基礎杭として、地中に圧入して打ち込まれる圧入管杭を、継手を介して隣接する圧入管同士をその軸方向にねじ締結で接合して構成する圧入管継手工法において、
    前記継手は、雄ねじ部と、当該継手の肉厚方向に貫通する貫通孔と、を有すること、
    前記圧入管同士のうち、一方の第1圧入管の開放端部側には、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部と、押圧力を作用させる変形部とが形成され、
    前記第1圧入管の前記雌ねじ部と前記継手の前記雄ねじ部とを締結後、外部から前記第1圧入管の前記変形部を前記継手の前記貫通孔内に加締めることにより、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部との回り止めを行うこと、
    を特徴とする圧入管継手工法。
  2. 請求項1に記載する圧入管継手工法において、
    前記継手は、前記圧入管同士のうちの他方である第2圧入管の端面部に接合されていること、
    を特徴とする圧入管継手工法。
  3. 請求項2に記載する圧入管継手工法において、
    前記第1圧入管の前記変形部は、前記雌ねじ部より前記軸方向開口側に位置すると共に、前記継手の前記貫通孔は、前記雄ねじ部より前記第2圧入管の前記端面部に固着される側に位置すること、
    を特徴とする圧入管継手工法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載する圧入管継手工法に用いる圧入管加締め装置であって、
    前記押圧力を発生させる駆動源と、
    前記押圧力を前記第1圧入管の前記変形部に伝える押圧ヘッドと、
    前記第1圧入管、前記第2圧入管、または前記継手のいずれかに対し、外周を把持可能に形成された環状の把持部に、前記押圧ヘッドが前記把持部の軸心と直交する方向に動作可能に配設された押圧ヘッド本体部と、を有すること、
    を特徴とする圧入管加締め装置。
  5. 請求項4に記載する圧入管加締め装置において、
    前記押圧ヘッド本体部を、前記第1圧入管、前記第2圧入管、または前記継手のいずれかに固定して保持させる固定保持手段を有すること、
    を特徴とする圧入管加締め装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載する圧入管加締め装置において、
    前記駆動源は、作動油を流体制御する油圧駆動源であり、前記作動油の圧力を計測する圧力計を備えていること、
    を特徴とする圧入管加締め装置。
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