JP2011132702A - 回転圧入型鋼管杭の継手構造およびその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 双方向の回転伝達が可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む回転圧入型鋼管杭の継手構造を提供する。
【解決手段】 上側鋼管杭1A の下部と下側鋼管杭1B の上部とに渡って回転可能に嵌合される継手管3を設ける。継手管3に鋼管杭受鍔4と、がた付防止リング5〜8を設ける。継手管3の継手管上側部分3aおよび継手管下側部分3bの外周面のそれぞれに、一対の継手側回転抑止突部A1 〜A4 を設ける。上下の鋼管杭1A ,1B の内周面に、杭側回転抑止突部B1 ,B2 と、引抜用突部C1 ,C2 とを設ける。引抜用突部C1 ,C2 は、回転により継手側回転抑止突部A2 ,A3 に対して上下に係合可能な位置となり、引き抜き力を伝達する。
【選択図】 図2
【解決手段】 上側鋼管杭1A の下部と下側鋼管杭1B の上部とに渡って回転可能に嵌合される継手管3を設ける。継手管3に鋼管杭受鍔4と、がた付防止リング5〜8を設ける。継手管3の継手管上側部分3aおよび継手管下側部分3bの外周面のそれぞれに、一対の継手側回転抑止突部A1 〜A4 を設ける。上下の鋼管杭1A ,1B の内周面に、杭側回転抑止突部B1 ,B2 と、引抜用突部C1 ,C2 とを設ける。引抜用突部C1 ,C2 は、回転により継手側回転抑止突部A2 ,A3 に対して上下に係合可能な位置となり、引き抜き力を伝達する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、ビルや家屋等の構造物を支持する杭基礎等となる回転圧入型鋼管杭の継手構造およびその施工方法に関する。
杭基礎等となる鋼管杭において、地盤への圧入作業の容易のために、下端に螺旋形の先端羽根を設け、回転を加えながら圧入を行うものがある。鋼管杭を深く地盤に圧入せる場合は、1本の鋼管杭では長さが不足するため、地盤への圧入を行いながら複数本を順次接続する。鋼管杭を接続する場合、回転圧入型鋼管杭では回転の伝達を可能にする必要がある。また、鋼管杭の圧入位置の間違いによる変更や、傾きの修正のために、鋼管杭を逆方向に回転させて引き抜くことが必要な場合がある。そのため、逆回転の伝達も可能にすることが必要となる。
このため、回転圧入型鋼管杭では、溶接等で上下の鋼管杭を接合するが、現場溶接では手間がかかる上、特殊技能者である溶接技術者が必要となる。このような現場溶接による課題を解消し、溶接によらずに、機械的に簡便、かつ強固に回転伝達可能に接続するようにした継手構造も種々提案されている(例えば、特許文献1)。
従来の現場溶接による接続は、上記のように手間がかかる上、特殊技能者である溶接技術者が必要となる。また、特許文献1に提案されている機械的な継手構造は、現場溶接は不要であるものの、互いに継がれる上下の鋼管杭に環状の継手材をそれぞれ溶接し、これら上下の継手材を相互に機械的に接続するものとされる。そのため、鋼管杭を継手材付き鋼管杭とすることが必要であり、準備する鋼管杭が特殊な構造となって継手構造が複雑化する。また、工場溶接作業とはなるが、環状継手材の全周を鋼管杭に溶接することが必要となり、継手材付き鋼管杭の製作に手間がかかる。
この発明の目的は、双方向の回転伝達が可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む回転圧入型鋼管杭の継手構造を提供することである。
この発明の他の目的は、この発明の回転圧入型鋼管杭の継手構造において、初期沈下を防止できる施工方法を提供することである。
この発明の他の目的は、この発明の回転圧入型鋼管杭の継手構造において、初期沈下を防止できる施工方法を提供することである。
この発明の回転圧入型鋼管杭の継手構造は、それぞれ円形の鋼管からなる鋼管杭を上下に順次継ぎ、下端の鋼管杭は螺旋形の先端羽根を有するものとして、地盤に対し回転させながら圧入する接続型の回転圧入型鋼管杭において、上下の鋼管杭を相互に接続する継手構造であって、互いに接続される上側鋼管杭の下部と下側鋼管杭の上部とに渡ってその内周に径方向隙間を介して回転可能に嵌合する継手管を設ける。
この継手管の長さ方向の中間の外周に、上側鋼管杭の下端面と下側鋼管杭の上端面の間に介在する鋼管杭受鍔を設け、前記継手管の外周面に、前記径方向隙間による上下の鋼管杭と継手管間の遊びを少なくするがた付防止突部を設ける。
前記継手管における前記鋼管杭受鍔に対する上側の部分である継手管上側部分および鋼管杭受鍔に対する下側の部分である継手管下側部分の外周面のそれぞれに、互いに突部挿入用空間を介して円周方向に並ぶ一対の継手側回転抑止突部を設ける。
前記上下の鋼管杭の内周面に、それぞれ、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間に進入しかつ継手管と鋼管杭との相対回転により前記継手側回転抑止突部の側面に係合する杭側回転抑止突部を設ける。
前記上側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の下方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも下方に進入し上側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の下面に係合可能な円周方向位置となる上側の引抜用突部を設ける。
前記下側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の上方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも上方に進入し下側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の上面に係合可能な円周方向位置となる下側の引抜用突部を設ける。
なお、前記一対の継手側回転抑止突部は、円周方向の複数箇所に設けても良く、円周方向の1箇所のみに設けても良い。
この継手管の長さ方向の中間の外周に、上側鋼管杭の下端面と下側鋼管杭の上端面の間に介在する鋼管杭受鍔を設け、前記継手管の外周面に、前記径方向隙間による上下の鋼管杭と継手管間の遊びを少なくするがた付防止突部を設ける。
前記継手管における前記鋼管杭受鍔に対する上側の部分である継手管上側部分および鋼管杭受鍔に対する下側の部分である継手管下側部分の外周面のそれぞれに、互いに突部挿入用空間を介して円周方向に並ぶ一対の継手側回転抑止突部を設ける。
前記上下の鋼管杭の内周面に、それぞれ、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間に進入しかつ継手管と鋼管杭との相対回転により前記継手側回転抑止突部の側面に係合する杭側回転抑止突部を設ける。
前記上側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の下方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも下方に進入し上側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の下面に係合可能な円周方向位置となる上側の引抜用突部を設ける。
前記下側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の上方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも上方に進入し下側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の上面に係合可能な円周方向位置となる下側の引抜用突部を設ける。
なお、前記一対の継手側回転抑止突部は、円周方向の複数箇所に設けても良く、円周方向の1箇所のみに設けても良い。
この構成において、前記がた付防止突部は、前記継手管の前記継手管上側部分および継手管下側部分の上下端付近に円周方向に沿って設けたリング状のがた付防止リングであって、継手管上側部分の上端付近のがた付防止リング、および継手管下側部分の下端付近のがた付防止リングは、前記継手側回転抑止突部間の突部挿入用空間と同じ円周方向位置に、前記引抜用突部が挿通可能な突部挿通用隙間を有するものとしても良い。
また、前記がた付防止突部および継手側回転抑止突部は、前記継手管に接合した板材からなり、前記杭側回転抑止突部および前記引抜用突部は、前記継手管に接合した板材からなるものであっても良い。
また、前記がた付防止突部および継手側回転抑止突部は、前記継手管に接合した板材からなり、前記杭側回転抑止突部および前記引抜用突部は、前記継手管に接合した板材からなるものであっても良い。
この構成によると、下側鋼管杭の地盤への圧入の後、下側鋼管杭の上端に継手管の下部を嵌合させ、この継手管の上部に上側鋼管杭の下端を嵌合させる。この嵌合は、鋼管杭と継手管との相対的な軸方向移動により行われるが、この嵌合により、上下の鋼管杭の杭側回転抑止突部は、継手管の対応する一対の継手側回転抑止突部間の突部挿入用空間内に位置する。上側鋼管杭の引抜用突部は、対応する継手側回転抑止突部よりも下側に、また下側鋼管杭の引抜用突部は、対応する継手側回転抑止突部よりも上側に位置する。この状態で、上側鋼管杭に回転を与えながら圧入を行うと、上下の鋼管杭が継手管を介して接続される。
この接続完了状態で、鋼管杭に作用する圧入力や上部構造体の荷重による下向きの圧縮力は、継手管の外鍔を介することにはなるが、継手管の本体を介することなく、上下の鋼管杭の端面間に直接に伝達される。
上記接続時には、次のように各突部の係合が生じる。上側鋼管杭を杭貫入方向である正回転方向に回転させると、上側鋼管杭と継手管の間では、杭側回転抑止突部が一方の継手側回転抑止突部の側面に係合し、相対回転が阻止されて上側鋼管杭と継手管とが一体に回転する。これにより、継手管の一方の継手側回転抑止突部の側面が、下側の鋼管杭の杭側回転抑止突部に係合し、相対回転が阻止されて継手管と下側鋼管杭と継手管とが一体に回転する。
引き抜きのために、上側鋼管杭を逆回転方向に回転させると、上側鋼管杭と継手管の間では、杭側回転抑止突部が他方の継手側回転抑止突部の側面に係合し、相対回転が阻止されて上側鋼管杭と継手管とが一体に回転する。これにより、継手管の他方の継手側回転抑止突部の側面が、下側の鋼管杭の杭側回転抑止突部に係合し、相対回転が阻止されて継手管と下側鋼管杭と鋼管杭とが一体に回転する。
この状態で、上側鋼管杭の引抜用突部は、杭側回転抑止突部が側面に係合した側の継手側回転抑止突部の下面に係合可能な周方向位置となる。また、下側鋼管杭の引抜用突部は、杭側回転抑止突部が側面に係合した側の継手側回転抑止突部の上面に係合可能な周方向位置となる。そのため、上側鋼管杭に引き抜き力を作用させると、継手管は継手側回転抑止突部の下面と引抜用突部との係合によって持ち上げられる。また、下側鋼管杭は、継手側回転抑止突部の上面と引抜用突部との係合によって持ち上げられる。そのため、下側鋼管杭を上側鋼管杭と共に引き抜くことが可能となる。このように、鋼管杭の双方向の回転伝達が可能で、引き抜きが可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む。
また、継手管と各鋼管杭とは、径方向隙間を介して嵌合させるため、これら継手管や鋼管杭に突部配置用の凹み部分等を設けることなく、鋼管杭の内径と継手管の外径との差により、継手側回転抑止突部、杭側回転抑止突部、および引抜用突部を設けることができ、生産性に優れる。前記径方向隙間を設けるが、継手管の外周面にがた付防止突部を設けたため、継手管と鋼管杭との間のがた付きを少なくでき、鋼管杭と継手管との円滑な接続を可能とながら、遊びによって発生する座屈等への影響がなくすことができる。
この接続完了状態で、鋼管杭に作用する圧入力や上部構造体の荷重による下向きの圧縮力は、継手管の外鍔を介することにはなるが、継手管の本体を介することなく、上下の鋼管杭の端面間に直接に伝達される。
上記接続時には、次のように各突部の係合が生じる。上側鋼管杭を杭貫入方向である正回転方向に回転させると、上側鋼管杭と継手管の間では、杭側回転抑止突部が一方の継手側回転抑止突部の側面に係合し、相対回転が阻止されて上側鋼管杭と継手管とが一体に回転する。これにより、継手管の一方の継手側回転抑止突部の側面が、下側の鋼管杭の杭側回転抑止突部に係合し、相対回転が阻止されて継手管と下側鋼管杭と継手管とが一体に回転する。
引き抜きのために、上側鋼管杭を逆回転方向に回転させると、上側鋼管杭と継手管の間では、杭側回転抑止突部が他方の継手側回転抑止突部の側面に係合し、相対回転が阻止されて上側鋼管杭と継手管とが一体に回転する。これにより、継手管の他方の継手側回転抑止突部の側面が、下側の鋼管杭の杭側回転抑止突部に係合し、相対回転が阻止されて継手管と下側鋼管杭と鋼管杭とが一体に回転する。
この状態で、上側鋼管杭の引抜用突部は、杭側回転抑止突部が側面に係合した側の継手側回転抑止突部の下面に係合可能な周方向位置となる。また、下側鋼管杭の引抜用突部は、杭側回転抑止突部が側面に係合した側の継手側回転抑止突部の上面に係合可能な周方向位置となる。そのため、上側鋼管杭に引き抜き力を作用させると、継手管は継手側回転抑止突部の下面と引抜用突部との係合によって持ち上げられる。また、下側鋼管杭は、継手側回転抑止突部の上面と引抜用突部との係合によって持ち上げられる。そのため、下側鋼管杭を上側鋼管杭と共に引き抜くことが可能となる。このように、鋼管杭の双方向の回転伝達が可能で、引き抜きが可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む。
また、継手管と各鋼管杭とは、径方向隙間を介して嵌合させるため、これら継手管や鋼管杭に突部配置用の凹み部分等を設けることなく、鋼管杭の内径と継手管の外径との差により、継手側回転抑止突部、杭側回転抑止突部、および引抜用突部を設けることができ、生産性に優れる。前記径方向隙間を設けるが、継手管の外周面にがた付防止突部を設けたため、継手管と鋼管杭との間のがた付きを少なくでき、鋼管杭と継手管との円滑な接続を可能とながら、遊びによって発生する座屈等への影響がなくすことができる。
前記がた付防止突部は、円周方向等に分散して複数設けても良いが、上記のように継手管上側部分および継手管下側部分の上下端付近にそれぞれ設けたがた付防止リングとした場合は、より一層確実にがた付きが防止でき、安定した接続が行える。
がた付防止突部や、継手側回転抑止突部、杭側回転抑止突部、引抜用突部が板材を接合したものである場合、これらの各突部を簡単な作業で設けることができる。
がた付防止突部や、継手側回転抑止突部、杭側回転抑止突部、引抜用突部が板材を接合したものである場合、これらの各突部を簡単な作業で設けることができる。
なお、施工性を高めるための補助的な溶接は行っても良い。例えば、継手管を嵌合させた後、回転を加えて上側の鋼管杭の回転を下側の鋼管杭に伝達可能となったときに、上下の鋼管杭に、継手管に対して仮止めのための溶接を行っても良い。このように溶接しておくことで、施工中に上下の鋼管杭と継手管との間に上下位置のずれが生じること、すなわち、継手管の鋼管杭受鍔上下の鋼管杭の端部の間に隙間が生じることが防止される。これにより、杭打ち完了後に上部構造物の荷重が作用したとに、上記隙間を詰める初期沈下が生じることが回避される。前記仮止めの溶接は、施工時に引き抜き力の作用で隙間が生じることを防止できる程度に固定ができれば良いため、専門の溶接技術者によらず、また簡易な溶接で済む。
この発明において、前記一対の継手側回転抑止突部を半円湾曲形状の帯状の鋼板として、前記がた付防止突部と兼用のがた付防止兼・継手側回転抑止突部としても良い。
このように継手側回転抑止突部とがた付防止突部とを合体させることにより、部品点数が大幅に削減され、またその部品の位置決めや取付けの工数が低減される。そのため、耐力が必要な継手側回転抑止突部を効率的に取付けることができる。
このように継手側回転抑止突部とがた付防止突部とを合体させることにより、部品点数が大幅に削減され、またその部品の位置決めや取付けの工数が低減される。そのため、耐力が必要な継手側回転抑止突部を効率的に取付けることができる。
また、この発明において、前記杭側回転抑止突部と前記引抜用突部とを互いに一枚の金属板からなる複合突部として一体化させても良い。このように杭側回転抑止突部と引抜用突部とを一体化させた場合も、部品点数が削減され、またその部品の位置決めや取付けの工数が低減される。
この発明の回転圧入型鋼管杭の施工方法は、この発明の回転圧入型鋼管杭の継手構造を用いた施工方法であって、下側の鋼管杭を地盤に圧入し、上下の鋼管杭に継手管を嵌合させ、上側鋼管杭を回転させて、上側の鋼管杭から下側の鋼管杭への回転伝達が可能となったときに、上下の鋼管杭を継手管に溶接で仮止めする方法である。上記のように仮止めすることにより、初期沈下を防止することができる。
この発明の回転圧入型鋼管杭の継手構造は、それぞれ円形の鋼管からなる鋼管杭を上下に順次継ぎ、下端の鋼管杭は螺旋形の先端羽根を有するものとして、地盤に対し回転させながら圧入する接続型の回転圧入型鋼管杭において、上下の鋼管杭を相互に接続する継手構造であって、互いに接続される上側鋼管杭の下部と下側鋼管杭の上部とに渡ってその内周に径方向隙間を介して回転可能に嵌合する継手管を設け、この継手管の長さ方向の中間の外周に、上側鋼管杭の下端面と下側鋼管杭の上端面の間に介在する鋼管杭受鍔を設け、前記継手管の外周面に、前記径方向隙間による上下の鋼管杭と継手管間の遊びを少なくするがた付防止突部を設け、前記継手管における前記鋼管杭受鍔に対する上側の部分である継手管上側部分および鋼管杭受鍔に対する下側の部分である継手管下側部分の外周面のそれぞれに、互いに突部挿入用空間を介して円周方向に並ぶ一対の継手側回転抑止突部を設け、前記上下の鋼管杭の内周面に、それぞれ、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間に進入しかつ継手管と鋼管杭との相対回転により前記継手側回転抑止突部の側面に係合する杭側回転抑止突部を設け、前記上側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の下方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも下方に進入し上側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の下面に係合可能な円周方向位置となる上側の引抜用突部を設け、前記下側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の上方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも上方に進入し下側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の上面に係合可能な円周方向位置となる下側の引抜用突部を設けたため、双方向の回転伝達が可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済むという効果がれられる。
この発明の回転圧入型鋼管杭の施工方法は、この発明の回転圧入型鋼管杭の継手構造を用いた施工方法であって、下側の鋼管杭を地盤に圧入し、上下の鋼管杭に継手管を嵌合させ、上側鋼管杭を回転させて、上側の鋼管杭から下側の鋼管杭への回転伝達が可能となったときに、上下の鋼管杭を継手管に溶接で仮止めするため、初期沈下を防止することができる。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図8と共に説明する。図1に示すように、この回転圧入型鋼管杭の継手構造は、それぞれ円形の鋼管からなる複数本の鋼管杭1を上下に順次継ぎ、下端の鋼管杭11 は先端1aが円すい状とされて螺旋形の先端羽根2を有するものとして、地盤Gに対し回転させながら圧入する接続型の回転圧入型鋼管杭10において、上下の鋼管杭1を相互に接続する継手構造である。
杭打ち機20には、例えば、走行可能な杭打ち機21に支柱22を設け、この支柱22に沿って昇降可能な昇降体23に、回転圧入型鋼管杭10の上端を把持する杭頭把持具24を設けたものが用いられる。支柱22には、昇降体23を昇降させることにより回転圧入型鋼管杭10に圧入力および引き抜き力を与える油圧シリンダ等の昇降駆動源25と、昇降体23に対して杭頭把持具24を回転させることにより回転圧入型鋼管杭10を回転させる油圧モータまたは電動モータ等の回転駆動源(図示せず)とを備える。回転駆動源は正逆に回転方向を切換可能なものとされる。
図2ないし図4に示すように、この継手構造は、互いに接続される上側鋼管杭1A の下部と下側鋼管杭1B の上部とに渡って内周側に、径方向隙間Δを介して回転可能に嵌合する継手管3を設ける。径方向隙間Δは、後に説明する各突部A,B,Cを介在させる隙間であり、鋼管杭1A ,1B の内径と継手管3の外径との直径差である。
継手管3は、上下方向の中間の外周に、上側鋼管杭1A の下端面と下側鋼管杭1B の上端面の間に介在する鋼管杭受鍔4を有する。継手管3は、例えば鋼管からなる。鋼管杭受鍔4は、例えば、継手管3の外周に帯状の鋼板を巻き付けて接合したものや、鋼管の切断片を嵌合させて接合したものであっても良く、この他に継手管3の素材となる鋼管の中間部分を塑性変形させて形成したものであっても良い。この塑性変形による形成は、例えば素材鋼管の管壁を外周側へ断面U字状に膨らませ、そのU字状の突出部分を偏平化させて2重の折り重ね形状とする処理である。なお、鋼管杭受鍔4は、継手管3の上下方向の丁度中央の位置であっても、また中央から上側または下側に偏った位置であっても良い。
継手管3の外周面には、4本のがた付防止リング5〜8が設けられている。がた付防止リング5〜8は、上下の鋼管杭1A ,1B と継手管3との間の、前記径方向隙間Δによる遊びを少なくするがた付防止突部となる。これらのがた付防止リング5〜8は、継手管3の鋼管杭受鍔4に対する上側部分である継手管上側部分3aの上端付近および下端付近、並びに継手管3の鋼管杭受鍔4に対する下側部分である継手管下側部分3bの上端付近および下端付近に設けられている。継手管上側部分3aの上端付近のがた付防止リング5、および継手管下側部分3bの下端付近のがた付防止リング7には、後述の引抜用突部C(C1 ,C2 )が挿通可能な突部挿通用隙間5a,7aがそれぞれ設けられている。
がた付防止リング5〜8と鋼管杭1A ,1B の内周面との間の隙間δは、継手管3を鋼管杭1A ,1B に円滑に挿入できる範囲で、つまり杭打ち現場で継手管3を鋼管杭1A ,1B に支障なく挿入できる範囲で、狭いほど好ましく、例えば1〜3mm程度の範囲とされる。具体例を挙げると、鋼管杭1A ,1B が139.8φ×板厚4,5(単位mm)であって、継手管3が120.0φ×板厚4.5(単位mm)の場合、隙間Δは、Δ=10.8mmとなる。がた付防止リング5〜8の厚さが、継手管3等と同じ板厚4.5mmであるとすると、がた付防止リング5〜8と鋼管杭1A ,1B との間の隙間δは、1.8mmとなる。
がた付防止リング5〜8と鋼管杭1A ,1B の内周面との間の隙間δは、継手管3を鋼管杭1A ,1B に円滑に挿入できる範囲で、つまり杭打ち現場で継手管3を鋼管杭1A ,1B に支障なく挿入できる範囲で、狭いほど好ましく、例えば1〜3mm程度の範囲とされる。具体例を挙げると、鋼管杭1A ,1B が139.8φ×板厚4,5(単位mm)であって、継手管3が120.0φ×板厚4.5(単位mm)の場合、隙間Δは、Δ=10.8mmとなる。がた付防止リング5〜8の厚さが、継手管3等と同じ板厚4.5mmであるとすると、がた付防止リング5〜8と鋼管杭1A ,1B との間の隙間δは、1.8mmとなる。
継手管3の前記継手管上側部分3aおよび継手管下側部分3bの外周面には、それぞれに、互いに突部挿入用空間9(91 ,92 )を介して円周方向に並ぶ一対の継手側回転抑止突部A(A1 ,A2 ,A3 ,A4 )を設ける。継手側回転抑止突部A(A1 ,A2 ,A3 ,A4 )は、例えば継手管3の外周面に溶接等で接合した鋼板からなる。継手側回転抑止突部Aは、最大の杭引き抜き力が加わるため、溶接接合とする場合、外周の全周に沿って隅肉溶接等で接合することが好ましい。突部挿入用空間9は、後述の引抜用突部Cが挿通可能な円周方向幅とする。前記一対の継手側回転抑止突部Aは、継手管3の前記継手管上側部分3aおよび継手管下側部分3bの円周方向の1か所に設けているが、一対の継手側回転抑止突部Aの組を、複数箇所に等間隔等で設けても良い。
上下の鋼管杭1A ,1B の内周面には、杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )と、引抜用突部C(C1 ,C2 )とを設ける。これら杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )および引抜用突部C(C1 ,C2 )は、鋼管杭1A ,1B の円周方向の1箇所または複数箇所に設けるが、この実施形態では、円周方向の互いに180°離れた2箇所に設けている。これら杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )および引抜用突部C(C1 ,C2 )は、例えば、鋼管杭1A ,1B の内周面に接合した鋼板からなる。杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )および引抜用突部C(C1 ,C2 )の鋼管杭1A ,1B への接合は、溶接により、またはブラインドボルトやボルト・ナット等の軸状締付具により行われる。この軸状締付具としては、後に図8,図9等と共に説明する軸状締付具31を用いることができる。なお、図2,図5では、鋼管杭1A ,1B は断面で示しているが、鋼管杭1A ,1B の図示が省かれた半周部分(紙面に対する垂直方向の表側)に設けられた杭側回転抑止突部Bおよび引抜用突部Cを図示している。
杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )は、継手管3と鋼管杭1A ,1B との相対的な軸方向移動で、前記突部挿入用空間91 ,92 に進入しかつ継手管3と鋼管杭1A ,1B との相対回転により、継手側回転抑止突部A(A1 ,A2 ,A3 ,A4 )の側面に係合する突部である。杭側回転抑止突部Bは、図示の例では、上下に長い矩形状とされている。
引抜用突部C(C1 ,C2 )のうち、継手管上側部分3aに設けられた引抜用突部C1 は、片方の継手側回転抑止突部A2 の下面A2 aに係合して上側鋼管杭1A の引き抜き力を継手管3に伝達する突部である。この引抜用突部C1 は、杭側回転抑止突部B1 の真下に位置して設けられ、継手管3と鋼管杭1A との相対的な軸方向移動で、前記突部挿入用空間91 を通って継手側回転抑止突部A1 ,A2 よりも下方に進入し、上側鋼管杭1A と継手管3との相対回転で継手側回転抑止突部A2 の下面A2 aに係合可能な円周方向位置となる。2個並んだ継手側回転抑止突部A1 ,A2 のいずれの下面に係合させるかは、上側鋼管杭1A を引き抜き方向の回転方向に回転させたときに、引抜用突部C1 が進入する側の継手側回転抑止突部A2 である。この引き抜き方向の回転により、継手側回転抑止突部B1 が継手側回転抑止突部A2 の側面に係合するが、この状態で、引抜用突部C1 が継手側回転抑止突部A2 の下面A2 aに係合可能な円周方向位置となる。引抜用突部C1 の上面Caの周方向両端部Caaは、相対回転により引抜用突部Cが両側の継手側回転抑止突部A1 ,A2 の下方に移動するときに、継手管3と上側鋼管杭1A との上下方向位置に若干のずれが生じていて継手側回転抑止突部A1 ,A2 の側面の角部と干渉しても、円滑に継手側回転抑止突部A1 ,A2 の下面に進入可能となるように、傾斜面または曲面としてある。上記のずれは、例えば引き抜き回転時に下端の鋼管杭1の先端羽根2の回転によって押し上げ力が発生することなどから生じる。
引抜用突部C(C1 ,C2 )のうち、継手管下側部分3bに設けられた引抜用突部C2 は、片方の継手側回転抑止突部A3 の上面A3 aに係合して継手管3から下側鋼管杭1B へ引き抜き力を伝達する突部である。この引抜用突部C2 は、杭側回転抑止突部B1 の真上に位置して設けられ、継手管3と鋼管杭1B との相対的な軸方向移動で、前記突部挿入用空間92 を通って継手側回転抑止突部A3 ,A4 よりも上方に進入し、下側鋼管杭1B と継手管3との相対回転で継手側回転抑止突部A3 の上面A3 aに係合可能な円周方向位置となる。2個並んだ継手側回転抑止突部A3 ,A4 のいずれの上面に係合させるかは、上側鋼管杭1A を引き抜き方向の回転方向に回転させたときに、引抜用突部C2 が進入する側の継手側回転抑止突部A3 である。この引き抜き方向の回転により、継手側回転抑止突部B2 が継手側回転抑止突部A3 の側面に係合するが、この状態で、引抜用突部C2 が継手側回転抑止突部A3 上下面A3 aに係合可能な円周方向位置となる。引抜用突部C2 の下面Cbの周方向両端部Cbaは、相対回転により引抜用突部C2 が両側の継手側回転抑止突部A3 ,A4 の下方に移動するときに、継手管3と下側鋼管杭1B との上下方向位置に若干のずれが生じていて継手側回転抑止突部A2 ,A3 の側面の角部と干渉しても、円滑に継手側回転抑止突部A3 ,A4 の下面に進入可能となるように、傾斜面または曲面としてある。上記のずれも、例えば引き抜き回転時に下端の鋼管杭1の先端羽根2の回転によって押し上げ力が発生することなどから生じる。
上記構成の杭打ち手順および作用を説明する。なお、各部の詳細については、後に説明する。図1のように、杭打機20により、下端の鋼管杭11 に回転を与えながら圧入力を加えることで、鋼管杭11 が地盤Gに圧入される。鋼管杭11 の上端が地盤Gの近くになるまで圧入されると、この鋼管杭11 に、この実施形態の継手構造で上側の鋼管杭1を接続し、上側の鋼管杭1の上端に、杭打機20から回転および圧入力を加える。
この継手構造において、継手管3は下側鋼管杭1B の上端に嵌合させ、この継手管3に上側鋼管杭1A の下端を嵌合させる。
図5(A)は、継手管3のセット完了状態を示す。この継手管3のセット時は、上下杭側とも、杭側回転抑止突部B1 ,B2 および引抜用突部C1 ,C2 を、継手管3の一対の継手側回転抑止突部A1 ,A2 間,A3 〜A4 間の中央に位置させる。この状態で、継手管3に対して相対的に上下の鋼管杭1A ,1B を軸方向に移動させる。上下の杭側回転抑止突部Bおよび引抜用突部C1 ,C2 が、がた付防止リング5,7の突部挿通用隙間5a,7aを通り、杭側回転抑止突部B1 ,B2 は両側の継手側回転抑止突部A1 ,A2 間,A3 〜A4 間に、また上下の引抜用突部C1 ,C2 は継手側回転抑止突部A1 ,A2 またはA3 〜A4 を超えてその下側および上側にそれぞれ位置する。
図5(A)は、継手管3のセット完了状態を示す。この継手管3のセット時は、上下杭側とも、杭側回転抑止突部B1 ,B2 および引抜用突部C1 ,C2 を、継手管3の一対の継手側回転抑止突部A1 ,A2 間,A3 〜A4 間の中央に位置させる。この状態で、継手管3に対して相対的に上下の鋼管杭1A ,1B を軸方向に移動させる。上下の杭側回転抑止突部Bおよび引抜用突部C1 ,C2 が、がた付防止リング5,7の突部挿通用隙間5a,7aを通り、杭側回転抑止突部B1 ,B2 は両側の継手側回転抑止突部A1 ,A2 間,A3 〜A4 間に、また上下の引抜用突部C1 ,C2 は継手側回転抑止突部A1 ,A2 またはA3 〜A4 を超えてその下側および上側にそれぞれ位置する。
この状態で、上側の鋼管杭1A を正方向(図5の矢印S方向)に回転させる。この回転により、上側の杭側回転抑止突部B1 が図の右側の継手側回転抑止突部A1 の側面に当たり(図5(B))、その後は継手管3が上側鋼管杭1A と共に回転する。
この継手管3の回転により、図の左の継手側回転抑止突部A4 の側面に下側の杭側回転抑止突部B1 が当たる(図5(B))。そのため、上側鋼管杭1A の正方向の回転が、継手管3を介して下側鋼管杭1B に伝わり、先端羽根2の作用で回転よる鋼管杭11 の地盤Gへの圧入が行われる。
このような継手管3を介する鋼管杭1A ,1B の接続を繰り返すことで、多数本の鋼管杭1を接続した杭の地盤への圧入が行える。
この継手管3の回転により、図の左の継手側回転抑止突部A4 の側面に下側の杭側回転抑止突部B1 が当たる(図5(B))。そのため、上側鋼管杭1A の正方向の回転が、継手管3を介して下側鋼管杭1B に伝わり、先端羽根2の作用で回転よる鋼管杭11 の地盤Gへの圧入が行われる。
このような継手管3を介する鋼管杭1A ,1B の接続を繰り返すことで、多数本の鋼管杭1を接続した杭の地盤への圧入が行える。
鋼管杭1を引き抜くときは、鋼管杭1を逆方向(図5(D)の矢印R方向)に回転させながら、上端の鋼管杭1に引き抜き力を与える。この回転により、同図のように上側の杭側回転抑止突部B1 が図の左側の継手側回転抑止突部A2 の側面に当たる。このとき、この杭側回転抑止突部B1 が当たった継手側回転抑止突部A2 の下側に引抜用突部C1 が位置する。その後は、継手管3が上側鋼管杭1A と共に回転する。
この継手管3の回転により、図の右側の継手側回転抑止突部A3 の側面に下側の杭側回転抑止突部B2 が当たる(図5(E))。このため、上側鋼管杭1A の逆方向の回転が、継手管3を介して下側鋼管杭1B に伝わり、先端羽根2の作用で回転よる鋼管杭11 の地盤Gに対する抜け出しが生じる。
また、このとき、上側鋼管杭1A の引抜用突部C1 は上側の杭側回転抑止突部A1 の下にあり、下側鋼管杭1B の引抜用突部C2 は下側の杭側回転抑止突部A3 の上にある。そのため、上側鋼管杭1A に引き抜き力を与えることで、上側鋼管杭1A の引抜用突部C1 は上側の杭側回転抑止突部A2 の下面A2 a(図2)に、下側鋼管杭1B の引抜用突部C2 は下側の杭側回転抑止突部A3 の上面に係合し、上側鋼管杭1A の引抜力が、継手管3を介して下側鋼管杭1B に伝わる。そのため、鋼管杭1の引き抜きが可能となる。
この継手管3の回転により、図の右側の継手側回転抑止突部A3 の側面に下側の杭側回転抑止突部B2 が当たる(図5(E))。このため、上側鋼管杭1A の逆方向の回転が、継手管3を介して下側鋼管杭1B に伝わり、先端羽根2の作用で回転よる鋼管杭11 の地盤Gに対する抜け出しが生じる。
また、このとき、上側鋼管杭1A の引抜用突部C1 は上側の杭側回転抑止突部A1 の下にあり、下側鋼管杭1B の引抜用突部C2 は下側の杭側回転抑止突部A3 の上にある。そのため、上側鋼管杭1A に引き抜き力を与えることで、上側鋼管杭1A の引抜用突部C1 は上側の杭側回転抑止突部A2 の下面A2 a(図2)に、下側鋼管杭1B の引抜用突部C2 は下側の杭側回転抑止突部A3 の上面に係合し、上側鋼管杭1A の引抜力が、継手管3を介して下側鋼管杭1B に伝わる。そのため、鋼管杭1の引き抜きが可能となる。
この回転圧入型鋼管杭の継手構造によると、このように、鋼管杭1の双方向の回転伝達が可能で、引き抜きが可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む。
また、継手管3と各鋼管杭1A ,1B とは、径方向隙間Δを介して嵌合させるため、これら継手管3や鋼管杭1に突部配置用の凹み部分等を設けることなく、鋼管杭1の内径と継手管3との径の差により、継手側回転抑止突部A、杭側回転抑止突部B、および引抜用突部Cを設けることができ、生産性に優れる。前記径方向隙間Δを設けるが、継手管3の外周面にがた付防止リング5〜8を設けたため、継手管3と鋼管杭1との間の遊びを少なくでき、鋼管杭1と継手管3との円滑な接続を可能としながら、遊びによって発生する座屈等への影響がなくすことができる。がた付防止リング5〜8は、リング状とする代わりに、がた付防止突部を円周方向等に分散して複数設けても良いが、上記のように継手管上側部分3aおよび継手管下側部分3bの上下端付近にそれぞれ設けたがた付防止リング5〜8とした場合は、より一層確実にがた付きが防止でき、安定した接続が行える。がた付防止リング5〜8や、継手側回転抑止突部A、杭側回転抑止突部B、引抜用突部Cが鋼板を接合したものである場合、これらの各突部を簡単な作業で設けることができる。
また、継手管3と各鋼管杭1A ,1B とは、径方向隙間Δを介して嵌合させるため、これら継手管3や鋼管杭1に突部配置用の凹み部分等を設けることなく、鋼管杭1の内径と継手管3との径の差により、継手側回転抑止突部A、杭側回転抑止突部B、および引抜用突部Cを設けることができ、生産性に優れる。前記径方向隙間Δを設けるが、継手管3の外周面にがた付防止リング5〜8を設けたため、継手管3と鋼管杭1との間の遊びを少なくでき、鋼管杭1と継手管3との円滑な接続を可能としながら、遊びによって発生する座屈等への影響がなくすことができる。がた付防止リング5〜8は、リング状とする代わりに、がた付防止突部を円周方向等に分散して複数設けても良いが、上記のように継手管上側部分3aおよび継手管下側部分3bの上下端付近にそれぞれ設けたがた付防止リング5〜8とした場合は、より一層確実にがた付きが防止でき、安定した接続が行える。がた付防止リング5〜8や、継手側回転抑止突部A、杭側回転抑止突部B、引抜用突部Cが鋼板を接合したものである場合、これらの各突部を簡単な作業で設けることができる。
なお、上下の鋼管杭1A ,1B は、溶接による仮止めを行っても良い。すなわち、下側の鋼管杭1B を地盤に圧入し、上下の鋼管杭1A ,1B に継手管3を嵌合させ、上側鋼管杭1A を回転させて、上記各突部A,Bの係合により上側の鋼管杭1A から下側の鋼管杭B への回転伝達が可能となったときに、上下の鋼管杭1A ,1B を継手管3に溶接で仮止めしても良い。この溶接は鋼管杭受鍔4に対して行う。これにより、施工中に上下の鋼管杭1A ,1B と継手管3との間に上下位置のずれが生じること、すなわち、継手管3の外鍔3aと上下の鋼管杭1A ,1B の端部の間に隙間が生じることが防止される。これにより、杭打ち完了後に上部構造物の荷重が作用したとに、上記隙間を詰める初期沈下が生じることが回避される。
つぎに、各部の詳細を説明する。継手側回転抑止突部Aおよび引抜用突部Cは、いずれも大きな引き抜き力が加わるため、溶接接合とする場合、外周の全周に沿って隅肉溶接等で継手管3および鋼管杭1A ,1B にそれぞれ接合することが好ましい。杭側回転抑止突部Bは、継手管3と鋼管杭1A ,1B との間で回転力を伝達できれば良く、引き抜き力は作用しないため、継手側回転抑止突部Aや引抜用突部Cに比べて接合強度が低くても良いが、溶接接合とする場合、外周の全周に沿って隅肉溶接等で鋼管杭1A ,1B で接合しても良く、また部分的な溶接で接合しても良い。継手側回転抑止突部Aや引抜用突部Cを鋼板の接合で構成する場合、後述のボルト・ナットやブラインドボルト等の軸状締付具で位置決めしてから溶接を行っても良い。
これら、継手側回転抑止突部A、杭側回転抑止突部B、および引抜用突部Cを構成する鋼板類は、ドブ付けと呼ばれる容器内に全体を浸漬してメッキする方法等で防錆用のメッキを施しても良い。メッキを施した場合、耐久性が確保され、溶接せずに軸状締付具等のみで接合することも可能である。がた付防止リング5〜8や鋼管杭受鍔4についても、上記と同様にメッキを施しても良い。
継手側回転抑止突部Aや、杭側回転抑止突部B、引抜用突部Cを構成する鋼板類、およびがた付防止リング5〜8、鋼管杭受鍔4を構成する鋼板類の板厚は、耐久性を確保するために、鋼管杭1A ,1B の管壁の厚さと同等以上の厚さとすることが好ましい。この実施形態では、上記のようにがた付防止リング5〜8については、4.5mm厚としているが、継手側回転抑止突部Aや、杭側回転抑止突部B、引抜用突部Cについても4.5mm厚としている。鋼管杭受鍔4は、がた付防止リング5〜8よりも厚い鋼板を用いている。
継手側回転抑止突部Aや、杭側回転抑止突部B、引抜用突部Cを構成する鋼板類、およびがた付防止リング5〜8、鋼管杭受鍔4を構成する鋼板類の板厚は、耐久性を確保するために、鋼管杭1A ,1B の管壁の厚さと同等以上の厚さとすることが好ましい。この実施形態では、上記のようにがた付防止リング5〜8については、4.5mm厚としているが、継手側回転抑止突部Aや、杭側回転抑止突部B、引抜用突部Cについても4.5mm厚としている。鋼管杭受鍔4は、がた付防止リング5〜8よりも厚い鋼板を用いている。
がた付防止リング5〜8は、鋼管杭1A ,1B の内壁面より横力(圧縮力)を受けるのみで、その力は小さい。そのため、あまり堅固に接合する必要はなく、図6に示すように平板状の帯状鋼板5A〜8Aを曲げ加工して巻き付けることにより、がた付防止リング5〜8とする場合に、円周方向の複数箇所を軸状締付具31で継手管3に接合すれば足りる。帯状鋼板5A〜8Aを曲げ加工する場合、同図のように、継手管3の外径よりも若干大きな内径とすることが好ましい。これにより、帯状鋼板5A〜8Aを継手管3に対して一部ずつ順に密着するように接合することができる。
軸状締付具31としては、ボルト・ナットの他に、ブラインドボルトが採用できる。この明細書で言う「ブラインドボルト」とは、一端側からの操作で他端に頭部が拡径状態に塑性変形で形成されて締め付けが行える軸状締め付け金具の総称であり、ワンサイドボルトや、片側締め込みリベット等とも呼ばれている。ブライントボルトには、各種の構成の製品があるが、ここでは後に図8,図9に示すものを用いている。
軸状締付具31は、継手管3に設けられた孔38と帯状鋼板5A〜8Aに設けられた孔39とに渡って挿通される。帯状鋼板5A〜8Aの孔38には、軸状締付具31が帯状鋼板5A〜8Aが突出しないように、または突出量が少なくなるように収用する座繰り部(図示せず)を設けておくことが好ましい。
軸状締付具31は、継手管3に設けられた孔38と帯状鋼板5A〜8Aに設けられた孔39とに渡って挿通される。帯状鋼板5A〜8Aの孔38には、軸状締付具31が帯状鋼板5A〜8Aが突出しないように、または突出量が少なくなるように収用する座繰り部(図示せず)を設けておくことが好ましい。
図2の鋼管杭受鍔4は、上下の鋼管杭1A ,1B に挟まれて上下方向の圧縮力を受ける部材であり、施工時に上側鋼管杭1A の押し下げ力を下側鋼管杭1B に伝達する役割も兼ねるが、継手管3に大きな力を伝達する必要はない。そのため鋼管杭受鍔4は、がた付防止リング5〜8と同様に、平板状の帯状鋼板を曲げ加工して継手管3に巻き付けて形成する場合に、ボルト・ナットやブラインドボルト等の軸状締付具31で接合すれば足りる。
継手管3に上記軸状締付具31の挿通用の孔38を形成する場合、継手管3が管状とされた後に形成しても良いが、管状とされる前の平板状の素材の状態で形成しても良い。すなわち、継手管3は、例えば図7に示すように、平板状の鋼板3Aを丸め、円周方向の両端を溶接して管とされるが、その平板状の鋼板3Aに、孔38を開けておいてから、鋼板3Aを丸めても良い。これにより、多数の孔38を生産性良くかつ精度良く開けることができる。各突部A〜C,5〜8を構成する鋼板類は、軸状締付具31を用いる場合、継手管3等に設けた孔38等を位置決めに使用できるが、その場合に、図7のように平板状の鋼板3Aの状態で開けると、精度良く前記鋼板類を取付けることができる。
図8,図9は、軸状締結具31として使用可能なブライントボルトの一例を示す。同図のブラインドボルト31は、図9(A)に示すように、中空軸32と、この中空軸32内に挿通された内部軸33とでなる。中空軸32は、挿入側端が拡径変形用部32bとされ、非挿入側端に外周へ鍔状に突出した頭部32aを有している。内部軸33は、挿入側端の中空軸32から突出した部分に、中空軸32の内径よりも大径の塑性変形用部33aを有し、この塑性変形用部33aに続いて破断溝33bの形成部と、丸軸部33cとが続き、中空軸32の頭部33aよりも突出した箇所が掴み部33dとされている。破断溝33bは、設計値の軸力が作用すると溝底で内部軸33が破断する強度となる深さに形成されている。掴み部33dは、滑りを無くすために複数の円周溝を軸方向に並べた部分、または雄ねじ状とした部分である。
このブラインドボルト31は、図9(A)のように被接合材36,37の孔36a,37a内に挿入側端を挿入し、工具34により、中空軸32の頭部32aを押さえながら、内部軸33の掴み部33dを掴んで内部軸33を中空軸32内に引き込む。この引き込みにより、図9(B)のように、内部軸33の塑性変形用部33aが中空軸32の拡径変形用部32bを拡径させて塑性変形頭部32b′とし、かつ孔36a,37aの内面で規制されることによりって縮径状態に塑性変形して、中空軸32内に入る。破断溝33bが頭部32aの付近まで入ると、破断溝33bが破断し、内部軸33の塑性変形用部33aは、一部が中空軸32の内径よりも大径のままで残る。これにより、被接合材36,37は、中空軸32の頭部32bと塑性変形頭部32a′で挟み込んだ状態に締結される。
図10は、この発明の他の実施形態を示す。この回転圧入型鋼管杭の継手構造は、図1の回転圧入型鋼管杭の継手構造において、鋼管杭受鍔4Aの上下に近接した一対のがた付防止リング6,8を、一枚の帯状の鋼板で互いに一体に形成し、これらがた付防止リング6,8を構成する鋼板の上下方向の中央の外周に、鋼管杭受鍔4Aとなる鋼板を設けたものである。
この構成の場合、鋼管杭受鍔4が図2に示された第1の実施形態の場合に比べて薄い鋼板で形成できて、材料コストが低減されると共に、鋼管杭受鍔4の曲げ加工が容易になる。その他の構成,効果は、図2〜図9に示した第1の実施形態と同様である。
この構成の場合、鋼管杭受鍔4が図2に示された第1の実施形態の場合に比べて薄い鋼板で形成できて、材料コストが低減されると共に、鋼管杭受鍔4の曲げ加工が容易になる。その他の構成,効果は、図2〜図9に示した第1の実施形態と同様である。
図11は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この回転圧入型鋼管杭の継手構造は、図10の回転圧入型鋼管杭の継手構造において、上側の2つの継手側回転抑止突部A(A1 ,A2 )を半円湾曲形状の帯状の鋼板として、継手管3の上縁のがた付防止リング5と兼用させ、がた付防止兼・継手側回転抑止突部5A(5A1 ,5A2 )としたものである。下側の2つの継手側回転抑止突部A(A3 ,A4 )についても、半円湾曲形状の帯状の鋼板として、継手管3の下縁のがた付防止リング7と兼用させ、がた付防止兼・継手側回転抑止突部7A(7A3 ,7A4 )とする。換言すれば、継手側回転抑止突部Aとがた付防止リング5,7とを合体させる。各がた付防止兼・継手側回転抑止突部5A,7Aとなる帯状の鋼板の両端は、上下の複数箇所(図示の例では2箇所)で軸状締付具31により継手管3に接合する。
同図(B)に示すように、この接合では、同じ軸方向位置の2つのがた付防止兼・継手側回転抑止突部5A,7Aとなる帯状の鋼板の対向する端部間に渡って、鋼板からなる補強板42を継手管3の内面に沿って設け、これらがた付防止兼・継手側回転抑止突部5A,7Aとなる帯状の鋼板と、継手管3と、補強板42に渡って、これらの部材に設けられた孔に軸状締付具31を挿通させ、この軸状締付具31の締め付けによって接合する。軸状締付具31としては、図8等に示されたブラインドボルトが好ましい。補強板42を設けることで、軸状締付具31による接合が2面剪断接合となり、接合強度が向上する。なお、軸状締付具31に代えて、溶接等で接合しても良い。この実施形態におけるその他の構成は、図10に示す実施形態と同様である。
この実施形態の場合、2個ずつ設けられたがた付防止兼・継手側回転抑止突部5A1 ,5A2 間、7A3 ,7A4 間の対向端部間の隙間が、引抜用突部C(C1 ,C2 )(図2,図4)が挿通可能な突部挿通用隙間5a,7aとなり、かつこの隙間を構成する対向する端面が、継手側回転抑止突部Aの側面に係合する。
この構成の場合、がた付防止兼・継手側回転抑止突部5A,7Aによって、図5と共に前述した継手側回転抑止突部Aおよびがた付防止リング5,7の機能が得られる。これにより、双方向の回転伝達が可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む回転圧入型鋼管杭の継手構造となる。
また、この構成によると、継手側回転抑止突部Aとがた付防止リング5,7との一体化により、これら構成する鋼板等の部品の点数が大きく削減されて、これらの部品の位置決めや取付け作業の工数も大きく削減される。継手側回転抑止突部Aは、大きな耐力が必要であるが、このような耐力の必要となる継手側回転抑止突部Aが、上記一体化によって効率的に取付けられることになる。軸状締付具31で各部品を接合する場合は、上記一体化によって、軸状締付具31の使用本数も大きく減らすことができる。
この構成の場合、がた付防止兼・継手側回転抑止突部5A,7Aによって、図5と共に前述した継手側回転抑止突部Aおよびがた付防止リング5,7の機能が得られる。これにより、双方向の回転伝達が可能でありながら、現場溶接が不要で、簡便な作業で機械的に接続でき、また構成が簡素で、鋼管杭自体の加工が僅かで済む回転圧入型鋼管杭の継手構造となる。
また、この構成によると、継手側回転抑止突部Aとがた付防止リング5,7との一体化により、これら構成する鋼板等の部品の点数が大きく削減されて、これらの部品の位置決めや取付け作業の工数も大きく削減される。継手側回転抑止突部Aは、大きな耐力が必要であるが、このような耐力の必要となる継手側回転抑止突部Aが、上記一体化によって効率的に取付けられることになる。軸状締付具31で各部品を接合する場合は、上記一体化によって、軸状締付具31の使用本数も大きく減らすことができる。
図12は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜図9と共に説明した第1の実施形態、図10の実施形態、または図11の実施形態において、上側の鋼管杭1A の内周面に設ける杭側回転抑止突部B(B1 )と、引抜用突部C(C1 )とを互いに一枚の鋼板等の金属板からなる複合突部BC(BC1 )として一体化させたものである。下側の鋼管杭1B の内周面に設ける杭側回転抑止突部B(B2 )と引抜用突部C(C2 )も、互いに一枚の鋼板等の金属板からなる複合突部BC(BC2 )として一体化させる。これら複合突部BC(BC1 ,BC2 )は、上下の鋼管杭1A ,1B に対して、図11(B)のように、鋼管杭1A ,1B の表面に沿わせた補強板41と共に、これら複合突部BC(BC1 ,BC2 )、鋼管杭1A ,1B 、および補強板41を貫通する軸状締付具31により接合する。軸状締付具31による接合は、上下複数箇所で行う。軸状締付具31としては、図8等に示されたブラインドボルトが好ましい。補強板41を設けることで、軸状締付具31による接合が2面剪断接合となり、接合強度が向上する。なお、軸状締付具31に代えて、溶接等で接合しても良い。杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )および引抜用突部C(C1 ,C2 )の形状は、図4と共に説明した形状に対して、杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )が上下に延びて引抜用突部C(C1 ,C2 )に続く他は、同じである。
このように、杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )と、引抜用突部C(C1 ,C2 )とを一体化させて複合突部BC(BC1 ,BC2 )としても、図5と共に前述した杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )および引抜用突部C(C1 ,C2 )の機能を奏することができる。また、複合突部BCとして一体化することにより、部品点数が低減し、またその位置決めを含む取付作業工数が低減してコスト低下が図れるうえ、一体化によって強度が向上する。特にこの実施形態と、図10に示した継手側回転抑止突部Aをがた付防止リング5,7と兼用させた例とを組み合わせた場合は、その部品点数の低減、位置決めを含む取付作業工数の低減の効果が大きい。なお、図11(B)に示した補強板41を用いた接合は、図4に示す杭側回転抑止突部B(B1 ,B2 )および引抜用突部C(C1 ,C2 )がそれぞれ別体のものである例においても、軸状締付具31を用いて接合する場合に、その補強作用の面で好ましい。
1A ,1B …鋼管杭
2…先端羽根
3…継手管
3a…継手管上側部分
3b…継手管下側部分
4…鋼管杭受鍔
5〜8…がた付防止リング(がた付防止突部)
5a,7a…突部挿通用隙間
5A,5A1 ,5A2 …がた付防止兼・継手側回転抑止突部
7A,7A3 ,7A4 …がた付防止兼・継手側回転抑止突部
9,91 ,92 …突部挿入用空間
A,A1 〜A4 …回転抑止突部
B,B1 ,B2 …杭側回転抑止突部
C,C1 ,C2 …引抜用突部
BC,BC1 ,BC2 …複合突部
2…先端羽根
3…継手管
3a…継手管上側部分
3b…継手管下側部分
4…鋼管杭受鍔
5〜8…がた付防止リング(がた付防止突部)
5a,7a…突部挿通用隙間
5A,5A1 ,5A2 …がた付防止兼・継手側回転抑止突部
7A,7A3 ,7A4 …がた付防止兼・継手側回転抑止突部
9,91 ,92 …突部挿入用空間
A,A1 〜A4 …回転抑止突部
B,B1 ,B2 …杭側回転抑止突部
C,C1 ,C2 …引抜用突部
BC,BC1 ,BC2 …複合突部
Claims (6)
- それぞれ円形の鋼管からなる鋼管杭を上下に順次継ぎ、下端の鋼管杭は螺旋形の先端羽根を有するものとして、地盤に対し回転させながら圧入する接続型の回転圧入型鋼管杭において、上下の鋼管杭を相互に接続する継手構造であって、
互いに接続される上側鋼管杭の下部と下側鋼管杭の上部とに渡ってその内周に径方向隙間を介して回転可能に嵌合する継手管を設け、
この継手管の長さ方向の中間の外周に、上側鋼管杭の下端面と下側鋼管杭の上端面の間に介在する鋼管杭受鍔を設け、
前記継手管の外周面に、前記径方向隙間による上下の鋼管杭と継手管間の遊びを少なくするがた付防止突部を設け、
前記継手管における前記鋼管杭受鍔に対する上側の部分である継手管上側部分および鋼管杭受鍔に対する下側の部分である継手管下側部分の外周面のそれぞれに、互いに突部挿入用空間を介して円周方向に並ぶ一対の継手側回転抑止突部を設け、
前記上下の鋼管杭の内周面に、それぞれ、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間に進入しかつ継手管と鋼管杭との相対回転により前記継手側回転抑止突部の側面に係合する杭側回転抑止突部を設け、
前記上側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の下方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも下方に進入し上側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の下面に係合可能な円周方向位置となる上側の引抜用突部を設け、
前記下側鋼管杭の内周面に、この鋼管杭の前記杭側回転抑止突部の上方に位置して、継手管と鋼管杭との相対的な軸方向移動で前記突部挿入用空間を通って前記継手側回転抑止突部よりも上方に進入し下側鋼管杭と継手管との相対回転で前記継手側回転抑止突部の上面に係合可能な円周方向位置となる下側の引抜用突部を設けた、
ことを特徴とする回転圧入型鋼管杭の継手構造。 - 請求項1において、前記がた付防止突部は、前記継手管の前記継手管上側部分および継手管下側部分の上下端付近にそれぞれ円周方向に沿って設けた複数のリング状のがた付防止リングであって、継手管上側部分の上端付近のがた付防止リング、および継手管下側部分の下端付近のがた付防止リングは、前記継手側回転抑止突部間の突部挿入用空間と同じ円周方向位置に、前記引抜用突部が挿通可能な突部挿通用隙間を有する回転圧入型鋼管杭の継手構造。
- 請求項1または請求項2において、前記がた付防止突部および継手側回転抑止突部は、前記継手管に接合した板材からなり、前記杭側回転抑止突部および前記引抜用突部は、前記継手管に接合した板材からなる回転圧入型鋼管杭の継手構造。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記一対の継手側回転抑止突部を半円湾曲形状の帯状の鋼板として、前記がた付防止突部と兼用のがた付防止兼・継手側回転抑止突部とした回転圧入型鋼管杭。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記杭側回転抑止突部と前記引抜用突部とを互いに一枚の金属板からなる複合突部として一体化させた回転圧入型鋼管杭。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の回転圧入型鋼管杭の継手構造を用いた回転圧入型鋼管杭の施工方法であって、下側の鋼管杭を地盤に圧入し、上下の鋼管杭に継手管を嵌合させ、上側鋼管杭を回転させて、上側の鋼管杭から下側の鋼管杭への回転伝達が可能となったときに、上下の鋼管杭を継手管に溶接で仮止めすることを特徴とする回転圧入型鋼管杭の施工方法。
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JP2009291558A JP2011132702A (ja) | 2009-12-23 | 2009-12-23 | 回転圧入型鋼管杭の継手構造およびその施工方法 |
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JP2009291558A Pending JP2011132702A (ja) | 2009-12-23 | 2009-12-23 | 回転圧入型鋼管杭の継手構造およびその施工方法 |
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KR101609168B1 (ko) * | 2014-03-21 | 2016-04-05 | 고강이앤씨(주) | 소구경 강관 말뚝 |
WO2020166607A1 (ja) * | 2019-02-12 | 2020-08-20 | 株式会社技研製作所 | 杭体継手、杭体連結構造及び杭体連結方法 |
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-
2009
- 2009-12-23 JP JP2009291558A patent/JP2011132702A/ja active Pending
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