JP2015071240A - 剥離フィルム - Google Patents

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慎也 市川
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Abstract

【課題】グリーンシートのような薄膜を形成する際に、薄膜にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止するとともに、優れた剥離性、耐ブロッキング性を備えた剥離フィルムを提供すること。【解決手段】本発明の剥離フィルム1は、基材11と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、活性エネルギー線硬化性化合物(A)、分子内にフッ素原子を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B)、ポリオルガノシロキサン(C)を含有する材料で形成された剥離剤層12とを有し、剥離剤層12の外表面121の算術平均粗さが8nm以下であり、かつ、その最大突起高さが50nm以下であり、基材11の第2の面112の算術平均粗さが5〜40nmであり、かつ、その最大突起高さは、60〜500nmである。【選択図】図1

Description

本発明は、剥離フィルムに関するものである。
例えば、積層セラミックコンデンサの製造において、グリーンシートを形成するために剥離フィルムが用いられている。
剥離フィルムは、一般に基材と剥離剤層とから構成される。この剥離フィルム上に、セラミックス粒子とバインダー樹脂とが有機溶剤に分散、溶解したセラミックスラリーを塗工し、塗工物を乾燥することにより、グリーンシートは製造される。このような方法により、均一な厚みのグリーンシートを効率よく製造することができる。また、こうして製造されたグリーンシートは、剥離フィルムから剥離して、積層セラミックコンデンサの製造に用いられる。
上記のようなグリーンシートの製造において、グリーンシートが形成された剥離フィルムは、一般に、ロール状に巻かれた状態で保管、輸送される。
ところで、従来、上記のような剥離フィルムは、基材の剥離剤層が設けられている面とは反対の面(背面)の表面粗度(平均粗さ)を比較的高いものとし、巻かれた剥離フィルムの表裏が貼り付く(ブロッキング)等の不具合を解消しようとする試みがなされていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の剥離フィルムを用いた場合、グリーンシートが形成された剥離フィルムを巻き取って保管する際に、剥離フィルムの背面の比較的粗い表面形状が、グリーンシートに転写してしまい、グリーンシートが部分的に薄くなり、グリーンシートを積層してコンデンサを作製したときに、短絡による不具合を生じてしまう場合があった。
一方、基材の剥離剤層が設けられている面とは反対の面の表面粗度(平均粗さ)を比較的小さいものにすると、表面粗さが著しく平坦となり、剥離フィルムの表裏の滑りが悪くなるため、巻き取り不良やブロッキング等の不具合を生じてしまう場合があった。
また、近年では、積層セラミックコンデンサの小型化・低背化に伴い、グリーンシート1層あたりの厚みが薄くなっている。そのため、グリーンシート自体の強度が低下し、剥離する際にシートが破れてしまうなどの不具合が生じやすくなっている。
特開2003−203822号公報
本発明の目的は、例えば、グリーンシートのような薄膜を形成する際に、薄膜にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止するとともに、優れた剥離性、耐ブロッキング性を備えた剥離フィルムを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
(1) 第1の面と第2の面とを有する基材と、
(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にケイ素原子およびフッ素原子を有さない活性エネルギー線硬化性化合物(A)と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にフッ素原子を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B)と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有するポリオルガノシロキサン(C)と、を含有する剥離剤層形成用材料を、前記基材の第1の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成された剥離剤層と、を有し、
前記剥離剤層の外表面の算術平均粗さRaが8nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが50nm以下であり、
前記基材の第2の面の算術平均粗さRaが5〜40nmであり、かつ、その最大突起高さRpは、60〜500nmであることを特徴とする剥離フィルム。
(2) 前記剥離剤層形成用材料中における前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)の含有量をB[質量%]、ポリオルガノシロキサン(C)の含有量をC[質量%]としたとき、0.05≦B/(B+C)≦0.5の関係を満足する上記(1)に記載の剥離フィルム。
(3) 前記剥離剤層形成用材料中における前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)とポリオルガノシロキサン(C)とを合わせた固形分含有量は、0.3〜5質量%である上記(1)または(2)に記載の剥離フィルム。
(4) 前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、分子内にポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の剥離フィルム。
(5) 前記剥離剤層の平均厚さは、0.3〜2μmである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の剥離フィルム。
(6) グリーンシートの製造に用いられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の剥離フィルム。
本発明によれば、例えば、グリーンシートのような薄膜を形成する際に、薄膜にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止するとともに、優れた剥離性、耐ブロッキング性を備えた剥離フィルムを提供することが可能となる。
本発明の剥離フィルムの横断面図である。
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
《剥離フィルム》
本発明の剥離フィルムは、例えば、グリーンシートのような薄膜の製造に用いられるものである。特に、グリーンシートの製造に用いることで、より高い効果を発揮するものである。
図1は、本発明の剥離フィルム1の横断面図である。
図1に示すように、剥離フィルム1は、第1の面111と第2の面112とを有する基材11と、基材11の第1の面111上に設けられた剥離剤層12とを有している。
本発明の剥離フィルムは、第2の面の算術平均粗さRaが5〜40nmであり、かつ、その最大突起高さRpが、60〜500nmである基材と、所定の成分を含む剥離剤層形成用材料で形成された剥離剤層とを有しており、剥離剤層の外表面の算術平均粗さRaが8nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが50nm以下である点に特徴を有している。
このように剥離剤層の外表面を基材の第2の面より高平滑化することにより、剥離フィルムを用いて製造されるグリーンシートにピンホールが生じるのを防止することができる。これは、グリーンシート(薄膜)に、剥離剤層の外表面の突起による凹みが生じにくくなるため、当該凹みと、巻き取った際の基材の第2の面の突起により形成されうるグリーンシート(薄膜)の凹みとの一致が生じにくくなり、その結果、ピンホールが生じにくくなるためであると考えられる。
このような特徴を有する、本発明の剥離フィルムを用いることにより、グリーンシート(薄膜)にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止できる。その結果、信頼性の高いグリーンシート(薄膜)を形成できる。
特に、グリーンシートの厚さが極薄(例えば厚さ5μm以下、特に厚さ0.5μm〜2μm)であっても、上記欠点のない良好なグリーンシート(薄膜)を形成できる。また、前記剥離フィルムは、剥離剤層の外表面の高平滑化が得られるとともに、優れた剥離性を備えることができる。
以下、本実施形態に係る剥離フィルム1を構成する各層について詳細に説明する。
<基材>
基材11は、第1の面111と第2の面112とを有する。
基材11は、剥離フィルム1に、剛性、柔軟性等の物理的強度を付与する機能を有している。
基材11としては、特に制限はなく、従来公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような基材11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられ、単層であってもよいし、同種または異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、さらには二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。プラスチックからなるフィルムは、加工時、使用時等において、埃等が発生しにくいため、例えば、埃等によるセラミックスラリー塗工不良等を効果的に防止することができる。
上述したような、基材11の第2の面112の算術平均粗さRaは、5〜40nmである。これにより、剥離剤層12の外表面121が高平滑である剥離フィルム1を、紙製、プラスチック製または金属製等のコア材にロール状に巻き取る際に、空気抜けが良好になり、巻きずれを効果的に抑制することができるため、巻き取り張力を高める必要が無く、巻き取り張力に起因する巻き芯部の変形も抑制することが可能となる。また、ロール状に巻かれた剥離フィルム1の表裏でブロッキングが発生することを防止できる。さらに、グリーンシート(薄膜)が形成された剥離フィルム1を巻き取って保管する際に、グリーンシート(薄膜)に接する基材11の第2の面112の表面形状が、グリーンシート(薄膜)に転写して、グリーンシート(薄膜)にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止できる。その結果、信頼性の高いグリーンシート(薄膜)を形成できる。
これに対して、算術平均粗さRaが前記下限値未満であると、グリーンシート形成前の剥離フィルム1の保管時において、グリーンシート形成前の剥離フィルム1を巻き取る際に、空気を巻き込みやすく、巻きずれが生じやすいため、取り扱いが困難となる。また、巻かれた剥離フィルム1の表裏(基材11の第2の面112と剥離剤層12)が密着してしまい、ブロッキングを十分に防止するのが困難となる。一方、算術平均粗さRaが前記上限値を超えると、グリーンシート形成後の剥離フィルム1を巻き取る際に、グリーンシートに接する基材11の第2の面112の突起形状がグリーンシートに転写されてしまい、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するおそれがあり、グリーンシートの信頼性を十分に保持することが困難となる。
このように、基材11の第2の面112における算術平均粗さRaは、5〜40nmであるが、特に10〜30nmであることが好ましい。これにより、上述の効果がより顕著なものとなる。
また、基材11の第2の面112の最大突起高さRpは、60〜500nmである。これにより、剥離剤層12の外表面121が高平滑である剥離フィルム1を、紙製、プラスチック製または金属製等のコア材にロール状に巻き取る際に、空気抜けが良好になり、巻きずれを効果的に抑制することができるため、巻き取り張力を高める必要が無く、巻き取り張力に起因する巻き芯部の変形も抑制することが可能となる。また、ロール状の剥離フィルム1を繰り出す際に、巻かれた剥離フィルム1の表裏でブロッキングが発生することを防止できる。さらに、グリーンシートが形成された剥離フィルム1を巻き取って保管する際に、グリーンシートに接する基材11の第2の面112の表面形状が、グリーンシートに転写して、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのを防止できる。その結果、信頼性の高いグリーンシートを形成できる。
これに対して、最大突起高さRpが前記下限値未満であると、グリーンシート(薄膜)形成前の剥離フィルム1の保管時において、グリーンシート形成前の剥離フィルム1を巻き取る際に、空気を巻き込みやすく、巻きずれが生じやすいため、取り扱いが困難となる。また、剥離フィルム1を巻き取ることで接した基材11の第2の面112と剥離剤層12の外表面121とが密着してしまい、ブロッキングを十分に防止するのが困難となる。一方、最大突起高さRpが前記上限値を超えると、グリーンシート形成後の剥離フィルム1を巻き取る際に、グリーンシートに接する基材11の第2の面112の突起形状がグリーンシートに転写されてしまい、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するおそれがあり、グリーンシートの信頼性を十分に保持することが困難となる。
このように、基材11の第2の面112における最大突起高さRpは、60〜500nmであるが、80〜400nmであることがより好ましく、100〜300nmであることが特に好ましい。これにより、上述の効果がより顕著なものとなる。
基材11の第1の面111の算術平均粗さRaは、2〜80nmであることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。後述するように、基材11の第1の面111上には、第1の面111の凹凸を埋めて平滑化された剥離剤層12が形成されるため、Raが上記の範囲内であれば、平滑化作用が特に顕著となる。
また、基材11の第1の面111の最大突起高さRpは、10〜700nmであることが好ましく、20〜500nmであることがより好ましい。後述するように、基材11の第1の面111上には、第1の面111の凹凸を埋めて平滑化された剥離剤層12が形成されるため、Rpが上記の範囲内であれば、平滑化作用が特に顕著となる。
基材11の平均厚さは、10〜300μmであるのが好ましく、15〜200μmであるのがより好ましい。これにより、剥離フィルム1の、柔軟性を適度なものとしつつ、引裂きや破断に対する耐性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書において、「平均厚さ」とは、測定回数5回の平均値のことをいう。
<剥離剤層>
剥離剤層12は、基材11の第1の面111上に設けられている。
剥離剤層12は、剥離フィルム1に剥離性を付与する機能を有している。
剥離剤層12は、所定の成分を含む剥離剤層形成用材料に活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成された層である。
剥離剤形成用材料は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にケイ素原子およびフッ素原子を有さない活性エネルギー線硬化性化合物(A)と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にフッ素原子を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B)と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有するポリオルガノシロキサン(C)と、を含有している。このような剥離剤層形成用材料を用いることにより、剥離剤層12形成時の硬化性やグリーンシートに対する剥離性を特に優れたものとすることができる。また、基材11上に薄膜形成する際の成膜性が高いものとなり、グリーンシートのような薄膜を形成する際に、薄膜にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生するのをより効果的に防止することができる。
以下、各成分について詳細に説明する。
[活性エネルギー線硬化性化合物(A)]
活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、硬化することにより剥離剤層12の形成に寄与する成分である。これにより、剥離剤層12の機械的強度をより適度なものとすることができる。また、基材11表面に易滑剤フィラーが付与されている場合、基材11表面にある易滑剤フィラーを被覆し、塗工した面を平滑化することができる。
活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基よりなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にケイ素原子およびフッ素原子を有さないものである。なお、上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基など炭素数2〜10のものが例示される。特に、上記反応性官能基を、1分子中に2つ以上有しているのが好ましく、1分子中に3つ以上有しているのがより好ましい。これにより、剥離剤層12は、優れた硬化性や、耐溶剤性、および剥離性を得ることができる。また、かかる活性エネルギー線硬化性化合物(A)は、適度な流動性と形状保持性とを有するものである。このため、基材11上に、かかる活性エネルギー線硬化性化合物(A)を含む剥離剤層形成用材料を塗布すると、剥離剤層形成用材料により基材の凹凸を的確に埋め込むことができ、その埋め込んだ状態を確実に保持することができる。その結果、剥離剤層12の外表面121を平滑にすることができる。
また、活性エネルギー線硬化性化合物(A)における前記反応性官能基の含有量は、活性エネルギー線硬化性化合物(A)1kg当たり10当量以上であることが好ましい。これにより、薄膜で塗布された場合においても硬化性を特に優れたものとすることができる。
活性エネルギー線硬化性化合物(A)としては、前記反応性官能基が、(メタ)アクリロイル基であるのが好ましい。具体的には、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。また、前記(メタ)アクリロイル基以外の反応性官能基を有する化合物として、マレイミド基、アクリロイル基を含有したマレイミドアクリレート、アルキル基、アルケニル基、アリール基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有するマレイミド化合物が挙げられる。具体的には、例えば、シクロヘキシル基を有するN−シクロヘキシルマレイミド、フェニル基を有するN−フェニルマレイミド等が挙げられる。上述した中でも、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の多官能アクリレートを用いることが好ましい。これにより、薄膜で塗布された場合においても硬化性を特に優れたものとすることができる。
剥離剤層形成用材料における活性エネルギー線硬化性化合物(A)の固形分換算の含有量(溶剤を除いた全固形分中における含有割合)は、65〜98.5質量%が好ましく、71〜96.3質量%であることがより好ましい。
[活性エネルギー線硬化性化合物(B)]
活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、剥離剤層12に剥離性を発現させる成分である。また、基材11に塗工した際の塗膜のレベリング性を向上させる成分でもある。
活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にフッ素原子を有している。なお、上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基など炭素数2〜10のものが例示される。また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)における前記反応性官能基は、(メタ)アクリロイル基であるのが好ましい。
活性エネルギー線硬化性化合物(B)としては、例えば、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖(b1)を含む分子鎖を有しており、該分子鎖の末端および/または側鎖に、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基よりなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基が、直接または2価の連結基を介して結合した化合物を用いるのが好ましい。なお、上記反応性官能基は、1分子中に少なくとも1個有していればよい。
上記ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖は、具体的には、炭素原子数1〜3の2価のフッ化炭素基と酸素原子とが交互に連結した構造を有するものが挙げられる。炭素原子数1〜3の2価のフッ化炭素基は、一種類であっても良いし複数種の混合であってもよく、具体的には、下記構造式(1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2015071240
(上記構造式(1)中、Xは下記構造式(a)〜(d)であり、構造式(1)中の全てのXが同一構造のものであってもよいし、また、複数の構造がランダムに又はブロック状に存在していてもよい。また、nは繰り返し単位を表す1以上の数である。)
Figure 2015071240
また、前記2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アルキレンオキシ基、オキシ基、イミノ基、カルボニル基およびそれらを組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。2価の連結基の炭素数は、1〜30であることが好ましく、1〜10であることがより好ましい。
また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、水酸基、イソシアネート基、グリシジル基およびカルボキシル基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有していてもよい。
また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、その分子鎖末端または側鎖に、水酸基、イソシアネート基、グリシジル基およびカルボキシル基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体に由来する構成単位(b2)を有するものでもよい。
水酸基、イソシアネート基、グリシジル基およびカルボキシル基よりなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート等の水酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート等のイソシアネート基含有不飽和単量体;グリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有不飽和単量体;(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、その分子鎖末端または側鎖に、その他の不飽和単量体に由来する構成単位(b3)を有するものでもよい。
その他の不飽和単量体としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−ヘプチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニルなどのメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル類;等が挙げられる。
また、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B)の製法としては、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖(b1)および構成単位(b2)を有する化合物を合成し、当該化合物の構成単位(b2)に存在する官能基と反応性を有し、かつ水酸基、イソシアネート基、グリシジル基およびカルボキシル基等の官能基と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基とを有する化合物(b4)を反応させる方法が挙げられる。
このような化合物(b4)としては、具体的には、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、アクリル酸などが挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、GPC測定による質量平均分子量が300〜30000であることが好ましく、1500〜10000であることがより好ましい。
このような活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、活性エネルギー線硬化性化合物(A)が活性エネルギー照射により硬化する際に架橋構造に組み込まれて固定される。これにより、剥離剤層12の外表面121側に形成されるグリーンシートへ、剥離剤層12の成分である活性エネルギー線硬化性化合物(B)の移行転着を抑制することができる。
剥離剤層形成用材料における活性エネルギー線硬化性化合物(B)の固形分換算の含有量は、0.02〜2.5質量%であることが好ましく、0.15〜2.0質量%であることがより好ましい。これにより、セラミックスラリー(薄膜形成材料)をはじくことなく塗布することがより可能となり、剥離フィルム1の剥離性を特に優れたものとすることができる。
これに対して、剥離剤層形成用材料における活性エネルギー線硬化性化合物(B)の固形分換算の含有量が前記下限値未満であると、形成される剥離剤層12が十分な剥離性を発揮できないおそれがある。一方、剥離剤層形成用材料における活性エネルギー線硬化性化合物(B)の固形分換算の含有量が前記上限値を超えると、形成される剥離剤層12の表面にセラミックスラリーを塗布したときに、セラミックスラリーをはじき易くなるおそれがある。また、剥離剤層12が硬化し難くなり、十分な剥離性が得られない場合がある。
さらに、活性エネルギー線硬化性化合物(A)の配合量をA質量部とし、活性エネルギー線硬化性化合物(B)の配合量をB質量部としたとき、質量比B/Aが、0.02/99.98〜2.5/97.5の範囲であることがより好ましく、0.15/99.85〜2.0/98.0の範囲であることが特に好ましい。これにより、上記効果がさらに顕著となる。
活性エネルギー線硬化性化合物(A)とともに、上記活性エネルギー線硬化性化合物(B)を含む剥離剤層形成用材料を用いて形成された剥離剤層12を備える剥離フィルム1では、剥離剤層12の外表面121付近に、活性エネルギー線硬化性化合物(B)に由来する成分が偏析した状態となっていると推測される。このような偏析は、活性エネルギー線硬化性化合物(A)と分子構造、極性、分子量等の異なる活性エネルギー線硬化性化合物(B)を用いることにより、剥離剤層形成用材料の塗布層が硬化される間に活性エネルギー線硬化性化合物(B)が表面付近に押し上げられて生じるものと考えられる。
[ポリオルガノシロキサン(C)]
ポリオルガノシロキサン(C)は、剥離剤層12に剥離性を発現させる成分である。また、基材11に塗工した際の塗膜のレベリング性を向上させる成分である。
ポリオルガノシロキサン(C)は、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基よりなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有するものである。なお、上記アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ヘキセニル基など炭素数2〜10のものが例示される。特に、上記反応性官能基を、1分子中に2つ以上有しているのが好ましく、1分子中に3つ以上有しているのがより好ましい。また、ポリオルガノシロキサン(C)は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用することができる。
このようなポリオルガノシロキサン(C)は、紫外線硬化性化合物(A)が紫外線照射により硬化する際に架橋構造に組み込まれて固定される。これにより、剥離剤層12の外表面121側に形成されるグリーンシートへ、剥離剤層12の成分であるポリオルガノシロキサンの移行転着を抑制することができる。
また、ポリオルガノシロキサン(C)を構成する反応性官能基以外の有機基としては、脂肪族不飽和結合を有しない同一または異種の一価炭化水素基等が挙げられる。炭化水素基としては、炭素数1〜12のものが好ましく、特に炭素数1〜10のものが好ましい。この炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基などが挙げられる。
特に、ポリオルガノシロキサン(C)を構成する反応性官能基以外の有機基としては、有機基の80モル%以上がメチル基であることが好ましい。これにより、剥離剤層12の剥離性を特に優れたものとすることができる。
剥離剤層形成用材料におけるポリオルガノシロキサン(C)の固形分含有量は、0.28〜2.5質量%が好ましく、0.4〜2.0質量%であることがより好ましい。これにより、セラミックスラリーをはじくことなく塗布することがより可能となり、剥離フィルム1の剥離性を特に優れたものとすることができる。
これに対して、剥離剤層形成用材料におけるポリオルガノシロキサン(C)の固形分含有量が前記下限値未満であると、形成される剥離剤層12が十分な剥離性を発揮できないおそれがある。一方、剥離剤層形成用材料におけるポリオルガノシロキサンの固形分含有量が前記上限値を超えると、形成される剥離剤層12の外表面121にセラミックスラリーを塗布したときに、セラミックスラリーをはじき易くなるおそれがある。また、剥離剤層12が硬化し難くなり、十分な剥離性が得られない場合がある。
さらに、紫外線硬化性化合物(A)の配合量をA質量部とし、ポリオルガノシロキサン(C)の配合量をC質量部としたとき、質量比C/Aが、0.28/99.72〜2.5/97.5の範囲であることがより好ましく、0.4/99.6〜2.0/98.0の範囲であることが特に好ましい。これにより、上記効果がさらに顕著となる。
また、剥離剤層形成用材料中における活性エネルギー線硬化性化合物(B)の含有量をB[質量%]、ポリオルガノシロキサン(C)の含有量をC[質量%]としたとき、0.05≦B/(B+C)≦0.5の関係を満足するのが好ましい。このような関係を満足することにより、剥離剤層形成用材料の塗工性をより効果的に向上させることができ、より平滑な剥離剤層12を形成することができる。また、剥離フィルム1の剥離性能をより効果的に向上させることができる。
[光重合開始剤(D)]
剥離剤層形成用材料を硬化させるために、活性エネルギー線として紫外線を用いる場合、剥離剤層形成用材料には、光重合開始剤(D)を含んでいてもよい。光重合開始剤(D)を用いることで、紫外線の照射により剥離剤層形成用材料をより容易かつ確実に硬化させることができる。
光重合開始剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、α−アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤を用いることがより好ましい。このようなα−アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤は、硬化の際に酸素阻害を受けにくくする化合物である。そのため、大気雰囲気下での剥離フィルム1の製造においても、特に優れた硬化性を得ることができる。
α−アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤としては、例えば、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル] −2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ) −2−[(4-メチルフェニル)メチル] −1−[4−(4-モルホリニル)フェニル] −1−ブタノン等が挙げられる。これにより、特に優れた硬化性や、耐溶剤性、および剥離性を得ることができる。
剥離剤層形成用材料における光重合開始剤(D)の固形分換算の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。これにより、剥離剤層12の厚さが、酸素阻害により硬化性が得られ難い範囲の厚さであっても、特に優れた硬化性や、耐溶剤性、および剥離性を得ることができる。
また、剥離剤層形成用材料には、上途したような成分に加え、他の成分を含んでいてもよい。例えば、増感剤、帯電防止剤、硬化剤、反応性モノマー等を含むものであってもよい。
増感剤として、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンを用いてもよい。これにより、反応性をより高めることができる。
剥離剤層形成用材料における他の成分の固形分換算の含有量は、0〜10質量%であることが好ましい。
剥離剤層12の外表面121の算術表面粗さRaは8nm以下である。これにより、グリーンシートを剥離剤層12の外表面121側に成型したときに、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつきを発生させることをより確実に防止でき、グリーンシートの表面をより高平滑なものにすることができる。
剥離剤層12の外表面121の最大突起高さRpは、50nm以下である。これにより、グリーンシートを剥離剤層12の外表面121側に成型したときに、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつきを発生させることをより確実に防止でき、グリーンシートの表面をより高平滑なものにすることができる。
剥離剤層12の平均厚さは、0.3〜2μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることがより好ましい。剥離剤層12の厚さが前記下限値未満であると、剥離剤層12の外表面121の平滑性が不十分となり、グリーンシートを剥離剤層12の外表面121側に成型したときに、グリーンシートにピンホールや部分的な厚みのばらつき等が発生するおそれがある。一方、剥離剤層12の厚さが前記上限値を超えると、剥離剤層12の硬化収縮により剥離フィルム1にカールが発生し易くなったり、基材11と剥離剤層12とでブロッキングが発生しやすくなるため、巻き取り不良が生じたり、巻き出し時の帯電量が増大するおそれがある。
《剥離フィルムの製造方法》
次に、上述したような剥離フィルム1の製造方法の好適な実施形態について説明する。
本実施形態の製造方法は、基材11を準備する第1の工程と、剥離剤層形成用材料を調製する第2の工程と、基材11の第1の面111に、剥離剤層形成用材料を塗布して乾燥させることで塗布層を形成し、当該塗布層に紫外線を照射して硬化させることにより、剥離剤層12を形成する第3の工程とを有している。
以下、各工程について詳細に説明する。
<第1の工程>
まず、基材11を準備する。
基材11の第1の面111に、酸化法などによる表面処理、あるいはプライマー処理を施すことができる。これにより、基材11と基材11の第1の面111に設けられる剥離剤層12との密着性を特に優れたものとすることができる。
また、酸化法としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、クロム酸化処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン、紫外線照射処理などが挙げられ、これらの表面処理法は、基材11の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にコロナ放電処理法が効果および操作性の面から好ましく用いられる。
<第2の工程>
次に、活性エネルギー線硬化性化合物(A)、活性エネルギー線硬化性化合物(B)、および、その他の成分を、溶剤に溶解または分散させることにより、剥離剤層形成用材料を得る。
溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、キシレン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
<第3の工程>
次に、基材11の第1の面111に、剥離剤層形成用材料を塗布して乾燥させることで塗布層を得る。剥離剤層形成用材料は、塗布されてから乾燥される間に、第1の面111の凹凸を埋めて平滑化された塗布層を形成する。
その後、このようにして得られた塗布層に、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、平滑化された剥離剤層12を形成する。活性エネルギー線が紫外線である場合、紫外線の照射量は、積算光量が50〜1000mJ/cmであるのが好ましく、100〜500mJ/cmであるのがより好ましい。また、活性エネルギー線が電子線である場合には、電子線の照射量は、0.1〜50kGy程度であるのが好ましい。
これにより、剥離フィルム1が得られる。
剥離剤層形成用材料の塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが使用できる。
以上のような工程によれば、ピンホールや部分的な厚みのばらつきの発生が抑制されたグリーンシート(薄膜)を製造できる剥離フィルム1を容易に製造することができ、剥離性、硬化性の良好な剥離フィルム1を製造することができる。
以上、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、基材11の第1の面111に剥離剤層12を設けた剥離フィルム1について説明したが、これに限定されず、基材11と剥離剤層12との間には、中間層を設けてもよい。このような中間層は、基材11と剥離剤層12との密着性を向上させるものであってもよく、また、グリーンシート形成前の剥離フィルム1を巻き取る際の帯電の発生をより抑制させるものであってもよい。
また、例えば、前述した実施形態では、基材11が1層で構成されたものとして説明したが、これに限定されず、例えば、単層でなく、積層体で構成されたものであってもよい。基材11が2層である場合、例えば、剥離剤層12側の層が剥離剤層12を支持する機能を有し、他側が帯電防止機能を有するものであってもよい。これにより、より優れた剥離剤層12への密着性と、帯電防止性とを有することができる。
また、本発明の剥離フィルムの製造方法は、上述した方法に限定されるものではなく、必要に応じて任意の工程が追加されてもよい。
次に、本発明の剥離フィルムの具体的実施例について説明する。
[1]剥離フィルムの作製
(実施例1)
まず、基材としての二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[厚み:31μm、第1の面の算術平均粗さRa:16nm、第1の面の最大突起高さRp:196nm、第2の面の算術平均粗さRa:16nm、第2の面の最大突起高さRp:196nm]を用意した。
次に、以下のようにして、剥離剤層形成用材料の調製を行った。
活性エネルギー線硬化性化合物(A)としての、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[固形分100質量%]94質量部と、活性エネルギー線硬化性化合物(B)としての、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とメタクリロイルオキシ基とを有する化合物を含む溶液[DIC株式会社製、商品名「RS−75」、固形分40質量%]を固形分として0.3質量部と、ポリオルガノシロキサン(C)としての、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン[ビッグケミー・ジャパン株式会社、商品名「BYK−3500」、固形分100質量%]を0.7質量部と、光重合開始剤(D)としての、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤[BASF社製、商品名「IRGACURE907」、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル] −2−モリフォリノプロパン−1−オン、固形分100質量%]5質量部とを、イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン混合溶剤(質量比3/1)で希釈することにより、固形分20質量%の剥離剤層形成用材料を得た。
得られた剥離剤層形成用材料をバーコーターで上記基材の第1の面上に塗布して、80℃、1分間で乾燥させ塗布層を得た。このようにして得られた塗布層に、紫外線を照射(積算光量:250mJ/cm)して剥離剤層(厚み:1μm)を形成し、剥離フィルムを得た。
(実施例2)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)を、ペンタエリスリトールテトラアクリレート[固形分100質量%]94質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例3)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)を、ペンタエリスリトールトリアクリレート[固形分100質量%]94質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例4)
剥離剤層の厚みを、0.5μmに変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例5)
剥離剤層の厚みを、1.9μmに変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例6)
活性エネルギー線硬化性化合物(B)を、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とメタクリロイルオキシ基とを有する化合物を含む溶液[DIC株式会社製、商品名「RS−76E」、固形分40質量%]を固形分として0.3質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例7)
活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0.1質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を固形分として0.9質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例8)
活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0.5質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を固形分として0.5質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例9)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)94質量部を93質量部に変更し、活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0.3質量部を0.6質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を固形分として0.7質量部を1.4質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例10)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)94質量部を94.3質量部に変更し、活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0.3質量部を0.21質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を固形分として0.7質量部を0.49質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例11)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)94質量部を94.7質量部に変更し、活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0.5質量部を0.09質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を固形分として0.7質量部を0.21質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例12)
基材を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[厚み:38μm、第1の面の算術平均粗さRa:15nm、第1の面の最大突起高さRp:98nm、第2の面の算術平均粗さRa:15nm、第2の面の最大突起高さRp:98nm]に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例13)
基材を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[厚み:38μm、第1の面の算術平均粗さRa:35nm、第1の面の最大突起高さRp:471nm、第2の面の算術平均粗さRa:35nm、第2の面の最大突起高さRp:471nm]に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例14)
活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0.7質量部に変更し、活性エネルギー線硬化性化合物(C)を固形分として0.3質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(実施例15)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート「固形分100質量%」85質量部、マレイミドアクリレート[東亜合成株式会社製、商品名「アロニックスUVT-302、固形分40質量%」22.5質量部を混合したものに変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(比較例1)
活性エネルギー線硬化性化合物(A)94質量部を95質量部に変更し、活性エネルギー線硬化性化合物(B)、ポリオルガノシロキサン(C)を添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(比較例2)
活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として1質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を添加しなかった以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(比較例3)
活性エネルギー線硬化性化合物(B)を固形分として0質量部に変更し、ポリオルガノシロキサン(C)を固形分として1質量部に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(比較例4)
剥離剤層の厚みを、0.2μmに変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(比較例5)
基材を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[厚み:38μm、第1の面の算術平均粗さRa:42nm、第1の面の最大突起高さRp:619nm、第2の面の算術平均粗さRa:42nm、第2の面の最大突起高さRp:619nm]に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
(比較例6)
基材を、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム[厚み:38μm、第1の面の算術平均粗さRa:15nm、第1の面の最大突起高さRp:105nm、第2の面の算術平均粗さRa:3nm、第2の面の最大突起高さRp:15nm]に変更した以外は、前記実施例1と同様にして剥離フィルムを作製した。
なお、各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムの剥離剤層の平均厚さは、反射式膜厚計(製品名「F20」、フィルメトリックス株式会社製)にて5回測定した平均値とした。
また、各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムの剥離剤層の外表面の算術平均粗さRa、剥離剤層の外表面の最大突起高さRp、基材の第2の面の算術平均粗さRa、および基材の第2の面の最大突起高さRpは、ガラス板に両面テープを貼付し、各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムを、両面テープ上に測定面が上になるようにして固定し、JIS B0601−1994に準拠してミツトヨ社製表面粗さ測定機SV3000S4(触針式)にて測定した。
また、表中、活性エネルギー線硬化性化合物(A)としての、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートをA1、ペンタエリスリトールテトラアクリレートをA2、ペンタエリスリトールトリアクリレートをA3、マレイミドアクリレートをA4、活性エネルギー線硬化性化合物(B)としての、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とメタクリロイルオキシ基とを有する化合物を含む溶液[DIC株式会社製、商品名「RS−75」、固形分40質量%]をB1、ポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖とメタクリロイルオキシ基とを有する化合物を含む溶液[DIC株式会社製、商品名「RS−76E」、固形分40質量%]をB2、ポリオルガノシロキサン(C)としての、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン[ビッグケミー・ジャパン株式会社、商品名「BYK−3500、固形分100質量%」をC1、光重合開始剤としての、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤[BASF社製、商品名「IRGACURE907」、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、固形分100質量%]をD1と示した。
Figure 2015071240
[2]評価
以上のようにして得られた剥離フィルムに関して、以下のような評価を行った。
[2.1]硬化性評価
各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムについて、MEKを3mL含ませたウエス(小津産業社製,BEMCOT AP−2)で剥離剤層表面を荷重1kg/cmで往復10回研磨した後、剥離剤層の表面を目視で観察し、以下の判断基準で硬化性を評価した。
A:剥離剤層の溶解・脱落が無い場合
B:剥離剤層の一部溶解が見られる場合
C:剥離剤層が完全に溶解し、脱落する場合
[2.2]セラミックスラリー塗工性評価
チタン酸バリウム粉末[堺化学工業社製、商品名「BT−02」、BaTiO]100質量部、バインダーとしてのポリビニルブチラール[積水化学工業社製,商品名「エスレックB・K BM−2」]8質量部、および可塑剤としてのフタル酸ジオクチル[関東化学社製、商品名「フタル酸ジオクチル 鹿1級」]4質量部に、トルエン/エタノール混合溶剤(質量比6/4)135質量部を加え、ボールミルにて混合分散させて、セラミックスラリーを調製した。各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムの剥離剤層表面に、上記セラミックスラリーをダイコーターにて乾燥後の膜厚が1μmになるように、幅250mm、長さ10mに渡り塗布し、80℃で1分間乾燥させた。その後、グリーンシートが成型された剥離フィルムについて、剥離フィルム側から蛍光灯にて光を照射し、グリーンシート面を目視で検査した。
A:グリーンシートにピンホールがなかったもの
B:グリーンシートに1〜5個のピンホールが発生したもの
C:グリーンシートに6個以上のピンホールが発生したもの
[2.3]グリーンシート剥離性評価
上記[2.2]で形成したグリーンシートを、剥離フィルムを打ち抜かないようにして200mm×200mmに打ち抜いた。次いで、グリーンシート積層機のシート剥離機構を利用して、打ち抜かれたグリーンシートを真空吸引ステージに吸着させ、剥離フィルムから剥離した。このときのセラミックグリーンシートの剥離性を、以下の判断基準で評価した。
A:グリーンシートが破れることなく、スムーズに剥離でき、剥離剤層上にグリーンシートが残らない場合
B:グリーンシートが破れることなく、ややスムーズさに欠けるものの剥離でき、剥離剤層上にグリーンシートが残らない場合
C:グリーンシートを剥離するときに、グリーンシートが破れてしまうか、または剥離できない場合
[2.4]凹凸欠陥評価1
ポリビニルブチラール樹脂をトルエン/エタノール混合溶剤(質量比6/4)にて溶解した塗工液を、各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムの剥離剤層の上(外表面)に、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布し、80℃で1分間乾燥させてポリビニルブチラール樹脂層を成形した。次いで、そのポリビニルブチラール樹脂層の表面にポリエステルテープ(日東電工製の31Bテープ)を貼付した。次いで、剥離フィルムをポリビニルブチラール樹脂層から剥離し、ポリビニルブチラール樹脂層をポリエステルテープに転写した。次いで、剥離フィルムの剥離剤層に接触していたポリビニルブチラール樹脂層の面について、光干渉式表面形状観察装置「WYKO−1100」[株式会社Veeco社製]を用いて、PSIモード、50倍率にて、91.2×119.8μmの範囲に確認される剥離剤層の形状が転写された深さ150nm以上の凹みを数え、以下の判断基準で評価した。なお、下記評価Cの凹みが存在するグリーンシートでコンデンサを作製した場合、耐電圧低下によるショートが発生し易い傾向があった。
ただし、上記[2.3]で評価Cの場合には、試験を行わなかった。
A:凹みの数が0個の場合
B:凹みの数が1〜5個の場合
C:凹みの数が6個以上の場合
[2.5]凹凸欠陥評価2
ポリビニルブチラール樹脂をトルエン/エタノール混合溶剤(質量比6/4)にて溶解した塗工液を、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の厚さが3μmとなるように塗布し、80℃で1分間乾燥させてポリビニルブチラール樹脂層を成形した。各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムを、当該剥離フィルムの基材の第2の面が上記ポリビニルブチラール樹脂層と接するように、当該ポリビニルブチラール樹脂層に貼り合わせた。この積層体を100mm×100mmに裁断した後、荷重5kg/cmでプレスし、剥離フィルムの基材の第2の面の突起形状をポリビニルブチラール樹脂層に転写させた。次いで、剥離フィルムをポリビニルブチラール樹脂層から剥離し、ポリビニルブチラール樹脂層の剥離フィルムの基材の第2の面に接触していた面において、深さ300nm以上の凹みを数え、以下の判断基準で評価した。具体的には、光干渉式表面形状観察装置「WYKO−1100」[株式会社Veeco社製]を用いて、PSIモード、50倍率にて、91.2×119.8μmの範囲に確認される第2の面の形状が転写された凹みを数え、以下の判断基準で評価した。なお、下記評価Cの凹みが存在するグリーンシートでコンデンサを作製した場合、耐電圧低下によるショートが発生し易い傾向があった。
A:300nm未満の凹みの数が0個の場合
B:300nm以上500nm未満の凹みの数が1個以上の場合
C:500nm以上の凹みの数が1個以上の場合
[2.6]ハンドリング性評価
各実施例および各比較例の剥離フィルムをロール状にする際の、ハンドリング性について評価した。
A:滑り性が良く、かつ剥離フィルムをロール状にするときの空気抜けが良く、剥離フィルムの巻きズレを防止できた場合
B:滑り性が若干悪く、かつ剥離フィルムをロール状に巻いたときの空気の抜けが若干悪く、巻きズレが若干生じるものの支障がない場合
C:滑り性が悪く、かつ剥離フィルムをロール状に巻いたときの空気の抜けが悪く、巻きズレが顕著に生じた場合
[2.7]ブロッキング性評価
各実施例および各比較例で得られた剥離フィルムを、幅400mm、長さ5000mのロール状に巻き上げた。この剥離フィルムロールを40℃、相対湿度50%以下の環境下に30日間保管し、剥離フィルムロールの外観を目視にて観察し、以下の判断基準でブロッキング性を評価した。
A:ロール状に巻き上げたときから変化がなかった(ブロッキング無し)
B:部分的に色目が異なる領域があった(ブロッキング傾向にあるものの使用可能)
C:広範な領域にわたって色目が異なった(ブロッキング有り)
これらの結果を表2に示す。
Figure 2015071240
表2から明らかなように、本発明の剥離フィルムは、スラリーの塗工性、成膜されたグリーンシート(薄膜)の剥離性およびグリーンシートの表裏の平滑性に優れており、グリーンシート(薄膜)にピンホールや部分的な厚みのばらつきが発生することを抑制させる効果があった。また、本発明の剥離フィルムは、ロール状にする際に、ハンドリング性がよく、さらに、ロール状にした際のブロッキングが生じにくいものであった。また、本発明の剥離フィルムは、剥離剤層形成用材料の硬化性が優れており、大気雰囲気中においても剥離剤層の形成が可能であった。
これに対して、比較例ではいずれかの評価において満足な結果が得られなかった。
1 剥離フィルム
11 基材
111 基材の第1の面
112 基材の第2の面
12 剥離剤層
121 剥離剤層の外表面

Claims (6)

  1. 第1の面と第2の面とを有する基材と、
    (メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にケイ素原子およびフッ素原子を有さない活性エネルギー線硬化性化合物(A)と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有し、分子内にフッ素原子を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B)と、(メタ)アクリロイル基、アルケニル基およびマレイミド基からなる群から選択される少なくとも1種の反応性官能基を有するポリオルガノシロキサン(C)と、を含有する剥離剤層形成用材料を、前記基材の第1の面側に塗布して形成された塗布層に、活性エネルギー線を照射して硬化することにより形成された剥離剤層と、を有し、
    前記剥離剤層の外表面の算術平均粗さRaが8nm以下であり、かつ、その最大突起高さRpが50nm以下であり、
    前記基材の第2の面の算術平均粗さRaが5〜40nmであり、かつ、その最大突起高さRpは、60〜500nmであることを特徴とする剥離フィルム。
  2. 前記剥離剤層形成用材料中における前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)の含有量をB[質量%]、ポリオルガノシロキサン(C)の含有量をC[質量%]としたとき、0.05≦B/(B+C)≦0.5の関係を満足する請求項1に記載の剥離フィルム。
  3. 前記剥離剤層形成用材料中における前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)とポリオルガノシロキサン(C)とを合わせた固形分含有量は、0.3〜5質量%である請求項1または2に記載の剥離フィルム。
  4. 前記活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、分子内にポリ(パーフルオロアルキレンエーテル)鎖を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の剥離フィルム。
  5. 前記剥離剤層の平均厚さは、0.3〜2μmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の剥離フィルム。
  6. グリーンシートの製造に用いられる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の剥離フィルム。
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