本発明の実施の形態は、系統電源に接続される蓄電システムであって、さらに太陽光発電システムと連携する蓄電システムに関する。当該蓄電システムは、例えば産業施設、公共施設、商業施設、オフィスビル、住居などに設置される。電力会社が時間帯別電気料金制度を採用している場合、夜間の時間帯の電気料金は、昼間の時間帯の電気料金よりも安く設定される。例えば、23:00〜翌日の7:00までの電気料金が他の時間帯より安く設定される。従って夜間に系統電源から蓄電池に充電し、蓄電池に蓄えられた電力を昼間に使用することにより電気料金を抑えることができる。電力会社側から見ると電力使用量が平準化されることになる。
蓄電池に蓄えられた電力は、系統電源が停電したとき特定負荷(例えば、電灯、エレベータ、コンピュータサーバなど)を動作させるためのバックアップ電源として用いられる。特定負荷は系統電源の停電時にて、優先的に蓄電池または太陽光発電システムから電力供給を受けることができる予め設定された負荷である。本明細書では、それ以外の負荷を一般負荷という。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100を説明するための図である。実施の形態に係る蓄電システム100は、蓄電池モジュール10、蓄電池パワーコンディショナ20、蓄電池管理装置30、インバータファン50、蓄電池ファン60、第1スイッチS1〜第9スイッチS9、第1ブレーカB1〜第3ブレーカB3を備える。本実施の形態では第1スイッチS1〜第9スイッチS9にリレーを使用することを想定する。なお、リレーの代わりにパワーMOSFETなどの半導体スイッチを用いてもよい。
系統電源200は電力会社から供給される商用電源である。系統電源200は、第2スイッチS2を介して蓄電池パワーコンディショナ20と接続される。また第4スイッチS4、第5スイッチS5、第2ブレーカB2を介してPVパワーコンディショナ40に接続される。蓄電池パワーコンディショナ20とPVパワーコンディショナ40間は、第2スイッチS2、第4スイッチS4、第5スイッチS5、第2ブレーカB2を介して、又は第3スイッチS3、第4スイッチS4、第5スイッチS5、第2ブレーカB2を介して接続される。
系統電源200と蓄電池パワーコンディショナ20間の経路、系統電源200とPVパワーコンディショナ40間の経路、蓄電池パワーコンディショナ20とPVパワーコンディショナ40間の経路は導通可能な構成である。それらの経路には交流電流が流れる。以下、それらの経路を総称して交流電流路という。
蓄電池パワーコンディショナ20は、第1スイッチS1及び第1ブレーカB1を介して蓄電池モジュール10に接続される。太陽光発電システム300は太陽電池310及びPVパワーコンディショナ40を含み、PVパワーコンディショナ40は太陽電池310に接続される。
蓄電池パワーコンディショナ20は後述するように双方向インバータ21(図6参照)を含む。双方向インバータ21は、蓄電池モジュール10に充電するとき交流電力から直流電力に変換し、蓄電池モジュール10から放電するとき直流電力から交流電力に変換する電力変換部として機能する。PVパワーコンディショナ40は後述するようにインバータ41(図6参照)を含む。インバータ41は、太陽光発電システム300により発電された直流電力を交流電力に変換するDC/ACインバータである。なお、蓄電池パワーコンディショナ20は、双方向インバータ21に代えて、蓄電池モジュール10から放電するとき直流電力から交流電力に変換するDC/ACインバータと、蓄電池モジュール10に充電するとき交流電力から直流電力に変換するAC/DCコンバータとを個別に設ける構成としてもよい。この場合、DC/ACインバータとAC/DCコンバータとを合わせて、蓄電池パワーコンディショナ20の電力変換部として機能する。本明細書では、蓄電池パワーコンディショナ20は電力変換部として双方向インバータ21を備えることを前提として説明する。
蓄電池モジュール10は充放電自在で繰り返し使用できる、パッケージ化された二次電池である。蓄電池モジュール10は、直列または直並列接続された複数の蓄電池セルを含む。本実施の形態では蓄電池セルとしてリチウムイオン電池を使用することを想定する。なお、リチウムイオン電池の代わりにニッケル水素電池、鉛電池など他の種類の電池を使用してもよい。蓄電池モジュール10は1個ないしは複数組み合わせて使用される。
本実施の形態では6個の蓄電池モジュール10を直列接続して使用することを想定する。直列接続された複数の蓄電池モジュール10は、スイッチングユニットにより接続/切断制御される。なお複数の蓄電池モジュール10を直並列接続して使用してもよい。蓄電池モジュール10は系統電力または太陽光発電システム300により発電された電力により充電される。なお、直列接続する蓄電池モジュール10の数は6個に限られず、これ以上でもこれ以下であってもよい。また、複数の蓄電池モジュール10を直列にした蓄電池群を、さらに複数並列に接続してしてもよい。
太陽光発電システム300は光起電力効果を利用した発電装置である。太陽光発電システム300を構成する太陽電池にはシリコン系、化合物系、有機系のいずれを使用してもよい。
蓄電池パワーコンディショナ20が蓄電池モジュール10から出力される直流電力を交流電力に変換し、PVパワーコンディショナ40が太陽光発電システム300により発電される直流電力を交流電力に変換することにより、系統電源200、蓄電池モジュール10、太陽光発電システム300を単一の交流電流路でリンクできる。
一般負荷400は、系統電源200と蓄電システム100との間の経路上に接続される。特定負荷500は交流電流路の内、第4スイッチS4と第5スイッチS5間のノードに、第6スイッチS6及び第3ブレーカB3を介して接続される。
一般負荷400及び特定負荷500は、交流電流路から供給される交流電力を受けて動作する。系統電源200の停電時、特定負荷500は蓄電池モジュール10及び太陽光発電システム300の少なくとも一方から電源供給を受けることができるが、一般負荷400は電源供給を受けることができない。
インバータファン50は交流電流路の内、第4スイッチS4と第5スイッチS5間のノードに、第7スイッチS7を介して接続される。インバータファン50は、蓄電池パワーコンディショナ20の双方向インバータ21を冷却するためのファンである。
蓄電池ファン60は交流電流路の内、第4スイッチS4と第5スイッチS5間のノードに、第9スイッチS9を介して接続される。蓄電池ファン60は、蓄電池モジュール10の冷却時および加温時に動作させるためのファンである。
ヒータ70は交流電流路の内、第4スイッチS4と第5スイッチS5間のノードに、第8スイッチS8を介して接続される。ヒータ70は蓄電池モジュール10を加熱するためのヒータであり、蓄電池モジュール10内の蓄電池セルの温度を上昇させるために使用される。
温度センサ600は外気温を環境温度として検出し、蓄電池管理装置30に出力する。温度センサ600には例えば、サーミスタを使用できる。
蓄電池管理装置30は主に、蓄電池モジュール10を管理するための装置である。蓄電池管理装置30と蓄電池パワーコンディショナ20間、蓄電池管理装置30とPVパワーコンディショナ40間はそれぞれメタル線を用いた通信線で接続される。それらの間ではRS−232C、RS−485などのシリアル通信規格に準拠した通信が実行される。通信線には光ファイバを用いた通信線を用いることにより装置間を絶縁する。なお、蓄電池管理装置30と蓄電池パワーコンディショナ20間、蓄電池管理装置30とPVパワーコンディショナ40間を接続する通信線は光ファイバを用いたものに限られず、例えばメタル線を用いた通信線を使用してもよい。
また蓄電池管理装置30は蓄電池モジュール10と、光ファイバを用いた通信線で接続される。また蓄電池管理装置30は第7スイッチS7〜第9スイッチS9のそれぞれと、メタル配線を用いた通信線で接続される。蓄電池管理装置30は、第7スイッチS7〜第9スイッチS9のオン・オフを制御することで、インバータファン50等を間接的に制御する。蓄電池管理装置30の詳細な動作は後述する。なお第1スイッチS1〜第6スイッチS6、第1ブレーカB1〜第3ブレーカB3のそれぞれは、蓄電池パワーコンディショナ20とメタル配線を用いた通信線で接続される。これらは、蓄電池管理装置30から蓄電池パワーコンディショナ20に対する指示、あるいは、蓄電池パワーコンディショナ20独自の判断に基づき、蓄電池パワーコンディショナ20内の後述する制御回路22(図6参照)により制御される。
実施の形態に係る蓄電システム100は、系統連系モードまたは自立運転モードのいずれかで運転される。自立運転モードは基本的に、系統電源200の停電時に選択される。
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100の系統連系モードを説明するための図である。系統連系モードでは図2に示すように、蓄電池パワーコンディショナ20内の制御回路22は第2スイッチS2をオン、第3スイッチS3をオフに制御し、第4スイッチS4を、第3スイッチ側ではなく系統電源側の端子に接続するよう制御する。系統連系モードでは系統電源200、太陽光発電システム300、および蓄電池パワーコンディショナ20が交流電流路AP(太線参照)を介し接続する。
系統連系モードにて蓄電池モジュール10から放電する場合、蓄電池パワーコンディショナ20の双方向インバータ21は、系統電源200の周波数に同期した周波数および位相で交流電流路APに電流を流す。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100の自立運転モードを説明するための図である。自立運転モードでは図3に示すように、蓄電池パワーコンディショナ20内の制御回路22は、第2スイッチS2をオフ、第3スイッチS3をオンに制御し、第4スイッチS4を、系統電源側ではなく第3スイッチ側の端子に接続するよう制御する。自立運転モードでは太陽光発電システム300及び蓄電池モジュール10は系統電源200から電気的に切り離される。
自立運転モードにて蓄電池モジュール10から放電する場合、蓄電池パワーコンディショナ20の双方向インバータ21は、系統電源200から自立した周波数および位相で交流電流路APに電流を流す。自立運転モードで形成される交流電流路AP(太線参照)には特定負荷500は電気的に接続されるが、一般負荷400は電気的に遮断される。従って停電時に、特定負荷500にのみ、蓄電池モジュール10に蓄えられた電力および太陽光発電システム300により発電された電力を供給できる。
図4(a)−(d)は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100の物理的な構成例を説明するための図である。図1−図3にて点線で囲まれた蓄電システム100の構成部材は、開閉式の扉を備える筐体110に収納される。図4(a)は筐体110を天面110tから見た図を、図4(b)は筐体110を正面110fから見た図を、図4(c)は筐体110を底面110bから見た図を、図4(d)は筐体110を右側面110sから見た図をそれぞれ示す。
筐体110は縦長のボックスであり、筐体110内の下部に蓄電池モジュール10が配置される。本実施の形態では6個の蓄電池モジュール10が縦置きに並べて配置される。図示しないが蓄電池モジュール10の上に、蓄電池管理装置30が配置され、その上に蓄電池パワーコンディショナ20、第1ブレーカB1〜第3ブレーカB3が配置される。このように蓄電池パワーコンディショナ20の双方向インバータ21は、蓄電池モジュール10より天面側に配置される。なおPVパワーコンディショナ40も筐体110内に設置される設計であってもよい。
図4(a)に示すように筐体110の天面110tには第1空気孔111が設けられる。第1空気孔111の近傍にインバータファン50が設けられる。インバータファン50は排気ファンであり、双方向インバータ21の近辺の熱い空気を排出する。インバータファン50は、筐体110の下部に設けられる第2空気孔113及び第3空気孔114から導入された空気を吸い上げることで双方向インバータ21を冷却する。
筐体110内の下部に蓄電池ファン60を設ける。蓄電池ファン60は第2空気孔113及び第3空気孔114から外気を導入する。インバータファン50と蓄電池ファン60を併用することで、蓄電池モジュール10の冷却効率を上げることができる。また下部から吸気し、上部から排気することで、蓄電池の放電による電池の温度上昇や、インバータの廃熱を上昇気流により上部に送る効果も期待できる。
図4(b)に示すように筐体110の正面110fには、取っ手112、第2空気孔113及び第3空気孔114が設けられる。第2空気孔113及び第3空気孔114は正面110fの下部に、横並びに設けられる。図4(c)に示すように筐体110の底面110bには、二つの入線孔115、116が設けられる。
図5は、筐体110を右側面110sから見た図である。図5は図4(d)の領域A近傍をより詳細に描いた図である。蓄電池ファン60は筐体110内の底面近傍に、外気導入口が第2空気孔113及び第3空気孔114を向くように配置される。
ヒータ70は、蓄電池ファン60から送出された空気を受け、温風を送出する。本実施の形態ではヒータ70はヒートシンクを備え、蓄電池ファン60の吹出口とヒートシンクが対面するように蓄電池ファン60とヒータ70を構成する。蓄電池ファン60及びヒータ70は蓄電池モジュール10より底面側に設けられる。蓄電池モジュール10を加熱する際、蓄電池ファン60及びヒータ70は両方とも稼働し、第2空気孔113及び第3空気孔114から吸気した空気を温めて放出する。放出された温風は図4(d)に示すように、筐体110内にて底面側から天面側に向けて上昇し、天面に設けられた第1空気孔111から排気される。
図6は、図1の蓄電システム100の構成要素を説明するための機能ブロック図である。蓄電池モジュール10は蓄電池セル11、電圧センサ12、電流センサ13、温度センサ14を備える。図6の蓄電池セル11は複数の蓄電池セルの総称として描いている。
電圧センサ12は各蓄電池セルの電圧を検出する。電流センサ13は蓄電池セル11に流れる電流を検出する。電流センサ13にはホール素子やシャント抵抗を用いることができる。温度センサ14は、蓄電池モジュール10内の蓄電池セル11の温度を検出する。温度センサ14にはサーミスタを用いることができる。電圧センサ12により検出された電圧値、電流センサ13により検出された電流値、温度センサ14により検出された温度値は、蓄電池モジュール10の監視データとして通信路を介して蓄電池管理装置30に出力される。
蓄電池パワーコンディショナ20は双方向インバータ21、制御回路22を備える。制御回路22は蓄電システム100のモード管理、双方向インバータ21の制御、蓄電池管理装置30との通信、第1スイッチS1〜第6スイッチS6、第1ブレーカB1〜第3ブレーカB3の制御などを実行する。また制御回路22は、双方向インバータ21を冷却するためにインバータファン50を制御する。
PVパワーコンディショナ40はインバータ41、制御回路42を備える。制御回路42は太陽光発電システム300の状態管理、発電制御、蓄電池管理装置30との通信などを実行する。表示装置700は蓄電池管理装置30による制御の下、各種設定画面、蓄電池モジュール10および太陽光発電システム300のステータス情報などを表示する。
蓄電池管理装置30は通信部31、監視データ取得部32、ユーザ入力受付部33、SOC(State Of Charge)算出部34、充放電制御部35、発電制御部36、温度制御部37、ファン・ヒータ制御部38、スイッチ制御部39を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のプロセッサ、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
通信部31は、蓄電池管理装置30と蓄電池パワーコンディショナ20間のパケット通信、蓄電池管理装置30とPVパワーコンディショナ40間のパケット通信を制御する。監視データ取得部32は、蓄電池モジュール10から送信される監視データを取得する。また監視データ取得部32は、温度センサ600から送信される、筐体110の外の気温を示す温度データを取得する。
ユーザ入力受付部33は、ユーザにより操作部800に入力された情報を受け付ける。例えば、系統電源200から蓄電池モジュール10への充電処理を開始する充電開始時刻、その充電レートなどの情報を受け付ける。
SOC算出部34は、蓄電池モジュール10から送信される監視データをもとに蓄電池セル11のSOC(残容量)を算出する。SOCの算出方法としてOCV(Open Circuit Voltage)法やクーロンカウント法を用いることができる。
充放電制御部35は、蓄電池モジュール10に充電する場合の充電レートを示す充電設定値を含むパケット信号を、蓄電池パワーコンディショナ20の制御回路22に送信する。また充放電制御部35は、蓄電池モジュール10から放電する場合の放電レートを示す放電設定値を含むパケット信号を制御回路22に送信する。また充放電制御部35は、制御回路22から、実際に充電された充電値または実際に放電された放電値を含むパケット信号を受信する。蓄電池モジュール10の充電中または放電中、充放電制御部35はパケット信号を制御回路22に定期的(例えば、1秒周期)に送信する。制御回路22は当該パケット信号を受信する度に、実データを含むパケット信号を返信する。
発電制御部36は、PVパワーコンディショナ40の制御回路42から、太陽光発電システム300の発電情報を含むパケット信号を受信する。発電制御部36は、発電を制御するための情報を含むパケット信号を制御回路42に送信する。発電制御部36はパケット信号を制御回路42に定期的(例えば、1秒周期)に送信する。制御回路42は当該パケット信号を受信する度に、実データを含むパケット信号を返信する。発電制御部36は、制御回路42からの応答がない場合、パケット信号の送信周期を長くする。例えば、1分周期に変更する。
温度制御部37は、蓄電池セル11の温度を管理するとともにファン・ヒータ制御部38を制御して、蓄電池セル11の温度を調整する。蓄電池セル11を冷却する場合、ファン・ヒータ制御部38は、蓄電池ファン60及びインバータファン50の少なくとも一方を稼働させる。基本的に蓄電池ファン60を稼働させて、第2空気孔113及び第3空気孔114から吸気した外気を蓄電池セル11に送風して蓄電池セル11を冷却する。その際、インバータファン50を稼働させると外気の導入を促進できる。なおインバータファン50が吸気ファンの場合、インバータファン50を稼働させて蓄電池セル11の上側からも外気を導入できる。
蓄電池セル11を加熱する場合、ファン・ヒータ制御部38は、蓄電池ファン60及びヒータ70を稼働させ、インバータファン50を非稼働に制御する。図4(d)に示すように温風が蓄電池モジュール10の下部から上部に吹き上がることにより、蓄電池セル11の温度を上昇させることができる。この際、インバータファン50を停止させることにより、第2空気孔113及び第3空気孔114からの外気の導入を抑え、ヒータ70で暖められた空気を筐体110の内部で循環させることができる。これにより、ヒータ70の加温効率が向上する。なお、インバータファン50が吸気ファンの場合、インバータファン50を停止させることにより、蓄電池モジュール10の上部側から外気が吹きつけられることを防止できる。蓄電池セル11を加熱する必要がある状況は通常、外気温が低い状態であり、インバータファン50を稼働させていると、蓄電池モジュール10に上から冷気が吹きつけられることになる。
スイッチ制御部39は、蓄電池パワーコンディショナ20の制御回路22に制御情報を含むパケット信号を送信し、当該制御回路22を介して、第1スイッチS1〜第6スイッチS6、第1ブレーカB1〜第3ブレーカB3の制御を行うことができる。スイッチ制御部39は、第8スイッチS8をオフに制御してヒータ70への給電を停止できる。また第9スイッチS9をオフに制御して蓄電池ファン60への給電を停止できる。また第7スイッチS7をオフに制御してインバータファン50への給電を停止できる。なお第7スイッチS7、第8スイッチS8、第9スイッチS9は、蓄電池パワーコンディショナ20の制御回路22からも制御できる。
スイッチ制御部39は、第6スイッチS6をオフに制御して特定負荷500への給電を停止できる。スイッチ制御部39は系統電源200の停電時にて、特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回るとき第6スイッチS6をオフする。この条件で第6スイッチS6をオフする場合、停電時における特定負荷500への給電機会が減る傾向がある。特に夜間に停電した場合、特定負荷500に給電できなくなる。そこで、特定負荷500の消費電力が一定電力を超えた場合に、上述の条件にもとづく第6スイッチS6の制御を実行してもよい。即ち、特定負荷500の消費電力が一定電力以下の場合は、特定負荷500への給電を停止しない。当該一定電力を例えば1kWとすると、太陽光発電システム300の発電に関係なく、1kWを超えない範囲で特定負荷500を使用できる。従って、停電時における特定負荷500への給電機会を増やすことができる。ここで、一定電力の値は、停電時の使用が想定される照明や空調機器の消費電力を考慮して決定することが望ましい。
またスイッチ制御部39は系統電源200の停電時にて、特定負荷500の消費電力が、太陽光発電システム300の発電電力に調整電力(正の値)を加えた調整後の発電電力を上回るとき第6スイッチS6をオフしてもよい。この場合も、停電時における特定負荷500への給電機会を増やすことができる。ここで、調整電力の値は、特定負荷500への給電機会の確保と、蓄電池保護のバランスを考慮して決定することが望ましい。
またスイッチ制御部39は系統電源200の停電時にて、蓄電池モジュール10のSOCが過放電防止用設定値(例えば10%)を下回ると第6スイッチS6をオフする。過放電防止用設定値は特定負荷500の容量に応じて設定される。特定負荷500の容量が小さいほど、過放電防止用設定値に小さな値が設定される。スイッチ制御部39は、当該二つの条件の両方を満たしたとき第6スイッチS6をオフしてもよいし、一方を満たしただけで第6スイッチS6をオフしてもよい。
系統電源200の停電時は蓄電システム100は自立運転モードで動作する。従って特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回ると、蓄電池モジュール10の容量が低下していく。蓄電池モジュール10は過放電すると劣化する。
蓄電池モジュール10の保護を重視する場合、SOCの値に係わらず特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回った時点で、特定負荷500への給電を停止する。また特定負荷500への給電維持を重視する場合、蓄電池モジュール10のSOCが過放電防止用設定値を下回り、かつ特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回っている場合に特定負荷500への給電を停止する。太陽光発電システム300の発電電力が特定負荷500の消費電力を上回っている場合、蓄電池モジュール10のSOCが回復する方向にあるため第6スイッチS6をオフしない。
特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回るか否かは、蓄電システム100が放電しているか否かを検出することにより判定できる。自立運転モードでは、特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回る場合、蓄電池モジュール10は放電状態となる。逆に特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を下回る場合、蓄電池モジュール10は充電状態となる。スイッチ制御部39は、蓄電池パワーコンディショナ20の制御回路22から受信するパケット信号に含まれる情報を参照して、蓄電池モジュール10が放電中か充電中かを特定できる。
また交流電流路に電流センサを設置して、その電流の向きから特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回るか否かを判定してもよい。また交流電流路と特定負荷500との間の電流路に電流センサを設置して、その計測値をもとに判定してもよい。
図7は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100による、自立運転モードにおける第6スイッチS6の制御例を説明するためのフローチャートである。監視データ取得部32は、蓄電池モジュール10から蓄電池セルの電圧値などの監視データを取得する(S10)。SOC算出部34は、監視データをもとに蓄電池モジュール10のSOCを算出する(S11)。スイッチ制御部39は、算出されたSOCと過放電防止用の第1設定値を比較する(S12)。SOCが第1設定値以上の場合(S12のN)、ステップS10に遷移する。SOCが第1設定値未満の場合(S12のY)、スイッチ制御部39は蓄電池モジュール10が放電状態であるか否か判定する(S13)。放電状態でない場合(S13のN)、ステップS10に遷移する。放電状態である場合(S13のY)、スイッチ制御部39は第6スイッチS6をオフする(S14)。
監視データ取得部32は、蓄電池モジュール10から蓄電池セルの電圧値などの監視データを取得する(S15)。SOC算出部34は、監視データをもとに蓄電池モジュール10のSOCを算出する(S16)。スイッチ制御部39は、算出されたSOCと復帰用の第2設定値を比較する(S17)。第2設定値は第1設定値より大きな値に設定される。例えば、第1設定値+10%に設定される。
SOCが第2設定値以上の場合(S17のN)、ステップS15に遷移する。SOCが第2設定値未満の場合(S17のY)、スイッチ制御部39は第6スイッチS6をオンする(S18)。なお蓄電池モジュール10が放電状態にあることを追加条件としてもよい。また表示装置700に復帰が可能であることを表示し、ユーザが操作部800に復帰指示を入力することを追加条件としてもよい。この場合、スイッチ制御部39は、第6スイッチS6がオフした後にて蓄電池モジュール10のSOCが第2設定値以上になったとき、表示装置700に復帰可能状態であることを表示させる。特定負荷500に電気ストーブなどの放熱機器が含まれる場合、第6スイッチS6のオフにより放熱機器が停止するが、ユーザが放熱機器の停止後に可燃物を放熱機器の近くに置いてしまう可能性がある。ユーザ操作を条件とすることにより、ユーザに給電再開を認識させることができる。
特定負荷500とすべき負荷はユーザによって選択される。従って、例えばLED照明など自動復帰しても不安全状態にならない特定負荷500のみの場合には、ユーザ操作を条件とする必要はない。ユーザは、運転開始前に表示装置700に表示された設定画面から、予め自動復帰させるか否かを設定できる。この設定が有効になっている場合、SOCが第2設定値以上になると、スイッチ制御部39は第6スイッチS6をオンして、自動で給電を再開させる。なお、運転中に自動・手動復帰設定を変更しても、一度システムの運転を停止して、再起動しない限り反映されない。
蓄電システム100の自立運転が終了するまで(S19のY)、ステップS10〜ステップS18までの処理が実行される(S19のN)。なお図7では便宜的に一番下に描いているが、運転終了の判定処理は、どの時点でも実行される。
図8は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100による、自立運転モードにおける第6スイッチS6以外の構成要素の制御例を説明するためのフローチャートである。監視データ取得部32は、蓄電池モジュール10から蓄電池セルの電圧値などの監視データを取得する(S20)。SOC算出部34は、監視データをもとに蓄電池モジュール10のSOCを算出する(S21)。発電制御部36は、PVパワーコンディショナ40の制御回路42から太陽光発電システム300の発電情報を取得する(S22)。
スイッチ制御部39は、算出されたSOCと過放電防止用の第1設定値を比較する(S23)。SOCが第1設定値以上の場合(S23のN)、ステップS20に遷移する。SOCが第1設定値未満の場合(S23のY)、発電制御部36は太陽光発電システム300が発電中であるか否か判定する(S24)。発電状態の場合(S24のN)、ステップS20に遷移する。非発電状態の場合(S24のY)、ファン・ヒータ制御部38はヒータ70を非稼働に制御する(S25)。ヒータ70が稼働している場合は停止させ、稼働していない場合はその状態を維持する。なおファン・ヒータ制御部38は蓄電池ファン60及びインバータファン50も非稼働に制御してもよい。
SOCが第1設定値未満では蓄電池モジュール10から放電されず、太陽光発電システム300が発電していない状態では蓄電池モジュール10に充電されない。従って蓄電池モジュール10を加熱する必要がない。ヒータ70を非稼働に制御することによりヒータ70の消費電力を低減できる。なお停電時における自立運転モードでは、蓄電池モジュール10及び太陽光発電システム300からの給電が停止した時点で、ヒータ70は稼働できなくなる。ステップS25の処理は、蓄電池モジュール10及び太陽光発電システム300以外から電源を確保できる状況を主に想定している。
発電制御部36は、PVパワーコンディショナ40に送信するパケット信号にスリープモードへの移行指示を含めることにより、PVパワーコンディショナ40をスリープモードに移行させる(S26)。これによりPVパワーコンディショナ40の消費電力を低減できる。なお太陽光発電システム300の発電が停止した後、PVパワーコンディショナ40の制御回路42が、自己判断によりPVパワーコンディショナ40をスリープモードに移行させてもよい。
充放電制御部35は、蓄電池パワーコンディショナ20に送信するパケット信号にスリープモードへの移行指示を含めることにより、蓄電池パワーコンディショナ20をスリープモードに移行させる(S27)。蓄電池モジュール10からの放電が禁止され、系統電源200からも太陽光発電システム300からも充電されないため、蓄電池パワーコンディショナ20をスリープさせる。これにより蓄電池パワーコンディショナ20の消費電力を低減できる。
太陽光発電システム300の発電が再開すると(S28のY)、PVパワーコンディショナ40の制御回路42は、PVパワーコンディショナ40をスリープモードから通常モードに復帰させる(S29)。充放電制御部35は、PVパワーコンディショナ40から受信するパケット信号を参照して太陽光発電システム300の発電再開を検出すると、蓄電池パワーコンディショナ20をスリープモードから通常モードに復帰させる(S30)。
蓄電システム100の自立運転が終了するまで(S31のY)、ステップS20〜ステップS30までの処理が実行される(S31のN)。なお図8では便宜的に一番下に描いているが、運転終了の判定処理は、どの時点でも実行される。
図9は、本発明の実施の形態に係る蓄電システム100における、蓄電池管理装置30とPVパワーコンディショナ40間の通信間隔切替処理を説明するためのフローチャートである。PVパワーコンディショナ40がスリープモードの場合(S35のY)、蓄電池管理装置30の通信部31は、蓄電池管理装置30とPVパワーコンディショナ40間の通信頻度を低下させる(S36)。即ち通信間隔を長くする。夜間は通常、PVパワーコンディショナ40がスリープモードになるため通信間隔が長くなる。PVパワーコンディショナ40が通常モードの場合(S35のN)、蓄電池管理装置30の通信部31は、蓄電池管理装置30とPVパワーコンディショナ40間の通信頻度を通常に設定する(S37)。蓄電システム100の運転が終了するまで(S38のY)、ステップS35〜ステップS37までの処理が繰り返し実行される(S38のN)。
以上説明したように本実施の形態によれば、系統電源に接続された蓄電システム100に太陽光発電システム300を連携させる際、太陽光発電システム300をPVパワーコンディショナ40を介して蓄電システム100に接続する。即ち、交流出力で蓄電池モジュール10及び系統電源200と接続する。
太陽光発電システム300を、蓄電池パワーコンディショナ20の直流側に接続することも考えられるが、この場合、太陽光発電システム300の出力範囲が、蓄電池パワーコンディショナ20の定格範囲内に収まる必要がある。既成の蓄電システム100に太陽光発電システム300を追加する場合、蓄電池パワーコンディショナ20の定格範囲に収まる太陽光発電システム300を選択する必要がある。また既存の太陽光発電システム300に、既成の蓄電システム100を連携しようとしても不可能となる場合がある。
太陽光発電システム300を、蓄電池パワーコンディショナ20の直流側に接続する場合、太陽光発電システム300と蓄電池パワーコンディショナ20の間にDC−DCコンバータを設置することも考えられる。この場合、DC−DCコンバータを設置するコストが増大するとともに、蓄電池パワーコンディショナ20だけでなくDC−DCコンバータでも変換損失が発生するため、エネルギー効率が低下する。
これに対して本実施の形態によれば、PVパワーコンディショナ40を設けることにより、様々な種類の太陽光発電システム300を、出力範囲の制限なく蓄電システム100に接続できる。またDC−DCコンバータが不要であるため、それによるエネルギー効率の低下も回避できる。
また自立運転モードにて特定負荷500の消費電力が太陽光発電システム300の発電電力を上回るとき、及び/又は蓄電池モジュール10のSOCが第1設定値を下回るとき特定負荷500への給電を停止する。これにより蓄電池モジュール10の過放電を防止し、蓄電池モジュール10を保護できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
[第1の変形例]
図10、本発明の変形例に係る蓄電システム100を説明するための図である。変形例に係る蓄電システム100は、図1−3に示した蓄電システム100の第5スイッチS5及び第6スイッチS6を省略した構成である。
図1−3に示した蓄電システム100では特定負荷500への給電を遮断するための素子として、第3ブレーカB3と直列に接続された第6スイッチS6を使用した。この構成では上述のように第6スイッチS6をオフ(リレーの場合はオープン)した後、蓄電池モジュール10のSOCが復帰用の第2設定値を上回るとオン(リレーの場合はクローズ)して、自動復帰させることができる。
第1の変形例ではスイッチ制御部39は、特定負荷500への給電を停止する際、第3ブレーカB3をオープンさせる。第3ブレーカB3はコイル及び接点を有し、コイルは過電流検出をトリガとして励磁し接点をクローズさせる。また第3ブレーカB3は外部制御により通電される別のコイルを有する。スイッチ制御部39はその別のコイルに電流を流すよう制御することにより、接点をクローズできる。
このように第1の変形例によれば第5スイッチS5及び第6スイッチS6を省略するため蓄電システム100全体のコストを低減できる。またブレーカは一度開くと手動で復帰させる必要がある。即ち、ブレーカがトリップするとブレーカの再投入が必要となる。スイッチ制御部39は、ブレーカを開いた後にて蓄電池モジュール10のSOCが、復帰用の設定値を上回ったとき、表示装置700にブレーカ復帰可能状態であることを表示させる。このように第6スイッチS6にブレーカを使用する場合、復帰の際に必ずユーザの確認作業が必要となり、復帰の際の安全性をより担保できる。なお、第6スイッチS6はリセットスイッチでもよく、その場合、リセットスイッチを押すことで第6スイッチS6がオンされる。
[第2の変形例]
上述したように、蓄電池モジュール10に蓄えられた電力は、系統電源200が停電したときのバックアップ電源として使用される。図3を参照して上述したように、系統電源200が停電した場合には、蓄電システム100は自立運転モードとなる。自立運転モードとなると、蓄電池パワーコンディショナ20内の制御回路22は、第2スイッチS2をオフ、第3スイッチS3をオンに制御し、第4スイッチS4を、系統電源側ではなく第3スイッチ側の端子に接続するよう制御する。自立運転モードでは太陽光発電システム300および特定負荷500が一体的に系統電源200から切り離される。
太陽電池310が発電した電力が特定負荷500や一般負荷400における消費電力を上回ったとき、その余剰電力は、蓄電システム100が系統連係モードであれば、系統電源200に流される。一方、蓄電システム100が自律運転モードの場合、太陽電池310の余剰電力は蓄電池モジュール10の蓄電に当てられる。蓄電システム100が系統連係モードであっても、予め定められた充電時間帯であれば、太陽電池310の余剰電力は系統電源200に流すのではなく、蓄電池モジュール10の充電に優先的に当てられる。
このように、太陽電池310の余剰電力が蓄電池モジュール10の充電に当てられるときに蓄電池モジュール10が満充電またはそれに近い場合であると、太陽電池310の余剰電力を受け入れる余地が無くなってしまうことも起こりうる。また、蓄電システム100が系統連係モードから自立運転への切り替わる際に、太陽電池310の余剰電力を受け入れる余地がなくなった場合、蓄電池モジュール10が過電圧状態になり、蓄電池モジュール10にダメージを与える場合もある。
そこで、蓄電システム100が系統連携モードから自立運転モードに切り替わる場合、一度PVパワーコンディショナ40の動作を停止させることが好ましい。その後、特定負荷500における消費電力が多い場合や、蓄電池モジュール10が蓄電可能であれば、PVパワーコンディショナ40の動作を再開することができれば、蓄電池モジュール10の過充電を抑制しつつ、停電時に特定負荷500への電力供給を継続することができる。
また系統電源200が停電から復電し、蓄電システム100が自立運転モードから系統連系運転モードに切り替わる際、復電直後に太陽電池310の発電電力を系統電源200に流すと、系統電源200を不安定にする等の悪影響を及ぼす可能性がある。このため、一旦太陽電池310の発電を停止するのが望ましいので、この際にもPVパワーコンディショナ40の動作を停止させる。
ここで、系統電源200が停電となった場合であっても、PVパワーコンディショナ40と蓄電池モジュール10との間の電気的な接続は、蓄電池パワーコンディショナ20および第3スイッチS3を介して維持される。PVパワーコンディショナ40から見ると、停電によって系統電源200からの電力は切断されるものの、すぐに蓄電池モジュール10と電気的に接続する。系統電源200が瞬時停電する場合も、一度系統電源200からの電力は途切れるが、すぐに系統電源200からの電力が戻る。このため、PVパワーコンディショナ40にとっては、系統電源200が瞬時停電した場合と、停電後に蓄電池モジュール10と電気的に接続した場合とを区別することは難しい。ゆえに、系統電源200が停電した場合、PVパワーコンディショナ40自体が、電力の変動をもとに動作を停止するか否かを判定するのは困難である。
そこで第2の変形例に係る蓄電池パワーコンディショナ20中の制御回路22は、系統電源200の停電を検出した場合、PVパワーコンディショナ40中のインバータ41や制御回路42の動作の停止を指示する停止信号を出力する。
図11は、本発明の第2の変形例に係る蓄電システム100の構成要素を説明するための機能ブロック図である。また、図12は、本発明の第2の変形例に係る蓄電システム100の自立運転モードを説明するための図である。図11および図12はそれぞれ、蓄電池パワーコンディショナ20からPVパワーコンディショナ40に向かう2つの制御信号線を除き、図6および図3と共通である。したがって、以下において、上述した図6または図3の説明と重複する箇所は、適宜省略または簡略化して説明する。
双方向インバータ21は、一端において蓄電池モジュール10と接続している。また双方向インバータ21は、他端において系統電源200と接続するとともに、太陽電池310にも接続されたインバータ41とも接続している。系統電源200が停電すると、双方向インバータ21に入力する系統電源200からの電力の周波数が変化する。そこで双方向インバータ21と接続する制御回路22は、双方向インバータ21に入力される電力の周波数の変化を検出することで、系統電源200の停電を検出することができる。
太陽光発電システム300は、ひとたび動作を停止した後は所定の時間が経過するまで運転の再開を待機するのが一般的である。所定の時間は、系統電源200に電力を提供する電力会社との間の取り決め等によって定められる再稼働待機時間であり、例えば5分間(300秒間)である。再稼働待機時間が経過するまでは、仮に特定負荷500の消費電力が太陽電池310の発電量を上回っているか、あるいは蓄電池モジュール10が蓄電可能な状態であっても、PVパワーコンディショナ40中のインバータ41や制御回路42は停止される。なお、取り決め等がない場合や、取り決めの内容によっては、再稼働待機時間は300秒よりも短くてもよく、0秒であってもよい。
蓄電池パワーコンディショナ20中の制御回路22は、系統電源200が停電したことを検出した場合、PVパワーコンディショナ40の停止信号を出力してから所定の期間経過し、かつ所定の条件(例えば、蓄電池モジュール10が満充電でないこと等の条件)を満たすと、インバータ41や制御回路42の停止の解除を指示する復帰信号を送信する。ここで、制御回路22が復帰信号を送信するまで待機する所定の時間は、インバータ41や制御回路42の動作が停止した後に再稼働するまでに待機するように定められた再稼働待機時間よりも短く、例えば60秒である。これにより、再稼働待機時間が経過するとすぐに、PVパワーコンディショナ40を再稼働させることができる。
なお、上記では蓄電池パワーコンディショナ20内の制御回路22が停止信号や復帰信号を出力する場合について説明した。これに替えて、あるいはこれに加えて、蓄電池管理装置30内の図示しない信号出力部が、停止信号や復帰信号を自ら出力してもよいし、蓄電池パワーコンディショナ20内の制御回路22に停止信号や復帰信号を出力するように指示するようにしてもよい。また、停止信号は、PVパワーコンディショナ40中のインバータ41や制御回路42の動作を停止させるべき期間、出力し続けるようにしてもよい。この場合、停止信号の出力がなくることを契機として、PVパワーコンディショナ40中のインバータ41や制御回路42が再稼働する。すなわち、停止信号の出力がなくなることを復帰信号の代替としてもよい。復帰信号の出力制御を省略できる点で効果がある。
以上説明したように、第2の変形例に係る蓄電システム100によれば、系統電源200の停電時において蓄電池モジュール10の過充電を抑制することができる。
上述の実施の形態では系統電源に接続された蓄電システム100に太陽光発電システム300を連携する例を説明した。この点、本発明に係る蓄電システムは太陽光発電システム300以外の、再生可能エネルギーをもとに発電する発電装置と連携することもできる。例えば直流出力の、風力発電装置、マイクロ水力発電装置などが該当する。
なお、本実施の形態に係る発明は、以下に記載する項目によって特定されてもよい。
[項目1−1]
蓄電池と、
前記蓄電池に充電するとき交流電力から直流電力に変換し、前記蓄電池から放電するとき直流電力から交流電力に変換する第1インバータと、
再生可能エネルギーをもとに発電する発電装置により発電された直流電力を交流電力に変換する第2インバータと、
前記第1インバータの交流側端子と、前記第2インバータの交流側端子と、系統電源とを導通させるための交流電流路と、
を備えることを特徴とする蓄電システム。
[項目1−2]
前記交流電流路には、系統電源の停電時にて、優先的に前記蓄電池または前記発電装置から電力供給を受けることができる予め設定された特定の負荷が接続されることを特徴とする項目1−1に記載の蓄電システム。
[項目1−3]
ヒータと、ファンと、管理装置と、をさらに備え、
前記管理装置は、前記蓄電池を加熱する場合、前記ヒータと前記ファンを稼動させることを特徴とする項目1−1または1−2に記載の蓄電システム。
[項目1−4]
前記管理装置は、停電時に前記蓄電池から放電していない状態にて、前記ヒータおよび前記ファンを非稼働に制御することを特徴とする項目1−3に記載の蓄電システム。
[項目1−5]
前記蓄電池を管理するための管理装置を、さらに備え、
前記管理装置は、前記第2インバータから前記発電装置が発電しているか否かを示す情報を取得し、系統電源の停電時に前記蓄電池から放電していない状態にて前記発電装置が発電していない場合、前記第1インバータ及び前記第2インバータの電源をオフ、又は前記第1インバータ及び前記第2インバータをスリープさせることを特徴とする項目1−1または1−2に記載の蓄電システム。
[項目2−1]
一端において系統電源に接続するとともに太陽電池に接続されたDC/ACインバータとも接続し、他端において蓄電池と接続する電力変換部と、
前記電力変換部と接続する制御部とを備え、
前記制御部は、前記系統電源の停電を検出した場合、前記DC/ACインバータの動作の停止を指示する停止信号を出力することを特徴とする蓄電池パワーコンディショナ。
[項目2−2]
前記制御部は、前記停止信号を出力してから所定の期間経過すると、前記DC/ACインバータの停止の解除を指示する復帰信号を送信することを特徴とする項目2−1に記載の蓄電池パワーコンディショナ。
[項目2−3]
前記所定の期間は、前記DC/ACインバータの動作が停止した後に再稼働するまでに待機するように定められた再稼働待機時間よりも短いことを特徴とする項目2−2に記載の蓄電池パワーコンディショナ。
[項目2−4]
前記制御部は、前記DC/ACインバータの動作を停止させるべき期間、前記停止信号の出力を継続し、前記DC/ACインバータを再稼働させるために、前記停止信号の出力を停止することを特徴とする項目2−1に記載の蓄電池パワーコンディショナ。
[項目2−5]
一端において系統電源に接続するとともに太陽電池に接続されたDC/ACインバータとも接続し、他端において蓄電池と接続する電力変換部と、
前記電力変換部と接続する制御部とを備え、
前記制御部は、前記系統電源が停電から復電した場合、前記DC/ACインバータの動作の停止を指示する停止信号を出力することを特徴とする蓄電池パワーコンディショナ。