JP2015069732A - 化学強化ガラスを用いた気密端子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】気密端子の絶縁ガラスの自由表面に化学強化を施すことで絶縁ガラスにクラックが生じないようにした気密端子を提供する。
【解決手段】気密端子10は、金属外環11と、この金属外環11に挿通した導出リード12と、金属外環11の内壁と導出リード12とを気密に封着するアルカリ金属を含む絶縁ガラス13とを備え、絶縁ガラス13は、自由表面に化学強化による圧縮応力層14を有し、圧縮応力層14において、リチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的に、よりイオン半径が大きいアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】気密端子10は、金属外環11と、この金属外環11に挿通した導出リード12と、金属外環11の内壁と導出リード12とを気密に封着するアルカリ金属を含む絶縁ガラス13とを備え、絶縁ガラス13は、自由表面に化学強化による圧縮応力層14を有し、圧縮応力層14において、リチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的に、よりイオン半径が大きいアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は電気・電子装置に用いられる気密端子に関し、特に絶縁ガラスならびにリードに挿着したガラス製スリーブの表面に化学強化を施した気密端子に関する。
気密端子は、金属外環または金属外環の挿通孔に絶縁材を介してリードを気密に封着したもので、気密容器内に収容された電気機器や素子に電流を供給したり、電気機器や素子から信号を外部に導出したりする場合に用いられる。特に金属外環とリードを絶縁ガラスで封着するGTMS(Glass−to−Metal−Seal)タイプの気密端子は、整合封止型と圧縮封止型の2種類に大別される。気密封止の信頼性を確保するには、外環およびリードの金属材と絶縁ガラスの熱膨張係数を適正に選択することが重要となる。封止用の絶縁ガラスは、金属外環とリードの素材、要求温度プロファイルおよびその熱膨張係数によって決定されている。整合封止の場合、金属材と絶縁ガラスの熱膨張係数が可能な限り一致するように封止素材を選定する。一方、圧縮封止は、金属外環が絶縁ガラスおよびリードを圧縮するように意図的に異なる熱膨張係数の金属材と絶縁ガラスの材料が選択されている。
従来、気密端子は、気密信頼性ならびに電気絶縁性を確保するため、整合封止型気密端子においては、金属外環およびリード材に広い温度範囲でガラス材と熱膨張係数が一致しているコバール合金(Fe54%、Ni28%、Co18%)を使用して、両者をホウケイ酸ガラスからなる絶縁ガラスで封着している。圧縮封止型気密端子においては、使用温度範囲においてガラスに同心円状の圧縮応力が加わるように、炭素鋼またはステンレス鋼などの鋼製の金属外環と、鉄ニッケル合金(Fe50%、Ni50%)や鉄クロム合金(Fe72%、Cr28%)などの鉄合金のリード材を使用して、両者をソーダバリウムガラスからなる絶縁ガラスで封着している。
気密端子の金属外環とリードとの間の耐トラッキング性を保証するために、例えば、特許文献1に記載されるように、金属外環のリード挿通孔から円錐状にガラスを突設したり、該リードにセラミック・スリーブを挿通させ、封着ガラスから碍管端をさらに突出させたり、あるいは特許文献2に記載されるように、封止パッケージの内方リードにセラミック・スリーブを装着させ、さらに金属外環の天板面と外方リードの一部をエポキシ樹脂またはシリコーンゴムで被覆して沿面距離を大きくとるようにするなど、従来から種々の構成が取られてきた。特に気密端子のスリーブは、沿面距離を拡張できるように筒形のほかにも様々な形状の物が提案されている。その一例として、漏斗形の絶縁スリーブを装着した気密端子が特許文献3に開示される。なお、ここで技術背景の説明のため冷凍機の圧縮機に適用される気密端子を例示したが、本発明は冷凍機用の気密端子に限定されない。
一方、化学強化されたガラス材については、例えば特許文献4に、携帯電話、PDA、ノート型コンピュータなどのディスプレイに用いるガラス薄板に光学特性を維持しながら、高い表面強度と引掻抵抗性、および曲げ歪みと衝撃損傷に対する耐久性を改善する目的で、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスなどガラス板の表面にイオン交換表面層からなる表面圧縮層を施した耐衝撃損傷性ガラス板が記載されている。
また、ガラス物品の化学強化については、特許文献5に、SiO2およびAl2O3に加えて、4.6〜5.4重量%のLi2Oと、8.1〜9.7重量%のNa2Oとを含むガラスを用意し、このガラスをアルカリ含有塩溶融物中で保存して、ガラスのアルカリイオンを塩溶融物のより大きいアルカリイオンと交換し、それによってガラス物品の表面に圧縮応力ゾーンを形成して化学強化ガラスを得る方法が知られている。特許文献5によると、ガラスをアルカリ含有塩溶融物中に保存するステップは、8時間以下の時間にわたって実施され、その際、塩溶融物は420℃を超えることなく温度調整され、圧縮応力ゾーンの深さを少なくとも50マイクロメートルにして、圧縮応力が少なくとも600MPa発生するように製作する化学強化ガラス物品の製造方法が記載されている。
従来の気密端子は、封止ガラス材の強度が弱いため、不時の外力がリードピンや金属外環に加わると封止ガラスにクラックが生じやすく、著しい場合には気密漏れや絶縁破壊などの事故につながる惧れがあった。特に整合封止型気密端子は、金属外環の熱膨張係数とガラス材の熱膨張係数を一致させた構成であり、金属外環の圧縮力を利用できない分、封止ガラス材の割れによる気密漏れや絶縁破壊に対して脆弱である。また、圧縮封止型気密端子は、金属外環の圧縮力により封止部のガラスを締め付けているため、応力がかかっている部分のガラス材についてはクラックを抑制できる。しかし、金属外環よりリード軸方向にガラスを這い上がらせて設けた突設部は、金属外環の圧縮力を享受できないので金属外環の板端より板面と平行にクラックが入りやすく、沿面距離を拡張するため金属外環からガラスを突出して設けても、その効果が充分に発揮し難い状況にあった。また、気密端子のトラッキングを防止する目的でリードに装着されるスリーブは、従来、機械的強度の観点からガラス材が使用できず、専らセラミック製のものが使用されており多孔質体のため表面に微細な凹凸が多く異物が付着し易いので、より大きな沿面距離を必要とし好ましくなかった。
本発明の目的は、上記課題を解消するため提案するものであり、気密端子の絶縁材にガラス材のみを使用しながら、該ガラス材の露出表面すなわち大気と接した自由表面に化学強化を施すことで絶縁ガラスに圧縮応力層を設けて容易にクラックが生じないようにしたことを特徴とする気密端子を提供することにある。本発明により金属外環のリード挿通孔からリード軸方向に突出させた封止ガラス材のみで沿面距離を安定的に確保することができ、余分にセラミック材や樹脂またはゴム材などの部材を使う必要が無くなる。樹脂やゴムのインサート成形の工程も不要となるため、資材の節減や工程の簡素化の観点からも好ましい。また、セラミック製スリーブに替えてガラス製スリーブが使用できるようになるため、より安価なガラス材を用いてスリーブに異物などが付着し難い平滑表面を実現することができ、スリーブの耐トラッキング性を向上させることができる。
本発明によれば、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードと、金属外環の内壁と導出リードとを気密に封着するアルカリ金属を含む絶縁ガラスとを備え、絶縁ガラスは、自由表面に化学強化による圧縮応力層を有し、圧縮応力層において、アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする気密端子が提供される。
本発明の別の観点によると、(1)アルカリ金属を含有する絶縁ガラス材を封着材に用いて、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードとを、気密に封着した気密端子を用意し、(2)この気密端子をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、該気密端子の絶縁ガラスの自由表面のアルカリ金属イオンを塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって気密端子の絶縁ガラスの自由表面に圧縮応力層を形成し化学強化した気密端子の製造方法が提供される。
本発明の第3の観点によると、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードと、金属外環の内壁と導出リードとを気密に封着するアルカリ金属を含む絶縁ガラスと、さらに少なくとも片側の導出リード(即ち、気密端子パッケージの内側リードと外側リードの少なくとも何れか片側)に挿着して絶縁ガラスを含む金属外環に固着したアルカリ金属を含むガラス製スリーブとを備え、絶縁ガラスとガラス製スリーブとは、自由表面に化学強化による圧縮応力層を有し、圧縮応力層において、アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする気密端子が提供される。
本発明の第4の観点によると、(1)アルカリ金属を含む絶縁ガラスからなるガラス製スリーブを用意し、(2)これとは別にアルカリ金属を含有する絶縁ガラスを封着材に用いて、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードとを気密に封着した気密端子を用意し、(3)この気密端子と該スリーブとを同時または個別にアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、絶縁ガラスとスリーブの自由表面のアルカリ金属イオンを該塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって絶縁ガラスおよびスリーブの自由表面に圧縮応力層を形成し、(4)化学強化後の気密端子の少なくとも片側の導出リードに、化学強化したスリーブを挿通して、このスリーブの一端と絶縁ガラスの端面を含む金属外環の板面とを固着したスリーブ付き気密端子の製造方法が提供される。
本発明の第5の観点によると、(1)アルカリ金属を含む絶縁ガラスからなるガラス製スリーブを用意し、(2)これとは別にアルカリ金属を含有する絶縁ガラスを封着材に用いて、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードとを気密に封着した気密端子を用意し、(3)この気密端子の少なくとも片側の導出リードに、該スリーブを挿通して、このスリーブの一端と絶縁ガラスの端面を含む金属外環の板面とを固着し、(3)該スリーブを含む気密端子をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、絶縁ガラスとスリーブの自由表面のアルカリ金属イオンを該塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって絶縁ガラスおよびスリーブの自由表面に圧縮応力層を形成し化学強化したスリーブ付き気密端子の製造方法が提供される。
本発明の第6の観点によれば、導体とその支持物とのあいだを絶縁するために用いるガラス器具であって、貫通孔を設けたアルカリ金属を含む絶縁ガラスの筒状体と、必要に応じてこの筒状体の周壁に設けた沿面距離拡張手段とを備え、絶縁ガラスは、自由表面に化学強化による圧縮応力層を有し、圧縮応力層において、アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とするガラス製スリーブが提供される。
本発明の第7の観点によれば、(1)貫通孔を設けたアルカリ金属を含有する絶縁ガラスの筒状体と、必要に応じてこの筒状体の周壁に設けた沿面距離拡張手段とを備えたガラス製スリーブを用意し、(2)このスリーブをアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、該スリーブの絶縁ガラスの自由表面のアルカリ金属イオンを塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによってスリーブの絶縁ガラスの自由表面に圧縮応力層を形成し化学強化したガラス製スリーブの製造方法が提供される。
本発明により気密端子に用いるガラス材を、外力を受けてもクラックが生じない強靭な化学強化ガラスに変化させることができ、金属外環のリード挿通孔からリード軸方向に突出させたガラス材を用いて沿面距離を安定的に確保することができるようになる。さらに、ガラスの化学強化による表面圧縮効果により、ハトメ孔など形状の制約を受けない整合封止を用いて圧縮封止と同様の圧縮効果を得ることできる。
高耐電圧対応の気密端子を供する場合、金属端子間の沿面距離を稼ぐためにセラミック製スリーブ等を被せることがある。このセラミック製スリーブをガラス製スリーブに替えることで、異物などが付着し難いより平滑なスリーブ表面を実現することができ、気密端子の耐トラッキング性を向上させることができる。また、余分にセラミック材や樹脂またはゴム材などの部材を用いないため、樹脂やゴムのインサート成形の工程も不要となり資材の低減、半導体装置等の有機材料コンタミを嫌う装置への適用や工程の簡素化ができる。
以下、本発明の気密端子について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る気密端子10は、図1に示すように鉄または鉄合金の金属外環11と、この金属外環11に挿通した鉄合金の導出リード12と、金属外環11の内壁と導出リード12とを気密に封着する絶縁ガラス13とを備え、絶縁ガラス13は、アルカリ金属を含むガラス材からなり、自由表面に化学強化による圧縮応力層14を有し、圧縮応力層14において、上記アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする。母材ガラスとなる絶縁ガラス13の自由表面から化学強化により脱離する脱離イオン種は、これとイオン交換される置換イオンよりイオン半径が小さいアルカリ金属元素であればよい。例えば、脱離イオンがリチウムイオンとナトリウムイオンとからなる場合は、よりイオン半径が大きいカリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンの群から選ばれた少なくとも1つの置換イオンと、該脱離イオンの少なくとも一方が部分的に交換された化学強化ガラスが使用できる。特にイオン半径がNa以下のアルカリ金属を含むガラス材を絶縁ガラス13に用いて、そのガラス表層部のリチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的にカリウムイオンに交換した化学強化ガラスが好適である。例えば、絶縁ガラス13には、ソーダライムガラス、ソーダバリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどの少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むガラス材が母材として使用でき、中でも特にSiO2およびAl2O3に加えて、少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むアルミノケイ酸ガラスまたはSiO2、Al2O3およびB2O3に加えて、少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むアルミノホウケイ酸ガラスが好適である。
該気密端子10は、(1)アルカリ金属を含む絶縁ガラス13を封着材に用いて、金属外環11と、この金属外環11に挿通した導出リード12とを、気密に封着した気密端子を用意し、(2)この気密端子をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、気密端子の絶縁ガラス13の自由表面のアルカリ金属イオンを塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって気密端子の絶縁ガラス13の自由表面に化学強化による圧縮応力層14を形成して得られる。化学強化に供する気密端子は、絶縁ガラス13を封着材に用いて、金属外環11と導出リード12との間を略1000℃の温度で気密に封着して組み立てられる。この気密端子をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して絶縁ガラス13の自由表面に圧縮応力層14を形成する浸漬ステップは、8時間以下の時間にわたって実施する。このとき浸漬中の塩溶融物の温度が絶縁ガラス13の徐冷点以下に温度調節され、圧縮応力層を厚さ20マイクロメートル以上になるように形成して、少なくとも500MPaの圧縮応力を発生させる。
本発明に係る気密端子20は、図2に示すように、鉄または鉄合金の金属外環21と、金属外環21に挿通した鉄合金の導出リード22と、金属外環21の内壁と導出リード22の外径とを気密に封着する絶縁ガラス23と、さらに少なくとも片側の導出リード22に挿着して金属外環21に当接したガラス製スリーブ25とを備え、絶縁ガラス23とガラス製スリーブ25とは、アルカリ金属を含むガラス材からなり、自由表面に化学強化による圧縮応力層24を有し、圧縮応力層24において、該アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする。母材ガラスとなる絶縁ガラス23およびガラス製スリーブ25の自由表面から化学強化により脱離する脱離イオン種は、これとイオン交換される置換イオンよりイオン半径が小さいアルカリ金属元素であればよい。例えば、脱離イオンがリチウムイオンとナトリウムイオンとからなる場合は、よりイオン半径が大きいカリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンの群から選ばれた少なくとも1つの置換イオンと、該脱離イオンの少なくとも一方が部分的に交換された化学強化ガラスが使用できる。特にイオン半径がNa以下のアルカリ金属を含むガラス材を絶縁ガラス23およびガラス製スリーブ25に用いて、両ガラス表層部のリチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的にカリウムイオンに交換した化学強化ガラスが好適である。例えば、絶縁ガラス23およびガラス製スリーブ25には、ソーダライムガラス、ソーダバリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどの少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むガラス材が母材として使用でき、中でも特にSiO2およびAl2O3に加えて、少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むアルミノケイ酸ガラスまたはSiO2、Al2O3およびB2O3に加えて、少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むアルミノホウケイ酸ガラスが好適である。
該スリーブ付き気密端子20は、(1)アルカリ金属を含む絶縁ガラスからなるガラス製スリーブ25を用意し、(2)これとは別にアルカリ金属を含有する絶縁ガラス23を封着材に用いて、金属外環21と、この金属外環21に挿通した導出リード22とを気密に封着した気密端子を用意し、(3)この気密端子とスリーブ25とを同時または個別にアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、気密端子の絶縁ガラス23とスリーブ25の自由表面のアルカリ金属イオンを塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって気密端子の絶縁ガラス23およびスリーブ25の自由表面に圧縮応力層24を形成し、(4)その後、気密端子の少なくとも片側の導出リード22に、化学強化したスリーブ25を挿通して、スリーブ25の一端と絶縁ガラス23の端面を含む金属外環21の板面とを固着して得られる。化学強化に供する気密端子は、絶縁ガラス23を封着材に用いて、金属外環21と導出リード22との間を略1000℃の温度で気密に封着して組み立てられる。この気密端子とガラス製スリーブ25をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して絶縁ガラス23とガラス製スリーブ25との自由表面に圧縮応力層24を形成する浸漬ステップは、8時間以下の時間にわたって実施する。このとき浸漬中の塩溶融物の温度が絶縁ガラス23およびスリーブ25の徐冷点以下に温度調節され、圧縮応力層24を厚さ20マイクロメートル以上になるように形成して、少なくとも500MPaの圧縮応力を発生させる。気密端子とガラス製スリーブ25との組み立て順序は、先にスリーブ25の一端と絶縁ガラス23の端面を含む金属外環21の板面とを固着した後、アルカリ含有塩溶融物中に一括して浸漬して露出ガラス表面を化学強化しても良い。なお、ガラス製スリーブ25の一端と絶縁ガラス23の端面を含む金属外環21の板面との固着手段は、スリーブ25と絶縁ガラス23の両ガラス材の歪点を越えない温度で、水ガラス系などの無機接着剤あるいはエポキシ系合成樹脂、アクリル系合成樹脂などの有機接着剤または低融点ガラスを用いて接着または溶着される。
上述した各気密端子の金属外環および導出リードは、アルカリ金属含有塩に対する防食性を向上させる目的で、少なくとも露出表面をNiめっき材やCrめっき材などで被覆しても良い。
本発明に係るガラス製スリーブ60は、図6に示すように、導体とその支持物とのあいだを絶縁するために用いるガラス器具であって、貫通孔67を設けた絶縁ガラス63の筒状体と、必要に応じてこの筒状体の周壁に設けた沿面距離拡張手段68とを備え、絶縁ガラス63は、アルカリ金属を含むガラス材からなり、自由表面に化学強化による圧縮応力層64を有し、圧縮応力層64において、該アルカリ金属イオンが部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンによって交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする。母材ガラスとなる絶縁ガラス63の自由表面から化学強化により脱離する脱離イオン種は、これとイオン交換される置換イオンよりイオン半径が小さいアルカリ金属元素であればよい。例えば、脱離イオンがリチウムイオンとナトリウムイオンとからなる場合は、よりイオン半径が大きいカリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンの群から選ばれた少なくとも1つの置換イオンと、該脱離イオンの少なくとも一方が部分的に交換された化学強化ガラスが使用できる。特にイオン半径がNa以下のアルカリ金属を含むガラス材を絶縁ガラス63に用いて、両ガラス表層部のリチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的にカリウムイオンに交換した化学強化ガラスが好適である。例えば、絶縁ガラス63は、ソーダライムガラス、ソーダバリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラスなどの少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むガラス材が母材として使用でき、中でも特にSiO2およびAl2O3に加えて、少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むアルミノケイ酸ガラスまたはSiO2、Al2O3およびB2O3に加えて、少なくともLi2OおよびNa2Oから選ばれた1つ以上の成分を含むアルミノホウケイ酸ガラスが好適である。
該ガラス製スリーブ60は、(1)貫通孔67を設けたアルカリ金属を含有する絶縁ガラス63の筒状体と、必要に応じてこの筒状体の周壁に設けた沿面距離拡張手段68とを備えたガラス製スリーブ60を用意し、(2)このスリーブ60をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、前記スリーブ60の絶縁ガラス63の自由表面のアルカリ金属イオンを塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによってスリーブ60の絶縁ガラス63の自由表面に圧縮応力層64を形成して得られる。化学強化に供するガラス製スリーブ60をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して絶縁ガラス63の自由表面に圧縮応力層64を形成する浸漬ステップは、8時間以下の時間にわたって実施する。このとき浸漬中の塩溶融物の温度が絶縁ガラス63の徐冷点以下に温度調節され、圧縮応力層64を厚さ20マイクロメートル以上になるように形成して、少なくとも500MPaの圧縮応力を発生させる。
本発明に係る実施例1の気密端子10は、図1に示すように外径30mm、内径7mm、厚さ5mmの冷間圧延鋼(JIS SS400相当、表面Niめっき仕上げ)の金属外環11と、金属外環11に挿通した直径2mmの鉄ニッケル合金(Fe50%,Ni50%、表面Niめっき仕上げ)の導出リード12と、金属外環11と導出リード12とを気密に封着する絶縁ガラス13とを備え、絶縁ガラス13は、SiO2、Al2O3およびB2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノホウケイ酸ガラスの自由表面に厚さ30マイクロメートルの化学強化による圧縮応力層14を有し、圧縮応力層14は絶縁ガラス13のリチウムイオンとナトリウムイオンとをカリウムイオンに交換した化学強化ガラスからなる。金属外環11と絶縁ガラス13との沿面距離は、耐トラッキング性を向上させる目的で必要に応じて拡張できる。例えば、図3または図4に示す変形例のように金属外環31、41の板面よりリード軸方向に絶縁ガラス33、43を突設するように変形してもよい。また、従来、圧縮応力をかけることができなかった絶縁ガラスの突設部36、46にも圧縮応力をかけることができるようになり、クラックの発生を防止して沿面距離を安定的に確保することができるようになる。
実施例1およびその変形例の気密端子は、次の方法で作製される。(1)SiO2、Al2O3およびB2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノホウケイ酸ガラスを絶縁ガラス13に用いて、金属外環11と、金属外環11に挿通した導出リード12とを、気密に封着した気密端子を用意し、(2)この気密端子を硝酸カリウム塩溶融物中に浸漬して、気密端子の絶縁ガラス13の自由表面のナトリウムイオンを、塩溶融物のイオン半径がより大きいカリウムイオンと交換し、それによって気密端子の絶縁ガラス13に化学強化による圧縮応力層14を形成した気密端子を得る。気密端子は、絶縁ガラス13を封着材に用いて金属外環11と導出リード12との間を950℃の温度で気密に封着して組み立てられ、次にこれを400℃に温度調節された硝酸カリウム塩溶融物中に7時間浸漬して、絶縁ガラス13の自由表面に圧縮応力層14を厚さ20マイクロメートルになるように形成して500MPaの圧縮応力を発生させる。これにより気密端子に用いる封止ガラス材を、外力を受けてもクラックが生じない強靭な化学強化ガラスとすることができる。
本発明に係る実施例2の気密端子20は、図2に示すように外径30mm、内径10mm、厚さ5mmのオーステナイト系ステンレス鋼SUS304の金属外環21と、この金属外環21に挿通した直径4mmのオーステナイト系ステンレス鋼SUS304の導出リード22と、金属外環21と導出リード22とを気密に封着する絶縁ガラス33と、さらに少なくとも片側の導出リード22に挿着して金属外環21に当接したガラス製スリーブ25とを備え、絶縁ガラス23とガラス製スリーブ25は、SiO2およびAl2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノケイ酸ガラスからなり、その自由表面に厚さ50マイクロメートルの化学強化による圧縮応力層24を有し、圧縮応力層24は絶縁ガラス33のリチウムイオンとナトリウムイオンの一部をカリウムイオンに交換した化学強化ガラスからなる。
実施例2の気密端子20は、次の方法で作製される。(1)SiO2およびAl2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノケイ酸ガラスからなるガラス製スリーブ25を用意し、(2)これとは別にSiO2およびAl2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノケイ酸ガラスからなる絶縁ガラス23を封着材に用いて、金属外環21と、この金属外環21に挿通した導出リード22とを気密に封着した気密端子を用意し、(3)該気密端子と該スリーブ25とを同時に硝酸カリウム塩溶融物中に浸漬して、気密端子の絶縁ガラス23とスリーブ25の自由表面のリチウムイオンとナトリウムイオンを塩溶融物のカリウムイオンと交換し、それによって気密端子の絶縁ガラス23およびスリーブ25の自由表面に圧縮応力層24を形成し、(4)その後、気密端子の外側の導出リード22に化学強化した該スリーブ25を挿通して、スリーブ25の一端と絶縁ガラス23の端面を含む金属外環21の板面とを固着したスリーブ付き気密端子の製造方法が提供される。化学強化に供する気密端子は、絶縁ガラス23を封着材に用いて、金属外環21と導出リード22との間を980℃の温度で気密に封着して組み立てられる。この気密端子とガラス製スリーブ25とを420℃に温度調節された硝酸カリウム塩溶融物中に8時間浸漬して絶縁ガラス23およびガラス製スリーブ25の自由表面に厚さ50マイクロメートルの圧縮応力層24形成して、600MPaの圧縮応力を発生させる。ガラス製スリーブ25の一端と絶縁ガラス23の端面を含む金属外環21の板面との固着手段は、バナジウム−リン−酸素系低融点ガラスペーストを用いて温度390℃で溶着される。
本発明に係る実施例3の気密端子50は、図5に示すように長辺23mm、短辺10mm、開口部長辺20mm、開口部短辺7mm、厚さ2.5mmのオーステナイト系ステンレス鋼SUS304の金属外環51と、金属外環51に挿通した複数の直径0.5mmのステンレス鋼SUS304の導出リード52と、金属外環51の内壁と導出リード52とを気密に封着する絶縁ガラス53とを備え、絶縁ガラス53は、SiO2およびAl2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノケイ酸ガラスからなり、その自由表面に厚さ30マイクロメートルの化学強化による圧縮応力層54を有し、圧縮応力層54は絶縁ガラス53のリチウムイオンとナトリウムイオンの一部をカリウムイオンに交換した化学強化ガラスからなる。
実施例3の気密端子50は、次の方法で作製される。(1)SiO2およびAl2O3に加えて、Li2OおよびNa2Oの成分を含むアルミノケイ酸ガラスを絶縁ガラス53に用いて、金属外環51と、この金属外環51に挿通した導出リード52とを、気密に封着した気密端子を用意し、(2)この気密端子を硝酸ナトリウムと硝酸カリウムとの混合塩溶融物中に浸漬して、気密端子の絶縁ガラス53の自由表面のリチウムイオンとナトリウムイオンを、それぞれ混合塩溶融物のイオン半径がより大きいナトリウムイオンとカリウムイオンとに交換し、それによって気密端子の絶縁ガラス53に化学強化による圧縮応力層54を形成した気密端子を得る。気密端子は、絶縁ガラス53を封着材に用いて金属外環51と導出リード52との間を980℃の温度で気密に封着して組み立てられ、次にこれを410℃に温度調節された硝酸カリウム塩溶融物中に8時間浸漬して、絶縁ガラス53の自由表面に圧縮応力層54を厚さ30マイクロメートルになるように形成して800MPaの圧縮応力を発生させる。これにより、ハトメ孔など形状の制約を受けない整合封止を用いて圧縮封止と同様の圧縮効果を得ることでき、高気密信頼性の整合封止型気密端子が可能となる。
本発明に係る実施例4のガラス製スリーブ60は、図6に示すように外径20mm、内径4.2mm、高さ25mmのガラス器具であって、貫通孔67を設けた絶縁ガラス63の筒状体と、この筒状体の外周壁を凹凸に成形して設けた沿面距離拡張手段68とを備え、絶縁ガラス63は、SiO2およびCaOに加えて、Na2Oの成分を含むソーダライムガラスからなり、その自由表面に厚さ20マイクロメートルの化学強化による圧縮応力層64を有し、圧縮応力層64は絶縁ガラス63のナトリウムイオンの一部をカリウムイオンに交換した化学強化ガラスからなる。
実施例4のガラス製スリーブ60は、次の方法で作製される。(1)SiO2およびCaOに加えて、Na2Oの成分を含むソーダライムガラスからなるガラス製スリーブを用意し、(2)このスリーブを硝酸カリウム塩溶融物中に浸漬して、絶縁ガラス63の自由表面のナトリウムイオンを、塩溶融物のイオン半径がより大きいカリウムイオンと交換し、それによってスリーブの絶縁ガラス63に化学強化による圧縮応力層64を形成して得られる。化学強化に供するガラス製スリーブ60をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して絶縁ガラス63の自由表面に圧縮応力層64を形成する浸漬ステップは、5時間の時間にわたって実施する。このとき浸漬中の硝酸カリウム塩溶融物の温度が絶縁ガラス63の徐冷点以下に温度調節され、圧縮応力層64を厚さ20マイクロメートルになるように形成して、約500MPaの圧縮応力を発生させる。
本発明は冷凍機コンプレッサ用の気密端子、各種電力用機器や二次電池などを含む電源用の気密端子に適用でき、その他、特に高電圧・高電流に耐久し、耐電圧や耐トラッキング性が要求される気密端子に利用できる。
10,20,30,40,50・・・気密端子、
11,21,31,41,51・・・金属外環、
12,22,32,42,51・・・導出リード、
13,23,33,43,53,63・・・絶縁ガラス、
14,24,34,44,54,64・・・圧縮応力層、
25、60・・・ガラス製スリーブ、 36,46・・・突設部、
67・・・貫通孔、 68・・・沿面距離拡張手段、
D・・・断面図の切断線の基点。
11,21,31,41,51・・・金属外環、
12,22,32,42,51・・・導出リード、
13,23,33,43,53,63・・・絶縁ガラス、
14,24,34,44,54,64・・・圧縮応力層、
25、60・・・ガラス製スリーブ、 36,46・・・突設部、
67・・・貫通孔、 68・・・沿面距離拡張手段、
D・・・断面図の切断線の基点。
Claims (12)
- 金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードと、前記金属外環の内壁と前記導出リードとを気密に封着するアルカリ金属を含む絶縁ガラスとを備え、前記絶縁ガラスは、自由表面に化学強化による圧縮応力層を有し、前記圧縮応力層において、アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする気密端子。
- 前記絶縁ガラスは、該圧縮応力層において、リチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的に、よりイオン半径が大きいアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の気密端子。
- 前記金属外環および前記導出リードは、少なくとも露出表面を防食めっき材で被覆したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気密端子。
- (1)アルカリ金属を含有する絶縁ガラスを封着材に用いて、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードとを、気密に封着した気密端子を用意し、(2)この気密端子をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、前記気密端子の前記絶縁ガラスの自由表面のアルカリ金属イオンを前記塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって前記絶縁ガラスの自由表面に圧縮応力層を形成し化学強化したことを特徴とする気密端子の製造方法。
- 金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードと、前記金属外環の内壁と前記導出リードとを気密に封着するアルカリ金属を含む絶縁ガラスと、さらに少なくとも片側の前記導出リードに挿着して前記絶縁ガラスを含む前記金属外環に固着したアルカリ金属を含むガラス製スリーブとを備え、前記絶縁ガラスと前記ガラス製スリーブとは、自由表面に化学強化による圧縮応力層を有し、前記圧縮応力層において、アルカリ金属イオンを部分的に、このアルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする気密端子。
- 前記絶縁ガラスと前記ガラス製スリーブとは、前記圧縮応力層において、リチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的に、よりイオン半径が大きいアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする請求項5に記載の気密端子。
- 前記金属外環および前記導出リードは、少なくとも露出表面を防食めっき材で被覆したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の気密端子。
- (1)アルカリ金属を含む絶縁ガラスからなるガラス製スリーブを用意し、(2)これとは別にアルカリ金属を含有する絶縁ガラスを封着材に用いて、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードとを気密に封着した気密端子を用意し、(3)前記気密端子と前記スリーブとを同時または個別にアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、前記絶縁ガラスと前記スリーブの自由表面のアルカリ金属イオンを前記塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって前記絶縁ガラスおよび前記スリーブの自由表面に圧縮応力層を形成し、(4)化学強化後の気密端子の少なくとも片側の前記導出リードに、化学強化した前記スリーブを挿通して、このスリーブの一端と前記絶縁ガラスの端面を含む前記金属外環の板面とを固着したことを特徴とするスリーブ付き気密端子の製造方法。
- (1)アルカリ金属を含む絶縁ガラスからなるガラス製スリーブを用意し、(2)これとは別にアルカリ金属を含有する絶縁ガラスを封着材に用いて、金属外環と、この金属外環に挿通した導出リードとを気密に封着した気密端子を用意し、(3)この気密端子の少なくとも片側の前記導出リードに、前記スリーブを挿通して、このスリーブの一端と前記絶縁ガラスの端面を含む前記金属外環の板面とを固着し、(3)前記スリーブを含む前記気密端子をアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、前記絶縁ガラスと前記スリーブの自由表面のアルカリ金属イオンを前記塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって前記絶縁ガラスおよび前記スリーブの自由表面に圧縮応力層を形成し化学強化したことを特徴とするスリーブ付き気密端子の製造方法。
- 導体とその支持物とのあいだを絶縁するために用いるガラス器具であって、貫通孔を設けたアルカリ金属を含む絶縁ガラスの筒状体と、必要に応じてこの筒状体の周壁に設けた沿面距離拡張手段とを備え、前記絶縁ガラスは、自由表面に化学強化による圧縮応力層を有し、この圧縮応力層において、アルカリ金属イオンを部分的に、前記アルカリ金属イオンよりイオン半径が大きい他のアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とするガラス製スリーブ。
- 前記ガラス製スリーブは、前記圧縮応力層において、リチウムイオンとナトリウムイオンとの少なくとも一方を部分的に、よりイオン半径が大きいアルカリ金属イオンに交換した化学強化ガラスからなることを特徴とする請求項10に記載のガラス製スリーブ。
- (1)貫通孔を設けたアルカリ金属を含有する絶縁ガラスの筒状体と、必要に応じてこの筒状体の周壁に設けた沿面距離拡張手段とを備えたガラス製スリーブを用意し、(2)このスリーブをアルカリ金属含有塩溶融物中に浸漬して、前記スリーブの前記絶縁ガラスの自由表面のアルカリ金属イオンを塩溶融物のより大きいアルカリ金属イオンと交換し、それによって前記スリーブの絶縁ガラスの自由表面に圧縮応力層を形成し化学強化したことを特徴とするガラス製スリーブの製造方法。
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JP2013200686A JP2015069732A (ja) | 2013-09-27 | 2013-09-27 | 化学強化ガラスを用いた気密端子およびその製造方法 |
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-
2013
- 2013-09-27 JP JP2013200686A patent/JP2015069732A/ja active Pending
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US10745316B2 (en) | 2016-01-12 | 2020-08-18 | Nippon Electric Glass Co., Ltd. | Sealing glass |
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