JP2015069066A - 画像形成装置 - Google Patents

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【課題】ジャム処理をする際の操作性を向上させることができる画像形成装置を提供する。【解決手段】感光体ドラム41と、側面に感光体ドラム41を外部に臨ませる開口21Bを有する装置本体21と、開口21Bを開閉可能なリアカバー23と、感光体ドラム41との間を通過する用紙に現像剤像を転写するように構成された転写ローラ45とを備えた画像形成装置であって、リアカバー23は、転写ローラ45を支持するとともに、装置本体21に対し下端部を中心に回動可能かつ装置本体21に対し上下方向に移動可能に設けられ、装置本体21は、転写ローラ45の軸45Aが係合可能であり、軸45Aが係合したときに軸45Aを上側とリアカバー23側から支持して感光体ドラム41に対する転写ローラ45の位置を決める位置決め部71と、リアカバー23を上方に向けて付勢するコイルバネ72とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関し、特にジャム処理の際の操作性を向上させた画像形成装置に関する。
従来より、トナー像が形成される感光体や、感光体に接触して回転し、感光体表面のトナー像をシートに転写する転写ローラなどを備えた電子写真方式の画像形成装置が知られている。そして、特許文献1には、下端部を中心に回動することで画像形成装置本体内部を開放する後カバーを備え、転写ローラが後カバーに支持された画像形成装置が開示されている。このような構成では、感光体と転写ローラとの間でシートが詰まった際には、後カバーを開くことで転写ローラと感光体との接触を解除できるため、シートを容易に取り除くことができるという利点がある。
特開2012−168570号公報
ところで、従来の構成では、後カバーを開く際には、まず、転写ローラを後カバーに対して下方に移動させることで画像形成装置本体内のフレームに形成された位置決め部と転写ローラの回転軸との係合を解除し、その後、後カバーを画像形成装置本体に対して回動させることで画像形成装置本体内部を開放させる必要があった。そのため、従来の構成は、詰まったシートを取り除くジャム処理をする際の操作性が良いとはいえなかった。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、ジャム処理をする際の操作性を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、現像剤像を担持可能に構成された像担持体と、像担持体を支持するとともに、側面に像担持体を外部に臨ませる開口を有する装置本体と、開口を開閉可能に設けられた開閉部材と、開口を閉じた状態の開閉部材と像担持体との間に配置され、像担持体との間を通過する記録シートに現像剤像を転写するように構成された転写ローラと、を備える。
開閉部材は、転写ローラを支持するとともに、装置本体に対し下端部を中心に回動可能かつ装置本体に対し上下方向に移動可能に設けられている。
装置本体は、転写ローラの軸が係合可能であり、軸が係合したときに軸を上側と開閉部材側から支持して像担持体に対する転写ローラの位置を決める位置決め部と、開閉部材を上方に向けて付勢する付勢部材と、を有する。
このような構成によれば、開閉部材を開く際には、開閉部材を押し下げながら回動させる操作だけで、転写ローラの軸と位置決め部との係合を解除しつつ、開口を開くことができる。これにより、ジャム処理をする際の操作性を向上させることができる。
前記した画像形成装置は、開閉部材の下端部から装置本体内に向けて延びるリンク部材を備え、リンク部材は、一端部が開閉部材の下端部を回動可能に支持し、他端部が開閉部材の回動軸と平行な軸を中心として装置本体に回動可能に支持された構成とすることができる。
これによれば、リンク部材が装置本体に対して回動することで、開閉部材をスムーズに開くことができるため、ジャム処理をする際の操作性をより向上させることができる。
前記した画像形成装置において、装置本体は、開閉部材の下に設けられる外装壁を有し、外装壁は、開閉部材と干渉しないように開閉部材の下端部の移動軌跡に倣った形状を有する構成とすることができる。
これによれば、外装壁により開閉部材の下側に隙間ができて画像形成装置の美観が損なわれるのを抑えることができる。また、外装壁が開閉部材の下端部の移動軌跡に倣った形状を有することで、画像形成装置に独特の美観を持たせることができる。
前記した画像形成装置は、装置本体に設けられた被係合部と、開閉部材に設けられ、開閉部材を閉じていく際に被係合部に当接する係合部と、を備え、被係合部および係合部の少なくとも一方は、係合部が被係合部に当接したときに係合部を下方に押し下げる傾斜面を有する構成とすることができる。
これによれば、開閉部材を閉じる際には、傾斜面により係合部が設けられた開閉部材の押し下げを補助することができるので、開閉部材を閉じやすくすることができる。これにより、ジャム処理をする際の操作性をより向上させることができる。
また、前記した画像形成装置は、装置本体に対し開閉部材の下端部を直線的に移動可能に案内するガイドを備えた構成とすることもできる。
これによれば、開閉部材を開く際に開閉部材を押し下げながら回動させる構成を省スペースな構成とすることができる。
本発明によれば、ジャム処理をする際の操作性を向上させることができる。
実施形態に係る画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの全体構成を示す図である。 第1実施形態における装置本体とリアカバーの構成を示す図である。 レーザプリンタを後側から見た図である。 リアカバーを開くときの動作を説明する図(a),(b)である。 リアカバーが開かれた状態を示す図である。 リアカバーを閉じるときの動作を説明する図(a),(b)である。 第2実施形態における装置本体とリアカバーの構成を示す図である。 図7のX矢視図である。 リアカバーを開くときの動作を説明する図(a)〜(c)である。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、方向は、画像形成装置を使用するユーザを基準とする。具体的には、ユーザから見て手前側である図1の左側を「前」とし、ユーザから見て奥側である図1の右側を「後」とし、図1の紙面手前側を「右」、紙面奥側を「左」とする。また、図1の上下方向を「上下」とする。
まず、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1は、後述する感光体ドラム41に形成されたトナー像を用紙Sに転写することで記録シートの一例としての用紙Sに画像を形成する装置であり、筐体2と、給紙部3と、画像形成部4と、排紙部5とを主に備えている。
筐体2は、感光体ドラム41などを支持する装置本体21と、フロントカバー22と、開閉部材の一例としてのリアカバー23とを主に備えて構成されている。
装置本体21は、レーザプリンタ1のフレームを構成する部材であり、前側面に後述する現像カートリッジ44を着脱するための開口21Aを有し、後側面に感光体ドラム41を外部に臨ませる開口21B(図5も参照)を有している。
フロントカバー22は、前側の開口21Aを覆うカバー(鎖線参照)であり、装置本体21に対し下端部を中心に上端部が回動可能に支持され、実線で示す開いた状態において後述する給紙トレイ31の一部を構成する。なお、筐体2は、鎖線で示す閉じた状態のフロントカバー22の内側に配置され、下端部を中心に回動することで開口21Aを開閉する第2フロントカバー24を備えている。これにより、フロントカバー22が開かれて給紙トレイ31の一部として使用されているときでも、第2フロントカバー24によって筐体2内への塵埃の侵入を抑制することができる。
リアカバー23は、後側の開口21Bを覆うカバーであり、当該開口21Bを開閉可能に設けられている。
給紙部3は、画像形成部4に用紙Sを供給する構成であり、給紙トレイ31と、給紙機構33とを主に備えている。
給紙トレイ31は、画像形成部4に供給するための用紙Sが載置されるトレイであり、筐体2内の下部に設けられた押圧板31Aと、開いた状態のフロントカバー22とにより用紙Sを載置するための台部が構成されている。押圧板31Aは、装置本体21に対し前端部を中心に後端部が上下に回動可能に支持され、押上部材31Bにより後端部が押し上げられるように構成されている。
給紙機構33は、ピックアップローラ33Aや分離ローラ33B、分離パッド33Cなどを有し、筐体2内の下部の後寄りに配置されている。この給紙機構33は、給紙トレイ31に載置された用紙Sをピックアップローラ33Aにより送り出し、分離ローラ33Bと分離パッド33Cとの間で1枚ずつ分離して画像形成部4に供給するように構成されている。
画像形成部4は、給紙された用紙Sに画像を形成する構成であり、像担持体の一例としての感光体ドラム41と、帯電ユニット42と、露光ユニット43と、現像カートリッジ44と、転写ローラ45と、定着ユニット46とを主に備えている。
感光体ドラム41は、導電性を有する円筒状のドラム本体の外周面に感光層が形成された部材であり、筐体2内の上下方向中央付近の後寄りに配置されている。この感光体ドラム41は、図1の矢印で示す方向に回転可能に設けられ、露光により形成された静電潜像にトナー(現像剤)が供給されることで現像剤像の一例としてのトナー像が形成され、当該トナー像を担持可能に構成されている。
帯電ユニット42は、コロナワイヤやグリッド電極などを有し、感光体ドラム41の上方に対向して配置されている。この帯電ユニット42は、帯電バイアスの印加により感光体ドラム41の表面を一様に帯電するように構成されている。
露光ユニット43は、感光体ドラム41の回転軸方向である左右方向に配列された図示しない複数の明滅部(発光ダイオード素子)を有し、感光体ドラム41の前斜め上方に対向して配置されている。この露光ユニット43は、明滅部が画像データに基づいて明滅することで、帯電後の感光体ドラム41の表面を露光可能に構成されている。
現像カートリッジ44は、現像ローラ44Aや供給ローラ44B、層厚規制ブレード44C、トナーを収容するトナー収容部44Dなどを有し、感光体ドラム41の前斜め下方に対向して配置されている。この現像カートリッジ44は、露光により形成された感光体ドラム41上の静電潜像にトナーを供給して感光体ドラム41上にトナー像を形成するように構成されている。なお、現像カートリッジ44は、フロントカバー22および第2フロントカバー24を開くことで開口21Aを通して筐体2に対し着脱可能に構成され、これにより交換可能となっている。
転写ローラ45は、金属製の軸45Aや当該軸の周囲に設けられた弾性を有するローラ本体45Bなどを有し(図2参照)、感光体ドラム41の後方に対向して配置されている。この転写ローラ45は、転写バイアスの印加によりトナーを引き寄せることで感光体ドラム41との間を通過する用紙Sにトナー像を転写するように構成されている。
定着ユニット46は、加熱ローラ46Aや加圧ローラ46Bなどを有し、筐体2内において感光体ドラム41の上方に配置されている。この定着ユニット46は、加熱ローラ46Aと加圧ローラ46Bとの間を通過する用紙Sに転写されたトナー像を熱定着するように構成されている。
排紙部5は、画像が形成された用紙Sを排出する構成であり、排紙ローラ51と、排紙トレイ52とを主に備えている。
排紙ローラ51は、定着ユニット46から搬出される用紙Sを筐体2外に排出するためのローラであり、筐体2内の上部に配置されている。
排紙トレイ52は、筐体2外に排出された用紙Sを載置するためのトレイであり、装置本体21の上面に形成されている。
このように構成されたレーザプリンタ1は、画像データを含む画像形成の指示が入力されると画像形成動作を実行する。具体的に、画像形成部4は、回転駆動する感光体ドラム41の表面を帯電ユニット42により帯電し、帯電後の感光体ドラム41の表面を露光ユニット43により露光して感光体ドラム41上に画像データに基づく静電潜像を形成する。その後、画像形成部4は、現像カートリッジ44により露光後の感光体ドラム41にトナーを供給して静電潜像を可視像化し、感光体ドラム41上にトナー像を形成する。
また、ここまでの適宜なタイミングにおいて、給紙部3は、給紙機構33により給紙トレイ31に載置された用紙Sを画像形成部4に供給する。そして、画像形成部4は、給紙部3から供給された用紙Sを感光体ドラム41と転写ローラ45との間で搬送することで、感光体ドラム41が担持するトナー像を用紙Sに転写する。その後、画像形成部4は、定着ユニット46により用紙Sに転写されたトナー像を熱定着する。そして、排紙部5は、排紙ローラ51によりトナー像が熱定着された用紙Sを筐体2外に排出し、排紙トレイ52上に載置する。
次に、本発明の特徴部分に係る装置本体21やリアカバー23などの詳細な構成について説明する。
図2および図3に示すように、装置本体21は、後側壁21Cの中央付近に矩形状の開口21Bを有し、リアカバー23は、開口21Bを開閉できるようにリンク部材26を介して装置本体21に支持されている。
リンク部材26は、リアカバー23の下端部の左右両側に1つずつ配置されており、リアカバー23の下端部の左右両側の位置から装置本体21内すなわち略前方に向けて延びる板状に形成されている。左右のリンク部材26は、それぞれ、一端部である後端部がリアカバー23の下端部を回動軸23Aを中心として回動可能に支持し、さらに、他端部である前端部がリアカバー23の回動軸23Aと平行な回動軸26Aを中心として装置本体21に回動可能に支持されている。
このような構成により、リアカバー23は、その上端部が装置本体21に対し下端部の回動軸23Aを中心に略前後方向に回動可能に設けられ、かつ、その全体が装置本体21に対しリンク部材26の回動軸26Aを中心に略上下方向に回動可能(移動可能)に設けられている。なお、装置本体21の後側壁21Cには、後側壁21Cと、リアカバー23の上下方向への回動に伴って上下動するリンク部材26の後端部との干渉を避けるため、開口21Bの左右の縁部から左右方向外側に向けて凹む形状を有する凹部21Dが形成されている。
リアカバー23は、転写ローラ45を回転可能に支持している。具体的に、リアカバー23は、感光体ドラム41と対向する内側面に、前方に突出して転写ローラ45のローラ本体45Bを左右から挟むように形成された左右一対のローラ支持部23Bを有している。そして、左右のローラ支持部23Bに、転写ローラ45の軸45Aを回転可能に支持する軸受45Cを係合させることで、リアカバー23は、軸受45Cを介して転写ローラ45を回転可能に支持している。
また、リアカバー23は、開口21Bを開閉するときにユーザによって把持される把持部23Cを有している。リアカバー23が開口21Bを閉じた状態のとき、把持部23Cは、外側面に設けられた凹部23Dの底面23Eの後端部から上方に延出するように設けられている。また、把持部23Cの端面23Fは、底面23Eよりも上方に位置し、後側から見て、左右方向中央が最も高くなるような凸曲面形状を有している
図2に示すように、リアカバー23が開口21Bを閉じた状態のとき、リアカバー23は、鉛直方向に対して略平行となるように配置される。また、リアカバー23が開口21Bを閉じた状態のとき、左右のリンク部材26は、水平方向に対して略平行となるように配置される。言い換えると、リアカバー23が開口21Bを閉じた状態のとき、左右のリンク部材26は、回動軸23Aと回動軸26Aが同一の水平面PL1上に位置するように配置される。また、リアカバー23が開口21Bを閉じた状態のとき、転写ローラ45は、リアカバー23と感光体ドラム41との間に配置される。
装置本体21は、位置決め部71と、付勢部材の一例としてのコイルバネ72と、外装壁73とを有している。
位置決め部71は、感光体ドラム41に対する転写ローラ45の位置を決める部材であり、装置本体21内の転写ローラ45の左右両端部に1つずつ設けられている(図2では一方のみ図示)。左右の位置決め部71は、それぞれ、側面視略L字形状に形成され、前斜め下方に向けて開口する形状の位置決め凹部71Aと、傾斜面71Bとを有している。
位置決め凹部71Aは、転写ローラ45の軸45Aが軸受45Cを介して係合可能な凹部である。この位置決め凹部71Aは、軸受45C(軸45A)が係合したときに、軸受45Cを上側から支持する水平方向に略平行な平面状の上側支持面71Cと、軸受45Cを後側(リアカバー23側)から支持する鉛直方向に略平行な平面状の後側支持面71Dとを有している。
傾斜面71Bは、位置決め部71の後端面であり、前斜め下方に向けて傾斜している。
コイルバネ72は、リアカバー23を上方に向けて付勢する部材であり、左右のリンク部材26の下側に1つずつ設けられている(図2では一方のみ図示)。このコイルバネ72は、リンク部材26と、装置本体21内のリンク部材26の下方に形成されたバネ支持壁21Eとの間で若干押し縮められた状態で配置され、リンク部材26を介してリアカバー23を上方に向けて付勢している。
転写ローラ45は、リアカバー23がコイルバネ72により上方に付勢されることで軸受45Cが上側支持面71Cに当接し、かつ、弾性を有するローラ本体45Bが若干押し潰された状態で感光体ドラム41に当接することで復元力により軸受45Cが後側支持面71Dに当接する。これにより、転写ローラ45は感光体ドラム41に対する位置が決められる。
図3に示すように、外装壁73は、装置本体21の後側壁21Cや閉じた状態のリアカバー23の外側面とともにレーザプリンタ1の後面の外装を構成する部材である。この外装壁73は、後側から見て、リアカバー23の下側に設けられている。さらに説明すれば、図2に示すように、外装壁73は、リアカバー23の下端部の前側(後ろから見て裏側)の位置からバネ支持壁21Eまで略上下方向に沿って延び、さらにバネ支持壁21Eに沿って前方に延びるように設けられている。外装壁73は、断面視において、上下方向に移動可能に設けられたリアカバー23と干渉しないように、図2に鎖線で示すリアカバー23の下端部の移動軌跡Lに倣った、回動軸26Aを中心とする円弧形状を有している。
次に、リアカバー23を開閉するときの動作について説明しながら、本実施形態のレーザプリンタ1が奏する作用効果について説明する。
図2に示す閉じた状態からリアカバー23を開くときには、リアカバー23に形成された把持部23Cを把持し、リアカバー23を図2の後斜め下方に引く。そうすると、まず、図4(a)に示すように、リアカバー23が装置本体21に対してリンク部材26の回動軸26Aを中心に下方に回動し、軸受45Cと位置決め部71との係合が解除される。
その後、図4(b)に示すように、リアカバー23が装置本体21に対して回動軸23Aを中心に後方に回動し、開口21Bが開かれていく。そして、図5に示すように、リアカバー23が完全に開かれると、リアカバー23に支持された転写ローラ45が感光体ドラム41から離間し、開口21Bから感光体ドラム41が外部に臨む状態となる。なお、リアカバー23は、図示しないストッパの当接や、回動軸23Aに設けられた図示しないトーションバネの付勢力などによって、図5に示す姿勢に維持されるように構成されている。
以上説明したレーザプリンタ1では、リアカバー23を開く際には、リアカバー23を押し下げながら回動させる操作だけで、軸受45C(軸45A)と位置決め部71との係合を解除しつつ、開口21Bを開くことができる。これにより、従来技術と比較して、感光体ドラム41と転写ローラ45との間に詰まった用紙Sを取り除くジャム処理をする際の操作性を向上させることができる。
また、図4(a)に示したように、リアカバー23が回動軸26Aを中心に下方に回動すると、リンク部材26の後端部が前端部よりも下に位置するように、回動軸23Aと回動軸26Aを通る面PL2が水平面PL1に対して傾斜した状態となる。この状態からリアカバー23が後方に引かれると、図4(b)に示したように、リアカバー23は、鉛直方向に対して後側に傾いた姿勢となる。このとき、回動軸23A(リアカバー23)には、コイルバネ72の付勢力によってリンク部材26から後斜め上方に押される方向の力が作用する。そして、この力により軸受45Cが位置決め部71の傾斜面71Bに当接すると、リアカバー23は回動軸23Aを中心に後方に回動する。このようにレーザプリンタ1では、コイルバネ72の付勢力でリアカバー23の開放が補助されるので、リアカバー23をスムーズに開くことができ、ジャム処理をする際の操作性をより向上させることができる。
一方、図5に示す開いた状態からリアカバー23を閉じるときには、リアカバー23を装置本体21に対して回動軸23Aを中心に前方に回動させる。そうすると、図6(a)に示すように、リアカバー23に支持された軸受45Cが位置決め部71の傾斜面71Bに当接する。そして、この状態からリアカバー23をさらに前方に回動させると、図6(b)に示すように、軸受45Cが傾斜面71Bに摺接しながら前斜め下方に移動していき、これに伴ってリアカバー23が装置本体21に対して回動軸26Aを中心に下方に回動し、押し下げられていく。
その後、軸受45Cが傾斜面71Bを乗り越えると、図2に示すように、コイルバネ72の付勢力によってリアカバー23が押し上げられることで、軸受45Cが位置決め部71の位置決め凹部71Aに係合し、これによって、感光体ドラム41に対する転写ローラ45の位置が決まるとともに、リアカバー23が開口21Bを閉じた状態となる。
レーザプリンタ1では、上記したとおり、リアカバー23を閉じる際には、傾斜面71Bによって軸受45Cが設けられたリアカバー23の押し下げを補助できるので、ユーザ自身がリアカバー23を押し下げる操作をしなくても、回動軸23Aを中心に回動させるだけで軸受45Cと位置決め部71を係合させてリアカバー23を閉じることができる。すなわち、レーザプリンタ1では、傾斜面71Bによってリアカバー23を閉じやすくすることができるため、リアカバー23を閉じるまでを含めた一連のジャム処理をする際の操作性をより向上させることができる。
なお、本実施形態において、軸受45Cは、開閉部材としてのリアカバー23に設けられた「係合部」の一例であり、位置決め部71は、装置本体21に設けられた「被係合部」の一例である。
また、レーザプリンタ1では、装置本体21が外装壁73を有するため、この外装壁73によりリアカバー23の下側に隙間ができてレーザプリンタ1の美観が損なわれるのを抑えることができる。また、外装壁73がリアカバー23の下端部の移動軌跡Lに倣った形状を有することで、レーザプリンタ1に独特の美観を持たせることができる。
なお、本実施形態では、リンク部材26がリアカバー23の左右両側に1つずつ、合計2つ設けられていたが、これに限定されるものではない。例えば、リンク部材は、1つであってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成要素については同一符号を付して、その説明を省略することとする。
図7に示すように、本実施形態のレーザプリンタは、第1実施形態で説明したリンク部材26の代わりに、ガイド27を備えている点が特徴である。
ガイド27は、装置本体21に対しリアカバー23の下端部を略上下方向に直線的に移動可能に案内する部材である。より詳細に、ガイド27は、図8に示すように、リアカバー23の下端部の左右両側に1つずつ設けられ、左右方向内側が開口した略U字形状のガイド壁27Aを有している。図7に戻り、ガイド壁27Aは、略上下方向に沿ってまっすぐ延び、上端部が下端部よりも後側に位置するように鉛直方向に対して後側に傾斜した状態で設けられている。
左右のガイド壁27Aは、それぞれ、カバー支持部材28をガイド壁27Aに沿って前斜め下方と後斜め上方との間を直線的に移動可能に支持している。左右のカバー支持部材28は、リアカバー23の下端部を回動軸23Aを中心として回動可能に支持している。
このような構成により、リアカバー23は、その上端部が装置本体21に対し下端部の回動軸23Aを中心に略前後方向に回動可能に設けられ、かつ、その全体が装置本体21に対しガイド27に沿って前斜め下方と後斜め上方との間を直線的に移動可能に設けられている。
カバー支持部材28とガイド27の下壁27Bと間には、付勢部材としてのコイルバネ75が若干押し縮められた状態で配置され、これによって、リアカバー23は、カバー支持部材28を介して略上方に向けて付勢されている。
装置本体21は、レーザプリンタ1の後面の外装の一部を構成する外装壁76を有している。外装壁76は、後側から見て、リアカバー23の下側に設けられている(図8も参照)。さらに言えば、外装壁76は、リアカバー23の下端部の前側の位置からガイド27の下方の位置まで略上下方向に沿って延び、さらに前方に延びるように設けられている。本実施形態の外装壁76は、断面視において、前斜め下方と後斜め上方との間を直線的に移動可能に設けられたリアカバー23と干渉しないように、リアカバー23の下端部の移動軌跡に倣って斜めに延びる平面形状を有している。
次に、本実施形態のリアカバー23を開閉するときの動作について説明する。
リアカバー23を開くときには、把持部23Cを把持し、リアカバー23を図7の後斜め下方に引く。そうすると、まず、図9(a)に示すように、カバー支持部材28がガイド27に沿って前斜め下方に移動することでリアカバー23が装置本体21に対して前斜め下方に直線的に移動し、軸受45Cと位置決め部71との係合が解除される。
その後、図9(b)に示すように、リアカバー23が装置本体21に対して回動軸23Aを中心に後方に回動し、開口21Bが開かれていく。そして、図9(c)に示すように、リアカバー23が完全に開かれると、リアカバー23に支持された転写ローラ45が感光体ドラム41から離間し、開口21Bから感光体ドラム41が外部に臨む状態となる。
なお、本実施形態では、ガイド27が後側に傾斜しているので、図9(b)に示したように、リアカバー23が押し下げられると、回動軸23A(リアカバー23)には、コイルバネ75から後斜め上方に押される方向の力が作用する。そして、この力により軸受45Cが傾斜面71Bに当接すると、前記した第1実施形態の場合と同様に、リアカバー23は回動軸23Aを中心に後方に回動することとなる。このように本実施形態においても、コイルバネ75の付勢力でリアカバー23の開放が補助されるので、リアカバー23をスムーズに開くことができる。
一方、図9(c)に示す開いた状態からリアカバー23を閉じるときには、リアカバー23を装置本体21に対して回動軸23Aを中心に前方に回動させる。そうすると、図6(a),(b)を参照して説明した場合と同様に、軸受45Cが傾斜面71Bに当接し、傾斜面71Bに摺接しながら前斜め下方に移動する。そして、これに伴ってリアカバー23が前斜め下方に直線的に移動し、押し下げられていく。その後、軸受45Cが傾斜面71Bを乗り越えて位置決め部71に係合すると、感光体ドラム41に対する転写ローラ45の位置が決まってリアカバー23が開口21Bを閉じた状態となる。
以上説明した本実施形態によれば、前記した第1実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態では、ガイド壁27A(ガイド27)が傾斜しているため、リアカバー23を開く際に、リアカバー23を下方に移動させやすくなっている。これにより、リアカバー23をスムーズに開くことができ、ジャム処理をする際の操作性をより向上させることができる。また、本実施形態では、リアカバー23を開く際にリアカバー23を押し下げながら回動させる構成をガイド27により実現しているので、第1実施形態のリンク部材26により実現する構成と比較して、省スペースな構成とすることができる。
なお、本実施形態では、ガイド27は、カバー支持部材28を介してリアカバー23の直線的な移動を案内するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、ガイドは、カバー支持部材を介さずに、直接リアカバー23の直線的な移動を案内するように構成されていてもよい。具体的には、ガイドは、リアカバー23の回動軸23Aを直線的に移動可能に支持する構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態で示した位置決め部71の構成は一例であり、前記実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、前記実施形態の位置決め部71は、転写ローラ45の軸45Aが軸受45Cを介して係合可能に構成されていたが、これに限定されず、軸受を介さずに転写ローラの軸が直接係合可能に構成されていてもよい。
前記実施形態では、付勢部材としてコイルバネ72,75(圧縮コイルバネ)を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、付勢部材は、引張コイルバネやトーションバネなどであってもよい。
前記実施形態で示した外装壁73,76の形状は一例であり、前記実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、第1実施形態の外装壁73は円弧形状を有し、第2実施形態の外装壁76は平面形状を有していたが、必ずしもリアカバー23の下端部の移動軌跡と同一形状に限定されず、移動軌跡の形状におおよそ倣う形状であってもよい。具体的には、図2を参考に説明すると、外装壁の断面形状は、円弧状の移動軌跡Lの弦に略平行な直線形状や、円弧状の移動軌跡Lに内接する多角形の一部のような形状などであってもよい。また、図7を参考に説明すると、外装壁の断面形状は、リアカバー23の下端部の直線状の移動軌跡を接線とする円弧形状や、当該円弧に内接する多角形の一部のような形状などであってもよい。
前記実施形態では、リアカバー23(開閉部材)に設けられた係合部として軸受45Cを例示し、装置本体21に設けられた被係合部として位置決め部71を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、図2を参考に説明すると、係合部として、リアカバー23の上端に形成され、リアカバー23が閉じられたときに開口21Bの上側の縁部に係合してリアカバー23を閉じた状態に維持する掛止部23Hを利用してもよい。この場合、掛止部23Hの傾斜した面を「傾斜面」として利用することができ、開口21Bの上側の縁部を「被係合部」として利用することができる。また、他の例として、掛止部とは別にフック状の部位をリアカバー23の内側面に設け、この部分を係合部として利用することもできる。なお、「傾斜面」は、前記実施形態のように被係合部(位置決め部71)のみに形成されていてもよいし、係合部のみに形成されていてもよいし、係合部と被係合部の両方に形成されていてもよい。
前記実施形態では、像担持体として感光体ドラム41を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、像担持体は、感光体ドラムから転写されたトナー像を担持可能に構成された中間転写ドラムや中間転写ベルトなどであってもよい。
前記実施形態では、開閉部材として、画像形成装置の後側のカバーであるリアカバー23を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、開閉部材は、画像形成装置の前側のカバーや左右のカバーなどであってもよい。
前記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、画像形成装置は、フラットベッドスキャナなどの原稿読取装置を備える複写機や複合機などであってもよい。
1 レーザプリンタ
21 装置本体
21B 開口
21C 後側壁
23 リアカバー
23A 回動軸
26 リンク部材
26A 回動軸
41 感光体ドラム
45 転写ローラ
45A 軸
45C 軸受
71 位置決め部
71A 位置決め凹部
71B 傾斜面
71C 上側支持面
71D 後側支持面
72 コイルバネ
73 外装壁
S 用紙

Claims (5)

  1. 現像剤像を担持可能に構成された像担持体と、
    前記像担持体を支持するとともに、側面に前記像担持体を外部に臨ませる開口を有する装置本体と、
    前記開口を開閉可能に設けられた開閉部材と、
    前記開口を閉じた状態の前記開閉部材と前記像担持体との間に配置され、前記像担持体との間を通過する記録シートに現像剤像を転写するように構成された転写ローラと、を備えた画像形成装置であって、
    前記開閉部材は、前記転写ローラを支持するとともに、前記装置本体に対し下端部を中心に回動可能かつ前記装置本体に対し上下方向に移動可能に設けられ、
    前記装置本体は、前記転写ローラの軸が係合可能であり、前記軸が係合したときに前記軸を上側と前記開閉部材側から支持して前記像担持体に対する前記転写ローラの位置を決める位置決め部と、前記開閉部材を上方に向けて付勢する付勢部材と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記開閉部材の下端部から前記装置本体内に向けて延びるリンク部材を備え、
    前記リンク部材は、一端部が前記開閉部材の下端部を回動可能に支持し、他端部が前記開閉部材の回動軸と平行な軸を中心として前記装置本体に回動可能に支持されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記装置本体は、前記開閉部材の下に設けられる外装壁を有し、
    前記外装壁は、前記開閉部材と干渉しないように前記開閉部材の下端部の移動軌跡に倣った形状を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記装置本体に設けられた被係合部と、
    前記開閉部材に設けられ、前記開閉部材を閉じていく際に前記被係合部に当接する係合部と、を備え、
    前記被係合部および前記係合部の少なくとも一方は、前記係合部が前記被係合部に当接したときに前記係合部を下方に押し下げる傾斜面を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記装置本体に対し前記開閉部材の下端部を直線的に移動可能に案内するガイドを備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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