JP2015068914A - カラーフィルター用着色組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、保存安定性が良好で、かつ耐熱性に優れる硬化膜を形成することができるカラーフィルター用着色組成物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】〔1〕ジケトピロロピロール系顔料(A)と、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する顔料分散剤(B)と、グリコールエーテル系有機溶媒(C)と、多官能モノマー(D)と、光重合開始剤(E)と、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)とを含有するカラーフィルター用着色組成物、〔2〕前記〔1〕のカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用着色組成物、及びカラーフィルター用着色組成物の製造方法に関する。
液晶表示装置に用いられるカラーフィルターは、顔料分散体に樹脂等を配合した着色組成物をガラス等の透明基板に塗布した後、露光・硬化、現像、熱硬化させるフォトリソグラフィー法等によって製造されている。ここで用いられる着色組成物は、光及び熱によって樹脂を硬化させて硬化膜を形成するものであるが、これらの刺激による顔料や樹脂の変質を防止する検討がなされている。
例えば、特許文献1には、耐熱性とコントラストの向上を目的として、ジケトピロロピロール系顔料を含む着色剤、光重合開始剤、有機溶剤、透明樹脂、N−置換マレイミド、特にシクロヘキシルマレイミドを含む透明樹脂前駆体を含む着色組成物が開示されている。
特許文献2には、耐熱性の向上を目的として、マレイミド化合物、エチレン性不飽和結合を有するモノマー、アルカリ可溶な分散樹脂、着色剤、光開始剤を含有する感光性組成物が開示されている。
特許文献3には、粘度を低下し、安定性を向上させることを目的として、着色剤、ビニルポリマー及び有機溶剤を含有し、ビニルポリマーがベンジル(メタ)アクリレート等の構成単位及びポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等の構成単位を有するポリマーである、油性インク組成物が開示されている。
特許文献4には、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性を向上させる目的として、色材、光重合性官能基を有する化合物、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するアミノ樹脂を含有するカラーフィルター用光重合成着色組成物が開示されている。
特開2010−210962号公報 特開平10−333325号公報 特開2007−45903号公報 特開2002−189296号公報
フォトリソグラフィー法を用いたカラーフィルターの製造において、用いられる着色組成物は、パターンを形成する際に現像液によって光硬化膜が基板から剥がれることのないように基板への密着性に優れる必要がある。
一方、現像後のポストベイク(焼き締め)工程中に有機顔料、特にジケトピロロピロール系顔料が、昇華、再結晶するためと考えられるが、パターン上に結晶状の異物が生じ、コントラストや輝度の低下の原因となる。この異物発生を防ぐためには、顔料表面の全面をコーティングすればよいが、コーティングに用いられる物質が顔料の分散安定性を阻害するためか、保存安定性と両立させることは難しい。そこで、保存安定性が良好で、かつポストベイク工程後の異物発生およびコントラスト低減を抑制する、いわゆる耐熱性が良好なカラーフィルター用の着色組成物が望まれている。
本発明は、保存安定性が良好で、かつ耐熱性に優れる硬化膜を形成することができるカラーフィルター用着色組成物、及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、ジケトピロロピロール系顔料を用いたカラーフィルター用の着色組成物において、特定の顔料分散剤(B)を用い、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)を共存させることにより、保存安定性と耐熱性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕 ジケトピロロピロール系顔料(A)と、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する顔料分散剤(B)と、グリコールエーテル系有機溶媒(C)と、多官能モノマー(D)と、光重合開始剤(E)と、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)とを含有するカラーフィルター用着色組成物。
〔2〕 ジケトピロロピロール系顔料(A)と、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する顔料分散剤(B)と、グリコールエーテル系有機溶媒(C)と、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)とを含有する混合物を分散して顔料分散体を得る工程(1)と、前記工程(1)で得た顔料分散体、多官能モノマー(D)、及び光重合開始剤(E)を混合する工程(2)とを有するカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
本発明によれば、保存安定性が良好で、耐熱性に優れる硬化膜を形成することができるカラーフィルター用着色組成物、及びその製造方法を提供することができる。
特に、本発明のカラーフィルター用着色組成物によれば、カラーフィルターの製造における現像後のポストベイク工程中に、ジケトピロロピロール系顔料が昇華、再結晶することで生成する結晶状の異物が生じにくくなる点で耐熱性に優れる。
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、ジケトピロロピロール系顔料(A)(以下、単に「顔料(A)」ともいう)と、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する顔料分散剤(B)(以下、単に「顔料分散剤(B)」ともいう)と、グリコールエーテル系有機溶媒(C)(以下、単に「有機溶媒(C)」ともいう)と、多官能モノマー(D)と、光重合開始剤(E)と、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)(以下、単に「芳香族化合物(F)」ともいう)とを含有する。
本発明のカラーフィルター用着色組成物が、保存安定性が良好で、耐熱性に優れる硬化膜を形成することができる理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)を含有する。当該芳香族化合物(F)はジケトピロロピロール系顔料(A)と分子構造が類似する低分子量化合物であるため、顔料表面に吸着し、配列しやすく、顔料表面を完全に覆うことが可能であると考えられる。通常、低分子量化合物は加熱によって、それ自身が揮発しやすいが、芳香族化合物(F)は露光時に架橋しやすいために、顔料表面で皮膜化し、ポストベイク時の顔料の昇華、再結晶を防止でき、耐熱性を向上できるものと考えられる。
更に本発明のカラーフィルター用着色組成物は、顔料表面や芳香族化合物(F)の窒素原子や酸素原子のような極性基部分への強い吸着性を有する顔料分散剤(B)を含み、顔料(A)の均一な分散が維持されるため、保存安定性に優れると考えられる。
以下、本発明に用いられる各成分、工程等について説明する。
[ジケトピロロピロール系顔料(A)]
本発明に用いられるジケトピロロピロール系顔料としては、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
Figure 2015068914
式(1)中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。X1及びX2は好ましくはハロゲン原子、より好ましくは塩素原子又は臭素原子であり、Y1及びY2は好ましくは水素原子である。
顔料(A)の市販品としては、BASFジャパン株式会社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「Irgaphor Red B-CF」、「Irgaphor Red BK-CF」、「Irgaphor Red BT-CF」、「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
顔料(A)は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径を、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。顔料(A)の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均値をその粒子の粒子径とし、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積を、粒子径を一辺とする立方体と近似して体積平均粒子径を求め、それを平均一次粒子径とする。
上記の顔料(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、顔料(A)と有機溶媒(C)との親和性を高め、分散安定性を高めるという観点から、顔料(A)の表面に、樹脂や高分子、顔料誘導体等により予め表面処理を施した顔料を用いることもできる。
[顔料分散剤(B)]
本発明に用いられる顔料分散剤(B)は、着色組成物の保存安定性と耐熱性を向上させる観点から、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを分子構造内に有する。
顔料分散剤(B)としては、好ましくは、−NH2、及び−NH3 +から選ばれる少なくとも1種とポリエステル鎖とを有するアミン含有ポリエステル系分散剤(B1)、ピロリドン基とポリアクリレート鎖とを有するアクリル系分散剤(B2)、並びに、ウレタン基とポリアルキレンオキシド鎖とを有するポリウレタン系分散剤(B3)から選ばれる少なくとも1種である。
<アミン含有ポリエステル系分散剤(B1)>
分散剤(B1)は、好ましくは主鎖が、ビニルアミン、アリルアミン又はエチレンイミン由来の構成単位を有し、好ましくは側鎖としてポリエステル鎖を有するグラフト型分散剤である。
分散剤(B1)は、−NH2基を有する、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン又はポリエチレンイミンと、前記−NH2基と反応しうるカルボキシ基を片末端に有するポリエステル鎖とを、中和及び脱水反応させて得られるグラフト共重合体が好適である。前記ポリエステル鎖を構成するポリエステルは、好ましくはグリコールと二塩基酸の重縮合反応、又はラクトンの開環重合によって得られる。
アミン含有ポリエステル系分散剤(B1)のアミン価は、保存安定性の観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上、更に好ましくは5mgKOH/g以上であり、また、好ましくは80mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
アミン含有ポリエステル系分散剤(B1)の酸価は、保存安定性の観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、更に好ましくは10mgKOH/g以上であり、また、好ましくは100mgKOH/g以下、より好ましくは60mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
アミン含有ポリエステル系分散剤(B1)としては、市販品として、味の素ファインテクノ社製「アジスパー」シリーズの「PB821」、「PB822」、「PB824」、「PB881」、ビックケミー・ジャパン社製「Disperbyk」シリーズの「116」、「130」、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース」シリーズの「24000」、「32000」、「33000」、「J200」、BASF社製「EFKA−4046」等が挙げられる。
<アクリル系分散剤(B2)>
分散剤(B2)は、好ましくは主鎖がピロリドン基を有するビニルモノマー(b2a)由来の構成単位を有し、側鎖にポリアクリレート鎖を有するグラフト型顔料分散剤である。
分散剤(B2)は、好ましくは、ピロリドン基を有するビニルモノマー(b2a)と、反応性官能基を有するモノマー(b2b)との主鎖共重合体に、片末端に、(b2b)成分の反応性官能基と反応しうる官能基を有するポリアクリレート(b2d)をカップリング反応させることで得られるグラフト共重合体が好適である。
ピロリドン基を有するビニルモノマー(b2a)としては、N−ビニル−2−ピロリドンが挙げられる。
反応性官能基を含有するモノマー(b2b)としては、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基を含むビニルモノマー等が挙げられる。
エポキシ基を含有するビニルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、N−グリシジル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、アリルグリシジルエーテル等のアリルエーテル類、1,2−エポキシ−5−ヘキセン等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」とは、アクリルアミド及びメタクリルアミドから選ばれる少なくとも1種を意味する。
主鎖共重合体は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記モノマーと共重合可能なその他のモノマー(b2c)を共重合させることができる。
その他のモノマー(b2c)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等のスチレン類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
モノマー(b2a)、(b2b)及び(b2c)の各々は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
主鎖共重合体中のモノマー(b2a)、(b2b)及び(b2c)由来の構成単位の含有量は、特に制限はないが、(b2a)由来の構成単位が、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下であり、(b2b)由来の構成単位が、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下であり、(b2c)由来の構成単位が、好ましくは0質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、通常80質量%以下、好ましくは75質量%以下である。
上記の成分の重合方法としては、適宜選択でき、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等が挙げられる。
主鎖共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは2,000以上、更により好ましくは4,000以上であり、また、好ましくは150,000以下、より好ましくは90,000以下、更に好ましくは60,000以下、更により好ましくは40,000以下である。
主鎖共重合体のエポキシ価は、ポリアクリレート(b2d)との反応性等の観点から、好ましくは15mgKOH/g以上、より好ましくは20mgKOH/g以上、更に好ましくは30mgKOH/g以上であり、また、好ましくは375mgKOH/g以下、より好ましくは350mgKOH/g以下、更に好ましくは300mgKOH/g以下である。主鎖共重合体の数平均分子量やエポキシ価は、モノマー(b2a)、(b2b)等の共重合条件を調節することにより所望のものを得ることができる。
ポリアクリレート(b2d)の、(b2b)成分の反応性官能基と反応しうる官能基としては、カルボキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられ、主鎖共重合体の反応性官能基の種類を考慮して、適宜選択することができる。
主鎖共重合体の反応性官能基がエポキシ基であるとき、ポリアクリレート(b2d)は、片末端にカルボキシ基を有する重合体(片末端カルボン酸型の重合体)又は片末端にアミノ基を有する重合体(片末端アミノ基型の重合体)であることが好ましい。
主鎖共重合体の反応性官能基がイソシアネート基であるとき、ポリアクリレート(b2d)は、片末端にヒドロキシル基を有する重合体(片末端ヒドロキシル基型の重合体)又は片末端にアミノ基を有する重合体(片末端アミノ基型の重合体)であることが好ましい。
片末端カルボン酸型の重合体としては、片末端にカルボキシ基を有する、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸ステアリル、又はポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等の片末端カルボン酸型のポリ(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
片末端アミノ基型の重合体としては、片末端にアミノ基を有する、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸ステアリル又はポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等の片末端アミノ基型のポリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
片末端ヒドロキシル基型の重合体としては、片末端にヒドロキシル基を有する、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸ステアリル又はポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等の片末端ヒドロキシル基型のポリ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
ポリアクリレート(b2d)には、必要に応じて、官能基を有する他のモノマーを少量共重合することもできる。
ポリアクリレート(b2d)の製造方法に特に制限はなく、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、特に溶液重合法が好ましい。片末端にカルボン酸を導入するために、4,4’−アゾビス(4−シアノ酪酸)等のカルボン酸を含む重合開始剤や、メルカプトプロピオン酸等のカルボン酸を含む連鎖移動剤を使用することが好ましく、片末端にアミノ基を導入するために、アミノエタンチオール等の連鎖移動剤、片末端にヒドロキシル基を導入するために、メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を使用することが好ましい。
反応温度は、用いる重合開始剤、溶媒の種類等により適宜選択できるが、通常50以上、100℃以下が好ましい。
ポリアクリレート(b2d)の重量平均分子量は、同様の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上、更に好ましくは2,000以上であり、また、好ましくは50,000以下、より好ましくは20,000以下、更に好ましくは10,000以下、更により好ましくは5,000以下である。
分散剤(B2)は、(b2b)成分の反応性官能基と、該反応性官能基と反応しうる官能基を有するポリアクリレート(b2d)とのカップリング反応により製造される。具体的には、分散剤(B2)は、主鎖共重合体と、該主鎖共重合体の反応性官能基と反応しうる官能基を片末端に有するポリアクリレート(b2d)とを反応させて、該(b2d)成分が、該主鎖共重合体に側鎖としてグラフト結合したグラフト共重合体を得る方法により製造されることが好ましい。
カップリング反応の際には、触媒を用いてもよい。特にエポキシ基とカルボン酸の反応の場合やイソシアネート基とヒドロキシル基の反応の場合には、触媒を添加することが好ましい。エポキシ基とカルボン酸の反応の触媒としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド等の第四級アンモニウム塩、トリエチルアミン等の第三級アミン、アルカリ金属の水酸化物、無機酸、スルホン酸、カルボン酸、固体酸、固体塩基等が挙げられる。これらの触媒の中では、第四級アンモニウム塩、第三級アミンが好ましく、第四級アンモニウムハライドがより好ましく、テトラブチルアンモニウムブロマイド等が更に好ましい。触媒の添加量については特に制限はないが、カルボン酸に対して、0.5〜200mol%が好ましい。
イソシアネート基とヒドロキシル基の反応の場合の触媒としては、ピリジンなどのアミン類やジブチルスズジラウレートなどの有機金属類が挙げられる。触媒の添加量については特に制限はないが、イソシアネート基に対して、0.05〜200mol%が好ましい。
分散剤(B2)における、全構成単位中の(b2a)成分由来の構成成分の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは65質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
分散剤(B2)の全構成単位中の(b2b)成分由来の構成成分の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
分散剤(B2)の全構成単位中の(b2c)成分由来の構成成分の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
分散剤(B2)の全構成単位中の(b2d)成分由来の構成単位の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%である。
分散剤(B2)の重量平均分子量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは5,000以上であり、また、好ましくは1,000,000以下、より好ましくは800,000以下、更に好ましくは700,000以下である。
<ポリウレタン系分散剤(B3)>
ポリウレタン系分散剤(B3)としては、例えば、水酸基を有するポリアルキレンオキサイドと、ジイソシアネート又はトリイソシアネート等のイソシアネート化合物とをウレタン化反応させることにより得られる。
前記ポリアルキレンオキサイドを構成する構成単位としては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、現像性の観点から、好ましくはプロピレンオキサイドである。前記水酸基は、反応性の観点から、前記ポリアルキレンオキサイドの片末端又は両末端に有することが好ましい。
ポリウレタン系分散剤(B3)としては、市販品として、ビックケミー・ジャパン社製「Disperbyk」シリーズの「161」、「166」、「167」、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース」シリーズの「55000」、「76500」等が挙げられる。
[グリコールエーテル系有機溶媒(C)]
本発明においては、顔料の分散性を高めるとともに、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、着色組成物の溶媒への再分散性と顔料分散体の保存安定性を高める観点から、グリコールエーテル系有機溶媒(C)が用いられる。
有機溶媒(C)の25℃での粘度は、顔料分散体を用いた硬化膜のコントラストを向上させる観点から、好ましくは0.8mPa・s以上、より好ましくは0.9mPa・s以上、更に好ましくは1.0mPa・s以上であり、また、好ましくは5.0mPa・s以下、より好ましくは4.0mPa・s以下、更に好ましくは3.5mPa・s以下である。
有機溶媒(C)のSP値は、顔料表面との適度な親和性、低表面張力、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、得られる硬化膜のコントラストを向上させる観点から、好ましくは7.5以上、より好ましくは8.0以上、更に好ましくは8.5以上であり、また、好ましくは10.5以下、より好ましくは9.5以下、更に好ましくは9.0以下である。SP値はFedorsの方法〔Robert F.Fedors, Polymer Engineering and Science, 14, 147-154 (1974)〕によって求められる。
有機溶媒(C)の沸点は、塗膜乾燥での除去の容易さと作業安全性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは120℃以上であり、また、好ましくは300℃以下、より好ましくは260℃以下、更に好ましくは200℃以下である。
有機溶媒(C)としては、顔料表面との適度な親和性、塗膜乾燥での除去の容易性、低表面張力、カラーフィルターに用いられるバインダー成分等との相溶性を高め、得られる硬化膜のコントラストを向上させる観点から、好ましくは(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート及び(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル、より好ましくは(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートである。なお、本明細書において「(ポリ)アルキレングリコール」とは、アルキレングリコール及びポリアルキレングリコールから選ばれる少なくとも1種を意味する。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートの例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点:146℃、25℃での粘度:1.1mPa・s、SP値:8.73 以下「PGMEA」ともいう)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点:247℃、25℃での粘度:3.1mPa・s、SP値:8.94 以下「BCA」ともいう)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。なかでも顔料の分散性の観点から、好ましくはPGMEA及びBCA、より好ましくはPGMEAである。
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルの例としては、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルプロピルエーテル等が挙げられる。
[多官能モノマー(D)]
多官能モノマー(D)は、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルターを製造する際に、露光部を硬化させるために用いられる。多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等)、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等が挙げられる。
[光重合開始剤(E)]
光重合開始剤(E)としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類及びポリハロゲン類から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。例えば4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]及び2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
[マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)]
本発明に用いられるマレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)は、着色組成物を硬化した後、高温条件に晒される際に顔料の昇華を防止して、硬化膜の耐熱性を向上させるために使用される。本発明に用いられる芳香族化合物(F)は、少なくとも一つの芳香環を有する。
芳香族化合物(F)としては、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N’−4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、及び2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
溶媒に対する溶解性の観点及び耐熱性を向上させ、保存安定性も向上させる観点から、好ましくはN,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、及び2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンから選ばれる少なくとも1種である。
[アルカリ可溶性樹脂]
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、フォトリソグラフィー法によりカラーフィルターを製造する際に、未露光部を現像液に溶解させるために用いられる。アルカリ可溶性樹脂としては、ネガ型レジストに一般的に用いられるものを用いることができ、アルカリ水溶液に可溶性を有するもの、すなわち、0.05質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に20℃で1質量%以上溶解するものであればよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、2,2’−オキシビス(メチレン)ビス−2−プロペノエート、スチレン、γ−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド及びN−フェニルマレイミドから選ばれる少なくとも1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の二量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも1種以上とからなる共重合体を例示することがでる。
上記の共重合体にグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマー等も例示できる。これらの中では、共重合体にグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより得られる、エチレン性不飽和結合を有するポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる観点から、好適である。このようなアルカリ可溶性樹脂の市販品としては、日本触媒株式会社製「アクリキュアー」シリーズの「AXD−RD−KA−501」、「AXD−RD−KA−502」、「AXD−BX−KA−01」及び「AXD−BX−KA−02」、東亞合成株式会社製「アロニックス」シリーズの「M6100」、「M7100」、「M8030」等を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、塗膜の硬化性の観点から、好ましくは5,000以上、より好ましくは7,000以上、更に好ましくは10,000以上であり、また、現像性の観点から、好ましくは50,000以下、より好ましくは40,000以下、更に好ましくは20,000以下である。
本発明で用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、顔料の硬化膜中での分散を維持し、コントラストを向上させる観点から、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体が好ましく用いられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、ベンジル(メタ)アクリレート及びメチル(メタ)アクリレートが好ましい。すなわち、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合体としては、好ましくはベンジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体及びメチル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体から選ばれる少なくとも1種、より好ましくはベンジルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体である。
(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の共重合割合(モル比)は、好ましくは97/3〜50/50、より好ましくは95/5〜60/40である。
[着色組成物の製造方法]
<工程(1)>
工程(1)は、顔料(A)と、顔料分散剤(B)と、有機溶媒(C)と、芳香族化合物(F)とを含有する混合物を分散して顔料分散体を得る工程である。このように、本工程で、顔料(A)と、芳香族化合物(F)とを共存させて分散させることで、耐熱性をより顕著に高めることができる。
本工程において、分散体の安定性とアルカリ現像液による現像を促進させる観点から、該混合物にアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。
工程(1)においては、顔料(A)、顔料分散剤(B)、有機溶媒(C)、及び芳香族化合物(F)を含有する混合物(以下、単に「混合物」ともいう)を、一度の分散で、目的の顔料分散体を得てもよいが、該混合物を予備分散して分散液を得て、更に本分散を行うことが、より微細で均一な顔料分散体を得る観点から好ましい。
(予備分散)
予備分散工程においては、顔料(A)と、芳香族化合物(F)と、有機溶媒(C)と、顔料分散剤(B)を含有する混合物を分散して予備分散体を得ることが好ましく、なかでも、顔料(A)と、芳香族化合物(F)と、有機溶媒(C)とを含有する混合物を分散し、その後に顔料分散剤(B)とを混合し、分散して予備分散体を得ることが好ましい。このように顔料(A)と芳香族化合物(F)とをあらかじめ混合して分散することで、耐熱性をより顕著に高めることができる。
予備分散工程における顔料分散液中の顔料(A)の割合は、良好な着色性を得る観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
予備分散工程における芳香族化合物(F)の量は、耐熱性及び保存安定性を向上させる観点から、顔料(A)に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、また、コントラスト保持率の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、更により好ましくは12質量%以下である。
予備分散工程における分散時間は、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上であり、また、好ましくは10時間以下、より好ましくは5時間以下、更に好ましくは4時間以下である。
予備分散で用いる混合分散機としては、公知の種々の分散機を用いることができる。例えば、アンカー翼等を備えた一般に用いられている混合撹拌装置、具体例としては、ウルトラタックス(IKAジャパン株式会社製)等のホモミキサー、ウルトラディスパー、デスパミル(浅田鉄工株式会社製)、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)等の高速撹拌混合装置;高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製)、ナノマイザー(吉田機械興業株式会社製)、アルティマイザー、スターバースト(スギノマシン株式会社製)等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等の高圧式分散機;ペイントシェーカー、ビーズミル、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼス社製)等のメディア式分散機等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせて使用することもできる。
これらの中では、顔料(A)を有機溶媒中に均一に混合させる観点から、ホモミキサー等の高速撹拌混合装置、ペイントシェーカーやビーズミル等のメディア式分散機がより好ましい。
メディア式分散機を用いる場合に、予備分散工程で用いるメディアの材質は、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料、及び金属等が好ましく、耐摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの直径は、メディアの除去容易性の観点から、好ましくは0.1mm以上であり、また、顔料中の凝集粒子を解砕する観点から、好ましくは0.6mm以下、より好ましくは0.5mm以下、更に好ましくは0.4mm以下である。
(本分散)
本分散は、予備分散で得られた予備分散液を分散処理する工程であり、前記予備分散工程で得られた混合物を更に微細化するために行われるが、顔料(A)を微細化する観点から、メディア式分散機を用いることが好ましく、前記の高圧式分散機を併用してもよい。
本分散工程で用いるメディアの材質は、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料及び金属等が好ましく、耐摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの直径は、メディアの除去容易性の観点から、好ましくは0.003mm以上、より好ましくは0.01mm以上であり、また、顔料(A)を微細化する観点から、好ましくは0.09mm以下、より好ましくは0.07mm以下、更に好ましくは0.06mm以下である。
本分散工程で用いるメディア式分散機としては、ペイントシェーカー、ビーズミル等が好ましく、市販のメディア式分散機としては、ウルトラ・アペックス・ミル(寿工業株式会社製)、ピコミル(浅田鉄工株式会社製)等が挙げられる。
本分散の分散時間は、顔料(A)を十分に微細化する観点から、好ましくは3時間以上、より好ましくは5時間以上であり、また、生産性の観点から、好ましくは200時間以下、より好ましくは50時間以下である。
得られるカラーフィルターの光学特性であるコントラスト比、輝度を向上させる観点から、本分散工程において得られる顔料分散体の体積中位粒径(到達粒径)が、好ましくは80nm以下、好ましくは70nm以下、更に好ましくは65nm以下であり、また、生産性の観点から、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上、更に好ましくは30nm以上である。
本分散工程の分散終了時の平均粒径(到達平均粒径)は分散機、分散時間等を調整することにより、達成することができる。
工程(1)における、顔料分散体中の顔料分散剤(B)の含有量は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、更に好ましくは3.5質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
また、工程(1)における、顔料(A)に対する顔料分散剤(B)の質量比〔顔料分散剤(B)/顔料(A)〕は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.35以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.85以下、更に好ましくは0.7以下である。
工程(1)における、有機溶媒(C)の含有量は、分散を均一に進行させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
工程(1)における、芳香族化合物(F)の含有量は、耐熱性及び保存安定性を向上させる観点から、顔料(A)に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、また、コントラスト保持率の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、更により好ましくは12質量%以下である。
工程(1)により得られる顔料分散体について以下説明する。
顔料分散液中の顔料分散剤(B)の含有量、顔料分散体中の顔料(A)の割合、顔料分散体中の有機溶媒(C)の含有量及び顔料分散体中の芳香族化合物(F)の含有量の好適な範囲は、工程(1)における好適な範囲と同様である。
顔料分散体中の顔料(A)の平均粒径は、カラーフィルター用色材として良好なコントラストを得るために、好ましくは80nm以下、より好ましくは70nm以下、更に好ましくは65nm以下であり、また、好ましくは20nm以上、より好ましくは30nm以上である。
平均粒径は実施例の方法によって測定することができる。
また、顔料分散体の粘度は、好ましくは100mPa・s(20℃)以下、より好ましくは80mPa・s(20℃)以下、更に好ましくは50mPa・s(20℃)以下であり、また、好ましくは1mPa・s(20℃)以上である。また、該粘度は、分散機の動力や、顔料(A)、顔料分散剤(B)、及び有機溶媒(C)の混合比率により調整することができる。
顔料分散体の固形分15質量%における粘度(20℃)は、カラーフィルター用色材として良好な粘度とするために、1〜200mPa・sが好ましい。
<工程(2)>
工程(2)は、前記工程(1)で得た顔料分散体、多官能モノマー(D)、及び光重合開始剤(E)を混合する工程である。本工程においては、アルカリ可溶性樹脂や溶媒を更に混合してもよい。
本工程においては、いかなる順に添加してもよく、顔料分散体に対して、アルカリ可溶性樹脂等を添加してもよいし、アルカリ可溶性樹脂等に対して、顔料分散体を添加してもよい。また混合方法は、特に制限されず、攪拌装置等によって攪拌することで着色組成物が得られる。
[カラーフィルター用着色組成物]
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、顔料(A)と、顔料分散剤(B)と、有機溶媒(C)と、多官能モノマー(D)と、光重合開始剤(E)と、芳香族化合物(F)とを含有するものである。
着色組成物中の顔料(A)の含有量は、良好な着色性を得る観点から、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。
着色組成物中の有機溶媒(C)の含有量は良好な着色性及び粘度を得る観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
着色組成物中の多官能モノマー(D)の含有量は、良好な膜硬度を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である。
着色組成物中の光重合開始剤(E)の含有量は、良好な膜硬度を得る観点から、
好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2.0質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である。
着色組成物中の芳香族化合物(F)の量は、耐熱性を向上させる観点から、顔料(A)に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、また、コントラスト保持率の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは18質量%以下、更により好ましくは12質量%以下である。
着色組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、良好な現像性と膜硬度を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは3.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。
[用途]
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、カラーフィルター製造用に用いられる。
カラーフィルターの製造方法においては、本願発明の着色組成物を基板上に塗布、光硬化、現像を行い、塗膜を得る工程(a)、前記工程(a)で得た塗膜を200〜300℃に加熱して硬化膜を得る工程(b)を有することが好ましい。
工程(a)における、塗布は、ガラス基板上にロールコーター、スリットコーター、スプレー、バーコーター、アプリケーター、スピンコーター、ディップコーター、インクジェット、スクリーン印刷で塗布することが好ましい。塗布後には、有機溶媒を乾燥させ、塗膜の平滑性やハンドリングの観点から加熱することが好ましい。加熱温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上であり、また、好ましくは140℃以下、より好ましくは90℃以下である。加熱時間は、好ましくは0.5分間以上、好ましくは1分間以上であり、また、好ましくは60分間以下、より好ましくは10分間以下である。
光硬化は、塗膜に紫外線を照射して、着色組成物中の多官能モノマーが架橋反応し、塗膜を硬化させる。光硬化は続く現像でガラス基板上にパターンを残すために行い、現像で除去する部分には紫外線を防ぐフォトマスクを載せて硬化させないことが好ましい。光硬化は、紫外線照射量が10〜100mJ/cm2まで行うことが好ましい。
現像は、光硬化後の硬化塗膜をアルカリ水溶液中に浸漬し、更に水でリンスして未硬化部分を除去する。用いるアルカリ水溶液としては、アルカリ剤の濃度が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。また、現像に用いるアルカリ剤としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の水溶液が好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液がより好ましい。
アルカリ水溶液のpHとしては10.0〜13.0が好ましい。
工程(b)は、前記工程(a)で得た塗膜を200〜300℃に加熱して硬化膜を得る工程である。工程(b)は、ポストベイク工程であり、本工程を行うことにより、硬度に優れた硬化膜を形成することができる。
硬度に優れ、耐熱性にも優れた硬化膜を得る観点から、加熱温度は、好ましくは210℃以上、より好ましくは220℃以上であり、また、好ましくは280℃以下、より好ましくは270℃以下である。
硬度に優れ、耐熱性にも優れた硬化膜を得る観点から、加熱時間は、好ましくは10分間以上、より好ましくは20分間以上であり、また、好ましくは120分間以下、より好ましくは40分間以下である。
エポキシ価、酸価、重量平均分子量、固形分の測定、顔料分散体の保存安定性、硬化膜のコントラスト比及び耐熱性の評価は以下の方法により行った。
(1)エポキシ価の測定
試料溶液に塩酸、ピリジン、フェノールフタレインを加え、クロルヒドリン化により消費された量を、試料1gに対する水酸化カリウムのmg数で表示する。
(2)酸価の測定
試料溶液にトルエン、エタノール混合溶媒、フェノールフタレインを加え、試料1gに対して中和に要する水酸化カリウムのmg数で表示する。
(3)重量平均分子量の測定
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」ともいう)を用いて、下記条件のいずれかで測定した。
<条件1>
試料をN,N−ジメチルホルムアミドで希釈し、試料の固形分濃度0.3質量%の溶液を調製し、その0.1mLを、測定溶液として用いた。N,N−ジメチルホルムアミドに、リン酸とリチウムブロマイドをそれぞれ60mmol/Lと50mmol/Lの濃度となるように溶解した液を溶離液として、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8120GPC」、検出器:示差屈折計(装置付属)、カラム:東ソー株式会社製「TSK−GEL α−M」×2本、流速:1mL/min〕により、標準物質としてポリスチレン(東ソー株式会社製:分子量 5.26×102、1.02×105、8.42×106;西尾工業株式会社製:分子量 4.0×103、3.0×104、9.0×105)を用いて測定した。
<条件2>
試料を下記溶離液で希釈し、試料の固形分濃度0.3質量%の溶液を調製し、その0.1mLを測定試料として用いた。エタノール/水(質量比3/7)に、リチウムブロマイド及び酢酸をそれぞれ50mmol/Lと1質量%の濃度となるように溶解した液を溶離液として、GPC〔装置:東ソー株式会社製「HLC−8320GPC」、検出器:示差屈折計(装置付属)、カラム:東ソー株式会社製「TSK−GEL α−M」×2本、流速:0.6mL/min〕により、標準物質としてポリエチレングリコール(東ソー株式会社製「RE−24(分子量95000)」、「RE−2(分子量26000)」、Aldrich社製「PEG10000(分子量10000)」、和光純薬製「PEG4000(分子量3000)」、「PEG1540(分子量1500)」、「PEG1000(分子量1000)」を用いて測定した。
(4)固形分の測定
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを入れ、そこに試料2gを量り採り、ガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の質量を量り、次式より得られた値を試料の固形分とした。
固形分(質量%)=[〔乾燥後の質量g−(シャーレ+ガラス棒+無水硫酸ナトリウムの質量g)〕/試料の質量g]×100
(5)保存安定性の評価
顔料分散体の粘度を、E型粘度計を用いて、測定温度20℃、測定時間1分、回転数20rpm、標準ローター(1°34′×R24)使用の条件で、粘度(1)の測定を行った。
次に、顔料分散体を容量10mLのガラス製サンプル瓶に90〜95容量%充填して密栓し、60℃恒温機中で24時間静置した後、室温まで放冷した。次いで、上記の条件で粘度(2)を測定し、次式より得られた値にて保存安定性を評価した。なお、値が100%に近いほど保存安定性が良好である。
保存安定性(%)=粘度(2)/粘度(1)×100
(6)コントラストの評価(硬化膜のコントラスト比の測定)
ガラス基板上に着色組成物をスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜に紫外線ファイバースポット照射装置(株式会社モリテックス製「MUV−202U」)を用いて60mJ/cm2まで紫外線を照射し、露光後の硬化膜基板を得た。更に230℃のクリーンオーブン内で90分間加熱してポストベイク(焼き締め)を行い、熱処理後の硬化膜基板を作製した。それぞれの硬化膜のコントラスト比をコントラスト比測定器(壺坂電機株式会社製「CT−1」)で測定した。コントラスト比の値が大きいものほど、コントラストが良好である。
また、熱処理後の硬化膜のコントラスト比の値を露光後(熱処理前)の硬化膜のコントラスト比の値で除したものをコントラスト保持率とし、百分率で示した。保持率が高いものほど、熱処理に対してもコントラストの低下が少なく、良好である。
(7)耐熱性の評価
着色組成物をガラス基板上にスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜にフォトマスクを載せ、前記紫外線ファイバースポット照射装置を用いて60mJ/cm2まで紫外線を照射し、硬化膜基板を得た。
次いで、この硬化膜基板を、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.1%水溶液中でゆっくり揺動させ、5秒刻みで水溶液から引き上げ硬化膜に画像パターンが現れたのを確認した後、基板を水シャワーでリンスし未硬化部分洗い流した。
得られた硬化膜基板を、260℃で30分間加熱した後、観察倍率500倍に調整した光学顕微鏡(レンズVH−Z500を取り付けたデジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス社製)を用いて、露光パターン上や露光パターン周辺(300μm×200μm)のガラス基板上に観察された、0.1〜15μmの顔料由来と推定される針状結晶様の異物の数を数えた。異物の数が少ないほど、耐熱性は良好である。
製造例1−1〔ポリ(メタクリル酸グリシジル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/N−ビニルピロリドン)の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、N−ビニル−2−ピロリドン(以下、「VP」ともいう)46.8g、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」ともいう)7.1g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「HEMA」ともいう)11.2g、2−メルカプトエタノール1.4g、及びエタノール90.8gを仕込み、攪拌しながら窒素置換を行った。
77℃で攪拌しながら、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、アゾ系重合開始剤「V−65」(以下、単に「V−65」ともいう))1.8gと、エタノール11.7gとを混合した溶液を加え、VP 70.0g、GMA 35.6g、HEMA 56.1g、2−メルカプトエタノール3.2g、V−65 3.0g、及びエタノール207.9gを混合した溶液を、90分かけて滴下した。次いで、GMA 28.4g、HEMA 44.9g、2−メルカプトエタノール1.4g、V−65 1.2g、及びエタノール78gを混合した溶液を、3時間かけて滴下した。
77℃で1時間攪拌し、V−65 0.3gとエタノール9gとの混合液を加えた。更に77℃で1時間攪拌し、V−65 0.3gとエタノール9gとの混合液を加えた。また更に77℃で1時間攪拌した後、冷却し、VP/GMA/HEMA共重合体のエタノール溶液を得た。溶液のエポキシ価は39mgKOH/g、固形分は42.1質量%、重量平均分子量は8900(条件1)であった。
製造例1−2〔片末端カルボン酸型ポリメタクリル酸ベンジルの合成〕
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、メタクリル酸ベンジル80g、3−メルカプトプロピオン酸3.2g、及びPGMEA 40gを仕込み、攪拌しながら窒素置換を行った。
80℃で攪拌しながら、メタクリル酸ベンジル320g、3−メルカプトプロピオン酸12.8g、PGMEA 160g、及びV−65 3.2gを混合した溶液を、3時間かけて滴下した。
80℃で1時間攪拌し、V−65 3.2g、3−メルカプトプロピオン酸1.44g、及びPGMEA 160gを加えた。更に80℃で2時間攪拌した後、冷却し、末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチル溶液を得た。溶液の酸価は12mgKOH/g、固形分は53.0質量%、重量平均分子量は3900(条件1)であった。
製造例2〔ピロリドン含有アクリル系グラフト型顔料分散剤:顔料分散剤(2)の製造〕
還流冷却器、温度計、及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、製造例1−1で得た溶液71.3g、製造例1−2で得た溶液164.7g、PGMEA 46.2g、エタノール92.2g、及びテトラブチルアンモニウムブロマイド(以下、「TBAB」ともいう)2.7gを仕込み、90℃で13時間攪拌した。冷却後、エバポレーター(バス温63℃、圧力11kPa)にてエタノールを留去し、ピロリドン含有アクリル系グラフト型分散剤溶液を得た。固形分は50.0質量%、重量平均分子量は28000(条件1)であった。また、エタノール留去前の溶液の酸価は0.2mgKOH/gであった(反応率98%)。
製造例3〔比較用分散剤(メタクリル酸/メタクリル酸ステアリル/メトキシポリエチレングリコール(9モル)メタクリレート共重合体(40/5/55質量%):顔料分散剤(4)の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、メチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう)20g、2−メルカプトエタノール0.03g、メタクリル酸(以下、「MAA」ともいう)1g、メタクリル酸ステアリル(以下、「SMA」ともいう)8g、及びメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数:9、新中村化学工業株式会社製「NKエステルM−90G」(以下、「PEGMA」ともいう))11gを仕込み、攪拌しながら十分に窒素置換した。
別途、滴下ロートに、2−メルカプトエタノール0.27g、MEK 60g、V−65 1.2g、MAA 9g、SMA 72g、及びPEGMA 99gの混合溶液を入れ、窒素置換を行い、滴下用混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、フラスコ内を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の滴下用混合溶液を3時間かけて滴下した。65℃で2時間撹拌し、V−65 0.3gと、MEK 5gとを混合した溶液を加えた。次いで65℃で2時間、更に70℃で2時間撹拌した。冷却後、エバポレーターにてMEKを留去し、MAA/SMA/PEGMA共重合体(比較用分散剤)を得た。重量平均分子量は35000(条件2)であった。
製造例4〔メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合体の合成〕
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を取り付けたセパラブルフラスコに、MAA3.6g、メタクリル酸メチル(以下「MMA」とする)36.4g、3−メルカプトプロピオン酸0.56g、及びPGMEA 40gを仕込み、フラスコ内を攪拌しながら窒素置換を行った。
フラスコ内を攪拌しながら78℃まで昇温し、MAA 14.4g、MMA 145.6g、3−メルカプトプロピオン酸2.2g、PGMEA 160g、及びV−65 2.0gを混合した溶液を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、V−65 2.0gと、PGMEA 10.0gとを混合した溶液を加えた。78℃で1時間撹拌し、V−65 1.0gと、PGMEA 10.0gとを混合した溶液を加えた。更に78℃で1時間撹拌し、PGMEA 100gを加え、冷却し、MMAとMAAとの共重合体のPGMEA溶液を得た。固形分は40.0質量%、重量平均分子量は10900(条件1)であった。
実施例1(顔料分散体及び着色組成物の製造)
<工程(1)>
顔料(A)としてC.I.ピグメントレッド254(大日精化工業株式会社製「クロモファインレッド6156EC」)15質量部、分散剤としてアミン含有ポリエステル系分散剤(味の素ファインテクノ株式会社製「アジスパーPB−821」)6質量部、製造例4で得られたMMA/MAA共重合体のPGMEA溶液(固形分40.0質量%)11.3質量部、PGMEA 116.2質量部、芳香族化合物(F)(マレイミド化合物)としてN,N’−1,3−フェニレンジマレイミド0.75質量部、及び直径0.3mmのジルコニアビーズ300質量部を、ポリ瓶に量り採り、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製、400W、460rpm)で3時間振とうした。振とうした液を金網で濾過してジルコニアビーズを除去し、予備分散体を得た。得られた予備分散体100質量部と、直径0.05mmのジルコニアビーズ200質量部とを、ポリ瓶に量り採り、前記ペイントシェーカーにて12時間振とうした。振とうした液を金網で濾過してジルコニアビーズを除去し、顔料分散体を得た。
<工程(2)>
顔料分散体6.70質量部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(アルカリ可溶性樹脂、モル比:70/30、重量平均分子量:14000、固形分40質量%のPGMEA溶液、以下「共重合体(2)」ともいう)1.03質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(多官能モノマー:日本化薬株式会社製「DPHA」)0.32質量部、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(光重合開始剤:和光純薬工業株式会社製)0.24質量部、PGMEA 1.72質量部を均一になるまで混合し、着色組成物を得た。
得られた顔料分散体又は着色組成物を用い、保存安定性、コントラスト及び耐熱性の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2〜9及び比較例1〜4(顔料分散体及び着色組成物の製造)
顔料分散体において、分散剤の種類、PGMEAの量、並びに芳香族化合物(F)の量及び種類をそれぞれ表1の記載に従って変更した以外は、実施例1と同様の方法により、顔料分散体、着色組成物を得た。得られた顔料分散体又は着色組成物を用い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2015068914
[顔料分散剤(B)]
顔料分散剤(1):アジスパーPB821[アミン含有ポリエステル系分散剤、ポリ(アリルアミン)に遊離のカルボキシル基を有するポリエステルを反応させたグラフトポリマー(アミン価10(mgKOH/g)、酸価17(mgKOH/g)、ポリエステル鎖、−NH2基、−NH3 +基が存在する。)味の素ファインテクノ株式会社製]
顔料分散剤(2):製造例2で得られた顔料分散剤
顔料分散剤(3):ソルスパース76500[ウレタン結合、及びポリアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタン系分散剤 日本ルーブリゾール社製]
顔料分散剤(4):製造例3で得られた顔料分散剤
Figure 2015068914
表2から、実施例1〜9の顔料分散体及び着色組成物は、コントラストの保持率が高く、保存安定性が良好で、ポストベイク工程後にも硬化膜基板上に異物の発生がないか非常に少ないのに対して、比較例1〜4の顔料分散体及び着色組成物は、これらのうち少なくとも1種の物性が劣る。このことから、実施例1〜9の顔料分散体及び着色組成物は、保存安定性に優れ、耐熱性に優れる硬化膜を形成することができることがわかる。

Claims (7)

  1. ジケトピロロピロール系顔料(A)と、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する顔料分散剤(B)と、グリコールエーテル系有機溶媒(C)と、多官能モノマー(D)と、光重合開始剤(E)と、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)とを含有するカラーフィルター用着色組成物。
  2. 芳香族化合物(F)がN,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、及び2,2−ビス−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のカラーフィルター用着色組成物。
  3. 芳香族化合物(F)の含有量が、ジケトピロロピロール系顔料(A)に対して、1質量%以上30質量%以下である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用着色組成物。
  4. 顔料分散剤(B)が、−NH2、及び−NH3 +から選ばれる少なくとも1種とポリエステル鎖とを有するアミン含有ポリエステル系分散剤(B1)、ピロリドン基とポリアクリレート鎖とを有するアクリル系分散剤(B2)、並びに、ウレタン基とポリアルキレンオキシド鎖とを有するポリウレタン系分散剤(B3)から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
  5. 顔料分散剤(B)が4級アンモニウム基を含まない、請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
  6. ジケトピロロピロール系顔料(A)と、−NH2、−NH3 +、ピロリドン基、及びウレタン基から選ばれる少なくとも1種と、ポリエステル鎖、ポリアクリレート鎖、及びポリアルキレンオキシド鎖から選ばれる少なくとも1種とを有する顔料分散剤(B)と、グリコールエーテル系有機溶媒(C)と、マレイミド基を2つ以上有する芳香族化合物(F)とを含有する混合物を分散して顔料分散体を得る工程(1)と、前記工程(1)で得た顔料分散体、多官能モノマー(D)、及び光重合開始剤(E)を混合する工程(2)とを有するカラーフィルター用着色組成物の製造方法。
  7. 顔料分散剤(B)が4級アンモニウム基を含まない、請求項6に記載の製造方法。
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