JP2015068485A - 真空断熱材用コア材及び真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材用コア材及び真空断熱材 Download PDF

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圭吾 宮脇
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Abstract

【課題】断熱性能に優れる真空断熱材用コア材及び真空断熱材を提供する。
【解決手段】コア材2の繊維として微細セルロースファイバーを含む。上記繊維が主体繊維とその主体繊維を結合するバインダー繊維とを含む。主体繊維としてはポリエチレンテレフタレート繊維及び/又はガラス繊維。バインダー繊維としては、低融点ポリエステル繊維。バインダー繊維としてはポリエステル製の芯材と低融点樹脂製の鞘材とからなる芯鞘複合繊維。繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量としては、0.5質量%以上5質量%以下。繊維集合体が湿式抄造法により形成される。真空断熱材1は、当該真空断熱材用コア材2と、このコア材を真空状態で封入する外包材3とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、真空断熱材用コア材及び真空断熱材に関する。
断熱材の熱伝導には固体熱伝導と気体熱伝導との2つの要素がある。このうち、気体熱伝導率を極限まで抑えたものが真空断熱材である。このような真空断熱材は、外包材内にコア材を真空状態で封入することによって得られる。この真空断熱材の断熱能力は、コア材の断熱性能に依存するところが大きい。そのため、コア材の断熱性能を向上させるために種々の検討がなされている。その一例として、繊維径を微細化する方法(例えば特開2002−310384号公報参照)、熱可塑性樹脂繊維を使用したサーマルボンド法により繊維集合体を得ることで、バインダーからのアウトガスの発生を防ぐ方法(例えば特開2008−286282号公報参照)等が挙げられる。
このように、コア材の断熱性能を向上させるために種々の検討がなされているが、従来の改善手法では、コア材の断熱性能の向上効果が十分ではなく、より高い断熱性能の高いコア材の開発が望まれている。
特開2002−310384号公報 特開2008−286282号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、断熱性能に優れる真空断熱材用コア材及び真空断熱材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、複数の繊維を含む繊維集合体を主体とする真空断熱材用コア材(以下、「コア材」ともいう)であって、上記繊維集合体が微細セルロースファイバーを含むことを特徴とする。
ここで、本発明における「微細セルロースファイバー」は、後に定義するように繊維径がナノオーダーの繊維である。このような微細セルロースファイバーを繊維集合体の繊維として含むと共に、当該コア材が繊維集合体を主体としていることで、その理由は明確ではないが、当該コア材の容積充填率及び熱伝導率を下げることができる。このように、当該コア材によれば、熱伝導率を下げること、すなわち断熱性能を高めることができる。
上記複数の繊維が主体繊維とその主体繊維を結合するバインダー繊維とを含むとよい。このようにバインダー繊維によって主体繊維が結合されることで繊維集合体の強度を高めることができると共に、主体繊維の位置を固定することができる。一方、主体繊維の結合にバインダー繊維を使用することで、非繊維状のバインダーを使用する場合に比べて、主体繊維により形成される空間をバインダーが埋めてしまうことを抑制できる。このように、当該コア材では、容積充填率が大きくなることを抑制しつつ、適度な空間を確保した状態で主体繊維を結合することができるため、優れた断熱性能を確保しつつ繊維集合体の強度を向上させることができる。
上記主体繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維及び/又はガラス繊維が好ましい。ポリエチレンテレフタレート繊維及びガラス繊維は、適度な剛性を有するため繊維集合体の強度を適切に確保できる共に主体繊維によって形成される空間を適切に維持できるため、断熱性能をより向上させることができる。
上記バインダー繊維としては、低融点ポリエステル繊維が好ましい。このようにバインダー繊維が低融点ポリエステル繊維であることで、主体繊維を溶融させることなく主体繊維同士を結合することができる。そのため、主体繊維によって形成される空間がバインダー繊維(鞘材)によって埋められることを適切に抑制できる。その結果、主体繊維を結合することに起因して容積充填率が大きくなることを抑制できる。
上記バインダー繊維としては、ポリエステル製の芯材と低融点樹脂製の鞘材とからなる芯鞘複合繊維が好ましい。このようにバインダー繊維がポリエステル製の芯材と低融点樹脂製の鞘材とからなる芯鞘複合繊維であることで、芯材を溶融させることなく低融点樹脂製の鞘材によって主体繊維を結合することができる。その結果、主体繊維によって形成される空間がバインダー繊維(鞘材)によって埋められることを適切に抑制できるため、主体繊維を結合することにより容積充填率が大きくなることをより抑制することができる。
上記繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量としては、0.5質量%以上5質量%以下が好ましい。このように繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量を0.5質量%以上5質量%以下とすることで、容積充填率及び熱伝導率をより適切に下げることができる。その結果、当該コア材の断熱性能をより適切に高めることができる。
上記繊維集合体が、湿式抄造法を利用して形成されているとよい。このように繊維集合体が湿式抄造法により形成されることで繊維集合体中に微細セルロースファイバーを含めた繊維を適切に分散させることができる。その結果、当該コア材の断熱性能をより適切に高めることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該真空断熱材用コア材と、このコア材を真空状態で封入する外包材とを備える真空断熱材である。
当該真空断熱材は、外包材に当該コア材を真空状態で封入したものであり、当該コア材が断熱性能に優れることから、断熱性能に優れたものとなる。
ここで、「微細セルロースファイバー」とは、平均繊維径が1μm以下のものをいう。すなわち、微細セルロースファイバーには、特段の指定が無い限り、繊維長がμmオーダーの高アスペクト比のものであっても、繊維長がナノオーダーである低アスペクト比のものであってもよい。すなわち、「微細セルロースファイバー」には、いわゆるセルロースナノファイバー及びセルロースナノクリスタル(針状結晶)を少なくとも含む。また、「主体」とは、含有量又は占有体積が最も多いものをいい、例えば含有量が50質量%以上又は見かけ体積に対する占有体積の50体積%以上のものをいう。
本発明によれば、断熱性能に優れる真空断熱材用コア材及び真空断熱材が提供される。
本発明の一実施形態に係る真空断熱材の模式的斜視図である。 図1のX1−X1線に沿う模式的断面図である。 図1の真空断熱材の外包材(ラミネートシート)の要部を拡大して示す模式的断面図である。 図1の真空断熱材の外包材の接合部分を拡大して示す模式的断面図である。 図1の真空断熱材の製造方法を説明するための模式的斜視図である。 実施例での熱伝導率の測定方法を説明するための模式的平面図である。
以下、本発明のラミネートシート及び真空断熱材について図面を参照しつつ詳説する。
[真空断熱材]
図1及び図2の真空断熱材1は、例えば冷蔵庫、自動販売機、ジャーポット等の保冷機器や保温機器、空調機器、建築物の断熱パネルなどとして使用されるものである。この真空断熱材1は、コア材2及び外包材3を備えている。
<コア材>
コア材2は、真空断熱材1における断熱性を確保するものである。このコア材2は、繊維集合体を主体としている。
繊維集合体としては、交流、融着又は接着によって繊維間を結合した板又は不織布がある。このうち、不織布が好ましく、繊維を厚さと直交する方向に配向させ、所定の空隙間距離を有した状態で、繊維同士を結合させた不織布がより好ましい。このような不織布であれば、繊維の固体熱伝導率による厚さ方向への伝熱を抑え、厚さと直交する方向へ熱が拡散することができ、コア材としての熱伝導率を抑え断熱性が向上する。
また、複数の不織布を積層体とすることが好ましい。積層体とすることによって、厚さと直交する方向に配向した繊維を減らし、また各不織布間において繊維の接触が減ることにより、繊維の固体熱伝導率による厚さ方向への伝熱を抑えることができ、コア材としての熱伝導率を抑え断熱性を向上できる。
不織布において、繊維の集積層であるフリースの形成方法としては、乾式法、湿式法(湿式抄造法)、スパンボンド法等があり、このうち、微細セルロールファイバーを他の繊維間に分散させて固定するには湿式法が好ましい。また、繊維同士を結合させる主な方法としては、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流絡合法があり、このうち、真空状態でガス化するバインダー成分を使用せず、繊維同士の接点が少なくても十分な強度が保てる観点から、サーマルボンド法が好ましい。
繊維集合体は、主体繊維及び微細セルロースファイバーを含んでおり、バインダー繊維を含んでいてもよく、その他の非繊維成分を含んでいてもよい。
(主体繊維)
主体繊維は、無機繊維及び有機繊維のいずれであってもよい。無機繊維としては、例えばガラス繊維、セラミック繊維等が挙げられる。有機繊維としては、例えばポリプロピレン繊維、ポリ乳酸繊維、アラミド樹脂繊維、液晶ポリマー繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維(微細セルロースファイバーを除く)等が挙げられる。これらの繊維は、単独で使用しても複数を併用してもよい。
中でも、上記主体繊維としては、ガラス繊維及びポリエチレンテレフタレート繊維が好ましく、繊維自体の熱伝導率が低いため、ポリエチレンテレフタレート繊維がより好ましい。
主体繊維としては、短繊維及び長繊維のいずれを使用してもよく、平均繊維径及び平均繊維長についても特に制限はない。主体繊維の平均繊維径としては、0.1μm以上100μm以下が好ましく、0.2μm以上50μm以下がより好ましく、0.5μm以上10μm以下がさらに好ましい。主体繊維の平均繊維長としては、0.5mm以上250mm以下が好ましく、1mm以上50mm以下がより好ましく、2mm以上10mm以下がさらに好ましい。
繊維集合体中の主体繊維の含有量としては、50質量%以上99質量%以下が好ましく、80質量%以上97.5質量%以下がより好ましく、主体繊維が無機繊維の場合は90質量%以上97.5質量%以下、有機繊維の場合は80質量%以上95質量%以下がさらに好ましい。このように繊維集合体中の主体繊維の含有量を上記範囲とすることで、コア材2の機械的強度及び断熱性を確保することができる。
(微細セルロースファイバー)
本実施形態における微細セルロースファイバーは、平均繊維径が1μm以下のものをいう。すなわち、微細セルロースファイバーには、特段の指定が無い限り、繊維長がμmオーダーの高アスペクト比のものだけでなく、繊維長がナノオーダーである低アスペクト比のものも含み、いわゆるセルロースナノファイバー及びセルロースナノクリスタル(針状結晶)を少なくとも含む。
微細セルロースファイバーは、単独で使用せず他の繊維と併用し、他の繊維間に固定させることが好ましい。
微細セルロースファイバーの平均繊維径としては、1nm以上1μm以下が好ましく、30nm以上500nm以下がより好ましく、50nm以上300nm以下がさらに好ましい。微細セルロースファイバーの平均繊維長としては、50nm以上5000μm以下が好ましく、10μm以上2000μm以下がより好ましく、100μm以上1000μm以下がさらに好ましい。微細セルロースファイバーのアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)としては、通常2以上5000000以下、50以上1000000以下が好ましくは、2000以上15000以下がより好ましく、3000以上10000以下がさらに好ましく、4000以上8000以下が特に好ましい。
微細セルロースファイバーの横断面形状(繊維の長手方向に垂直な断面形状)は、バクテリアセルロースのような異方形状(扁平形状)であってもよいが、透明性や低ヘイズなどの光学特性の点から、略等方形状が好ましい。略等方形状としては、例えば、真円形状、正多角形状などであり、略円形状の場合、短径に対する長径の比(平均アスペクト比)は、例えば、1〜2、好ましくは1〜1.5、さらに好ましくは1〜1.3(特に1〜1.2)程度である。
このような微細セルロールファイバーの市販品としては、ダイセルファインケム社の「セリッシュKY110N」や「セリッシュPC−110T」等が挙げられる。
このような微細セルロースファイバーは、例えば原料繊維を溶媒に分散させ、この分散液を、破砕型ホモバルブシートを備えたホモジナイザーでホモジナイズ処理することで調製することができる。原料繊維としては、木材繊維及び種子毛繊維等のパルプ由来の繊維が好ましい。
繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量としては、0.5質量%以上5質量%以下が好ましく、主体繊維が無機繊維の場合は0.5質量%以上2.5質量%以下、有機繊維の場合は1質量%以上5質量%以下がより好ましい。このように繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量を0.5質量%以上5質量%以下とすることで、過剰なコスト上昇を招来することなく、容積充填率及び熱伝導率をより適切に下げ、断熱性を適切に向上させることができる。すなわち、繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量が上記下限未満であると、微細セルロースファイバーを他の繊維間に固定することによる断熱性の向上効果を十分に得ることができない。一方、繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量が上記上限を超えると、微細セルロールファイバーによる接点が増えすぎて、繊維同士の固体熱伝導率が上昇し、断熱性能を損なう結果になる。また、微細セルロースファイバーが一般に高価なものであることからコスト的に不利となる。
(バインダー繊維)
バインダー繊維としては、単一繊維及び複合繊維のいずれも使用することができる。
単一繊維としては、上記主体繊維よりも融点が低い樹脂(以下「低融点樹脂」ともいう)を主成分とするものが使用される。上記主体繊維と上記低融点樹脂との融点差は、50℃以上が好ましい。このように融点差を50℃以上設けることにで、主体繊維を溶融又は軟化させることなく、バインダー繊維を選択的に溶融又は軟化させることが容易となる。これにより、主体繊維の性状に影響を与えることなく、主体繊維同士を固着することができる。
ここで、本実施形態において「主成分」とは、最も含有量が多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。以下、他の成分についても同様である。
上記低融点樹脂は、使用する上記主体繊維の融点に応じて選択すればよい。上記低融点樹脂としては、例えば融点が150℃以下のポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂としては、例えば低融点ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、低融点ポリプロピレン等が挙げられる。
複合繊維としては、例えば芯鞘複合繊維、サイドバイサイド複合繊維等を使用することができる。バインダー繊維として芯鞘複合繊維を使用する場合、芯材としては上記主体繊維と同様な高融点のものを使用することができ、鞘材としては単一繊維と同様な低融点樹脂を主成分とするものを使用することができる。また、バインダー繊維としてサイドバイサイド複合繊維を使用する場合、一方の繊維が上記主体繊維と同様な組成を有する高融点繊維、もう一方の繊維が上記単一繊維と同様な組成を有する低融点繊維とされる。
上記バインダー繊維は、平均繊維径及び平均繊維長についても特に制限はない。平均繊維径としては、0.1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下がより好ましく、5μm以上20μm以下がさらに好ましい。平均繊維長としては、0.5mm以上250mm以下が好ましく、1mm以上50mm以下がより好ましく、2mm以上10mm以下がさらに好ましい。
繊維集合体中のバインダー繊維の含有量としては、1質量%以上20質量%以下が好ましく、主体繊維が無機繊維の場合は2質量%以上10質量%以下、有機繊維の場合は5質量%以上20質量%以下がより好ましい。上記主体繊維の含有量が上記範囲を超えると、主体繊維の含有量が相対的に小さくなるため、コア材2の機械的強度及び断熱性を確保できないおそれがある。一方、上記主体繊維の含有量が上記範囲未満であると、バインダー繊維の含有量が相対的に小さくなるため、主体繊維を十分に固着することができず、コア材2の機械的強度及び断熱性を確保できないおそれがある。
(微細セルロースファイバーの固定)
この湿式抄造法による他の繊維間への微細セルロースファイバーの固定は、典型的には微細セルロースファイバーを分散させた繊維懸濁液を、抄網を用いて漉して得られる湿式複合材を乾燥させることで行うことができる。この場合の繊維懸濁液としては、例えば主体繊維とバインダー繊維等のバインダー成分とを水中に分散させたものが使用される。この繊維懸濁液は、バインダー成分を含むものであるから、湿式複合材の乾燥時の加熱又は乾燥後に加熱によりバインダー成分を溶融又は軟化させることで、主体繊維同士を結合させると共に微細セルロースファイバーを固定することができる。
また、主体繊維間へ微細セルロースファイバーを固定する他の方法として、抄網上に不織布を載置した状態で微細セルロースファイバーを分散させた繊維懸濁液を漉して不織布に微細セルロースファイバーを付着させた後、この不織布を乾燥させる方法を適用することもできる。この場合の乾燥は、不織布の一部が溶融又は軟化する温度で行うことで不織布を構成する繊維に微細セルロースファイバーを固着させてもよいし、自然乾燥等の低温乾燥によって不織布を構成する繊維に微細セルロースファイバーを固定させてもよい。
このような湿式抄造法による他の繊維間への微細セルロースファイバーの固定によって、微細セルロースファイバーは、ろ過の際に他の繊維の交点に引っ掛かる、又は繊維間に挟まれるようにして固定される。微細セルロースファイバーは、剛性が高く、潰されにくいため、コア材を真空状態で封入した際に、外包材によりコア材が押し潰されて繊維同士の接触面積が増えるのを妨げ、コア材の固体熱伝導を抑えることができる。
<外包材>
外包材3は、真空状態でコア材2を内部に封入するものである。この外包材3は、一対のラミネートシート4の周縁部を熱融着することで袋状とされている。
(ラミネートシート)
ラミネートシート4は、ガスバリア性を有するものである。このラミネートシート4は、図3に示すように積層体5、及びこの積層体5に接着された熱融着層6を備えている。
(積層体)
積層体5は、一対のガスバリアフィルム7を、第1接着剤層8を介して接着したものである。
(一対のガスバリアフィルム)
一対のガスバリアフィルム7は、樹脂フィルム70、及びこの樹脂フィルム70の一方の面70Aに積層される無機物層71を有する。一対のガスバリアフィルム7は、互いの無機物層71を対向させた状態で第1接着剤層8を介して積層されている。すなわち、積層体5は、樹脂フィルム70、無機物層71、第1接着剤層8、無機物層71及び樹脂フィルム70がこの順序で積層されたものである。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム70は、樹脂材料を主成分とするものであり、必要に応じて、公知の添加剤を含有するものであってもよい。
樹脂フィルム70の樹脂材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル;6,6−ナイロン等のポリアミド;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレン;ポリアクリロニトリルなどの汎用プラスチックが挙げられる。上記樹脂材料としては、エンジニアリングプラスチックであってもよい。エンジニアリングプラスチックとしては、例えばポリカーボネート、ポリイミド等が挙げられる。これらの樹脂材料は、単独で用いても複数を併用してもよい。
樹脂フィルム70は、延伸フィルム及び未延伸フィルムのいずれでもよいが、機械強度や寸法安定性の観点からは、二軸延伸フィルムが好ましく、さらにガスバリア性、価格面等を考慮すると,二軸延伸ポリエステルフィルムがより好ましい。
樹脂フィルム70の厚みとしては、特に限定はないが、2μm以上20μm以下が好ましく、5μm以上15μm以下がより好ましい。
(無機物層)
無機物層71は、無機物を主成分とするガスバリア性を有する層である。この無機物層71の主成分である無機物は、単体及び化合物のいずれであってもよい。
単体の無機物としては、例えば珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン等が挙げられる。これらの無機物の単体は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
化合物の無機物(以下「無機化合物」ともいう)としては、例えば単体の無機物の酸化物、炭化物、窒化物等が挙げられる。無機化合物は、単独で使用しても複数を併用してもよく、また1又は複数の単体の無機物と併用してもよい。
上記無機化合物としては、例えば珪素酸化物、珪素窒化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物等が挙げられる。これらの無機化合物は、単独で使用しても単体の無機物と併用してもよいが、高いガスバリア性が得られるという観点からは珪素酸化物を単独で使用し、又は単体の無機物と併用することが好ましい。
無機物層71の形成方法としては、特に限定はないが、蒸着法が好ましい。蒸着法によれば、ガスバリア性の高い均一な膜厚の薄膜を樹脂フィルム70上に形成することができる。蒸着法としては、物理的蒸着法及び化学的蒸着法のいずれであってもよい。物理的蒸着法としては、例えば真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられる。化学的蒸着法としては、熱CVD、光CVD、プラズマCVD、エピタキシャルCVD、アトミックレイヤーCVD等が挙げられる。
無機物層71の厚みとしては、特に限定はないが、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下がより好ましい。無機物層71の厚みが小さ過ぎると十分なガスバリア性を確保することできないおそれがある。一方、無機物層71の厚みを過剰に大きくしても、無機物層71の形成が困難となるか、膜厚を大きくすることによる製造コストの上昇に対して十分なガスバリア性の向上効果が得られないおそれがある。
(第1接着剤層)
第1接着剤層8は、エポキシ樹脂を主成分とするものである。この第1接着剤層8は、エポキシ樹脂以外に、本発明の効果(例えばガスバリア性や接着性)を損なわない範囲において他の任意成分を含んでいてもよい。ここで、本発明において「エポキシ樹脂」とは、プレポリマー(主剤)を硬化剤により架橋した硬化物をいう。このエポキシ樹脂は、ガスバリア性を有するものである。
プレポリマー(主剤)としては、グリシジルアミン部位を有する化合物及びグリシジルエーテル部位を有する化合物が好ましい。このようにプレポリマーとしてグリシジルアミン部位又はグリシジルエーテル部位を有する化合物を使用することで、第1接着剤層8におけるガスバリア性をより適切に確保することができる。
グリシジルアミン部位としては、例えばメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミン部位、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミン部位、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミン部位等が挙げられる。
グリシジルエーテル部位としては、例えばビスフェノールAから誘導されたグリシジルエーテル部位、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルエーテル部位、レゾルシノールから誘導されたグリシジルエーテル部位等が挙げられる。
例示したグリシジルアミン部位及びグリシジルエーテル部位の中でも、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位及びビスフェノールFから誘導されたグリシジルエーテル部位が好ましい。これらの部位を有するプレポリマーを架橋したエポキシ樹脂は、第1接着剤層8のガスバリア性の観点から好ましく、特にメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するプレポリマーを架橋したエポキシ樹脂が好ましい。このようにグリシジルアミン部位がメタキシリレンジアミンから誘導されたものであることで、第1接着剤層8におけるガスバリア性をさらに適切に確保することができる。
硬化剤としては、第1接着剤層8のガスバリア性の観点から、下記化合物(A)と、下記化合物(B)及び下記化合物(C)のうちの少なくとも一方の化合物との反応生成物が好ましい。このような反応生成物は、単独で使用しても複数を併用してもよい。
化合物(A):メタキシレンジアミン又はパラキシレンジアミン
化合物(B):ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成し、かつオリゴマーを形成し得る少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
化合物(C):炭素数1〜8の一価カルボン酸及びその誘導体の少なくとも一方の化合物
化合物(A)としては、メタキシレンジアミンが好ましい。
化合物(B)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等のカルボン酸、その誘導体(例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物等)が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体のように、アシル基と共役系にある炭素−炭素二重結合を有するものが好ましい。
化合物(C)としては、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸等の一価のカルボン酸、それらの誘導体(例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物等)などが挙げられる。
第1接着剤層8に含有される任意成分としては、エポキシ樹脂接着剤に含まれる公知のものを挙げることができ。このような任意成分としては、例えば硬化促進剤、フィラー、粘度調整剤、酸化防止剤等が挙げられる。
第1接着剤層8の厚みとしては、特に限定はないが、0.5μm以上15μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。第1接着剤層8の厚みが小さ過ぎると十分なガスバリア性を確保することできないおそれがある。一方、第1接着剤層8の厚みを過剰に大きくしても、膜厚を大きくすることによる製造コストの上昇に対して十分なガスバリア性の向上効果が得られないおそれがある。
(熱融着層)
熱融着層6は、加熱することでラミネートシート4同士を熱融着するものである。ここで、「熱融着層」とは、融点以上の温度で加熱されることで溶融させられて接着する層であっても、融点未満熱加熱により少なくとも一部が溶融又は軟化させられることで接着する層であってもよい。この熱融着層6は、第2接着剤層9を介して樹脂フィルム70の他方の面70Bに接着されている。すなわち、ラミネートシート4は、熱融着層6、第2接着剤層9、樹脂フィルム70、無機物層71、第1接着剤層8、無機物層71及び樹脂フィルム70がこの順序で積層されたものである。ラミネートシート4は、図2から図4に示すように外包材4の周縁部40において熱融着層6同士が熱融着により一体化している。このように熱融着層6同士が一体化することで、接合層60を形成している。
熱融着層6は、例えば樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムにより構成されている。この樹脂フィルムは、樹脂材料以外に公知の添加剤を含有していてもよい。
上記樹脂材料としては、一般のヒートシール機で溶着可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定はないが、例えば低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、無延伸ポリエチレンテレフタレート、エチレンービニルアルコール共重合体等が挙げられる。
例示した樹脂材料の中でも、熱融着層6におけるガスバリア性向上の観点から、低密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましく、エチレンービニルアルコール共重合体がより好ましい。
熱融着層6の厚みとしては、特に限定はないが、5μm以上100μm以下が好ましく、30μm以上70μm以下がより好ましい。熱融着層6の厚みが小さ過ぎると十分なガスバリア性及び熱融着性を確保できないおそれがある。一方、熱融着層6の厚みを過剰に大きくしても、真空断熱材1を構成したときに、無機物層71に覆われていない外包材3の周縁部の端(側面)からガスが透過しやすくなり、却ってガスバリア性が低下するおそれがある。
(第2接着剤層)
第2接着剤層9は、エポキシ樹脂を主成分とするものである。このエポキシ樹脂は、プレポリマー(主剤)を硬化剤により架橋した硬化物であり、ガスバリア性を有している。プレポリマー(主剤)及び硬化剤は、先に説明した第1接着剤層8のプレポリマー(主剤)及び硬化剤と同様なものであるので重複説明は省略する。また、第2接着剤層9は、第1接着剤層8と同様な任意成分を含んでいてもよい。第2接着剤層9の厚みとしては、特に限定はないが、第1接着剤層8と同様な理由から0.5μm以上15μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。
第2接着剤層9は、プレポリマー(主剤)及び硬化剤として第1接着剤層8と同様なものが使用されているためガスバリア性を有している。特に、プレポリマー(主剤)としてグリシジルアミン部位又はグリシジルエーテル部位を有する化合物を使用することで、第2接着剤層8におけるガスバリア性をより適切に確保することができ、グリシジルアミン部位がメタキシリレンジアミンから誘導された化合物を使用することで、第2接着剤層8におけるガスバリア性をさらに適切に確保することができる。
[ラミネートシートの製造方法]
ラミネートシート4は、無機物層71が対向配置された一対のガスバリアフィルム7の無機物層71の間、及び一方のガスバリアフィルム7(樹脂フィルム70)の他方の面70Bと熱融着層6との間に接着剤を介在させた状態で、ラミネート処理を行うことで形成することができる。
接着剤としては、エポキシ基を有するプレポリマー(主剤)と硬化剤との混合物が使用され、プレポリマーが硬化されたエポキシ樹脂により第1接着剤層8及び第2接着剤層9が構成される。ラミネート処理としては、例えばドライラミネーション法、ノンソルベントラミネーション法、押し出しラミネーション法等を挙げることができ、ドライラミネーション法が好ましい。
ラミネートシート4は、一対のガスバリアフィルム7と熱融着層6とを一括して積層することで形成してもよいが、一対のガスバリアフィルム7同士を接着した後に、このガスバリアフィルム7同士の接着体に熱融着層6を接着することで形成してもよい。
[真空断熱材の製造方法]
真空断熱材1の製造方法は、開口部40Aを有する三方シール袋体4Aを形成する三方シール袋体形成工程(図5(A)参照)、及びコア材封入工程(図5(B)及び図5(C)参照)を備える。
(三方シール袋体形成工程)
三方シール袋体形成工程は、一対のラミネートシート4をこれらの熱融着層が接触するように積層配置した状態で、これらのラミネートシート4の周縁部を3辺で接合することで行われる(図5(A)参照)。一対のラミネートシート4の接合は、これらのラミネートシート4の周縁部のうちの3辺を上下方向から加圧加熱して熱融着層6を溶融又は軟化させ、熱融着層6を一体化させることで行われる(図4参照)。
(コア材形成工程)
コア材1は、例えば主体繊維及びバインダー繊維を用いて湿式抄造法により作製した複数の不織布を積層することで作製することができる。不織布の厚みとしては、0.5mm〜150mmが好ましく、1mm〜10mmがより好ましい。不織布の積層枚数としては、2枚〜300枚が好ましく、2枚〜40枚がより好ましい。また、1枚の不織布をコア材として使用してもよい。
(コア材封入工程)
コア材封入工程は、三方シール袋体4Aの開口部40Aからこの三方シール袋体4Aの内部にコア材2を挿入し(図5(B)参照)、三方シール袋体4Aの内部を真空排気しつつ開口部40Aを閉塞することで行われる(図5(C)参照)。開口部40Aの閉塞は、この開口部40Aの内面を規定する熱溶着層6同士を、加圧加熱により熱融着させることで行われる。
[利点]
微細セルロースファイバーは、繊維径がナノオーダーの繊維である。このような微細セルロースファイバーを繊維集合体の繊維として含むと共に、当該コア材2が繊維集合体を主体としていることで、その理由は明確ではないが、当該コア材1の容積充填率及び熱伝導率を下げることができる。このように、当該コア材1によれば、熱伝導率を下げること、すなわち断熱性能を高めることができる。
<他の実施形態>
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、真空断熱材は、三方シール袋体にコア材を封入する方法に限らず、一対のガスバリアフィルムの間にコア材2を載置させた状態で一対のガスバリアフィルムの周縁部を接合した後に切断することで形成してもよい。また、三方シール袋体は、一枚のガスバリアフィルムを折り曲げ、折り曲げ部分に連続する一対の縁部を熱融着することで形成してもよい。
真空断熱材の平面視形状は、矩形に限らず、用途等に応じて、円形等の他の形状を採用してもよい。
ガスバリアフィルムにおける熱融着層を省略し、ガスバリアフィルムの樹脂フィルム同士を直接接合し、あるいは接着剤層を介して接合するようにしてもよい。
次に、本発明を実施例により説明する。ただし、実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
(コア材の作製)
まず、主体繊維として繊維径が7μmであるPET繊維(帝人ファイバー社の「Tepyrus TA04N」(カット長5mm、直径8μm))89.5質量部、バインダー繊維(帝人ファイバー社の「Tepyrus TA04CN」(カット長5mm、直径12μm))10.0質量部、及び平均繊維長が700μmである微細セルロースファイバー(ダイセルファインケム社の「セリッシュKY−110N」)0.5質量部を水に分散させることで繊維懸濁液を調製した。この繊維懸濁液を用い、自動送り式抄紙機で抄紙してシート状に形成した後、乾燥工程を経てロール状に巻き取られたシートロールを作製した。次に、このシートロールからシートを引き出して400mm×400mmに裁断して得られた6枚の不織布を重ね合わせることで、厚み12mmのコア材を得た。
(真空断熱材の作製)
厚みが12μmPETフィルム(東レ社の「ルミラーP60」)、厚みが15μmのナイロンフィルム(ユニチカ社の「エンブレム ON−BC」)、厚みが6μmのアルミニウム箔(昭和アルミニウム社の「片面艶消しアルミニウム」)を積層することでアルミラミネートフィルムを作製した。このようにしてアルミラミネートフィルムを2枚準備し、これらのアルミラミネートフィルムを三方シールして包材とし、この包材の内部に先に作製したコア材及びゲッター剤(サエスゲッターズ社の「COMBO3」)を充填して真空チャンバー内に配置した。次いで、真空チャンバー内を減圧することにより、包材の内部を0.1Pa程度の真空状態にした後、包材の開口部をヒートシールにより密閉することで真空断熱材を得た。
<実施例2〜8及び比較例1〜3>
コア材を形成する繊維の配合を下記表1に変更した以外は実施例1と同様とした。実施例6、実施例7、比較例2及び比較例3のガラス繊維としては、オーウェンス・コーニング社の商品名「ガラスチョップストランド」(平均繊維径10μm、平均繊維長10mm)を使用した。実施例6〜8の微細セルロースファイバーとしては、ダイセルファインケム社の「セリッシュPC−110T」(平均繊維長1300μm)を使用した。なお、表1において、「−」は、該当成分を配合していないことを意味する。
Figure 2015068485
<評価>
実施例1〜8及び比較例1〜3の真空断熱材について、容積充填率及び熱伝導性を評価した。容積充填率及び熱伝導性の評価結果は、下記表2に示した。
(容積充填率)
まず、真空断熱材にする前に、フィルム重量及びコア材重量(乾燥後)を測定した。次いで、真空断熱材の寸法を測定し、この寸法から算出される体積と、先に測定したフィルム重量及びコア材重量から密度を算出した。さらに、この密度をPETの比重(1.38)で除した値を、容積充填率とした。
但し、コア材にガラス繊維を配合した実施例6、実施例7、比較例2及び比較例3の真空断熱材については、上述のようにして算出した密度を、ガラス繊維の比重を2.54として下記式で算出される値で除した値を、容積充填率とした。
Figure 2015068485
(熱伝導率)
真空断熱材の熱伝導性は、熱伝導率計(英弘精機社の「Autoλ HC−074」)の熱流計を用いて熱伝導率を測定することで評価した。熱伝導率の測定は、図6に示すように、上記熱伝導率計の熱流計(平面視サイズが10cm×10cm)を真空断熱材の中央に配置し、真空断熱材の作製直後に平均温度24℃の環境下で行った。
Figure 2015068485
表2から分かるように、実施例1〜8の真空断熱材は、比較例1〜3の真空断熱材に比べて、容積充填率及び熱伝導率が優れていた。熱伝導率が小さくなる理由は明確ではないが、コア材が微細セルロースファイバーを含有することで、この微細セルロースファイバーが主体繊維の周囲に存在し、主体繊維同士の接点が減少する。その結果、コア材の固体熱伝導が抑えられることによるものと推定される。容積充填率が小さくなる理由は明確ではないが、コア材が微細セルロースファイバーを含有することで、この微細セルロースファイバーが主体繊維の周囲に存在し、主体繊維同士の接点が減少することで主体繊維間に形成される隙間が多くなるものと推定される。また、容積充填率が小さくなることで、コア材での隙間が多くなり、その隙間が真空となることで熱伝導率が小さくなるものと推定される。
以上のように、コア材に微細セルロースファイバーを含有させることで、容積充填率及び熱伝導率が改善されることが確認された。
本発明によれば、断熱性に優れる真空断熱材用コア材及び真空断熱材が提供される。
1 真空断熱材
2 コア材
3 外包材
4 ラミネートシート
40 周縁部
4A 三方シール袋体
40A 開口部
5 積層体
6 熱融着層
60 接合層
7 ガスバリアフィルム
70 樹脂フィルム
70A 一方の面
70B 他方の面
71 無機物層
8 第1接着剤層
9 第2接着剤層

Claims (8)

  1. 複数の繊維を含む繊維集合体を主体とする真空断熱材用コア材であって、
    上記繊維集合体が微細セルロースファイバーを含むことを特徴とする真空断熱材用コア材。
  2. 上記複数の繊維が主体繊維とその主体繊維を結合するバインダー繊維とを含む請求項1に記載の真空断熱材用コア材。
  3. 上記主体繊維が、ポリエチレンテレフタレート繊維及び/又はガラス繊維である請求項2に記載の真空断熱材用コア材。
  4. 上記バインダー繊維が、低融点ポリエステル繊維である請求項2又は請求項3に記載の真空断熱材用コア材。
  5. 上記バインダー繊維が、ポリエステル製の芯材と低融点樹脂製の鞘材とからなる芯鞘複合繊維である請求項2又請求項3に記載の真空断熱材用コア材。
  6. 上記繊維集合体中の微細セルロースファイバーの含有量が0.5質量%以上5質量%以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の真空断熱材用コア材。
  7. 上記繊維集合体が、湿式抄造法を利用して形成されている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の真空断熱材用コア材。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の真空断熱材用コア材と、
    このコア材を真空状態で封入する外包材と
    を備える真空断熱材。
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