JP2015068432A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦パッドの摺動性を安定的に向上させることができるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】ディスク回転方向に凹む凹溝45を形成するパッドガイド16Aを有する取付部材と、取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、ディスク回転方向に延びて凹溝45に摺動可能に嵌合する嵌合部67が端部に設けられ、キャリパによりディスクに押圧される摩擦パッド12と、パッドガイド16Aに設けられ、嵌合部67が摺動するパッドスプリング33とを備え、嵌合部67に、ディスク径方向の内側および外側の少なくとも一方の面55にパッドスプリング33に対向して開口する開口溝56が形成され、開口溝56には、開口溝56内に格納される弾性部材61と、弾性部材61とパッドスプリング33との間に配置される低摩擦性の樹脂部材62(当接部材)とが設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明は、ディスクブレーキに関する。
ディスクブレーキにおいては、経年的な摺動抵抗の増加によって、キャリパによる摩擦パッドの押圧を解除しても摩擦パッドがディスクから離れない、いわゆる摩擦パッドの引きずりを生じてしまうことがある。このような摩擦パッドの引きずりを抑制するため、摩擦パッドを押圧するパッドスプリングに、摩擦パッドとの接触面積を減らすようにリブを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−271064号公報
上記のディスクブレーキでは、摩擦パッドとリブとの接触面積が小さいことからこれらの間の面圧が高くなってしまう。このため、摩擦パッドとリブとの接触部分の粗さが経年的に粗くなり、結局のところ、摩擦パッドの摺動性が低下してしまう可能性がある。
したがって、本発明は、摩擦パッドの摺動性を安定的に向上させて摩擦パッドの引きずりを抑制することができるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、摩擦パッドの裏板の嵌合部のディスク径方向の内側および外側の少なくとも一方にパッドスプリングに対向して開口する開口溝が形成され、該開口溝には、該開口溝内に格納される弾性部材と、該弾性部材と前記パッドスプリングとの間に配置され裏板よりも低摩擦性を有する当接部材とが設けられる構成とした。
本発明のディスクブレーキによれば、摩擦パッドの引きずりを抑制することができる。
本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。 本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキを示す正面図である。 本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキを示す側断面図である。 本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキのパッドガイドを示す斜視図である。 本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示すもので、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 図5(a)のX−X断面図である。 本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを凹溝に支持した状態を示す断面図である。 本発明に係る第1実施形態のディスクブレーキの嵌合部の変形例を示す部分断面図である。 本発明に係る第2実施形態のディスクブレーキのパッドガイドを示す部分斜視図である。 本発明に係る第2実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを示す部分背面図である。 本発明に係る第2実施形態のディスクブレーキの摩擦パッドを凹溝に支持した状態を示す部分断面図である。
「第1実施形態」
本発明に係る第1実施形態について図1〜図8を参照して説明する。図1〜図3に示す第1実施形態のディスクブレーキ1は、自動車等の車両に取り付けられるものであり、制動対象となる図示略の車輪とともに回転するディスク10に摩擦抵抗を付与して車輪の回転を制動するものである。なお、以下においては、特に記載がなければ車両への取り付け状態をもって説明し、その際のディスク10の径方向をディスク径方向と称し、ディスク10の軸方向をディスク軸方向と称し、ディスク10の回転方向をディスク回転方向と称す。また、車両前進時のディスク10の回転方向(図2中の矢示R)の入口側をディスク回入側と称し、車両前進時のディスク10の回転方向(図2中の矢示R)の出口側をディスク回出側と称す。
図1〜図3に示すように、ディスクブレーキ1は、上記したディスク10と、このディスク10を跨いで車両の非回転部分に取り付けられる取付部材11と、ディスク10の軸方向の両側に配置されて取付部材11に支持される一対の摩擦パッド12,12と、これら摩擦パッド12,12をディスク10に押圧するキャリパ14とを備えている。
図1,図2に示すように、取付部材11は、キャリア15と一対のパッドガイド16とを有している。キャリア15は、鏡面対称の形状をなす一体成形品であり一対のディスクパス部20,20と、図2に示す取付ベース部21と、アウタビーム部22とを有している。
一対のディスクパス部20,20は、ディスク回転方向に離間して配置される。取付ベース部21は、ディスク回転方向に延在しており、ディスク10よりもその軸方向一側で一対のディスクパス部20,20を連結する。アウタビーム部22は、ディスク回転方向に延在しており、ディスク10よりもその軸方向他側で一対のディスクパス部20,20を連結する。取付ベース部21には、そのディスク回転方向の両端位置に一対の取付穴24,24が形成されており、キャリア15は、これら取付穴24,24に挿通される締結部材によって車両の非回転部分に取り付けられることになる。
キャリア15は、取付ベース部21がディスク10よりも車両の車幅方向の内側(以下、インナ側と称す)に配置される。また、キャリア15は、アウタビーム部22がディスク10よりも車両の車幅方向の外側(以下、アウタ側と称す)に配置される。そして、キャリア15は、図1に示すように、一対のディスクパス部20,20がディスク10の外径側をディスク軸方向に越えるように配置される。
図2に示すように、一対のディスクパス部20,20には、ディスク10よりアウタ側にディスク回転方向に沿って凹む凹部27,27が形成されている。ディスク回入側のディスクパス部20に形成された凹部27はディスク回出側のディスクパス部20から離れる方向に凹んでおり、ディスク回出側のディスクパス部20に形成された凹部27はディスク回入側のディスクパス部20から離れる方向に凹んでいる。つまり、アウタ側の凹部27,27は互いにディスク回転方向に沿って離れる方向に凹んでいる。一対のディスクパス部20,20には、ディスク10よりインナ側にもアウタ側の凹部27,27と同様の図示略の凹部が形成されている。
一対のパッドガイド16は、ディスク回入側のパッドガイド16Aとディスク回出側のパッドガイド16Bとは、ほぼ共通の構成を有している。パッドガイド16Aとパッドガイド16Bとで異なっているのは、パッドガイド16Aには、摩擦パッド12,12をディスク回出側に押圧する周方向付勢部46を有している点である。以下、パッドガイド16Aについて、説明する。図4に示すように、パッドガイド16Aには、一対の凹状部31,31と、これら凹状部31,31を連結する連結部32と、凹状部31,31の連結部32とは反対側に設けられた一対のパッドスプリング33,33とを有している。一対の凹状部31,31は、それぞれが、連結部32側の外板部35と連結部32とは反対側の内板部36とこれらを繋ぐ側板部37とを有している。なお、図4で示すパッドスプリング33,33は、自然状態ではなく、説明の都合上、摩擦パッド12,12を嵌合させた状態を示している。
一方のパッドスプリング33は、一方の凹状部31の内板部36の他方の凹状部31とは反対側の端部から、他方の凹状部31とは反対側に一旦延出しつつ連結部32側に折り返される折返部41と、この折返部41から一方の凹状部31内に進入して他方の凹状部31の方向に延出する付勢部42とを有している。他方のパッドスプリング33は、他方の凹状部31の内板部36の一方の凹状部31とは反対側の端部から、一方の凹状部31とは反対側に一旦延出しつつ連結部32側に折り返される折返部41と、この折返部41から他方の凹状部31内に進入して一方の凹状部31の方向に延出する付勢部42とを有している。
パッドガイド16Aの内板部36,36からは、それぞれディスク径方向に向かって延出する周方向付勢部46,46が形成されている。この周方向付勢部46,46は、摩擦パッド12,12をディスク回出側に押圧している。これにより、摩擦パッド12,12は、ディスク回出側のパッドガイド16Bにと右折するようになっており、制動開始時に摩擦パッド12,12がディスク回出側に移動することなく、ブレーキ鳴き、いわゆるパッドクロンク音を抑制することが可能となっている。なお、この周方向付勢部46,46は、ディスク回出側のパッドガイド16Bには設けられていない。
図2に示すように、一方のパッドガイド16Aがディスク回入側のディスクパス部20に取り付けられ、他方のパッドガイド16Bがディスク回入側のパッドガイド16とは向きを反対にしてディスク回出側のディスクパス部20に取り付けられている。
パッドガイド16A,16Bは、それぞれ、連結部32がディスク径方向外側に配置され、パッドスプリング33がディスク径方向内側に配置された状態とされる。そして、ディスク回入側に配置されるパッドガイド16Aは、一方の凹状部31がディスク回入側のディスクパス部20のアウタ側の凹部27に嵌合させられることになり、これにより、取付部材11にディスク回転方向に凹むディスク回入側かつアウタ側の凹溝45を形成する。このディスク回入側かつアウタ側の凹溝45は、具体的には、ディスク回入側のパッドガイド16Aのアウタ側の凹状部31の外板部35および側板部37と、この凹状部31内で延出するアウタ側のパッドスプリング33とで形成されている。ディスク回入側のパッドガイド16は、同様にして、他方の凹状部31がディスク回入側のディスクパス部20の図示略のインナ側の凹部に嵌合させられることになり、これにより、取付部材11にディスク回転方向に凹むディスク回入側かつインナ側の図示略の凹溝を形成する。
ディスク回出側に配置されるパッドガイド16Bは、一方の凹状部31がディスク回出側のディスクパス部20のアウタ側の凹部27に嵌合させられることになり、これにより、取付部材11にディスク回転方向に凹むディスク回出側かつアウタ側の凹溝45を形成する。このディスク回出側かつアウタ側の凹溝45は、具体的には、ディスク回出側のパッドガイド16Bのアウタ側の凹状部31の外板部35および側板部37と、この凹状部31内で延出するアウタ側のパッドスプリング33とで形成されている。ディスク回出側のパッドガイド16Bは、同様にして、他方の凹状部31がディスク回出側のディスクパス部20の図示略のインナ側の凹部に嵌合させられることになり、これにより、取付部材11にディスク回転方向に凹むディスク回出側かつインナ側の図示略の凹溝を形成する。
そして、一対のパッドガイド16A,16Bにより形成されるディスク回転方向に凹むアウタ側の一対の凹溝45,45にアウタ側の摩擦パッド12がディスク軸方向に移動可能となるように支持され、一対のパッドガイド16A,16Bにより形成されるディスク回転方向に凹む図示略のインナ側の一対の凹溝にインナ側の摩擦パッド12がディスク軸方向に移動可能となるように支持される。
アウタ側の摩擦パッド12とインナ側の摩擦パッド12とは、共通部品である。図5に示すように、摩擦パッド12は、鏡面対象の形状をなしており、裏板51と、裏板51に支持されるライニング52とを有している。裏板51は、ライニング52が貼着される主板部53と主板部53の幅方向(図5(a),(b)の左右方向)の両端部からこの幅方向に沿って互いに反対向きに突出する一対の耳部54,54とを有している。一対の耳部54,54は主板部53の高さ方向(図5(a)〜(c)の上下方向)の一側に寄って形成されている。
一対の耳部54,54には、それぞれの摩擦パッド12の高さ方向の両側の面55,55に開口溝56,56が形成されている。一方の開口溝56は、図6に示すように一方の面55の摩擦パッド12の厚さ方向(図6の左右方向)の中央であって、図4(a),(b)に示すように摩擦パッド12の幅方向の中間所定範囲に形成されている。一方の開口溝56は、図6に示すように、一方の面55から他方の面55側に凹んでおり、この他方の面55とは反対向きに開口している。他方の開口溝56は、図6に示すように他方の面55の摩擦パッド12の厚さ方向の中央であって、図4(a),(b)に示すように摩擦パッド12の幅方向の中間所定範囲に形成されている。他方の開口溝56は、他方の面55から一方の面55側に凹んでおり、この一方の面55とは反対向きに開口している。
図6に示すように、開口溝56,56は、それぞれが、摩擦パッド12の厚さ方向に直交する平坦な壁面部57,57と、摩擦パッド12の高さ方向に直交する平坦な底面部58とを有している。
開口溝56,56には、それぞれ、底面部58に当接するように格納される弾性部材61と、弾性部材61の底面部58とは反対側に配置される樹脂部材62とが設けられている。弾性部材61は、EPDM等のゴム等の弾性材料からなっており、一定幅の板状をなしている。樹脂部材62は、少なくとも裏板51よりも低摩擦の材料からなる当接部材となっており、PTFE等の低摩擦性の材料からなっている。樹脂部材62は、開口溝56の壁面部57,57に嵌合する幅狭部63と、開口溝56の外側に配置されて面55に当接可能な幅広部64とを有している。幅狭部63は、その幅つまり摩擦パッド12の厚さ方向の長さが、幅広部64の同方向の長さよりも短くなっている。樹脂部材62は弾性部材61に接着等で固定されており、弾性部材61が開口溝56の壁面部57,57に対して締め代をもって圧入されている。樹脂部材62は開口溝56に対し摩擦パッド12の高さ方向に移動可能となっている。なお、弾性部材61は開口溝56に圧入されているものの、所定の力で引き抜けば開口溝56からの取り外しが可能となっている。
そして、図4に示すように、一方の耳部54に一対の弾性部材61,61と一対の樹脂部材62,62とを装着して一方の嵌合部67を形成し、他方の耳部54にも一対の弾性部材61,61と一対の樹脂部材62,62とを装着して他方の嵌合部67を形成する。この状態の摩擦パッド12が、図2に示すように、一方の嵌合部67においてディスク回入側かつアウタ側の凹溝45に、他方の嵌合部67においてディスク回出側かつアウタ側の凹溝45に、それぞれ摺動可能に嵌合される。
このとき、アウタ側の摩擦パッド12のディスク回入側の嵌合部67には、図7に示すようにディスク径方向の内側および外側の両方の面55,55に開口溝56,56が形成される。これら開口溝56,56のうちのディスク径方向内側の開口溝56が、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に対向して開口し、ディスク径方向外側の開口溝56が、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35に対向して開口する。
また、このとき、アウタ側の摩擦パッド12は、ディスク回入側の嵌合部67において、ディスク径方向外側の樹脂部材62が、ディスク径方向外側の弾性部材61とディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35との間に配置される。このディスク径方向外側の樹脂部材62が、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35に当接する。また、このとき、アウタ側の摩擦パッド12は、ディスク回入側の嵌合部67において、ディスク径方向内側の樹脂部材62が、ディスク径方向内側の弾性部材61とディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42との間に配置される。このディスク径方向内側の樹脂部材62が、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に当接する。そして、これら樹脂部材62,62が、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35およびアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に挟持されてディスク回入側の嵌合部67の弾性部材61,61を圧縮変形させる。
よって、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42は、ディスク軸方向に延出して形成されてアウタ側の摩擦パッド12のディスク回入側の嵌合部67をディスク径方向外方に付勢する。アウタ側の摩擦パッド12のディスク回入側の嵌合部67には、そのディスク径方向内側の弾性部材61と、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42との間にある、そのディスク径方向内側の樹脂部材62が、ディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に当接するように配置されている。
また、アウタ側の摩擦パッド12のディスク回出側の嵌合部67においても同様に、ディスク径方向の内側および外側の両方の面55,55に開口溝56,56が形成され、これら開口溝56,56のうちのディスク径方向内側の開口溝56が、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に対向して開口し、ディスク径方向外側の開口溝56が、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35に対向して開口する。
また、このとき、アウタ側の摩擦パッド12は、ディスク回出側の嵌合部67において、ディスク径方向外側の樹脂部材62が、ディスク径方向外側の弾性部材61とディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35との間に配置される。このディスク径方向外側の樹脂部材62が、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35に当接する。また、このとき、アウタ側の摩擦パッド12は、ディスク回出側の嵌合部67において、ディスク径方向内側の樹脂部材62が、ディスク径方向内側の弾性部材61とディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42との間に配置される。このディスク径方向内側の樹脂部材62が、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に当接する。そして、これら樹脂部材62,62が、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35およびアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に挟持されてディスク回出側の嵌合部67の弾性部材61,61を圧縮変形させる。
よって、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42は、ディスク軸方向に延出して形成されてアウタ側の摩擦パッド12のディスク回出側の嵌合部67をディスク径方向外方に付勢する。アウタ側の摩擦パッド12のディスク回出側の嵌合部67には、そのディスク径方向内側の弾性部材61と、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42との間にある、そのディスク径方向内側の樹脂部材62が、ディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33の付勢部42に当接するように配置されている。
以上のようにして、図2に示すようにアウタ側の摩擦パッド12が取付部材11に支持される。この状態で、アウタ側の摩擦パッド12は、端部に設けられた一対の嵌合部67,67がディスク回転方向に延びて凹溝45,45に摺動可能に嵌合する。また、インナ側の摩擦パッド12も、同様にして取付部材11に支持される。
図1に示すように、取付部材11のキャリア15には、キャリパ14がディスク回転方向両側に設けられた一対のスライドピン68,68でディスク軸方向に摺動可能に支持されている。図3に示すように、キャリパ14は、筒部70と筒部70の一端を閉塞する底部71とを有しインナ側の摩擦パッド12のディスク10に対し反対側に開口部72を対向させる有底筒状のシリンダ部73と、このシリンダ部73の半径方向における一側からディスク10の外周部を跨いで延出するブリッジ部74と、このブリッジ部74のシリンダ部73に対し反対側からアウタ側の摩擦パッド12のディスク10に対し反対側に対向するように延出する爪部75とを有するキャリパ本体76を有している。以下、筒部70の内周面をボア77と呼ぶ。
キャリパ本体76の底部71には、ボア77の中央位置にボア77の軸線方向に沿って貫通する中央貫通穴81が形成されており、ボア77の半径方向におけるこの中央貫通穴81よりも外側位置にボア77側から所定の深さ位置までピン穴82が形成されている。このピン穴82には、円柱状の回止ピン83が嵌合固定されている。中央貫通穴81は、ボア77側の端部が他の部分より大径となる段差状をなしている。
ボア77には、最も底部71側に一定径の底穴84が形成されており、この底穴84の開口部72側に底穴84よりも大径の中径穴85が同軸状に形成されている。中径穴85の軸方向中間位置には、中径穴85よりも大径の円環状の係合溝86が同軸状に形成されている。
また、ボア77には、中径穴85よりも開口部72側に、中径穴85よりも大径の大径穴87が同軸状に形成されており、この大径穴87よりも開口部72側に、大径穴87よりも小径で中径穴85よりも大径の摺動穴88が形成されている。さらに、ボア77には、この摺動穴88の開口部72側の端部近傍に、摺動穴88よりも大径の円環状のシール溝89が同軸状に形成されており、このシール溝89よりも開口部72側に、摺動穴88よりも大径の円環状のブーツ溝90が同軸状に形成されている。
また、キャリパ14は、有蓋筒状に形成されて蓋側を摩擦パッド12側に向けてシリンダ部73内の摺動穴88に摺動可能に挿入されるピストン95と、シリンダ部73のシール溝89に保持されて、ピストン95とボア77との隙間をシールする円環状のピストンシール96と、一端がシリンダ部73のブーツ溝90に嵌合され、他端がピストン95の外周部に嵌合された伸縮可能なブーツ97とを有している。
キャリパ14は、シリンダ部73とピストン95との間に導入されるブレーキ液圧によって、ピストン95をシリンダ部73の摺動穴88内で摺動させてシリンダ部73からインナ側の摩擦パッド12の方向に突出させる。これによって、ピストン95と爪部75とで一対の摩擦パッド12,12を両側から押圧することになり、円板状のディスク10にこれら摩擦パッド12,12を押圧する(後述)。
ピストン95は、ブレーキペダルへの踏み込み操作による通常制動時には、図示せぬマスタシリンダからシリンダ部73内に導入されるブレーキ液圧でシリンダ部73から爪部75の方向に突出させられることにより一対の摩擦パッド12,12をディスク10に押圧させて制動力を発生させるものであるが、シリンダ部73内には、ピストン95をこのようなブレーキ液圧ではなく機械的に推進することにより一対の摩擦パッド12,12をディスク10に押圧させて制動力を発生させる推進機構101が配置されている。推進機構101は、シリンダ部73内に形成された係合溝86に係合される係止部材103およびスペーサ104によって、シリンダ部73内に係止される。
推進機構101は、底部71の中央貫通穴81から一部を外側に突出させてキャリパ本体76のシリンダ部73内に配置されるボール&ランプ機構102を有している。このボール&ランプ機構102は、シリンダ部73内に配置されて底部71に当接する固定ランプ部材105と、固定ランプ部材105の底部71とは反対側に設けられるボール106と、ボール106を固定ランプ部材105との間に保持する移動ランプ部材107とを有している。
固定ランプ部材105は、その径方向の中央に軸線方向に貫通する貫通穴111が形成されており、また、径方向の貫通穴111の外側位置にも軸線方向に貫通する回止穴112が形成されている。さらに、固定ランプ部材105には、底部71とは反対側に円周方向位置により深さが変わるランプ溝113が形成されており、外周面に径方向外方に突出する突起部114が形成されている。固定ランプ部材105は、底部71に当接する際に、回止穴112に、底部71のピン穴82に嵌合された回止ピン83を挿通させることになり、これにより、シリンダ部73に対して回り止めがなされる。
移動ランプ部材107は、軸部121と、軸部121の一端から軸部121と同軸をなして径方向に広がる円板部122とを有しており、円板部122の軸部121側の面には、ボール保持凹部123が形成されている。移動ランプ部材107の軸部121には、先端側に全周にわたってセレーション125が形成され、セレーション125よりもさらに先端側の端部にオネジ126が形成されている。
この移動ランプ部材107は、固定ランプ部材105のランプ溝113にボール106を配置した状態でボール106をボール保持凹部123に収容しつつ軸部121を固定ランプ部材105の貫通穴111に挿通させることになり、軸部121をさらに底部71の中央貫通穴81に挿通させて、底部71よりも外側に突出させる。ここで、底部71の中央貫通穴81には、カラー128およびOリング129が嵌合されており、移動ランプ部材107は、軸部121においてこれらOリング129およびカラー128の内側に挿入されることになり、Oリング129が移動ランプ部材107とシリンダ部73との隙間をシールする。
移動ランプ部材107の軸部121のセレーション125およびオネジ126は、シリンダ部73から外側に突出することになり、セレーション125にはレバー131が嵌合固定され、オネジ126にはナット132が螺合されている。レバー131は、セレーション125によって移動ランプ部材107の軸部121に回転不可に嵌合することになり、ナット132が軸部121に締結されると、移動ランプ部材107に一体に固定される。シリンダ部73の底部71の外側には軸カバー133が嵌合されており、この軸カバー133は軸部121に嵌合するとともにレバー131のシリンダ部73側の面に当接する。
上記のようにして、レバー131がシリンダ部73の外側で移動ランプ部材107に一体に結合されることになる。運転室内に設けられたパーキングブレーキレバーまたはパーキングブレーキペダルからなる操作部材が操作され、レバー131が回転入力を受けると、ボール&ランプ機構102は、このレバー131に結合された移動ランプ部材107がレバー131と一体に回転することになる。そして、この移動ランプ部材107の回転に応じて、そのボール保持凹部123に保持されたボール106が固定ランプ部材105のランプ溝113を円周方向に移動して移動ランプ部材107を軸線方向に直動作動させることになる。つまり、ボール&ランプ機構102は、レバー131の回転運動を移動ランプ部材107の直動運動に変換する。図1に示すように、シリンダ部73の底部71には、レバー131を作動させる図示略のケーブルを支持するケーブルガイド134が取り付けられている。
図3に示すように、推進機構101は、シリンダ部73内において、ボール&ランプ機構102の移動ランプ部材107の円板部122の軸部121とは反対側に配置される円環状の滑動板141と、この滑動板141の円板部122とは反対側に配置され、移動ランプ部材107の直動押圧力を受承してシリンダ部73の軸線方向に移動するプッシュロッド142とを有している。つまり、プッシュロッド142は、シリンダ部73内に配置されて、ボール&ランプ機構102の直線運動で同方向に移動する。
プッシュロッド142は、移動ランプ部材107の円板部122の軸部121とは反対の端面と略同径をなし、移動ランプ部材107の直動押圧力を滑動板141を介して受承する円板状のフランジ部145と、フランジ部145の中央から移動ランプ部材107とは反対側に軸状に突出する、オネジ146が形成されたネジ軸部147とを有している。プッシュロッド142には、フランジ部145の中央に、ネジ軸部147とは反対に突出する位置決め突起148が形成されている。この位置決め突起148は、プッシュロッド142が移動ランプ部材107との間に滑動板141を挟持する際に、滑動板141の内周部に嵌合されることになり、これにより滑動板141を中央に位置決めして保持する。
推進機構101は、プッシュロッド142の一部を覆うように設けられたカバー部材151と、プッシュロッド142のフランジ部145とカバー部材151との間に介装されてプッシュロッド142をボール&ランプ機構102の方向に向けて押圧するプッシュロッド付勢スプリング152とを有している。言い換えれば、カバー部材151は、プッシュロッド付勢スプリング152をプッシュロッド142との間で保持する。これらカバー部材151およびプッシュロッド付勢スプリング152もシリンダ部73内に配置されている。
カバー部材151は、環状蓋部155と、この環状蓋部155の外周端縁から軸線方向一側に延出する胴部156とを有するカップ状をなしている。胴部156の軸方向の中間位置には、径方向外方に突出して係止部材103に係止される係止片部157が形成されており、胴部156の環状蓋部155とは反対側には、固定ランプ部材105の突起部114を嵌合させる規制溝158が形成されている。
カバー部材151は、上記したように、係止片部157において、シリンダ部73の係合溝86に保持された係止部材103の底部71側に係止されており、その結果、開口部72の方向への移動が規制される。また、カバー部材151は、規制溝158に固定ランプ部材105の突起部114を嵌合させることで、シリンダ部73に対する回転が規制される。
上記したプッシュロッド142は、カバー部材151に対し、図示略の回転規制機構で回転が規制されて軸方向移動可能となっており、よって、移動ランプ部材107の直動押圧力を受承すると、そのネジ軸部147が、シリンダ部73に対する回転が規制された状態で、移動ランプ部材107の直動押圧力を伝達して直動出力することになる。
推進機構101は、シリンダ部73内に配置されてプッシュロッド142のネジ軸部147のオネジ146に、内径側に形成されたメネジ161で螺合される略円筒状のクラッチ部材162を有している。クラッチ部材162は、先端側にピストン95に嵌合する嵌合頭部164が形成されており、この嵌合頭部164と軸方向に隣り合って径方向に延出する押圧フランジ部165が形成されている。押圧フランジ部165の嵌合頭部164側の外周部はテーパ状に形成されており、クラッチ部材162は、この部分でピストン95を軸方向に押圧する。クラッチ部材162の嵌合頭部164にはリング状のクラッチ部材シール166が保持されている。このクラッチ部材シール166は、クラッチ部材162の嵌合頭部164とピストン95との間の隙間をシールする。クラッチ部材162は、メネジ161が形成された内周部の軸方向の嵌合頭部164側の端部が蓋体167で閉塞されている。
ここで、ボール&ランプ機構102の移動ランプ部材107を回転運動させることにより、移動ランプ部材107をプッシュロッド142側に直動移動させると、移動ランプ部材107で押圧されてプッシュロッド142が軸線方向に直動移動し、このプッシュロッド142で押圧されてクラッチ部材162が軸線方向に直動移動して、クラッチ部材162がピストン95をシリンダ部73に対し摩擦パッド12側に強制的に摺動させる。つまり、クラッチ部材162は、移動ランプ部材107の直動押圧力をピストン95に伝達する。
なお、プッシュロッド142のネジ軸部147のオネジ146とクラッチ部材162のメネジ161とは、互いに回転せずに所定量軸方向に移動可能なクリアランスを有している。
推進機構101は、シリンダ部73内においてクラッチ部材162とプッシュロッド142との位置調整を行うアジャスト機構171を有している。このアジャスト機構171は、ピストン95の内周部に係止されるC字状の止め輪172によってピストン95とクラッチ部材162の押圧フランジ部165との間に支持されており、ピストン95がシリンダ部73内に導入されたブレーキ液圧によって軸方向に移動する際には、実質的には停止状態にあるプッシュロッド142に対し、クラッチ部材162を回転させながらピストン95に追従させて軸方向に移動させる。また、アジャスト機構171は、プッシュロッド142が軸線方向に直動する際には、クラッチ部材162をプッシュロッド142に対し回転させることがなく、その結果、ネジ軸部147のオネジ146とメネジ161とによってクラッチ部材162をプッシュロッド142と一体に直動させる。
このような構成のディスクブレーキ1では、図示せぬパーキングブレーキレバーあるいはパーキングブレーキペダルが操作されることによりレバー131が回転しボール&ランプ機構102の移動ランプ部材107が回転すると、移動ランプ部材107がボール106を固定ランプ部材105のランプ溝113内で移動させることになり、ボール106で押されて直動移動する。すると、移動ランプ部材107により押圧されて、プッシュロッド142が、シリンダ部73に対し非回転でディスク10の方向に移動する。すると、このプッシュロッド142と一体にクラッチ部材162が移動して、ピストン95をディスク10の方向に移動させることにより、インナ側の摩擦パッド12をディスク軸方向に移動させてディスク10に押圧する。また、この押圧の反力で、爪部75をディスク10側に移動させるようにキャリパ本体76がインナ側に移動してアウタ側の摩擦パッド12をディスク軸方向に移動させてディスク10に押圧する。
この状態から、レバー131が上記とは逆方向に回転させられると、ピストンシール96によるロールバックでピストン95がディスク10から離れる。すると、ディスク10の振動等でインナ側の摩擦パッド12と、アウタ側の摩擦パッド12および爪部75とがディスク軸方向に移動してそれぞれディスク10から離れることになる。
他方、通常のブレーキペダルによるブレーキ操作でブレーキ液圧がシリンダ部73とピストン95との間に導入されると、ピストン95にはピストンシール96による受圧面積に対し液圧が作用してディスク10の方向への推進力が発生することになるが、クラッチ部材162にもクラッチ部材シール166による受圧面積に対し液圧が作用してディスク10の方向への推進力が発生し、初期においてはメネジ161およびプッシュロッド142のネジ軸部147のオネジ146における螺合のクリアランス分回転せずに軸線方向に移動してピストン95を押すことになる。
そして、さらにブレーキ液圧がシリンダ部73内に導入されて、所定液圧以上になると、クラッチ部材162へ作用する液圧でクラッチ部材162がピストン95に押し付けられることになり、ピストン95に液圧が作用してディスク10の方向への推進力が発生することになり、クラッチ部材162にも液圧が作用してディスク10の方向への推進力が発生することになる。すると、クラッチ部材162が移動して、ピストン95をディスク10の方向に移動させることにより、インナ側の摩擦パッド12をディスク軸方向に移動させてディスク10に押圧する。また、この押圧の反力で、爪部75をディスク10側に移動させるようにキャリパ本体76がインナ側に移動してアウタ側の摩擦パッド12をディスク軸方向に移動させてディスク10に押圧する。
この状態からブレーキ液圧が低下すると、ピストンシール96によるロールバックで、ピストン95がディスク10から離れる。すると、ディスク10の振動等でインナ側の摩擦パッド12と、アウタ側の摩擦パッド12および爪部75とがディスク軸方向に移動してそれぞれディスク10から離れることになる。
アウタ側の摩擦パッド12が上記のようにディスク軸方向に移動する際に、ディスク回入側の嵌合部67のディスク径方向外側の樹脂部材62がディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35を摺動し、このディスク回入側の嵌合部67のディスク径方向内側の樹脂部材62がディスク回入側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33を摺動する。また、ディスク回出側の嵌合部67のディスク径方向外側の樹脂部材62がディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側の外板部35を摺動し、このディスク回出側の嵌合部67のディスク径方向内側の樹脂部材62がディスク回出側のパッドガイド16のアウタ側のパッドスプリング33を摺動する。
インナ側の摩擦パッド12が上記のようにディスク軸方向に移動する際も、ディスク回入側の嵌合部67のディスク径方向外側の樹脂部材62がディスク回入側のパッドガイド16のインナ側の外板部35を摺動し、このディスク回入側の嵌合部67のディスク径方向内側の樹脂部材62がディスク回入側のパッドガイド16のインナ側のパッドスプリング33を摺動する。また、ディスク回出側の嵌合部67のディスク径方向外側の樹脂部材62がディスク回出側のパッドガイド16のインナ側の外板部35を摺動し、このディスク回出側の嵌合部67のディスク径方向内側の樹脂部材62がディスク回出側のパッドガイド16のインナ側のパッドスプリング33を摺動する。
以上に述べた第1実施形態によれば、摩擦パッド12の裏板51の嵌合部67のディスク径方向の内側の面55にパッドスプリング33に対向して開口する開口溝56が形成され、この開口溝56には、開口溝56内に格納される弾性部材61と、弾性部材61とパッドスプリング33との間に配置され裏板51よりも低摩擦性を有する当接部材である樹脂部材62とが設けられている。このため、低摩擦性の樹脂部材62が摩擦パッド12のパッドスプリング33に対する摺動を円滑にする。また、摩擦パッド12の嵌合部67が、ディスク径方向の外側の面55に外板部35に対向して開口する開口溝56が形成され、この開口溝56には、開口溝56内に格納される弾性部材61と、弾性部材61と外板部35との間に配置される低摩擦性の樹脂部材62とが設けられている。このため、低摩擦性の樹脂部材62が摩擦パッド12の外板部35に対する摺動を円滑にする。そして、弾性部材61を設けることにより、樹脂部材62とパッドスプリング33との接触面に等荷重分布で荷重を負荷することができる。よって、面圧を低く抑えつつ低摩擦性の樹脂部材62により摺動を円滑にすることができるため、経年的にも摩擦パッド12の摺動性が低下しにくくなり、摩擦パッド12の摺動性を安定的に向上させることができる。したがって、経年的に安定して摩擦パッド12の引き摺りを抑制することができる。
また、弾性部材61および樹脂部材62は耳部54から取り外し可能であるため、万一摺動性が低下するような状況になっても新品への交換が容易となる。
また、パッドスプリング33のディスク軸方向に延出して摩擦パッド12の嵌合部67をディスク径方向に付勢する付勢部42に、樹脂部材62が当接するため、樹脂部材62が付勢部42から付勢力を受けながら付勢部42上を摺動することになる。よって、嵌合部67の中で常に付勢力を受けて接触面が粗くなり易い部分の摺動性を効果的に向上させることができる。
なお、図8に示すように、開口溝56の底面部58を平坦面ではなく、円筒面としても良い。これにより、弾性部材61と底面部58との間に空間部175を形成することができ、この空間部175が弾性部材61の変形代を確保することになる。このように構成すれば、弾性部材61が弾性変形し易くなり振動の伝達を抑制することができる。
なお、以上の第1実施形態においては、パッドスプリング33が嵌合部67のディスク径方向内側のみに設けられるため、摩擦パッド12の嵌合部67について、ディスク径方向内側の面55のみに開口溝56を形成して、この開口溝56に弾性部材61と樹脂部材62とを設けても良い。また、パッドスプリングが嵌合部67のディスク径方向外側に設けられる場合には、摩擦パッド12の嵌合部67のディスク径方向の外側の面55のみに開口溝56を形成して、この開口溝56に弾性部材61と樹脂部材62とを設けても良い。つまり、摩擦パッド12の嵌合部67について、ディスク径方向の内側および外側の面55,55のうちの少なくとも一方に開口溝56を形成して弾性部材61および樹脂部材62を設ければ良い。
「第2実施形態」
次に、第2実施形態を主に図9〜図11に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態においては、図9に示すように、パッドガイド16A’の付勢部42に2カ所の突条181,181が付勢部42の延在方向に沿って形成された点が異なっている。また、第2実施形態においては、図10に示すように、付勢部42に当接する嵌合部67のディスク径方向内側の樹脂部材62に球面状の凸部182がディスク径方向内側に突出して形成されている。そして、図11に示すように、嵌合部67の凹溝45への嵌合時に、凸部182が2カ所の突条181,181に当接する。
このような第2実施形態によれば、嵌合部67が、樹脂部材62の凸部182において付勢部42の2カ所の突条181,181に当接することになり、これら突条181,181で案内されて付勢部42に沿って移動することになる。よって、摩擦パッド12の摺動時の姿勢が安定することになる。したがって、摩擦パッド12の引きずりを抑制することができる。
上記実施形態は、ディスクを跨いで車両の非回転部分に取り付けられ、ディスク回転方向に凹む凹溝を形成するパッドガイドを有する取付部材と、該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、前記キャリパにより前記ディスクに押圧されるライニングとディスク回転方向に延びて前記凹溝に摺動可能に嵌合する嵌合部が端部に設けられる裏板とを有する摩擦パッドと、前記パッドガイドに設けられ、前記摩擦パッドの前記嵌合部が摺動するパッドスプリングと、を備えるディスクブレーキであって、前記摩擦パッドの前記裏板の前記嵌合部には、ディスク径方向の内側および外側の少なくとも一方に前記パッドスプリングに対向して開口する開口溝が形成され、該開口溝には、該開口溝内に格納される弾性部材と、該弾性部材と前記パッドスプリングとの間に配置され前記裏板よりも低摩擦性を有する当接部材とが設けられている。これにより、弾性部材が、当接部材とパッドスプリングとの接触面に等荷重分布で荷重を負荷することができる。よって、面圧を低く抑えつつ摺動を樹脂部材により円滑にすることができるため、経年的にも摩擦パッドの摺動性が低下しにくくなり、摩擦パッドの摺動性を安定的に向上させることができる。
また、前記パッドスプリングには、ディスク軸方向に延出して形成され前記摩擦パッドの前記嵌合部をディスク径方向に付勢する付勢部が設けられ、前記当接部材は、前記付勢部に当接するように前記嵌合部に配置されている。これにより、当接部材が付勢部から付勢力を受けながら付勢部上を摺動することになる。よって、常に付勢力を受けて接触面が粗くなり易い部分の摺動性を効果的に向上させることができる。
また、前記付勢部には、延出方向に沿って形成される2カ所の突条が形成され、前記当接部材には、これら2カ所の突条に当接する凸部が形成されているため、摩擦パッドの嵌合部は2カ所の突条で案内されて付勢部に沿って移動することになる。よって、摩擦パッドの摺動時の姿勢が安定することになる。
1 ディスクブレーキ
10 ディスク
11 取付部材
12 摩擦パッド
14 キャリパ
15 キャリア
16 パッドガイド
33 パッドスプリング
42 付勢部
45 凹溝
55 面
56 開口溝
61 弾性部材
62 樹脂部材(当接部材)
67 嵌合部
181 突条
182 凸部

Claims (3)

  1. ディスクを跨いで車両の非回転部分に取り付けられ、ディスク回転方向に凹む凹溝を形成するパッドガイドを有する取付部材と、
    該取付部材に摺動可能に設けられるキャリパと、
    前記キャリパにより前記ディスクに押圧されるライニングとディスク回転方向に延びて前記凹溝に摺動可能に嵌合する嵌合部が端部に設けられる裏板とを有する摩擦パッドと、
    前記パッドガイドに設けられ、前記摩擦パッドの前記嵌合部が摺動するパッドスプリングと、
    を備えるディスクブレーキであって、
    前記摩擦パッドの前記裏板の前記嵌合部には、ディスク径方向の内側および外側の少なくとも一方に前記パッドスプリングに対向して開口する開口溝が形成され、
    該開口溝には、該開口溝内に格納される弾性部材と、該弾性部材と前記パッドスプリングとの間に配置され前記裏板よりも低摩擦性を有する当接部材とが設けられていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記パッドスプリングには、ディスク軸方向に延出して形成され前記摩擦パッドの前記嵌合部をディスク径方向に付勢する付勢部が設けられ、前記当接部材は、前記付勢部に当接するように前記嵌合部に配置されることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記付勢部には、延出方向に沿って形成される2カ所の突条が形成され、前記当接部材には、これら2カ所の突条に当接する凸部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
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