JP2015068375A - 無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造 - Google Patents

無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造 Download PDF

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Abstract

【課題】軸受けを外周に設けた低剛性材を介し軸承孔内に嵌合して振動遮断型式に支承する際、軸傾斜を抑制する。【解決手段】チェーン式無段変速機1およびエンジン2は横置きにしてマウント31で車体3に搭載し、マウントは、Z方向の剛性を大きく、それ以外の車体前後方向Xおよび車幅方向の剛性を小さくすることによって、プーリ軸14,21からハウジング17への振動のうち、X,Y方向の振動は遮断できるがZ方向の振動は遮断することができない。そこで、プーリ軸を支承する軸受け16,23の外周と軸承孔15,22との間に設ける低剛性材32は、Z方向の振動のみを遮断するようマウント剛性が大きいZ方向の直径方向対向箇所のみに突設する。Z方向の振動のみを遮断する低剛性材32の高さ(軸承の内径)は小さくてよく、大きなチェーン張力によるプーリ軸14,21の相互接近量が小さくなり、プーリ軸の傾斜を抑制し得る。【選択図】図1

Description

本発明は、チェーン式無段変速機のような無終端巻き掛け伝動機に関し、特に、チェーンのような無終端伝動条体を張力下に巻き掛けするプーリなどの回転体の回転軸を回転自在に支承する軸受け構造の改良提案に係わる。
チェーン式無段変速機に代表される無終端巻き掛け伝動機にあっては、チェーンのような無終端伝動条体の内部抵抗が小さく、伝動効率および騒音特性の点で優れているものの、チェーンのような無終端伝動条体がその構成に起因して振動を発生し易い。
この振動は、チェーンのような無終端伝動条体からプーリなど回転体の回転軸、および、これら回転軸と軸承孔との間における軸受けを経て、無終端巻き掛け伝動機のハウジングに達する。
そして、当該無終端巻き掛け伝動機(ハウジング)は複数個のマウントを介し、例えば車体に取り付けて実用するため、上記のごとくハウジングに達した振動はその後、上記のマウントを経て車体に伝達され、乗員を不快にするという問題があった。
かかる振動を途中で遮断して車体に伝達され難くするために従来、例えば特許文献1に記載のごとき振動遮断軸受け(アイソレーション軸受け)を上記軸受けとして用いることが考えられる。
当該アイソレーション軸受けは、軸受け本体の外周面にこれから径方向外方へ突出する連続円環状の低剛性リングを具え、この低剛性リングを介して軸受けの外周を対応する軸承孔に嵌合する。
かかるアイソレーション軸受けを用いてプーリ回転軸を、ハウジングに形成した対応する軸承孔に回転自在に支持する場合、チェーンからの振動がプーリ回転軸から軸受けを経てハウジングに向かう途中、軸受け本体の外周における低剛性リングが当該振動を吸収して遮断し、ハウジングに達し難くする用をなし、結果として上記の振動が前記のマウントを経て車体に伝達されるのを緩和し、乗員への不快感を和らげるのに有益である。
特開2004−308901号公報
しかし従来のアイソレーション軸受けは、軸受け本体外周面に設ける低剛性リングが全周に亘って同じ径方向突出量を持ち、且つこの径方向突出量(軸承孔の内径)を、大きなチェーン張力によるプーリ回転軸の相互接近があっても低剛性リングの円周方向対応箇所(対応する直径方向対向箇所)が潰れ切ることのないよう、つまりこの潰れにより軸受け本体外周面が軸承孔内周面に接触して振動遮断効果が得られなくなることのない大きな突出量に定めるため、以下のような問題を生ずる。
つまり軸受け本体外周面に設ける低剛性リングの径方向突出量(軸承孔の内径)を上記のごとくに大きく定めると、その分だけ、大きなチェーン張力によるプーリ回転軸の相互接近量も大きくなり、プーリ回転軸の傾斜を惹起する。
ところで、入力側プーリ回転軸の入力端には、エンジン回転をそのまま入力したり、逆転下に減速させて入力するためのプラネタリギヤ式前後進切り替え機構が設けられており、また出力側プーリ回転軸の出力端には終減速機や、必要に応じ副変速機が設けられており、上記した大きなプーリ回転軸の相互接近(傾斜)はこれら前後進切り替え機構、終減速機および副変速機の噛み合い不良を惹起し、これらの耐久性を低下させると共にこれらから騒音を発生させるという問題を生ずる。
一方で前記のマウントは、無終端巻き掛け伝動機(チェーン式無段変速機)を重力に抗して確実に支持する必要があることから、無終端巻き掛け伝動機(チェーン式無段変速機)の荷重方向(車体上下方向)における剛性を比較的大きく設計してあるものの、それ以外の車体前後方向および車幅方向における剛性を振動遮断機能が確実に得られるよう比較的小さく設計するのが常套である。
してみれば、プーリ回転軸の支承に用いるアイソレーション軸受けの外周面に設ける低剛性材は、プーリ回転軸と交差する面内における方向のうち、マウント剛性が大きくてマウントによる振動遮断を期待できない方向(上下方向)の振動のみを遮断するだけでよく、それ以外の方向における振動は、当該方向におけるマウント剛性が小さくてマウントにより車体へ向かうことのないよう遮断可能であって、軸受け外周面の低剛性材による当該方向の振動遮断機能は実質上不要である。
本発明は、上記の事実認識に基づき、軸受け外周面の低剛性材がマウント剛性の大きい方向(無終端巻き掛け伝動機の荷重方向)における振動のみを遮断するよう構成して、無終端巻き掛け伝動機の荷重が無終端伝動条体の張力よりも小さいことにより、軸受け外周面に設ける低剛性材の径方向突出量(軸承孔の内径)を従来よりも小さくし得るようになし、
もって、無終端巻き掛け伝動機の荷重よりも大きな無終端伝動条体の張力による回転軸の相互接近時は、僅かな相互接近で軸受け外周面が軸承孔内周面に接して、それ以上は回転軸が相互接近し得ないようにすることで、
マウント剛性の大きい方向(無終端巻き掛け伝動機の荷重方向)における振動の遮断効果と、無終端伝動条体の張力による回転軸相互接近量の低下(耐久性の悪化防止および騒音防止の効果)とを両立させ得るようにした無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明による無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造は、これを以下のごとくに構成する。
先ず、本発明の前提となる無終端巻き掛け伝動機を説明するに、これは、
無終端伝動条体を少なくとも一対の回転体間に張力下に巻き掛けして成る無終端巻き掛け伝動機であって、実用に際しては、前記回転体の回転軸線と交差する回転軸線交差面内における方向であって無終端巻き掛け伝動機の荷重方向における剛性が、前記無終端伝動条体の張力作用方向における剛性よりも大きなマウントを介し取り付けるようにした無終端巻き掛け伝動機である。
本発明の軸受け構造は、かかる無終端巻き掛け伝動機における前記回転体の回転軸をそれぞれ、これら回転軸と、対応する軸承孔との間に介在させた軸受けにより回転自在に支持し、該軸受けは外周面に設けた低剛性材を介し前記対応する軸承孔に嵌合して前記回転軸から前記軸承孔への振動を遮断するが、
該低剛性材は、前記マウント剛性が大きい方向においてのみ前記回転軸から前記軸承孔への振動遮断を行うよう構成した点に特徴づけられる。
上記した本発明による無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造にあっては、
軸受け外周面の低剛性材がマウント剛性の大きい方向(無終端巻き掛け伝動機の荷重方向)における振動のみを遮断し、それ以外の方向における振動はマウントで遮断することになる。
そして低剛性材がマウント剛性の大きい方向(無終端巻き掛け伝動機の荷重方向)における振動のみを遮断するだけでよいため、無終端伝動条体に作用する大きな張力の方向における振動を考慮する必要がなく、その分だけ低剛性材の径方向突出量(軸承孔の内径)を従来よりも小さくし得る。
そのため、無終端巻き掛け伝動機の荷重よりも大きな無終端伝動条体の張力による回転軸の相互接近時は、僅かな相互接近で軸受け外周面が軸承孔内周面に接して、それ以上は回転軸が相互接近し得ない。
従って、本発明の軸受け構造によれば、マウント剛性の大きい方向(無終端巻き掛け伝動機の荷重方向)における振動の遮断効果と、無終端伝動条体の張力による回転軸相互接近量の低下(回転軸の傾斜低減による耐久性の悪化防止および騒音防止の効果)とを両立させることができる。
本発明の第1実施例になる軸受け構造を具えたチェーン式無段変速機を車両搭載状態で示す模式図である。 図1におけるチェーン式無段変速機の略線図である。 図2に示したチェーン式無段変速機のプーリ軸け構造を拡大して線図的に示す説明図である。 本発明の第2実施例になる軸受け構造を拡大して線図的に示す、図3と同様な説明図である。 本発明の第3実施例になる軸受け構造を拡大して線図的に示す、図3と同様な説明図である。 本発明の第4実施例になる軸受け構造を拡大して線図的に示す、図3と同様な説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<第1実施例の構成>
図1は、本発明の第1実施例になる軸受け構造を具えたチェーン式無段変速機(無終端巻き掛け伝動機)1を車両搭載状態で示す模式図である。
チェーン式無段変速機1はエンジン2にタンデム結合し、これらにより構成されたパワーユニットを、車体3の前部エンジンルーム4内に横置きに搭載する。
チェーン式無段変速機1は、入力側のプライマリプーリ(回転体)11および出力側のセカンダリプーリ(回転体)12を、両者のプーリV溝が軸直角面内に整列するよう配して具え、これらプーリ11,12のV溝に無終端チェーン(無終端伝動条体)13を巻き掛けして概ね構成する。
以下、チェーン式無段変速機1を図2に基づき詳述する。
プライマリプーリ11は、これと共に回転するプーリ軸(回転軸)14の両端をそれぞれ、軸外周面と軸承孔15との間に介在させた軸受け16で変速機ハウジング17に回転自在に支持する。
プライマリプーリ軸14の入力端は、前後進切り換え機構18およびトルクコンバータ19を順次介してエンジ2のクランクシャフト2aに結合する。
前後進切り換え機構18は、ダブルピニオン遊星歯車組18aを主たる構成要素とし、そのサンギヤにトルクコンバータ19を介してエンジクランクシャフト2aを結合することで、エンジン回転がトルクコンバータ19によるトルク増大下に遊星歯車組18aのサンギヤへ入力されるようになす。
前後進切り換え機構18は更に、ダブルピニオン遊星歯車組18aのキャリアをプライマリプーリ11(プーリ軸14の入力端)に結合する。
ダブルピニオン遊星歯車組18aは、そのサンギヤおよびキャリア間を直結する前進クラッチ18b、およびダブルピニオン遊星歯車組18aのリングギヤを固定する後進ブレーキ18cをそれぞれ具える。
かくて前後進切り換え機構18は、前進クラッチ18bおよび後進ブレーキ18cを共に解放するとき、エンジン2からトルクコンバータ19を経由したエンジン回転をプライマリプーリ11(プーリ軸14)へ伝達しない中立状態となる。
この状態から、前進クラッチ18bを締結する時、エンジン2からトルクコンバータ19を経由したエンジン回転をそのまま前進回転としてプライマリプーリ11(プーリ軸14)2に伝達することができ、
後進ブレーキ18cを締結する時、エンジン2からトルクコンバータ19を経由したエンジン回転を逆転減速下に後進回転としてプライマリプーリ11(プーリ軸14)へ伝達することができる。
セカンダリプーリ12は、これと共に回転するプーリ軸(回転軸)21の両端をそれぞれ、軸外周面と軸承孔22との間に介在させた軸受け23で変速機ハウジング17に回転自在に支持する。
セカンダリプーリ軸21の出力端は、終減速機24およびディファレンシャルギヤ装置25を経て図示せざる左右駆動車輪(左右前輪)に結合する。
前記のごとくにプライマリプーリ11に達したエンジン回転はチェーン13を介してセカンダリプーリ12に伝達され、セカンダリプーリ12の回転はその後、セカンダリプーリ12の軸21、終減速機24およびディファレンシャルギヤ装置25を経て左右駆動車輪(左右前輪)に至り、車両の走行に供される。
上記の動力伝達中にプライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間におけるプーリ回転比(変速比)を変更可能にするために、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12のV溝を形成する対向シーブのうち一方を固定シーブ11a,12aとし、他方のシーブ11b,12bを軸線方向へ変位可能な可動シーブとする。
これら可動シーブ11b,12bはそれぞれ、周知のごとくに制御されてプライマリプーリ室11cおよびセカンダリプーリ室12cに至るプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecで、固定シーブ11a,12aに向け附勢する。
これにより、チェーン13を構成するリンクプレート間を相互に連節したリンクピンの両端を対向シーブ11a,11b間および12a,12b間に挟圧して、プライマリプーリ11およびセカンダリプーリ12間での前記動力伝達を可能にする。
そして、プライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの相対制御により、プライマリプーリ11の可動シーブ11bを固定シーブ11aに対し接近させてプーリV溝幅を狭くすると同時に、セカンダリプーリ12の可動シーブ12bを固定シーブ12aから遠ざけてプーリV溝幅を広くするにつれ、
無終端チェーン13は、プライマリプーリ11に対する巻き掛け径を増大されると共に、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け径を小さくされ、無段変速機1は図2に示す最ロー変速比選択状態から、図示せざる最ハイ変速比選択状態に向け無段変速下にアップシフト可能である。
逆にプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecの相対制御により、プライマリプーリ11の可動シーブ11bを固定シーブ11aから遠ざけてプーリV溝幅を広くすると同時に、セカンダリプーリ12の可動シーブ12bを固定シーブ12aに対し接近させてプーリV溝幅を狭くするにつれ、
無終端チェーン13は、プライマリプーリ11に対する巻き掛け径を小さくされると共に、セカンダリプーリ12に対する巻き掛け径を増大され、無段変速機1はハイ側変速比選択状態から図2に示す最ロー変速比選択状態に向け無段変速下にダウンシフト可能である。
<無段変速機の軸受け構造>
上記した図2のチェーン式無段変速機1およびエンジン2から成るパワーユニットは、図1のごとく横置きにして(パワーユニット回転軸線が車幅方向へ延在するよう配置して)、複数個(通常エンジン2側に2個、無段変速機1側に1個の、合計3個)のエンジンマウント(マウント)31により車体3へ搭載する。
ところで図2のチェーン式無段変速機1にあっては、チェーン13の内部抵抗が小さいため、伝動効率および騒音特性の点で優れているものの、
チェーン13が多数枚のリンクプレートを相互にリンクピンで無終端形状に連節して構成され、これらリンクピンの両端とプーリ対向シーブ11a,11bおよび12a,12bとの接点において動力伝達を行うため、無段変速機1の無終端チェーン13が振動を発生し易い。
この振動は、チェーン13からプーリ11,12(プーリ軸14,21)および軸受け16,23を経て変速機ハウジング17に達する。
かように変速機ハウジング17に達した振動はその後、上記のエンジンマウント31を経て車体9へ伝達され、乗員を不快にするという懸念がある。
かかる振動を途中で遮断して車体3へ伝達され難くするため、本実施例では図3に示すごとく軸受け16,23の外周面に、これから径方向外方へ突出する低剛性突起(低剛性材)32を設け、この低剛性突起32を介して軸受け16,23の外周を対応する軸承孔15,22に嵌合したアイソレーション軸受けを用いる。
ここで前記のエンジンマウント31を考察するに、このマウント31は、チェーン式無段変速機1を重力に抗して確実に支持する必要があることから、図1にZで示すチェーン式無段変速機1の荷重方向(車体上下方向)における剛性を比較的大きく設計するも、それ以外の車体前後方向(図1のX方向、本実施例ではチェーン張力Fbの方向)および車幅方向(図1のY方向)における剛性を振動遮断機能が確実に得られるよう比較的小さく設計するのが常套である。
従って、チェーン13からプーリ11,12(プーリ軸14,21)および軸受け16,23を経て変速機ハウジング17に達した振動のうち、マウント剛性が小さいX,Y方向における振動はエンジンマウント31で遮断されることになるため、軸受け16,23の外周面に設ける低剛性突起32は当該X,Y方向における振動を遮断する必要がなく、低剛性突起32は、変速機ハウジング17に達した振動のうち、マウント剛性が大きいZ方向における振動を遮断するだけで、全方向(X,Y,Z方向)のチェーン振動が車体3に伝わらないようにすることができる。
そこで本実施例においては、アイソレーション軸受け16,23の外周面に設ける低剛性突起(低剛性材)32を、マウント剛性が大きいZ方向における直径方向対向箇所のみに配置し、それ以外の円周方向箇所には低剛性突起(低剛性材)32が存在しないよう構成して、アイソレーション軸受け16,23が、マウント剛性の大きいZ方向においてのみプーリ軸14,21から軸承孔15,22への振動を遮断するものとする。
かように、アイソレーション軸受け16,23の外周面に設ける低剛性突起(低剛性材)32がマウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)における振動を遮断するだけでよい場合、チェーン式無段変速機1の荷重がチェーン13の張力Fbに比べて遙かに小さいため、チェーン張力方向(図1のX方向)の振動を遮断するよう低剛性突起(低剛性材)32を構成配置する場合に比べて、低剛性突起(低剛性材)32の軸受け外周面からの突出量が遙かに小さくてよい。
従って本実施例では、低剛性突起(低剛性材)32を嵌合する軸承孔15,22の内径が、前記した従来の低剛性リングが嵌合する軸承孔よりも大幅に小さくなる。
<第1実施例の効果>
上記した本実施例の軸受け構造によれば、軸受け外周面の低剛性突起(低剛性材)32がマウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)におけるチェーン振動のみを遮断し、それ以外のX,Y方向におけるチェーン振動はエンジンマウント31で遮断することになる。
そして低剛性突起(低剛性材)32がマウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)におけるチェーン振動のみを遮断するだけでよいため、チェーン13に作用する大きな張力Fbの方向におけるチェーン振動を考慮する必要がなく、その分だけ低剛性突起(低剛性材)32の径方向突出量(軸承孔15,22の内径)を従来よりも小さくし得る。
そのため、チェーン式無段変速機1の荷重よりも大きなチェーン張力Fbによるプーリ軸14,21の相互接近時は、僅かな相互接近で軸受け16,23の外周面が軸承孔15,22の内周面に接して、それ以上はプーリ軸14,21が相互接近し得ない。
従って、本実施例の軸受け構造によれば、マウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)におけるチェーン振動遮断効果と、チェーン張力Fbによるプーリ軸14,21の相互接近量の低下(プーリ軸14,21の傾斜低減による耐久性の悪化防止および騒音防止の効果)とを両立させることができる。
<第2実施例>
図4は、本発明の第2実施例になる軸受け構造を示し、本実施例においてもチェーン式無段変速機1およびエンジン2、並びにこれらから成るパワーユニットのマウント構造は図1,2につき前述したと同様なものとする。
第1実施例との相違点のみを図4に基づき以下に説明する。
本実施例においては、アイソレーション軸受け16,23の外周における低剛性材32が、変速機ハウジング17に達した振動のうち、マウント剛性が大きいZ方向におけるチェーン振動のみを遮断するよう構成するに際し、この低剛性材32を、マウント剛性が大きいZ方向における直径方向対向箇所から、マウント剛性が小さいX方向における直径方向対向箇所に向けて、軸受け外周面からの突出量が漸減するような構成とし、低剛性材32を連続的なまたは不連続な(図4では連続的な)リング状のものとする。
<第2実施例の効果>
本実施例でも、軸受け16,23の外周における低剛性材32が、変速機ハウジング17に達した振動のうち、マウント剛性が大きいZ方向におけるチェーン振動のみを遮断する構成であるため、前記した第1実施例と同様な効果を奏することができる。
<第3実施例>
図5は、本発明の第3実施例になる軸受け構造を示し、本実施例においてもチェーン式無段変速機1およびエンジン2、並びにこれらから成るパワーユニットのマウント構造は図1,2につき前述したと同様なものとする。
第1実施例との相違点のみを図5に基づき以下に説明する。
本実施例においては、アイソレーション軸受け16,23の外周における低剛性材32を、軸受け外周面からの突出量が全周に亘って略同じリング状とするが、このリング状低剛性材32の軸受け外周面からの突出量を、マウント剛性が大きいZ方向の振動を遮断するのに必要な突出量に合わせて決定する。
但し、リング状低剛性材32の軸受け外周面からの突出量を、マウント剛性が大きいZ方向の振動を遮断するのに必要な突出量とするにしても、当該突出量を大きくすると、軸承孔15,22の内径がその分だけ大きくなり、大きなチェーン張力Fbによりリング状低剛性材32の対応する円周箇所が潰れきって、プーリ軸14,21が相互に接近した時のプーリ軸線傾斜量が大きくなり、前記ギヤの噛み合い不良を生じて耐久性の悪化や騒音の発生が懸念される。
そのため、リング状低剛性材32の軸受け外周面からの突出量を、前記マウント剛性が大きいZ方向の振動を遮断するのに必要な最低限の突出量に合わせて設定するのがよい。
<第3実施例の効果>
本実施例でも、軸受け16,23の外周におけるリング状低剛性材32が、変速機ハウジング17に達した振動のうち、マウント剛性が大きいZ方向におけるチェーン振動のみを遮断する構成であるため、前記した第1実施例と同様な効果を奏することができる。
加えて本実施例では、低剛性材32を、軸受け外周面からの突出量が全周に亘って同じリング状に構成したため、この低剛性材32を介して軸受け16,23を軸承孔15,22に嵌合するに際し、円周方向における嵌合位置に何らの留意も必要でなくなり、組み立て作業性を向上させることができる。
<第4実施例>
図6は、プーリ軸14,21の回転軸線を含む面αが水平面に対しθだけ傾斜しているチェーン式無段変速機に適用する場合の本発明の第4実施例になる軸受け構造を示す。
本実施例においても、チェーン式無段変速機のプーリ軸線を含む面αが上記のごとく傾斜している以外、チェーン式無段変速機1およびエンジン2、並びにこれらから成るパワーユニットのマウント構造は図1,2につき前述したと同様なものとする。
本実施例においては、プーリ軸14,21の軸受け構造を基本的に、第1実施例のそれと同様に構成する。
つまりアイソレーション軸受け16,23の外周面に低剛性突起(低剛性材)32を設け、これら低剛性突起(低剛性材)32をマウント剛性が大きいZ方向における直径方向対向箇所のみに配置し、それ以外の円周方向箇所には低剛性突起(低剛性材)32が存在しないよう構成して、アイソレーション軸受け16,23が、マウント剛性の大きいZ方向においてのみプーリ軸14,21から軸承孔15,22への振動を遮断するものとする。
かように、アイソレーション軸受け16,23の外周面に設ける低剛性突起(低剛性材)32がマウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)における振動を遮断するだけでよい場合、チェーン式無段変速機1の荷重がチェーン13の張力Fbに比べて遙かに小さいため、チェーン張力方向の振動を遮断するよう低剛性突起(低剛性材)32を構成配置する場合に比べて、低剛性突起(低剛性材)32の軸受け外周面からの突出量が遙かに小さくてよい。
従って本実施例でも、低剛性突起(低剛性材)32を嵌合する軸承孔15,22の内径が、前記した従来の低剛性リングが嵌合する軸承孔よりも大幅に小さくなる。
<第4実施例の効果>
上記した本実施例の軸受け構造によれば、軸受け外周面の低剛性突起(低剛性材)32がマウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)におけるチェーン振動のみを遮断し、それ以外のX,Y方向におけるチェーン振動はエンジンマウント31で遮断することになる。
そして低剛性突起(低剛性材)32がマウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)におけるチェーン振動のみを遮断するだけでよいため、チェーン13に作用する大きな張力Fbの方向におけるチェーン振動を考慮する必要がなく、その分だけ低剛性突起(低剛性材)32の径方向突出量(軸承孔15,22の内径)を小さくし得る。
そのため、チェーン式無段変速機1の荷重よりも大きなチェーン張力Fbによるプーリ軸14,21の相互接近時は、僅かな相互接近で軸受け16,23の外周面が軸承孔15,22の内周面に接して、それ以上はプーリ軸14,21が相互接近し得ない。
従って、本実施例の軸受け構造によれば、マウント剛性の大きいZ方向(チェーン式無段変速機1の荷重方向)におけるチェーン振動遮断効果と、チェーン張力Fbによるプーリ軸14,21の相互接近量の低下(プーリ軸14,21の傾斜低減による耐久性の悪化防止および騒音防止の効果)とを両立させることができる。
<その他の実施例>
なお図示の実施例ではいずれも、無終端紙掛け伝動機がチェーン式無段変速機1である場合について本発明の説明を展開したが、本発明は、チェーン式無段変速機1に限られず、固定変速比の非変速式である場合や車両用以外である場合も含め、あらゆる型式の無終端紙掛け伝動機に適用可能で、この場合も同様な作用・効果を奏し得ること勿論である。
1 チェーン式無段変速機(無終端巻き掛け伝動機)
2 エンジン
3 車体
4 エンジンルーム
11 プライマリプーリ(回転体)
12 セカンダリプーリ(回転体)
13 無終端チェーン(無終端伝動条体)
14 プライマリプーリ軸(回転軸)
15 軸承孔
16 アイソレーション軸受け(軸受け)
17 変速機ハウジング
18 前後進切り換え機構
19 トルクコンバータ
21 セカンダリプーリ軸(回転軸)
22 軸承孔
23 アイソレーション軸受け(軸受け)
24 終減速機
25 ディファレンシャルギヤ装置
31 エンジンマウント(マウント)
32 低剛性材

Claims (6)

  1. 無終端伝動条体を少なくとも一対の回転体間に張力下に巻き掛けして成る無終端巻き掛け伝動機であって、実用に際しては、前記回転体の回転軸線と交差する回転軸線交差面内における方向であって無終端巻き掛け伝動機の荷重方向における剛性が、前記無終端伝動条体の張力作用方向における剛性よりも大きなマウントを介し取り付けるようにした無終端巻き掛け伝動機において、
    前記回転体の回転軸をそれぞれ、これら回転軸と、対応する軸承孔との間に介在させた軸受けにより回転自在に支持し、該軸受けは外周面に設けた低剛性材を介し前記対応する軸承孔に嵌合して前記回転軸から前記軸承孔への振動を遮断するが、
    該低剛性材は、前記マウント剛性が大きい方向においてのみ前記回転軸から前記軸承孔への振動遮断を行うよう構成したことを特徴とする無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造。
  2. 請求項1に記載された、無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造において、
    前記低剛性材は、前記マウント剛性が大きい方向における直径方向対向箇所においてのみ、前記軸受け外周面から突出するよう設けた突起状の低剛性材であることを特徴とする無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造。
  3. 請求項1に記載された、無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造において、
    前記低剛性材は、前記マウント剛性が大きい方向における直径方向対向箇所から、前記マウント剛性が小さい方向における直径方向対向箇所に向けて、前記軸受け外周面からの突出量が漸減する、連続的なまたは不連続なリング状の低剛性材であることを特徴とする無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造。
  4. 請求項1に記載された、無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造において、
    前記低剛性材は、前記軸受け外周面からの突出量が全周に亘って略同じリング状の低剛性材であり、該リング状低剛性材の軸受け外周面からの突出量を、前記マウント剛性が大きい方向の振動を遮断するのに必要な突出量に合わせて決定したことを特徴とする無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造。
  5. 請求項4に記載された、無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造において、
    前記リング状低剛性材の軸受け外周面からの突出量を、前記マウント剛性が大きい方向の振動を遮断するのに必要な最低限の突出量に合わせて決定したことを特徴とする無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された、無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造において、
    前記無終端巻き掛け伝動機は、前記無終端伝動条体としてチェーンを、また前記回転体として一対のプーリを具え、チェーンを一対のプーリ間に巻き掛けすると共に、これらプーリの軸線方向対向シーブ間に挟圧してチェーンを引っ張り状態となすよう構成した車両用チェーン式無段変速機であり、
    該チェーン式無段変速機を、車体上下方向の剛性が前記チェーンの張力作用方向における剛性よりも大きなマウントを介して車載し、
    前記プーリの回転軸を対応する軸承孔内に回転自在に支持する軸受けの外周面から突出して前記対応する軸承孔の内周面に至る前記低剛性材は、前記マウント剛性が大きい車体上下方向方向においてのみ前記回転軸から前記軸承孔への振動遮断を行うよう構成したものであることを特徴とする無終端巻き掛け伝動機の軸受け構造。
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