JP2015068049A - 吐水ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吐水ヘッドに搭載した加速度センサを用いて吐水ヘッドからの吐止水を制御する吐水ヘッド装置の使い勝手を、従来に比べて向上させた吐水ヘッド装置を提供する。
【解決手段】吐水ヘッド装置100は、給水ホース40の先端に取り付けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水ヘッド20と、吐水ヘッド20に取り付けられた加速度検知手段と、吐水ヘッド20への流路を開閉する開閉手段55,65と、開閉手段55,65を制御する制御手段80と、吐水ヘッド20を着脱自在に保持する保持部10とを備え、制御手段80は、加速度検知手段が検知した加速度に基づいて吐水ヘッド20が保持部10に保持されているか否かを判定し、吐水ヘッド20が保持部10に保持されていない場合は第一の制御ルールに基づいて開閉手段55,65を制御し、吐水ヘッド20が保持部10に保持されている場合は第二の制御ルールに基づいて開閉手段55,65を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】吐水ヘッド装置100は、給水ホース40の先端に取り付けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水ヘッド20と、吐水ヘッド20に取り付けられた加速度検知手段と、吐水ヘッド20への流路を開閉する開閉手段55,65と、開閉手段55,65を制御する制御手段80と、吐水ヘッド20を着脱自在に保持する保持部10とを備え、制御手段80は、加速度検知手段が検知した加速度に基づいて吐水ヘッド20が保持部10に保持されているか否かを判定し、吐水ヘッド20が保持部10に保持されていない場合は第一の制御ルールに基づいて開閉手段55,65を制御し、吐水ヘッド20が保持部10に保持されている場合は第二の制御ルールに基づいて開閉手段55,65を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、吐水ヘッド装置に関し、特に、吐水ヘッドに加速度センサを備えている吐水ヘッド装置に関する。
特許文献1には、加速度センサを搭載したシャワーヘッド装置について記載されており、加速度センサを用いてシャワーヘッドを「振る」「タップ」等の直感的操作を検知し、このような直感的操作に応じてシャワーヘッド装置の吐止水を制御する技術が開示されている。
しかしながら、使用者は、シャワーヘッドに吐止水を指示する意図を持たずにシャワーヘッドを振ったり叩いたりすることもあり、使用者が意図しないタイミングで吐水が開始されたり止水されたりする等の誤検出の可能性があった。また、使用者が操作を行っていなくても、使用者がシャワーヘッドを振ったり叩いたりしたときと同様の加速度が発生する場合もあり、これも誤検出の原因となる可能性があった。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、吐水ヘッドに搭載した加速度センサを用いて吐水ヘッドからの吐止水を制御する吐水ヘッド装置の使い勝手を、従来に比べて向上させることを目的とする。
本発明の態様の1つは、給水ホースの先端に取り付けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水ヘッドと、前記吐水ヘッドに取り付けられた加速度検知手段と、前記吐水ヘッドへの流路を開閉する開閉手段と、前記開閉手段を制御する制御手段と、前記吐水ヘッドを着脱自在に保持する保持部と、を備え、前記制御手段は、前記加速度検知手段が検知した加速度に基づいて前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されているか否かを判定し、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合は第一の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御し、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合は第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する吐水ヘッド装置である。
前記加速度検知手段が検知する加速度は、使用者が同じ様に操作したつもりでも、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合と保持されていない場合とで異なる波形(振幅、ピーク発生タイミング、減衰時間等)を示す。そこで、前記加速度に基づいて行う前記開閉手段の制御の制御ルールを、前記保持部に対する前記吐水ヘッドの保持状況に応じて、異なるものを切り替えて採用する。これにより、前記保持部に対する前記吐水ヘッドの保持状況に最適な制御ルールが適用され、使用者が吐水ヘッドに対して行う操作の検出精度が向上し、吐水ヘッド装置の使い勝手を従来に比べて向上させることができる。
本発明の選択的な態様の1つとして、前記制御手段は、前記第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合、前記吐水ヘッドに対する「タップ」操作のみを検出し、当該「タップ」操作に基づいて前記開閉手段を制御する。
前記吐水ヘッドに吐止水を指示するために使用者が行う事が出来る操作には各種のものがあるが、前記吐水ヘッドの前記保持部に対する保持状況に応じて行えない又は行いにくいものがある。例えば、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合は、前記吐水ヘッド自体を振る種類の操作は行えない又は行いにくい。一方、前記吐水ヘッドに衝撃を与える種類の操作(「タップ」操作)は、前記吐水ヘッドの前記保持部に対する保持状況に依らずに行う事ができる。そこで、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合(前記制御手段が前記第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)は、前記吐水ヘッド自体を振る種類の操作については検出を行わず、前記吐水ヘッドに衝撃を与える種類の操作(「タップ」操作)のみを検出するようにしてある。これにより、制御処理が簡素化され、検出精度が向上し、更には使用者の操作に対する応答速度が向上したり、省電力を実現したりすることができる。
本発明の選択的な態様の1つとして、前記第一の制御ルールにおける前記吐水ヘッドに対する「タップ」操作の有無を判定するための判定条件は、前記第二の制御ルールにおける前記吐水ヘッドに対する「タップ」操作の有無を判定するための判定条件よりも厳しくしてある。
前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合(前記制御手段が前記第一の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合(前記制御手段が前記第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)に比べて、前記吐水ヘッドに対する操作行為によって発生する加速度の振動の振幅が大きくなったり、加速度の変化速度がなまったり、加速度の変化波形が操作行為ごとにばらついたりする傾向がある。このため、同じ「タップ」操作を判定する判定条件であっても、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の方を厳しくすることにより、「タップ」操作の検出精度を向上することができる。
本発明の選択的な態様の1つとして、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合の前記加速度検知手段の分解能は、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の前記加速度検知手段の分解能より高くしてある。
上述したように、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合(前記制御手段が前記第一の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合(前記制御手段が前記第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)に比べて、前記吐水ヘッドに対する操作行為によって発生する加速度の振動の振幅が大きくなる傾向がある。このため、より振幅の小さい振動が発生する前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合の前記分解能を高くし、より振幅の大きい振動が発生する前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の前記分解能を低目にする。これにより、操作の検出精度を向上することができる。
本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合の前記加速度検知手段の読み込み周期は、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の前記加速度検知手段の読み込み周期より短くしてある。
上述したように、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合(前記制御手段が前記第一の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合(前記制御手段が前記第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合)に比べて、前記吐水ヘッドに対する操作行為によって発生する加速度の振動の変化がなまったり、加速度が変化している時間が長くなったりする傾向がある。このため、よりシャープな振動が発生する前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合の前記読み込み周期を短くし、より緩やかで時間的にも長い振動が発生する前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の前記読み込み周期を長めにする。これにより、必要に応じて適切な量の加速度データを読み込むので、操作の検出精度を向上しつつ、無駄な加速度データは読み込まないので、省電力や、加速度のデータを記憶するためのメモリの有効活用を実現することができる。
本発明の選択的な態様の1つとして、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持された状態から保持されていない状態に切り替わった際、所定条件が成立するまで、吐水開始を判定するための判定条件を、前記第一の制御ルールにおける吐水開始を判定するための判定条件よりも厳しくする。
これにより、前記保持部から前記吐水ヘッドを取り外す際に発生する振動を、前記吐水ヘッドに対する使用者の操作と誤検出しないようにすることができる。
本発明の選択的な態様の1つにおいて、前記所定条件は、吐水開始がなされることである
前記保持部から前記吐水ヘッドを取り外された直後であっても、上述した厳しい前記判定条件をクリアする使用者の操作によって吐水が開始されたのであれば、その時点で使用者が意識して吐水ヘッドを操作していることが分かるので、それ以降も継続して吐水開始について厳しい判定条件を維持する必要は無くなる。そこで、このような場合は、前記第1の制御ルールよりも厳しい吐水開始の判定条件を元に戻してやることで、使用者の使い勝手を向上している。
本発明の選択的な態様の1つとして、前記所定条件は、所定時間の経過である。
前記保持部から前記吐水ヘッドを取り外す際に発生する加速度の振動は、徐々に収束するものであり、所定時間が経過すれば収束することが予測される。また、使用者が、前記吐水ヘッドを取り外して何かに対して吐水行為を行う準備をするまでは、前記吐水ヘッドは不規則な動きとなるが、ある時間が経過すれば準備は完了すると予測される。従って、前記保持部から前記吐水ヘッドを取り外されて所定時間が経過したことを条件として、前記第1の制御ルールよりも厳しい吐水開始の判定条件を元に戻してやることで、使用者の使い勝手を向上している。
なお、以上説明した吐水ヘッド装置は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。また、本発明は前記吐水ヘッド装置を備える吐水システム、前記吐水ヘッド装置の構成に対応した工程を有する吐水ヘッド装置制御方法、前記吐水ヘッド装置の構成に対応した機能をコンピュータに実現させる制御プログラム、当該制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、等としても実現可能である。
本発明によれば、吐水ヘッドに搭載した加速度センサを用いて吐水ヘッドからの吐止水を制御する吐水ヘッド装置の使い勝手を、従来に比べて向上させることができる。
以下、下記の順序に従って本発明を説明する。
(1)本実施形態の構成:
(2)吐止水制御処理:
(3)まとめ:
(1)本実施形態の構成:
(2)吐止水制御処理:
(3)まとめ:
(1)本実施形態の構成:
図1は本実施形態に係るハンドシャワー装置の構成を示す外観斜視図、図2は本実施形態に係るハンドシャワー装置における水の流れと信号の伝送経路を示す図である。なお、図2において、水の流れは実線で示し、信号の伝送経路は破線で示してある。
図1は本実施形態に係るハンドシャワー装置の構成を示す外観斜視図、図2は本実施形態に係るハンドシャワー装置における水の流れと信号の伝送経路を示す図である。なお、図2において、水の流れは実線で示し、信号の伝送経路は破線で示してある。
吐水ヘッド装置としてのハンドシャワー装置100は、水栓本体10、吐水ヘッドとしてのシャワーヘッド20、ハンドル30、給水ホース40、給水部50、給水部50の電磁弁55、給湯部60、給湯部60の電磁弁65、混合弁70、及びコントローラ80を備える。
シャワーヘッド20は、水栓本体10に取り付けて固定したり、引き出して手で持ったりして使えるようになっている。すなわち、水栓本体10は、取り付けられたシャワーヘッド20を所定の姿勢に支持するものであり、本実施形態において保持部を構成する。
給水部50からの給水は、電磁弁55を介して、水栓本体10の内部に設けられた混合弁70へ供給される。給湯部60からの給湯は、電磁弁65を介して、混合弁70へ供給される。混合弁70に供給された水又は湯は、給水ホース40を通ってシャワーヘッド20に供給される。
コントローラ80は、電磁弁55,65の開閉制御を行う。すなわち、コントローラ80が電磁弁55のみを開くと給水部50から混合弁70へ給水され、コントローラ80が電磁弁65のみを開くと給湯部60から混合弁70へ給湯され、電磁弁55及び電磁弁65を同時に開くと給水部50からの水と給湯部60からの湯を混合したものが混合弁70へ供給される。
ハンドル30を操作すると、混合弁70を通ってシャワーヘッド20へ供給される水と湯の比率や流量が調整される。すなわち、混合弁70を通る水の比率が大きくなるようにハンドル30を操作するとシャワーヘッド20からの吐水温度が低くなり、混合弁70を通る湯の比率が大きくなるようにハンドル30を操作するとシャワーヘッド20からの吐水温度が高くなる。また、混合弁70の流量が多くなるようにハンドル30を操作するとシャワーヘッド20から吐出される水勢が強くなり、混合弁70の流量が少なくなるようにハンドル30を操作するとシャワーヘッド20から吐出される水勢が弱くなる。
なお、ハンドシャワー装置における水の流れと信号の伝送経路は、図3に示す構成としてもよい。図3は、ハンドシャワー装置における水の流れと信号の伝送経路の他の例を示す図である。
図3に示す例では、給水部50からの給水は、混合弁70に直接供給されるとともに電磁弁155にも供給されており、給湯部60からの給湯は、混合弁70に直接供給されている。そして、混合弁70からの給水は、電磁弁165を介して給水ホース40へ供給され、電磁弁155からの給水も給水ホース40へ供給される。
すなわち、図3に示す例では、電磁弁155からは給水部50からの水の通過を制御し、電磁弁165は混合弁70からの水の通過を制御する。このため、電磁弁155のみを開くと水がシャワーヘッド20から吐出され、電磁弁165を開くと水と湯を混合したものがシャワーヘッド20から吐出される。なお、以下では、図2に示す例を用いて説明を行うものとする。
シャワーヘッド20は、その先端部に加速度センサ21を内蔵している。加速度センサ21は、給水ホース40の外周部に内蔵された信号線Lを介してコントローラ80と接続されている。コントローラ80は、加速度センサ21の出力に基づいて電磁弁55,65を制御する。
加速度センサには、1軸タイプ、2軸タイプ、3軸タイプがあり、それぞれ検出可能な加速度の方向が1方向(X)、2方向(X、Y)、3方向(X、Y、Z)となる。検出の基本原理は各軸とも同じであり、それがいくつ内蔵されているかの違いによる。本実施例では3軸タイプの加速度センサを使用する。但し、本技術の内容の一部のみを実施するのであれば、1軸または2軸の加速度センサを使用することもできる。
図1には、シャワーヘッド20における加速度センサ21の各軸の方向を矢印で示してある。なお、各軸の方向は加速度センサ21を取り付ける向きによって適宜に選択可能であるが、本実施形態では図1に示すように取り付けるものとする。
X軸は、シャワーの吐水方向と略平行な軸であり、吐水方向(吐水口から水が出て行く方向)を加速度の正符号とする。X軸の加速度は、吐水方向が真下になるようにシャワーヘッド20を持つ(保持する)と+1g(1g=9.8m/s2)となり、吐水方向が真上を向くようにシャワーヘッド20を持つと−1gとなる。
Y軸は、シャワーヘッド20を左右に振る方向とし、下向きに吐水するようにシャワーヘッド20を持った状態で左方向の加速度の正符号とする。シャワーヘッド20を左右に振る、またはシャワーヘッド20を傾けることで、加速度センサ21のY軸方向にプラスまたはマイナスの加速度が発生する。
Z軸は、シャワーヘッド20の給水ホース40が繋がる根本と、その反対側の先端をつなぐ軸に略平行な軸とし、先端に向けた加速度を正符号とする。シャワーヘッド20の先端が上になるように立てて持つとZ軸の加速度は−1gとなり、シャワーヘッド20の先端が下になるように、つまり、シャワーヘッド20をぶら下げるように持つとZ軸の加速度は+1gとなる。
(2)吐止水制御処理:
図4は、ハンドシャワー装置の吐止水制御処理の流れを示すフローチャートである。この吐止水制御処理は、コントローラ80が加速度センサ21や電磁弁55,65を制御しつつ実行する。
図4は、ハンドシャワー装置の吐止水制御処理の流れを示すフローチャートである。この吐止水制御処理は、コントローラ80が加速度センサ21や電磁弁55,65を制御しつつ実行する。
同図に示す吐止水制御処理では、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持(固定)されている状態か否かを加速度センサ21の出力に基づいて判定し、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されていない場合は、第一の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御し、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されている場合は、第二の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御するようにしてある。
第一の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御する場合、シャワーヘッド20に対する「タップ」操作、「横振り」操作及び「振り下ろし」操作を検出し、これら操作に基づいてシャワーヘッド20からの吐止水を制御する。一方、第二の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御する場合、シャワーヘッドに対する「タップ」操作のみを検出し、当該「タップ」操作に基づいてシャワーヘッド20からの吐止水を制御する。固定状態では、「横振り」操作及び「振り下ろし」操作等のシャワーヘッド20自体を動かすような操作は、通常、行われないからである。なお、固定状態であっても、水栓本体10は横方向に回動可能であり、シャワーヘッド20との取り付け部にも遊びを持たせてあるので、無理をすれば「横振り」操作や「振り下ろし」操作に近い操作は可能である。
また、加速度センサ21の出力データは、シャワーヘッド20に対して使用者が同じように操作したつもりでも、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持された固定状態と、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されていない手持ち状態(非固定状態)とで異なる。そこで、本実施形態の吐止水制御処理では、加速度センサ21からの出力データに基づいて、シャワーヘッド20が固定状態であるか手持ち状態(非固定状態)であるかを判定している。このシャワーヘッド20の固定/非固定状態に係る情報(以下、「固定状態情報」と記載する。)も、コントローラ80のメモリに記憶されている。
また、同じ「タップ」操作であっても、第二の制御ルールにおけるシャワーヘッド20に対する「タップ」操作の有無を判定する場合は、第一の制御ルールにおけるシャワーヘッド20に対する「タップ」操作の有無を判定する場合に比べて、判定条件を緩くしてある。具体的には、「タップ」操作を判定するために必要な加速度の変化量、すなわちシャワーヘッド20を叩く力を、より小さい値でも「タップ」操作と認定するようにしてある。このため、使用者の操作に応じてシャワーヘッド20に発生する加速度の振動の振幅が小さくなりがちな固定時には、発生する加速度の振動の振幅がより小さくても「タップ」操作を検出できるようになる。更に、使用者がシャワーヘッド20を手持ちしている状態では、シャワーヘッド20が固定されていないために不安定な状態になりがちで、「タップ」などの操作が行われなくとも加速度の変化が発生しやすいが、第一の制御ルールとなって判定条件は厳しくなるため、誤って「タップ」操作と判定してしまう誤検知を防止できる。
本実施形態の吐止水制御処理では、使用者がシャワーヘッド20に対して行う各種の操作を、加速度センサ21からの出力データに基づいて検出する。各種の操作を加速度センサ21からの出力データに基づいて検出する手法には、加速度の絶対値の大きさで判定する方法や波形のマッチング(波形の形状の認識)等、様々なものが知られているが、本実施形態では加速度の変化の振幅や発生タイミングに係る各種の閾値(加速度出力の絶対値、符号、所定の変化が発生するまでに要する時間、所定の変化が継続する時間、等)を用いて行っている。これら各種の閾値は、コントローラ80のメモリに記憶されている。
以下、本実施形態の吐止水制御処理について詳細に説明する。
<初期閾値設定>
コントローラ80が実行する吐止水制御処理では、まず、初期設定が行われる(S100)。本実施形態では、初期状態でのシャワーヘッド20が水栓本体10に固定されているものと仮定し、シャワーヘッド20の状態を固定状態に仮設定し、上述した操作に係る各種の閾値として固定状態に適した値を設定する。なお、固定状態に適した閾値については、後に説明するステップS501の説明において詳述する。
コントローラ80が実行する吐止水制御処理では、まず、初期設定が行われる(S100)。本実施形態では、初期状態でのシャワーヘッド20が水栓本体10に固定されているものと仮定し、シャワーヘッド20の状態を固定状態に仮設定し、上述した操作に係る各種の閾値として固定状態に適した値を設定する。なお、固定状態に適した閾値については、後に説明するステップS501の説明において詳述する。
<加速度データ取得>
初期設定が終了すると、次に、加速度データ取得処理を行う(S200)。この加速度データ取得処理は、本実施形態に係る吐止水制御処理の各所で行われるが、シャワーヘッド20が固定状態の場合は、シャワーヘッド20が非固定状態(手持ち状態)の場合に比べて分解能が高い加速度データを加速度センサ21から取得するようになっている。
初期設定が終了すると、次に、加速度データ取得処理を行う(S200)。この加速度データ取得処理は、本実施形態に係る吐止水制御処理の各所で行われるが、シャワーヘッド20が固定状態の場合は、シャワーヘッド20が非固定状態(手持ち状態)の場合に比べて分解能が高い加速度データを加速度センサ21から取得するようになっている。
図5は、加速度データ取得処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す処理では、現在のシャワーヘッド20が固定状態であるか手持ち状態(非固定状態)であるかを判定する(S210)。この判定は、コントローラ80のメモリに記憶されている固定状態情報に基づいて行われる。この固定状態情報は、基本的には後述する固定/手持ち判定処理の結果に基づいて設定されるが、吐止水制御処理の開始直後は、上述したステップS100の初期設定によって固定状態に設定される。
固定状態情報が固定状態になっている場合は(S210:固定)、ステップS220に進み、固定状態情報が手持ち状態(非固定状態)になっている場合は(S210:手持ち)、ステップS230に進む。
ステップS220,S230では、加速度センサ21を制御して、加速度センサ21の出力値のフルスケールを調整する。具体的には、固定状態と判定したステップS220では、出力値を±2gのフルスケールとし、非固定状態と判定したステップS230では、出力値を±8gのフルスケールとする。即ち、加速度センサ21の検出仕様が、「12ビット・デジタル出力」で「フルスケールが±2gと±8gの選択式」のものであったとすると、フルスケールの加速度を12ビット(4096段階)で出力するので、±2gのフルスケールを用いる固定状態では1ビットあたり約0.001gの分解能となり、±8gのフルスケールを用いる非固定状態では1ビットあたり約0.004gの分解能となって、固定状態の方が分解能の高い加速度データを取得することになる。なお、フルスケールの選択は、コントローラ80から加速度センサ21へ動作コマンドを送信することにより実行される。
次に、ステップS220又はS230で設定したスケールで加速度センサ21から加速度データを受信してメモリに記憶する(S240,S250)。このとき、直近の一定時間分の加速度データが残るように、最新データを保存しつつ古いデータを破棄する。ここでいう直近の一定時間とは、加速度の平均値を算出するために必要な時間であり、本実施形態では最新の3秒分としてある。このようにしてメモリに記憶された加速度データを用いて、後述する各軸の加速度の平均値anave(n=x,y,z)や、各軸の平均値anaveと最新値an(n=x,y,z)との差Δan(n=x,y,z)、を計算することができる。
<固定/手持ち判定処理>
次に、加速度データに基づいて、シャワーヘッド20が固定状態であるか手持ち状態(非固定状態)であるかを判定する(S300)。この判定処理では、概略、動き判定(加速度の振幅が一定値以下であるか)と姿勢判定(シャワーヘッド20が所定の姿勢に保持されているか)の2つを判定する。そして、双方とも条件成立の場合は、シャワーヘッド20が固定状態であると判定し、少なくとも一方が条件不成立の場合は、シャワーヘッド20が手持ち状態(非固定状態)であると判定する。
次に、加速度データに基づいて、シャワーヘッド20が固定状態であるか手持ち状態(非固定状態)であるかを判定する(S300)。この判定処理では、概略、動き判定(加速度の振幅が一定値以下であるか)と姿勢判定(シャワーヘッド20が所定の姿勢に保持されているか)の2つを判定する。そして、双方とも条件成立の場合は、シャワーヘッド20が固定状態であると判定し、少なくとも一方が条件不成立の場合は、シャワーヘッド20が手持ち状態(非固定状態)であると判定する。
図6は、固定/手持ち判定処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す処理では、平均値anaveと最新値anとの差Δanを、X,Y,Z各軸について計算する(S310)。そして、各軸の差Δanが何れも−0.01g〜+0.01gの範囲内である場合は(S320:Yes)、ステップS330の姿勢判定に進み、各軸の差Δanの何れか1つでも−0.01g〜+0.01gの範囲外である場合は(S320:No)、手持ち状態(非固定状態)と判定する(S350)。
ステップS320で条件成立した場合は、次に、シャワーヘッド20の姿勢判定を行う(S330)。姿勢判定においては、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持(固定)されて所定の姿勢になっているときの各軸の加速度(理想加速度an0(n=x,y,z))と、各軸の最新値anとが略一致するか否かを判定する(S330)。
図7は、シャワーヘッドが水栓本体に保持された状態の一例を示す図である。同図に示す例では、シャワーヘッド20の吐水方向であるX軸が鉛直下方向に対して38°傾いているため、上述した理想加速度an0は、それぞれ、ax0=0.79g、ay0=0g、az0=−0.62gとなる。この場合、各軸の最新値anが、ax0=0.79g、ay0=0g、az0=−0.62gから誤差±0.1gの範囲内になっているかを判定すればよい。
そして、最新値anの何れもが理想加速度an0から誤差±0.1gの範囲内である場合は(S330:Yes)、シャワーヘッド20は固定状態であると判定し(S340)、最新値anの何れか1つでも理想加速度an0から誤差±0.1gの範囲外である場合は(S330:No)、手持ち状態(非固定状態)であると判定する(S350)。
以上説明したように、固定/手持ち判定処理では、各軸の平均値と現在値との差が一定値以内であって現在値が固定状態の姿勢を示す範囲内であれば固定状態と判定し、それ以外は手持ち状態と判定している。このように、動き判定に加えて姿勢判定も行うことにより、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されずに静止している場合、例えば、シャワーヘッド20がキッチンのシンク内に転がって放置されている場合は、固定状態と誤って判定されることはなく、手持ち状態の制御ルールで動作することになる。この固定/手持ち判定処理の結果は、次に判定が行われるまでコントローラ80のメモリに記憶される。
<固定/手持ち処理分岐>
図4に戻り、ステップ300の、コントローラ80のメモリに記憶された固定/手持ち判定処理の結果に基づいて、固定/手持ちの処理の分岐を行う(S400)。ステップS300において固定状態と判定した場合は(S400:固定)、第二の制御ルールに基づいて電磁弁55,65の制御を行う固定時操作検出処理に進み(S500)、ステップS300において非固定状態と判定した場合は(S400:手持ち)、第一の制御ルールに基づいて電磁弁55,65の制御を行う手持ち時操作検出処理に進む(S600)。
図4に戻り、ステップ300の、コントローラ80のメモリに記憶された固定/手持ち判定処理の結果に基づいて、固定/手持ちの処理の分岐を行う(S400)。ステップS300において固定状態と判定した場合は(S400:固定)、第二の制御ルールに基づいて電磁弁55,65の制御を行う固定時操作検出処理に進み(S500)、ステップS300において非固定状態と判定した場合は(S400:手持ち)、第一の制御ルールに基づいて電磁弁55,65の制御を行う手持ち時操作検出処理に進む(S600)。
<固定時操作検出処理>
図8は、固定時操作検出処理の具体例を示すフローチャートである。
図8は、固定時操作検出処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す固定時操作検出処理においては、「振り下ろす」操作と「横振り」操作については検出せず、「タップ」操作のみの検出を行う。このため、加速度センサ21の出力のフルスケールを狭くして分解能を高めて、更にデータ取り込み周期も短くすることにより、固定時の「タップ」操作の検出に適したデータを取得できるように加速度センサ21を制御している。
固定時操作検出処理では、まず、閾値設定1の処理を行う(S501)。
図9は、閾値設定1の処理の具体例を示すフローチャートである。
図9は、閾値設定1の処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す閾値設定1の処理では、まず、固定時の「タップ」操作の判定に適した判定条件を設定する(S501a)。この判定条件は、例えば、「タップ」操作により発生する加速度のピークを検出するための閾値Tht1により実現することができる。この固定時操作検出処理における「タップ」操作の判定に適した閾値Tht1は、後述する手持ち時操作検出処理における「タップ」操作の判定に適した閾値Tht2に比べて、小さい値にしてある。このように手持ち時と異なる判定条件を設定することにより、シャワーヘッド20の振動の振幅が比較的小さくなりがちな固定時においても、「タップ」操作により発生する振動を確実に検出することができる。
次に、「振り下ろし」操作の判定に係る判定条件(例えば、閾値Thz)を、条件が厳しくなるように変更する(S501b)。固定時は「振り下ろし」操作の判定を行わないため、通常、「振り下ろし」操作の判定に係る判定条件は、手持ち時の「振り下ろし」操作の判定に適したものが設定されている。ただし、シャワーヘッド20を固定から手持ちに切り替えるために水栓本体10からシャワーヘッド20を引き出す際、まず、給水ホース40を十分に引き出してから、シャワーヘッド20を吐水したいもの(例えば、キッチンで使用する場合は鍋など)に対して向ける動作を行う。この時は、使用者は加速度センサ21によって吐水操作する意識が薄いので、シャワーヘッド20がどのような動きになるか分からない。よって、手持ち状態での「振り下ろし」操作として誤検出されうる振動が発生する可能性がある。そこで、「振り下ろし」操作の判定に用いる判定条件を、固定から手持ちに切り替える前に予め厳しくなるように変更しておくことで、シャワーヘッド20を固定から手持ちに変えた直後の誤吐水を防止できる。
次に、吐水中か否かを判定する(S502)。止水中の場合は(S502:No)、ステップS503〜S509に進んで吐水開始に係る処理を行い、吐水中の場合は(S502:Yes)、ステップS511〜S518に進んで止水に係る処理を行う。吐水開始に係る処理、及び、止水に係る処理においては、まず、「タップ」操作の判定を行う(S503,S511)。
図10は、「タップ」操作を判定する処理の具体例を示すフローチャートである。
<タップ判定>
同図に示す処理では、「タップ」操作に応じてシャワーヘッド20に発生する振動による加速度の変化パターンを一連のシーケンスと考え、シーケンスの進行に合わせて判定プログラム上のステータス番号STBの数値を変化させ、各ステータス番号STBに応じて、次のシーケンスで発生する特徴の検出を行って、条件が合致すればステータスを進める手法を採用している。すなわち、「タップ」操作に応じて発生する振動の中で、時系列で順に発生していく特徴を順に検出していく処理を行う。
同図に示す処理では、「タップ」操作に応じてシャワーヘッド20に発生する振動による加速度の変化パターンを一連のシーケンスと考え、シーケンスの進行に合わせて判定プログラム上のステータス番号STBの数値を変化させ、各ステータス番号STBに応じて、次のシーケンスで発生する特徴の検出を行って、条件が合致すればステータスを進める手法を採用している。すなわち、「タップ」操作に応じて発生する振動の中で、時系列で順に発生していく特徴を順に検出していく処理を行う。
図11は、「タップ」操作によって発生する加速度の変化の一例を示す図である。
同図に示すように、「タップ」操作では、実際に「タップ」操作が行われる直前にシャワーヘッド20を構えるため一定時間以上の静止状態があり、次いで、シャワーヘッド20を使用者が叩くことにより発生するマイナス方向への加速度(通常は上から叩くので、重力加速度と逆方向となる)のピーク(第1ピークPa)が発生し、次いで、その反動で発生するプラス方向への加速度(上から叩かれたシャワーヘッドは下向きに移動するので、それを支える力)のピーク(第2ピークPb)が発生し、その後、使用者が叩いてから一定時間内に振動が収束して静止状態に戻ることになる。各状態に対するステータスは、STB=0からSTB=4まで図11に示している。
そこで、STB=0の場合は、シャワーヘッド20が一定時間以上静止しているか否かの判定処理を行い(S503b〜S503d)、STB=1の場合は、シャワーヘッド20が一定時間以上静止している状態から「タップ」操作によって発生する特徴的な加速度の変化を検出したか否かの判定処理を行い(S503e〜S503h)、STB=2の場合は、「タップ」操作によって発生する振動を制止する反動によって発生する特徴的な加速度の変化を検出したか否かの判定を行い(S503i〜S503n)、STB=3の場合は、「タップ」操作を検出してから一定時間以内にシャワーヘッド20が静止して静止状態に戻ったか否かの判定を行う(S503o〜S503s)。そして、STB=4は、「タップ」操作の検出完了を示す。
具体的には、まず、ステータス番号STBを判定する(S503a)。
ここで、STB=0の場合は、ステップS503b〜S503dを実行する。
まず、シャワーヘッド20が安定しているか否か判定するため、各軸の平均値anaveと各軸の最新値anとの差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内であるか判定する(S503b)。そして、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内であれば(S503b:Yes)、その状態が0.5秒以上継続しているか判定し(S503c)、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内の状態が0.5秒以上継続している場合には(S503c:Yes)、ステータス番号STBをSTB=1に進める(S503d)。一方、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内でない場合は(S503b:No)、安定していないと判定してステータス番号STBはSTB=0のままとし、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内の状態が0.5秒以上継続していない場合は(S503c:No)、安定状態が一定時間継続していないと判定してステータス番号STBはSTB=0のままとする。
次に、STB=1の場合は、ステップS503e〜S503hを実行する。
まず、「タップ」操作によって発生する最初の加速度のピーク(第1ピークPa)を検出するため、X軸加速度のピーク検出を行い、X軸加速度の平均値axaveと加速度のピーク値axpとの差Δaxpが−1.5g以下であるか判定し(S503e)、差Δaxpが−1.5g以下の場合は(S503e:Yes)、ステータス番号STBをSTB=2に進める(S503g)。なお、「差Δaxpが−1.5g以下」という条件は、例えば差が−2.0gである場合など、差の符号がマイナスであり、差の絶対値が1.5g以上の大きな加速度変化があった場合のことである。差Δaxpが−1.5g以下でない場合は(S503e:No)、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内であるかを再判定し(S503f)、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内である場合は(S503f:Yes)、引き続き安定状態が継続していると判定してステータス番号はSTB=1のままとし、差Δanが−0.3g〜+0.3gの範囲内でない場合は(S503f:No)、安定していないと判定してステータス番号をSTB=0にリセットする(S503h)。なお、本実施形態では、吐水方向であるX軸方向に「タップ」操作が行われる前提で説明を行っているため、ステップS503eにおいてX軸加速度を判定しているが、「タップ」操作の方向はこれに限るものではない。
次に、STB=2の場合は、ステップS503i〜S503nを実行する。
まず、第1ピークPaの反動として発生する第2の加速度のピーク(第2ピークPb)を検出するため、X軸加速度のピーク検出を行い、X軸加速度の平均値axaveと加速度のピーク値axpとの差Δaxpが+1.0g以上であるか判定し(S503i)、差Δaxpが+1.0g以上の場合は(S503i:Yes)、STB=2にステータスが変化してからの時間が0.2秒以下であるか判定する(S503j)。差Δaxpが+1.0g以上であってSTB=2にステータスが変化してからの時間が0.2秒以下の場合は、ステータス番号STBをSTB=3に進める(S503k)。一方、STB=2にステータスが変化してからの時間が0.2秒以下でない場合は(S503j:No)、ステップS503iで判定した第1ピークPaと、ステップS503eで判定した第2ピークPbと、の間に相関(第1ピークPaの反動により第2ピークPbが生じた)が無いものと判定してステータス番号STBをSTB=0にリセットする(S503l)。また、差Δaxpが+1.0g以上でない場合は(S503i:No)、STB=2にステータスが移行してから0.5秒経過したか判定し(S503m)、0.5秒経過していれば(S503m:Yes)、ステータス番号STBをSTB=0にリセットし(S503n)、0.5秒が未経過であれば(S503m:No)、ステータス番号STBはSTB=2のままとする。なお、ステップS503mの0.5秒の待ち時間がステップS503jの判定時間より長いのは、ステップS503jの判定時間の変更を容易にする(すなわち0.5秒まで長くできる)目的がある。
最後に、STB=3の場合はステップS503o〜S503sを実行する。
まず、シャワーヘッド20が安定状態に戻ったか否か判定するため、X軸の平均値axaveとX軸の最新値axとの差Δaxが−0.3g〜+0.3gの範囲内であるか判定する(S503o)。そして、差Δaxが−0.3g〜+0.3gの範囲内であれば(S503o:Yes)、その状態が0.5秒以上継続しているか判定し(S503p)、差Δaxが−0.3g〜+0.3gの範囲内の状態が0.5秒以上継続している場合には(S503p:Yes)、ステータス番号STBをSTB=4に進める(S503q)。一方、差Δaxが−0.3g〜+0.3gの範囲内でない場合や(S503o:No)、差Δaxが−0.3g〜+0.3gの範囲内の状態が0.5秒以上継続していない場合には(S503p:No)、STB=3にステータスが移行してから1.0秒経過したか判定し(S503r)、1.0秒経過していれば(S503r:Yes)、ステータス番号STBをSTB=0にリセットし(S503s)、1.0秒が未経過であれば(S503r:No)、ステータス番号STBはSTB=3のままとする。
<操作検出判定>
このようにして、変更されていくステータス番号STBに基づいて「タップ」操作を検出したか否かの判定が行われる(S504,S512)。すなわち、STB=0〜3の場合は「タップ」操作を未検出と判定し(S504:No,S512:No)、5ms待機した後(S510)、固定時処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。一方、STB=4の場合は、「タップ」操作を検出したと判定し(S504:Yes,S512:Yes)、止水中であれば電磁弁55,65を開く制御を実行し(S505)、吐水中であれば電磁弁55,65を閉じる制御を実行する(S514)。なお、本実施形態では、吐水中の場合は、仮に「タップ」操作を検出しなかった場合でも(S512:No)、吐水継続時間が1分を超えていれば(S513:Yes)、節水のため吐水を停止するようにしてある。
このようにして、変更されていくステータス番号STBに基づいて「タップ」操作を検出したか否かの判定が行われる(S504,S512)。すなわち、STB=0〜3の場合は「タップ」操作を未検出と判定し(S504:No,S512:No)、5ms待機した後(S510)、固定時処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。一方、STB=4の場合は、「タップ」操作を検出したと判定し(S504:Yes,S512:Yes)、止水中であれば電磁弁55,65を開く制御を実行し(S505)、吐水中であれば電磁弁55,65を閉じる制御を実行する(S514)。なお、本実施形態では、吐水中の場合は、仮に「タップ」操作を検出しなかった場合でも(S512:No)、吐水継続時間が1分を超えていれば(S513:Yes)、節水のため吐水を停止するようにしてある。
<反動終了判定>
電磁弁55,65を開閉した後は、加速度データを再取得して(S506,515)、反動終了判定を実行する(S507,S516)。加速度データの再取得処理(S506,S515)は、上述したステップS200と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。反動終了判定処理は、電磁弁55,65が開閉動作を行ってシャワーヘッド20への給水路中を流れる水の動きが変化したときに、水の慣性でシャワーヘッド20に発生する加速度の振動を、使用者の操作で発生した加速度の振動として誤検出しないようにするために行うものである。
電磁弁55,65を開閉した後は、加速度データを再取得して(S506,515)、反動終了判定を実行する(S507,S516)。加速度データの再取得処理(S506,S515)は、上述したステップS200と同様の処理であるため、詳細な説明は省略する。反動終了判定処理は、電磁弁55,65が開閉動作を行ってシャワーヘッド20への給水路中を流れる水の動きが変化したときに、水の慣性でシャワーヘッド20に発生する加速度の振動を、使用者の操作で発生した加速度の振動として誤検出しないようにするために行うものである。
図12は、反動終了判定処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す反動終了判定処理では、吐水方向であるX軸方向の加速度の差Δaxが+0.5g〜+0.8gの範囲にあるか判定し(S507a)、その他のY,Z軸方向の加速度の差Δay、Δazについては−0.2g〜+0.2gの範囲内であるか判定しており(S507b、S507c)、これら条件が全て成立した状態が0.1〜0.2秒継続した場合に(S507d:Yes)、水流の変化の反動による加速度の振動が収束した(反動による振動が発生し、終了した)ものと判定している(S507e)。なお、ステップS507aからS507cの条件が全て成立した状態が0.2秒を超えて継続した場合、反動による加速度としては長すぎるため、ステップS507dでNoと判定する。
そして、反動による加速度の振動が収束したと判定した場合は(S508:Yes,S517:Yes)、5ms待機した後(S510)、固定時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。一方、反動による加速度の振動が収束したと判定しなかった場合は(S508:No,S517:No)、電磁弁を開いたときは500ms、電磁弁を閉じたときは300msが経過するまで、加速度データ取得処理(S506,S515)と反動終了判定処理(S507,S516)と反動終了判定(S508,S517)とを繰り返す(S509:No、S518:No)。そして、その間に反動による振動が収束したものと判定されなくても、電磁弁を開いたときは500ms、電磁弁を閉じたときは300msが経過した時点で、5ms待機した後(S510)、固定時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる(S509:Yes、S518:Yes)。
すなわち、電磁弁55,65の開指示を行うと、所定時間としての500msが経過するまで、ステップS506〜S509の処理をループすることにより、操作検出に係る制御処理を禁止するマスク時間を設けている。同様に、電磁弁55,65の閉指示を行うと、所定時間としての300msが経過するまで、ステップS515〜S518の処理をループすることにより、操作検出に係る制御処理を禁止するマスク時間を設けている。これにより、吐止水の反動で生じるシャワーヘッド20の振動による誤吐水を防止することができる。
また、上述したマスク時間は、開指示を行った場合の方が、閉指示を行った場合に比べて長くしてある。これは、開動作の際は、電磁弁55,65を開くと水がシャワーヘッド20から吐出される加速度が強く出るため、反動が比較的大きく出るが、閉指示の際は、電磁弁55,65を閉じたとき、給水ホース40やシャワーヘッド20の中の水が徐々に止まっていくため、反動が比較的大きくないためである。このように、開指示を行った場合と閉指示を行った場合とで、上述したマスク時間の長さを切り替えることにより、操作検出を行わないマスク時間を最小限に止めることが出来る。なお、電磁弁の特性や水路の状態、長さなどの条件により、吐水ヘッド装置の設計に応じてマスク時間は異なる。また、開指示と閉指示のどちらのマスク時間が長いか、或いは同等であるかも異なってくるので、シャワーヘッド20の実際の反動による加速度変化を測定して決めれば良い。
さらに、上述したマスク時間の経過前であっても、反動の終了を検出した場合は、ステップS506〜S509のループ処理やステップS515〜S518のループ処理を抜けて、操作検出に係る制御処理の禁止を解除する。これにより、実際の振動発生状況に応じてマスク時間を適宜に短縮できるため、操作検出を行わないマスク時間を最小限に抑え、次の操作検出を素早く再開できるので、誤検出をせず、より軽快な操作を実現することができる。
<手持ち時操作検出処理>
図13は、手持ち時操作検出処理の具体例を示すフローチャートである。
図13は、手持ち時操作検出処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す手持ち時操作検出処理においては、「タップ」操作のみならず「振り下ろし」操作及び「横振り」操作についても検出を行う。このため、加速度センサ21の出力するデータ分解能を固定時よりも低下させることでフルスケールを広くし、更にデータ取り込み周期も固定時より長くして長時間のデータをコントローラ80のメモリに記憶しやすいように変更し、手持ち時における「タップ」「振り下ろし」「横振り」操作の検出に適した取り込み頻度と分解能で加速度データを取得できるように加速度センサ21を制御している。
手持ち時操作検出処理では、まず、図14に示す閾値設定2の処理によって、手持ち時における「タップ」操作の判定に適した判定条件を設定する(S601)。この判定条件は、例えば、「タップ」操作により発生する加速度のピークを検出するための閾値Tht2により実現することができる(S601a)。この閾値Tht2は、上述した固定時操作検出処理における「タップ」操作の判定に適した閾値Tht1に比べて、大きい値にする。これにより、手ブレによって振動の振幅が大きくなりやすい手持ち状態において、「タップ」操作を誤検出しにくくしてある。
具体的には、図10の「タップ」操作の判定フローで、手持ち時の場合は、ステップS503eの判定閾値を「−1.5g」から「−2.5g」に、ステップS503iの判定閾値を「+1.0g」から「+1.5g」に、ステップS503jの判定閾値を「0.2秒」から「0.3秒」に、という具合に、より大きな加速度変化があった時に「タップ」操作判定するよう変更する。よって閾値は、「タップ」操作という行為を認定する条件としては、より厳しい条件となる。言い換えると、操作行為を認定する許容範囲としては、より狭くなる。
具体的には、図10の「タップ」操作の判定フローで、手持ち時の場合は、ステップS503eの判定閾値を「−1.5g」から「−2.5g」に、ステップS503iの判定閾値を「+1.0g」から「+1.5g」に、ステップS503jの判定閾値を「0.2秒」から「0.3秒」に、という具合に、より大きな加速度変化があった時に「タップ」操作判定するよう変更する。よって閾値は、「タップ」操作という行為を認定する条件としては、より厳しい条件となる。言い換えると、操作行為を認定する許容範囲としては、より狭くなる。
次に、吐水中か否かを判定する(S602)。止水中の場合は(S602:No)、ステップS603〜S613に進んで吐水開始に係る処理を行い、吐水中の場合は(S602:Yes)、ステップS614〜S626に進んで止水に係る処理を行う。
吐水開始に係る処理においては、まず、「横振り」操作の判定を行う(S603)。
図15は、「横振り」操作を判定する処理の具体例を示すフローチャートである。
図15は、「横振り」操作を判定する処理の具体例を示すフローチャートである。
<横振り判定処理>
同図に示す処理では、「横振り」操作に応じて発生する加速度の振動の複数の特徴を順次、検出する手法を採用している。「横振り」操作とは、使用者が吐水方向を下向き(X軸方向)として、吐水ヘッドを吐水方向の直交する方向、すなわち地面に対して「横」方向(Y軸方向)に、一定の周波数で、一定以上の速度で、繰り返し振る動作のことと定義する。「横振り」操作に応じて発生する加速度の変化の特徴は、一定周波数範囲の振動であって、「横振り」操作の方向には一定値以上の振幅の振動が発生するものの、その他の方向には一定値未満の振幅の振動しか発生しない点にある。
同図に示す処理では、「横振り」操作に応じて発生する加速度の振動の複数の特徴を順次、検出する手法を採用している。「横振り」操作とは、使用者が吐水方向を下向き(X軸方向)として、吐水ヘッドを吐水方向の直交する方向、すなわち地面に対して「横」方向(Y軸方向)に、一定の周波数で、一定以上の速度で、繰り返し振る動作のことと定義する。「横振り」操作に応じて発生する加速度の変化の特徴は、一定周波数範囲の振動であって、「横振り」操作の方向には一定値以上の振幅の振動が発生するものの、その他の方向には一定値未満の振幅の振動しか発生しない点にある。
そこで、まず、Y軸平均値ayaveとY軸方向の最新値ayとの差Δayの周波数fyが2〜5Hzで符号反転しているか否か判定する(S603a)。差Δayの周波数fyが2〜5Hzで符号反転している場合は(S603a:Yes)、ステップS603bに進み、差Δayの周波数fyが2〜5Hzで符号反転していない場合は(S603a:No)、「横振り」操作を判定する処理を終了する。これにより、急激な変化(高周波)や繰り返しでない単発の変化を「横振り」操作として誤検出しないようにしてある。なお、ステップS603aの2〜5Hzという判定周波数は、シャワーヘッド20を使用者が意図的かつ楽に繰り返し振ることができる周波数であり、シャワーヘッド20の形状や重さによって適宜に決定する。
次に、Y軸平均値ayaveとY軸方向の最新値ayとの差Δayの過去1秒以内の振幅が1gより大きいか否か判定する(S603b)。差Δayの過去1秒以内の振幅が1gより大きい場合は(S603b:Yes)、ステップS603cに進み、差Δayの過去1秒以内の振幅が1g未満の場合は(S603b:No)、「横振り」操作を判定する処理を終了する。これにより、「横振り」操作の方向への意図的な操作によって発生した振動のみを検出することができる。なお、ステップS603bの1gという閾値は、シャワーヘッド20の形状や重さ、加速度センサ21の取り付け位置によって異なるので、水栓装置に応じて適宜に決定する。
なお、本実施形態では「横振り」の検出方向をY軸方向としてあるが、これに限る必要は無い。ただし、Y軸方向は吐水方向に直交する方向であることから、吐水方向であるX軸方向へ「横振り」を行う場合に比べて吐水方向がぶれにくく、吐水開始時等に吐水方向が下向きになっているので、水が意図しない方向に飛び散る可能性が低い点で好ましい。また、Y軸方向への「横振り」操作は手首の振りで実現できるため、Z軸方向に振る場合(この場合、シャワーヘッド20および給水ホース40を繰り返し移動させる力が必要になる)に比べて使用者にとって操作が容易である。
次に、X軸平均値axaveとX軸方向の最新値axとの差Δaxの過去1秒以内の振幅が0.5g以下か否か判定する(S603c)。差Δaxの過去1秒以内の振幅が0.5gより小さい場合は(S603c:Yes)、ステップS603dに進み、差Δaxの過去1秒以内の振幅が0.5gより小さくない場合は(S603c:No)、「横振り」操作を判定する処理を終了する。これにより、「横振り」操作の方向以外の方向であるX軸方向に発生した振動を含む、言わば、使用者が「横振り」操作を意図していない場合の不規則な動き、振動を誤検出しないようになっている。
次に、Z軸平均値azaveとZ軸方向の最新値azとの差Δazの過去1秒以内の振幅が0.5gより小さいか否かを判定する(S603d)。差Δazの過去1秒以内の振幅が0.5gより小さい場合は(S603d:Yes)、ステップS603eに進み、差azの過去1秒以内の振幅が0.5gより小さくない場合は(S603d:No)、「横振り」操作を判定する処理を終了する。これにより、「横振り」操作の方向以外の方向であるZ軸方向に発生した振動を含む、言わば、使用者が「横振り」操作を意図していない場合の不規則な動き、振動を誤検出しないようになっている。
そして、ステップS603a〜S603dの全てで条件成立した場合、「横振りの検出」確定とする(S603e)。すなわち、ステップS603a〜S603dの何れか1つでも条件不成立の場合は、「横振り」操作は非検出とする。これにより、周波数fyが2〜5Hzであり、「横振り」操作のY軸方向には1g以上の振幅の振動が発生するものの、その他のX軸、Z軸方向には0.5g以下の振幅の振動しか発生しない意図的な操作によって発生した加速度の変化のみを「横振り」操作として検出することができる。
なお、「横振り」操作の判定は、仕事率を用いて行ってもよい。図16は、「横振り」操作を判定する処理の他の具体例を示すフローチャートである。なお、同図に示す処理は、ステップ603bを除いて上述した図15に示す「横振り」操作を判定する処理と同様であるため、共通する処理については同じステップ番号を付して説明を省略する。
図16に示す処理では、上述したステップS603bの代わりに、加速度センサ21が検知した加速度の変化を利用して、使用者がシャワーヘッド20をY軸方向に振ってシャワーヘッド20に与えた仕事率を算出し、過去1秒以内の当該仕事率P(の平均値)が閾値Pthを超えたか否かを判定している(S603b’)。なお、仕事率Pは、横振り操作を振幅A、周波数fの単振動とすると、以下の式(1)で算出することができる。下記式(1)において、mはシャワーヘッド20の質量、aは加速度、vは速度、Aは横振り操作の振幅、ωは振動の角速度(ω=2πf)、tは時間を表す。
前記(1)式に示すように、仕事率は加速度の振幅Aの二乗に比例しており、Y軸加速度ayとY軸加速度の平均値ayaveの差Δayの二乗に比例することが分かる。従って、加速度センサ21が検知した加速度に基づいて算出される差Δayの二乗を、仕事率Pに相当する仕事率相当値P’として用いることができる。このようにして算出した仕事率相当値P’を、閾値Pthに相当する閾値Pth’と比較し(S603b’)、仕事率相当値P’が閾値Pth’を超えるか否かの判定を行うことにより、上述したステップS603b相当の判定を行う事が出来る。なお、図16に示す例では、Y軸方向の判定についてのみ仕事率を用いた判定を採用しているが、他のX軸やZ軸方向の判定についても仕事率を用いて判定してもよい。
<横振り判定>
次に、ステップS603において横振り検出と判定した場合は(S604:Yes)、電磁弁55,65を開弁する制御を行い(S609)、ステップS603において横振り非検出と判定した場合は(S604:No)、振り下ろし判定を行う(S605)。
次に、ステップS603において横振り検出と判定した場合は(S604:Yes)、電磁弁55,65を開弁する制御を行い(S609)、ステップS603において横振り非検出と判定した場合は(S604:No)、振り下ろし判定を行う(S605)。
図17は、「振り下ろし」操作を判定する処理の具体例を示すフローチャートである。
<振り下ろし判定>
同図に示す処理では、「振り下ろし」操作に応じてシャワーヘッド20に発生する振動による加速度の変化パターンを一連のシーケンスと考え、シーケンスの進行に合わせて判定プログラム上のステータス番号STAの数値を変化させ、各ステータス番号STAに応じて、次のシーケンスで発生する特徴の検出を行って、条件が合致すればステータスを進める手法を採用している。すなわち、「振り下ろし」操作に応じて発生する振動の中で、時系列で順に発生していく特徴を順に検出していく処理を行う。
同図に示す処理では、「振り下ろし」操作に応じてシャワーヘッド20に発生する振動による加速度の変化パターンを一連のシーケンスと考え、シーケンスの進行に合わせて判定プログラム上のステータス番号STAの数値を変化させ、各ステータス番号STAに応じて、次のシーケンスで発生する特徴の検出を行って、条件が合致すればステータスを進める手法を採用している。すなわち、「振り下ろし」操作に応じて発生する振動の中で、時系列で順に発生していく特徴を順に検出していく処理を行う。
図18は、「振り下ろし」操作によって発生する加速度の変化の一例を示す図である。
同図に示すように、「振り下ろし」操作では、実際に「振り下ろし」操作が行われる直前にシャワーヘッド20を構えるため一定時間以上の静止状態があり、次いで、シャワーヘッド20を使用者が下に向かって振り下ろすことにより発生するマイナス方向への加速度のピーク(第1ピークPa)が発生し、次いで、その制動によって発生するプラス方向への加速度のピーク(第2ピークPb)が発生し、その後、使用者が振り下ろしを開始してから一定時間内に振動が収束して静止状態に戻ることになる。
即ち、STA=0の場合は、シャワーヘッド20が一定時間以上静止しているか否かの判定(S605b〜S605d)を行い、STA=1の場合は、シャワーヘッド20が一定時間以上静止している状態から振り下ろし動作によって発生する最初の特徴的な加速度の変化を検出したか否かの判定を行い(S605e〜S605h)、STA=2の場合は、振り下ろし動作によって発生する2つ目の特徴的な加速度の変化を検出したか否かの判定を行い(S605i〜S605p)、STA=3の場合は、振り下ろし動作を検出してから一定時間以内にシャワーヘッド20が静止して安定に戻ったか否かの判定を行う(S605r〜S605x)。そして、STA=4は、振り下ろし動作の検出完了を示す。
より具体的には、まず、ステータス番号STAを判定する(S605a)。
そして、STA=0の場合は、ステップS605b〜S605dを実行する。
まず、シャワーヘッド20が安定しているか否か判定するため、各軸の平均値anaveと各軸の最新値anとの差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内であるか判定する(S605b)。この判定に用いる値(±0.5g)は、タップ判定でシャワーヘッド20の安定を判定するために用いる値(±0.3g)よりも大きくしてある。差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内であれば(S605b:Yes)、その状態が0.5秒以上継続しているか判定し(S605c)、差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内の状態が0.5秒以上継続している場合には(S605c:Yes)、ステータス番号STAをSTA=1に進める(S605d)。一方、差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内でない場合は(S605b:No)、安定していないと判定してステータス番号STAはSTA=0のままとし、差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内の状態が0.5秒以上継続していない場合も(S605c:No)、安定状態が一定時間継続していないと判定してステータス番号STAはSTA=0のままとする。
次に、STA=1の場合は、ステップS605e〜S605hを実行する。
まず、「振り下ろし」操作において、シャワーヘッド20の振り下ろし開始タイミングを検出するため、上述した安定状態から外れたかを判定する。具体的には、X軸の平均値axaveとX軸の最新値axとの差Δaxが−0.5g以下になったか判定する(S605e)。差Δaxが−0.5g以下(差Δaxの符号はマイナスで、かつ絶対値は0.5g以上)の場合は(S605e:Yes)、ステータス番号STAをSTA=2に進める(S605g)。差Δaxが−0.5g以下でない場合(差Δaxの符号がプラスの場合、或いは符号がマイナスでも絶対値は0.5g未満)は(S605e:No)、上述した差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内であるかを再判定し(S605f)、差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内である場合は(S605f:Yes)、引き続き安定状態が継続していると判定してステータス番号はSTA=1のままとし、差Δanが−0.5g〜+0.5gの範囲内でない場合は(S605f:No)、安定していないと判定してステータス番号をSTA=0にリセットする(S605h)。なお、本実施形態では、吐水方向であるX軸方向に「振り下ろす」操作が行われる前提で説明を行っているため、ステップS605eでX軸加速度について判定を行っているが、「振り下ろす」操作の方向はこれに限定されるものではない。
次に、STA=2の場合は、ステップS605i〜S605pを実行する。
まず、X軸加速度のマイナス方向のピーク値検出と(S605i)、現在のX軸加速度axとX軸加速度の平均値axaveの差Δaxが+2.5g以上であるかの判定と(S605j)、を行う。これにより、「振り下ろし」操作によって発生する最初の加速度のピーク値(第1ピークPaの値)検出と、並行して、振り下ろしを止める操作の検出とを行うことができる。差Δaxが+2.5g以上の場合は(S605j:Yes)、STA=2にステータスが変化してからの時間が0.1〜0.3秒の範囲内であるか判定する(S605k)。差Δaxが+2.5g以上であってSTA=2にステータスが変化してからの時間が0.1〜0.3秒の範囲内の場合は、ステータス番号STAをSTA=3に進めるとともに(S605l)、第1のピークPaのときのΔax、及び「振り下ろし」操作が開始されてから第1のピークPaが発生するまでの時間Ta、をメモリに記憶する。一方、STA=2にステータスが変化してからの時間が0.1〜0.3秒の範囲内でない場合は(S605k:No)、ステップS605eで判定した振り下ろし開始と、ステップS605jで判定した第1ピークPaと、の間に相関が無い(時間の特徴として、振り下ろしを止める操作と認められない)ためステータス番号STAをSTA=0にリセットする(S605n)。また、差Δaxが+2.5g以上でない場合は(S605j:No)、STA=2にステータスが移行してから1.0秒経過したか判定し(S605o)、1.0秒経過していれば(S605o:Yes)、ステータス番号STAをSTA=0にリセットし(S605p)、1.0秒が未経過であれば(S605o:No)、ステータス番号STAはSTA=2のままとする。
最後に、STA=3の場合はステップS605r〜S605xを実行する。
まず、X軸加速度のプラス方向のピーク値検出と(S605r)、現在のX軸加速度axとX軸加速度の平均値axaveの差Δaxとの差Δaxが−0.8g〜+0.8gの範囲内であるかの判定と(S605s)、を行う。そして、差Δaxが−0.8g〜+0.8gの範囲内であれば(S605s:Yes)、その状態が1.0秒以上継続しているか判定する(S605t)。差Δaxが−0.8g〜+0.8gの範囲内の状態が1.0秒以上継続している場合には(S605t:Yes)、ステータス番号STAをSTA=4に進めるとともに(S605v)、第2のピークPbのときのΔax、第1のピークPaから第2のピークPbまでの時間Tb、及び第2のピークPbからSTA=4にステータスが変化するまでの時間Tc、をメモリに記憶する。一方、差Δaxが−0.8g〜+0.8gの範囲内でない場合は(S605s:No)、STA=3にステータスが移行してから2.0秒経過したか判定し(S605u)、2.0秒経過していれば(S605u:Yes)、ステータス番号STAをSTA=0にリセットし(S605x)、2.0秒が未経過であれば(S605u:No)、ステータス番号STAはSTA=3のままとする。
<タップ判定>
続いて、タップ判定を行う(S606)。ここで行うタップ判定は、上述した固定時操作検出処理におけるタップ判定と同様であり、閾値のみを異ならせてある。すなわち、手持ち時操作検出処理におけるタップ判定処理の判定基準は、上述した固定時操作検出処理におけるタップ判定よりも緩やかにしてある。これは、手持ち時は、固定時に比べて値がぶれやすいためである。タップ判定が終了すると、次に、操作検出判定を行う(S607)。
続いて、タップ判定を行う(S606)。ここで行うタップ判定は、上述した固定時操作検出処理におけるタップ判定と同様であり、閾値のみを異ならせてある。すなわち、手持ち時操作検出処理におけるタップ判定処理の判定基準は、上述した固定時操作検出処理におけるタップ判定よりも緩やかにしてある。これは、手持ち時は、固定時に比べて値がぶれやすいためである。タップ判定が終了すると、次に、操作検出判定を行う(S607)。
<操作検出判定>
操作検出判定では、「振り下ろし」操作及び/又は「タップ」操作を検出したか否かの判定(判定結果確認と処理分岐)が行われる(S607)。「振り下ろし」操作及び/又は「タップ」操作を検出している場合は(S607:Yes)、操作検出に係る閾値の変更を行うための閾値設定3の処理に進み、「振り下ろし」操作及び/又は「タップ」操作を検出していない場合は(S607:No)、10ms待機した後(S627)、手持ち時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。
操作検出判定では、「振り下ろし」操作及び/又は「タップ」操作を検出したか否かの判定(判定結果確認と処理分岐)が行われる(S607)。「振り下ろし」操作及び/又は「タップ」操作を検出している場合は(S607:Yes)、操作検出に係る閾値の変更を行うための閾値設定3の処理に進み、「振り下ろし」操作及び/又は「タップ」操作を検出していない場合は(S607:No)、10ms待機した後(S627)、手持ち時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。
なお、ステップS627の待機時間(10ms)を固定時操作検出処理の場合(5ms)に比べて長くしてあることにより、固定時操作検出処理の場合に比べて、手持ち時操作検出処理の場合は加速度データの読み込み周期が長くなる。これは、同じ操作を行って類似する波形の加速度の振動が発生しても、手持ち状態の場合は、固定状態に比べて発生する加速度の振動の変化のパターンが長周期になる傾向があるため、より長い時間の加速度データをコントローラ80のメモリに記憶しやすい(メモリの節約)ようにするためである。
<閾値設定3>
図19は、閾値設定3の処理の具体例を示すフローチャートである。
図19は、閾値設定3の処理の具体例を示すフローチャートである。
同図に示す処理では、「振り下ろし」操作に係る閾値を調整するため、まず、ステップS607の判定で検出した操作が「振り下ろし」操作であるか否かを判定する(S608a)。そして、「振り下ろし」操作を検出していた場合は(S608a:Yes)、状態が手持ちに変化してから最初に検出した吐水を指示する操作であるか否かを判定する(S608b)。状態が手持ちに変化してから最初に検出した吐水を指示する操作の場合は(S608b:Yes)、閾値設定1の処理で変更されていた振り下ろし判定に係る閾値を標準値に戻す(S608d)。これにより、固定時操作検出処理の中で、判定条件が厳しくなるように(操作が為されたと判定する条件の範囲が狭い閾値に)変更されていた「振り下ろし」操作に係る閾値が、判定条件が緩やか(操作が為されたと判定する条件の範囲が広い閾値に)なるように変更される。具体的には、図17の「振り下ろし」操作の判定フローで、ステップS605jの判定閾値を「+2.5g」から「+1.5g」に、ステップS605aの判定閾値を「±0.8g」から「±1.0g」に、ステップS605kの判定閾値を「0.1〜0.3秒」から「0.05〜0.4秒」に、という具合に、より小さな加速度変化でも、或いは多少不安定な操作や、操作パターンの時間にばらつきがあっても、「振り下ろし」操作判定するよう変更する。
一方、ステップS607の判定において「振り下ろし」操作を検出していなかった場合は(S608a:No)、固定状態から手持ち状態に移行して10秒経過しているか否かを判定する(S608c)。固定状態から手持ち状態に移行して10秒経過している場合は(S608c:Yes)、「振り下ろし」操作は行われていないが、10秒という時間経過を理由に、上述したステップS608dを行って閾値設定1において変更された振り下ろし判定に係る閾値を標準値に戻す。一方、固定状態から手持ち状態に移行して10秒経過していない場合には(S608c:No)、閾値の変更はせず、閾値設定3の処理を終了する。
他方、ステップS607で検出した操作が、状態が手持ちに変化してから最初に検出された吐水を指示する操作でない場合は(S608b:No)、「振り下ろし」操作に係る閾値を、学習履歴に応じて調整する処理を行う(S608e〜S608h)。
まず,「振り下ろし」操作において取得した特徴値セット(Pa.Pb,Ta,Tb,Tcという、「振り下ろし」操作時の加速度の変化パターンの特徴を示す値)を、直近の「振り下ろし」操作の際に取得した特徴値セットとしてデータベースに記憶するとともに、データベースに記憶されていた最古の特徴値セットをデータベースから削除することにより、データベースを更新する(S608e)。
次に、データベースを参照して、過去複数回の特徴値セットの近似度を判定する(S608f)。その結果、過去複数回の特徴値セットが一定の近似度を有する場合は(S608g:Yes)、振り下ろし判定の閾値を、過去複数回の特徴値セットを含みつつ判定条件が厳しくなる(操作が為されたと判定する閾値を、下限であればより大きく、上限であればより小さく、範囲であれば狭く、する)ように閾値を修正する(S608h)。一方、過去複数回の特徴値セットが一定の近似度を有さない場合は(S608g:No)、振り下ろし判定の閾値の変更を行わずに、閾値設定3の処理を終了する。これにより、使用者の操作の癖が出やすい「振り下ろし」操作について、使用者の操作特性に合わせて適切な閾値に変更していくことで、使い勝手を低下させず、誤検知の可能性を減らすことができる。
<手持ち・止水中判定の続き>
閾値設定3の処理を終了、又は、「横振り」操作を検出した場合は、電磁弁55,65を開く制御を実行し(S609)、加速度データを再取得して(S610)、反動終了判定を実行する(S611)。これらの処理は、上述した固定時操作検出処理におけるステップS505〜S507と同様である。
閾値設定3の処理を終了、又は、「横振り」操作を検出した場合は、電磁弁55,65を開く制御を実行し(S609)、加速度データを再取得して(S610)、反動終了判定を実行する(S611)。これらの処理は、上述した固定時操作検出処理におけるステップS505〜S507と同様である。
なお、上述した固定時操作検出処理で行った反動終了判定では、マスク時間を500ms(開指示を行った後のマスク時間)と300ms(閉指示を行った後のマスク時間)と短めに設定してあったが、手持ち時操作検出処理におけるステップS611の反動終了判定では、マスク時間を800ms(開指示を行った後のマスク時間)と600ms(閉指示を行った後のマスク時間)と長めに設定してある。これは、固定状態では、開閉の動作と水の流れでほぼ条件が一定であるため反動による振動の継続時間に変動が少ないが、手持ち状態では、水路途中の給水ホース40の水が抜けていたり水の高低差が変化したりするため、開指示や閉指示を行ってから実際に吐止水されるまでの時間が変動する可能性があることを考慮し、マスク時間にマージンを持たせているためである。
そして、反動による振動が収束したと判定した場合は(S612:Yes)、10ms待機した後(S627)、手持ち時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。一方、反動による振動が収束したと判定しなかった場合は(S612:No)、800msが経過するまで、加速度データ取得処理(S610)と反動判定処理(S611)と反動終了判定(S612)とを繰り返し(S613:No)、その間に反動による振動が収束したものと判定されなくても、800msが経過した時点で(S613:Yes)、10ms待機した後(S613)、手持ち時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。
<手持ち:吐水中判定>
一方、ステップS602において吐水中と判定した場合は(S602:Yes)、「横振り」操作によって開始された吐水中であるか否かを判定する(S614)。そして、「横振り」操作によって開始された吐水中である場合には(S614:Yes)、吐水を継続すべきか否かを判定するために、ヘッド移動判定処理を行う(S615)。
一方、ステップS602において吐水中と判定した場合は(S602:Yes)、「横振り」操作によって開始された吐水中であるか否かを判定する(S614)。そして、「横振り」操作によって開始された吐水中である場合には(S614:Yes)、吐水を継続すべきか否かを判定するために、ヘッド移動判定処理を行う(S615)。
図20は、ヘッド移動判定処理の流れを示すフローチャートである。
<ヘッド移動判定>
まず、ヘッド移動判定処理においては、加速度の大きさ(以下、「移動振幅」と記載する。)を計算する(S614a)。移動振幅は、例えば、各軸加速度の二乗和として計算することができる。すなわち、X軸加速度の平均値axaveとX軸加速度axの差Δaxの二乗と、Y軸加速度の平均値ayaveとY軸加速度ayの差Δayの二乗と、Z軸加速度の平均値azaveとZ軸加速度azの差Δazの二乗とを合計し、その平方根を移動振幅(すなわち、三軸のベクトル合成)とすることができる。
まず、ヘッド移動判定処理においては、加速度の大きさ(以下、「移動振幅」と記載する。)を計算する(S614a)。移動振幅は、例えば、各軸加速度の二乗和として計算することができる。すなわち、X軸加速度の平均値axaveとX軸加速度axの差Δaxの二乗と、Y軸加速度の平均値ayaveとY軸加速度ayの差Δayの二乗と、Z軸加速度の平均値azaveとZ軸加速度azの差Δazの二乗とを合計し、その平方根を移動振幅(すなわち、三軸のベクトル合成)とすることができる。
次に、移動振幅が0.5g以下であるか判定し(S614b)、移動振幅が0.5g以下である場合は(S614b:Yes)、移動振幅が0.5g以下の状態が0.5秒以上継続しているか否かを判定する(S614d)。そして、移動振幅が0.5g以下の状態が0.5秒以上継続している場合は(S614d:Yes)、ヘッド移動無しの状態であると判定する(S614e)。このとき、次に実行されるステップS616の判定分岐において、吐水を終了すべく、電磁弁閉処理(S620)に進む(S616:No)。一方、移動振幅が0.5g以下でない場合は(S614b:No)、ヘッド移動有りの状態であると判定し(S614c)、次に実行されるステップS616の判定分岐において、「振り下ろし」操作の判定処理に進む(S616:Yes)。また、ステップS614dで0.5秒以上継続していない場合(S614d:No)も、ヘッド移動有りの状態に準ずるため、次に実行されるステップS616の判定分岐において、「振り下ろし」操作の判定処理に進む(S616:Yes)。
すなわち、ヘッド移動判定処理を実行することにより、横振りによって開始された吐水は、シャワーヘッド20が使用者によって動かされている間は吐水を継続し、シャワーヘッド20の動きが停止すると吐水を停止することになる。
<手持ち吐水中判定の続き>
その後、止水中に行った各処理(振り下ろし判定(S605)、タップ判定(S606)、操作検出判定(S607))と同様の処理を行い(S617,S618,S619)、ステップS619において「振り下ろし」操作や「タップ」操作の操作検出と判定すると(S619:Yes)、上述した閾値設定3の処理を行う(S620)。なお、吐水中の場合は、仮に「振り下ろし」操作や「タップ」操作を検出しなかった場合でも(S619:No)、節水のため、吐水継続時間が3分未満の場合は(S621:No)、吐水を継続し、それを超えると止水するようにしてある。
その後、止水中に行った各処理(振り下ろし判定(S605)、タップ判定(S606)、操作検出判定(S607))と同様の処理を行い(S617,S618,S619)、ステップS619において「振り下ろし」操作や「タップ」操作の操作検出と判定すると(S619:Yes)、上述した閾値設定3の処理を行う(S620)。なお、吐水中の場合は、仮に「振り下ろし」操作や「タップ」操作を検出しなかった場合でも(S619:No)、節水のため、吐水継続時間が3分未満の場合は(S621:No)、吐水を継続し、それを超えると止水するようにしてある。
閾値設定3の処理を終了したとき、又は吐水時間が3分を超えた場合(S621:Yes)、又は、ヘッド移動中で無かった場合は(S616:No)、電磁弁55,65を閉じる制御を実行して吐水を停止する(S622)。その後、加速度データを再取得して(S623)、反動終了判定を実行する(S624)。これらの処理は、上述した固定時操作検出処理におけるステップS506やS507と同様である。
そして、反動による振動が収束したと判定した場合は(S625:Yes)、10ms待機した後(S627)、手持ち時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。一方、反動による振動が収束したと判定しなかった場合は(S625:No)、600msが経過するまで、加速度データ取得処理(S623)と反動判定処理(S624)と反動終了判定(S625)とを繰り返し、その間に反動による振動が収束したものと判定されなくても、600msが経過した時点で(S626:Yes)、10ms待機した後(S627)、手持ち時操作検出処理を終了してステップS200〜の処理を繰り返すことになる。
(3)まとめ:
以上説明したように、本実施形態に係るシャワーヘッド装置100は、給水ホース40の先端に取り付けられ、湯水を吐出する吐水口が形成されたシャワーヘッド20と、シャワーヘッド20に取り付けられた加速度センサ21と、シャワーヘッド20への流路を開閉する電磁弁55,65と、電磁弁55,65を制御するコントローラ80と、シャワーヘッド20を着脱自在に保持する水栓本体10と、を備えており、コントローラ80は、加速度センサ21が検知した加速度に基づいてシャワーヘッド20が水栓本体10に保持されているか否かを判定し、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されていない場合は第一の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御し、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されている場合は第二の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御するようにしてある。
以上説明したように、本実施形態に係るシャワーヘッド装置100は、給水ホース40の先端に取り付けられ、湯水を吐出する吐水口が形成されたシャワーヘッド20と、シャワーヘッド20に取り付けられた加速度センサ21と、シャワーヘッド20への流路を開閉する電磁弁55,65と、電磁弁55,65を制御するコントローラ80と、シャワーヘッド20を着脱自在に保持する水栓本体10と、を備えており、コントローラ80は、加速度センサ21が検知した加速度に基づいてシャワーヘッド20が水栓本体10に保持されているか否かを判定し、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されていない場合は第一の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御し、シャワーヘッド20が水栓本体10に保持されている場合は第二の制御ルールに基づいて電磁弁55,65を制御するようにしてある。
このように、シャワーヘッド20の固定状態に応じて電磁弁55,65の制御ルールを変更することにより、直感的操作を検出して湯水の吐止水を行うシャワーヘッド装置100における誤吐水/誤止水を減少させ、従来に比して良好な使い勝手を実現することができる。
なお、上述した実施形態中で示した数値は説明のための一例であり、様々に変更することができる。また、本発明は上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。また,本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず,特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
10…水栓本体、20…シャワーヘッド、21…加速度センサ、30…ハンドル、40…給水ホース、50…給水部、55…電磁弁、60…給湯部、65…電磁弁、70…混合弁、80…コントローラ、100…ハンドシャワー装置
Claims (8)
- 給水ホースの先端に取り付けられ、湯水を吐出する吐水口が形成された吐水ヘッドと、
前記吐水ヘッドに取り付けられた加速度検知手段と、
前記吐水ヘッドへの流路を開閉する開閉手段と、
前記開閉手段を制御する制御手段と、
前記吐水ヘッドを着脱自在に保持する保持部と、
を備え、
前記制御手段は、前記加速度検知手段が検知した加速度に基づいて前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されているか否かを判定し、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合は第一の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御し、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合は第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する
ことを特徴とする吐水ヘッド装置。 - 前記制御手段は、前記第二の制御ルールに基づいて前記開閉手段を制御する場合、前記吐水ヘッドに対する「タップ」操作のみを検出し、当該「タップ」操作に基づいて前記開閉手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の吐水ヘッド装置。 - 前記第一の制御ルールにおける前記吐水ヘッドに対する「タップ」操作の有無を判定するための判定条件は、前記第二の制御ルールにおける前記吐水ヘッドに対する「タップ」操作の有無を判定するための判定条件よりも厳しくしてある
ことを特徴とする請求項2に記載の吐水ヘッド装置。 - 前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合の前記加速度検知手段の分解能は、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の前記加速度検知手段の分解能より高い
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の吐水ヘッド装置。 - 前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されている場合の前記加速度検知手段の読み込み周期は、前記吐水ヘッドが前記保持部に保持されていない場合の前記加速度検知手段の読み込み周期より短い
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の吐水ヘッド装置。 - 前記吐水ヘッドが前記保持部に保持された状態から保持されていない状態に切り替わると、所定条件が成立するまで、吐水開始を判定するための判定条件を、前記第一の制御ルールにおける吐水開始を判定するための判定条件よりも厳しくする
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の吐水ヘッド装置。 - 前記所定条件は、吐水開始がなされることである
ことを特徴とする請求項6に記載の吐水ヘッド装置。 - 前記所定条件は、所定時間が経過することである
ことを特徴とする請求項6に記載の吐水ヘッド装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106622709A (zh) * | 2017-01-12 | 2017-05-10 | 泉州迪特工业产品设计有限公司 | 一种智能花洒及其实现方法 |
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2013
- 2013-09-30 JP JP2013203469A patent/JP2015068049A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106622709A (zh) * | 2017-01-12 | 2017-05-10 | 泉州迪特工业产品设计有限公司 | 一种智能花洒及其实现方法 |
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